JP3872838B2 - 結晶成長方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、結晶成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体製造装置を図面を参照しながら説明する。
【0003】
図10は従来の半導体製造装置の正面図である。図10に示す半導体製造装置は、半導体結晶用の原料ガスを加熱分解するための反応室101と、反応室101の外部から原料ガスを反応室101に導くガス導入部102と、ガス導入部102の直下にガス導入部102から吹き出す原料ガスの流れ103を遮るように設けられ、ターンテーブル用駆動軸104により毎分500回以上で回転するターンテーブル105の上面に固定されており、結晶成長用基板を保持するステンレス又はモリブデン等の金属により形成された基板ホルダー106と、結晶成長用基板を加熱するヒータ107と、ヒータ107の温度を検出する熱電対108とから構成されている。
【0004】
しかしながら、図10(b)〜(d)に示す基板保持部106aと基板非保持部106bとからなる基板ホルダー106の断面図に示すように、基板非保持部106bの上面部に成長する半導体結晶は、基板非保持部106bを形成する部材の金属と格子整合をしないため、結晶成長が完了した結晶成長基板を取り替えながら結晶成長を繰り返すと、図10(c),(d)の基板非保持部106bの上面部に堆積する結晶110Aや110Bに示すように樹枝状の結晶を有するデンドライド成長となるので、基板非保持部106bの表面積が増加することになる。従って、基板非保持部106bの表面積が増加するため、基板非保持部106bの輻射量が増大するので、図11に示すようにターンテーブル105の温度を一定に保ったとしても、基板非保持部106bに堆積する結晶の成長膜厚が増加するにつれて基板ホルダー106の温度、すなわち結晶成長用基板の温度が低下してしまっていた。
【0005】
そこで、基板温度を測定して加熱温度を補正することが試みられている。
【0006】
以下、従来の温度補正装置を有する半導体製造装置を図面を参照しながら説明する。
【0007】
図12(a)は従来の温度補正装置を有する半導体製造装置の正面図である。図12(a)において、図10(a)に示した部材と同一の部材には同一の符号を付すことにより説明を省略して新たな部材のみを説明すると、基板ホルダー106の表面から放射される輻射光120を検出する赤外線温度計121が反応室101の上部に設けられ、赤外線温度計121が検出した輻射光120を解析する赤外線温度測定器122が反応室101の外部に設けられている。
【0008】
本温度補正装置の補正方法は、基板ホルダー106の表面からの輻射光120を赤外線温度計121によって検出することにより、基板ホルダー106の基板保持部106aの輻射率を常に一定とみなして赤外線温度測定器122により結晶成長時の温度を算出して、所望の結晶成長温度になるようにヒータ107の加熱温度を補正するという方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、成長する半導体結晶の組成によって輻射率がそれぞれ異なるため、正確な基板温度が測定できないという問題を有していた。
【0010】
さらに、基板ホルダー106の基板非保持部106bの上面部に形成された多結晶体は異なる輻射率を呈するため、基板保持部106aに保持されている結晶基板からの輻射光120のみを測定する必要があるが、複数枚の結晶成長用基板を同時に成長させる場合には、図12(b)に示すように、基板保持部106aが同心円状に並んで回転しているので、温度測定部123は基板保持部106aだけでなく、同時に基板非保持部106bの上面部に堆積した樹枝状のデンドライト成長した多結晶体からの輻射光120をも測定してしまうことになり、正確な基板温度が得られないという問題を有していた。
【0011】
本発明は前記従来の問題を解決するもので、結晶成長工程の処理回数にかかわらず結晶成長温度が一定となるようにし、また、結晶成長用基板の基板温度を正確に測ることができるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成する本発明は、ヒータによって加熱されているターンテーブル上に金属からなる基板保持具を介して固定されている半導体基板の表面に原料ガスを提供することによって半導体からなる結晶を前記半導体基板の表面に成長させる結晶成長方法であって、
前記半導体基は基板保持具に保持され、
前記基板保持具は、前記半導体基板を保持する領域である基板保持部と、前記半導体基板を保持しない領域である基板非保持部とを有し、
前記基板非保持部の上面部にショットピーニングによって径が50ミクロン以上の凹部又は凸部形成されているが、前記基板保持部の上面部には前記凹部又は凸部は形成されていないことによって、前記結晶の成長温度が一定となっている
【0020】
板非保持部の上面部には径が50ミクロン以上の凹部又は凸部が形成されているため、製造時の結晶成長工程の初回から基板非保持部の上面の表面積が大きいので、基板非保持部の上面に堆積する半導体結晶がデンドライト成長したとしても表面積が増加しない。
【0051】
【発明の実施の形態】
第1の参考形態
本発明の第1の参考形態を図面を参照しながら説明する。
【0052】
図1(a),(b)は本発明の第1の参考形態に係る基板ホルダーを示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるI−I線による断面図である。(c)は第1の参考形態の第1変形例の基板保持具の断面図である。(a)に示す高融点金属であるモリブデン等からなる基板保持具である基板ホルダー10Aは、半導体結晶の結晶成長用基板を保持する基板保持部11と、基板ホルダー10Aの基板保持部11を除く領域の上面が結晶成長用基板の結晶格子との格子不整合率が10%以内の多結晶基板により覆われた基板非保持部12とから構成されている。基板ホルダー10Aは、図10又は図12に示した従来の半導体製造装置におけるターンテーブル105上の基板ホルダー106に替えて使用することを想定している。
【0053】
このように、本参考形態によると、基板ホルダー10Aの基板非保持部12の上面が結晶成長用基板の結晶格子との格子不整合率が10%以内の多結晶基板により覆われているため、基板非保持部12の上面に堆積する半導体結晶がエピタキシャル成長するので、核生成がスムーズに進行し、樹枝状のデンドライト成長とならずに平坦になる。その結果、基板非保持部12の表面積が増大することがなくなるため、製造時に結晶成長工程の回数を重ねても、基板非保持部12からの輻射量が増加することがないので、結晶成長温度が一定となり、常に良質の半導体結晶を得ることができる。なお、格子不整合率が10%以内の多結晶基板であれば格子不整合が起きないという事実は、多数回の試行により経験的に見いだしたものである。
【0054】
また、多結晶基板からなる基板非保持部12に凹部を設けて基板保持部11を形成しているため、基板ホルダー10Aを高速に回転させたとしても、結晶成長用基板が外れて飛び出すことはない。
【0055】
結晶成長用基板の重量によっては(c)の基板ホルダー10Bに示すように、基板保持部11と基板非保持部12とのそれぞれに凹部を設けると、さらに安定して回転させることができるようになる。
【0056】
また、本発明の半導体結晶は、直径が2インチのInP(インジウムリン)等の化合物半導体を想定しているが、最も一般的なシリコンよりなる単結晶又は多結晶基板を基板非保持部12に用いても凹凸の少ない表面状態が得られるため、3枚以上の多数枚の結晶成長用基板を保持する基板ホルダーの場合には、基板非保持部12を覆う大きな結晶が必要なときにシリコン基板は効果的である。
【0057】
第2の参考形態
以下、本発明の第2の参考形態を図面を参照しながら説明する。
【0058】
図2(a),(b)は本発明の第2の参考形態に係る基板ホルダーを示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるII−II線による断面図である。(a)に示す高融点金属であるモリブデン等からなる基板保持具である基板ホルダー20は、半導体結晶の結晶成長用基板を保持する基板保持部21と、基板ホルダー20の基板保持部21を除く領域の上面が結晶成長用基板と同一の材料よりなる複数の単結晶基板により稠密に覆われた基板非保持部22とから構成されている。基板ホルダー20は、図10又は図12に示した従来の半導体製造装置におけるターンテーブル105上の基板ホルダー106に替えて使用することを想定している。
【0059】
第1の参考形態においては、大口径の多結晶基板によって基板ホルダー10Aの基板非保持部12の上面を覆ったが、本参考形態においては、結晶成長用基板と全く同一の材料よりなる複数の単結晶基板を用いて基板ホルダー20の基板非保持部22の上面を稠密に敷き詰めて覆っている。
【0060】
基板ホルダー20の基板非保持部22の上面に堆積する結晶と基板非保持部22の結晶基板の結晶とは格子定数が同じであるため、基板非保持部22に堆積する結晶はデンドライト成長しないので、その表面積が増大することがない。その結果、製造時に結晶成長工程の回数を重ねても、基板非保持部22からの輻射量が増加することがないので、結晶成長温度が一定となり、常に良質の半導体結晶を得ることができる。
【0061】
また、Si(シリコン)よりなる半導体又はInP(インジウムリン)、GaAs(ガリウムヒ素)等よりなる化合物半導体の結晶は、鉄やコバルトの(1 −1 0)面にも格子整合をとれるため、(1 −1 0)面からなる鉄又はコバルトを用いて図1又は図2に説明した基板ホルダーの基板非保持部を被覆してもよい。
【0062】
さらに、ウンモやイオウ等のファンデアワールス材料によって基板非保持部を被覆しても、ファンデアワールス材料は表面に結合手を有していないため、Siよりなる半導体、InP又はGaAs等よりなる化合物半導体の結晶は自己の格子定数により成長するので、格子不整合が生じない。従って、第1及び第2の参考形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0064】
図3(a),(b)は本発明の第1の実施形態に係る基板ホルダーを示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるIII・−III・線による断面図である。(a)に示す高融点金属であるモリブデン等からなる基板保持具である基板ホルダー30は、半導体結晶の結晶成長用基板を保持する基板保持部31と、基板ホルダー30の基板保持部31を除く領域の上面部に径が50μm以上の凹部又は凸部が形成された基板非保持部32とから構成されている。基板ホルダー30は、図10又は図12に示した従来の半導体製造装置におけるターンテーブル105上の基板ホルダー106に替えて使用することを想定している。
【0065】
本実施形態の特徴として、モリブデン等の高融点金属よりなる基板非保持部32は、ショットピーニング等によってその上面部には50μm以上の径が凹部又は凸部が形成されているため、製造時における初回の結晶成長工程においても、基板非保持部32の表面積は十分に大きいので、結晶成長工程の回数を重ねても、基板非保持部32の表面積はほとんど変化しない。その結果、基板非保持部32からの輻射量が変化しないので、結晶成長温度が一定となり、良質の半導体結晶を得ることができる。
【0066】
第3の参考形態
以下、本発明の第3の参考形態を図面を参照しながら説明する。
【0067】
図4(a),(b)は本発明の第3の参考形態に係る基板ホルダーを示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるIV−IV線による断面図である。(a)に示す高融点金属であるモリブデン等からなる基板保持具である基板ホルダー40は、半導体結晶の結晶成長用基板を保持する基板保持部41と、基板ホルダー40の基板保持部41を除く領域の上面が3か所のネジ42aにより取り付けられたステンレス又はモリブデンよりなる均熱板によって覆われた基板非保持部42とから構成されている。基板ホルダー40は、図10又は図12に示した従来の半導体製造装置におけるターンテーブル105上の基板ホルダー106に替えて使用することを想定している。
【0068】
参考形態の特徴として、基板ホルダー40の基板非保持部42の上面を覆う均熱板は3本のネジ42aのみにより基板ホルダー40に取り付けられており、均熱板と基板ホルダー40の基板非保持部42とは空間が形成されているため、基板ホルダー40の熱が均熱板に直接に伝わりにくいので、均熱板の温度は基板保持部41に接している結晶成長用基板の温度よりも低くなる。その結果、均熱板の温度は結晶成長用基板の温度よりも低くなるため、原料ガスの熱分解が進みにくくなるので、均熱板の上面に結晶が成長しにくくなると共に、均熱板からの輻射量が減少する。従って、製造時に結晶成長工程の回数を重ねても、基板非保持部42の表面積はほとんど変化せず、基板非保持部42からの輻射量が変化しないので、結晶成長温度が一定となり、良質の半導体結晶を得ることができる。
【0069】
第4の参考形態
以下、本発明の第4の参考形態を図面を参照しながら説明する。
【0070】
図5(a),(b)は本発明の第4の参考形態に係る基板ホルダーを示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるV−V線による断面図である。(a)に示す高融点金属であるモリブデン等からなる基板保持具である基板ホルダー50は、半導体結晶の結晶成長用基板を保持する基板保持部51と、基板ホルダー50の基板保持部51を除く領域の上面部が基板保持部51の上面部よりも低くなるように形成された基板非保持部52とから構成されている。基板ホルダー50は、図10又は図12に示した従来の半導体製造装置におけるターンテーブル105上の基板ホルダー106に替えて使用することを想定している。
【0071】
参考形態の特徴として、基板ホルダー50の基板非保持部52の上面部は、基板保持部51の上面部よりも低くなるように形成されているため、基板保持部51の上面部を基準に設定された原料ガスの熱分解が進行する境界層を外れるので、基板非保持部52の上面での原料ガスの熱分解が進みにくくなり、これにより、基板非保持部52の上面に結晶が成長しにくくなる。従って、製造時に結晶成長工程の回数を重ねても、基板非保持部52の表面積はほとんど変化しないため、基板非保持部52からの輻射量が変化しないので、結晶成長温度が一定となり、良質の半導体結晶を得ることができる。
【0072】
また、各参考形態における基板ホルダーの基板非保持部の部材が成長する半導体結晶と異なる部材を用いている場合に、該半導体結晶と同等の輻射率を有する部材によって基板非保持部を作製すると、製造時における初回の結晶成長工程における基板非保持部の輻射率と成長工程の回数を重ねた後の基板非保持部の輻射率とが変化しなくなる。従って、図11(a)により説明した基板ホルダーの表面からの輻射光を測定することにより温度補正を行なう際に、輻射率が変化しないので、正確に基板ホルダーの表面温度を測定することができる。
【0073】
なお、基板ホルダーは3、4枚の結晶成長用基板を保持できる構造としたが、本発明はこれに限るものではなく、基板の大きさや材料に応じて単数から複数まで幅広く対応できるものであり、特に複数枚の基板を同時に成長させる場合に有効となる。
【0074】
また、本発明の各参考形態に係る基板ホルダーは、半導体結晶用の原料となるガスを加熱分解するための反応室と、反応室の外部から原料となるガスを反応室に導くガス導入部と、ガス導入部の直下にガス導入部から吹き出す原料となるガスの流れを遮るように設けられ、ターンテーブル用駆動軸により高速に回転するターンテーブルと、ターンテーブルに固定され、結晶成長用基板を保持する基板保持具と、結晶成長用基板を加熱する加熱手段としてのヒータとを備えた半導体製造装置における基板保持具に適用することができるが、前記の半導体装置の全体構成については図9に基づき説明した従来のものと同様であるので、説明を省略する。
【0075】
なお、これまで説明した基板ホルダーはターンテーブルに取り付けられて回転することを想定しているが、基板ホルダーとターンテーブルとが一体になった基板保持具であってもかまわない。
【0076】
第5の参考形態
以下、本発明の第5の参考形態に係る結晶成長方法を説明する。
【0077】
結晶成長用基板を保持する基板保持部及び基板保持部を除く基板非保持部を有する各参考形態や従来の基板ホルダーにおける基板非保持部の部材と、結晶成長させる半導体結晶との格子不整合率が10%以内にならない場合は、部材や部材の形状による程度の差こそあれ、基板非保持部にデンドライト型の結晶が堆積する。
【0078】
そこで、基板保持具に保持された結晶成長用基板を所定の温度になるまで昇温する昇温工程と、前記結晶成長用基板に半導体結晶を成長させる結晶成長工程とを備えた結晶成長方法において、毎回の昇温工程の前に、基板非保持部の上面部に堆積したデンドライト型の結晶を平坦化するマイグレーション工程を追加する。
【0079】
例えば、所望の半導体結晶をIII-V族の化合物半導体とすると、反応室に原料のうちの一部であるV族ガスを供給しながら、基板保持具を結晶成長工程よりも100度ほど高い700度以上にして30分間加熱するベーキング処理を行なう。
【0080】
これにより、基板保持具の基板非保持部に堆積したデンドライト型の結晶は結晶表面のマイグレーションが促進されるため、樹枝状の凹凸が平坦化されるので、基板非保持部の表面積が小さくなる。その結果、基板非保持部の輻射量が減少するため、結晶成長用基板の基板温度の低下が抑制されるので、結晶成長工程の回数を重ねて基板非保持部に結晶が堆積したとしても、良質の半導体結晶を得ることができる。
【0081】
第6の参考形態
以下、本発明の第6の参考形態に係る半導体製造方法における基板温度の測定方法を図面を参照しながら説明する。
【0082】
図11に基づいて説明したように、従来の気相成長法による半導体製造装置は、赤外線温度計により結晶成長用基板の表面温度を測定していたが、基板保持具からの輻射率の変動による誤差が大きいため、基板の温度を正確に測定できないという問題を有していた。
【0083】
参考形態は、ドーパントの取り込み効率が基板温度によって大きく変化することに着目して基板温度を測定する。例えば、InPよりなる半導体結晶を製造するときのp型ドーパントとしてZn(亜鉛)を添加する際には、同率のZn元素を含む原料ガスを添加したとしても、図6に示すように、基板温度によってInPよりなる半導体結晶のホール濃度が変化することが分かる。これは、結晶内に取り込まれるZnの濃度が基板温度によって異なるためである。
【0084】
従って、同率のZn元素を含む原料ガスを供給したときの成長後の半導体結晶のホール濃度を評価すれば、図6に示す基板温度評価関数から基板温度を求めることができる。特に、Znの取り込み効率は基板温度依存性が大きいため、基板温度を正確に測定することができる。
【0085】
このように、本参考形態によると、半導体の成膜処理だけでなく拡散処理をも含めた熱処理工程において、あらかじめ所望の半導体の基板温度と、該半導体のドーパントの添加量とキャリア濃度との比との関係を表わす基板温度評価関数を準備工程として求めておき、基板温度評価関数を用いて成膜処理又は拡散処理の温度を制御するため、良質の半導体結晶を得ることができる。
【0086】
第7の参考形態
以下、本発明の第7の参考形態に係る半導体製造方法における基板温度の測定方法を説明する。
【0087】
例えばIn(インジウム),Ga(ガリウム),As(ヒ素)及びP(リン)を組成とするような4元混晶からなるIII-V族の半導体結晶を製造する場合にも基板温度の変化により組成変化が生ずる。これは、アルシン(AsH3 )に比べてホスフィン(PH3 )はその分解効率の成長温度依存性が大きいためである。すなわち、基板温度が低下すると、ホスフィンの分解効率が著しく低下するため、4元混晶はAsの含有量が相対的に増加する。Asの含有量の増加は、格子不整合及びPL(フォトルミネセンス法)波長の変化となって現われるため、格子不整合が起きないように成長温度を変化させることにより基板温度を一定に保つことができる。
【0088】
このように、本参考形態によると、半導体の成膜処理だけでなく拡散処理をも含めた熱処理工程において、あらかじめ所望の半導体の基板温度と、該半導体のエネルギーバンドギャップと格子定数とが共に等しくなるような少なくとも第1のV族ガス及び第2のV族ガス、例えばアルシン及びホスフィンの供給比との関係を表わす基板温度評価関数を準備工程として求めておき、基板温度評価関数を用いて成膜処理又は拡散処理の温度を制御するため、4元混晶からなる良質なIII-V族の半導体結晶を得ることができる。
【0089】
以下、具体的に、本発明の第6又は第7の参考形態に係る半導体製造方法を図面を参照しながら説明する。
【0090】
まず、第6の参考形態に示したキャリア濃度と基板温度との関係から、又は第7の参考形態に示した少なくとも第1のV族ガス及び第2のV族ガスの供給比と基板温度との関係から基板温度評価関数を定義しておく。
【0091】
次に、基板保持具に保持された結晶成長用基板を所定温度になるまで昇温する昇温工程と、前記結晶成長用基板に半導体結晶を成長させる結晶成長工程とを備えた半導体製造方法において、図7に示すあらかじめ定義された精密な基板温度評価関数を用いることにより、結晶成長工程における基板保持具の基板非保持部に堆積した半導体結晶の膜厚に応じた基板温度を正確に求めることができる。従って、図8に示すように、膜厚に応じた基板温度と設定温度との温度差を求めて、所定温度に該温度差を加えることにより所定温度を正確に補正することができるので、良質の半導体結晶を得ることができる。
【0092】
第8の参考形態
以下、本発明の第8の参考形態を図面を参照しながら説明する。
【0093】
図9は本発明の第8の参考形態に係る半導体製造装置の正面図である。図9に示すように、本半導体製造装置は、半導体結晶用の原料ガスを加熱分解するための反応室61と、反応室61の外部から原料ガスを反応室61に導くガス導入部62と、ガス導入部62の直下にガス導入部62から吹き出す原料ガスの流れ63を遮るように設けられ、ターンテーブル用駆動軸64により毎分500回以上で回転するターンテーブル65の上面に固定されており、結晶成長用基板を保持する基板保持部と基板保持部を除く基板非保持部とからなるステンレス又はモリブデン等の金属により形成された基板保持具としての基板ホルダー66と、ターンテーブル65の温度を検出する第1の温度検出器としてのモニタ用熱電対67と結晶成長用基板を加熱する加熱手段としてのヒータ68と、ヒータ68の温度を検出する第2の温度検出器としてのコントロール用熱電対69とから構成されている。
【0094】
このように本参考形態によると、図12に示した基板ホルダーの表面の輻射光を測定することなく、ターンテーブルの近傍に設置したモニタ用熱電対67により基板ホルダー66の温度を測定するため、結晶成長工程の回数を重ねるごとに基板温度の測定誤差が増大することがないので、基板ホルダーの温度制御を正確にできるようになり、従って、良質の半導体結晶を製造することができる。
【0095】
なお、基板ホルダー66とターンテーブル65とは必ずしも分離できる構成でなくてもよく、一体である構成であってもよい。
【0096】
以下、本発明の第8の参考形態に係る製造装置を用いた製造方法を説明する。
【0097】
基板保持具に保持された結晶成長用基板を所定温度になるまで昇温する昇温工程と、所定温度に昇温された結晶成長用基板に半導体結晶を成長させる結晶成長工程とを備えた半導体製造方法を考える。
【0098】
まず、昇温工程において、コントロール用熱電対69によりヒータ68を制御しながら基板ホルダー66を加熱する。ヒータ68の近傍部分の温度を測定することにより、昇温時の基板温度のオーバーシュートをなくすことができる。ヒータ68の温度が一定になった後に、所望の半導体結晶を得るための設定温度とモニタ用熱電対67との温度差を求め、その温度差を所定の加熱温度に反映させた加熱温度を新たな所定温度とする。その後、新たな所定温度となるようにコントロール用熱電対69を用いてヒータ68に供給する電力を調整する。
【0099】
次に、結晶成長工程において、基板ホルダー66に保持されている結晶成長用基板の基板温度が結晶成長工程の回数を重ねても低下することなく、結晶成長を行なうことができる。
【0104】
本発明に係る結晶成長方法によると、製造時の結晶成長工程の初回から基板保持具の基板非保持部の表面積が大きいため、基板保持具の基板非保持部の上に堆積する半導体結晶がデンドライト成長したとしても表面積が増加しないので、結晶成長工程の処理回数にかかわらず、基板保持具からの輻射量が変化しなくなる。これにより、基板保持具の温度が変化しなくなるので、基板保持具に保持されている結晶成長用基板の結晶成長温度を一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考形態に係る基板ホルダーを示す図であって、
(a)は平面図であり、
(b)は(a)におけるI−I線による断面図であり、
(c)は第1の参考形態の第1変形例に係る基板保持具の断面図である。
【図2】 本発明の第2の参考形態に係る基板ホルダーを示す図であって、
(a)は平面図であり、
(b)は(a)におけるII−II線による断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態に係る基板ホルダーを示す図であって、
(a)は平面図であり、
(b)は(a)におけるIII・−III・線による断面図である。
【図4】 本発明の第3の参考形態に係る基板ホルダーを示す図であって、
(a)は平面図であり、
(b)は(a)におけるIV−IV線による断面図である。
【図5】 本発明の第4の参考形態に係る基板ホルダーを示す図であって、
(a)は平面図であり、
(b)は(a)におけるV−V線による断面図である。
【図6】 本発明の第6の参考形態に係る半導体製造方法における半導体結晶の基板温度とホール濃度との相関関係を表わすグラフ図である。
【図7】 本発明の第6又は第7の参考形態に係る半導体製造方法における基板ホルダーに堆積した結晶の成長膜厚と基板温度との関係を表わした評価関数のグラフ図である。
【図8】 本発明の第6又は第7の参考形態に係る半導体製造方法における基板ホルダーに堆積した結晶の成長膜厚と設定温度との相関関係を表わすグラフ図である。
【図9】 本発明の第8の参考形態に係る半導体製造装置の正面図である。
【図10】 (a)は従来の半導体製造装置の正面図であって、
(b)〜(d)は従来の結晶成長工程ごとの基板ホルダーの断面図である。
【図11】 従来の基板ホルダーに堆積した結晶の成長膜厚と基板温度との相関関係を表わしたグラフ図である。
【図12】 (a)は従来の温度補正装置を有する半導体製造装置の正面図であって、
(b)は従来の基板ホルダーの平面図である。
【符号の説明】
10A 基板ホルダー
10B 基板ホルダー
11 基板保持部
12 基板非保持部
20 基板ホルダー
21 基板保持部
22 基板非保持部
30 基板ホルダー
31 基板保持部
32 基板非保持部
40 基板ホルダー
41 基板保持部
42 基板非保持部
42a ネジ
50 基板ホルダー
51 基板保持部
52 基板非保持部
61 反応室
62 ガス導入部
63 ガスの流れ
64 ターンテーブル用駆動軸
65 ターンテーブル
66 基板ホルダー
67 モニタ用熱電対
68 ヒータ
69 コントロール用熱電対

Claims (1)

  1. ヒータによって加熱されているターンテーブル上に金属からなる基板保持具を介して固定されている半導体基板の表面に原料ガスを提供することによって半導体からなる結晶を前記半導体基板の表面に成長させる結晶成長方法であって、
    前記基板保持具は、前記半導体基板を保持する領域である基板保持部と、前記半導体基板を保持しない領域である基板非保持部とを有し、
    前記基板非保持部の上面部にショットピーニングによって径が50ミクロン以上の凹部又は凸部形成されているが、前記基板保持部の上面部には前記凹部又は凸部は形成されていないことによって、前記結晶の成長温度が一定となっていることを特徴とする、結晶成長方法
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