JP3870424B2 - 有機光伝導体および素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真感光体、受光素子、太陽電池等に用いられる光伝導体に関するものである。さらに詳しくは骨格内にケイ素を含む有機光伝導体およびそれを用いた素子に関するものである。
ここで光伝導体とは、単独あるいは他の材料と組み合わせ、それに光を照射することによって電気的応答を示すものを言う。
【0002】
【従来の技術】
有機ケイ素化合物の中でもケイ素−ケイ素結合で主鎖骨格が構成された高分子であるポリシリレン(通称ポリシラン)は、ケイ素−ケイ素結合が単結合(σ結合)であるにもかかわらず、主鎖のケイ素−ケイ素結合のσ電子が高分子鎖内でも、ある程度自由に動きσ電子共役を形成する。このため、ポリシリレンは、炭素−炭素二重結合によるπ電子共役物質と類似した性状を有し、低次元半導体としての電子・光物性を示す。これにより、ポリシリレンは光照射によるキャリア(自由電荷)の発生能や高いキャリア輸送能を有している。特に、高いキャリア輸送能を持つことを利用して電子写真感光体や有機電界発光素子のキャリア輸送材料として用いるための研究がなされている(「有機ケイ素ポリマーの合成と応用」シーエムシー発行、桜井英樹監修、138頁,1989年出版)。
【0003】
また、最近、一般式(A):
【化2】
Figure 0003870424
で示される特定のポリシリレン(ポリメチルフェニルシリレン)にクラスター状炭素の一つであるフラーレン(C60)をドープすることによって、光照射によるキャリア発生能を改善する試みがなされ、電子写真感光体用の光伝導体として期待されれている(Y.Wang et.al.,J.Am.Chem.Soc.,115,3844(1993);R.G.Kepler et.al.,Appl.Phys.Lett.,63,1552(1993))。また、一般式(B):
【化3】
Figure 0003870424
で示されるポリジ−n−ヘキシルシリレンも提案されている。
以上のように、これまで骨格内にケイ素−ケイ素結合を含む化合物の中でもポリシリレンとそれにドーピング処理を施したものを光伝導体として用いることが試みられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ポリシリレンは、光照射によるキャリア発生能を有する。しかし、一般にポリシリレンはエネルギーの高い光、即ち紫外光しか吸収しないため、紫外光の照射によってのみキャリアが発生する。またその量子効率(照射光子数に対する発生キャリア数の比率)も低い。例えば、一般式(A)で示されるポリメチルフェニルシリレンでは、225nmおよび335nmの紫外光照射時における量子効率は各々1.8%、0.5%である。また、一般式(B)で示されるポリジ−n−ヘキシルシリレンでは、220nmおよび355nmの紫外光照射時の量子効率はそれぞれ0.5%、0.04%である。この様に従来のポリシリレンは光照射によるキャリア発生能を有するものの、紫外光の照射によってしかキャリアは発生しないうえにキャリア発生の量子効率も1%程度と低いという問題を持っており、光伝導体としては実用に供することができない。
【0005】
また、最近、一般式(A)で示されるポリメチルフェニルシリレンにフラーレンやクロラニル等の有機化合物をドープすることによって紫外光照射時の量子効率の向上や可視光でのキャリア発生を実現する試みがなされている。しかし、これらにおいては、紫外光での量子効率の向上はみられるが、可視光照射によるポリシリレンにおけるキャリア発生は実現していない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、可視光で効率良くキャリアを発生させる光伝導材料(「光伝導体」と呼ぶことがある。)を得ることにある。
本発明は、繰返し単位内にケイ素と芳香環を含んでなり、ケイ素と芳香環の結合部位を少なくとも一つ以上有する有機ケイ素高分子を含む、可視光で光伝導性を有する有機光伝導材料であって、
有機ケイ素高分子が、一般式(1):
Figure 0003870424
[式中、Arは芳香族基であり、
およびRは、同一または異なって、水素原子または炭化水素基であり、
mおよびnは1以上の整数である。]
で示される繰返し単位を有する有機光伝導材料を提供する。
【0007】
さらに、本発明は、前記有機光伝導材料を、金属、金属酸化物、無機半導体、有機半導体のいずれか少なくとも1つ以上と組み合わせてなることを特徴とする素子をも提供する。
【0008】
主鎖がケイ素−ケイ素結合のみからなるポリシリレンは光照射によるキャリア発生能を有するが、一般に370nm付近より短波長の紫外光しか吸収しないため、紫外光の照射によってしかキャリアを発生しない。そこで、可視光の照射によってキャリアを発生させるためにはポリシリレンの構造を変えて可視光を吸収する様にする必要がある。一方、主鎖骨格内にπ電子系を含むジシラニレンポリマーでは、相当するモノマーの紫外吸収スペクトルを比較すると、ポリマー鎖を形成することによりσ−πの共役がのびるため、吸収波長が長波長側にシフトすることが知られている(石川満夫「高分子」、37巻6号456頁)。
【0009】
そこで、繰返し単位内にケイ素を安定なπ電子系である芳香環を含み、ケイ素と芳香環との直接結合を少なくとも一つ以上有する構造とすることにより、ポリシリレンより長波長側の可視光域に吸収を持つ高分子を得ることができる。
【0010】
一般式(1)において、Arは芳香族基、R1,R2は水素原子または炭素水素基であり、m,nは1以上の整数である。
Ar(芳香族基)としては、ベンゼン;ナフタレンやアントラセン等の縮合芳香環;ピリジン,チオフェン,ピロール,イソチアナフテン等のヘテロ環などが挙げられ、安定なπ電子系の芳香環であれば何らの制限もない。芳香環の炭素原子が直接にケイ素原子または他の芳香環に結合している。芳香環は、炭化水素またはハロゲン原子などで置換されていても置換されていなくてもよい。
1およびR2は独立的に水素原子、直鎖または分岐の1〜18、好ましくは1〜15の炭素原子を有するアルキル基、6〜18個の炭素原子を有するアリール基、7〜24個の炭素原子を有するアラルキル基、あるいは炭素原子数1〜6のアルコキシ基である。
【0011】
また、mは1以上の整数であれば良いが、有機ケイ素高分子としての特長を持たせ、またσ共役が広がり、芳香環のπ電子と効果的にσ−πの共役を得るためにはmは2以上であることが望ましい。mは2〜50、より好ましくは2〜10であることが好ましい。
nの値についても特に制限はなく、この値をかえることによっても吸収波長を変えることができる。nの値は通常1以上、好ましくは2〜5である。
有機ケイ素高分子は、通常1,000〜10,000,000、好ましくは1,000〜1,000,000の重量平均分子量を有する。
【0012】
また、特に芳香族基がチオフェン環である一般式(2):
【化5】
Figure 0003870424
[式中、R1,R2,mおよびnは前記と同意義。R3およびR4は水素または炭化水素基である。]
で示される繰返し単位を持つ有機ケイ素高分子が好ましい。R3およびR4の炭化水素基は、R1およびR2で規定したのと同様に、アルキル基、アリール基、アラルキル基またはアルコキシ基であってよい。チオフェン環を有する有機ケイ素高分子では、チオフェン環自体に歪が少なく、π共役がきれいに広がるとともに、ケイ素のσ共役と効果的に繋がるので、可視域の高い吸収を持たせるとが可能となる。
【0013】
一般式(1)のような構造にすることによって可視光域に吸収を有する高分子が得られ、これに可視光を照射することによってキャリアが発生し、本発明の目的とする可視光に応答する有機光伝導体が得られる。
【0014】
上に述べた構造の有機ケイ素高分子は単独で可視光の照射でキャリアを発生し、光伝導体となるが、有機ケイ素高分子にキャリア発生を増大させ得る様な他材料を組み合わせることによって、量子効率をさらに高めることができる。例えば、有機ケイ素高分子に他材料をドープすることができる。有機ケイ素高分子に組み合わせる材料としては電子吸引性物質であれば特に限定されるものではない。電子吸引性物質のイオン化ポテンシャルが有機ケイ素高分子のイオン化ポテンシャルよりも大きいことが好ましい。一般に炭素材料は両性物質であり電子吸引性物質となり得る。さらに、通常雰囲気では水または酸素等との反応は起こりにくく極めて安定な物質である。炭素材料の中でもCx(x=60〜960)で表記される閉殻構造を有するクラスター状炭素[(通称)フラーレン:C60,C70,C84など]は電子吸引能に優れ、大きなイオン化ポテンシャルを持ち、かつ安定であるだけでなく有機溶媒にも可溶であり、性能、取扱いに優れた電子吸引性物質であるため、本発明の電子吸引性物質として特に好ましい材料である。
【0015】
有機ケイ素高分子と電子吸引性物質とを組み合わせる方法は、特に限定されるものではない。例えば、有機ケイ素高分子と電子吸引性物質を有機溶媒中に溶解せしめ、その後、有機溶媒を除去する方法;有機溶媒を用いた有機ケイ素高分子の溶液と電子吸引性物質の溶液を混合し、その後、有機溶媒を除去する方法;有機ケイ素高分子を電子吸引性物質の蒸気に曝すことによって、電子吸引性物質を有機ケイ素高分子に拡散せしめる方法;有機ケイ素高分子のフイルムを形成した後、フイルム表面に電子吸引性物質を塗布乾燥により両者を積層させる方法;有機ケイ素高分子のフイルムを形成した後フイルム表面と電子吸引性物質を蒸着せしめ積層させる方法などが挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタンなどが用いられる。
【0016】
有機ケイ素高分子と電子吸引性物質を混合する場合において、電子吸引性物質の量は、有機ケイ素高分子100重量部当たり、通常0.001〜100重量部、好ましくは0.01〜50重量部である。有機ケイ素高分子のフイルムおよび電子吸引性物質のフイルムを形成する場合において、有機ケイ素高分子のフイルムの厚みは通常0.01〜100μm、好ましくは0.05〜10μm、電子吸引性物質のフイルムの厚みは通常0.01〜100μm、好ましくは0.05〜10μmである。
本発明の有機ケイ素高分子と電子吸引性物質を組み合わせることによって可視光に対しより高い量子効率を示す様になり、より優れた光伝導体を得ることができる。
【0017】
本発明の有機光伝導体を、金属(例えば、金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金など)、金属酸化物(例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化鉛、酸化銀、酸化インジウムと酸化スズの化合物)、半導体[無機半導体(例えば、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム・ヒ素、インジウム・リンなど)または有機半導体(例えばアントラセン、金属フタロシアニン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール)]等と組み合わせることによって光伝導素子および光起電力素子等の素子を構成することが可能となる。
【0018】
本発明の有機光伝導体をあらかじめ基板上に形成された金属、金属酸化物または半導体上に塗布乾燥することによって有機光伝導体のフイルムを形成せしめる方法;有機光伝導体フイルム上に、金属、金属酸化物または半導体を蒸着することなどによって有機光伝導体のフイルムと、金属、金属酸化物または半導体のフイルムを積層する方法などによって素子が得られる。有機光伝導体のフイルムの厚みは通常0.01〜100μm、好ましくは0.05〜10μm、金属、金属酸化物または半導体のフイルムの厚みは通常0.01〜100μm、好ましくは0.05〜10μmである。
【0019】
【発明の好ましい態様】
本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【0020】
合成例1
本発明の有機光伝導体である有機ケイ素高分子として、芳香族基がチオフェン環である式(3):
【化6】
Figure 0003870424
で示される繰り返し単位を有する有機ケイ素高分子を合成した。合成方法は石川らがAppl. Organomet. Chem.,7,269(1993)および日本化学会第66秋季年会講演予稿集4A128(1993)に記載されている。
【0021】
合成方法は以下に示す通りである。
(i)n=1の場合
2,5−ビス(ジエチルクロロシリル)チオフェンのナトリウム縮合反応によって合成した。縮合反応においては、溶媒として、トルエンを用い、反応温度は110℃、反応時間は3時間であった。収率50%。
【化7】
Figure 0003870424
【0022】
(ii)n=2または4の場合
1,2−ビス[2−(5−ブロモチエニル)]テトラエチルジシラン(n=2の場合)または1,2−ビス[5−(5'−ブロモジチエニル)]テトラエチルジシラン(n=4の場合)と1当量のマグネシウム金属より調製したグリニャール試薬のニッケル錯体触媒によるカップリング反応によって合成した。カップリング反応においては、溶媒として、テトラヒドロフランを用い、ニッケル錯体触媒として、ジクロロ(ジフェニルホスフィノエタン)ニッケル(II)(dppe:diphenylphosphinoethane)をモノマーに対して1mol%の量で用いた。n=2の場合、反応温度は200℃、反応時間は100時間であった。収率81%。n=4の場合、反応温度230℃、反応時間100時間、収率97%。
【0023】
【化8】
Figure 0003870424
(この反応式は、n=4の場合を示す。)
【0024】
(iii)n=3または5の場合
1,2−ビス[2−(5−ブロモチエニル)]テトラエチルジシラン(n=3の場合)または1,2−ビス[5−(5'−ブロモジチエニル)]テトラエチルジシラン(n=5の場合)と2当量のマグネシウム金属より調製したグリニャール試薬と1当量の2,5−ジブロモチオフェンをニッケル錯体触媒によりカップリング反応させることによって合成した。グリニャール反応においては、溶媒として、テトラヒドロフランを用いた。カップリング反応においては、ニッケル錯体触媒として、ジクロロ(ジフェニルホスフィノエタン)ニッケル(II)(dppe:diphenylphosphinoethane)をモノマーに対して1mol%の量で用いた。n=3の場合、反応温度は150℃、反応時間は100時間であった(収率78%)。n=5の場合、反応温度100℃、反応時間48時間、収率78%。
【0025】
【化9】
Figure 0003870424
【0026】
合成例によって得られた芳香環がチオフェン環である有機ケイ素高分子の平均分子量、分散、および最も長波長側の吸収極大波長を下表に示す。
Figure 0003870424
【0027】
以上の結果から、n=3以上(チオフェン環が3つ以上)で可視光に吸収ピークを持つものが得られることがわかる。なお、n=2の場合でも可視光域に弱いながらも吸収を持つ。このことから、可視光で利用可能な本発明の光伝導体となる高分子を合成できたことがわかる。
【0028】
比較例1
式(A)で示されるポリメチルフェニルシリレン50mgをトルエン950mgに溶かした後、インジウム・スズ酸化物導電体(ITO)を蒸着した石英基板上にスピンコートによって厚さ1μmのフイルムを形成した後、フイルム上に金を200Åの厚みで蒸着した。金とITOを電極として用い、金側を正バイアスとしてフイルムに5×105V/cmの電界を印加した状態で金側より光を照射した。この時、光電流が観測された。360nmより短波長の紫外光照射によって多くのキャリアが発生し、330nm光照射での量子効率は0.6%であった。
【0029】
比較例2
式(A)で示されるポリメチルフェニルシリレン50mgとクラスター状炭素であるC600.8mgをトルエン950mgに溶かしたものを用いた以外は比較例1と同様にした。この時にも光電流が観測された。400nmより短波長の紫外光照射によって多くのキャリアが発生し、330nm光照射での量子効率は9%であった。
【0030】
実施例1
合成例1で得られたn=4の場合である式(4):
【化10】
Figure 0003870424
で示される繰り返し単位を有するポリテトラエチルジシラニレンテトラチエニレン50mgをトルエン950mgに溶かしたものを用いITOが蒸着された石英基板上にスピンコートによって厚さ2μmのフイルムを形成した後、フイルム上に金を200Åの厚みで蒸着した。金とITOを電極として用い金側を正バイアスとしフイルムに3×105V/cmの電界を印加した状態で金側より光を照射した。この時、光電流が観測された。440nm〜540nmの波長の可視光の照射によって多くのキャリアが発生し、480nm光の照射における量子効率は0.5%であった。このことからこの高分子が可視光で利用可能な光伝導体であることが示された。
【0031】
実施例2
実施例1と同様の式(4)で示される繰り返し単位を有するポリテトラエチルジシラニレンテトラチエニレン50mgとクラスター状炭素であるC600.8mgをトルエン950mgに溶かしたものを用い、実施例1と同様にして9μmの厚みのフイルムを形成し、その上に金電極を蒸着した。金を正バイアスとして6×104V/cmの電界を印加した状態で金側より光を照射した。その結果550nmより短波長の光の照射によって多くのキャリアが発生した。470nmの光の照射における量子効率は11.5%であった。このことから、可視光から紫外光の広い範囲の光に対し利用可能な光伝導体であることが示された。
【0032】
実施例3
実施例1と同様の式(4)で示される繰り返し単位を有するポリテトラエチルジシラニレンテトラチエニレン50mgをトルエン950mgに溶かしたものを用いITOが蒸着された石英基板上にスピンコートによって厚さ2μmのフイルムを形成した後、フイルム上に金を200Åの厚みで蒸着した。これによって有効面積0.02cm2の素子を構成した。この素子において金電極とITO電極の間に50Vを印加した。この時素子を流れる電流は30nAであった。この素子に480nmの光を照射した時電流は56nAまで増大し、電流量が約2倍となった。このことから本素子が光伝導素子となることが示された。
【0033】
実施例4
実施例1と同様の式(4)で示される繰り返し単位を有するポリテトラエチルジシラニレンテトラチエニレン50mgとクラスター状炭素であるC600.8mgをトルエン950mgに溶かしたものを用い、実施例1と同様にして9μmの厚みのフイルムを形成し、その上に金電極を蒸着し、有効面積0.02cm2の素子を製作した。この素子に金電極を正バイアスとして50Vを印加した。この時素子に流れる電流は1nAであった。この素子に470nmの光を照射した時、電流は670nAに増大し、電流量は670倍となり電導度が光照射によって約3桁変化した。このことから本素子が光伝導素子となることが示された。
【0034】
【発明の効果】
本発明の有機光伝導体は、可視光の照射によって効率良くキャリアを発生することができ、電子写真感光体、受光素子、太陽電池等に用いられる光伝導体として利用できる。

Claims (5)

  1. 繰返し単位内にケイ素と芳香環を含んでなり、ケイ素と芳香環の結合部位を少なくとも一つ以上有する有機ケイ素高分子を含む、可視光で光伝導性を有する有機光伝導材料であって、
    有機ケイ素高分子が、一般式(1):
    Figure 0003870424
    [式中、Arは芳香族基であり、
    およびRは、同一または異なって、水素原子または炭化水素基であり、
    mおよびnは1以上の整数である。]
    で示される繰返し単位を有する有機光伝導材料
  2. 有機ケイ素高分子と電子吸引性物質とを含む請求項1に記載の有機光伝導材料
  3. 電子吸引性物質が、閉殻構造を有し、Cxで標記されるクラスター状炭素である請求項2に記載の有機光伝導材料
  4. 一般式(1)におけるArがチオフェン環であり、nが3以上である請求項1〜3のいずれかに記載の有機伝導材料
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の有機光伝導材料を、金属、金属酸化物、無機半導体、有機半導体のいずれか少なくとも1つ以上と組み合わせてなることを特徴とする素子。
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