以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明による位置情報認識システムにおける装置配置例を示すシステム構成図である。図1に示すように、所定のサービス領域内において、多数(図1の例示では3つ)の無線位置情報発信機10が固定的に設置されている。無線位置情報発信機10は、設置位置を特定可能な情報である位置情報やその他の情報を保持している。そして、位置情報やその他の情報を電波によって発信する。管理端末20および携帯端末30は、使用者によって携帯され、図1において破線の円形で例示するいずれかの無線位置情報発信機10からの電波到達範囲内に入ると、無線位置情報発信機10から位置情報やその他の情報を受信することができる。管理端末20および携帯端末30は、無線位置情報発信機10から受信した情報にもとづいて、自己が存在する位置を把握する。
管理端末20は、無線通信によって、無線位置情報発信機10に位置情報やその他の情報を送信して、それらの情報を保持させる機能、および無線位置情報発信機10が保持している情報を更新する機能を有する。また、管理端末20は、無線位置情報発信機10の電波の出力電力を制御するための制御信号や、存在を問い合わせるための制御信号を無線位置情報発信機10に送信する機能を有する。
図2は、無線位置情報発信機10の構成例を示すブロック図である。図2に示す例では、アンテナ11で受信された電波にもとづく高周波信号が無線部12で受信される。無線部12は、受信した信号を低い周波数の信号に変換して受信部14に出力する。受信部14は、入力された信号について復調処理等を行って、得られたデータ(ディジタル信号)を制御部15に出力する。制御部15は、例えばマイクロコンピュータで構成され、受信部14から入力したデータに従った制御を行う。受信部14から入力したデータが、位置情報やその他の情報を示すデータであれば、それを記憶部16に格納する。
また、制御部15は、あらかじめ決められている時間間隔で、定期的に位置情報などを示すデータを送信部13に出力する。送信部13は、入力されたデータについて変調処理等を行って信号を無線部12に出力する。無線部12は、入力された信号を高周波信号に変換し、アンテナ11に出力する。アンテナ11は、高周波信号にもとづく電波を送出する。送信部13は、増幅率を変えることができる送信電力増幅器13Aを有する。制御部15は、記憶部16に記憶されている所定の出力電力レベルに応じた制御信号を送信電力増幅器13Aに対して出力する。送信電力増幅器13Aは、制御信号に応じて、送出される電波の出力電力のレベルが、所定の出力電力レベルになるように増幅率を設定する。なお、制御部15から送信電力増幅器13Aに対して常時制御信号を出力する必要はなく、制御部15からの制御信号は送信部13においてラッチされている。
また、記憶部16に記憶されている出力電力レベルは、無線位置情報発信機10の設置時には初期値に設定されているが、その後、管理端末20から送信される情報などにもとづいて変更可能である。
図3は、管理端末20の構成例を示すブロック図である。図3に示す例では、アンテナ21で受信された電波にもとづく高周波信号が無線部22で受信される。無線部22は、受信した信号を低い周波数の信号に変換して送受信部23に出力する。送受信部23は、入力された信号について復調処理等を行って、得られたデータ(ディジタル信号)を制御部25に出力する。制御部25は、例えばマイクロコンピュータで構成され、送受信部23から入力したデータにもとづいて自己の位置を把握する。また、把握した位置を示すデータを記憶部26に格納する。
また、制御部25は、管理端末20の使用者の操作や、サーバ(図1において図示せず)からの指示に応じて、無線位置情報発信機10が保持している位置情報やその他の情報を更新するためのデータを送受信部23に出力する。送受信部23は、入力されたデータについて変調処理等を行って信号を無線部22に出力する。無線部22は、入力された信号を高周波信号に変換し、アンテナ21に出力する。アンテナ21は、高周波信号にもとづく電波を無線位置情報発信機10に送出する。なお、無線位置情報発信機10が保持している位置情報以外のその他の情報として、出力電力レベルがある。
さらに、管理端末20は、使用者が操作を行うためのテンキーなどを有する入力部27と、例えばLCD(液晶表示装置)を有する表示部28とを含む。
また、制御部25がマイクロコンピュータで構成される場合には、マイクロコンピュータはプログラムに従って制御を実行するのであるが、プログラムとして、少なくとも、無線位置情報発信機10に対して情報を送ることを指示する操作を使用者が入力部27に対して行った場合に、入力部27から操作の内容を示す信号を入力し、入力した信号に対応した情報を送受信部23に出力する処理を行うプログラムと、サーバからの指示に応じた情報を送受信部23に出力する処理を行うプログラムとが含まれる。
図4は、携帯端末30の構成例を示すブロック図である。図4に示す例では、アンテナ31で受信された電波にもとづく高周波信号が無線部32で受信される。無線部32は、受信した信号を低い周波数の信号に変換して送受信部33に出力する。送受信部33は、入力された信号について復調処理等を行って、得られたデータ(ディジタル信号)を制御部35に出力する。制御部35は、例えばマイクロコンピュータで構成され、送受信部33から入力したデータにもとづいて自己の位置を把握する。また、把握した位置を示すデータを記憶部36に格納する。
さらに、携帯端末30は、使用者が操作を行うためのテンキーなどを有する入力部37と、例えばLCD(液晶表示装置)を有する表示部38とを含む。
携帯端末30には、一例として道案内情報を表示させるアプリケーションプログラムが組み込まれている。そのようなアプリケーションプログラムは、携帯端末30に固定的に組み込まれていてもよいし、携帯端末30の使用者が道案内を必要とするときに、所定のアプリケーションプログラム提供装置からダウンロードするようにしてもよい。そして、制御部35は、アプリケーションプログラムと、把握した位置情報とにもとづいて、表示部38に、道案内情報の経路や現在位置を表示させる。
また、管理端末20は、携帯端末30の機能を全て有しているので、管理端末20の使用者(管理者)は、携帯端末30と同様の使い方ができるが、さらに、管理者は、管理端末20を携帯して、適宜、サービス領域内を移動して、以下に説明するような、無線位置情報発信機10の出力電力制御を行う。
無線位置情報発信機10は、位置情報として、絶対的な位置を示す情報(例えば、緯度経度やサービス領域内における絶対位置を示す情報)を発信してもよいし、相対的な位置を示す情報を発信してもよい。相対的な位置を示す情報として、例えば、それぞれの無線位置情報発信機10に一意に付された識別情報(ID情報)がある。無線位置情報発信機10は固定的に設置されているので、管理端末20および携帯端末30は、ID情報から、無線位置情報発信機10の位置を特定できる。
また、管理端末20および携帯端末30は、例えば、無線位置情報発信機10から受信した位置情報が示す位置をそのまま自己の位置とする。複数の無線位置情報発信機10から位置情報を受信した場合には、あらかじめ決められているルールに従って、複数の無線位置情報発信機10から1つの無線位置情報発信機10を選択し、選択した無線位置情報発信機10から受信した位置情報が示す位置をそのまま自己の位置としてもよい。あらかじめ決められているルールとして、例えば、受信電界強度が最も高い受信電波を発信した無線位置情報発信機10を選択したり、後述する第9の実施の形態に示すようなルールがある。さらに、管理端末20および携帯端末30は、複数の無線位置情報発信機10から受信した位置情報から自己の位置を算出するようにしてもよい。
なお、無線位置情報発信機10と管理端末20および携帯端末30との間の通信は、例えば、Bluetooth (登録商標)や無線LANの各種規格にもとづく小電力通信で実現される。
以下、図1に例示するシステムにおける無線位置情報発信機10の出力電力制御について説明する。
実施の形態1.
図5は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第1の実施の形態を説明するための説明図である。第1の実施の形態は、管理端末20の指示によって、無線位置情報発信機10の出力電力を変更させる静的な出力電力制御を実行する形態である。すなわち、管理端末20は、電波出力制御情報として、変更後の出力電力レベルを示す情報を、無線位置情報発信機10に送信する。管理端末20における情報の送信の仕方と、無線位置情報発信機10における情報の受信の仕方は既に説明したとおりである。無線位置情報発信機10において、制御部15は、受信した情報が示す出力電力レベルを記憶部16に記憶させる。そして、以後、制御部15は、記憶部16に記憶された新たな出力電力レベルに応じた制御信号を送信電力増幅器13Aに対して出力する。送信電力増幅器13Aは、制御信号に応じて、送出される電波の出力電力が、制御信号が示す出力電力レベルになるように増幅率を設定する。
実施の形態2.
図6は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第2の実施の形態を説明するための説明図である。第2の実施の形態では、サーバ40が、それぞれの無線位置情報発信機10の最適な出力電力を算出し、算出結果を電波出力制御情報として管理端末20に送信する。
サーバ40は、記憶部50に、それぞれの無線位置情報発信機10の設置位置を示す情報を記憶している。すなわち、それぞれの無線位置情報発信機10の設置位置を把握している。サーバ40は、無線位置情報発信機10の設置位置にもとづいて、例えば、図7に例示するように、サービス領域内において、いずれかの無線位置情報発信機10からの電波が届かない範囲(以下、電波未到着範囲という。)ができるだけ小さくなるように、かつ、複数の無線位置情報発信機10からの電波が重複して受信される範囲(以下、電波衝突範囲という。)ができるだけ小さくなるように、それぞれの無線位置情報発信機10の電波の強度すなわち出力電力を決定する。なお、電波未到着範囲ができるだけ小さくなるように、かつ、電波衝突範囲ができるだけ小さくなるように設定された出力電力レベルを、以下、最適出力電力レベルという。また、図7において、符号100で示される円形の内部は電波到達範囲を示す。
サーバ40は、直接、またはサーバ40と有線通信を行う中継設備を介して、無線通信によって、管理端末20に、それぞれの無線位置情報発信機10についての出力電力レベルを示す情報を電波出力制御情報として送信する。管理端末20の制御部25は、受信した情報を記憶部26に一時記憶させる。そして、管理者は、記憶部26に記憶されている出力電力レベルを示す情報の送信指示を入力部27に入力する。管理端末20の制御部25は、第1の実施の形態の場合と同様に、出力電力レベルを示す情報を無線位置情報発信機10に送信する。なお、管理端末20の制御部25は、管理者からの送信指示を待つことなく、サーバ40から電波出力制御情報を受信したら、直ちに、出力電力レベルを示す情報を、それぞれの無線位置情報発信機10に送信するようにしてもよい。また、管理端末20の出力電力レベルが、出力電力レベルを示す情報を送信対象の全ての無線位置情報発信機10に到達させるだけのレベルに満たない場合には、管理者は、管理端末20を携帯してサービス範囲内を巡回する。
実施の形態3.
図8は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第3の実施の形態を説明するための説明図である。第3の実施の形態では、それぞれの無線位置情報発信機10が相互に通信可能な通信ネットワーク200が設けられ、相互に、設置位置を示す位置情報と出力電力レベルを示す情報とを電波出力制御情報として交換できるようになっている。
例えば、無線位置情報発信機10を設置したときには、それぞれの無線位置情報発信機10は、初期値として設定された出力電力レベルで、位置情報やその他の情報を発信する。従って、それぞれの無線位置情報発信機10の出力電力レベルは最適出力電力レベルになっているとは限らない。そこで、無線位置情報発信機10における制御部15は、通信ネットワーク200を介して他の無線位置情報発信機10と通信を行い、他の無線位置情報発信機10の位置情報と出力電力レベルを示す情報とを受信する。なお、この実施の形態では、図2に示された構成に対して、無線位置情報発信機10には、さらに、通信ネットワーク200を介する通信を行うためのインタフェース部を備えている。
他の無線位置情報発信機10の位置情報と出力電力レベルを示す情報とを受信した無線位置情報発信機10の制御部15は、自己の位置情報と受信した位置情報とを比較して、隣接する無線位置情報発信機10を特定し、隣接する無線位置情報発信機10の出力電力レベルから、それらの無線位置情報発信機10からの電波の電波到達範囲を算出する。また、自己の出力電力レベルから、自己の電波の電波到達範囲を算出する。例えば、種々の出力電力レベルに対する電波到達距離をあらかじめ測定しておいて、出力電力レベルと電波到達距離との関係をあらかじめ記憶部16にテーブルとして設定しておく。そして、実際に使用されている出力電力レベルに対応する電波到達距離を抽出して、抽出した電波到達距離を電波到達範囲の外縁(図8に破線で示す円形に相当)とする。出力電力レベルに一致する値がテーブルに設定されていない場合には、上下の値(出力電力レベル)に対応する電波到達距離から補間によって電波到達距離を算出する。
そして、各電波到達範囲を比較して、電波未到着範囲と電波衝突範囲とが存在するか否か判定する。それらが存在する場合には、それらの範囲をできるだけ小さくするような各無線位置情報発信機10の出力電力レベルを決定し、決定した出力電力レベルを通信ネットワーク200を介して隣接する無線位置情報発信機10に送信する。出力電力レベルを受信した無線位置情報発信機10において、受信された出力電力レベルは、制御部15によって記憶部16に書き込まれる。以後、制御部15は、記憶部16に新たに書き込まれた出力電力レベルを示す制御信号を送信電力増幅器13Aに出力する。
以上のように、この実施の形態では、それぞれの無線位置情報発信機10が他の無線位置情報発信機10と無線通信を行うことによって、自機が発信する電波の出力電力レベルの設定を行う。また、各無線位置情報発信機10が、オンラインネットワーク化され、自律的に出力電力レベルを最適出力電力レベルに設定することができる。すなわち、無線位置情報発信機1の出力電力レベルを、簡単に制御することができる。
なお、ここでは、通信ネットワーク200として有線伝送路を想定したが、通信ネットワーク200として無線伝送路を使用することもできる。
また、互いに隣接する複数の無線位置情報発信機10のうちの1つの無線位置情報発信機10が、それぞれの出力電力レベルを決定するのであるが、どの無線位置情報発信機10が出力電力レベルを決定するのかは、あらかじめ、複数の無線位置情報発信機10に優先順位を付けるなどして決定されている。
実施の形態4.
図9は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第4の実施の形態を説明するための説明図である。第4の実施の形態では、それぞれの無線位置情報発信機10が、移動する管理端末20または携帯端末30の移動方向を把握する。そして、複数の無線位置情報発信機10が、今後に管理端末20または携帯端末30の通信相手になる無線位置情報発信機10がいずれになるのかを自律的に予測して、通信相手になると予測された無線位置情報発信機10が出力電力レベルを上げる。なお、図9には、携帯端末30が例示されているので、以下の説明では、携帯端末30を例にする。
この実施の形態では、無線位置情報発信機10が携帯端末30の移動方向を把握するには、携帯端末30が電波到達範囲内に存在する(以下、在圏しているという。)ことを認識する必要がある。従って、無線位置情報発信機10は、携帯端末30から何らかの情報を受信する必要がある。例えば、携帯端末30は、適当な時間間隔で、または、問い合わせ情報を送信するように無線位置情報発信機10を構成した場合には無線位置情報発信機10からの問い合わせ情報に応じて、サービス範囲内での自己のID情報を送信する。無線位置情報発信機10の制御部15は、ID情報を受信すると、それを記憶部16に登録する。所定期間以上ID情報を受信できなかった場合には、そのID情報に対応する携帯端末30は電波到達範囲内から離脱した(在圏しなくなった)と判断して、そのID情報を記憶部16から消去する。
なお、管理端末20または携帯端末30として、一般的なPDAや専用端末の他、Bluetooth 機能などの小電力無線通信機能を搭載し位置情報を把握するためのアプリケーションプログラムがインストールされた携帯電話機を用いることもできるが、携帯電話機を用いる場合には、ID情報として、電話番号を使用することができる。
無線位置情報発信機10は、記憶部16に登録されているID情報を、電波出力制御情報として、通信ネットワーク200を介して他の無線位置情報発信機10に送信する。ID情報を送信した無線位置情報発信機10に隣接する無線位置情報発信機10は、出力電力レベルを上げる。また、ID情報を送信した無線位置情報発信機10に隣接しない無線位置情報発信機10は、出力電力レベルを上げない。なお、この実施の形態では、無線位置情報発信機10は、出力電力レベルを上げる前では、例えば電波を発信しない状態になっている。
以上のように、それぞれの無線位置情報発信機10は、携帯端末装置(図1に例示される管理端末20と携帯端末30とを含む概念。)と無線通信を行うことによって、自機が発信する電波の出力電力レベルの設定を行う。そして、複数の無線位置情報発信機10が、上記のような制御を行うことによって、携帯端末30の移動に伴って、自律的に、電波を発信する無線位置情報発信機10が、交替していくことになる。その結果、システム全体として消費電力を低減させることができる。
なお、ここでは、今後に携帯端末30の通信相手になる無線位置情報発信機10を、ID情報を送信した無線位置情報発信機10に隣接する無線位置情報発信機10としたが、他の方法によって、今後に携帯端末30の通信相手になる無線位置情報発信機10を予測してもよい。例えば、複数の無線位置情報発信機10が2次元的に配置されている場合に、現在携帯端末30が在圏している無線位置情報発信機10の制御部15が、過去の携帯端末30の移動履歴(どの無線位置情報発信機10の在圏を経たのかを示す情報)を他の無線位置情報発信機10から収集することによって移動方向を算出し、算出した移動方向上に、電波到達範囲を持つ無線位置情報発信機10を、今後に携帯端末30の通信相手になる無線位置情報発信機10であると予測する。そして、予測結果である無線位置情報発信機10に通信ネットワーク200を介して通知する。通知を受けた無線位置情報発信機10は、出力電力レベルを上げる。
また、ここでは、通信ネットワーク200として有線伝送路を想定したが、通信ネットワーク200として無線伝送路を使用することもできる。
実施の形態5.
図10は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第5の実施の形態を説明するための説明図である。第5の実施の形態では、無線位置情報発信機10同士が、自己の電波到達範囲を示す情報を交換して、受信した情報にもとづいて最適電波到達範囲を決定する。なお、第3の実施の形態では、それぞれの無線位置情報発信機10が設置位置を示す位置情報と出力電力レベルを示す情報とを交換したが、この実施の形態では、自己の電波到達範囲を示す情報を電波出力制御情報として交換する。
例えば、隣接する複数の無線位置情報発信機10のうちのいずれか1つの無線位置情報発信機10は、他の無線位置情報発信機10から受信した電波到達範囲と自己の電波到達範囲とを比較して、電波未到着範囲と電波衝突範囲とが存在するか否か判定する。それらが存在する場合には、それらの範囲をできるだけ小さくするような各無線位置情報発信機10の出力電力レベルを決定し、決定した出力電力レベルを通信ネットワーク200を介して隣接する無線位置情報発信機10に送信する。出力電力レベルを受信した無線位置情報発信機10において、受信された出力電力レベルは、制御部15によって記憶部16に書き込まれる。以後、制御部15は、記憶部16に新たに書き込まれた出力電力レベルを示す制御信号を送信電力増幅器13Aに出力する。なお、各無線位置情報発信機10は、例えば、第3の実施の形態の場合と同様に、自己の出力電力レベルから、自己の電波の電波到達範囲を算出することができる。
よって、図10(A)に例示するように、出力電力レベルが最適出力電力レベルよりも高い場合には、出力電力レベルが下げられる。また、図10(B)に例示するように、出力電力レベルが最適出力電力レベルよりも低い場合には、出力電力レベルが上げられる。なお、図10(B)には、真ん中の無線位置情報発信機10が休止した例が示されている。この実施の形態は、図10(B)に例示するように休止した無線位置情報発信機10が発生した場合や、無線位置情報発信機10が増設されたような場合に特に有意義である。
以上のように、この実施の形態では、それぞれの無線位置情報発信機10が他の無線位置情報発信機10と無線通信を行うことによって、電波の出力電力レベルの設定を自律的に行う。なお、この実施の形態では、電波到達範囲を自己の出力電力レベルから算出したが、他の方法によって算出してもよい。
実施の形態6.
図11は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第6の実施の形態を説明するための説明図である。第6の実施の形態では、無線位置情報発信機10は、管理端末20からの存在を問い合わせる情報(問い合わせ情報)に応じて、出力電力レベルを上げる。
管理端末20の制御部25は、例えば、サービス領域内において、いずれの無線位置情報発信機10からも電波を受信できない場合には、送受信部23および無線部22を介して問い合わせ情報を発信する。問い合わせ情報を受信した無線位置情報発信機10における制御部15は、出力電力レベルを上げるように制御する。
このような制御によって、電波未到着範囲が存在する場合に、管理端末20から問い合わせ情報を発信するだけで、電波未到着範囲の存在を解消するようにすることができる。
実施の形態7.
図12は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第7の実施の形態を説明するための説明図である。第7の実施の形態では、無線位置情報発信機10は、管理端末20または携帯端末30が在圏していない場合には電波の発信を止める。なお、図12では、携帯端末30が例示されているので、以下、携帯端末30を例にして説明を行う。
携帯端末30が在圏していることを認識するために、無線位置情報発信機10は、携帯端末30から何らかの情報を受信する必要がある。よって、例えば、第4の実施の形態の場合と同様に、携帯端末30は、適当な時間間隔で、自己のID情報を送信する。無線位置情報発信機10の制御部15は、所定期間以上ID情報を受信できなかった場合には、携帯端末30が在圏しなくなったと判断する。携帯端末30が在圏しなくなった場合には、無線位置情報発信機10の制御部15は、電波の発信を停止させるように制御する。なお、第4の実施の形態でも、携帯端末30が在圏しなくなった無線位置情報発信機10は、電波の発信を停止することが好ましい。
実施の形態8.
図13は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第8の実施の形態を説明するための説明図である。第6の実施の形態では、管理端末20から問い合わせ情報を受信した無線位置情報発信機10における制御部15は出力電力レベルを上げるように制御したが、第8の実施の形態では、第6の実施の形態の場合に比べて出力電力レベルの上げ幅を小さくし、徐々に、出力電力レベルが上がるように制御する。
すなわち、管理端末20の使用者(管理者)は、無線位置情報発信機10から所定の距離だけ離れた位置から、管理端末20に、無線位置情報発信機10に対して指令情報を送信させる。所定の距離だけ離れた位置は、例えば、最適出力電力レベルによる最適電波到達範囲の外縁として定めたい位置である。指令情報を受信した無線位置情報発信機10の制御部15は、出力電力レベルを、あらかじめ決められている量だけ上げるように制御する。管理端末20の制御部25は、無線位置情報発信機10から位置情報等を受信できた場合には、すなわち、無線位置情報発信機10から電波を受信できた場合には、指令情報の送信を停止する。
無線位置情報発信機10の制御部15は、出力電力レベルを上げた後、まだ指令情報が受信される場合には、出力電力レベルをさらに上げるように制御する。このような制御を、指令情報が受信できなくなるまで繰り返す。そして、無線位置情報発信機10の制御部15は、指令情報が受信できなくなったときの出力電力レベルを記憶部16に記憶させ、以後、その出力電力レベルによって電波を発信する。
このような制御によって、最適電波到達範囲に応じた出力電力レベル、すなわち最適出力電力レベルを簡単に設定することができる。
実施の形態9.
図14は、第9の実施の形態を説明するための説明図である。第9の実施の形態では、それぞれの無線位置情報発信機10の制御部15は、定期的に、位置情報に加えて、電波出力制御情報を送信部13および無線部12を介して発信する発信手段の役割も果たす。この実施の形態では、電波出力制御情報とは、そのときの出力電力レベルを示す情報である。なお、それぞれの無線位置情報発信機10が位置情報および電波出力制御情報を発信するタイミングはずれている。
管理端末20または携帯端末30が、複数の無線位置情報発信機10から位置情報および電波出力制御情報を受信した場合に、制御部25または制御部35は、電波出力制御情報が示す出力電力レベルが最も低い電波出力制御情報を発信した無線位置情報発信機10からの位置情報を、自己の位置を示す位置情報として選択する。なお、図14には、携帯端末30が例示されている。
最も低い出力電力レベルを示す電波出力制御情報を発信した無線位置情報発信機10は、その情報を受信した管理端末20または携帯端末30に最も近い位置にある可能性が高い。出力電力レベルが高い無線位置情報発信機10の電波到達範囲は広く、出力電力レベルが低い無線位置情報発信機10の電波到達範囲は狭いので、電波到達範囲が重複している場合には、管理端末20または携帯端末30から、狭い電波到達範囲に対応する無線位置情報発信機10までの距離の方が短い可能性が高いからである。
従って、この実施の形態によれば、管理端末20または携帯端末30が把握する位置情報の精度が向上することが期待できる。なお、管理端末20および携帯端末30の制御部25および制御部35は、複数の無線位置情報発信機10から位置情報および出力電力レベルを示す情報を受信した場合に、最も低い出力電力レベルを示す情報を発信した無線位置情報発信機10から受信した位置情報にもとづいて自己の位置を把握する処理を実行させるように構成されている。また、制御部25および制御部35がマイクロコンピュータで構成されている場合には、そのような処理をCPUに実行させるプログラムが搭載される。
実施の形態10.
図15は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第10の実施の形態を説明するための説明図である。上記のように、第9の実施の形態では、それぞれの無線位置情報発信機10が位置情報および電波出力制御情報を発信するタイミングがずれていることが好ましいのであるが、第10の実施の形態では、それぞれの無線位置情報発信機10が自律的に発信タイミングを設定する。
それぞれの無線位置情報発信機10は、発信タイミングを示す情報を電波出力制御情報として相互に交換する。少なくとも隣接する複数の無線位置情報発信機10のうちのいずれか1つの無線位置情報発信機10は、他の無線位置情報発信機10から受信した発信タイミングを示す情報と自己の発信タイミングを示す情報とを比較して、重複がある場合には、重複がなくなるように、自己の発信タイミングをずらすか、または、他の無線位置情報発信機10の発信タイミングをずらすことに決定する。他の無線位置情報発信機10の発信タイミングをずらすことに決定した場合には、決定結果を、他の無線位置情報発信機10に送信する。
なお、無線位置情報発信機10間の通信は、上記のような通信ネットワーク200を介してもよいし、無線伝送路によってもよい。
また、互いに隣接する複数の無線位置情報発信機10のうちの1つの無線位置情報発信機10が、それぞれの発信タイミングを決定するのであるが、どの無線位置情報発信機10が発信タイミングを決定するのかは、あらかじめ、複数の無線位置情報発信機10に優先順位を付けるなどして決定されている。
実施の形態11.
図16は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第11の実施の形態を説明するための説明図である。第11の実施の形態では、無線位置情報発信機10は、管理端末20または携帯端末30の移動に併せて、出力電力レベルを動的に制御する。図16には、携帯端末30が例示されているので、以下、携帯端末30を例にして説明を行う。
この実施の形態では、無線位置情報発信機10は、図2に示された構成に加えて、受信電界強度(RSSI)測定回路を備えている。RSSI測定回路による測定値は、制御部15に入力される。また、無線位置情報発信機10において、例えば、記憶部16に、種々の測定値と出力電力レベルとの関係が設定されている。その関係は、測定値が小さいほど、出力電力レベルを高くするような関係である。
携帯端末30が在圏していることを認識するために、無線位置情報発信機10は、携帯端末30から何らかの情報を受信する必要がある。よって、例えば、第4の実施の形態の場合と同様に、携帯端末30は、適当な時間間隔で、自己のID情報を送信する。
無線位置情報発信機10の制御部15は、携帯端末30からの情報の受信にもとづくRSSI測定回路の測定値を入力し、測定値に応じた出力電力レベルを記憶部16から抽出する。そして、抽出した出力電力レベルに応じた制御信号を送信電力増幅器13Aに出力する。
このような制御によって、携帯端末30が無線位置情報発信機10から離れていくに従って、出力電力レベルは高くなり、在圏している携帯端末30に対して確実に位置情報等を発信できるとともに、無線位置情報発信機10の消費電力を低減することができる。
なお、無線位置情報発信機10における上記のような制御は、RSSI測定回路の測定値があらかじめ決められている所定値よりも小さくなったら停止させる。あらかじめ決められている所定値は、例えば第8の実施の形態で説明したような最適電波到達範囲の外縁において携帯端末30が発信する電波のRSSIである。
実施の形態12.
図17は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第12の実施の形態を説明するための説明図である。
第3の実施の形態、第5の実施の形態および第10の実施の形態では、無線位置情報発信機10間で電波出力制御情報の通信が行われていた。すなわち、第3の実施の形態では、無線位置情報発信機10間で位置情報と出力電力レベルを示す情報とが交換された。また、第5の実施の形態では、無線位置情報発信機10間で電波到達範囲を示す情報が交換された。そして、第10の実施の形態では、発信タイミングを示す情報が交換された。さらに、第4の実施の形態において、在圏している管理端末20または携帯端末30のID情報を他の無線位置情報発信機10に送信する例があった。
無線位置情報発信機10間で電波出力制御情報の通信が行われる場合に、無線伝送路を使用することができることは既に述べたとおりであるが、その場合、図2に示された送信部13および無線部12をそのまま用いて情報を他の無線位置情報発信機10に送信するときには、その場合にのみ、隣接する無線位置情報発信機10にまで電波が到達するように、出力電力レベルを上げておく。
このように、無線位置情報発信機10間で、無線伝送路を介して自律的に情報のやりとりを行うので、その無線伝送路で結ばれる無線位置情報発信機10は、一種のアドホックネットワークを形成する。
実施の形態13.
図18は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第13の実施の形態を説明するための説明図である。
第13の実施の形態の無線位置情報発信機10は、位置情報と出力電力レベルを示す情報(以下、電波強度情報という)とを、一定時間間隔で、異なる出力電力レベルで送信する。
なお、電波強度情報は、送信する電波の強弱(出力電力レベル)を定量的に把握することができる情報であって、例えば、無線位置情報発信機10の送信電力値等であるものとする。
そして、管理端末20または携帯端末30は、電波強度情報の値にもとづいて、電波到達距離が把握できるものとする。具体的には、例えば、種々の出力電力レベルに対する電波到達距離をあらかじめ測定しておいて、出力電力レベルと電波到達距離との関係をあらかじめ記憶部(図示せず)にテーブルとして設定しておく。そして、受信した電波強度情報が示す出力電力レベルに対応する電波到達距離を抽出して、電波到達距離を把握する。
ここで、電波強度情報の値が小さいほど無線位置情報発信機10が送信した電波の出力電力レベルが低く、電波到達距離が短く、電波到達範囲が狭いものとする。
管理端末20または携帯端末30は、ある時間内に受信した複数の電波強度情報の内、最も小さい値の電波強度情報と、それとともに受信した位置情報とにもとづいて自機の位置を把握する。
具体的には、管理端末20または携帯端末30は、無線位置情報発信機10との距離が、ある時間内に受信した複数の電波強度情報の内、最も小さい値の電波強度情報にもとづいて把握した電波到達距離であると判断する。
図18の例では、管理端末20は、時刻T1で無線位置情報発信機10が1mWで送信した電波強度情報を受信することができなかったが、時刻T2で無線位置情報発信機10が10mWで送信した電波強度情報、および時刻T3で無線位置情報発信機10が100mWで送信した電波強度情報を受信することができたことを示している。
このような場合、管理端末20は、受信した複数の電波強度情報の内、最も小さい値の電波強度情報である10mWの電波到達距離が、無線位置情報発信機10との距離であると判断する。
そして、管理端末20は、10mWの電波到達距離と、無線位置情報発信機10から受信した位置情報とにもとづいて、自機の位置を把握する。
従って、この実施の形態によれば、管理端末20または携帯端末30は、無線位置情報発信機10が送信した位置情報と電波強度情報とにもとづいて自機の位置を把握するため、自機の位置の精度が向上することが期待できる。
なお、管理端末20または携帯端末30は、受信した電波強度情報が1種類のときには、その電波強度情報にもとづいて、自機の位置を把握する。
実施の形態14.
図19は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第14の実施の形態を説明するための説明図である。
上記のように、第13の実施の形態では、管理端末20または携帯端末30は、一の無線位置情報発信機10が、一定時間間隔で、異なる出力電力レベルで発信した位置情報と電波強度情報とにもとづいて、自機の位置を把握している。それに対して、第14の実施の形態では、管理端末20または携帯端末30は、複数の無線位置情報発信機10が、一定時間間隔で、異なる出力電力レベルで発信した位置情報と電波強度情報とにもとづいて、自機の位置を把握する。
具体的には、例えば、一定時間内で受信した複数の電波強度情報から、それぞれ異なる無線位置情報発信機10が発信した電波強度情報であって、値が小さい順に電波強度情報を複数個(例えば、3個)選択し、選択した電波強度情報にもとづいて、それらを発信した各無線位置情報発信機10からの距離を把握する。そして、把握した距離と、抽出した電波強度情報とともに受信した位置情報とにもとづいて、自機の位置を計算(複数点(3点)測量)する。
図19の例では、管理端末20が、無線位置情報発信機A10が1mWで発信した電波強度情報を受信し、無線位置情報発信機B10が10mWで発信した電波強度情報を受信し、無線位置情報発信機C10が100mWで発信した電波強度情報を受信していることを示している。なお、ここで例示している各電波強度情報は、管理端末20が受信した複数の電波強度情報のうち、3番目までに値が小さいものとして、抽出されたものである。
このような場合、管理端末20は、無線位置情報発信機A10との距離が、1mWの電波到達距離であると判断(把握)する。そして、管理端末20は、無線位置情報発信機B10との距離が、10mWの電波到達距離であると判断(把握)する。さらに、管理端末20は、無線位置情報発信機C10との距離が、100mWの電波到達距離であると判断(把握)する。
そして、管理端末20は、把握した各無線位置情報発信機10との距離と、抽出した電波強度情報とともに受信した位置情報とにもとづいて、自機の位置を3点測量の方法で算出して把握する。
従って、この実施の形態によれば、複数の無線位置情報発信機10からの距離と位置情報とにもとづいて自機の位置を把握するため、管理端末20または携帯端末30が把握する自機の位置の精度がさらに向上することが期待できる。
実施の形態15.
図20は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第15の実施の形態を説明するための説明図である。
第13の実施の形態では、無線位置情報発信機10は、位置情報と電波強度情報とを、一定時間間隔で、異なる出力電力レベルで送信するが、第15の実施の形態では、無線位置情報発信機10は、位置情報と電波強度情報とに加え、電波到達範囲に応じたコンテンツ情報を送信する。
具体的には、例えば、無線位置情報発信機10が、高い出力電力レベルで電波を発信すると、電波到達範囲は広いと考えられるため、広い範囲の管理端末20または携帯端末30がコンテンツ情報を受信すると考えられる。そこで、無線位置情報発信機10は、高い出力電力レベルで電波を発信する場合には、位置情報と電波強度情報とに加え、広い範囲に存在する管理端末20または携帯端末30に有用なコンテンツ情報を送信する。
一方、無線位置情報発信機10が、低い出力電力レベルで電波を発信すると、電波到達範囲は狭いと考えられるため、無線位置情報発信機10の近傍の管理端末20または携帯端末30がコンテンツ情報を受信すると考えられる。そこで、無線位置情報発信機10は、低い出力電力レベルで電波を発信する場合には、位置情報と電波強度情報とに加え、無線位置情報発信機10の近傍の管理端末20または携帯端末30に有用なコンテンツ情報を送信する。
図20の例では、時刻T1で無線位置情報発信機10が1mWでコンテンツ情報を送信し、時刻T2で無線位置情報発信機10が10mWでコンテンツ情報を送信し、時刻T3で無線位置情報発信機10が100mWでコンテンツ情報を送信していることを示している。
無線位置情報発信機10は、時刻T1では、自機の近傍のコンテンツ情報を送信している。また、無線位置情報発信機10は、時刻T2では、自機の周辺地域のコンテンツ情報を送信している。無線位置情報発信機10は、時刻T3では、広域のコンテンツ情報を送信している。
このように、無線位置情報発信機10は、管理端末20または携帯端末30に、電波到達範囲に応じたコンテンツ情報を提供することができる。
実施の形態16.
図21は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第16の実施の形態を説明するための説明図である。
1つの無線位置情報発信機10から受信した電波の強度や情報にもとづいて把握した位置と、実際の位置との間には誤差が生ずる。そこで、この実施の形態では、管理端末20または携帯端末30は、無線位置情報発信機10から受信した電波強度情報が示す出力電力レベルと、受信した電波の電波強度とを比較して、無線位置情報発信機10からの距離を把握する。
具体的には、管理端末20または携帯端末30に、例えば、種々の出力電力レベルおよび受信電波強度に応じた距離(電波発信位置と電波受信位置との間の距離)をあらかじめ測定しておいて、出力電力レベルおよび受信電波強度と距離との関係をあらかじめ記憶部(図示せず)にテーブルとして設定しておく。そして、管理端末20または携帯端末30は、受信した電波強度情報が示す出力電力レベル、および受信電波強度に対応する距離を抽出して、無線位置情報発信機10からの距離を把握する。
管理端末20または携帯端末30は、把握した無線位置情報発信機10からの距離と、無線位置情報発信機10から受信した位置情報が示す位置とにもとづいて、自己の相対位置を把握する。
以上に述べたように、この実施の形態によれば、電波強度情報および受信電波強度によって把握した無線位置情報発信機10からの距離と、無線位置情報発信機10から受信した位置情報が示す位置とにもとづいて自己の相対位置を把握するため、無線位置情報発信機10の電波到達範囲内における位置精度を向上させることができる。
実施の形態17.
図22は、無線位置情報発信機10の出力電力制御の第17の実施の形態を説明するための説明図である。
第16の実施の形態では、1つの無線位置情報発信機10の電波到達範囲内で位置精度を向上させたが、この実施の形態では、複数の無線位置情報発信機10の電波到達範囲内で位置精度を向上させる。
具体的には、例えば、第16の実施の形態の方法を用いて、複数の無線位置情報発信機10からの距離をそれぞれ把握する。そして、それぞれの無線位置情報発信機10から受信した位置情報と、把握した距離とにもとづいて、自己の位置を計算(複数点(3点)測量)して、自己の相対位置を把握する。
以上に述べたように、この実施の形態によれば、電波強度情報および受信電波強度によって把握した複数の無線位置情報発信機10からの距離と、複数の無線位置情報発信機10から受信した位置情報が示す位置とにもとづいて自己の相対位置を把握するため、無線位置情報発信機10の電波到達範囲内における位置精度をさらに向上させることができる。
以上に説明したように、上記の各実施の形態では、管理端末20や携帯端末30が把握する位置の精度をより高くしたり、隣接する無線位置情報発信機間10での電波干渉を防止したりするために、それぞれの無線位置情報発信機の出力電力レベルを、簡単に、かつ、状況の変化等に応じて柔軟に制御することができる。
また、無線位置情報発信機10は、管理端末20または携帯端末30に、電波到達範囲に応じたコンテンツ情報を提供する。すなわち、管理端末20または携帯端末30は、無線位置情報発信機10からの距離に応じた情報を受信することができる。