JP3875593B2 - 作業車両のトランスミッション - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンからの動力をトランスミッションケース内に設けた前後進変速機構及び主変速機構に伝達して走行変速を行う作業車両のトランスミッションに関する。
【0002】
【従来の技術】
トラクタ等の作業車両においては、特開平10−6792号公報等に記載されているように、フロントローダ作業等を行う場合に頻繁に前後進の切換えを必要とする為、そのトランスミッションに主変速機構及び副変速機構の他に前後進変速機構を備えるものがある。
そして、この場合、前後進変速機構及び主変速機構等はトランスミッションース内に設けられ、この前後進変速機構と主変速機機構は、従来、トランスミッションケースの前後方向において直列状に配置することが、前述の公報のものを含めて一般的に採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように前後進変速機構と主変速機機構をトランスミッションケース内の前後方向において直列状に配置すると、前後進変速機構と主変速機機構にまたがるこれらの入出力軸及び変速軸の長さが長くなり、軸の撓みに基づく変速歯車の倒れ等に起因して円滑な変速が阻害される虞が懸念される。
また、前後進変速機構と主変速機機構を直列状に配置すると変速機構の組付性を悪化させると共に、トランスミッションケースが長大となりコンパクトなトランスミッションを得ることが出来ないという問題があった。
そこで、本発明は、トランスミッションケース内に収容する前後進変速機構と主変速機機構の配置を見直し、特にトランスミッションケースの前後方向において主変速機機構を前後進変速機構の下位に一部重合するようにレイアウトすることによって、前述の課題を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、エンジンからの動力をトランスミッションケース内に設けた前後進変速機構及び主変速機構に伝達して走行変速を行う作業車両であって、前記前後進変速機構は、エンジンによって駆動される入力軸及び逆転軸に設けた前進駆動歯車及び後進駆動歯車と、変速軸に回転自在に装着されて前進駆動歯車及び後進駆動歯車に常時噛合う前進従動歯車及び後進従動歯車と、当該前進従動歯車と後進従動歯車間に設けて前進従動歯車及び後進従動歯車に伝達された動力を変速軸に選択して伝達する前後進クラッチとによって構成し、また、前記主変速機構は、上記変速軸に設けた複数の変速駆動歯車と、出力軸に回転自在に装着されて複数の変速駆動歯車に常時噛合う複数の変速従動歯車と、当該複数の変速従動歯車に伝達された動力の内、何れか一つの動力を出力軸に伝達する複数の変速クラッチによって構成する一方、前記主変速機構の複数の変速駆動歯車は、前記変速軸上において前進従動歯車及び後進従動歯車の左右に振り分けて配置すると共に、当該前進従動歯車及び後進従動歯車の左右に隣接して配置する一対の変速駆動歯車に対して常時噛合う一対の変速従動歯車の変速クラッチを、一対の変速従動歯車間に設けることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、作業車両としての農業用トラクタ1は、機体前部に搭載されるエンジン(図示せず)と、該エンジンの発生動力を変速する後述のトランスミッションと、該トランスミッションから供給される走行動力で駆動する前輪2及び後輪3と、機体上部を覆う機体カバー4と、機体カバー4の後部に設ける運転席5と、機体後部に昇降自在に連結される作業部6とを備え、機体前部にはフロントローダー等の前装作業機(図示せず)も適宜、装着することができる。
【0006】
機体カバー4は、エンジンの前方を覆うフロントグリル7と、エンジンの上方を覆うボンネット8と、エンジンの左右側方を覆うサイドカバー9と、ステップとなるメインカバー10と、ステアリング軸及び計器パネルの側方等を覆うパネルカバー11、後輪3の上方及び側方を覆うフェンダ12とを備えて構成される。また、運転席5前方のパネルカバー11の側面には、後述する前後進変速機構Aを変速操作する前後進変速レバー13を突出させ、左フェンダ12の上面には主変速機構Bを変速操作する主変速レバー14、副変速機構Cを変速操作する副変速レバー15、及びPTO変速機構Dを変速操作するPTO変速レバー16を臨ませている。なお、17はクラッチペダルである。
【0007】
図2に示すようにトランスミッションケースは、エンジンEに連結するクラッチハウジング18の後部に連設され、前後進変速機構A及び主変速機構Bを収容するセンターケース19、軸受部を構成するスペーサケース20、副変速機構C、後輪差動装置D、及びPTO変速機構F等を収容するリヤケース21で構成される。前記クラッチハウジング18には、クラッチペダル17によって操作されるクラッチ22と主軸23が内装され、エンジンEの動力はクラッチ22と主軸23を介してセンターケース19に内装する前後進変速機構Aへ伝達される。具体的には、主軸23の後端が継ぎ手24を介して前後進変速機構Aの入力軸25に連結され、主軸23の回転が入力軸25の回転となる。また、前後進変速機構Aは、一対の常時噛合式(コンスタントメッシュ)の歯車変速によって構成される。
【0008】
前記前後進変速機構Aについて図3に基づいて詳述すると、入力軸25はセンターケース19とスペーサケース20に形成した隔壁19a,20aに設けた夫々の孔を貫通して、センターケース19とスペーサケース20の前後に延出すると共に、隔壁19a,20aに設けた前後のベアリング26,26によって軸受される。
入力軸25には、前進駆動歯車27と後進用の伝達歯車28が軸と共に一体回転するように設けてあり、センターケース19の隔壁19aに片持ち状に軸支する逆転軸29に回転自在に装着した後進駆動歯車30は、前記した後進用の伝達歯車28と噛合っている。
入力軸25と同様に隔壁19a,20aに設けた前後のベアリング26,26によって軸受される変速軸31には、前進駆動歯車27と後進駆動歯車30に常時噛合う前進従動歯車32と後進従動歯車33が回転自在に装着され、両従動歯車32,33の間には、変速軸31にスプライン結合されるハブ34aと、ハブ34a上をスライド可能、且つスプライン結合して一体回転するスリーブ34bから構成する前後進クラッチ34が介装してある。
この前後進クラッチ34は、前述した前後進変速レバー13に機械的に連繋してあり、図示の中立状態から前後進変速レバー13を操作してスリーブ34bを右にシフトすると、スリーブ34bは前進従動歯車32のスプライン部と結合し、前進従動歯車32の回転はスリーブ34b、ハブ34aを介して変速軸31に伝えられて前進変速状態となり、左にシフトすると、後進従動歯車33の回転は同じくスリーブ34b、ハブ34aを介して変速軸31に伝えられて後進変速状態となる。
【0009】
次に、主変速機構Bについて説明すると、主変速機構Bも前後進変速機構Aと同様、常時噛合式(コンスタントメッシュ)の歯車変速によって構成され、1速から4速の4段変速を行えるようにしている。
即ち、主変速機構Bの4つの変速駆動歯車35,36,37,38は、変速軸31にスプライン結合されて変速軸31と共に回転する。また、変速駆動歯車35,36,37,38の内、3速の変速駆動歯車37は前進従動歯車32及び後進従動歯車33に対して右側(機体の前後方向の後側)に隣接して配置し、4速の変速駆動歯車38は前進従動歯車32及び後進従動歯車33に対して左側(機体の前後方向の前側)に隣接して配置し、さらに、1速と2速の各変速駆動歯車35、36は3速の変速駆動歯車37の右側に配置し、全体として変速駆動歯車35,36,37,38は変速軸31上において前進従動歯車32及び後進従動歯車33の左右に振り分けて配置してある。
そして、4つの変速駆動歯車35,36,37,38は、出力軸39に回転自在に装着した4つの変速従動歯車40,41,42,43と常時噛合っており、出力軸39は、入力軸25、変速軸31と同様に隔壁19a,20aに設けた前後のベアリング26,26によって軸受している。また、出力軸39の1速及び2速の変速従動歯車40,41間には、出力軸39にスプライン結合されるハブと、ハブ上をスライド可能、且つ一体回転するスリーブから構成する1・2速用変速クラッチ44が介装してあると共に、3速及び4速の変速従動歯車42,43間には、同様に出力軸39にスプライン結合されるハブと、ハブ上をスライド可能、且つ一体回転するスリーブから構成する3・4速用変速クラッチ45が介装してある。
【0010】
従って、前述の主変速レバー14をH型のガイド溝に沿って、1速位置に操作すると、1・2速用変速クラッチ44のスリーブは図示のニュートル状態から右にシフトし、1速の変速従動歯車40の回転は出力軸39に伝えられて1速の変速状態となり、主変速レバー14を2速位置に操作して逆に左にシフトすると、2速の変速従動歯車41の回転が出力軸39に伝えられて2速の変速状態となる。また、主変速レバー14を3速又は4速位置に操作すると、3・4速用変速クラッチ45が同様に切り換わり、3速又は4速の変速従動歯車42、43の回転が出力軸39に伝えられて3速又は4速の変速状態を得ることができる。
【0011】
次いで、主変速機構B以降の走行動力伝達について以下、簡単に説明すると、出力軸39に継ぎ手46を介して連結される副変速軸47と後輪3の差動装置Dに動力を伝達するピニオン軸48はリヤケース21に収容され、また、両軸47,48間に亘って選択摺動式の高低2段の副変速機構Cが介装してある。
即ち、副変速機構Cは副変速軸47にスプライン結合され、且つ左右にスライド自在な第1変速歯車49と、副変速軸47に回転自在に装着され、第1変速歯車49と噛合う内歯50aと高速及び低速の外歯50b,50cを有する中間歯車50と、ピニオン軸48にスプライン結合され、且つ左右にスライド自在で、前記中間歯車50の高速又は低速歯車50b,50cと噛合う2つの従動歯車51a,51bを備える第2変速歯車51によって構成させる。
また、このトランスミッションに超低速変速機構Tを追加する場合には、図4に示すように第1変速歯車49に噛合う超低速入力歯車52と、中間歯車50の高速側の外歯50bと噛合う超低速出力歯車53を備える超低速ユニットを装着する。
そして、前述の超低速変速機構Tを備えない標準車では、図3において第1変速歯車49は中間歯車50の内歯50aと常時噛合っており、図示の中間歯車50の高速側の外歯50bと第2変速歯車51の高速側の従動歯車51aとの噛合いによる高速変速状態を、副変速レバー15に連繋した第2変速歯車51の左方へのシフトによって中間歯車50の低速側の外歯50cと第2変速歯車51の低速側の従動歯車51bとの噛合いに変更して低速変速状態を得ることができ、一方超低速変速機構Tを追加したものでは、係る2段の副変速に加えて図示しない超低速変速レバーの操作によって第1変速歯車49から超低速入出力歯車52,53を経由して中間歯車50を回転させる超低速変速状態を得ることができる。
【0012】
また、前述の副変速機構Cを介して駆動されるピニオン軸48は後輪3の差動装置Dを介して最終的に後輪3を駆動する一方、ピニオン軸48に装着した2駆・4駆切換え歯車54は低速歯車55を介して前輪増速装置Gの低速歯車56を駆動し、また中間歯車50の外歯50dは前輪増速装置Gの高速歯車57を駆動し、前輪増速装置Gはそのクラッチ58を介して前輪動力取出軸59に標準速又はそれの略倍速の回転を伝える結果、前輪2は後輪3の周速と略同じ周速で駆動するか、或いは後輪3の周速に対して略倍速の周速で駆動するように構成している。
さらに、リヤケース21の後部には、PTO変速機構Fが収容されており、PTO変速機構Fは図2に示すように、入力軸25、中間軸60を経由してエンジンEの動力がそのPTO入力軸61に伝達され、正転3段、逆転1段のPTO変速をPTO変速レバー16によって行うことができる。即ち、入力軸61とPTO軸62に設けた低速駆動歯車63及び低速従動歯車64の噛合いを、PTO軸62に設けた中速従動歯車65の右方向へのシフトによって、低速駆動歯車63、低速従動歯車64、中速従動歯車65を介して正転1速のPTO変速状態を得ることができ、前記中速従動歯車65を左方向にシフトして中速駆動歯車66と噛合わせることによって正転2速状態を得ることができ、PTO軸62に設けた高速従動歯車67を図示の状態から左にシフトして高速駆動歯車68と噛合わせることによって正転3速状態を得ることができ、高速従動歯車67を右にシフトして前述の中速駆動歯車66、逆転軸69に装着した逆転歯車70、及び高速従動歯車67を経由した逆転変速状態を得ることができる。
【0013】
以上のように構成したトラクタ1において、走行変速は運転席5の前方に設けた前後進変速レバー13と、運転席5の側方に設けた主変速レバー14及び副変速レバー15によって行うことができる。オペレーターは圃場等において耕耘作業等を行う場合は、副変速レバー15を予め低速側に位置させて、副変速機構Cを低速状態に変速する。また、路上走行等を行う場合は、副変速機構Cを高速状態に変速しておく。そして、次に主変速レバー14を操作して1速から4速のうち必要とする走行速度を選択し、前後進変速レバー13を中立から前進位置に操作すると、機体は主変速機構Bと副変速機構Cによって組み合わされた8段の変速の内、何れか1つの変速状態のもとに前進走行することができる。
また、前後進変速レバー13を中立から後進位置に操作すると、それまでの前進走行と略等しい速度のもとに後進走行を行うことができ、フロントローダ作業等において頻繁に前後進の切換えを必要とする場合に、主変速レバー14及び副変速レバー15を操作して必要な前後進速度を得るといった、従来のトランスミッションにおける煩わしさが解消され、作業能率の向上に寄与する。
なお、別途超低速ユニットTを装着すると、超低速変速レバーの切り換え操作によって、牽引力を要する重作業における超低速変速状態で機体の前後進変速を行うことができる。
【0014】
そして、本発明の走行変速を行うトランスミッションは、トランスミッションケース(センターケース)19内に収容する前後進変速機構Aと主変速機構Bの配置を見直し、特にトランスミッションケース19の前後方向において主変速機機構Bを前後進変速機構Aの下位に一部重合するようにレイアウトする。
即ち、トランスミッションケース19の前後方向の前部に仮に前後進変速機構Aを、また、後部に主変速機機構Bを直列状に連設すると、トランスミッションケース19は前後方向に長さが長くなると共に、前後進変速機構A及び主変速機機構Bの入出力軸25,39及び変速軸31も必然的に長くなり、その軸25,39,31の撓みに基づく変速歯車32,38・・等の倒れが発生し、円滑な変速が阻害される。
しかし、本発明のように主変速機機構Bを前後進変速機構Aの下位に一部重合するようにレイアウトすると、前後に重合する分だけ前後進変速機構A及び主変速機機構Bの入出力軸25,39及び変速軸31の長さを短縮することが可能となり、それらの軸の撓みに基づく変速歯車等の倒れを未然に防止して、円滑な変速が行われることが期待できる。また、それに付随してトランスミッションケース19を徒に長大化させることなくコンパクトに構成でき、トランスミッションケース19への前後進変速機構A及び主変速機機構Bの組み付けも容易に行うことができる。
【0015】
より詳述すると、本発明にあっては、その前後進変速機構Aは、エンジンEによって駆動される入力軸25及び逆転軸29に設けた前進駆動歯車27及び後進駆動歯車30と、変速軸31に回転自在に装着されて前進駆動歯車27及び後進駆動歯車30に常時噛合う前進従動歯車32及び後進従動歯車33と、当該前進従動歯車32と後進従動歯車33間に設けて前進従動歯車32及び後進従動歯車33に伝達された動力を変速軸31に選択して伝達する前後進クラッチ34とによって構成している。また、主変速機構Bは、上記変速軸31に設けた複数の変速駆動歯車35,36,37,38と、出力軸39に回転自在に装着されて複数の変速駆動歯車に常時噛合う複数の変速従動歯車40,41,42,43と、当該複数の変速従動歯車に伝達された動力の内、何れか一つの動力を出力軸39に伝達する複数の変速クラッチ44,45によって構成する。
そして、前記主変速機構Bの複数の変速駆動歯車35,36,37,38は、前記変速軸31上において前進従動歯車32及び後進従動歯車33の左右に振り分けて配置すると共に、当該前進従動歯車32及び後進従動歯車33の左右に隣接して配置する一対の変速駆動歯車37,38に対して常時噛合う一対の変速従動歯車42,43の変速クラッチ45を、一対の変速従動歯車42,43間に設けるものとしている。
【0016】
従って、従来のように前後進変速機構Aと主変速機機構Bを直列状に連設する場合には、前後進変速機構Aを構成する常時噛合式の歯車変速装置が占める前後長さ(L1)と、主変速機機構Bを構成する4つの常時噛合式の歯車変速装置が占める前後長さ(L2*2)の和(L1+L2*2)以上の入力軸25、出力軸39、及び変速軸31の長さが必要となる。
しかし、本発明は前述のように構成するので、入力軸25、出力軸39、及び変速軸31の長さは、前後進変速機構Aを構成する常時噛合式の歯車変速装置が占める前後長さ(L1)と、主変速機機構Bを構成する2つの常時噛合式の歯車変速装置が占める前後長さ(L2)と、前後進変速機構Aの従動歯車32,33の左右に配置する主変速機機構Bの残る2つの変速駆動歯車37,38の歯幅(L3*2)の和(L1+L2+L3*2)程度に短縮することができる有利性がある。
なお、前後進変速機構A、及び主変速機構Bは、常時噛合式(コンスタントメッシュ)の歯車変速によって構成しているが、これを同期噛合式(シンクロメッシュ)の歯車変速に変更することもできる。また、副変速機構Cを2段以上の常時噛合式、又は同期噛合式の歯車変速に構成するのであれば、前後進変速機構Aの下位に重合する主変速機機構Bを副変速機構Cに置き換えて本発明を適用することも、本発明の範囲内の技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】農業用トラクタの斜視図である。
【図2】トランスミッションの展開図である。
【図3】トランスミッションの拡大展開図である。
【図4】超低速ユニットの装着状態を示す要部の展開図である。
【符号の説明】
1 農業用トラクタ
25 入力軸
27 前進駆動歯車
29 逆転軸
30 後進駆動歯車
31 変速軸
32 前進従動歯車
33 後進従動歯車
34 前後進クラッチ
35,36,37,38 変速駆動歯車
39 出力軸
40,41,42,43 変速従動歯車
44,45 変速クラッチ
A 前後進変速機構
B 主変速機構
C 副変速機構

Claims (1)

  1. エンジンからの動力をトランスミッションケース内に設けた前後進変速機構及び主変速機構に伝達して走行変速を行う作業車両であって、前記前後進変速機構は、エンジンによって駆動される入力軸及び逆転軸に設けた前進駆動歯車及び後進駆動歯車と、変速軸に回転自在に装着されて前進駆動歯車及び後進駆動歯車に常時噛合う前進従動歯車及び後進従動歯車と、当該前進従動歯車と後進従動歯車間に設けて前進従動歯車及び後進従動歯車に伝達された動力を変速軸に選択して伝達する前後進クラッチとによって構成し、また、前記主変速機構は、上記変速軸に設けた複数の変速駆動歯車と、出力軸に回転自在に装着されて複数の変速駆動歯車に常時噛合う複数の変速従動歯車と、当該複数の変速従動歯車に伝達された動力の内、何れか一つの動力を出力軸に伝達する複数の変速クラッチによって構成する一方、前記主変速機構の複数の変速駆動歯車は、前記変速軸上において前進従動歯車及び後進従動歯車の左右に振り分けて配置すると共に、当該前進従動歯車及び後進従動歯車の左右に隣接して配置する一対の変速駆動歯車に対して常時噛合う一対の変速従動歯車の変速クラッチを、一対の変速従動歯車間に設けることを特徴とする作業車両のトランスミッション。
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