JP5366694B2 - 携帯無線端末および基地局の選択方法 - Google Patents
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Description
そして、位置推定装置は、無線端末から信号強度情報を受信する。
また、位置推定装置は、受信した信号強度情報に含まれる基地局の識別情報が記憶部に未登録である場合には、信号強度情報と基地局の位置情報とに基づいて無線端末の位置を推定する。
また、位置推定装置は、推定した無線端末の位置に応じた所定の位置情報と、基地局の識別情報とを対応付けて、記憶部に登録する。
そして、特許文献1に開示されるように、無線端末では、この距離情報として受信信号強度を利用する。
たとえば無線端末の近くに、電波遮蔽物により遮られた基地局が存在する場合、基地局の送信電波についての強い反射波などが発生するため、その基地局についての受信信号強度は、遠くに位置する他の基地局よりも高くなる。
しかしながら、この電波遮蔽物により遮られた基地局の受信信号強度では、基地局から無線端末への直接波信号による強度ではなく、電波遮蔽物を迂回した反射波信号による強度が支配的である。
そして、電波遮蔽物により遮られた基地局の受信信号強度を用いて無線端末の位置を三角法などにより演算した場合、基地局に対する無線端末の相対距離を誤ることになる。
一般的には、実際の距離よりも遠くにあると仮定してしまうことになる。
その結果、演算した無線端末の位置は、現実の無線端末の位置に対して大きな誤差を含むことになる。
図1の無線通信システム1は、携帯無線端末としてのPHS端末2と、複数の基地局3とを有する。
図1には、PHS端末2と通信可能な複数の基地局3として、第1基地局3-1、第2基地局3-2、第3基地局3-3、第4基地局3-4および第5基地局3-5の5台の基地局3が図示されている。
この無線通信システム1において、PHS端末2は、複数の基地局3から電波を受信して自端末の位置を演算により推定する。
たとえば、図1上部に描画された第1基地局3-1は、設置地点情報として、第1基地局3-1が設置された地点の緯度値「N1」および経度値「E1」を記憶する。
第2基地局3-2は、設置地点情報として、第2基地局3-2が設置された地点の緯度値「N2」および経度値「E2」を記憶する。
第3基地局3-3は、設置地点情報として、第3基地局3-3が設置された地点の緯度値「N3」および経度値「E3」を記憶する。
第4基地局3-4は、設置地点情報として、第4基地局3-4が設置された地点の緯度値「N4」および経度値「E4」を記憶する。
第5基地局3-5は、設置地点情報として、第5基地局3-5が設置された地点の緯度値「N5」および経度値「E5」を記憶する。
なお、基地局3が記憶する緯度値および経度値は、GPSなどで使用される世界測地系の緯度経度値であっても、日本工業規格で規定される緯度経度値であってもよい。また、緯度値および経度値は、無線通信システム1において独自に設定した値でもよい。
そして、基地局3は、設置地点情報およびCS−IDを含む電波を周期的に出力する。
建物4内では、PHS端末2は、図面の右および上下の三方向が電波遮蔽物により遮蔽される。
なお、第1基地局3-1、第2基地局3-2、第3基地局3-3、第4基地局3-4および第5基地局3-5は、建物4外に設置されている。第4基地局3-4は、建物4に最も近い位置に設置されている。
これに対して、第5基地局3-5の電波は、建物4により遮蔽される。
これに対して、第4基地局3-4の電波および第5基地局3-5の電波は、建物4により遮蔽される。
そのため、建物4に最も近い位置にある第4基地局3-4の電波は、第4基地局3-4からPHS端末2への直接波ではなく、電波遮蔽物を迂回した反射波が支配的になる。
基地局3とPHS端末2とは、TDMA/TDD(時間分割多重アクセス/時間分割複信)方式の電波を用いて、互いに通信データを送受する。
複数の基地局3は、自律分散制御によりPHS端末2と送受する通信データを制御する。
TDD方式で通信データを送受する基地局3とPHS端末2とは、図2に示すように、4個の下りスロットと4個の上りスロットで構成されるフレーム単位で双方向通信する。
上りスロットは、PHS端末2が基地局3へ通信データを送信するスロットである。
下りスロットは、基地局3がPHS端末2へ通信データを送信するスロットである。
下りスロットの通信データには、たとえば基地局3の設置地点情報、CS−IDなどの情報が含まれる。
そして、PHS端末2は、1番目の下りスロットT1(制御チャネル)を受信することで、PHS端末2と通信可能な基地局3の設置地点情報とCS−IDとを取得する。
そして、複数の基地局3は、図2に示すように、所定数の複数のフレームで構成されるスーパーフレーム毎に、自局の設置地点情報およびCS−IDを含む電波を出力する。
具体的には、基地局3は、各々の自律分散制御により、スーパーフレーム中に空きフレームを検出する。そして、基地局3は、検出した空きフレームの下りスロットT1において、自局の設置地点情報およびCS−IDを含む電波を出力する。
このように複数の基地局3は、複数のフレームによる複数の下りスロットT1を時分割に使用して、設置地点情報およびCS−IDを送信する。
また、複数の基地局3は、それらの複数のゾーンが互いに重なっていたとしても、互いの電波を干渉させることなく、それぞれの電波到達範囲内に存在する複数のPHS端末2に対して自局の設置地点情報およびCS−IDを送信できる。
そして、PHS端末2は、オープンサーチ期間に図2のスーパーフレームを受信し、基地局3が送信した下りスロットの通信データを受信する。
たとえばPHS端末2は、図2のスーパーフレームにおいて、第1基地局3-1、第2基地局3-2、第3基地局3-3、第4基地局3-4および第5基地局3-5から、下りスロットの通信データを受信する。
なお、1フレームが5msであり、オープンサーチ期間が1.2sである場合、PHS端末2は、最大で240台の基地局3から下りスロットの通信データを受信可能である。
PHS端末2は、無線通信部(RF)11、受信信号強度検出部(RSSI)12、受信エラー検出部(ERR)13、エラーレート算出部(CAL)14、操作部(KEY)15、表示部(DISP)16、CPU(Central Processing Unit)17、記憶部18(MEM)、タイマ(TMR)19、音声モデム部(MODEM)20およびこれらを接続するシステムバス21を有する。
そして、無線通信部11は、CPU17からの入力信号に含まれる通信データを符号化し、符号化データを変調して基地局3へ無線送信する。
また、無線通信部11は、基地局3から受信した電波から符号化データを検出し、符号化データの誤り訂正をした復号データを生成し、この復号データを含む信号をCPU17へ出力する。
また、無線通信部11は、誤り訂正した量を示すエラーレートを含む信号をCPU17へ出力する。
なお、エラーレートは、誤り訂正するデータ量が多いほど大きい値になる。
そして、受信信号強度検出部12は、受信電波の波形信号から、受信信号強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を生成し、生成したRSSI値を含む信号をCPU17へ出力する。RSSI値の単位は、dBμVである。
そして、受信エラー検出部13は、受信信号に含まれるエラービットを検出する。受信エラー検出部13は、エラービットを検出すると、エラー検出信号を出力する。
そして、エラーレート算出部14は、たとえば受信信号毎にエラー検出信号の個数をカウントする。また、エラーレート算出部14は、カウントしたエラーレート値を含む信号をCPU17へ出力する。
操作キーには、たとえばファンクションキー、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、発信キーなどがある。操作キーは、図3に示すように、PHS端末2の筐体101の表面に配置される。
そして、操作部15は、ユーザにより操作された操作キーに対応する信号をCPU17へ出力する。
表示部16は、図3に示すように、PHS端末2の表面に配置される。
そして、表示部16は、CPU17から入力された信号に含まれる表示データを表示する。これにより、表示部16は、たとえばPHS端末2の現在位置を地図上に示す画像を表示する。
音声モデム部20は、マイクロフォン23に入力された音声をサンプリングし、音声データを含む信号をCPU17へ出力する。
また、音声モデム部20は、CPU17からの入力信号に含まれる音声データによりスピーカ22を駆動する。これにより、スピーカ22から音声データに対応する音声が出力される。
そして、タイマ19は、計測した時間情報を含む信号をCPU17へ出力する。
記憶部18に記憶されるデータには、後述する図5に示すように、第1サーチリスト41、第2サーチリスト42、非選択リスト43、合成リスト44、選択リスト45、位置データ46などがある。
これらのデータは、PHS端末2の自端末位置推定および表示のために一時的に生成されるデータである。
なお、記憶部18に記憶されるプログラムは、PHS端末2の出荷前に記憶されたものでも、出荷後に記憶されたものであってもよい。
そして、出荷後に記憶部18に記憶されるプログラムは、たとえばCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたものをインストールしたものであればよい。
または、出荷後に記憶部18に記憶されるプログラムは、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
図5に示すように、PHS端末2には、オープンサーチ部31(CS_SCH)と、判定部32(NG_SEL)と、削除部33(GD_SEL)と、選択部34(CS_SEL)と、演算部35(P_CAL)と、表示制御部36(DP_CTRL)とが実現される。
また、CPU17は、記憶部18に、第1サーチリスト41(LST1)、第2サーチリスト42(LST2)、非選択リスト43(UN_LST)、合成リスト44(CBY_LST)、選択リスト45(SEL_LST)、位置データ46(P_DAT)を記憶させる。
たとえば、オープンサーチ部31は、タイマ19に所定の周期を計測させ、タイマ19が所定の周期を計測すると、オープンサーチ処理を実行する。オープンサーチ処理により、オープンサーチ部31は、PHS端末2が通信可能な複数の基地局3を検索する。
また、オープンサーチ部31には、無線通信部11、受信信号強度検出部12およびエラーレート算出部14からデータが入力される。そして、オープンサーチ部31は、各回のオープンサーチ処理において電波を受信した複数の基地局3の情報を、記憶部18に保存する。
オープンサーチ部31が各回のオープンサーチ処理において取得する基地局3の情報には、基地局3から受信した受信信号強度を示すRSSI値、受信電波に含まれるCS−IDおよび基地局3の設置地点情報、受信信号のエラーレートが含まれる。
第1サーチリスト41は、1回のオープンサーチ処理においてオープンサーチ部31が取得した複数の基地局3のレコードを有する。また、第1サーチリスト41は、基地局3毎の複数のレコードを有する。
レコードには、基地局3のCS−ID、RSSI値、エラーレート値、基地局3の設置地点情報が含まれる。図6では、基地局3の設置地点情報として、緯度経度値が含まれている。
これにより、第1サーチリスト41および第2サーチリスト42は、最後に実行した最新回のオープンサーチ処理で検出した複数の基地局3情報と、前回のオープンサーチ処理で検出した複数の基地局3の情報とを記憶する。
記憶部18は、第1サーチリスト41および第2サーチリスト42により、2回分の電波についての情報を記憶する。
具体的には、判定部32は、最新回のサーチ結果を前回のサーチ結果と比較し、CS−IDが一致する基地局3について、最新回のRSSI値が前回のRSSI値より所定値(たとえば−15dB)以上下がったか否かを判定する。このRSSI値の変化量(差分)の単位はdBである。
また、判定部32は、RSSI値が所定値以上下がった基地局3の情報を、電波環境が変化した基地局3の情報として記憶部18に保存する。
非選択リスト43は、予め設定された所定の固定数(たとえば100個)のレコードを有する。
そして、非選択リスト43には、判定部32により電波環境が変化したと判定された基地局3の情報が、FIFO(First In First Out)方式により登録される。
よって、101個目の基地局3が非選択リスト43に登録される場合、最初の1番目の基地局3の情報は、非選択リスト43から自動的に削除される。
また、非選択リスト43のレコードには、判定部32により電波環境が変化したと判定された基地局3の情報として、基地局3のCS−IDと、RSSI値と、エラーレート値とが保存される。
この非選択リスト43のレコードに保存されるRSSI値およびエラーレート値は、判定部32がその基地局3について判定した時点において、前回のサーチ結果に含まれているRSSI値およびエラーレート値である。
よって、非選択リスト43のレコードに保存されるRSSI値およびエラーレート値は、その基地局3の電波環境が変化する前の良好な状態での値となる。
具体的には、削除部33は、非選択リスト43に登録されている基地局3について、最新回のサーチ結果を検索する。
そして、非選択リスト43に登録されている基地局3とCS−IDが一致する基地局3が最新回のサーチ結果に含まれている場合、削除部33は、それらのRSSI値を比較する。
また、削除部33は、非選択リスト43のRSSI値を基準として、最新回のRSSI値の低下量が所定値(たとえば−15dB)以内であるか否かを判定する。
また、削除部33は、RSSI値の低下量が所定値以内である場合、基地局3の電波環境が戻ったと判定し、その基地局3の情報を非選択リスト43から削除する。
また、選択部34は、最新回のサーチ結果から、電波環境が変化したと判断される基地局3以外の基地局3を優先して選択する。
具体的には、選択部34は、まず、記憶部18に記憶されている最新回のサーチ結果に、非選択リスト43に登録されている基地局3であるか否かを示す選択フラグを付加した合成リスト44を生成する。非選択リスト43に登録されている基地局3は、受信環境が変化した基地局3である。
次に、選択部34は、合成リスト44に含まれる複数の基地局3のレコードを、RSSI値が大きい順番にソートする。
次に、選択部34は、ソート後の合成リスト44において、非選択リスト43に登録されていることを示す値の選択フラグが対応付けられていない上位の所定数の基地局3のレコードを選択する。
なお、合成リスト44において、非選択リスト43に登録されていることを示す値(たとえば「0」)の選択フラグが対応付けられていない基地局3が所定数含まれていない場合、選択部34は、不足する数の基地局3のレコードを合成リスト44の上位から更に選択する。
合成リスト44は、最新回のサーチ結果に含まれる複数の基地局3のレコードを有する。
レコードには、基地局3のCS−ID、RSSI値、エラーレート値、および非選択リスト43への登録の有無を示す選択フラグが含まれる。
図8の例では、図7の非選択リスト43に基地局3が登録されている場合には選択フラグの値が「0」となり、登録されていない場合には「1」となっている。
なお、選択部34は、図8の合成リスト44を生成した後、図8の合成リスト44をソートし、上位のたとえば3台の基地局3を選択する。図8の場合、選択部34は、第1基地局3-1と、第3基地局3-3と、第4基地局3-4とを選択することになる。
図9の選択リスト45は、3台の基地局3を選択した場合のリストである。
図9の選択リスト45には、第1基地局3-1と、第3基地局3-3と、第4基地局3-4とが登録されている。
選択リスト45は、PHS端末2の自端末位置演算に用いる複数の基地局3のレコードを有する。レコードには、選択された基地局3のCS−ID、RSSI値、基地局3の緯度経度値が含まれている。
具体的には、演算部35は、選択リスト45に含まれる3台の基地局3の緯度経度値とRSSI値とを用いて、三角法によりPHS端末2の現在位置を演算する。
また、演算部35は、演算したPHS端末2の現在位置の情報を、位置データ46として記憶部18に保存する。
図10の位置データ46は、PHS端末2の現在位置を示す緯度値および経度値(N(P2),E(P2))を有する。
図11には、図1中の第1基地局3-1、第2基地局3-2、第3基地局3-3および第4基地局3-4が図示されている。また、基地局3の周囲には、基地局3を中心として、図6に示す基地局3のRSSI値に対応する半径の円が図示されている。
そして、図11に示すように、第1基地局3-1のRSSI値の円51と、第2基地局3-2のRSSI値の円52と、第3基地局3-3のRSSI値の円53とは、1点において重なる。
この3個の円の重なり位置が、三角法により演算される位置である。
また、このPHS端末2の演算位置は、図1の地点P1である。
これに対して、たとえば第1基地局3-1のRSSI値の円51と、第3基地局3-3のRSSI値の円53と、第4基地局3-4のRSSI値の円54とも、別の地点において重なる。
この地点は、図1のPHS端末2の地点P1とは異なる地点P1’である。
このように単純にRSSI値が高い第4基地局3-4を選択した場合には、三角法により演算さるPHS端末2の位置P1’は、PHS端末2の現実の位置P1とは異なる位置となる。
具体的には、表示制御部36は、記憶部18から最新の位置データ46を読み込み、この位置データ46の周囲の地図データをさらに記憶部18などから取得する。
また、表示制御部36は、取得した地図の上に、位置データ46の地点を示すマークを合成した画像データを生成する。
また、表示制御部36は、生成した画像データを表示部16へ出力する。
これにより、PHS端末2の表示部16には、オープンサーチの結果に基づいて推定したPHS端末2の現在位置が表示される。
オープンサーチ部31は、タイマ19の計測時間に基づいて、オープンサーチ周期が経過したか否かを判断する(ステップST1)。
そして、タイマ19によりオープンサーチ周期の時間が計測されていない場合、オープンサーチ部31は、一端処理を終了する。
これにより、無線通信部11は、複数の基地局3から電波を受信する。
このとき、オープンサーチ部31は、第1サーチリスト41および第2サーチリスト42のうち、前回に使用していない方のリストを選択し、選択したリストに情報を保存する。
オープンサーチ部31は、たとえば第1サーチリスト41を選択し、第1サーチリスト41に基地局3の情報を保存する。
これにより、記憶部18には、図6の第1サーチリスト41が生成される。
たとえば第1サーチリスト41が今回更新された場合、判定部32は、第1サーチリスト41を今回の基地局3の情報を、前回の基地局3の情報を記憶する第2サーチリスト42と比較する。
そして、判定部32は、今回検出された複数の基地局3について、前回よりRSSI値が低下したか否かを判断する。
また、今回のRSSI値が所定値以上低下している場合、判定部32は、その基地局3の情報を非選択リスト43に登録する。
そして、今回更新された第1サーチリスト41においてRSSI値が復旧している場合、削除部33は、その基地局3の情報を非選択リスト43から削除する。
以上の処理により、記憶部18には、図7の非選択リスト43が記憶される。
具体的には、選択部34は、まず、今回更新された第1サーチリスト41に選択フラグを追加した合成リスト44を生成する(ステップST5)。
選択フラグの値は、非選択リスト43に登録されている基地局3については「0」となり、登録されてない基地局3については「1」となる。これにより、記憶部18には、図8の合成リスト44が生成される。
図8の合成リスト44では、複数の基地局3の順番は、第1基地局3-1、第3基地局3-3、第4基地局3-4、第2基地局3-2、第5基地局3-5の順番にソートされる。
このとき、選択部34は、選択フラグの値が「1」である上位3台の基地局3を選択する。
図8の合成リスト44をソートした場合、選択部34は、第1基地局3-1、第3基地局3-3および第4基地局3-4を選択する。
また、選択部34は、選択した複数の基地局3を記憶部18に保存する。
これにより、記憶部18には、図9の選択リスト45が生成される。
また、演算部35は、演算により得たPHS端末2の現在位置を保存する。
これにより、記憶部18には、図10の位置データ46が記憶される。
具体的には、表示制御部36は、位置データ46が示す地点のマークを地図に合成した表示データを生成し、表示部16へ出力する。
これにより、PHS端末2の表示部16には、図3に示すように、PHS端末2の現在位置が表示される(ステップST9)。
図13には、タイミングT1からT4の、連続する4回の合成リストおよび非選択リスト43が図示されている。
そして、図13(B)に示すように、2回目のオープンサーチ処理において第5基地局3-5のRSSI値が「55(dBμV)」から「40」に低下すると、第5基地局3-5が非選択リスト43に登録される。
そのため、2回目の非選択リスト43には、第5基地局3-5のCS−IDと、直前の1回目のRSSI値「55」とが登録される。また、2回目の合成リスト44において、第5基地局3-5の選択フラグの値は「0」になる。
そのため、3回目の非選択リスト43には、新たに第4基地局3-4のCS−IDと、直前の1回目のRSSI値「60」とが追加登録される。
非選択リスト43は、FIFO形式により所定数の基地局3の情報を記憶するので、前回のサーチにおいて登録された第5基地局3-5の情報は、上から2番目のレコードになる。
また、3回目の合成リスト44では、第4基地局3-4および第5基地局3-5の選択フラグの値が「0」になる。
この場合、第4基地局3-4のRSSI値および第5基地局3-5のRSSI値が第2基地局3-2のRSSI値より高いが、第1基地局3-1、第2基地局3-2および第3基地局3-3が、PHS端末2の現在位置演算に用いる3台の基地局3として選択される。
この場合、非選択リスト43に登録された第4基地局3-4のRSSI値と比較して、第4基地局3-4のRSSI値は全く復旧していない。
また、非選択リスト43に登録された第5基地局3-5のRSSI値と比較して、第5基地局3-5のRSSI値も十分に復旧していない。
そのため、第4基地局3-4および第5基地局3-5は、非選択リスト43から削除されない。
その結果、4回目の合成リスト44では、第4基地局3-4および第5基地局3-5の選択フラグの値が「0」になる。
この場合、第4基地局3-4のRSSI値および第5基地局3-5のRSSI値が第2基地局3-2のRSSI値より高いが、第1基地局3-1、第2基地局3-2および第3基地局3-3が、PHS端末2の現在位置演算に用いる3台の基地局3として選択される。
しかしながら、第4基地局3-4および第5基地局3-5は、選択フラグの値が「0」であるため、PHS端末2の現在位置演算に用いる3台の基地局3として選択されない。
特に、2回目のオープンサーチ処理により非選択リスト43に登録された第5基地局3-5は、4回目のオープンサーチ処理においてRSSI値が「50」まで回復している。4回目のRSSI値は、3回目のRSSI値「45」より改善されている。
しかしながら、第5基地局3-5について良好と推定された1回目のRSSI値と比較して十分に回復していない。
そのため、第5基地局3-5は、非選択リスト43に登録されたままとなり、PHS端末2の現在位置演算に用いる基地局3として選択されない。
そのため、本実施形態のPHS端末2は、たとえばマルチパス電波などにより偶発的にRSSI値が改善するような基地局3が発生したとしても、その基地局3以外の基地局3を優先的に選択することができる。
なお、RSSI値は、たとえばPHS端末2の使用者が移動したり、PHS端末2の周囲の電波環境が変化したりした場合に、マルチパス電波などにより偶発的に改善することがある。
この他にも例えば、選択部34は、エラーレートを含む合成リスト44を生成し、エラーレート値に基づいてPHS端末2の現在位置演算に用いる基地局3を選択してもよい。
また、選択部34は、RSSI値およびエラーレート値に基づいて、PHS端末2の現在位置演算に用いる基地局3を選択してもよい。
図14の合成リスト44は、判定部32により、RSSI値が「45」に低下し、かつエラーレート値が「4」となった第4基地局3-4および第5基地局3-5が非選択リスト43に登録されている場合の例である。
そのため、図14の合成リスト44では、第4基地局3-4の選択フラグと、第5基地局3-5の選択フラグとが「0」となっている。
図14の合成リスト44において、たとえば単にRSSI値が高い順番に複数の基地居を選択した場合、第1基地局3-1、第4基地局3-4および第5基地局3-5が選択される。
これに対して、本発明の選択部34は、選択フラグが立っていない第1基地局3-1、第2基地局3-2および第3基地局3-3を選択する。
これにより、本発明では、マルチパスなどの影響を受けていない良好な通信環境の基地局3を用いて、PHS端末2の位置を正確に演算することができる。
この判定方法では、判定部32は、エラーレートに基づいて、基地局3の電波環境を推定する。また、選択部34は、エラーレートが低い基地局3を選択することができる。
この他にも例えば、判定部32は、エラーレート値が所定閾値内である場合、RSSI値との組み合わせにより、基地局3の電波環境(第1電波環境)を推定してもよい。
さらに他にも例えば、判定部32は、エラーレート値が所定閾値外である場合においても、RSSI値との組み合わせにより、基地局3の電波環境(第2電波環境)を推定してもよい。
また、判定部32は、屋外における環境別に、閾値またはステップを可変するようにしてもよい。これにより、判定部32は、環境に応じて最適な基地局3を選択し、その結果として、選択部34は、現在位置を高精度に演算することができる。
この他にも例えば、複数の基地局3は、周波数分割多重方式などによりそれぞれの基地局3の情報を多重化して送信してもよい。
この場合、PHS端末2では、無線通信部11が受信した電波の信号をバンドパスフィルタでフィルタリングし、受信信号強度検出部12がフィルタリング後の信号に基づいて基地局3の受信電波のRSSI値を生成すればよい。
これにより、受信信号強度検出部12は、基地局3毎の受信電波のRSSI値を得ることができる。
この他にも例えば、これらの全ての機能がハードウェアにより実現されていても、これらの全ての機能がソフトウェアにより実現されていてもよい。
この他にも例えば、本発明は、PHS端末2以外の携帯無線端末の自端末位置演算にも適用できる。
このような携帯無線端末としては、たとえば携帯電話機がある。
また、無線通信機能を有する携帯ゲーム機器、PDA、パーソナルコンピュータ、携帯ナビゲーション機器、携帯再生機器などの携帯無線端末において、本発明の自端末位置演算を使用してもよい。
Claims (10)
- 複数の基地局から位置情報を含む電波を受信する無線通信部と、
前記無線通信部が受信した電波の受信信号強度を検出する第1検出部と、
受信した前記基地局の位置情報および検出した複数回分の前記受信信号強度の情報をそれぞれ含む複数の基地局の情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された複数の基地局の情報から、自端末の位置の演算に用いる複数の基地局を選択する選択部と、
選択された前記複数の基地局の情報から、前記自端末の位置を演算する演算部と
を有し、
前記記憶部は、
最新回の受信信号強度が前回の受信信号強度より所定値以上低下した基地局が登録される非選択リストを記憶し、
前記選択部は、
前記記憶部に記憶されている前記複数の基地局の情報に基づいて、前記非選択リストに登録されていない基地局を、前記非選択リストに登録されている基地局より優先して、複数の基地局を選択し、
前記記憶部は、
前記登録された基地局の情報として、登録時点における前回の該基地局の受信信号強度の情報を前記非選択リストに記憶し、
最新回の受信信号強度が前回の受信信号強度より所定値以上低下したと判断されず、かつ該基地局の最新回の受信信号強度が前記登録時点における前回の受信信号強度まで回復したと判断された場合に、前記非選択リストから、登録された基地局の情報を削除する、
携帯無線端末。 - 前記携帯無線端末は、
前記無線通信部が受信した信号のエラーを検出する第2検出部と、
前記第2検出部により検出されたエラーをカウントしてエラーレートを算出するエラーレート算出部と
を有し、
前記記憶部は、
前記基地局の各回分の情報として、各回の受信電波についての前記エラーレートを記憶し、
前記選択部は、
最新回の受信信号のエラーレートが、過去の回の受信信号のエラーレートより上がった基地局以外の基地局を優先して選択する、
請求項1記載の携帯無線端末。 - 前記携帯無線端末は、
前記無線通信部により複数の基地局を検索するオープンサーチを繰り返し実行するオープンサーチ部を有し、
前記記憶部は、
最新回のオープンサーチにより検出された複数の基地局の情報と、
前回のオープンサーチにより検出された複数の基地局の情報とを記憶する、
請求項1または2記載の携帯無線端末。 - 前記基地局からの受信信号強度の情報と信号のエラーレートとの組み合わせに基づいて、電波環境が変化した基地局を判定する判定部を有する、
請求項3記載の携帯無線端末。 - 前記判定部は、
前記基地局の信号のエラーレートが所定の閾値内である場合、受信信号強度の情報との組み合わせにより、前記基地局の第1電波環境を推定する、
請求項4記載の携帯無線端末。 - 前記判定部は、
前記基地局の信号のエラーレートが所定の閾値外である場合、受信信号強度の情報との組み合わせにより、前記基地局の第2電波環境を推定する、
請求項4または5記載の携帯無線端末。 - 前記選択部は、
前記記憶部に記憶されている最新回の複数の基地局の情報に、前記非選択リストの登録情報に基づく受信環境の変化の有無を示す選択フラグを追加した合成リストを生成し、
前記合成リストに含まれる複数の基地局の情報を、受信信号強度の情報が高い基地局の順番にソートし、
ソート後の前記合成リストにおいて、受信環境が変化したことを示す選択フラグに対応付けられていない上位の所定数の基地局を選択する、
請求項4から6のいずれか一項記載の携帯無線端末。 - 前記非選択リストは、
所定数の基地局をFIFO方式により登録可能であり、
新たな基地局の登録時に、前記所定数を超えた古い基地局の情報が自動的に削除される、
請求項4から7のいずれか一項記載の携帯無線端末。 - 前記選択部は、
3台の基地局を選択し、
前記演算部は、
前記選択部により選択された前記3台の基地局の位置情報および受信信号強度の情報から、三角法により前記携帯無線端末の位置を演算する、
請求項1から8のいずれか一項記載の携帯無線端末。 - 無線通信部および記憶部を有する携帯無線端末が、該携帯無線端末の位置を演算するために実行する基地局の選択方法であって、
前記無線通信部により周辺の複数の基地局を繰り返しサーチするステップと、
各回のサーチにより電波を受信した複数の基地局の情報として、受信した複数の基地局の位置情報および受信信号強度の情報を含む情報を、前記記憶部に保存して複数回のサーチ分、蓄積するステップと、
前記記憶部に記憶されている複数の基地局についての複数回のサーチ分の情報に基づいて、最新回の受信信号強度が前回の受信信号強度より所定値以上低下した基地局を前記記憶部内の非選択リストに登録し、該登録された基地局の受信電波情報として、登録時点における前回の受信信号強度を前記非選択リストに記憶するステップと、
前記記憶部に記憶されている複数回のサーチ分の受信信号強度の情報を含む複数の基地局の情報に基づいて、前記非選択リストに登録されていない基地局を、前記非選択リストに登録されている基地局より優先して、複数の基地局を選択するステップと、
最新回の受信信号強度が前回の受信信号強度より所定値以上低下したと判断されず、かつ該基地局の最新回の受信信号強度が前記登録時点における前回の受信信号強度まで回復したと判断された場合に、登録された基地局の情報を前記非選択リストから削除するステップと、
を有する基地局の選択方法。
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