JP3875591B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置及び電動パワーステアリング装置の制御装置の正常判定方法 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置及び電動パワーステアリング装置の制御装置の正常判定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによるアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置及び電動パワーステアリング装置の制御装置の正常判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車や車両の電動パワーステアリング装置の制御装置はステアリングホイールの操作により、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出し、その検出信号に基づいて電動モータ(以下、モータという)の制御目標値であるアシスト電流指令値を演算するようにされている。そして、制御装置の電流フィードバック制御系にて、制御目標値であるアシスト電流指令値と実際にモータに流れるモータ電流(実アシスト電流値)との差を制御値として求め、この制御値により、前記モータを制御してハンドルの操舵力を補助している。以下、このようにアシスト電流指令値に基づいて処理される制御をアシスト制御という。
【0003】
ところで、従来の制御装置では、アシスト電流指令値と実アシスト電流値との偏差が所定値以上の場合は全て異常状態であると判定し、異常状態が所定時間継続したとき、異常を確定して異常処置を行うようにしている。この異常処置は具体的には、アシスト制御を停止することである。
【0004】
アシスト電流指令値と実アシスト電流値との偏差が所定値以上等の条件が揃った場合において、アシスト制御をそのまま行うと、(1)過剰アシスト、(2)逆アシスト、或いは(3)アシスト不足が発生する。過剰アシストは、実アシスト電流値が制御目標値であるアシスト電流指令値以上となる場合であり、モータの出力が大きすぎてしまう状態である。逆アシストは、ステアリングホイールの操舵方向とは逆方向にモータがトルクを発生する状態である。又、アシスト不足は、実アシスト電流値が制御目標値であるアシスト電流指令値未満となる場合であり、モータの出力が小さい状態である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アシスト電流指令値と実アシスト電流値との偏差が所定値以上の場合を全て異常判定と判定しているため、上記アシスト不足の場合において、アシスト制御を停止してしまうと、マニュアル操作となる。この場合、逆にステアリングホイールの操作が重くなってしまい、ステアリングホイールの操舵性が悪化してしまう問題があった。
【0006】
そこで、アシスト電流指令値と実アシスト電流値との偏差が所定値以上の場合であっても、単にアシスト不足になる場合には、異常判定としない制御装置及び正常判定方法が求められている。
【0007】
本発明の目的は、アシスト電流指令値と実アシスト電流値との偏差が所定値以上の場合であっても、単にアシスト不足となる場合には、異常判定を行わないようにした電動パワーステアリング装置の制御装置及び電動パワーステアリング装置の制御装置の正常判定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、操舵トルクに基づいて演算されたアシスト電流指令値と、モータのモータ電流値との偏差を演算し、同偏差から演算したアシスト電流制御値に基づいてアシスト力を出力するモータを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記偏差が所定値以上であり、かつ、前記アシスト電流指令値とモータ電流値とが同符号であり、かつ、モータ電流値が前記アシスト電流指令値より小さい場合、又は前記偏差が前記所定値未満の場合に正常と判定し、そうでない場合に異常と判定する判定手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置を要旨とするものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記判定手段が異常と判定したとき、その異常が継続する継続時間を計時する計時手段と、前記計時手段が計時した継続時間が所定時間以上のとき、前記アシスト電流制御値に基づくアシスト力を前記モータが出力しないように前記モータを制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2において、前記制御手段は、前記計時手段が計時した継続時間が所定時間以上のとき、アシスト力を0とするように前記モータを制御することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、操舵トルクに基づいて演算されたアシスト電流指令値と、モータのモータ電流値との偏差を演算し、同偏差から演算したアシスト電流制御値に基づいてアシスト力を出力するモータを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置の正常判定方法において、前記偏差が所定値以上であり、かつ、前記アシスト電流指令値とモータ電流値とが同符号であり、かつ、モータ電流値が前記アシスト電流指令値より小さい場合、又は前記偏差が前記所定値未満の場合に正常と判定することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置の正常判定方法を要旨とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した電動パワーステアリング装置の制御装置の一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0013】
図1は、電動パワーステアリング装置の制御装置の概略を示す。
ステアリングホイール1に連結したステアリングシャフト2には、トーションバー3が設けられている。このトーションバー3には、トルクセンサ4が装着されている。そして、ステアリングシャフト2が回転してトーションバー3に力が加わると、加わった力に応じてトーションバー3が捩れ、その捩れ、即ちステアリングホイール1にかかる操舵トルクTをトルクセンサ4が検出している。
【0014】
又、ステアリングシャフト2には減速機5が固着されている。この減速機5にはモータ6の回転軸に取着したギア7が噛合されている。更に、減速機5にはピニオンシャフト8が固着されている。ピニオンシャフト8の先端には、ピニオン9が固着されるとともに、このピニオン9はラック10と噛合している。ラック10の両端には、タイロッド12が固設されており、そのタイロッド12の先端部にはナックル13が回動可能に連結されている。このナックル13には、タイヤとしての前輪14が固着されている。又、ナックル13の一端は、クロスメンバ15に回動可能に連結されている。
【0015】
従って、モータ6が回転すると、その回転数は減速機5によって減少されてピニオンシャフト8に伝達され、ピニオン及びラック機構11を介してラック10に伝達される。そして、ラック10は、タイロッド12を介してナックル13に設けられた前輪14の向きを変更して車両の進行方向を変えることができる。
【0016】
前輪14には、車速センサ16が設けられている。
次に、この電動パワーステアリング装置の制御装置の電気的構成を示す。
トルクセンサ4は、ステアリングホイール1の操舵トルクTに相対する電圧VTを出力している。車速センサ16は、その時の車速Vを前輪14の回転数に相対する周期のパルス信号Pとしてを出力する。
【0017】
制御装置20は、中央処理装置(CPU21)、読み出し専用メモリ(ROM22)及びデータを一時記憶する読み出し及び書き込み専用メモリ(RAM23)を備えている。このROM22には、CPU21による演算処理を行わせるための制御プログラムが格納されている。RAM23は、CPU21が演算処理を行うときの演算処理結果等を一時記憶する。
【0018】
CPU21は、判定手段、計時手段、制御手段に相当する。
ROM22は、アシストマップが格納されている。アシストマップは、通常状態(ハンドルステアリング戻しでない状態)における操舵トルクに対応し、かつ車速に応じたアシスト電流指令値I*を求めるためのものであり、操舵トルクTに対するアシスト電流指令値I*がそれぞれ記憶されている。
【0019】
図2は、前記CPU21内部において、プログラムで実行される機能を示す制御ブロック図である。同制御ブロック図で図示されている各部は、独立したハードウエアを示すものではなく、CPU21で実行される機能を示している。
【0020】
以下、CPU21の機能と動作を説明する。
トルクセンサ4から入力された操舵トルク信号は、トルク演算器24で回動トルクが演算され、位相補償器25で操舵系の安定を高めるために位相補償され、次のアシスト電流指令値演算器26に入力される。
【0021】
一方、車速センサ16から入力されたパルス信号Pは、車速演算器27でその時々の車速Vが演算されアシスト電流指令値演算器26に入力される。
アシスト電流指令値演算器26は、入力された操舵トルクTに基づき、かつ入力された車速Vに対応して、ROM22に格納したアシストマップを参照してアシスト電流指令値I*を算出する。そして、アシスト電流指令値演算器26はアシスト電流指令値I*を出力する。
【0022】
比較器28、PI制御器29から構成される回路は、実際のモータ電流値(以下、実アシスト電流値という)がアシスト電流指令値I*に収束するようにフィードバック制御を行う回路である。
【0023】
比較器28では、アシスト電流指令値演算器26から出力されたモータ6の制御目標値であるアシスト電流指令値I*と、後述するモータ電流検出器30で検出された実際の実アシスト電流値Iとが比較されて、その差の信号が出力される。
【0024】
PI制御器29の比例演算器31では、アシスト電流指令値I*と実際の実アシスト電流値Iとの差に比例した比例値が出力される。又、PI制御器29の積分演算器32では、フィードバック系の特性を改善するために積分され、積分値に比例した値が出力される。前記比例演算器31から出力された比例値、積分演算器32から出力された積分値は加算器33で加算され、演算結果であるアシスト電流制御値(以下、電流制御値という。)がモータ制御回路34に出力され、モータ駆動装置35を介してモータ6が駆動され、アシスト力を出力する。実アシスト電流値I(モータ電流値)はモータ電流検出器30にて検出される。
【0025】
モータ制御回路34は加算器33から入力された電流制御値に基づいて決定されるデューティ比のPWMを発生させる。又、モータ制御回路34は、電流制御値の符号に基づいてモータの回転方向を決定する回転方向信号を出力する図示しないPWM回路と、Hブリッジ回路の4個の電界効果型トランジスタ(以下、第1〜第4トランジスタFET1〜FET4という)のゲートを駆動する図示しないゲート駆動回路を備えている。
【0026】
モータ駆動装置35は前記第1〜第4トランジスタFET1〜FET4をブリッジに接続したHブリッジ回路にて構成され、その入力端子にはバッテリからイグニッション(ともに図示しない)でオン/オフされるリレーを経てバッテリ電圧Vccの電力が供給され、出力端子間にはモータ6が接続されている。
【0027】
第1トランジスタFET1,第2トランジスタFET2は電流制御値に基づいて決定されるデューティ比のPWM信号に基づいてオン/オフされ、モータ6に流れる電流の大きさが制御される。又、第3トランジスタFET3と第4トランジスタFET4は電流制御値の符号に基づいて決定される回転方向信号によりゲートがオン/オフされる。
【0028】
前記第3トランジスタFET3が導通状態のときは、電流は第1トランジスタFET1、モータ6、第3トランジスタFET3を経て流れ、モータ6に正方向の電流が流れる。又、第4トランジスタFET4が導通状態のときは、電流は第2トランジスタFET2、モータ6、第4トランジスタFET4を経て流れ、モータ6に負方向の電流が流れる。
【0029】
前記モータ電流検出器30にて検出されたモータ電流はフィードバック系の比較器28にフィードバックされる。
次に、上記のように構成されたCPU21の異常判定処理、すなわち、CPU21の処理動作を図3のフローチャートに従って説明する。
【0030】
図3は、CPU21が定時割込みで実行する正常判定プログラムのフローチャートを示している。
S10においては、アシスト電流指令値I*を読み出し、S20では、実アシスト電流値Iを読み出す。
【0031】
S30においては、アシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iとの電流偏差(|I*−I|)が所定値ΔI(>0)以上か否かを判定する。所定値ΔIは、電流偏差(|I*−I|)が異常か正常かを判定する大きさのものであり、予め理論値、或いは試験等により求められ、ROM22に格納されている。
【0032】
電流偏差(|I*−I|)が所定値ΔI未満であれば、正常であるとして、「NO」と判定して、S60に移行する。
電流偏差(|I*−I|)が所定値ΔI以上であれば、「YES」と判定し、S40に移行する。
【0033】
S40ではアシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iとが同符号であるか否かを判定する。本実施形態では、I* × I>0であるか否かにより判定する。アシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iとが同符号であれば、I* × Iが0を越えて「正」となり、互いに異なる符号であれば、0未満となって「負」となる。
【0034】
I* × Iが「負」の場合には、アシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iとの符号が異なっており、このままアシスト制御すると、逆アシストなるため、異常であるとして、S40の判定を「NO」とし、S110に移行する。
【0035】
又、I* × Iが「正」の場合には、S40の判定を「YES」とし、S50に移行する。
S50では、実アシスト電流値Iの方がアシスト電流指令値I*よりも小さいか否かを判定する。
【0036】
すなわち、|I*|>|I| か、否かを判定する。
実アシスト電流値Iの方がアシスト電流指令値I*よりも小さい場合には判定を「YES」としてS60に移行し、そうでない場合には、異常であるとして、判定を「NO」とし、S110に移行する。
【0037】
S60では、S30で正常状態であると判定され、或いは、S30では「NO」と判定され、かつS40及びS50において、共に「YES」として判定されたため、stateフラグを正常状態にセットする。
【0038】
又、S70では、S40又はS50において、共に「NO」と判定されたため、stateフラグを異常状態にセットする。
S60又はS110からS70に移行すると、S70では、stateフラグが異常状態にセットされているか、否かを判定する。
【0039】
S70において、stateフラグが異常状態にセットされている場合には、S80において、タイマtimerをインクリメントし、S90に移行する。又、S70において、stateフラグが異常状態にセットされていない場合、すなわち、stateフラグが正常状態としてセットされている場合には、S120において、タイマtimerを0にリセットし、S90に移行する。
【0040】
S90では、タイマtimerが所定時間T0経過しているか否かを判定する。
タイマtimerが所定時間T0経過していない場合、stateフラグが異常状態にセットされている時間が、所定時間t0経過していないことを意味している。このため、S90を「NO」と判定し、このフローチャートを一旦終了する。
【0041】
又、タイマtimerが所定時間T0経過している場合、stateフラグが異常状態にセットされている時間が、所定時間t0経過していることを意味している。このため、S90を「YES」と判定し、S100において、電流偏差異常を確定し、異常処置を実施して、このフローチャートを一旦終了する。
【0042】
なお、異常処置は、アシスト制御を停止することである。この場合は、ステアリングホイールの操舵は、モータ6のアシストがないマニュアル操舵となる。
このフローチャートによれば、電流偏差が所定値ΔI未満であって(S30が「NO」)の場合、S60では正常状態であると判定される。
【0043】
又、電流偏差が所定値ΔI以上であって(S30が「YES」)、アシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iとが同符号(S40が「YES」)で、かつ実アシスト電流値Iの方がアシスト電流指令値I*よりも小さい場合(S50が「YES」)、S60では正常状態であると判定される。
【0044】
従って、上記の条件を満足する場合、正常状態と判定され、アシスト制御をこのまま実行しても、実アシスト電流値Iが小さいため、モータ6のアシスト力は小さなものとなるが、マニュアル操舵となるよりは、アシスト力が付与されるため、ステアリングホイール1の操舵性の悪化が防止できる。
【0045】
又、電流偏差が所定値ΔI以上であって(S30が「YES」)、アシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iとが異符号(S40が「NO」)の場合、アシスト制御を実行すると、逆アシストとなる場合である。このため、S110ではstateフラグが異常状態であるとセットされる。
【0046】
或いは、電流偏差が所定値ΔI以上であって(S30が「YES」)、アシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iとが同符号(S40が「YES」)で、かつ実アシスト電流値Iがアシスト電流指令値I*よりも大きい場合(S50が「NO」)、S110ではstateフラグが異常状態であるとセットされる。
【0047】
上記のように、S110でstateフラグが異常状態であるとしてセットされると、S90において、所定時間T0経過した場合に、始めて異常状態を確定する。
【0048】
このように、所定時間t0経過する以前では、仮にS110でstateフラグが異常状態であるとセットされても、異常処置を実施するS100に移行しない。このため、所定時間t0内で一時的な異常状態の判定があった場合には、異常状態としないため、アシスト制御のハンチングを生ずることがない。
【0049】
上記実施形態の電動パワーステアリング装置の制御装置20によれば、以下のような特徴がある。
(1) 本実施形態の電動パワーステアリング装置の制御装置20では、CPU21が操舵トルクTに基づいて演算されたアシスト電流指令値I*と、モータ6の実アシスト電流値I(モータ電流値)との電流偏差(偏差)を演算するようにした。そして、電流偏差から演算した制御値(アシスト電流制御値)に基づいてアシスト力を出力するモータ6を備えた。
【0050】
そして、電流偏差が所定値ΔI以上であり、かつ、アシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iとが同符号であり、かつ、実アシスト電流値Iがアシスト電流指令値I*より小さい場合に正常と判定し、そうでない場合に異常と判定するCPU21(判定手段)を備えた。
【0051】
この結果、電流偏差が所定値ΔI以上であって、アシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iとが同符号で、かつ実アシスト電流値Iの方がアシスト電流指令値I*よりも小さい場合、正常状態であると判定される。
【0052】
従って、上記の条件を満足する場合、正常状態と判定され、アシスト制御をこのまま実行しても、実アシスト電流値Iが小さいため、モータ6のアシスト力は小さなものとなるが、マニュアル操舵となるよりは、アシスト力が付与されるため、ステアリングホイール1の操舵性の悪化が防止できる。
【0053】
(2) 本実施形態では、制御装置20は、異常と判定したとき、その異常が継続する継続時間を計時するCPU21(計時手段)を備えるようにした。そして、制御装置20のCPU21は、計時した継続時間が所定時間T0経過したとき、アシスト電流制御値に基づくアシスト力をモータ6が出力しないようにモータ6を制御する制御手段とした。
【0054】
この結果、所定時間t0経過する以前では、異常状態であるとしても、異常処置を実施しない。このため、所定時間t0内で一時的な異常状態の判定があって場合には、異常状態としないため、アシスト制御のハンチングを生ずることがない。
【0055】
又、CPU21は所定時間t0経過した場合には、アシスト電流制御値に基づくアシスト力をモータ6が出力しないようにモータ6を制御するため、異常状態時には、アシストを行うことがなく、過剰アシストや逆アシストになることを防止できる。
【0056】
(3) 本実施形態では、CPU21(制御手段、計時手段)は、異常の継続時間が所定時間以上のとき、アシスト力を0とするようにモータ6を制御するようにした。
【0057】
この結果、異常の継続時間が所定時間以上のときの異常状態時には、モータ6を駆動することがない。
(4) 本実施形態における制御装置20の正常判定方法では、電流偏差が所定値ΔI以上であり、かつ、アシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iとが同符号であり、かつ、実アシスト電流値Iがアシスト電流指令値I*より小さい場合に正常と判定するようにした。
【0058】
この結果、この正常判定方法によれば、上記(1)の作用効果を奏することでができる。
尚、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0059】
○ 前記実施形態では、CPU21にPI制御器29の機能を持たせたが、PI制御器29の代わりにPID制御器を設けても良い。
○ 前記実施形態では、コラムアシスト式の電動パワーステアリング装置の制御装置に具体化したが、ラックアシスト式の電動パワーステアリング装置の制御装置に具体化してもよい。
【0060】
次に、前記実施形態及び別例から把握できる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、以下に記載する。
(1) 前記判定手段は、前記偏差が所定値以上であるか否かを判定する第1判定手段と、前記アシスト電流指令値とモータ電流値とが同符号であるか否かを判定する第2判定手段と、モータ電流値が前記アシスト電流指令値より小さいか否かを判定する第3判定手段を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
【0061】
前記実施形態において、CPU21は、第1〜第3判定手段に相当する。こうすると、第1判定手段乃至第3判定手段の各判定により、アシスト電流指令値I*と実アシスト電流値Iの両者間の大小関係や符号等に応じて細かい判定ができる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1及び請求項4に記載の発明によれば、アシスト電流指令値と実アシスト電流値との偏差が所定値以上の場合であっても、単にアシスト不足となる場合には、異常判定を行わないようにすることができる。
【0063】
この結果、アシスト制御をこのまま実行しても、実アシスト電流値が小さいため、モータのアシスト力は小さなものとなるが、マニュアル操舵となるよりは、アシスト力が付与されるため、ステアリングホイールの操舵性の悪化が防止できる。
【0064】
請求項2又は請求項3の発明によれば、所定時間内で一時的な異常状態の判定があった場合には、異常処置をしないため、アシスト制御のハンチングを生ずることがない。又、異常の継続時間が所定時間経過した場合には、異常処置としてアシスト電流制御値に基づくアシスト力をモータが出力しないようにモータを制御するため、所定時間を経過した異常状態時には、アシストを行うことがなく、過剰アシストや逆アシストになることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に具体化した電動パワーステアリング装置の制御装置の概略図。
【図2】同じく電動パワーステアリング装置の制御装置の制御ブロックダイヤグラム。
【図3】正常判定プログラムのフローチャート。
【符号の説明】
I…実アシスト電流値
I*…アシスト電流指令値
T…操舵トルク
6…モータ
20…制御装置
21…CPU(判定手段、計時手段、制御手段)

Claims (4)

  1. 操舵トルクに基づいて演算されたアシスト電流指令値と、モータのモータ電流値との偏差を演算し、同偏差から演算したアシスト電流制御値に基づいてアシスト力を出力するモータを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記偏差が所定値以上であり、かつ、前記アシスト電流指令値とモータ電流値とが同符号であり、かつ、モータ電流値が前記アシスト電流指令値より小さい場合、又は前記偏差が前記所定値未満の場合に正常と判定し、そうでない場合に異常と判定する判定手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記判定手段が異常と判定したとき、その異常が継続する継続時間を計時する計時手段と、
    前記計時手段が計時した継続時間が所定時間以上のとき、前記アシスト電流制御値に基づくアシスト力を前記モータが出力しないように前記モータを制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1
    に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記計時手段が計時した継続時間が所定時間以上のとき、アシスト力を0とするように前記モータを制御することを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 操舵トルクに基づいて演算されたアシスト電流指令値と、モータのモータ電流値との偏差を演算し、同偏差から演算したアシスト電流制御値に基づいてアシスト力を出力するモータを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置の正常判定方法において、
    前記偏差が所定値以上であり、かつ、前記アシスト電流指令値とモータ電流値とが同符号であり、かつ、モータ電流値が前記アシスト電流指令値より小さい場合、又は前記偏差が前記所定値未満の場合に正常と判定することを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置の正常判定方法。
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