JP2002044711A - 位置推定装置 - Google Patents

位置推定装置

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JP2002044711A
JP2002044711A JP2000227739A JP2000227739A JP2002044711A JP 2002044711 A JP2002044711 A JP 2002044711A JP 2000227739 A JP2000227739 A JP 2000227739A JP 2000227739 A JP2000227739 A JP 2000227739A JP 2002044711 A JP2002044711 A JP 2002044711A
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base station
time
calculating
acceleration
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JP2000227739A
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Akihiro Kanzaki
昭浩 神崎
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2つの基地局電波を受信した場合であっても
移動局の位置を推定できる位置測定装置を提供するこ
と。 【解決手段】 受信信号が2つしか受信できない場合
に、第1と第2の集合の交点131のうち、記憶手段に
格納された移動局31aの前回の位置x1、速度v1、
加速度a1から求めた推論位置Pとの距離が最短の点
を、移動局31aの現在位置x0に特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常は同一の地点
で3つ以上の基地局電波を受信して移動局の位置、速
度、加速度を測定する方法及びその装置において、受信
する電波が一時的に2つ以下になった場合でも、過去に
推定した移動局の位置、速度、加速度から現在の移動局
の位置、速度、加速度を推定する方法及びその装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の、通常測位による移動局の位置の
測定と、測定時間間隔をおいた複数の位置情報から速
度、加速度を推定する方法を、無線システムが最小構成
を採る場合について説明する。尚、位置、速度、加速度
はベクトル成分である。
【0003】図11に示すように、基地局電波35、3
6、及び37をそれぞれ発信する基地局32、33、及
び34と、位置推定装置を搭載した移動局31で構成さ
れる無線システムに適用して、現在時刻t0における移
動局31の位置x0、速度v0、加速度a0を推定す
る。
【0004】尚、基地局電波35、36、及び37には
全ての基地局を一意に識別できる基地局IDが付加され
ているので、移動局31に搭載される位置推定装置は、
受信した電波に関して基地局データベースに問い合わせ
て、その基地局の位置情報を得ることができるようにな
っている。また、基地局電波には基地局からの発信時刻
も付加されている。
【0005】はじめに、時刻t3における移動局31の
位置x3を通常測位により推定する。例えば、移動局3
1が基地局電波35を受信すると、移動局31に搭載さ
れる位置推定装置は基地局電波35を復調して基地局I
Dと発信時刻を得る。得られた基地局IDを基に基地局
データベースに問い合わせ、基地局32の座標を得る。
【0006】次に、移動局31に搭載される位置推定装
置は、基地局32までの距離を推定する。基地局電波に
発信時間が付加される無線システムにおいては、光速に
伝播時間を乗算することで容易に算出できる。得られた
基地局32までの距離から、移動局31の現在位置とし
て推定される点の集合である球面を得る。
【0007】上記手順を基地局33、34にも適用して
基地局33、34の現在位置として推定される点の集合
であるそれぞれの球面を得る。そして、基地局毎の球面
S1、S2、S3の交点を移動局31の推定現在位置x
3と推定する。
【0008】次に、時刻t3より観測時間間隔Δtが経
過した時刻t2において通常測位を再度実施して、時刻
t2における移動局31の位置x2を推定し、更に、時
刻t2における移動局31の速度v2を、移動局31の
位置x2と、前回の観測時刻t3の位置x3との距離を
観測時間間隔Δtで除算することにより推定する。すな
わち、v2=(x2−x3)/Δt、により移動局31
の速度v2を推定する。
【0009】さらに、時刻t2より観測時間間隔Δtが
経過した時刻t1において通常測位を再度実施して、時
刻t1における移動局31の位置x1を推定する。ま
た、位置x2と位置x1の距離を観測時間間隔Δtで除
算することにより、時刻t1における移動局31の速度
v1も推定する。さらに、時刻t1における移動局31
の加速度a1を、移動局31の速度v1と前回の観測時
刻t2の速度v2との差を観測時間間隔Δtで除算する
ことにより推定する。すなわち、a1=(v1−v2)
/Δt、により移動局31の加速度a1を推定する。
【0010】以上のとおり、移動局31の位置は、1回
目の通常測位で得られ、速度および加速度は、2回目、
3回目の通常測位によってそれぞれ得られる。4回目以
降の通常測位では、位置、速度、加速度を常時得ること
ができる。したがって、測位を開始して3回目以降につ
いて、時刻t0における移動局31の速度v0、加速度
a0は、時刻t0における移動局31の位置x0と、時
刻t0より観測時間間隔Δt前の時刻t1における位置
x1、速度v1を用いて、v0=(x0−x1)/Δ
t、a0=(v0−v1)/Δt、と表すことができ
る。
【0011】以上は、通常測位を実施する最小構成例で
ある。もし、同一の地点で4つ以上の基地局電波を受信
可能であれば、追加の電波を使用して測位を行ってもよ
い。その場合、最小構成による測位よりも誤差が低減す
るので、測位の精度を向上することができる。また、上
記の例では全ての観測時間間隔を一定間隔のΔtとした
が、実施においてはその必要はない。
【0012】しかし、上記した例のように、基地局電波
に付加された発信時間を、移動局の内部タイマーと比較
して伝播時間を測定し、移動局と基地局の間の距離を算
出するためには、移動局が保持する時刻と基地局が保持
する時刻が時間遅延量に比べて正確でなければならな
い。
【0013】そこで、基地局電波の発信時刻情報を使用
することなく移動局と基地局の間の距離を推定する方法
としては、例えば特開平8−179028号公報(以
下、従来技術1という)、特開平11−239381号
公報(以下、従来技術2という)が開示されている。
【0014】従来技術1では、基地局電波の受信レベル
を測定し、伝播距離と伝播損の関係から移動局と基地局
との距離を求める。この関係式としては、例えば“Empi
rical formula for propagation loss in land mobile
radio”,IEEE Trans.Veh. Technol., Vol. VT‐29, 3
(1980)に示されている次式を用いることができる。 Lp=69.55+26.16 log fc−13.821 log hb−a(hm)+(4
4.9−6.551 log hb )log r(dB) 但し、 fc:搬送波周波数 hb:基地局アンテナ高 hm:移動局アンテナ高 r :距離 a(hm):補正項
【0015】従来技術2は、CDMA方式で変調された
基地局電波を受信・復調し、この復調信号の位相差から
導出される電波の伝播遅延に基づいて移動局と基地局と
の距離を求める。この方法を実施する装置構成のブロッ
ク図を図12に示す。すなわち、位相検出手段111で
復調信号の位相を検出し、位相差計算手段112により
位相差を導出し、位相データベース114を参照しつつ
距離計算手段113にて距離を計算する。
【0016】上記説明した従来技術1または2は、基地
局と移動局の距離の測定を3つの基地局に適用すること
で、移動局の現在位置を推定する。すなわち、当業者に
知られる双曲線航法である。
【0017】測位の精度を基準にした場合、従来技術1
よりも従来技術2の方が優れている。これは、受信レベ
ルはフェージングにより変動するので測位の精度が低下
するのに対して、位相はフェージングの影響を受けない
ためである。したがって、本発明の実施の形態の説明で
は、従来技術2と同様に、CDMA方式で変調された基
地局電波の位相差に基づいて基地局と移動局の距離を算
出するものとして記述する。
【0018】図13および図14は、移動局31に搭載
される位置推定装置が、移動局31の位置、速度、加速
度を算出する上記手順のうち、基地局と移動局の距離の
測定を、従来技術2の方法で実施するようにした場合の
フローチャートである。以下、図13および図14のス
テップにしたがって説明する。
【0019】先ず、図14に示すように、基地局電波3
5から推定される移動局31の現在位置の集合を算出す
る(ステップS41)。図13に示す基地局電波35を
検波・復調し(ステップS21)、基地局IDを取り出
す(ステップS22)。更に、基地局データベースを参
照して基地局32の座標を得て(ステップS23)、基
地局電波の位相差から基地局32までの距離を算出し
(ステップS24)、移動局31の推定現在位置の集合
を算出する(ステップS25)。
【0020】次に、図14に示すように、基地局電波3
6から推定される移動局31の現在位置の集合を算出し
(ステップS42)、基地局電波35の時と同じよう
に、図13のステップS21〜ステップS25を行う。
【0021】更に、図14に示すように、基地局電波3
7から推定される移動局31の現在位置の集合を算出し
(ステップS43)、基地局電波35の時と同じよう
に、図13のステップS21〜ステップS25を行う。
【0022】次に、基地局電波35、36、37から推
定される移動局31の現在位置の集合の交点を算出し、
これを移動局31の推定現在位置とする(ステップS4
4)。そして、前記ステップS44で算出した現在位置
をもとに、移動局31の推定現在速度を算出する(ステ
ップS45)し、更に、前記ステップS45で算出した
現在速度をもとに、移動局31の推定現在加速度を算出
する(ステップS46)。
【0023】上記手順を実施する装置の構成の一例を図
15に示す。検波手段72は、基地局32が発信した基
地局電波35を検波する。復調手段73は、受信した基
地局電波35を復調する。基地局ID検出手段74は、
復調された基地局電波35から基地局IDを取り出す。
基地局位置決定手段75は、基地局IDにしたがって基
地局データベース76を参照して、基地局32の位置情
報を取得する。基地局距離推定手段77は、基地局電波
35の位相差から移動局31と基地局32との間の距離
を推定する。
【0024】位置集合計算手段78は、基地局32の位
置情報と、移動局31と基地局32との間の距離情報
と、より、移動局31の推定現在位置の集合を計算す
る。次の位置計算において、3つの基地局32、33、
34に対する移動局31の推定現在位置の集合が必要な
ため、上記手順を基地局33、34に対しても実施する
とともに、基地局32、33についての計算結果は、位
置集合一時記憶手段79に格納する。
【0025】位置計算手段711は、前記位置集合計算
手段78および位置集合一時記憶手段79から受け取っ
た移動局31の推定現在位置データの集合から移動局3
1の現在位置を計算し、結果を速度計算手段713に渡
す。位置記憶手段712に現在格納されている前回観測
時の移動局31の位置データを速度計算手段713が読
み出した後、位置計算手段711は計算した現在位置を
位置記憶手段712に格納する。
【0026】速度計算手段713は、前記位置計算手段
711から受け取った移動局31の推定現在位置デー
タ、前記位置記憶手段712から読み出した前回観測時
の移動局31の位置データ、タイマー710から読み出
した経過時間から移動局31の現在速度を計算し、結果
を加速度計算手段715に渡す。速度記憶手段714に
現在格納されている前回観測時の移動局31の速度デー
タを加速度計算手段715が読み出した後、速度計算手
段713は計算した現在速度を速度記憶手段714に格
納する。
【0027】加速度計算手段715は、速度計算手段7
13から受け取った移動局31の推定現在速度データ、
速度記憶手段714から読み出した前回観測時の移動局
31の速度データ、及びタイマー710から読み出した
経過時間から、移動局31の現在加速度を計算する。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
示した通常測位による移動局の位置測定では、移動局が
一時的に2つ以下の基地局からしか電波を受信できなく
なった場合に、移動局の現在位置情報を得られなくなる
という欠点がある。
【0029】本発明は、前記の問題点を解消するために
なされたものであって、2つの基地局電波を受信した場
合であっても移動局の位置を推定できる位置測定装置を
提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、次の構成を有する。本発明の第1の要旨
は、受信信号から、基地局からの信号の発信時刻情報と
基地局の識別情報と、を抽出する情報抽出手段と、基地
局からの受信信号を受信した受信時刻を把握する受信時
刻把握手段と、前記基地局の識別情報を基に、基地局の
位置情報を把握する基地局位置把握手段と、前記受信信
号の前記発信時刻情報と前記受信時刻から、基地局と移
動局の距離を算出する距離算出手段と、前記距離算出手
段により求めた基地局から等距離にある点の集合を求め
る等距離集合算出手段と、を備え、3つ以上の基地局か
らの受信信号から、前記等距離集合算出手段により少な
くとも第1、第2、第3の集合を作成し、該集合の交点
を移動局の位置とする位置測定を行う位置推定装置であ
って、前記位置測定で判明した移動局の位置での、移動
局の移動速度と加速度を算出する手段と、前記移動局の
位置と、その位置での移動局の移動速度と加速度を移動
履歴データとして記憶する記憶手段と、前記移動履歴デ
ータと、該移動履歴データの位置測定時から現時点まで
の経過時間と、に基づいて、現時点での移動局の推論位
置を算出する推論位置算出手段と、を備え、受信信号が
2つしか受信できない場合に、第1と第2の集合の交点
のうち、推論位置との距離が最短の点を、移動局の現在
位置に特定することを特徴とする位置推定装置にある。
【0031】本発明の第2の要旨は、受信信号から、基
地局からの信号の発信時刻情報と基地局の識別情報と、
を抽出する情報抽出手段と、基地局からの受信信号を受
信した受信時刻を把握する受信時刻把握手段と、前記基
地局の識別情報を基に、基地局の位置情報を把握する基
地局位置把握手段と、前記受信信号の前記発信時刻情報
と前記受信時刻から、基地局と移動局の距離を算出する
距離算出手段と、前記距離算出手段により求めた基地局
から等距離にある点の集合を求める等距離集合算出手段
と、を備え、3つ以上の基地局からの受信信号から、前
記等距離集合算出手段により少なくとも第1、第2、第
3の集合を作成し、該集合の交点を移動局の位置とする
位置測定を行う位置推定装置であって、前記位置測定で
判明した移動局の位置での、移動局の移動速度と加速度
を算出する手段と、前記移動局の位置と、その位置での
移動局の移動速度と加速度を移動履歴データとして記憶
する記憶手段と、前記移動履歴データと、該移動履歴デ
ータの位置測定時から現時点までの経過時間と、に基づ
いて、現時点での移動局の推論位置を算出する推論位置
算出手段と、を備え、受信信号が1つしか受信できない
場合に、第1の集合のうち、推論位置との距離が最短の
点を、移動局の現在位置に特定することを特徴とする位
置推定装置にある。
【0032】本発明の第3の要旨は、受信信号から、基
地局からの信号の発信時刻情報と基地局の識別情報と、
を抽出する情報抽出手段と、基地局からの受信信号を受
信した受信時刻を把握する受信時刻把握手段と、前記基
地局の識別情報を基に、基地局の位置情報を把握する基
地局位置把握手段と、前記受信信号の前記発信時刻情報
と前記受信時刻から、基地局と移動局の距離を算出する
距離算出手段と、前記距離算出手段により求めた基地局
から等距離にある点の集合を求める等距離集合算出手段
と、を備え、3つ以上の基地局からの受信信号から、前
記等距離集合算出手段により少なくとも第1、第2、第
3の集合を作成し、該集合の交点を移動局の位置とする
位置測定を行う位置推定装置であって、前記位置測定で
判明した移動局の位置での、移動局の移動速度と加速度
を算出する手段と、前記移動局の位置と、その位置での
移動局の移動速度と加速度を移動履歴データとして記憶
する記憶手段と、前記移動履歴データと、該移動履歴デ
ータの位置測定時から現時点までの経過時間と、に基づ
いて、現時点での移動局の推論位置を算出する推論位置
算出手段と、を備え、受信信号を受信できない場合に、
推論位置を移動局の現在位置に特定することを特徴とす
る位置推定装置にある。
【0033】本発明の第4の要旨は、前記推論位置を用
いて移動局の現在位置の特定が所定回数連続した場合に
は、位置測定を中断することを特徴とする要旨1乃至3
の位置推定装置にある。
【0034】本発明の第5の要旨は、前記推論位置を用
いて移動局の現在位置の特定を行う場合には、特定画面
又は特定音を行うユーザインターフェイス部を設けるこ
とを特徴とする要旨1乃至3の位置推定装置にある。
【0035】本発明の第1から第3の要旨によれば、一
時的に3つ以上の基地局から電波を受信できなくなった
場合でも、前回の測位で得られている位置、速度、加速
度より移動局の現在位置、速度、加速度を推定すること
が可能となる。よって、3以上の電波を受信出来ない場
合に全く利用者に情報を提供できずに利用者を不安にす
るような状態を回避し、常により適切に情報提供ができ
る。
【0036】本発明の第4の要旨によれば、推論位置を
用いて移動局の現在位置の特定が所定回数連続した場合
には、位置測定を中断することにより、現在位置の誤差
の拡大を防ぐことができる。
【0037】本発明の第5の要旨によれば、前記推論位
置を用いて移動局の現在位置の特定を行う場合には、特
定画面又は特定音を行うユーザインターフェイス部を設
けることで、各推定値の精度が低下していることを利用
者に認識可能となり、利用者に適切な情報を提供でき
る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。尚、前記した構成と同一部分
には同一符号を付して説明を省略する。また、前記同様
に位置、速度、加速度はそれぞれベクトル成分とする。 [第1の実施の形態]本発明の第1の実施の形態では、
現在時刻t0において2つの基地局電波を正常に受信し
た場合に移動局の位置を推定する位置測定装置について
説明する。
【0039】図1に示すように、基地局電波35、36
及び37をそれぞれ発信する基地局32、33、及び3
4と、位置推定装置を搭載した移動局31aで構成され
る無線システムにおいて、基地局32、33からの基地
局電波35、36は正常に受信したが、基地局34から
の基地局電波37は受信できなかった場合に、現在時刻
t0における移動局31aの位置x0、速度v0、加速
度a0を推定する。
【0040】移動局31aに搭載される位置推定装置
は、現在時刻t0において、現在時刻t0よりもΔt前
の前回の観測時刻t1における移動局31aの位置x
1、速度v1、加速度a1を得ているものとする。
【0041】また、基地局電波35、36、及び37に
は、基地局を一意に識別できる基地局IDが付加されて
いるので、移動局31aに搭載される位置推定装置は基
地局データベースを参照することで、受信した基地局電
波の基地局の位置情報を得ることができる。
【0042】まず、移動局31aに搭載される位置推定
装置は、基地局電波35を受信すると、これを復調して
基地局IDを得る。基地局IDを基地局データベースに
問い合わせ、基地局32の座標を得る。
【0043】次に、移動局31aに搭載される位置推定
装置は、復調信号の位相差から導出される電波の伝播遅
延に基づいて基地局32との距離を求める。得られた距
離から、移動局31aの現在位置として推定される点の
集合を得る。この手順を基地局33にも適用して移動局
31aの推定現在位置の集合を得る。
【0044】この基地局32と33から推定される移動
局31aの推定現在位置の集合を得る様子を図2に示
す。球面121は基地局32までの距離がわかったとき
に決定する移動局31aの位置の集合を示しており、球
面122は基地局33までの距離がわかったときに決定
する移動局31aの位置の集合を示している。したがっ
て、2つの基地局電波35、36を受信した場合には、
基地局32、33と移動局31aの間の距離から、移動
局31aは球面121、122の交点の集合上のいずれ
かに存在する。すなわち、図3での移動局31aの推定
現在位置は、円形集合131となる。
【0045】また、以前の観測時刻、例えば前回の観測
時刻t1における移動局31aの位置x1、速度v1、
加速度a1からも、Δt時間経過後の現在時刻t0にお
ける移動局31aの推論計算上の推論計算位置Pを推定
することができる。具体的には、推論計算位置P=v1
Δt+(1/2)a1Δt2+x1、である。しかしな
がら、移動局31aは、Δtの間に速度、加速度を変化
しているので、推論計算位置P上ではない可能性が高
い。
【0046】そこで、本実施の形態での現在時刻t0に
おける移動局31aの位置x0の特定は、推論計算位置
Pとの距離が最も近い球面121、122の交点と推論
(補測位)する。よって、一時的に2つの基地局からし
か電波を受信できなくなった場合でも、前回の測位で得
られている位置、速度、加速度情報に基づく推論計算位
置Pを考慮する補測位により、移動局31aの現在位置
x0を推定することが可能となる。
【0047】図3は、球面121、122の交点の集
合、移動局31aの現在位置x0、前回位置x1、及び
推論計算位置Pの位置関係を示している。
【0048】また、現在時刻t0における移動局31a
の速度v0は、特定された移動局31aの現在位置x0
と前回の観測時刻t1での位置x1の距離を観測時間間
隔Δtで除算することにより推定される。すなわち、v
0=(x0−x1)/Δt、により速度v0を推定でき
る。また、現在時刻t0における移動局31aの加速度
a0は、特定された移動局31aの速度v0と前回の観
測時刻t1の速度v1の差を観測時間間隔Δtで除算す
ることにより推定される。すなわち、a0=(v0−v
1)/Δt、により加速度a0を推定できる。
【0049】図4は、移動局31aに搭載される位置推
定装置がその移動局31aの位置、速度、加速度を算出
する上記手順のフローチャートであり、前記説明した図
13を参照しつつ、図のステップに従って説明する。
【0050】先ず、基地局電波35から推定される移動
局31aの現在位置の集合を算出する(ステップS1
1)。次に、前記説明した図13の各ステップS21〜
S25を下記に示すように行う。基地局電波35を検波
・復調する(ステップS21)。基地局IDを取り出す
(ステップS22)。基地局データベースを参照して基
地局32の座標を得る(ステップS23)。基地局電波
の位相差から基地局32までの距離を算出する(ステッ
プS24)。移動局31aの推定現在位置の集合を算出
する(ステップS25)。
【0051】次に、図4に処理を戻し、同様に、基地局
電波36から推定される移動局31aの現在位置の集合
を算出する(ステップS12)。そして、基地局電波3
5の時と同様にステップS21〜S25を行う(ステッ
プS21〜S25)。
【0052】そして、上記算出結果から基地局電波3
5、36から推定される移動局31aの現在位置の集合
の交点131を算出する(ステップS13)。
【0053】また、前回観測時の移動局31aの位置、
速度、加速度から推論する移動局31aの推論計算位置
Pを算出する(ステップS14)。
【0054】そして、前記ステップS13で算出した集
合の交点位置131と、ステップS14で算出した推論
計算位置Pから、交点位置131のうちで推論計算位置
Pとの距離が最も近い交点位置を移動局31aの推定位
置x0と推論算出する(ステップS15)。
【0055】併せて、ステップS15で算出した推定位
置x0をもとに、移動局31aの推定現在速度v0(ス
テップS16)を算出し、更にそのステップS16で算
出した現在速度v0をもとに、移動局31aの推定加速
度a0を算出する(ステップS17)。
【0056】以上説明した処理、構成により、現在時刻
t0における移動局31aの推定位置x0、推定速度v
0、推定加速度a0の算出が完了すると、時刻t1の位
置x1、速度v1、加速度a1の記憶を破棄するととも
に、現在時刻t0における位置x0、速度v0、加速度
a0の各記憶装置に格納する。新たに格納された現在時
刻t0における移動局31aの推定位置x0、推定速度
v0、推定加速度a0は、次回の推定のときに用いられ
る。このとき、格納された各値x0、v0、a0が、推
論計算位置Pを考慮した補測位により推定されたことを
示す情報を付加して、値の精度が通常測位(推論計算位
置Pを用いない測位)により推定された値よりも精度が
低下していることを記憶しても良い。これにより、以後
の処理における場合分けを行うことで適切な処理を可能
とできる。
【0057】また、推論計算位置Pを用いた精度の低下
を示す情報を利用することで、位置推定装置は、補測位
が連続して起動し、利用者にとって所望の精度で推定値
が得られなくなったと判断されるときには位置、速度、
加速度の推定を一時中断するようにしてもよい。かかる
処理により、推定値の誤差の拡大を防ぐことができる。
【0058】また、移動局31aの位置、速度、加速度
を図示しない表示装置によって利用者に通知している場
合、補測位を開始する場合には通常測位時と区別出来る
ように特定表示を行って、各推定値の精度が低下してい
ることを利用者に認識可能とすることで、利用者により
適切な情報を提供できる。上記した特定表示としては、
例えば、通常測位時には表示装置に移動局31a周辺の
地図を表示し、この地図上に移動局31aの現在位置を
点で示すと共に、補測位時には通常測位時の表示よりも
目立つ表示、例えば、点の大きさや、色、形を変更した
り、あるいは明滅したり、又はそれらを組合わせ表示す
る等により、現在の位置、速度、加速度が補測位により
得られていることを利用者に通知する。
【0059】上記説明した処理手順を実施可能な装置の
構成の一例を図5に示す。図5における処理の流れを、
以下に説明する。検波手段72は、基地局32が発信し
た基地局電波35を検波する。復調手段73は、受信し
た基地局電波35を復調する。基地局ID検出手段74
は、復調された基地局電波35から基地局IDを取り出
す。基地局位置決定手段75は、基地局IDにしたがっ
て基地局データベース76を参照して、基地局32の位
置情報を取得する。基地局距離推定手段77は、基地局
電波35の位相差から移動局31aと基地局32との間
の距離を推定する。
【0060】位置集合計算手段78は、基地局32の前
記位置情報と、移動局31aと基地局32との間の距離
より、移動局31aの推定現在位置の集合を計算する。
次の位置計算において、2つの基地局32、33に対す
る移動局31aの推定現在位置の集合が必要なため、上
記手順を基地局33に対しても実施するとともに、基地
局32についての計算結果は、位置集合一時記憶手段7
9に格納する。
【0061】位置計算手段711aは、位置集合計算手
段78、位置集合一時記憶手段79、位置記憶手段71
2から受け取った移動局31aの位置情報、速度記憶手
段714から受け取った前回観測時の移動局31aの速
度、加速度記憶手段81から受け取った前回観測時の移
動局31aの加速度、及びタイマー710から読み出し
た経過時間に基づいて、移動局31aの現在位置を計算
する。すなわち、交点集合位置131のうちで推論計算
位置Pとの距離が最も近い交点位置を移動局31aの推
定位置x0として推論算出する。また、現在位置の計算
結果x0は速度計算手段713に送られる。
【0062】位置記憶手段712に現在格納されている
前回観測時の移動局31aの位置x1を速度計算手段7
13が読み出した後、位置計算手段711aは計算した
現在位置(推定位置x0)を位置記憶手段712に格納
する。
【0063】速度計算手段713は、位置計算手段71
1aから受け取った移動局31aの推定現在位置x0、
位置記憶手段712から読み出した前回観測時の移動局
31aの位置x1、タイマー710から読み出した経過
時間Δtから移動局31aの現在速度v0を計算し、結
果を加速度計算手段715に渡す。
【0064】速度記憶手段714に現在格納されている
前回観測時の移動局31aの速度v1を加速度計算手段
715が読み出した後、速度計算手段713は計算した
現在速度v0を速度記憶手段714に格納する。
【0065】加速度計算手段715は、速度計算手段7
13から受け取った移動局31aの推定現在速度v0、
速度記憶手段714から読み出した前回観測時の移動局
31aの速度v1、タイマー710から読み出した経過
時間Δtから移動局31aの現在加速度a0を計算す
る。加速度記憶手段81に現在格納されている前回観測
時の移動局31aの加速度a1を位置計算手段711a
が読み出した後、加速度計算手段715は計算した現在
加速度a0を加速度記憶手段81に格納する。
【0066】以上説明したように本実施形態の処理、構
成の位置測定装置によれば、一時的に2つ以下の基地局
からしか電波を受信できなくなった場合でも、前回の測
位で得られている位置、速度、加速度より移動局31a
の現在位置、速度、加速度を推定することが可能とな
る。よって、3以上の電波を受信出来ない場合に全く利
用者に情報を提供できずに利用者を不安にするような状
態を回避し、常により適切に情報提供ができる。また、
推論計算位置Pを考慮した補測位により推定されたこと
を示す情報をその後の処理において考慮することで、適
切な処理ができる。
【0067】また、推論計算位置Pを用いた精度の低下
を示す情報を利用することで、位置推定装置は、補測位
が連続して起動し、利用者にとって所望の精度で推定値
が得られなくなったと判断されるときには位置、速度、
加速度の推定を一時中断するようにしてもよい。かかる
処理により、推定値の誤差の拡大を防ぐことができる。
【0068】また、補測位を開始する場合には、通常測
位時と区別出来るように目立つ特定表示を行って、各推
定値の精度が低下していることを利用者に認識可能とす
ることで、より利用者により適切な情報を提供でき、利
用価値の高い優れたユーザインターフェイスを提供でき
る。以上の説明した第1の実施の形態では、現在時刻t
0において2つの基地局電波を正常に受信した場合に移
動局の位置を推定する位置測定装置について説明した
が、次に現在時刻t0において1つの基地局電波しか正
常に受信できない場合に移動局31aの位置を推定する
位置測定装置について、第2の実施形態として説明す
る。
【0069】[第2の実施形態]図1の無線システムに
おいて、移動局31aは、基地局32が発信した基地局
電波35のみを正常に受信した場合、補測位を実施す
る。尚、前記した構成と同一部分には同一符号を付し、
説明を省略する。図6において、球面121は基地局3
2までの距離がわかったときに決定する移動局31aの
位置の集合である。したがって、基地局電波35のみを
受信した場合は基地局32と移動局31aの間の距離か
ら、移動局31aは球面121上のいずれかに存在す
る。
【0070】また、前回の観測時刻t1における移動局
31aの位置x1、速度v1、加速度a1から推定され
る現在時刻t0の移動局31aの推論計算位置Pは、P
=v1Δt+(1/2)a1Δt2+x1である。おそ
らく移動局31aは時間Δtの間に速度、加速度を変化
しているので、推論計算位置Pは球面121上ではない
可能性が高い。そこで、現在時刻t0における移動局3
1aの位置x0は、推論計算位置Pとの距離が最も近い
球面121上の点と推定する。
【0071】現在時刻t0における移動局31aの速度
v0および加速度a0の算出手段は、第1の実施形態に
示した手順と同様である。すなわち、v0=(x0−x
1)/Δt、a0=(v0−v1)/Δtである。
【0072】位置推定装置が移動局31aの位置、速
度、加速度を算出する手順を、図7および図13に示す
フロー図のステップにしたがって説明する。基地局電波
35から推定される移動局31aの現在位置の集合を算
出する(ステップS51)。基地局電波35を検波・復
調する(ステップS21)。基地局IDを取り出す(ス
テップS22)。基地局データベースを参照して基地局
32の座標を得る(ステップS23)。基地局電波の位
相差から基地局32までの距離を算出する(ステップS
24)。移動局31aの推定現在位置x0の集合121
を算出する(ステップS25)。
【0073】次に、前回観測時の移動局31aの位置、
速度、加速度から推定される移動局31aの推論計算位
置Pを算出する(ステップS52)。
【0074】ステップS51で算出した位置(集合12
1)と、ステップS52で算出した位置(推論計算位置
P)から移動局31aの推定現在位置を算出する(ステ
ップS53)。ステップS53で算出した現在位置をも
とに、移動局31aの推定現在速度を算出する(ステッ
プS54)。ステップS54で算出した現在速度をもと
に、移動局31aの推定現在加速度を算出する(ステッ
プS55)。
【0075】上記手順を実施可能な装置の構成の一例を
図8に示す。図8における処理の流れは以下の通り。検
波手段72は、基地局電波35を検波する。復調手段7
3は、受信した基地局電波35を復調する。基地局ID
検出手段74は、復調された基地局電波35から基地局
IDを取り出す。
【0076】基地局位置決定手段75は、基地局IDに
したがって基地局データベース76を参照して、基地局
32の位置情報を取得する。基地局距離推定手段77
は、基地局電波35の位相差から移動局31aと基地局
32との間の距離を推定する。位置集合計算手段78
は、基地局32の位置情報と、移動局31aと基地局3
2との間の距離より、移動局31aの推定現在位置の集
合を計算する。
【0077】位置計算手段711bは、位置集合計算手
段78、位置記憶手段712から受け取った移動局31
aの位置情報、速度記憶手段712から受け取った前回
観測時の移動局31aの速度、加速度記憶手段81から
受け取った前回観測時の移動局31aの加速度、タイマ
ー710から読み出した経過時間から移動局31aの現
在位置を計算し、結果を速度計算手段713に渡す。位
置記憶手段712に現在格納されている前回観測時の移
動局31aの位置を速度計算手段713が読み出しを完
了した後、位置計算手段711bは計算した現在位置を
位置記憶手段712に格納する。
【0078】速度計算手段713は、位置計算手段71
1bから受け取った移動局31aの推定現在位置、位置
記憶手段712から読み出した前回観測時の移動局31
aの位置、タイマー710から読み出した経過時間から
移動局31aの現在速度を計算し、結果を加速度計算手
段715に渡す。速度記憶手段714に現在格納されて
いる前回観測時の移動局31aの速度を位置計算手段7
11bおよび加速度計算手段715が読み出しを完了し
た後、速度計算手段713は計算した現在速度を速度記
憶手段714に格納する。
【0079】加速度計算手段715は、速度計算手段7
13から受け取った移動局31aの推定現在速度、速度
記憶手段714から読み出した前回観測時の移動局31
aの速度、タイマー710から読み出した経過時間から
移動局31aの現在加速度を計算する。加速度記憶手段
81に現在格納されている前回観測時の移動局31aの
加速度を位置計算手段711bが読み出した後、加速度
計算手段715は計算した現在加速度を加速度記憶手段
81に格納する。
【0080】以上説明したように本実施形態の処理、構
成の位置測定装置によれば、一時的に1つの基地局から
しか電波を受信できなくなった場合でも、前回の測位で
得られている位置、速度、加速度より移動局31aの現
在位置、速度、加速度を推定することが可能となる。よ
って、3以上の電波を受信出来ない場合に全く利用者に
情報を提供できずに利用者を不安にするような状態を回
避し、常により適切に情報提供ができる。また、推論計
算位置Pを考慮した補測位により推定されたことを示す
情報をその後の処理において考慮することで、適切な測
位処理ができる。
【0081】また、推論計算位置Pを用いた精度の低下
を示す情報を利用することで、位置推定装置は、補測位
が連続して起動し、利用者にとって所望の精度で推定値
が得られなくなったと判断されるときには位置、速度、
加速度の推定を一時中断するようにしてもよい。かかる
処理により、推定値の誤差の拡大を防ぐことができる。
【0082】また、補測位を開始する場合には、通常測
位時と区別出来るように、更には前記第1実施形態での
補測位と区別できるように目立つ特定表示を行って、各
推定値の精度が低下していることを利用者に認識可能と
することで、利用者により適切な情報を提供でき、利用
価値の高い優れたユーザインターフェイスを提供でき
る。
【0083】以上に説明した第1の実施の形態では、現
在時刻t0において2つの基地局電波を正常に受信した
場合と、第2の実施の形態では現在時刻t0において1
つの基地局電波しか正常に受信できない場合について説
明したが、次に現在時刻t0において全く基地局電波を
正常に受信できない場合について第3の実施形態として
以下に説明する。
【0084】[第3の実施形態]第3の実施形態では、
図1の無線システムにおいて、移動局31aが基地局か
らの基地局電波を一つも正常に受信できなかった場合の
補測位を説明する。尚、前記した構成と同一部分には同
一符号を付し、説明を省略する。前回の観測時刻t1に
おける移動局31aの位置x1、速度v1、加速度a1
から推定される現在時刻t0の移動局31aの位置x0
は、位置x0=推論計算位置P=v1Δt+(1/2)
a1Δt2+x1となる。現在時刻t0における移動局
31aの速度v0および加速度a0の算出手順は、前記
実施形態に示した手順と同様である。すなわち、v0=
(x0−x1)/Δt、a0=(v0−v1)/Δtに
より求める。
【0085】位置推定装置が移動局31aの位置、速
度、加速度を算出する手順を、図9に示すフロー図のス
テップにしたがって説明する。前回観測時の移動局31
aの位置x1、速度v1、加速度a1から移動局31a
の推定現在位置x0を算出する(ステップS61)。ス
テップS61で算出した現在位置x0をもとに、移動局
31aの推定現在速度v0を算出する(ステップS6
2)。ステップS62で算出した現在速度v0をもと
に、移動局31aの推定現在加速度a0を算出する(ス
テップS63)。
【0086】上記手順を実施可能な装置の構成の一例を
図10に示す。図10における処理の流れは以下のよう
になる。検波手段72は、基地局電波35、36、37
の全てについて検波に失敗する。
【0087】位置計算手段711cは、位置記憶手段7
12から受け取った前回観測時の移動局31aの位置x
1、速度記憶手段714から受け取った前回観測時の移
動局31aの速度v1、加速度記憶手段81から受け取
った前回観測時の移動局31aの加速度a1、タイマー
710から読み出した経過時間Δtから移動局31aの
現在位置x0を計算し、結果を速度計算手段713に渡
す。位置記憶手段712に現在格納されている前回観測
時の移動局31aの位置x1を速度計算手段713が読
み出した後、位置計算手段711cは計算した現在位置
x0を位置記憶手段712に格納する。
【0088】速度計算手段713は、位置計算手段71
1cから受け取った移動局31aの推定現在位置x0、
位置記憶手段712から読み出した前回観測時の移動局
31aの位置x1、タイマー710から読み出した経過
時間Δtから移動局31aの現在速度v0を計算し、結
果を加速度計算手段715に渡す。速度記憶手段714
に現在格納されている前回観測時の移動局31aの速度
v1を加速度計算手段715が読み出した後、速度計算
手段713は計算した現在速度v0を速度記憶手段71
4に格納する。
【0089】加速度計算手段715は、速度計算手段7
13から受け取った移動局31aの推定現在速度v0、
速度記憶手段714から読み出した前回観測時の移動局
31aの速度v1、タイマー710から読み出した経過
時間Δtから移動局31aの現在加速度a0を計算す
る。加速度記憶手段81に現在格納されている前回観測
時の移動局31aの加速度a1を位置計算手段711c
が読み出した後、加速度計算手段715は計算した現在
加速度a0を加速度記憶手段81に格納する。
【0090】以上説明したように本実施形態の処理、構
成の位置測定装置によれば、一時的に基地局からの電波
を受信できなくなった場合でも、前回の測位で得られて
いる位置、速度、加速度より移動局31aの現在位置、
速度、加速度を推定することが可能となる。よって、3
以上の電波を受信出来ない場合に全く利用者に情報を提
供できずに利用者を不安にするような状態を回避し、常
により適切に情報提供ができる。また、推論計算位置P
を考慮した補測位により推定されたことを示す情報をそ
の後の処理において考慮することで、適切な測位処理が
できる。
【0091】また、推論計算位置Pを用いた精度の低下
を示す情報を利用することで、位置推定装置は、補測位
が連続して起動し、利用者にとって所望の精度で推定値
が得られなくなったと判断されるときには位置、速度、
加速度の推定を一時中断するようにしてもよい。かかる
処理により、推定値の誤差の拡大を防ぐことができる。
【0092】また、補測位を開始する場合には、通常測
位時と区別出来るように、更には前記第1、2実施形態
での補測位とを区別できるように、目立つ特定表示を行
って、各推定値の精度が低下していることを利用者に認
識可能とすることで、より利用者により適切な情報を提
供でき、利用価値の高い優れたユーザインターフェイス
を提供できる。
【0093】なお、前記の実施形態では受信状態に応じ
て説明したが、各実施形態を任意に組み合わせた位置推
定装置とすることが可能であることはもちろんである。
【0094】
【発明の効果】本発明の第1から第3の要旨によれば、
一時的に3つ以上の基地局から電波を受信できなくなっ
た場合でも、前回の測位で得られている位置、速度、加
速度より移動局の現在位置、速度、加速度を推定するこ
とが可能となる。よって、3以上の電波を受信出来ない
場合に全く利用者に情報を提供できずに利用者を不安に
するような状態を回避し、常により適切に情報提供がで
きる。
【0095】本発明の第4の要旨によれば、推論位置を
用いて移動局の現在位置の特定が所定回数連続した場合
には、位置測定を中断することにより、現在位置の誤差
の拡大を防ぐことができる。
【0096】本発明の第5の要旨によれば、前記推論位
置を用いて移動局の現在位置の特定を行う場合には、特
定画面又は特定音を行うユーザインターフェイス部を設
けることで、各推定値の精度が低下していることを利用
者に認識可能となり、利用者に適切な情報を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る無線システムの構成図
である。
【図2】2つの基地局電波を受信している場合の移動局
の現在位置の集合図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る位置推定装置を
用いた補測位の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る位置推定装置の
移動局の現在位置、速度、加速度を推定する手順を示す
フロー図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る位置推定装置の
ブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る位置推定装置を
用いた補測位の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る位置推定装置の
移動局の位置、速度、加速度を推定する手順を示すフロ
ー図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る位置推定装置の
ブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る位置推定装置の
移動局の位置、速度、加速度を推定する手順を示すフロ
ー図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る位置推定装置
のブロック図である。
【図11】従来の無線システムの構成図である。
【図12】従来のCDMAの位相差を用いて基地局と移
動局の距離を推定する測位装置の構成を示すブロック図
である。
【図13】従来の基地局に対する移動局の推定現在位置
の集合を得る手順を示すフロー図である。
【図14】電波を3つ受信した場合の移動局の位置、速
度、加速度を推定する手順を示すフロー図である。
【図15】電波を3つ受信した場合に移動局の位置、速
度、加速度を推定する位置推定装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
31a 移動局 32、33、34 基地局 P 推論計算位置 x0 現在位置 x1 前回位置 121、122 球面 131 円形集合 72 検波手段 74 基地ID検出手段 75 基地局位置決定手段 76 基地局データベース 78 位置集合計算手段 710 タイマー 711a,711b,711c 位置計算手段 712 位置記憶手段 713 速度計算手段 714 速度記憶手段 715 加速度計算手段 81 加速度記憶手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号から、基地局からの信号の発信
    時刻情報と基地局の識別情報と、を抽出する情報抽出手
    段と、 基地局からの受信信号を受信した受信時刻を把握する受
    信時刻把握手段と、 前記基地局の識別情報を基に、基地局の位置情報を把握
    する基地局位置把握手段と、 前記受信信号の前記発信時刻情報と前記受信時刻から、
    基地局と移動局の距離を算出する距離算出手段と、 前記距離算出手段により求めた基地局から等距離にある
    点の集合を求める等距離集合算出手段と、を備え、 3つ以上の基地局からの受信信号から、前記等距離集合
    算出手段により少なくとも第1、第2、第3の集合を作
    成し、該集合の交点を移動局の位置とする位置測定を行
    う位置推定装置であって、 前記位置測定で判明した移動局の位置での、移動局の移
    動速度と加速度を算出する手段と、 前記移動局の位置と、その位置での移動局の移動速度と
    加速度を移動履歴データとして記憶する記憶手段と、 前記移動履歴データと、該移動履歴データの位置測定時
    から現時点までの経過時間と、に基づいて、現時点での
    移動局の推論位置を算出する推論位置算出手段と、を備
    え、 受信信号が2つしか受信できない場合に、第1と第2の
    集合の交点のうち、推論位置との距離が最短の点を、移
    動局の現在位置に特定することを特徴とする位置推定装
    置。
  2. 【請求項2】 受信信号から、基地局からの信号の発信
    時刻情報と基地局の識別情報と、を抽出する情報抽出手
    段と、 基地局からの受信信号を受信した受信時刻を把握する受
    信時刻把握手段と、 前記基地局の識別情報を基に、基地局の位置情報を把握
    する基地局位置把握手段と、 前記受信信号の前記発信時刻情報と前記受信時刻から、
    基地局と移動局の距離を算出する距離算出手段と、 前記距離算出手段により求めた基地局から等距離にある
    点の集合を求める等距離集合算出手段と、を備え、 3つ以上の基地局からの受信信号から、前記等距離集合
    算出手段により少なくとも第1、第2、第3の集合を作
    成し、該集合の交点を移動局の位置とする位置測定を行
    う位置推定装置であって、 前記位置測定で判明した移動局の位置での、移動局の移
    動速度と加速度を算出する手段と、 前記移動局の位置と、その位置での移動局の移動速度と
    加速度を移動履歴データとして記憶する記憶手段と、 前記移動履歴データと、該移動履歴データの位置測定時
    から現時点までの経過時間と、に基づいて、現時点での
    移動局の推論位置を算出する推論位置算出手段と、を備
    え、 受信信号が1つしか受信できない場合に、第1の集合の
    うち、推論位置との距離が最短の点を、移動局の現在位
    置に特定することを特徴とする位置推定装置。
  3. 【請求項3】 受信信号から、基地局からの信号の発信
    時刻情報と基地局の識別情報と、を抽出する情報抽出手
    段と、 基地局からの受信信号を受信した受信時刻を把握する受
    信時刻把握手段と、 前記基地局の識別情報を基に、基地局の位置情報を把握
    する基地局位置把握手段と、 前記受信信号の前記発信時刻情報と前記受信時刻から、
    基地局と移動局の距離を算出する距離算出手段と、 前記距離算出手段により求めた基地局から等距離にある
    点の集合を求める等距離集合算出手段と、を備え、 3つ以上の基地局からの受信信号から、前記等距離集合
    算出手段により少なくとも第1、第2、第3の集合を作
    成し、該集合の交点を移動局の位置とする位置測定を行
    う位置推定装置であって、 前記位置測定で判明した移動局の位置での、移動局の移
    動速度と加速度を算出する手段と、 前記移動局の位置と、その位置での移動局の移動速度と
    加速度を移動履歴データとして記憶する記憶手段と、 前記移動履歴データと、該移動履歴データの位置測定時
    から現時点までの経過時間と、に基づいて、現時点での
    移動局の推論位置を算出する推論位置算出手段と、を備
    え、 受信信号を受信できない場合に、推論位置を移動局の現
    在位置に特定することを特徴とする位置推定装置。
  4. 【請求項4】 前記推論位置を用いて移動局の現在位置
    の特定が所定回数連続した場合には、位置測定を中断す
    ることを特徴とする請求項1乃至3の位置推定装置。
  5. 【請求項5】 前記推論位置を用いて移動局の現在位置
    の特定を行う場合には、特定画面又は特定音を行うユー
    ザインターフェイス部を設けることを特徴とする請求項
    1乃至3の位置推定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003299140A (ja) * 2002-04-05 2003-10-17 Mitsubishi Electric Corp 端末装置、基地局及び無線通信システム
JP2009133849A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Internatl Business Mach Corp <Ibm> Rfidタグの空間−時間内の推定位置を決定するための方法、コンピュータ・プログラム及びデータ処理システム
US7671793B2 (en) 2005-01-25 2010-03-02 Seiko Epson Corporation Positioning system, terminal apparatus, method of controlling terminal apparatus, program for controlling terminal apparatus and computer-readable storing medium for storing program for controlling terminal apparatus

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