JP3874976B2 - 色信号変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、色を表す第1の色信号が入力され、入力された第1の色信号を、第1の色信号が表す色に色変換が施されてなる色を表す第2の色信号に信号変換して出力する色信号変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷の分野において、例えばリバーサルフィルム上に記録された原稿画像を光電的に読み取ることによりディジタルの色信号を得、得られたディジタルの色信号に対し、印刷物上で所望の色を再現する印刷用の色信号が得られるようにディジタル信号処理を施すことが行なわれている。この場合、原稿画像を先ず粗く読み取ることにより(これをプレスキャンと称する)、原稿の色がシアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の三原色に分解された各原色成分の強度の組み合わせからなる色信号を得、得られた色信号に、印刷用の信号を得るための所定の信号処理アルゴリズムに従った信号処理を施して、通常はC,M,およびYに、さらに黒(K)を加えた四色分の網%を表す色信号を得、その信号処理アルゴリズムに従った処理が行なわれた後のC,M,Y,K四色分の色信号に基づく画像を例えばCRTディスプレイ等の表示画面上に表示する。この表示画面上に表示された画像は、オペレータの観察に供される。
【0003】
この信号処理アルゴリズムは、画像のハイライト(HL)部分やシャドウ(SH)部分の濃度を設定するHL/SH濃度設定や、入力の濃度に対する出力の濃度を定めるトーンカーブの設定や、UCR(Under Color Removal)演算およびK版生成演算や、色補正を行なうカラーコレクション演算等から構成された、C,M,Y三色の信号からC,M,Y,K四色の信号を生成するためのアルゴリズムである。また、これらの演算等には、各種のパラメータが設定され、プレスキャンにより得られた色信号には、この信号処理アルゴリズムに基づいて、設定された各種のパラメータに応じた信号処理が施される。
【0004】
オペレータは、上記のようにして表示画面上に画像が表示されると、その画像を観察しながらその画像の色味等が所望のものになるように信号処理アルゴリズムの各種パラメータを調整する。特にカラーコレクション演算のためのパラメータは、印刷物の色を、「健康な肌色」や「美しい緑」等といった好適な色に変換するために重要なパラメータである。そして、所望の画像が得られると、今度は、オペレータの操作に応じて、基になるリバーサルフィルム上の原稿画像を高分解能で読み取って(これをファインスキャンと称する)色信号を得、その得られた色信号に上記のようにして調整された各種パラメータを用いた信号処理アルゴリズムにより信号処理を施す。その結果得られた信号は画像出力装置に送られ、製版用フィルムへの画像出力が行なわれる。
【0005】
上記のような処理の流れの中で、プレスキャンにより得られた色信号に信号処理アルゴリズムに基づく信号処理を施しその結果得られた色信号に基づく画像をCRTディスプレイ等の表示画面に表示してオペレータの観察に供した際、オペレータは、「美しい緑」等といった好適な色が再現されるようにカラーコレクション演算用のパラメータを調整する。
【0006】
この場合に、カラーコレクション演算用のパラメータの数が少なすぎると、カラーコレクション演算による色変換を微妙に調整することが不可能であり、好適な色再現も不可能である。一方、カラーコレクション演算用のパラメータの数が多すぎると、好適な色再現を実現するために複雑な調整操作が必要であり、好適な色再現が困難である。
【0007】
このため、特開平1−237144号広報には、カラーコレクション演算用のパラメータとして、色空間内における各所定の複数の色方向それぞれについてのカラーコレクション係数を設定し、それらのカラーコレクション係数を調整することによって複数の色方向それぞれについての色変化量を調整して、好適な色再現を実現する方法が開示されている。
【0008】
また、特開平9−83824号広報には、オペレータによってカラーコレクション係数が調整されることにより調整される色変化量を、色信号から求められた彩度および明度に応じて加減することにより、好適な色再現を高精度に実現する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これらの広報に開示されている方法では、C,M,Y三色の原色成分相互の大小関係から色相や彩度や明度が求められている。このため、色変化量を印刷用のC,M,Y,K四色のインクそれぞれの変更量として求めることが容易であって、高精度な色再現が容易に実現されるが、一方では、求められた色相が人の視覚特性とは必ずしも一致しないために、色変化量が調整される色方向が、オペレータの感覚とは微妙に相違することとなり、画像の色を好適な色になかなかうまく調整できず調整に手間取るという問題がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、好適な色再現をオペレータの調整感覚によくあった調整で容易かつ高精度に実現することができる色信号変換装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の色信号変換装置は、色を表す第1の色信号が入力されて、入力された第1の色信号を、第1の色信号が表す色に色変換が施されてなる色を表す第2の色信号に信号変換して出力する色信号変換装置において、
第1の色信号が、色が三原色に分解されてなる各原色成分の組み合わせによって色を表す信号であって、
入力された第1の色信号が表す色の、測色的な色相を表す色相値を算出し、その色相値に相当する色方向と所定の色方向との近さを表す色相強度を算出する色相強度算出部、
入力された第1の色信号が表す色の明度および彩度のうちの少なくとも一方についての目安となる明度彩度値を、原色成分相互の大小関係に応じた値として算出する明度彩度値算出部、および
色空間内における所定の色方向について設定される色変換係数と、色相強度算出部によって算出された色相強度と、明度彩度値算出部によって算出された明度彩度値とに応じた変化量だけ色が変化するような色変換に相当する信号変換によって第1の色信号を第2の色信号に変換する色信号変換部を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の色信号変換装置によれば、測色的な色相を表す色相値に応じて色相強度が求められ、求められた色相強度と色変換係数とに応じた変化量だけ色が変化することとなるので、色変換係数を調整することによる色変換の調整方向が、オペレータが所望する色方向と一致する。
【0013】
また、本発明の色信号変換装置では、原色成分相互の大小関係に応じて明度彩度値が求められ、求められた明度彩度値に応じた変化量だけ色が変化することとなるので、彩度や明度を考慮に含めた高精度な色再現が容易に実現される。ここで、明度彩度値算出部が用いる原色成分は、色信号変換装置に入力された第1の色信号を構成する原色成分そのものに限定されるものではなく、入力された第1の色信号を構成する原色成分に対して適宜に修正が施された後の原色成分であってもよい。
【0014】
結局、本発明の色信号変換装置によれば、好適かつ高精度な色再現が、オペレータの調整感覚によくあった調整で容易に実現される。
【0015】
本発明の色信号変換装置は、典型的には、上記第1の色信号は、色がシアン、マゼンタ、およびイエローの三原色に分解されてなる各原色成分の組み合わせによって色を表す信号であって、
上記色信号変換部が、シアン、マゼンタ、およびイエローの三原色で色を表す第1の色信号を、シアン、マゼンタ、イエロー、および黒の四色で色を表す第2の色信号に信号変換するものである。
【0016】
本発明の色信号変換装置は、印刷用の色信号を求める装置として好適である。
【0017】
また、本発明の色信号変換装置は、相互に異なる複数の色方向について色変換を行う装置として構成することが好ましい。本発明の色信号変換装置のうち、そのように構成された色信号変換装置は、色空間内における、相互に異なる色方向を上記所定の色方向として用いて上記色相強度を算出する複数の色強度算出部を備えるとともに、
上記色信号変換部が、色変換係数と、色相強度と、明度彩度値とに応じた変化量を各色方向毎に求め、各色方向毎に求められた変化量を相互に加算し、その加算結果だけ色が変化するような色変換に相当する信号変換によって第1の色信号を第2の色信号に変換するものであることを特徴とする。
【0018】
このように、複数の色方向それぞれについて色の変化量を求め、それらの変化量を相互に加算し、その加算結果に対応する信号変換を行う構成を備えると、オペレータが色空間内の複数の色方向それぞれについて色変換係数を調整することによって所望の色変換を実現することができる。
【0019】
また、本発明の色信号変換装置は、第1の色信号を、ブロック色素の色を三原色として色を表す第3の色信号に変換するブロック色素キャリブレーション部を備え、
上記色相強度算出部が、第3の色信号を用いて色相値を算出し、その色相値に応じて色相強度を算出するものであることが望ましい。
【0020】
このような第3の色信号からは、測色的な色相を表す色相値を容易に求めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の色信号変換装置の一実施形態を示す図である。
【0023】
この色信号変換装置1は、例えば、カラー原稿を走査して得られた、原稿の色がC,M,Yの三原色に分解された各原色成分の強度の組み合わせからなる色信号CMYが入力され、C,M,Y,K四色の印刷用分版それぞれの網%を表す色信号CMYKを出力する装置であり、ブロック色素キャリブレーション部10と、色信号処理部20とを備えている。
【0024】
ブロック色素キャリブレーション部10は、入力された色信号CMYを信号変換して、色の濁りが存在しない理想的な色素であるブロック色素の濃度の組み合わせで色を表す色信号CMY0を求めるものである。色信号処理部20は、ブロック色素の濃度を表す色信号CMY0を信号変換して印刷用の色信号CMYKを求めるものである。
【0025】
図2は、色信号処理部20のブロック構成図である。
【0026】
色信号処理部20に入力された色信号CMY0は、先ず、レンジ設定回路21に入力される。以下の表1は、レンジ設定回路21の仕様を表す表である。
【0027】
【表1】
【0028】
このレンジ設定回路21は、カラー原稿上のハイライト(HL)部における色素濃度の指定値DHLC,DHLM,DHLYおよびシャドウ(SH)部の色素濃度の指定値DSHC,DSHM,DSHYによってレンジ幅が指定され、以下説明するように、そのレンジ幅に応じた正規化を色信号CMY0に施して、正規化された色信号CMY1を出力する。
【0029】
図3は、レンジ設定回路21の構成図である。
【0030】
レンジ設定回路21は、C,M,Y三色それぞれ用のレンジ設定器21C,21M,21Yで構成されており、レンジ設定器21C,21M,21Yには、色信号CMY0が表す各色素濃度値C0,M0,Y0が入力される。各レンジ設定器21C,21M,21Yでは、それぞれ、
C1=FPAC(C0)=(C0−DHLC)/(DSHC−DHLC) …(1)
M1=FPAM(M0)=(M0−DHLM)/(DSHM−DHLM) …(2)
Y1=FPAY(Y0)=(Y0−DHLY)/(DSHY−DHLY) …(3)
なる式により、正規化された色素濃度値C1,M1,Y1が求められ、レンジ設定回路21からは、色素濃度値C1,M1,Y1を表す色信号CMY1が出力される。
【0031】
図2に戻って説明を続ける。
【0032】
レンジ設定回路21から出力された色信号CMY1は、階調変換回路22と、K版生成回路25に入力される。以下の表2には階調変換回路22の仕様が示されている。
【0033】
【表2】
【0034】
階調変換回路22にはC,M,Y三色それぞれのトーンカーブが、トーンカーブのハイライト(HL)部の修正係数PHLC,PHLM,PHLY、シャドウ(SH)部の修正係数PSHC,PSHM,PSHY、およびミッド(MD)部の修正係数PMDC,PMDM,PMDYによって設定される。そして、階調変換回路22は、それらのトーンカーブを用いて色信号CMY1を階調変換して色信号CMY2を求める。
【0035】
階調変換回路22によって求められた色信号CMY2は、UCR演算を行うUCR回路23に入力されて、オペレータにより設定されたパラメータ値に応じて、色信号CMY2から差し引かれるグレー成分値CMYuが求められる。求められたグレー成分値CMYuは、階調変換回路22から出力された色信号CMY2から減算され、色信号CMY3が生成される。
【0036】
グレー成分が差し引かれた色信号CMY3は、グレーバランス回路24に入力され、色信号CMY3のグレーバランスが、印刷用インクの発色特性に基づいた、網%値のグレーバランスに修正される。そして、その色信号CMY3のグレーバランスが修正されることにより、その色信号CMY3が、C,M,Y,K四色それぞれの網%値のうちのC,M,Y三色分の網%値に変換されて出力される。
【0037】
一方、レンジ設定回路21から出力された色信号CMY1が入力されたK版生成回路25は、色信号CMY1が表す色素濃度値C1,M1,Y1のうちの最少値を求めることにより、色信号CMY1が表す色のグレー成分値Kaを求める。そして、K版生成回路25によって求められたグレー成分値KaがK版カーブ回路26に入力され、グレー成分のうちK版で置き換える割合をグレー成分値Kaの関数として表すK版カーブが用いられて、グレー成分値KaがK版用の網%値に変換される。
【0038】
この図2に示す色信号処理部20には、上述したカラーコレクション演算を行う、後述するように構成されたカラーコレクション回路27が備えられており、このカラーコレクション回路27には、R,Y,G,C,B,Mの各色方向についての色変化量を調整するためのカラーコレクション係数が、C,M,Y,K四色の各分版毎に設定され、階調変換回路22によって求められた色信号CMY2が入力される。そして、カラーコレクション回路27によって、色信号CMY2とカラーコレクション係数とに応じた色変化量に相当する、C,M,Y,K四色それぞれの網%値の修正量を表す色修正信号△CMYKが求められる。この色修正信号△CMYKのうちのC,M,Y三色分は、グレーバランス回路24から出力された網%値に加算されて、色変換後の色を再現するC,M,Y三色分の網%値CMY4が生成される。一方、色修正信号△CMYKのうちの黒色分は、K版カーブ回路26から出力されたK版用の網%値に加算されて、色変換後の色を再現するK版用の網%値K4が生成される。
【0039】
このように生成されたC,M,Y三色分の網%値CMY4およびK版用の網%値K4は、それぞれ、%−%変換回路28,29に入力され、網%値の微量修正が施されて、印刷用の網%値CMYP,KPが出力される。このように出力された網%値CMYP,KPに従って印刷用の分版が作成されて印刷されることによって、好適な色が印刷物上に再現される。
【0040】
以下、カラーコレクション回路27の構成について説明する。
【0041】
図4は、カラーコレクション回路27の構成図である。
【0042】
カラーコレクション回路27には、R,Y,G,C,B,Mの各色方向について網%値の修正量を求める各色方向用の修正量算出回路30R,30Y,30G,…30Mが備えられており、カラーコレクション回路27に入力された色信号CMY2は、各修正量算出回路30R,30Y,30G,…30Mに入力される。また、このカラーコレクション回路27には、それらの修正量算出回路30R,30Y,30G,…30Mによって算出された修正量を加算して、C,M,Y,Kの各版についての網%値修正量を表す色修正信号△CMYKを生成する加算回路40も備えられている。
【0043】
各修正量算出回路30R,30Y,30G,…30Mの構成は互いに同等である。以下、修正量算出回路の構成について、C色用の修正量算出回路30Cを代表させて説明する。
【0044】
図5は、修正量算出回路30Cの構成図である。
【0045】
この修正量算出回路30Cには、色相検出回路31と、色相強度関数回路32と、明度彩度検出回路33と、明度彩度強度関数回路34と、強度乗算回路35と、カラーコレクション係数乗算回路36が備えられており、修正量算出回路30Rに入力された色信号CMY2は色相検出回路31および明度彩度検出回路33に入力される。
【0046】
色相検出回路31および色相強度関数回路32は、本発明にいう色相強度算出部の一例を構成しており、C色用の修正量算出回路30CではC色方向が本発明にいう所定の色方向に相当する。色相検出回路31によって色信号CMY2が表す色の測色的な色相を表す色相値Hが求められ、その色相値Hが色相強度関数回路32に入力され、色相値Hに応じて、色相値Hに相当する色方向とC色方向との近さを表す色相強度が求められる。
【0047】
また、明度彩度検出回路33は、本発明にいう明度彩度値算出部の一例であり、後述するように、入力された色信号CMY2が表す色素濃度値C2,M2,Y2の大小関係に応じて、本発明にいう明度彩度値の一例である明度Lおよび彩度Sを求める。明度彩度検出回路33によって求められた明度Lおよび彩度Sは、明度彩度強度関数回路34に入力され、所定の明度彩度強度関数が用いられて、その明度Lおよび彩度Sに応じた明度彩度強度が得られる。
【0048】
本発明にいう色信号変換部は、ここでは、図2に示す色信号処理部20のうち、上述した色相検出回路31、色相強度関数回路32、および明度彩度検出回路33を除いた残り全体で構成されていると観念される。
【0049】
図5に示す色相強度関数回路32によって求められた色相強度と、明度彩度強度関数回路34によって得られた明度彩度強度は、強度乗算回路35に入力されて互いに乗算される。また、カラーコレクション係数乗算回路36には、強度乗算回路35の乗算結果と、オペレータによって設定されたカラーコレクション係数が入力されて互いに乗算され、その結果、網%値の修正量ΔCMYKが求められる。
【0050】
図6は、色相検出回路31の構成図である。
【0051】
ここでは、色相検出回路31は、輝度変換回路311と、三刺激値変換回路312と、色相変換回路313で構成されており、色相検出回路31に入力された色信号が表す色素濃度値Cin,Min,Yinは、先ず、輝度変換回路311によってレッド,グリーン,ブルー三色それぞれの輝度値R,G,Bに変換される。輝度変換回路311による変換は以下の式(4)〜(6)で表される変換である。
【0052】
R=FL(Cin) …(4)
G=FL(Min) …(5)
B=FL(Yin) …(6)
ここで、関数FLは、R,G,B三色に共通の関数であり、以下に示す表3には、関係式Iout=FL(Din)を満たす入力値Dinと出力値Ioutの一例が示されている。
【0053】
【表3】
【0054】
このように輝度変換回路311によって変換された輝度値R,G,Bは三刺激値変換回路312に入力され、その輝度値R,G,Bが、以下に示す式(7)に従って、三刺激値X,Y,Zに変換される。
【0055】
【数1】
【0056】
この式(7)に示す3×3行列Jの一例を式(8)に示す。
【0057】
【数2】
【0058】
図1に示すブロック色素キャリブレーション部10によって色素濃度値がブロック色素の濃度に変換されているために、式(8)に示すような行列Jを使って、式(7)に示すように簡単に三刺激値X,Y,Zを求めることができる。
【0059】
このように三刺激値変換回路312によって得られた三刺激値X,Y,Zは色相変換回路313に入力され、その三刺激値X,Y,Zから、以下に示す式(9)〜(11)に従って測色的な色相値Hが求められる。
【0060】
a*=500[(X/X0)1/3−(Y/Y0)1/3] …(9)
b*=200[(Y/Y0)1/3−(Z/Z0)1/3] …(10)
H=[tan-1{b*/a*}]/60 …(11)
但し、関数tan-1{b*/a*}の値は、座標(a*,b*)が存在する象限も考慮されて0以上360未満の値として求められ、色相値Hは0以上6未満の値となる。
【0061】
以上説明したように色相検出回路31によって測色的な色相値Hが求められ、上述したように、この色相値Hが、図5に示す色相強度関数回路32に入力され、その色相値Hに応じて色相強度が求められる。この色相強度関数回路32では、色相値Hと色相強度との対応関係を表す色相強度関数が用いられて色相強度が求められる。
【0062】
図7は、色相強度関数回路32で用いられる色相強度関数の一例を示すグラフである。
【0063】
この図には、C色についての色相強度関数のみならず、R,Y,G,C,B,Mの各色についての色相強度関数321R,321Y,…,321Mが示されている。
【0064】
この図7のグラフの横軸は色相値Hを示している。上述したように色相値Hは0以上6未満の値であり、H=0の時の色相がR色方向に相当する。同様に、H=1がY色方向、H=2がG色方向、H=3がC色方向、H=4がB色方向、H=5がM色方向に相当している。また、仮にH=6を考えると、再びR色方向に相当することとなる。つまり、色相値Hが0から6まで変化するとR,Y,G,C,B,Mの各色方向を一巡することとなる。
【0065】
また、この図7のグラフの縦軸は、色相値Hが示す色方向と所定色方向との近さを表す色相強度を示しており、色相強度が大きいほど色方向が近いことを示している。色相強度関数321R,321Y,…,321Mは、それぞれ、R,Y,G,C,B,Mの各所定色方向についての色相強度を表している。例えば、C色についての色相強度関数321Cは、G色方向からB色方向までの色相範囲を除いた色方向について値「0」であり、C色方向に相当する色相値に対して最大値を示し、G色方向およびB色方向に相当する色相値に対して最低値を示す関数である。
【0066】
このような色相強度関数321R,321Y,…,321Mが用いられて、色相値Hから色相強度が求められる。求められた色相強度は、測色的な色相を表す色相値Hから求められたものであるので、人の視覚特性によくあった色相強度となっている。
【0067】
図5に示す明度彩度検出回路33では、以下に示す式(12)〜(14)に従って明度Lおよび彩度Sが求められる。
【0068】
L=0.9×(1.0−Qmax) …(12)
S=0.0 ,(Qmax≦−0.1)…(13)
S=1.0−(Qmin+0.1)/(Qmax+0.1)
,(Qmax>−0.1)…(14)ここで、Qmin、Qmaxは、明度彩度検出回路33に入力された色信号CMY2が表す色素濃度値C2,M2,Y2のうちの最小値、最大値であり、明度Lおよび彩度Sの双方とも、0.0以上1.0以下の値に制限されている。このように求められた明度Lおよび彩度Sが明度彩度強度関数回路34に入力され、明度Lおよび彩度Sを変数とする2変数関数である、色変換の加減量を表す所定の明度彩度強度関数が用いられて明度彩度強度が求められる。このように求められた明度彩度強度は、上述したように強度乗算回路35に入力されて色相強度と乗算され、その結果、高精度な色再現が実現される。
【0069】
表4には、カラーコレクション回路27に入力された色信号Cin,Min,Yinの一例と、その色信号が表す色に相当する三刺激値X,Y,Zと、その三刺激値に応じて色相検出回路31で求められた色相値Hと、入力された色信号の大小関係に応じて明度彩度検出回路33で求められた明度Lおよび彩度Sが示されており、さらに参考として、三刺激値X,Y,Zから算出される測色的な明度Lと彩度Sも示されている。この表4に示された色信号Cin,Min,Yinの一例は、いずれも、ある特定の色方向について色信号が取り得る最大値となっている。
【0070】
【表4】
【0071】
表4に示すように、測色的な明度Lと彩度Sは色信号毎に異なる値となっている。しかし、網%値の修正量を高精度に求めるためには、この表4に示すような各色信号Cin,Min,Yinに対する明度Lや彩度Sとして、色信号が表す色の色相に関わらず同一の値が得られることが必要であることが従来から知られており、明度彩度検出回路33で求められた明度Lおよび彩度Sは、各色信号Cin,Min,Yinについて同一の値となっている。この結果、好適な色再現が高精度に実現されることとなる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の色信号変換装置によれば、好適な色再現をオペレータの調整感覚によくあった調整で容易かつ高精度に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色信号変換装置の一実施形態を示す図である。
【図2】色信号処理部のブロック構成図である。
【図3】レンジ設定回路の構成図である。
【図4】カラーコレクション回路の構成図である。
【図5】修正量算出回路の構成図である。
【図6】色相検出回路の構成図である。
【図7】色相強度関数回路で用いられる色相強度関数の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
色信号変換装置1
10 ブロック色素キャリブレーション部
20 色信号処理部
21 レンジ設定回路
21C,21M,21Y レンジ設定器
22 階調変換回路
23 UCR回路
24 グレーバランス回路
25 K版生成回路
26 K版カーブ回路
27 カラーコレクション回路
28,29 %−%変換回路
30R,30Y,30G,…30M 修正量算出回路
31 色相検出回路
32 色相強度関数回路
33 明度彩度検出回路
34 明度彩度強度関数回路
35 強度乗算回路
36 カラーコレクション係数乗算回路
40 加算回路
311 輝度変換回路
312 三刺激値変換回路
313 色相変換回路
Claims (4)
- 色を表す第1の色信号が入力されて、入力された第1の色信号を、該第1の色信号が表す色に色変換が施されてなる色を表す第2の色信号に信号変換して出力する色信号変換装置において、
前記第1の色信号が、色が三原色に分解されてなる各原色成分の組み合わせによって色を表す信号であって、
入力された第1の色信号が表す色の色相値を測色的に算出し、該色相値と所定の色相値との近さを表す色相強度を算出する色相強度算出部、
入力された第1の色信号が表す色の明度および彩度のうちの少なくとも一方についての目安となる明度彩度値を、前記原色成分相互の大小関係に応じた値として算出する明度彩度値算出部、および
前記所定の色相値に対応付けて設定される色変換係数と、前記色相強度算出部によって算出された色相強度と、前記明度彩度値算出部によって算出された明度彩度値とに応じた変化量だけ色が変化するような色変換に相当する信号変換によって前記第1の色信号を前記第2の色信号に変換する色信号変換部を備えたことを特徴とする色信号変換装置。 - 前記第1の色信号は、色がシアン、マゼンタ、およびイエローの三原色に分解されてなる各原色成分の組み合わせによって色を表す信号であって、
前記色信号変換部が、シアン、マゼンタ、およびイエローの三原色で色を表す第1の色信号を、シアン、マゼンタ、イエロー、および黒の四色で色を表す第2の色信号に信号変換するものであることを特徴とする請求項1記載の色信号変換装置。 - 相互に異なる色相値を前記所定の色相値として用いて前記色相強度を算出する複数の色強度算出部を備えるとともに、
前記色信号変換部が、前記色変換係数と、前記色相強度と、前記明度彩度値とに応じた変化量を各色方向毎に算出し、各色方向毎に算出された変化量を相互に加算し、その加算結果だけ色が変化するような色変換に相当する信号変換によって前記第1の色信号を前記第2の色信号に変換するものであることを特徴とする請求項1記載の色信号変換装置。 - 前記第1の色信号を、ブロック色素の色を三原色として色を表す第3の色信号に変換するブロック色素キャリブレーション部を備え、
前記色相強度算出部が、前記第3の色信号を用いて前記色相値を算出し、該色相値に応じて前記色相強度を算出するものであることを特徴とする請求項1記載の色信号変換装置。
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