JP3874977B2 - 発光体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設の矢羽根本体に発光体を簡単に取り付けて電力供給手段を講ずることによって、特に夜間の視認性を高めることの出来る自発光視線誘導標に関する。
【0002】
【従来の技術】
積雪の多い地方においては、車道の走行路線のはみ出し限界を示す外側線が雪に覆われて見えなくなり、道路と歩道または田畑との境界が確認できなくなって交通事故を起こす危険性があるために、例えば路側などにオーバーハング型支柱を立設して、外側線真上に位置する支柱上部に矢羽根を下方に向けて垂下させた視線誘導標が設置され、それらが道路に沿って連設されることで外側線の位置を認知させ、車の安全な走行が図られていた。また、矢羽根の標示面には反射体が貼り付けられて車のライトの反射光によって夜間の視認性を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、当該視線誘導標は昼夜にわたって走行する諸車の運転者が常に視認し、且つ外側線の位置を認識した上で安全走行が図られるものであって、前記矢羽根が認識しにくい夜間であったり、または吹雪の時などには十分な視認性を得ることは困難であった。即ち夜間にあっては、矢羽根が取り付けられる位置が車両の走行に支障を来さない車道上方の高い位置に設けられているために、へッドライトが下向きに照射されていると光が届きにくく、まして車が近接した矢羽根にあってはライトが当たらなくなるので、足元の外側線を認識することが難しかった。また、日中、激しい吹雪で視界が遮られることがあると視認性が低下し、更にそれが夜間ともなれば矢羽根の認識はきわめて困難となり、走行が出来なくなったり、または徐行を余儀なくされて交通渋滞を来す結果となっていた。
【0004】
かかる視線誘導標は、すでに数多く設置されて目的を遂げているが、上記の課題を解決させ、新たに開発された自発光タイプの視線誘導標が一部で設置されるに至った。しかしながら、この自発光視線誘導標は、矢羽根本体及び付属設備が新規に取り付けられる構造がなされているので、たとえ支柱が既存のものを利用したとしても、多額な新設費用が投入される割には設置台数が進まず、大勢の効果が得られていない。また、新規設備への取り替え工事に時間と労力を要し、また既存の矢羽根を処分せざるを得ないために資源の無駄遣いともなっていた。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたもので、既設視線誘導標の標示面に、着脱自在の構造になされた発光体装置が取り付けられると共に、電源装置と接続させて夜間や吹雪でも視認性に優れた自発光視線誘導標を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。すなわち本発明に係る発光体装置は、支柱の上端に矢羽根標示板が垂下されてなる既設視線誘導標の前記矢羽根標示面に、複数個の発光体が規則的且つ同一方向に配設された発光体装置であって、既設視線誘導標の前記矢羽根標示面の一部を覆うようにして取りつけられる基板に前記発光体が電源と結ばれて自発光するように設けられたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、既設の矢羽根本体に発光体装置を取り付けることによって、従来、車のライトによって反射される矢羽根標示の反射光を視認して視線誘導がなされていたが、自発光機能が付加されるとライトの照射が無くても視認できるのみならず、吹雪の状況下に於いても容易に視認することができる。
【0008】
なお、前記基板の上端裏側にフックが設けられて矢羽根上部裏面に懸架されると共に、その下端は折曲自在になされて矢羽根尖端を挟着させて裏面でネジ止めされ、もって矢羽根中央軸線上に取り付けられて自発光視線誘導標となされる。
【0009】
例えば路側に立設された視線誘導標にあつては、支柱の上端に取り付けられた矢羽根本体が路側線の真上に垂下しているために、交通規制を行って道路上で安全に且つ素早く作業する必要性から、既設の矢羽根本体に容易に取り付けられる構造に工夫がなされるとよい。また、既存矢羽根の反射機能を損ねないように、標示面を覆う基板を極力小さくする配慮がなされ、矢羽根の中央軸線上に1本のラインとしての標示がなされてよい。
【0010】
また、基板が前記矢羽根の上方脚部の両側縁に沿って挿通する型材と、矢羽根頭部に類似する三角板体とが一体化して矢羽根状に形成され、前記型材と三角板体とに発光体が並んで配設され、矢羽根形状に発光するようになされてよい。
【0011】
前記電源は太陽電池と、太陽電池の起電力で充電する蓄電装置と、発光体を点灯させる制御基板とから構成される太陽電池ユニットが例えば支柱などに取り付けられて発光体と電気的に結合されてよい。
【0012】
積雪地方においては、太陽電池のパネルに雪が積もって発電機能を低下させる懸念があるので、商用電源が一般的に使用されるが、商用電源を供給できない場所、或いは積雪しにくい地区にあつては、係る太陽電池ユニットを取り付けることができる。また発光体はLEDが使用されてよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の一形態につき図面に基づき具体的に説明する。
図1は一般的な視線誘導標の設置図であり、図2は本発明にかかる発光体装置の実施の一形態を示す斜視図で、図3は図2の取付構造を示す矢羽根裏面の斜視図である。また、図4は他の実施の一形態を示す斜視図である。
【0014】
図1では路側に支柱1が立設し、道路側に湾曲して張り出した支柱上部に、矢羽根本体2が取り付けられている。この視線誘導標は、積雪期に路面が埋設すると外測線または側溝の位置が認識できなくなってしまうために、外測線の頭上に矢羽根を取り付けて、その位置を指し示すようになされている。矢羽根本体2の標示面には反射体21が貼着され、車のライトに反射して視認されやすくしている。また、視線誘導標は矢羽根標示板の高さが路面から約5メートルの位置に垂下され、支柱間距離は概ね50メートルから100メートル間隔で路線に沿って設置されている。
【0015】
図2及び図3において矢羽根本体2の中央軸線上に基板3が取り付けられ、その基板3にはLED31が全長に亘って一列に配設され、その上端にフック32が設けられて矢羽根本体の裏面に形成された型材33の上端に懸架されると共に、その下端には留め具34が揺動自在に取り付けられて、矢羽根三角板体22を狭着するようにして上方に折曲し、留め具34の端部を前記型材33にボルト4で螺着されている。
【0016】
前記の如く道路上の空中に垂下した当該矢羽根本体2に本発明の発光体装置が取りつけられるとき、交通規制された道路上での高所作業をより安全且つ手際よく行うために、基板3の上部をフックにしてより低い位置で取り付けられるようにし、下部の一箇所をボルト止めすることによって簡潔に止着出来るようになされている。
【0017】
基板3は、例えばアルミの型材やステンレスの成型体或いは合成樹脂で形成され、その型材には外方に向けてLED31が規則的に並べて埋め込まれているが、その数及び配列方法には特に限定するものではなく、またLEDの色は赤が好適に用いられるが、目的に応じてオレンジや白であっても構わない。更に、LEDの前面には透明の被覆体が被せられて防水処理が施されている。かかる被覆体はポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などの透明性、耐候性、耐衝撃性に優れた成型体が使用されている。
【0018】
本発明の発光体装置は、商用電源もしくは太陽電池ユニットから電気を供給される配線がなされ、夜間や吹雪時に点灯もしくは点滅するように点灯装置が取り付けられている。本発明の発光体装置の取りつけられる地域が積雪によって太陽電池の発電能力を具現できない所にあっては、商用電源が選択的に使用されてよい。
【0019】
図4は本発明の他の実施の一形態を示すもので、基板3が矢羽根の両側縁を把持する枠材35と、矢羽根本体の三角板体形状と略同形の面材36とが一体化して矢羽根本体の上方から挿通するようになされ、当該枠材35及び面材36上にLED31が並んで配設されて発光体装置が形成され、本発明の発光体装置が矢羽根本体2に係止されて矢羽根の輪郭線状に自発光するようになされている。
【0020】
前記三角状の面材36は、透明の樹脂板であって、矢羽根本体の反射機能を損ねることなく透過させて反射光を放つと共に、LED31の自発光を放射するようになされている。ただ、この面材36は不透明の樹脂板もしくは金属板であって、板面に反射体を貼着して反射機能を持たせても構わない。このようにして、既存の反射面を有効に活用しながら自発光機能が付加される。
【0021】
【発明の効果】
以上のようにして、既存の視線誘導標の矢羽根本体に簡便に取り付ける構造がなされているので、危険な路上での高所作業であっても短時間に取付工事をすることが出来、電源と接続することによって、自発光機能が付加されるので、夜間に車のライトが届かないために視認しにくい場所であっても、また激しい吹雪で見通しの悪いときであっても、視認性が高まって安全走行させることが出来る。また少ない予算で既存の施設を有効活用させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一般的な視線誘導標の設置図である。
【図2】本発明にかかる発光体装置の実施の一形態を示す斜視図である。
【図3】図2の発光体装置の取付構造を示す矢羽根裏面の斜視図である。
【図4】本発明にかかる発光体装置の他の実施の一形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 支柱
2 矢羽根本体
21 発光体
22 矢羽根三角板体
3 基板
31 LED
32 フック
33 型材
34 留め具
35 枠材
36 面材
4 ボルト

Claims (5)

  1. 支柱の上端に矢羽根標示板が垂下されてなる既設視線誘導標の前記矢羽根標示面に、複数個の発光体が規則的且つ同一方向に配設された発光体装置であって、既設視線誘導標の前記矢羽根標示面の一部を覆うようにして取りつけられる基板に前記発光体が電源と結ばれて自発光するように設けられたことを特徴とする発光体装置。
  2. 前記基板の上端裏側にフックが設けられ、矢羽根上部裏面に懸架されると共に、その下端は折曲自在になされて矢羽根尖端を挟着させて裏面でネジ止めされ、もって矢羽根中央軸線上に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の発光体装置。
  3. 前記基板が矢羽根上方脚部の両側縁に沿って挿通する型材と、矢羽根頭部に類似する三角板体とが一体化して矢羽根状に形成され、前記枠体と三角板体とに発光体が並んで配設され、矢羽根形状に発光するようになされたことを特徴とする請求項1記載の発光体装置。
  4. 前記電源が太陽電池と、太陽電池の起電力で充電する蓄電装置と、発光体を点灯させる制御基板とから構成される太陽電池ユニットである請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光体装置。
  5. 発光体がLEDである請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光体装置。
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