JP3871606B2 - 住宅インフィルシステムを構成する壁パネル、天井パネル、壁フレーム及び天井フレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅インフィルシステムを構成する住宅等の壁や天井に設置されるパネル及びそれらのパネルの一部を構成するフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
一戸建て住宅や集合住宅における壁面の構成方法として、壁パネルを使用する方法がある。この方法は、工場で生産された壁パネルを、施工される部分の大きさに合わせて組み合わせていく方法である。壁パネルの寸法は規格化されており、住宅部材として多種在庫されている。このような方法は、天井パネルの設置にも適用できる。本発明者らは、特願2001−39996号において、このような壁パネルや天井パネル等を提案した。
【0003】
図12は、特願2001−39996号に提案されている壁パネルの構造を示す図であり、図12(A)は正面図、図12(B)は側面図、図12(C)は裏面図である。
図13は、図12の壁パネルを分解した図であり、図13(A)は固定フレームの正面図、図13(B)は可動フレームの正面図である。
図14は、図12の壁パネルの構造を詳細に説明する図であり、図14(A)は固定フレーム上端部の斜視図、図14(B)は図12(C)のIIIB断面図である。
図12に示すように、壁パネル201は、壁ボード203に固定された固定フレーム205と、同固定フレーム205にスライド可能に接合する可動フレーム207とから構成される。
【0004】
図13、図14を参照して、各部材について説明する。
壁ボード203は標準寸法の大きさを有し、この例では高さ1800mm、幅が600mm、厚さ9.5mmの石膏ボードである。この壁ボード203の一面の中央及び左右端には、高さ方向に延びる3本のガイド部材209−1〜3が固定されている。図14から分かるように、ガイド部材209−1及び209−2は断面がH字型で、両側面には高さ方向に沿って凹部(スライド溝)が形成されている。ガイド部材209−3の一側面には凹部、他方の側面には凸部が、高さ方向に沿って形成されている。
また、外側の両ガイド部材209の外面に高さ方向に沿った凹部を設け、やとい実を利用して連結する方法もある。
【0005】
図14(A)に最も分かり易く示すように、壁ボード203の上端の各ガイド部材209の間には、横方向に延びる2本のガイド片211が接着剤で固定されている。ガイド片211の両端とガイド部材209の側面の間の空間221の幅隔は約30mmである。
壁ボード203の下端には、横方向に延びるクロス部材213が固定されている。クロス部材213は、3本のガイド部材9の下端を接続している。
【0006】
このように壁ボード203に固定された各ガイド部材209及びガイド片211は、壁ボード203とともに固定フレーム205を形成している。
【0007】
可動フレーム207は、上クロス部材215と、同上クロス部材215から下方に延びる4本のスライド部材217−1〜4と、隣り合うスライド部材217を結合する2本の下クロス部材219とから構成される。スライド部材217の間隔は、左右2組の一方が190mm、他方が180mm、中央部の2本間の間隔は40mmとなっている。各スライド部材217の一側面には高さ方向に沿って凸部が形成されている。
【0008】
図14(B)に示すように、4本のスライド部材217は、各側面の凸部の向きが交互(この例では、外側のものは外向き、内側のものは内向き)になるように配置されている。そして、4本のスライド部材217は、各々、固定フレーム205のガイド部材209とガイド片211の間の空間221に、凸部が、固定フレーム205のガイド部材209の凹部に噛み合う(係合する)ようにはめ込まれる。
【0009】
このような壁パネル201は、可動フレーム207を固定フレーム205から繰り出すことにより、壁面の大きさや形状に合わせて容易に設置することができる。また、可動フレーム207を固定フレーム205内に収めることにより壁パネルの寸法が小さくなって、持ち運びが便利になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この壁パネルにおいては、汎用性や施工性をさらに高めるため、以下の点を改良する余地があると考えられる。
▲1▼可動フレーム207のスライド部材217の間隔は、左右2組の一方で190mm、他方で180mm、中央部の2本間の間隔は40mmとなっている。固定フレーム205から可動フレーム207を繰り出して、可動フレーム207の繰り出された部分に石膏ボードを貼り付ける際に、可動フレーム207のスライド部材217の間隔が、石膏ボードの基本ピッチである尺モジュール(303mmピッチ)と一致しないため、石膏ボードの固定位置を規則的に位置決めできなくなる。このため、石膏ボードの加工が必要になり、石膏ボードの歩留まりが悪くなる。
▲2▼可動フレーム7のスライド部材17は4本あり、強度的には十分であるが、少なくする余地がある。
【0011】
▲3▼固定フレーム205のスライド片211は壁ボード203に接着剤で貼られて固定されているため、施工や搬送時に衝撃が加わると外れることがある。
▲4▼壁パネル201は壁フレームの片面に壁ボードが貼られた状態として完成されている。しかし、例えば、給水給湯管等を壁面の中を通して設置する場合、片面に壁ボードが貼られていると施工しづらい場合もある。また、外壁パネル等の両面貼りが不要なパネルにおいては、片面に壁ボードが貼られていると、パネル同士の連結作業(ビス止め)が難しく、作業性が悪くなる場合がある。このような背景により、壁ボードが貼られていない壁フレーム(スケルトンタイプ)も要求されている。
【0012】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、石膏ボードの施工性がより容易で、汎用性にも優れた壁パネル、天井パネル、壁フレーム及び天井フレームを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の壁パネルは、 壁フレームとその上に貼られた壁ボードからなる壁パネルであって、 前記壁フレームが、 前記壁ボードに固定されている固定フレームと、 該固定フレームからスライド式に繰り出される可動フレームと、を具備し、 前記可動フレームが複数のスライドバーを有し、 隣り合うスライドバー間のピッチが建築分野における定尺寸法となっていることを特徴とする。
スライドバーのピッチが尺モジュールの一つ(例えば303mm)とすることにより、繰り出された可動フレームに貼られる壁ボードの寸法決めや位置決めが容易になる。このため、施工時間が短縮し、壁ボードの歩留まりを改善できる。
【0014】
本発明の第2の壁パネルは、 壁フレームとその上に貼られた壁ボードからなる壁パネルであって、 前記壁フレームが、 前記壁ボードに固定されている固定フレームと、 該固定フレームからスライド式に繰り出される可動フレームと、を具備し、 前記スライドバーが1台の壁パネルについて2本のみ設けられており、 該スライドバーの繰り出し案内部が前記固定フレームの一辺側にのみ設けられていることを特徴とする。
スライドバーが2本であるため、材料が少なくてすむのでコストダウンを図れ、軽量化できる。なお、スライドバーが2本でも十分な強度が確保できる。
【0015】
本発明においては、 前記案内部が前記壁ボードに接着された部材からなり、前記壁ボードの両端部には前記スライドバーと平行な固定バーが該ボードに接着されており、 前記案内部の部材と前記固定バーとが連結されていることが好ましい。案内部の各部材を壁ボードや固定バーと固定及び連結しているため、部材が外れにくい。
【0016】
本発明の第1の天井パネルは、 天井フレームとその上に貼られた天井ボードからなる天井パネルであって、 前記天井フレームが、 前記天井ボードに固定されている固定フレームと、 該固定フレームからスライド式に繰り出される可動フレームと、を具備し、 前記可動フレームが複数のスライドバーを有し、 隣り合うスライドバー間のピッチが建築分野における定尺寸法となっていることを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の天井パネルは、 天井フレームとその上に貼られた天井ボードからなる天井パネルであって、 前記天井フレームが、 前記天井ボードに固定されている固定フレームと、 該固定フレームからスライド式に繰り出される可動フレームと、を具備し、 前記スライドバーが1台の天井パネルについて2本のみ設けられており、 該スライドバーの繰り出し案内部が前記固定フレームの一辺側にのみ設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、 前記案内部が前記天井ボードに接着された部材からなり、 前記天井ボードの両端部には前記スライドバーと平行な固定バーが該ボードに接着されており、 前記案内部の部材と前記固定バーとが連結されていることが好ましい。
【0019】
このような天井パネルにおいても、尺モジュールの天井パネルの位置決めを容易に行うことができ、パネルの軽量化、低コスト化を実現できる。
【0020】
本発明の第1の壁フレームは、 壁ボードを貼る壁フレームであって、 固定フレームと、 該固定フレームから繰り出される可動フレームと、を具備し、 該可動フレームがスライドバーを有し、 前記固定フレームが、固定バー及び前記スライドバーの案内部を有し、 該固定バー及び案内部が連結部材で連結されていることを特徴とする。
固定バーと案内部が連結部材で連結されて固定フレームを構成しており、壁ボードのないスケルトンタイプの壁フレームを形成できる。このようなスケルトンタイプにおいては、給水給湯管等を壁面の中に通して設置しやすくなる。また、外壁パネルなどの両面貼りが不要なパネルなどにおいて、パネル同士の連結が容易になる。
また、間仕切り壁のように両面に壁ボードを貼るタイプは強度が大きいが、外壁パネルの場合、壁ボードは片面にのみ貼られ、強度が小さくなる。そのため、連結部材の部分が壁の支えになるため、強度の低下を抑える効果がある。
【0021】
本発明においては、 前記連結部材の表面と前記固定バーの表面が面一であり、前記スライドバーの表面が前記連結部材の厚さだけ奥まっていること、あるいは、 前記連結部材の表面が前記固定バー及びスライドバーの表面より前記壁ボードの厚さ分だけ手前に突出しており、壁ボードが貼られた際に該連結部材の表面がボード面と面一となって壁面の一部を構成することとできる。
【0022】
本発明の天井フレームは、 天井ボードを貼る天井フレームであって、 固定フレームと、 該固定フレームから繰り出される可動フレームと、を具備し、 該可動フレームがスライドバーを有し、 前記固定フレームが、固定バー及び前記スライドバーの案内部を有し、 該固定バー及び案内部が連結部材で連結されていることを特徴とする。
【0023】
本発明においては、 前記連結部材の表面と前記固定バーの表面が面一であり、前記スライドバーの表面が前記連結部材の厚さだけ奥まっていること、あるいは、 前記連結部材の表面が前記固定バー及びスライドバーの表面より前記天井ボードの厚さ分だけ手前に突出しており、天井ボードが貼られた際に該連結部材の表面がボード面と面一となって天井の一部を構成することとできる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る壁パネルの構造を示す図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は側面図、図1(C)は裏面図である。
図2は、図1の壁パネルを分解した図であり、(A)は可動フレーム、(B)は固定フレームである。
図3は、図1(C)のA−A断面図である。
壁パネル1は、壁ボード3に固定された固定フレーム5と、同固定フレーム5にスライド可能に係合する可動フレーム7とから構成される。壁ボード3は、標準寸法の大きさであり、この例では高さ1800mm、幅が600mm、厚さ9.5mmの石膏ボードである。
【0027】
図2(A)に示すように、可動フレーム7は、上クロス部材9と、同上クロス部材9から下方に延びる2本のスライドバー11とから構成される。各部材はこの例では木製で、一例で厚さ40mmである。上クロス部材9の幅は壁ボード3の幅と等しく600mmである。2本のスライドバー11の間隔は、尺モジュールのピッチである303mmである。スライドバー11は、一例で長さが900mmである。
【0028】
図2(B)に示すように、壁ボード3の一面の中央及び左右端には、高さ方向に延びる3本の固定バー13−1〜3が固定されている。固定バー13は、可動フレーム5のスライドバー11と平行である。固定バー13は、この例では木製で、一例で厚さが40mmである。固定バー13の下端は、壁ボード3の下辺に沿って固定された下クロス部材15で接続されている。
【0029】
壁ボード3の上部には、可動フレーム7のスライドバー11の各々を案内するガイド部17が設けられている。各ガイド部17は、固定バー13と平行な一対のガイドバー19と、ガイドバー19と固定バー13との間に設けられた縦部材及び横部材を備える。ガイドバー対19は、中央固定バー13−1で分けられた壁ボードの左右各面の幅方向中心に、所定の幅のスキマ20が開くように配置されている。スキマ20の幅は一例で40mmであり、左右のスキマ20の間隔は303mmである。ガイドバー19の長さ(高さ)は一例で303mmである。
【0030】
中央固定バー13−1の上部の両側には、同バー13−1に沿って縦部材21が配置されている。縦部材21はガイドバー19と同じ長さである。そして、縦部材21と内側のガイドバー19aとの間に、幅方向に延びる横部材25が配置されている。さらに、左右固定バー13−2、13−3と、外側のガイドバー19bとの間にも、幅方向に延びる横部材23が配置されている。
【0031】
ガイドバー19と横部材23、25とはステープル(曲げ形成された針金)で連結されているとともに壁ボード3に接着剤で固定されている。また、縦部材21と横部材25、縦部材21と中央固定バー13−1、横部材23と固定バー13−2、13−3も、ステープルで連結されているとともに壁ボード3に接着剤で固定されている。
【0032】
このように壁ボード3に固定された固定バー13、ガイド部17(ガイドバー対19、縦部材21、横部材23、25)は、壁ボード3とともに固定フレーム5を形成している。
【0033】
次に、図3を参照して、可動フレームと固定フレームのスライド機構について説明する。
固定フレーム5と可動フレーム7は、可動フレーム7のスライドバー11が、固定フレーム5の2つのガイド部17のスキマ20(図2(B)参照)に、上下にスライド可能に係合している。つまり、ガイド部17のガイドバー対19の間に形成されたスキマ20に、スライドバー11が凹部と凸部の噛み合い(オスメス接合)により係合している。
【0034】
図3(A)に示す接合部は、各スライドバー11の外側の面に形成された同バーの高さ方向に延びる凸部27と、外側のガイドバー19bの内側の面に形成された同バーの高さ方向に延びる凹部29との噛み合いにより構成される。
図3(B)に示す接合部は、各スライドバー11の断面形状をL字型とし、外側のガイドバー19bの断面形状もL型としている。そして、スライドバー11の突部31を、ガイドバー19bの溝33にはめ込んで両者を接合している。
図3(C)に示す接合部は、各スライドバー11の断面形状をT字型とし、両ガイドバー19の断面形状をL字型としている。そして、スライドバー11の前側の面(壁ボード3側の面)の幅広部35を、ガイドバー19の溝37にはめ込んで両者を接合している。
【0035】
以上のどの接合方法においても、互いに噛み合うスライドバー11とガイドバー19は木製であり、表面の摩擦係数は高い。このため、例えば、各部材の公差を1mm程度とすることにより、可動フレーム7を固定フレーム5に対してスライドさせたとき、両フレーム表面の摩擦により可動フレーム7は一時的に固定フレーム5に摩擦係止(固定)され、容易に落下しない構造となっている。
【0036】
固定フレーム5と可動フレーム7の係合部は、壁ボード3の面方向に並んだ状態に形成され、かつ、両フレームを構成する各部材の厚さは等しい。このため、固定フレーム5と可動フレーム7が係合したときの厚さは、各フレームを構成する部材の厚さと等しく、40mm程度となる。したがって、固定フレーム5と可動フレーム7のボード貼り付け面は同一面となり、後から貼り付けられる壁ボードとの段差をなくすことができる。
【0037】
この壁パネル1においては、可動フレーム7のスライドバー11は2本であるが、十分な強度を有する。そして、スライドバー11を2本としたことにより材料費を低減できるとともに軽量化できる。
さらに、固定フレーム5のガイド部17の各部材は、壁ボード3に接着により固定されているとともに、互いにステープルで連結されている。このため、衝撃が加わっても容易に落下することがない。
【0038】
図4は、図1の壁パネルを連結してパネル壁を構成する状態を示す図である。
壁パネル1は、所定の幅に達するまで幅方向に連結される(連結方法の説明は省略する)。そして、可動フレーム7を固定フレーム5に対して、所望の高さまで繰り出す。その後、繰り出された部分の可動フレーム7に別途の壁ボード41−1、41−2(図の斜線部)を貼る。このとき、繰り出された可動フレーム7のスライドバー11の間隔は303mmであるため、尺モジュールの壁ボード41−1(303mm)、41−2(606mm)をスライドバー11上に貼っていくことができる。
【0039】
この例においては、各フレームを構成している部材を木製としたが、樹脂や金属で作製してもよい。
【0040】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る壁パネルの構造を示す正面図である。
この例の壁パネル1も、壁ボード3に固定された固定フレーム5と、同固定フレーム5にスライド可能に係合する可動フレーム7とから構成されるが、固定フレーム5の構造が異なる。
【0041】
固定フレーム5の、高さ910mmの位置には、横方向に延びるクロス部材14が配置されている。可動フレーム7を最も下げた状態において、同フレームのスライドバー11の下端は、クロス部材14の貫通孔16に挿入される。
クロス部材14を設けたことにより、壁パネルの強度が向上する。また、910×1820mmの大きさの石膏ボードを横向きに貼る場合に、ボードの取り付け部となる。
【0042】
図6は、本発明の実施の形態に係る壁フレーム(スケルトンタイプ)の構造を示す図であり、図6(A)は正面図、図6(B)は側面図である。
図7は、図6の壁フレームの構造を詳細に説明する図であり、図7(A)は一部斜視図、図7(B)は図7(A)の断面図である。
この壁フレーム51は、固定フレーム53と可動フレーム55とから構成され、壁ボードのないスケルトンタイプである。
【0043】
図7を参照して、各部について説明する。
可動フレーム55は、図1に示す壁パネルの可動フレームと同様の構造で、上クロス部材57と、同上クロス部材57から下方に延びる2本のスライドバー59とから構成される。各部材はこの例では木製で、厚さが37mmである。2本のスライドバー59の間隔は、尺モジュールのピッチである303mmである。
【0044】
図1の壁パネルにおいては、固定フレームを構成する全ての部材が壁ボードに接着されて固定されていたが、この例では、固定フレーム53は、各部材が連結されて一つの枠材として構成されている。固定フレーム53の形状及び構成は、図1の壁パネルの固定フレームの形状と実質的には同じであり、高さ方向に延びる3本の固定バー61、下クロス部材63(図6参照)、可動フレーム55のスライドバー59の各々を案内するガイド部65から構成される。各ガイド部65は、一対のガイドバー67と、ガイドバー67と固定バー61との間に配置された縦部材69及び横部材71を備える。左右のガイドバー対67の間隔は303mmである。固定バー61、下クロス部材63、ガイド部65の各部材の厚さは40mmである。
【0045】
固定バー61の下端は、下クロス部材63に連結されている。また、ガイド部65の各部材も互いに連結され、同時に固定バー61にも連結されている。これらにより固定フレーム53が構成される。この固定フレーム53においては、固定バー61同士の接続は下端のみでなされているため、上部の接続強度が不十分である。これにより、固定フレーム53と可動フレーム55のスライドバー59との係合力も不十分となり、スライドバー59が固定フレーム53から脱落しやすい。
【0046】
そこで、固定フレーム53の上辺に沿って連結部材73を配置することとした。連結部材73は、幅が固定フレームと同じ(600mm)で厚さは3mmである。また、固定フレーム53の上辺に沿って、深さが3mmの段差75が形成されている。連結部材73は、この段差75に置かれて、ネジによって固定フレーム53の各部材に固定されている。したがって、連結部材73の前面と固定フレーム53の前面は同じ面となる。
【0047】
なお、可動フレーム55のスライドバー59と固定フレーム53のガイド部65とは、図1の壁パネルにおける接合方法と同様の方法で係合しているが、可動フレームの55の一面(裏面)と固定フレーム53の一面(裏面)が同一面となるように接合している。
【0048】
このような構成により、固定フレーム53の固定バー61同士、及び固定バー61とガイド部65の各部材とが確実に連結され、固定フレーム53の強度が保たれる。また、可動フレーム55のスライドバー59と固定フレーム53のガイド部65とを外れないようにしっかりと係合させることができる。
【0049】
なお、可動フレームの55の裏面と固定フレーム53の裏面は同一面であり、固定フレーム53の厚さは40mm、可動フレーム55の厚さは37mmであるため、図6(B)に示すように、壁フレーム51の前面に、3mmの厚さの差が生じる。
【0050】
図8は、図6の壁フレームに壁ボードを貼った状態を示す側面図である。
上述のように、壁フレーム51の前面には、3mmの厚さの差が存在する。そこで、連結部材73を含む固定フレーム53の前面には、厚さが12mmの石膏ボード79を貼り、固定フレーム53から繰り出された可動フレーム55の前面には、厚さが15mmの石膏ボード81を貼る。これにより、壁フレームに貼られた2枚の壁ボード79、81には厚さの差が生じず、壁面を平らにすることができる。
なお、固定フレーム53に貼られる壁ボード79の厚さを9mm、繰り出された可動ボード55に貼られる壁ボード81の厚さを12mmとしてもよい。また、壁フレーム51の裏面に別途の壁ボードを貼ってもよい。
【0051】
この壁フレームは、壁ボードが貼られていないため、外壁パネルのようにパネル同士の接続が難しい場合等の施工性がよい。なお、固定フレーム及び固定フレームから繰り出された可動フレームに壁ボードを貼る際も、尺モジュールに合わせて貼ることができる。
【0052】
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る壁フレームの構造を示す図であり、図9(A)は正面図、図9(B)は側面図である。
図10は、図9の壁パネルの構造を詳細に説明する図であり、図10(A)は一部斜視図、図10(B)は図9(A)の断面図である。
この壁フレーム91も、固定フレーム93と可動フレーム95とから構成され、壁ボードのないスケルトンタイプである。可動フレーム95は、図6の壁フレームの可動フレームと同じ構成を有するが、厚さが40mmである。固定フレーム93も、図5の壁フレームの固定フレームとほぼ同様の構成を有するが、連結部材による連結方法が異なる。
【0053】
この例においては、固定フレーム93の上辺に沿って連結部材97が固定されている。連結部材97は、幅が固定フレームと同じ(600mm)で厚さは9.5mmである。固定フレーム93の厚さは40mmである。図5の壁パネルの固定フレームでは、連結部材を含めた固定フレームの前面が平面となっていたが、この例の壁パネルの固定フレーム93では、図9(B)に示すように、連結部材97の部分のみが、固定フレーム93の前面から突き出た形状となる。
【0054】
図11は、図9の壁フレームに壁ボードを貼った状態を示す側面図である。
上述のように、固定フレーム93と可動フレーム95は厚さが同じ(40mmで、連結部材97の部分のみ厚さ方向に9.5mmの差を生じている。そこで、固定フレーム93及び固定フレーム93から繰り出された可動フレーム95の前面に、厚さが9.5mmの石膏ボード99を貼る。これにより、連結部材97の部分の厚さと、石膏ボード99が貼られた固定フレーム93及び可動フレーム95の厚さは等しくなる。なお、石膏ボードが貼られた壁面には連結部材が露出しているが、壁全面に壁紙等の仕上げ材を貼ることにより隠すことができる。
【0055】
上述の壁パネル及び壁フレームにおいては、固定フレーム及び繰り出された可動フレームの前面に、遮音シートを貼り、その上に壁ボードを貼ってもよい。遮音シートは、発泡スチロール等の軽量多孔質部材を用いることが好ましい。あるいは、アスファルトと鉄くずを混合したものも使用できる。この遮音シートを介在させることにより、遮音性を備えた壁を構成できる。
一例で、この遮音シートにより騒音が10dB低減した。
【0056】
図1に示した壁パネルは、壁ボードの代わりに天井ボードを使用して、他の部分(可動フレーム及び固定フレーム)の構造を変更することなく寸法のみを適宜変更すると、天井パネルとして使用することができる。この天井パネルにおいても、繰り出した可動フレーム上に尺モジュールの天井ボードを貼る際の位置決めが容易になる。また、天井パネルの軽量化や低コスト化が実現できる。さらに、天井パネルと天井ボードとの間に上述の遮音シートを介在させることにより遮音性を備えた天井を提供できる。
【0057】
また、図6、図9示した壁フレームも、寸法を適宜に変更して天井フレームとして使用することができる。このようにスケルトンタイプの天井フレームを使用することにより、配線の取出し作業や、重量物を吊り下げる箇所の合板による補強が容易であるという利点がある。
【0058】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、壁ボードや天井ボードを貼る際の施工性や汎用性を改良し、軽量化及び低コスト化できる壁パネル及び天井パネルを提供できる。さらに、スケルトンタイプの壁フレーム及び天井フレームを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る壁パネルの構造を示す図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は側面図、図1(C)は裏面図である。
【図2】図1の壁パネルを分解した図であり、(A)は可動フレーム、(B)は固定フレームである。
【図3】図1(C)のA−A断面図である。
【図4】図1の壁パネルを連結してパネル壁を構成する状態を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る壁パネルの構造を示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る壁フレーム(スケルトンタイプ)の構造を示す図であり、図6(A)は正面図、図6(B)は側面図である。
【図7】図6の壁フレームの構造を詳細に説明する図であり、図7(A)は一部斜視図、図7(B)は図7(A)の断面図である。
【図8】図6の壁フレームに壁ボードを貼った状態を示す側面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る壁フレームの構造を示す図であり、図9(A)は正面図、図9(B)は側面図である。
【図10】図9の壁パネルの構造を詳細に説明する図であり、図10(A)は一部斜視図、図10(B)は図9(A)の断面図である。
【図11】図9の壁フレームに壁ボードを貼った状態を示す側面図である。
【図12】特願2001−39996号に提案されている壁パネルの構造を示す図であり、図12(A)は正面図、図12(B)は側面図、図12(C)は裏面図である。
【図13】図12の壁パネルを分解した図であり、図13(A)は固定フレームの正面図、図13(B)は可動フレームの正面図である。
【図14】図12の壁パネルの構造を詳細に説明する図であり、図14(A)は固定フレーム上端部の斜視図、図14(B)は図14(C)のIIIB断面図である。
【符号の説明】
1 壁パネル 3 壁ボード
5 固定フレーム 7 可動フレーム
9 上クロス部材 11 スライドバー
13 固定バー 14 クロス部材
15 下クロス部材 16 貫通孔
17 ガイド部 19 ガイドバー
20 スキマ 21 縦部材
23、25 横部材 27 凸部
29 凹部 31 突部
33 溝 35 幅広部
37 溝 41 壁ボード
51 壁フレーム 53 固定フレーム
55 可動フレーム 57 上クロス部材
59 スライドバー 61 固定バー
63 下クロス部材 65 ガイド部
67 ガイドバー 69 縦部材
71 横部材 73 連結部材
75 段差 79 石膏ボード
81 石膏ボード 91 壁フレーム
93 固定フレーム 95 可動フレーム
97 連結部材 99 石膏ボード
Claims (12)
- 壁フレームとその上に貼られた壁ボードからなる壁パネルであって、
前記壁フレームが、
前記壁ボードに固定されている固定フレームと、
該固定フレームからスライド式に繰り出される可動フレームと、を具備し、
前記可動フレームが複数のスライドバーを有し、
隣り合うスライドバー間のピッチが建築分野における定尺寸法となっていることを特徴とする壁パネル。 - 壁フレームとその上に貼られた壁ボードからなる壁パネルであって、
前記壁フレームが、
前記壁ボードに固定されている固定フレームと、
該固定フレームからスライド式に繰り出される可動フレームと、を具備し、
前記スライドバーが1台の壁パネルについて2本のみ設けられており、
該スライドバーの繰り出し案内部が前記固定フレームの一辺側にのみ設けられていることを特徴とする壁パネル。 - 前記案内部が前記壁ボードに接着された部材からなり、
前記壁ボードの両端部には前記スライドバーと平行な固定バーが該ボードに接着されており、
前記案内部の部材と前記固定バーとが連結されていることを特徴とする請求項2記載の壁パネル。 - 天井フレームとその上に貼られた天井ボードからなる天井パネルであって、
前記天井フレームが、
前記天井ボードに固定されている固定フレームと、
該固定フレームからスライド式に繰り出される可動フレームと、を具備し、
前記可動フレームが複数のスライドバーを有し、
隣り合うスライドバー間のピッチが建築分野における定尺寸法となっていることを特徴とする天井パネル。 - 天井フレームとその上に貼られた天井ボードからなる天井パネルであって、
前記天井フレームが、
前記天井ボードに固定されている固定フレームと、
該固定フレームからスライド式に繰り出される可動フレームと、を具備し、
前記スライドバーが1台の天井パネルについて2本のみ設けられており、
該スライドバーの繰り出し案内部が前記固定フレームの一辺側にのみ設けられていることを特徴とする天井パネル。 - 前記案内部が前記天井ボードに接着された部材からなり、
前記天井ボードの両端部には前記スライドバーと平行な固定バーが該ボードに接着されており、
前記案内部の部材と前記固定バーとが連結されていることを特徴とする請求項5記載の天井パネル。 - 壁ボードを貼る壁フレームであって、
固定フレームと、
該固定フレームから繰り出される可動フレームと、を具備し、
該可動フレームがスライドバーを有し、
前記固定フレームが、固定バー及び前記スライドバーの案内部を有し、
該固定バー及び案内部が連結部材で連結されていることを特徴とする壁フレーム。 - 前記連結部材の表面と前記固定バーの表面が面一であり、前記スライドバーの表面が前記連結部材の厚さだけ奥まっていることを特徴とする請求項7記載の壁フレーム。
- 前記連結部材の表面が前記固定バー及びスライドバーの表面より前記壁ボードの厚さ分だけ手前に突出しており、壁ボードが貼られた際に該連結部材の表面がボード面と面一となって壁面の一部を構成することを特徴とする請求項7記載の壁フレーム。
- 天井ボードを貼る天井フレームであって、
固定フレームと、
該固定フレームから繰り出される可動フレームと、を具備し、
該可動フレームがスライドバーを有し、
前記固定フレームが、固定バー及び前記スライドバーの案内部を有し、
該固定バー及び案内部が連結部材で連結されていることを特徴とする天井フレーム。 - 前記連結部材の表面と前記固定バーの表面が面一であり、前記スライドバーの表面が前記連結部材の厚さだけ奥まっていることを特徴とする請求項10記載の天井フレーム。
- 前記連結部材の表面が前記固定バー及びスライドバーの表面より前記天井ボードの厚さ分だけ手前に突出しており、天井ボードが貼られた際に該連結部材の表面がボード面と面一となって天井の一部を構成することを特徴とする請求項11記載の天井フレーム。
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