JP3873206B2 - 安全装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば危険領域への侵入を検知してその危険領域に配置された機械などを停止させるための安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、工場内で稼動する機械が設置されたエリア内に作業員が不用意に接近すると危険であることから、その機械が設置された危険領域への侵入を検知してその危険領域に配置された機械を停止させるための安全センサがある。
【0003】
この種の安全センサは、図5に示すように機械が設置された危険領域を囲撓するように配設された安全柵の出入口の両脇に、投光ユニットAと受光ユニットBを必要な間隔で対向配置し、投光ユニットAと受光ユニットB間でスキャニングによりカーテン状に検知エリアLを設定する光カーテン式のものである。この安全センサは、必要な間隔で投受光ユニットA,Bを光軸を一致させた状態で複数組配置し、それぞれの投受光ユニットA,B間で同期を順次取りながら投光切り替え器C及び受光切り替え器Dによる切り替えでもって電気的にスキャニングするものである。
【0004】
この安全センサでは、投受光ユニットA,B間の検知エリアLに作業員などが侵入すると、投光ユニットAから受光ユニットBへ向かう光が侵入者によって遮断されることになる。この侵入者による遮光でもって危険領域への侵入を検知することができ、この検知信号に基づいて機械を自動的に停止させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した安全センサでは、投受光ユニットA,B間での遮光の有無を検知する構造であることから以下のような問題があった。
【0006】
部品搬入時などに無人搬送車が危険領域内に入ろうとする場合には、機械をわざわざ停止させていたのでは作業効率が悪いので、このような場合には、安全センサが作動せずに機械の稼動が続行できれば稼動効率を上げることができる。そのため、危険領域の出入口であるセンサ設置部位にマットスイッチを敷設するようにしている。これにより、部品搬入時などに無人搬送車が危険領域内に入ろうとする場合には、作業員がマットスイッチを踏むことにより安全センサを一時的に無効(ミューティング)にするようにしている。
【0007】
しかしながら、前述したように部品搬入時などに無人搬送車が危険領域内に入ろうとする場合に、安全センサを一時無効にするためのマットスイッチを敷設しなければならず、接触式であるマットスイッチは故障が多く、また、無人搬送車の大きさが変わればマットスイッチを敷き直す手間が発生するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、部品搬入時などに無人搬送車が危険領域内に入ろうとする場合でも、簡便な手段により、無人搬送車の侵入を自動的に検知し得る安全装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、以下の特徴を具備する。
【0010】
請求項1の発明は、危険領域の出入口に設置された光カーテン式安全センサの前後位置に、所定の間隔をあけて対向配置された投受光ユニットと反射板との間で投受光をスキャニングして投受光ユニットから反射板までの離隔距離を計測することにより、投受光ユニットと反射板間に設定された検知エリア内への侵入の有無を監視する光反射式安全センサを併設したことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、前記光反射式安全センサは、複数組の投受光器を一直線上に並列配置し、投受光切り替え器により投受光器と反射板間での投受光を電気的にスキャニングすることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、前記光反射式安全センサは、一組の投受光器と反射板を対向配置し、前記投受光器の前方に配置したミラーにより投受光器と反射板間での投受光を機械的にスキャニングすることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る安全装置の実施形態を示す。
【0014】
まず、図5に示すように投光ユニットAと受光ユニットBを必要な間隔で対向配置し、投光ユニットAと受光ユニットB間でスキャニングによりカーテン状に検知エリアLを設定する光カーテン式安全センサSを、機械が設置された危険領域Xを囲撓するように配設された安全柵Yの出入口の両脇に設置する(図1参照)。この安全センサは、必要な間隔で投受光ユニットA,Bを光軸を一致させた状態で複数組配置し、それぞれの投受光ユニットA,B間で同期を順次取りながら投光切り替え器C及び受光切り替え器Dによる切り替えでもって電気的にスキャニングするものである。この光カーテン式安全センサSの前後に、以下で詳述する光反射式安全センサSF,SRを設置する。
【0015】
この光反射式安全センサSF,SRは、図2に示すように複数組の投受光器1a,1b〜Na,Nbを収容した投受光ユニットEを一直線上に並置し、その投受光ユニットEに対して所定の間隔をあけて反射板Mを対向配置し、それぞれの投受光ユニットE間で同期を順次取りながら投光切り替え器C及び受光切り替え器Dによる切り替えでもって電気的にスキャニングするものである。投受光ユニットEでは、投光器1a〜Naから発せられた光が反射板Mで反射し、その反射光が受光器1b〜Nbに入射される。この投光器1a〜Naからの出射光と反射板Mで反射した受光器1b〜Nbへの入射光との位相差を監視することにより、投受光ユニットEと反射板Mとの間の距離を計測するようにしている。
【0016】
実施形態の光反射式安全センサSF,SRを従来の光カーテン式安全センサSと併用することにより、装置全体としてカテゴリー4の安全性を確保することができると共に、危険領域Xへの部品搬入時などに無人搬送車Hが侵入しようとした場合であっても、光カーテン式安全センサSを一時的に無効(ミューティング)にすることなく、危険領域X内に設置された機械の稼動を続行させることができる。
【0017】
なお、光カーテン式安全センサSの前後に設置された光反射式安全センサSF,SRのうち、光カーテン式安全センサSの前に設置された光反射式安全センサSFは、危険領域Xに侵入者が入る場合に作動し、光カーテン式安全センサSの後に設置された光反射式安全センサSRは、危険領域Xから侵入者が出る場合に作動する。
【0018】
この光カーテン式安全センサSと光反射式安全センサSF,SRの両出力をパラレルに接続することにより、危険領域Xへの侵入の有無及びその侵入者が作業員であるか無人搬送車Hであるかを的確に判定することができる。つまり、危険領域Xへの侵入がない場合には、光カーテン式安全センサSの出力がONで、かつ、光反射式安全センサSF,SRの出力がOFFとなるので、危険領域Xへの侵入がないとして、光カーテン式安全センサSのON信号を受けて機械の稼動を続行する。
【0019】
一方、部品搬入時、危険領域Xに無人搬送車Hが侵入しようとしている場合、光カーテン式安全センサSの出力がOFFで、かつ、光反射式安全センサSF,SRの出力がONとなる。この危険領域Xへの無人搬送車Hの侵入により光カーテン式安全センサSの出力はOFFとなるが、光反射式安全センサSF,SRによりその検知エリアLに無人搬送車Hが入ることにより反射板Mまでの距離が無人搬送車Hまでの距離に変更されるので、この無人搬送車Hの検知でもって光反射式安全センサSF,SRの出力はONとなる。なお、無人搬送車Hの大きさ及び通過位置が決まっており、その情報を光反射式安全センサSF,SRに予め登録しておけば、光反射式安全センサSF,SRにより計測された距離に基づいて無人搬送車Hを認識することができる。このようにして、危険領域Xへの侵入者が無人搬送車Hであると判定できるので、光反射式安全センサSF,SRのON信号を受けて機械の稼動を続行させることができる。
【0020】
他方、危険領域Xに作業員が不用意に侵入しようとしている場合、光カーテン式安全センサSの出力がOFFで、かつ、光反射式安全センサSF,SRの出力もOFFとなる。この危険領域Xへの作業員の侵入により光カーテン式安全センサSの出力がOFFになると共に、光反射式安全センサSF,SRによりその検知エリアLに作業員が入ることにより反射板Mまでの距離が無人搬送車Hまでの距離と異なる距離となるので、この無人搬送車以外のもの、つまり、作業員の検知でもって光反射式安全センサSF,SRの出力はOFFとなる。このようにして、危険領域Xへの侵入者が作業員であると判定できるので、光カーテン式安全センサSと光反射式安全センサSF,SRの両出力がOFFであるので、機械を停止させることになる。
【0021】
光カーテン式安全センサSと光反射式安全センサSF,SRの検出位置が同じ場合、光カーテン式安全センサSと光反射式安全センサSF,SRの応答時間の差が生じないため、光カーテン式安全センサSと光反射式安全センサSF,SRを一つにできる。光カーテン式安全センサSを光反射式にし、安全センサとしての認定が取れれば、三つのセンサは検出部を共有することにより、三つのセンサ検出部を一つにすることができる。
【0022】
図3は本発明の他の実施形態を示す。この実施形態の安全センサは、複数組の投受光器を並置する構成とした前述の実施形態と異なり、一組の投受光器1a,1b(第一の投受光ユニットE1)に対して所定の間隔をあけて第一の反射板M1を対向配置すると共に、これとは逆向きで、もう一組の投受光器2a,2b(第二の投受光ユニットE2)に対して所定の間隔をあけて第二の反射板M2を対向配置する。それぞれの投受光ユニットE1,E2では、電気的にスキャニングするのではなく、ミラー(図示せず)を使用することにより機械的にスキャニングすることにより検知エリアLを設定するようにしている。なお、図4に示すように一組の投受光器1a,1b(第一の投受光ユニットE1)と、もう一組の投受光器2a,2b(第二の投受光ユニットE2)とを対向配置するようにして検知エリアを設定することも可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、簡便な手段により、部品搬入時などに無人搬送車が危険領域内に入ろうとする場合でも、安全センサを一時的に無効(ミューティング)に設定する必要がなく、危険領域内に設置された機械の稼動を続行させることができるので、稼動効率を大幅に向上させることができ、しかも危険領域内への作業員の侵入を確実に検知して機械を停止できるので、安全性を充分に確保することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で、安全装置の設置状態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態で、安全装置の構成要素を示す概略構成図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図4】図3の実施形態の変形例を示す概略構成図である。
【図5】安全装置の従来例で、光カーテン式安全センサを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1a〜Na 投光器
1b〜Nb 受光器
S 光カーテン式安全センサ
SF,SR 光反射式安全センサ
E 投受光ユニット
M 反射板
L 検知エリア
Claims (3)
- 危険領域の出入口に設置された光カーテン式安全センサの前後位置に、所定の間隔をあけて対向配置された投受光ユニットと反射板との間で投受光をスキャニングして投受光ユニットから反射板までの離隔距離を計測することにより、投受光ユニットと反射板間に設定された検知エリア内への侵入の有無を監視する光反射式安全センサを併設したことを特徴とする安全装置。
- 前記光反射式安全センサは、複数組の投受光器を一直線上に並列配置し、投受光切り替え器により投受光器と反射板間での投受光を電気的にスキャニングすることを特徴とする請求項1に記載の安全装置。
- 前記光反射式安全センサは、一組の投受光器と反射板を対向配置し、前記投受光器の前方に配置したミラーにより投受光器と反射板間での投受光を機械的にスキャニングすることを特徴とする請求項1に記載の安全装置。
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