JP3875136B2 - 端末装置、基地局及び無線通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、現在位置を特定する端末装置、基地局及び無線通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は従来の無線通信システムを示す構成図であり、図において、1は無線通信システムの基地局、1aは基地局1の通信可能エリア、2は基地局1の通信可能エリア1a内に存在するとき、基地局1から基地局ID(例えば、PHSの場合、CS−IDなど)を含む報知情報を受信すると、その基地局IDをセンタ3に通知する端末装置、3は端末装置2から基地局IDを受信すると、その基地局IDをキーにして基地局1の登録位置を検索し、その登録位置を端末装置2の現在位置を示す位置情報として端末装置2に通知するセンタである。
【0003】
次に動作について説明する。
端末装置2が移動して基地局1の通信可能エリア1a内に入ると、端末装置2は基地局1から送信される報知情報を受信する。
端末装置2のユーザが現在位置の把握を希望する場合、基地局1を介して、その報知情報に含まれている基地局IDをセンタ3に通知する。
【0004】
センタ3は、端末装置2から基地局IDを受信すると、その基地局IDをキーにして基地局1の登録位置を検索する。
センタ3は、基地局1の登録位置を検索すると、基地局1を介して、その登録位置を端末装置2の現在位置を示す位置情報として端末装置2に通知する。
これにより、端末装置2のユーザは、大まかではあるが自己の現在位置を把握することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の無線通信システムは以上のように構成されているので、どの基地局の通信可能エリア内に存在しているかについては把握することができるが、具体的に通信可能エリア内のどの位置にいるかについては把握することができず、自己の現在位置を正確に把握することができない課題があった。
因みに、基地局の通信可能エリアの半径は100mから数kmの幅がある。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、自己の現在位置を正確に特定することができる端末装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、端末装置の現在位置を正確に特定することができる基地局及び無線通信システムを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る端末装置は、測定手段の測定結果と複数の基地局の送信電力レベル及びアンテナ高から複数の基地局までの距離を計算し、複数の基地局までの距離と複数の基地局の絶対位置から自己の現在位置を特定する位置特定手段を設けたものである。
【0008】
この発明に係る基地局は、受信手段により受信された報知情報と測定手段により測定された受信電界レベルと自己のアンテナ高から複数のアンテナと端末装置間の距離を計算し、各間の距離と自己の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定手段を設けたものである。
【0009】
この発明に係る無線通信システムは、複数の基地局から報知情報を受信するとともに、複数の基地局から送信される報知情報の受信電界レベルと自己のアンテナ高を測定して、その測定結果と複数の基地局の送信電力レベル及びアンテナ高から複数の基地局までの距離を計算し、複数の基地局までの距離と複数の基地局の絶対位置から自己の現在位置を特定する端末装置を設けたものである。
【0010】
この発明に係る無線通信システムは、複数の基地局から送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を受信するとともに、端末装置から受信電界レベル及びアンテナ高を示す報知情報を受信して、その報知情報から複数の基地局と端末装置間の距離を計算し、各間の距離と複数の基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定装置を設けたものである。
【0011】
この発明に係る無線通信システムは、端末装置から送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を受信するとともに、複数の基地局から受信電界レベル及びアンテナ高を示す報知情報を受信して、その報知情報から複数の基地局と端末装置間の距離を計算し、各間の距離と複数の基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定装置を設けたものである。
【0012】
この発明に係る無線通信システムは、複数のアンテナを用いて、端末装置から報知情報を受信するとともに、端末装置から送信される報知情報の受信電界レベルを複数のアンテナ毎に測定して、その報知情報と受信電界レベルと自己のアンテナ高から複数のアンテナと端末装置間の距離を計算し、各間の距離と自己の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する基地局を設けたものである。
【0013】
この発明に係る無線通信システムは、基地局及び端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から複数のアンテナと端末装置間の距離を計算し、各間の距離と基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定装置を設けたものである。
【0014】
この発明に係る無線通信システムは、第1の基地局及び端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から複数のアンテナと端末装置間の距離を計算するとともに、複数の第2の基地局及び端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から複数の第2の基地局と端末装置間の距離を計算し、各間の距離と第1及び第2の基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定装置を設けたものである。
【0015】
この発明に係る無線通信システムは、複数の基地局が報知情報の受信電界レベルを測定することが可能な場合、複数の基地局及び端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から複数の基地局と端末装置間の距離を計算し、各間の距離と複数の基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定し、複数の基地局が報知情報の受信電界レベルを測定することが不可能な場合、測定可能な基地局及び端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から複数のアンテナと端末装置間の距離を計算し、各間の距離と基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定装置を設けたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による無線通信システムを示す構成図であり、図において、11,12,13は自己の送信電力レベル、アンテナ高及び絶対位置を示す報知情報を送信する基地局、11aは基地局11を中心とする半径r1の円周、12aは基地局12を中心とする半径r2の円周、13aは基地局13を中心とする半径r3の円周、14は基地局11,12,13から報知情報を受信するとともに、基地局11,12,13から送信される報知情報の受信電界レベルと自己のアンテナ高を測定して、その報知情報と受信電界レベルと自己のアンテナ高から基地局11,12,13までの距離を計算し、基地局11,12,13までの距離と基地局11,12,13の絶対位置から自己の現在位置を特定する端末装置である。
【0017】
図2は端末装置14の内部構成を示す構成図であり、図において、31は端末装置14のアンテナ、32は基地局11,12,13から報知情報を受信する受信部(受信手段)、33は基地局11,12,13から送信される報知情報の受信電界レベルを測定するとともに、自己のアンテナ高を測定する測定部(測定手段)、34は受信部32により受信された報知情報と測定部33により測定された受信電界レベル及び自己のアンテナ高から基地局11,12,13までの距離を計算する距離計算部、35は距離計算部34により計算された基地局11,12,13までの距離と基地局11,12,13の絶対位置から自己の現在位置を特定する位置特定部、36は自己の現在位置をディスプレイに表示する表示部である。なお、距離計算部34及び位置特定部35から位置特定手段が構成されている。
【0018】
次に動作について説明する。
まず、無線通信システムを構成する基地局は、自己の通信エリア内に存在する端末装置に対して、自己の送信電力レベルとアンテナ高(基地局が設置されている位置の標高であり、基地局は固定されているので、アンテナ高は既知である)と絶対位置を示す報知情報を送信する。
図1の例では、端末装置14は、基地局11,12,13の通信可能エリア内に存在するので、基地局11,12,13から送信される報知情報を受信する。
【0019】
端末装置14の測定部33は、受信部32が報知情報を受信する際、基地局11,12,13から送信される報知情報の受信電界レベルを測定する。
即ち、基地局11の報知情報を受信する際のアンテナ31の受信電界レベルと、基地局12の報知情報を受信する際のアンテナ31の受信電界レベルと、基地局13の報知情報を受信する際のアンテナ31の受信電界レベルとを測定する。
また、端末装置14の測定部33は、例えば、気圧を測定するなどにより、端末装置14のアンテナ高(端末装置14が存在する位置の標高)を測定する。
【0020】
端末装置14の距離計算部34は、測定部33が受信電界レベルとアンテナ高を測定すると、例えば、一般に奥村・秦式として知られている下記の演算式を使用して、端末装置14から基地局11,12,13までの距離r1,r2,r3を計算する。
【0021】
ただし、Lp:基地局11,12,13と端末装置14間の伝搬ロス
Lb:基地局11,12,13の送信電力レベル
Lm:端末装置14の受信電界レベル
fc:周波数
Hb:基地局11,12,13のアンテナ高
Hm:端末装置14のアンテナ高
r:端末装置14から基地局11,12,13までの距離
なお、式(2)におけるA(Hm)、Cmは下記のように決定される。
・中小都市圏に存在する場合
・大都市圏に存在する場合
Cm=3db
A(Hm)=(3.2×log(11.75×Hm)2−4.97)
【0022】
端末装置14の位置特定部35は、距離計算部34が基地局11,12,13までの距離r1,r2,r3を計算すると、基地局11,12,13までの距離r1,r2,r3と基地局11,12,13の絶対位置から自己の現在位置を特定する。
即ち、基地局11,12,13までの距離r1,r2,r3と基地局11,12,13の絶対位置から、基地局11を中心とする半径r1の円周11aと、基地局12を中心とする半径r2の円周12aと、基地局13を中心とする半径r3の円周13aとの交点の位置を計算し、その交点の位置を端末装置14の現在位置として特定する。
端末装置14の表示部36は、位置特定部35が端末装置14の現在位置を特定すると、その現在位置をディスプレイに表示する。
【0023】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、測定部33の測定結果と基地局11,12,13の送信電力レベル及びアンテナ高から基地局11,12,13までの距離を計算し、基地局11,12,13までの距離と基地局11,12,13の絶対位置から端末装置14の現在位置を特定するように構成したので、端末装置14の現在位置を正確に特定することができる効果を奏する。
【0024】
実施の形態2.
図3及び図4はこの発明の実施の形態2による無線通信システムを示す構成図であり、図において、15は自己の送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を送信する端末装置、16はダイバーシチ受信を実施し、端末装置15から送信される報知情報に基づいて端末装置15の現在位置を特定する基地局、41a−1,41b−1は基地局16のセクタ(1)に設置されたアンテナ、41a−2,41b−2は基地局16のセクタ(2)に設置されたアンテナ、41a−3,41b−3は基地局16のセクタ(3)に設置されたアンテナである。
【0025】
図5は基地局16の内部構成を示す構成図であり、図において、41a,41bはセクタ(1)、セクタ(2)又はセクタ(3)のアンテナ、42はアンテナ41a,41bを用いて、端末装置15から送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を受信する受信部(受信手段)、43はアンテナ41a,41bにおける端末装置15の報知情報の受信電界レベルを測定する測定部(測定手段)、44は受信部42により受信された報知情報と測定部43により測定された受信電界レベルと自己のアンテナ高から、アンテナ41a,41bと端末装置15間の距離を計算する距離計算部、45は距離計算部44により計算された各間の距離と自己の絶対位置から端末装置15の現在位置を特定する位置特定部である。なお、距離計算部44及び位置特定部45から位置特定手段が構成されている。46は位置特定部45により特定された現在位置を端末装置15に通知する通知部(通知手段)である。
【0026】
次に動作について説明する。
まず、端末装置15は、上記実施の形態1と同様にして、自己のアンテナ高を測定すると、そのアンテナ高と送信電力レベルを基地局16に送信する。
ただし、ここでは、説明の便宜上、端末装置15は、基地局16のセクタ(1)内に存在するものとする。
【0027】
これにより、基地局16の受信部42は、セクタ(1)のアンテナ41a−1,41b−1を用いて、端末装置15から報知情報を受信する。
基地局16の測定部43は、受信部42が報知情報を受信する際、端末装置15から送信される報知情報の受信電界レベルを測定する。
即ち、端末装置15の報知情報を受信する際のアンテナ41a−1の受信電界レベルと、端末装置15の報知情報を受信する際のアンテナ41b−1の受信電界レベルとを測定する。
【0028】
基地局16の距離計算部44は、測定部43がアンテナ41a−1,41b−1の受信電界レベルとアンテナ高を測定すると、例えば、一般に奥村・秦式として知られている下記の演算式を使用して、アンテナ41a−1,41b−1と端末装置15間の距離r1a,r1bを計算する。
【0029】
ただし、Lp:アンテナ41a−1,41b−1と端末装置15間の伝搬ロス
Lb:端末装置15の送信電力レベル
Lm:アンテナ41a−1,41b−1の受信電界レベル
fc:周波数
Hb:端末装置15のアンテナ高
Hm:基地局16のアンテナ高
r:アンテナ41a−1,41b−1と端末装置15間の距離
なお、式(4)におけるA(Hm)、Cmは下記のように決定される。
・中小都市圏に存在する場合
・大都市圏に存在する場合
Cm=3db
A(Hm)=(3.2×log(11.75×Hm)2−4.97)
【0030】
基地局16の位置特定部45は、距離計算部44がアンテナ41a−1,41b−1と端末装置15間の距離r1a,r1bを計算すると、その距離r1a,r1bと基地局16の絶対位置から自己の現在位置を特定する。
即ち、アンテナ41a−1,41b−1と端末装置15間の距離r1a,r1bと、基地局16の絶対位置とから、基地局16のアンテナ41a−1を中心とする半径r1aの円周と、基地局16のアンテナ41b−1を中心とする半径r1bの円周との交点の位置を計算し、その交点の位置を端末装置15の現在位置として特定する(図4を参照)。なお、2つの円周の交点は2個存在するが、セクタ(1)のアンテナ41a−1,41b−1が報知情報を受信しているので、セクタ(1)内の交点の位置を端末装置15の現在位置として特定する。
基地局16の通知部46は、位置特定部45が端末装置15の現在位置を特定すると、その現在位置を示す位置情報を端末装置15に送信する。
【0031】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、受信部42により受信された報知情報と測定部43により測定された受信電界レベルと自己のアンテナ高からアンテナ41a−1,41b−1と端末装置15間の距離を計算し、各間の距離と自己の絶対位置から端末装置15の現在位置を特定するように構成したので、端末装置15の現在位置を正確に特定することができる効果を奏する。
【0032】
実施の形態3.
上記実施の形態2では、基地局16のセクタ毎にアンテナを2本設置し、基地局16がダイバーシチ受信を実施して端末装置15の現在位置を特定するものについて示したが、基地局16がダイバーシチ受信を実施しない場合でも、図6に示すように、3本のアンテナ41a,41b,41cを設置すれば、端末装置15の現在位置を特定することができる。
【0033】
この場合、上記実施の形態2と同様にして、アンテナ41aと端末装置15間の距離r1aと、アンテナ41bと端末装置15間の距離r1bと、アンテナ41cと端末装置15間の距離r1cとを計算し、各間の距離r1a,r1b,r1cと基地局16の絶対位置から、基地局16のアンテナ41aを中心とする半径r1aの円周と、基地局16のアンテナ41bを中心とする半径r1bの円周と、基地局16のアンテナ41cを中心とする半径r1cの円周との交点の位置を計算し、その交点の位置を端末装置15の現在位置として特定する。
【0034】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4による無線通信システムを示す構成図であり、図において、21,22,23は自己の送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を送信する基地局、21aは基地局21を中心とする半径r1の円周、22aは基地局22を中心とする半径r2の円周、23aは基地局23を中心とする半径r3の円周、24は基地局21,22,23から送信される報知情報の受信電界レベルと自己のアンテナ高を測定し、その受信電界レベル及びアンテナ高を示す報知情報を送信する端末装置、25は基地局21,22,23等を統括するセンタ(位置特定装置)であり、センタ25は基地局21,22,23及び端末装置24から報知情報を受信して、その報知情報から基地局21,22,23と端末装置24間の距離を計算し、各間の距離と基地局21,22,23の絶対位置から端末装置24の現在位置を特定し、その現在位置を端末装置24に通知する機能を備えている。
【0035】
上記実施の形態1では、端末装置14が基地局11,12,13の報知情報に基づいて基地局11,12,13までの距離を計算し、基地局11,12,13までの距離と基地局11,12,13の絶対位置から端末装置14の現在位置を特定するものについて示したが、センタ25が端末装置24の現在位置を特定するようにしてもよい。
【0036】
即ち、端末装置24は、基地局21,22,23から報知情報を受信すると、上記実施の形態1と同様にして、その受信電界レベルと自己のアンテナ高を測定し、その受信電界レベル及びアンテナ高を示す報知情報をセンタ25に送信する。
また、基地局21,22,23は、自己の送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報をセンタ25にも送信する。
【0037】
センタ25は、基地局21,22,23及び端末装置24から報知情報を受信すると、上記実施の形態1と同様にして、その報知情報から基地局21,22,23までの距離を計算し、基地局21,22,23までの距離と予め把握している基地局21,22,23の絶対位置から端末装置24の現在位置を特定するようにする。
これにより、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0038】
実施の形態5.
上記実施の形態4では、端末装置24が受信電界レベルを測定して、その受信電界レベル及びアンテナ高を示す報知情報をセンタ25に送信し、基地局21,22,23が自己の送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報をセンタ25に送信するものについて示したが、図8に示すように、端末装置24が自己の送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を基地局21,22,23及びセンタ25に送信し、基地局21,22,23が端末装置24の報知情報の受信電界レベルを測定して、その受信電界レベル及び自己のアンテナ高を示す報知情報をセンタ25に送信するようにしてもよい。
この場合も、センタ25は、端末装置24及び基地局21,22,23の報知情報から、上記実施の形態1と同様にして、端末装置24の現在位置を特定することができる。
【0039】
実施の形態6.
上記実施の形態4,5では、端末装置24及び基地局21,22,23が報知情報をセンタ25に送信することにより、センタ25が端末装置24の現在位置を特定するものについて示したが、図9に示すように、センタ25とは別個に、端末装置24の現在位置を計算する専用の位置情報算出装置(位置特定装置)26が設置されている場合、端末装置24及び基地局21,22,23が報知情報を位置情報算出装置26に送信することにより、位置情報算出装置26が端末装置24の現在位置を特定するようにしてもよい。
【0040】
実施の形態7.
図10はこの発明の実施の形態7による無線通信システムを示す構成図であり、図において、27は自己の送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を基地局28に送信するとともに、その報知情報をセンタ25又は位置情報算出装置26に送信する端末装置、28はアンテナ41a−1,41b−1における端末装置27の報知情報の受信電界レベルを測定し、その受信電界レベルと自己のアンテナ高を示す報知情報をセンタ25又は位置情報算出装置26に送信する基地局である。
【0041】
上記実施の形態2では、基地局16が端末装置15の報知情報に基づいてアンテナ41a−1,41b−1と端末装置15間の距離を計算し、各間の距離と自己の絶対位置から端末装置15の現在位置を特定するものについて示したが、センタ25又は位置情報算出装置26が端末装置27の現在位置を特定するようにしてもよい。
【0042】
即ち、基地局28は、端末装置27から報知情報を受信すると、上記実施の形態2と同様にして、アンテナ41a−1,41b−1における受信電界レベルを測定し、その受信電界レベル及び自己のアンテナ高を示す報知情報をセンタ25又は位置情報算出装置26に送信する。
また、端末装置27は、自己の送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報をセンタ25又は位置情報算出装置26にも送信する。
【0043】
センタ25又は位置情報算出装置26は、基地局28及び端末装置27から報知情報を受信すると、上記実施の形態2と同様にして、アンテナ41a−1,41b−1と端末装置27間の距離を計算し、各間の距離と予め把握している基地局28の絶対位置から端末装置27の現在位置を特定するようにする。
これにより、上記実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
【0044】
この実施の形態7では、基地局28のセクタ毎にアンテナを2本設置するものについて示したが、基地局28がダイバーシチ受信を実施しない場合には、図11に示すように、3本のアンテナ41a,41b,41cを設置して、基地局28及び端末装置27の報知情報をセンタ25又は位置情報算出装置26に送信すれば、センタ25又は位置情報算出装置26が端末装置27の現在位置を特定することができる。
【0045】
実施の形態8.
上記実施の形態5では、端末装置24及び基地局21,22,23が報知情報をセンタ25に送信することにより、センタ25が端末装置24の現在位置を特定するものについて示したが、図12及び図13に示すように、端末装置24がダイバーシチ受信を実施する基地局28(第1の基地局)の通信エリア内に存在するとともに、基地局21,22(第2の基地局)の通信エリア内に存在する場合、次のようにしてセンタ25又は位置情報算出装置26が端末装置24の現在位置を特定するようにしてもよい。
【0046】
即ち、センタ25又は位置情報算出装置26は、上記実施の形態5と同様にして、端末装置24から基地局21,22までの距離r1,r2を計算し、上記実施の形態7と同様にして、アンテナ41a−1,41b−1と端末装置24間の距離r3a,r3bを計算する。
そして、センタ25又は位置情報算出装置26は、端末装置24から基地局21,22までの距離r1,r2と、アンテナ41a−1,41b−1と端末装置24間の距離r3a,r3bと、基地局21,22,28の絶対位置とから、基地局21を中心とする半径r1の円周21aと、基地局22を中心とする半径r2の円周22aと、アンテナ41a−1を中心とする半径r3aの円周と、アンテナ41b−1を中心とする半径r3bの円周との交点の位置を計算し、その交点の位置を端末装置24の現在位置として特定する。
【0047】
実施の形態9.
上記実施の形態8では、3つの基地局21,22,28が報知情報の受信電界レベルを測定することができる場合について示したが、3つの基地局21,22,28が報知情報の受信電界レベルを測定することができず、例えば、基地局28のみが報知情報の受信電界レベルを測定することができる場合がある。
【0048】
そこで、この実施の形態9では、3つの基地局21,22,28が報知情報の受信電界レベルを測定できて、その受信電界レベル及び自己のアンテナ高を示す報知情報がセンタ25又は位置情報算出装置26に送信された場合には、センタ25又は位置情報算出装置26が上記実施の形態8と同様にして、端末装置24の現在位置を特定するようにする。ただし、この場合、3つの基地局から報知情報が送信されればよく、上記実施の形態8のように、3つの基地局の中に、ダイバーシチ受信を実施する基地局が含まれている必要性はない。
【0049】
次に、3つの基地局から報知情報が送信されず、ダイバーシチ受信を実施する基地局28のみから報知情報が送信された場合、上記実施の形態7と同様にして、基地局28の報知情報から端末装置24の現在位置を特定するようにする。
なお、3つの基地局から報知情報が送信されず、ダイバーシチ受信を実施する基地局28の報知情報のみから端末装置24の現在位置を特定する方式に切り替える方法は、例えば、一定期間、3つの基地局から報知情報が送信されないとき、自動的に切り替えるようにしてもよいし、端末装置24のユーザの指示の下に切り替えるようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、測定手段の測定結果と複数の基地局の送信電力レベル及びアンテナ高から複数の基地局までの距離を計算し、複数の基地局までの距離と複数の基地局の絶対位置から自己の現在位置を特定する位置特定手段を設けるように構成したので、自己の現在位置を正確に特定することができる効果がある。
【0051】
この発明によれば、受信手段により受信された報知情報と測定手段により測定された受信電界レベルと自己のアンテナ高から複数のアンテナと端末装置間の距離を計算し、各間の距離と自己の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定手段を設けるように構成したので、端末装置の現在位置を正確に特定することができる効果がある。
【0052】
この発明によれば、複数の基地局から報知情報を受信するとともに、複数の基地局から送信される報知情報の受信電界レベルと自己のアンテナ高を測定して、その測定結果と複数の基地局の送信電力レベル及びアンテナ高から複数の基地局までの距離を計算し、複数の基地局までの距離と複数の基地局の絶対位置から自己の現在位置を特定する端末装置を設けるように構成したので、端末装置の現在位置を正確に特定することができる効果がある。
【0053】
この発明によれば、複数の基地局から送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を受信するとともに、端末装置から受信電界レベル及びアンテナ高を示す報知情報を受信して、その報知情報から複数の基地局と端末装置間の距離を計算し、各間の距離と複数の基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定装置を設けるように構成したので、端末装置の現在位置を正確に特定することができる効果がある。
【0054】
この発明によれば、端末装置から送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を受信するとともに、複数の基地局から受信電界レベル及びアンテナ高を示す報知情報を受信して、その報知情報から複数の基地局と端末装置間の距離を計算し、各間の距離と複数の基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定装置を設けるように構成したので、端末装置の現在位置を正確に特定することができる効果がある。
【0055】
この発明によれば、複数のアンテナを用いて、端末装置から報知情報を受信するとともに、端末装置から送信される報知情報の受信電界レベルを複数のアンテナ毎に測定して、その報知情報と受信電界レベルと自己のアンテナ高から複数のアンテナと端末装置間の距離を計算し、各間の距離と自己の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する基地局を設けるように構成したので、端末装置の現在位置を正確に特定することができる効果がある。
【0056】
この発明によれば、基地局及び端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から複数のアンテナと端末装置間の距離を計算し、各間の距離と基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定装置を設けるように構成したので、端末装置の現在位置を正確に特定することができる効果がある。
【0057】
この発明によれば、第1の基地局及び端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から複数のアンテナと端末装置間の距離を計算するとともに、複数の第2の基地局及び端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から複数の第2の基地局と端末装置間の距離を計算し、各間の距離と第1及び第2の基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定装置を設けるように構成したので、端末装置の現在位置を正確に特定することができる効果がある。
【0058】
この発明によれば、複数の基地局が報知情報の受信電界レベルを測定することが可能な場合、複数の基地局及び端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から複数の基地局と端末装置間の距離を計算し、各間の距離と複数の基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定し、複数の基地局が報知情報の受信電界レベルを測定することが不可能な場合、測定可能な基地局及び端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から複数のアンテナと端末装置間の距離を計算し、各間の距離と基地局の絶対位置から端末装置の現在位置を特定する位置特定装置を設けるように構成したので、端末装置の現在位置を正確に特定することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による無線通信システムを示す構成図である。
【図2】 端末装置の内部構成を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による無線通信システムを示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による無線通信システムを示す構成図である。
【図5】 基地局の内部構成を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による無線通信システムを示す構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態4による無線通信システムを示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態5による無線通信システムを示す構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態6による無線通信システムを示す構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態7による無線通信システムを示す構成図である。
【図11】 この発明の実施の形態7による無線通信システムを示す構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態8による無線通信システムを示す構成図である。
【図13】 この発明の実施の形態8による無線通信システムを示す構成図である。
【図14】 従来の無線通信システムを示す構成図である。
【符号の説明】
11,12,13 基地局、11a 半径r1の円周、12a 半径r2の円周、13a 半径r3の円周、14 端末装置、15 端末装置、16 基地局、21,22,23 基地局、21a 半径r1の円周、22a 半径r2の円周、23a 半径r3の円周、24 端末装置、25 センタ(位置特定装置)、26 位置情報算出装置(位置特定装置)、27 端末装置、28 基地局、31 アンテナ、32 受信部(受信手段)、33 測定部(測定手段)、34距離計算部(位置特定手段)、35 位置特定部(位置特定手段)、36 表示部、41a−1,41b−1,41a−2,41b−2,41a−3,41b−3,41a,41b,41c アンテナ、42 受信部(受信手段)、43 測定部(測定手段)、44 距離計算部(位置特定手段)、45 位置特定部(位置特定手段)、46 通知部(通知手段)。
Claims (9)
- 複数の基地局から送信電力レベル、アンテナ高及び絶対位置を示す報知情報を受信する受信手段と、上記複数の基地局から送信される報知情報の受信電界レベルを測定するとともに、自己のアンテナ高を測定する測定手段と、上記測定手段の測定結果と上記複数の基地局の送信電力レベル及びアンテナ高から上記複数の基地局までの距離を計算し、上記複数の基地局までの距離と上記複数の基地局の絶対位置から自己の現在位置を特定する位置特定手段とを備えた端末装置。
- 複数のアンテナを用いて、端末装置から送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を受信する受信手段と、上記端末装置から送信される報知情報の受信電界レベルを上記複数のアンテナ毎に測定する測定手段と、上記受信手段により受信された報知情報と上記測定手段により測定された受信電界レベルと自己のアンテナ高から上記複数のアンテナと上記端末装置間の距離を計算し、各間の距離と自己の絶対位置から上記端末装置の現在位置を特定する位置特定手段と、上記位置特定手段により特定された現在位置を上記端末装置に通知する通知手段とを備えた基地局。
- 送信電力レベル、アンテナ高及び絶対位置を示す報知情報を送信する複数の基地局と、上記複数の基地局から報知情報を受信するとともに、上記複数の基地局から送信される報知情報の受信電界レベルと自己のアンテナ高を測定して、その測定結果と上記複数の基地局の送信電力レベル及びアンテナ高から上記複数の基地局までの距離を計算し、上記複数の基地局までの距離と上記複数の基地局の絶対位置から自己の現在位置を特定する端末装置とを備えた無線通信システム。
- 送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を送信する複数の基地局と、上記複数の基地局から送信される報知情報の受信電界レベルと自己のアンテナ高を測定し、その受信電界レベル及びアンテナ高を示す報知情報を送信する端末装置と、上記複数の基地局及び上記端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から上記複数の基地局と上記端末装置間の距離を計算し、各間の距離と上記複数の基地局の絶対位置から上記端末装置の現在位置を特定し、その現在位置を上記端末装置に通知する位置特定装置とを備えた無線通信システム。
- 送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を送信する端末装置と、上記端末装置から送信される報知情報の受信電界レベルを測定し、その受信電界レベル及び自己のアンテナ高を示す報知情報を送信する複数の基地局と、上記複数の基地局及び上記端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から上記複数の基地局と上記端末装置間の距離を計算し、各間の距離と上記複数の基地局の絶対位置から上記端末装置の現在位置を特定し、その現在位置を上記端末装置に通知する位置特定装置とを備えた無線通信システム。
- 送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を送信する端末装置と、複数のアンテナを用いて、上記端末装置から報知情報を受信するとともに、上記端末装置から送信される報知情報の受信電界レベルを上記複数のアンテナ毎に測定して、その報知情報と受信電界レベルと自己のアンテナ高から上記複数のアンテナと上記端末装置間の距離を計算し、各間の距離と自己の絶対位置から上記端末装置の現在位置を特定し、その現在位置を上記端末装置に通知する基地局とを備えた無線通信システム。
- 送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を送信する端末装置と、複数のアンテナを有し、上記端末装置から送信される報知情報の受信電界レベルを上記複数のアンテナ毎に測定し、各アンテナにおける受信電界レベル及び自己のアンテナ高を示す報知情報を送信する基地局と、上記基地局及び上記端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から上記複数のアンテナと上記端末装置間の距離を計算し、各間の距離と上記基地局の絶対位置から上記端末装置の現在位置を特定し、その現在位置を上記端末装置に通知する位置特定装置とを備えた無線通信システム。
- 送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を送信する端末装置と、複数のアンテナを有し、上記端末装置から送信される報知情報の受信電界レベルを上記複数のアンテナ毎に測定し、各アンテナにおける受信電界レベル及び自己のアンテナ高を示す報知情報を送信する第1の基地局と、上記端末装置から送信される報知情報の受信電界レベルを測定し、その受信電界レベル及び自己のアンテナ高を示す報知情報を送信する複数の第2の基地局と、上記第1の基地局及び上記端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から上記複数のアンテナと上記端末装置間の距離を計算するとともに、上記複数の第2の基地局及び上記端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から上記複数の第2の基地局と上記端末装置間の距離を計算し、各間の距離と上記第1及び第2の基地局の絶対位置から上記端末装置の現在位置を特定し、その現在位置を上記端末装置に通知する位置特定装置とを備えた無線通信システム。
- 送信電力レベル及びアンテナ高を示す報知情報を送信する端末装置と、複数のアンテナを有し、上記端末装置から送信される報知情報の受信電界レベルを上記複数のアンテナ毎に測定し、各アンテナにおける受信電界レベル及び自己のアンテナ高を示す報知情報を送信する複数の基地局と、上記複数の基地局が報知情報の受信電界レベルを測定することが可能な場合、上記複数の基地局及び上記端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から上記複数の基地局と上記端末装置間の距離を計算し、各間の距離と上記複数の基地局の絶対位置から上記端末装置の現在位置を特定し、上記複数の基地局が報知情報の受信電界レベルを測定することが不可能な場合、測定可能な基地局及び上記端末装置から報知情報を受信して、その報知情報から上記複数のアンテナと上記端末装置間の距離を計算し、各間の距離と上記基地局の絶対位置から上記端末装置の現在位置を特定し、その現在位置を上記端末装置に通知する位置特定装置とを備えた無線通信システム。
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