JP3872258B2 - 固相反応によりハロゲン化芳香族化合物を製造する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固相で芳香族化合物とピリジニウムハライドパーハライドと反応させてハロゲン化芳香族化合物を製造する方法、特に全反応工程において有機溶剤を使用しない前記ハロゲン化芳香族化合物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学反応を進行させるには、反応原料が十分接触する条件が必要であるから、該原料を溶解させることができ、かつ反応に関与しない溶媒を用いたり、原料が気化できるものであれば気相で反応を行わせるのが普通である。特に反応原料および反応生成物が有機物質であるとき溶媒として有機溶媒が使われる。
しかしながら、有機溶剤の使用は、行程面、環境面、安全面などで製造コストに占める費用(溶剤費用、溶剤回収費用、溶剤使用に伴う設備の建設費用)が大きいことは言うまでもない。また、環境面、安全面でも多大の注意を払わなければならならず、その煩雑さは莫大なものがある。
上記反応において、溶媒は単に反応環境を提供すると言うだけでなく、反応熱の除去、不純物の除去などの機能を持つので化学反応において適当な溶媒の選択は重要なことである。
【0003】
前記化学常識の中で、溶媒を用いない反応や固相反応なども研究されて提案もされている。例えば、溶媒を用いない反応として、特開昭49−31638号公報にはフェノール類とアルキルイソシアネート類とを触媒の存在下で反応させてカーバメート類を製造する方法であり、反応条件として、生成するカーバメート類の融点以上の温度を採用している。このように溶媒を用いない反応では溶融状態の反応条件を提案している。
これに対し、異なった分子の反応原料を固体状態において反応させる研究もされており、光を反応の引き金とする反応だけでなく、フェノールやアセチレン類の酸化的カップリング、アルドール縮合など多くの反応が固体状態において、効率よく、しかも選択的に進行することが認められていることが〔東京化学同人、野依良治 他「大学院講義有機化学」I分子構造と反応・有機金属化学、頁190-193,1999年〕に解説されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ハロゲン化アリールの製造方法の典型的なものとしては、芳香族炭化水素に適当な触媒下において塩素、臭素などを作用させて、ハロゲンを置換するもの、更にトリクロロメタンに芳香族化合物を溶かし、これにトリクロロメタンに臭素を溶解した溶液を加え臭素化する方法などを挙げることができる。前記のように、ハロゲン化アリールの製造方法に無溶媒の反応や固相状態の反応を用いることは勿論、有機溶媒を一切使わない反応系を用いることは知られていない。
本発明の課題は、前記有機溶媒を用いる反応における不都合をなくし、前記ハロゲン化アリール化合物の製造方法に対して、工程が簡易化されたハロゲン化芳香族化合物の製造方法を提供することである。
そこで、前記課題を解決すべく鋭意検討する中で、従来スモールスケールの臭素化剤として知られているピリジニウムハライドパーハライドを芳香族化合物のハロゲン化に用いて、固相にて反応を試みたところ、驚くべきことに芳香族ハロゲン化物が高効率、高収率で得られることが分かった。また、目的物の取得は水系を用いて、生成物を濾過操作により比較的純粋に採取でき、反応全体を通じて一切有機溶媒必要としない、ハロゲン化芳香族化合物の製造方法を確立できることが分かり、前記課題を解決した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、芳香族化合物とピリジニウムハライドパーハライドとを固相で接触させて反応させることを特徴とするハロゲン化芳香族化合物の製造方法である。好ましくは、ピリジニウムハライドパーハライドがピリジニウムブロマイドパーブロマイドであることを特徴とする前記ハロゲン化芳香族化合物の製造方法であり、より好ましくは、ピリジニウムハライドパーハライドを芳香族化合物に対して1.5〜5倍モル用いることを特徴とする前記ハロゲン化芳香族化合物の製造方法である。
また、本発明の第2は、芳香族化合物とピリジニウムハライドパーハライドとを固相で接触させて反応させ、該反応混合物に還元剤を加え過剰のピリジニウムハライドパーハライドを還元し、次いで水を加えた後生成したハロゲン化芳香族化合物をろ過することにより採取することを特徴とする、全行程において有機溶剤を使用することなくハロゲン化芳香族化合物を製造する方法である。
【0006】
【本発明の実施の態様】
本発明をより詳細に説明する。
A.本発明のハロゲン化の対象となる化合物は難水溶性乃至水不溶性のものであり、典型的には芳香族炭化水素環からなる化合物であり、前記水に対する特性を損なわない置換基、OH基、アルコキシ基、アミノ基、アルキル基など有していても良い。前記芳香族環としては縮合環、例えばナフタレン環、アントラセン環、ピレン環などを好ましいものとして挙げることができる。
【0007】
B.ピリジニウムハライドパーハライドは一般式1(式中Xは、Br、I、Cl)で表される。
【0008】
【化1】
Figure 0003872258
【0009】
前記ハロゲン化反応に際しては、芳香族化合物に対して前記ピリジニウムハライドパーハライドを過剰量使用する。その量は反応時間、反応温度、収率との関連で決められるが、一般的には芳香族化合物1モルに対してピリジニウムハライドパーハライドは1.5倍モル〜数倍モル用いる。
C.前記反応は基本的には触媒を必要としないが、必要に応じて、Fe粉末、FeBr3などを用いることができる。
D.反応生成物から目的物のハロゲン化芳香族化合物を分離採取するには、該反応生成物に還元剤、例えば、塩酸ヒドロキシルアミン(NH2OH・HCl)などを加えてハロゲン化剤を還元後、水を加えた後、ろ過することによりほぼ純粋な形で目的化合物を取得できる。
【0010】
E.該反応の工程を図1に示す。
1.微細に粉砕した(固相反応性を高める)粉末状の原料芳香族化合物(AR)とピリジニウムハライドパーハライド(PyX)とを適当な供給手段、例えばスクリューフィーダ(Fd1,Fd2)などのにより撹拌手段をもつ反応器(RT)に供給する工程。
2.反応器内の原料を、原料化合物により反応性が違うので、それに対応した時間撹拌を継続する工程。
反応器としては、粉末状の固体を十分混合接触させることができればよい。
3.適当な時間撹拌後混合物を取り出し、これに過剰のピリジニウムハライドパーハライドを還元する還元剤(RD)を加える工程(バッチ式の場合には反応器に直接)。
必要に応じて触媒(Cat)を加える。
4.これに、更に水(W)を加える。目的化合物は水に不溶性であるから、水から分離させる工程。例えばピリジニュウブロマイドパーブロマイドを用いた場合、臭素は無害の臭化物イオンに還元され、還元剤である塩化ヒドロキシルアンモニウム自身は酸化されて窒素ガスと塩化アンモニウムとなる。したがって水には有機物としてピリジンが少し含まれているだけとなる。)
5.水に不溶性の目的化合物(Pr)を、適当なろ過手段(F)によりろ過分離させる工程。
【0011】
【実施例】
以下の実施例中、部とは重量部あり、%とは重量%である。
実施例1
乳鉢にβ−メトキシナフタリン1.6重量部とピリジニュウムブロマイドパーブロマイド6.4重量部を加えて良く混合し、一時間デシケーター中に放置した。この反応混合物に塩化ヒドロキシルアンモニウム1.4部を加えて良く混合し、残存する臭素を還元した後、水を加え吸引濾過して生成物であるα−ブロモ−β−メトキシナフタレン2.3部(収率97%)を得た。
【0012】
実施例2〜
表1に記載の芳香族化合物芳香族化合物(実験室スケールでは1 mmol)とブロム化剤としてピリジニウムブロマイドパーブロマイド(5 mmol)をモル比1:5で乳鉢に入れ、必要な場合は触媒として、粉末状の金属鉄(1 mmol)または臭化鉄(1 mmol)も加えて、約1分間混合した後、1時間放置し、反応を完結させる。
次に、反応混合物に、還元剤として塩化ヒドロキシルアンモニウム(5 mmol)を加え、水を少しずつ加えて混合することにより、残留ブロム化剤の還元処理を行う。この時、生成物は水に不溶のため、固体として析出するのでろ過をし、水洗するだけで簡単に分離できる。
一方、残留ブロム化剤の臭素は、無害の臭化物イオンに還元される。塩化ヒドロキシルアンモニウム自身は酸化されて窒素ガスと塩化アンモニウムとなる。
反応条件と結果を表1にまとめて示す。なお、反応中に触媒を使用した場合は収率の値の下に()して触媒の種類を示した。
原料芳香族化合物により反応性が異なることが分かる。
【0013】
【表1】
Figure 0003872258
【0014】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の固相反応においては、目的物を採取するまでの工程を有機溶媒を用いることなく、比較的高効率、高収率(原料芳香族炭化水素を基準にして)でハロゲン化芳香族化合物が得られると言う優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のハロゲン化芳香族化合物を得るための工程の概略図
【符号の説明】
AR 芳香族化合物原料 Fd1、Fd2 フィーダー
PyX ピリジニウムハライドパーハライド CaT 触媒 RT 反応器
RD 還元剤化合物 W 水 Pr 目的物(製品)
F ろ過器のフィルター

Claims (4)

  1. 芳香族化合物とピリジニウムハライドパーハライドとを固相で接触させて反応させることを特徴とするハロゲン化芳香族化合物の製造方法。
  2. ピリジニウムハライドパーハライドがピリジニュウブロマイドパーブロマイドであることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化芳香族化合物の製造方法。
  3. ピリジニウムハライドパーハライドを芳香族化合物に対して1.5〜5倍モル用いることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化芳香族化合物の製造方法。
  4. 芳香族化合物とピリジニウムハライドパーハライドとを固相で接触させて反応させ、該反応混合物に還元剤を加え過剰のピリジニウムハライドパーハライドを還元し、次いで水を加えた後ろ過することにより、有機溶剤を使用することなくハロゲン化芳香族化合物を製造する方法。
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