JP3869570B2 - 固形物包装体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明固形石鹸などのような固形物を製造する際に必要な型と、固形物の包装とを兼ねさせるように特別に工夫した固形物包装体及びその製造方法の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明石鹸は見た目にも美しく、又、安全性及び洗浄性にも優れるため、広く洗浄剤として用いられている。一般に透明石鹸には、透明性を出すために多糖類等の吸湿成分を必須成分として配合する他、エタノール等の揮発成分も配合する。
【0003】
透明固形石鹸では、吸湿成分が水分を吸収すると却って透明性が落ちてしまうため、透明度と水分量を見ながらホットロールで水分量の微調整を厳密に行う必要がある。又、揮発成分を配合すると揮発成分が揮発して重量減少が生じるため、重量減少がおさまるまで数週間から数カ月に及ぶ熟成期間を必要とする。
【0004】
ところで、所望形状の石鹸を製造する方法として、図12に示すラテックス法及び図13に示す型押し法などが知られている。
図12に示す例では、まず同図(a)に示すように伸縮性のあるゴムなどの材質で形成したゴム型1内に溶融石鹸2を充填して冷却し、(b)に示すように固化後にこの固形石鹸2aを吸引機3にて取り出し、(c)に示すように充填口に対応する部分に形成されるバリ(余剰部分)4をウオータージェットにて破線5部分から切断して、(d)に示すような製品石鹸2bを得る。その後、30日間程度乾燥させてから、必要に応じた包装を行い出荷する。
【0005】
図13に示す例では、まず同図(a)に示すように筒状金型6内に溶融石鹸7を充填して冷却し、(b)に示すようにその筒状金型6内で所定の硬度及び軟性を有する程度まで固化した固形石鹸7aを加圧により押し出して破線5部分から必要な厚さに順次切断し、(c)に示すように所望形状に型押しして製品石鹸7bを得る。その後、30日間程度乾燥させてから、必要に応じた包装を行い出荷する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、所望形状の石鹸を製造する方法として、上記方法の他にも種々の方法が開発さえているが、それらの方法は何れも所望形状に成形するための専用の型を必要とする。また、固化後に離型し、必要期間養生させて得た石鹸を包装用の油紙や包装容器などに納めて出荷する必要がある。即ち、離型(型抜き)作業や型押し作業等に加えて、製造後における石鹸の包装作業を必要とする問題がある。勿論、それ以外にも種々の工程を必要とすることが多く、製品となるまでの製造性も悪いといった問題がある。
【0007】
なお、他の方法として、特開平10−195495号公報に記載のように、溶融石鹸を容器内で固化させる容器入り低密度石鹸の製造方法も提案されている。この方法は、下型部と、この下型部に分離可能に接合される上型部と、その上型部に形成される上向き開口を覆うシール部とを備え、その相接合される下型部と上型部とにより構成されるキャビティー内で溶融石鹸を固化させる前または後に、その開口をシール部により覆うことで、石鹸を一定の組成に維持し、シール機構の簡略化、生産性向上等を図るようにしたものである。
【0008】
この方法によれば、図12や図13に示したような専用の成形型を必要とせず、容器自体の形状を型に利用できる利点が得られるものの、部品点数が多く、かつ、途中でシール部とフランジ部の一部を打ち抜き加工する作業やシール作業を必要とするなど、依然として生産性が悪いという問題がある。さらに、容器として用いるには体裁や外観も悪く、かつシール部を除く部分は容器として必要な強度を有するように比較的厚い硬質の樹脂により形成しなければならないため、樹脂の使用量も多く経済的でないといった問題もある。さらに、容器自体が固いために、使用時にシール部を取り除きにくく、シール部を取り除きやすくするには特別な加工が必要となる問題もある。
【0009】
よって、本発明は、石鹸などの固形物を成形する際に必要な型と、固形物の包装とを兼ねさせることができる固形物包装体及びその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、製造性が極めて良好で、工程の簡略化及び経済性の向上を図ることができる技術を提供することをを課題とする。
さらに、本発明は、固形物の使用時にその固形物を包装体から容易に取り出すことができる技術を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る固形物包装体は、第1の包装体と、この第1の包装体に対して嵌合自在の第2の包装体とを有し、第1の包装体及び第2の包装体の少なくとも何れか一方に第1の包装体と第2の包装体とが嵌合したとき収容空間を形成する収容凹部を形成してあるとともに、第1の包装体及び第2の包装体の嵌合部周縁の少なくとも一部に互いに対向するフランジ部を有し、収容凹部内に固形物を収容してあることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る固形物包装体は、第1の包装体と、この第1の包装体に対して嵌合自在の第2の包装体とを有し、第1の包装体と第2の包装体の嵌合時にその両者間に収容空間が形成され、第1の包装体及び第2の包装体の一方に充填口が形成され、この充填口から石鹸が充填固化されたことを特徴とする。その場合、第1の包装体及び第2の包装体の嵌合部周縁の少なくとも一部にフランジ部を有する構成とすることもできる。
【0012】
一方、本発明に係る固形物包装体の第1の製造方法は、第1の包装体と、この第1の包装体に対して嵌合自在の第2の包装体とを有し、第1の包装体と第2の包装体の嵌合時にその両者間に収容空間が形成され、第1の包装体及び第2の包装体の一方に充填口が形成され、充填口の周囲に筒状体が立設された構成の容器型包装体内に、前記充填口から溶融状態の石鹸を充填口に充満するまで充填した後に静置し、溶融状態石鹸中の気泡が充填口周囲の筒状体内に集まりかつ、溶融状態の石鹸が固化した後、筒状体部分を切断することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る固形物包装体の第2の製造方法は、上下に半割状とした第1の包装体と、この第1の包装体に対して薄肉ヒンジを介して連結され、且つ嵌合自在の第2の包
装体とを有し、第1の包装体及び第2の包装体の何れにも第1の包装体と第2の包装体とが嵌合したとき収容空間を形成する収容凹部を形成するとともにこの収容凹部の外側で互いに重なるフランジを形成し、この第1の包装体と第2の包装体のそれぞれの収容凹部に石鹸を充填し、充填した石鹸が固化した後、第1の包装体と第2の包装体とを嵌合することを特徴とする。
【0014】
本発明の固形物包装体では、第1の製造方法を用いるとき、及び、第2の製造方法を用いるとき、いずれの場合でも石鹸としては、脂肪酸又は動植物油とアルカリとをけん化して得られる、脂肪酸の塩を主体とし、アルカリが、水酸化ナトリウム及び有機アミンであって、水酸化ナトリウムと有機アミンとのモル比が1:0.8〜1:2であり、アルカリの量が、脂肪酸又は動植物油に対して2〜3けん化当量である透明石鹸を用いることもできる。
本発明で前記石鹸として、固化前にアルコール類を含有し、固化時にアルコール類を揮発させることで重量減少を生じる透明石鹸を用いることもできる。
その透明石鹸素地として、例えば、砂糖5〜15重量%、アルコール類25〜35重量%、水分12〜25重量%、原料油脂や高級脂肪酸等を酸化した石鹸成分58〜25重量%を含有する透明石鹸素地等を挙げることができる。
ただし、この場合は、第2の製造方法により、一旦アルコールを揮発させてから、第1の包装体と第2の包装体とを嵌合する必要がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る固形物包装体を示す分解斜視図である。図2〜図6は製造工程を示す断面図であり、図2は固形物の充填前の包装体の断面図、図3〜図6は固形物充填後の断面図である。図7は図6に対応する製品状態の斜視図である。
【0016】
これらの図において、固形物包装体は全体として符号KSで示す。この固形物包装体KSは、第1の包装体10と、この第1の包装体10に対して嵌合自在の第2の包装体20と、第1の包装体10に対する第2の包装体20の嵌合時に形成される収容空間30と、その収容空間30内に充填した固形物Sとを含む。固形物Sとしては、ここでは透明石鹸を例にとり説明する。
【0017】
第1の包装体10及び第2の包装体20は、透明石鹸Sを所望形状に成形するための成形型としての機能と、包装体としての機能とを兼ねるように構成している。まず、成形型としての機能を持たせるために、第1の包装体10及び第2の包装体20は何れも上下にほぼ2分割した半割状であって、第1の包装体10がいわゆる下型に相当し、第2の包装体20が上型に相当する。
【0018】
第1の包装体10は、図1に示すように、透明石鹸Sの下半部を成形できるよう、平面視において楕円の上面開口を有する半カップ状の収容凹部11を備えている。上面開口の周縁は第2の包装体20との嵌合凸部12に形成され、その嵌合凸部12の周縁にフランジ13を形成している。嵌合凸部12はフランジ13よりも上方へ所定の高さだけ立ち上がった形状である。この立ち上がりの高さは全体の大きさにもよるが、フランジ13よりも例えば3〜5mm前後もしくはそれ以上あれば十分である。
【0019】
フランジ13の上面側には、フランジ13に沿って一周する環状凹部14が形成されている。この環状凹部14は嵌合凸部12の嵌合状態を補強する補助的なもので、比較的浅く形成している。この環状凹部14は嵌合凸部12と隣り合わせで設けている。従って、環状凹部14から外側部分のフランジは平坦に形成されている。
【0020】
第2の包装体20は、透明石鹸Sの上半部を成形できるよう、同じく楕円の下面開口を有する収容凹部21を備えている。そして、この収容凹部21の下面開口近くの内周部に、第1包装体11の嵌合凸部12が嵌まり込む嵌合凹部22を形成している。両者の嵌合状態は、溶融状態の透明石鹸Sを収容空間30内に充填したときに漏れ出さない程度の液密状態を確保できるように配慮している。
【0021】
嵌合凹部22の周縁には、第1の包装体10に対し第2の包装体20を嵌合させた状態で、第1の包装体10のフランジ13と重なるフランジ23を形成している。このフランジ23部分には、フランジ13の環状凹部14にはまり込む環状凸部24を形成している。
【0022】
第2の包装体20には、溶融状態の透明石鹸を充填する際に利用する充填口25を形成している。この充填口25は、第2の包装体20の上部中央から突出する筒状体26により形成している。従って、充填口25は、第1の包装体10及び第2の包装体20で形成される収容空間30内に連通している。
【0023】
この第1の包装体10及び第2の包装体20を形成する材質としては、このように透明石鹸Sを成形する際の型としての機能に加えて包装体としての機能も持たせるために、耐熱性と柔軟性の両方を備えた樹脂材料、例えば耐熱度90℃前後のソフトPP(軟質ポリプロピレン、「商品名ソフィラー」)等により形成するのが特に好適である。勿論、これと類似する性質をもつ他の材料により形成することもできる。例えば、PET、PC、PP等を採用することができる。溶融状態の透明石鹸は、通常80℃以下で用いることができるので、型兼用の包装体として耐熱度90℃前後あれば充分である。
【0024】
また、この第1の包装体10及び第2の包装体20を形成するソフトPP樹脂の厚さとしては、型として必要な強度と、包装体としての機能を発揮できれば特に限定されないが、好ましくは0.1〜1.0mmの範囲であり、より好ましくは0.3〜0.5mmの範囲である。好ましい範囲を0.1〜1.0mmとしたのは、包装体自体の大きさに依存性が強く、一義的に決定できないからである。
【0025】
即ち、透明石鹸Sの体積及び重量がごく小さいものでは、それに対応する包装体の厚さが0.1mm程度でも相対的に必要な強度及び柔軟性を発揮できるからである。上限を1.0mmとしたのは、普通に使用する石鹸の最大の大きさを考慮し、かつ厚さに基づく材質の柔軟性を考慮した場合、1mmよりも厚いと柔軟性が低下し、しかも材料の使用量が著しく増加して不経済になるからである。この点からも、包装体の厚さの範囲はその使用材質によっても当然に変化することが理解できる。
【0026】
この固形物包装体を製造する場合、予め樹脂成形しておいた第1の包装体10及び第2の包装体20を用意し、これを図2に示すように第1の包装体10を下に、第2の包装体20を上にして重ね合わせ、両者をしっかりと嵌合させる。その場合、両者を位置決めするための補助治具(図示せず)等を必要に応じて用いる。
【0027】
位置決め後に、充填口25から溶融状態の透明石鹸を注入し、その第1の包装体10と第2の包装体20の間に形成されている収容空間30内に、注入ノズル40にて図3に示すように少なくとも収容空間30内が充満するまで充填する。その場合、充填口25から溶融状態の透明石鹸を筒状体26内にほぼ充満するまで充填した後に静置する。
【0028】
そして、図4に示すように、溶融状態石鹸中の気泡が充填口周囲の筒状体26内に集まりかつ、溶融状態の透明石鹸が固化した後、筒状体26部分を図中破線Aで示すようにその根本部分から切断する(図5参照)。しかる後、図6及び図7に示すようにその切断部分を覆うためのテープやシール等の被覆材50を貼り付けて完了とする。これにより、透明石鹸Sを柔軟な包装体により被覆した固形物包装体KSが得られる。
【0029】
なお、透明固形石鹸Sとしては、脂肪酸又は動植物油とアルカリとをけん化して得られる、脂肪酸の塩を主体とし、アルカリが、水酸化ナトリウム及び有機アミンであって、水酸化ナトリウムと有機アミンとのモル比が1:0.8〜1:2であり、アルカリの量が、脂肪酸又は動植物油に対して2〜3けん化当量であるものを用いている。この石鹸の組成については、特開平9−310096号に詳細に記載されているので、これを参照されたい。
【0030】
ここで、有機アミンとして具体的には、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン等が好適なものとして例示され、これらの中ではトリエタノールアミンが特に好ましい。有機アミンは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0031】
脂肪酸又は動植物油とアルカリとのけん化に於けるアルカリの量は、脂肪酸又は動植物油に対して2〜3けん化当量であることが好ましく、より好ましくは、2.1〜2.9けん化当量であり、更に好ましくは、2.2〜2.7けん化当量である。
【0032】
なお、本発明でいう「けん化当量」とは、脂肪酸又は動植物油を全て脂肪酸の塩、即ち石鹸にするのに必要最低限のアルカリの量のことであり、その量を1けん化当量とする。1けん化当量となるアルカリの量は、例えば、脂肪酸に由来する酸の量を脂肪酸の重量と分子量とから算出し、その酸を中和するのに必要なアルカリの量として求めることができる。
【0033】
又、水酸化ナトリウムと有機アミンとの割合はモル比で、1:0.8〜1:2が好ましく、より好ましくは、1:0.9〜1:1.9であり、更に好ましくは、1:1〜1:1.8である。
【0034】
透明固形石鹸Sに用いられる脂肪酸または動植物油は、一般的に石鹸の基源として用いられているものであればよい。脂肪酸として具体的には、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸等が挙げられ、合成されたものであっても、天然に存在するものであってもよい。また、動植物油として具体的には、牛脂、椰子油、水添椰子油等が挙げられ、予め加水分解して脂肪酸としたもの用いてもよいし、そのままのものを用いてもよい。
【0035】
又、透明固形石鹸に原料として仕込まれる脂肪酸の量、即ち脂肪酸の仕込量は、好ましくは30〜60重量%であり、より好ましくは35〜57重量%であり、更に好ましくは37〜55重量%である。又、トリエタノールアミンの仕込量は、好ましくは30〜50重量%であり、より好ましくは31〜47重量%であり、更に好ましくは32〜45重量%である。又、水酸化ナトリウムの仕込量は、好ましくは5〜10重量%であり、より好ましくは5.5〜9.5重量%であり、更に好ましくは6〜9重量%である。
【0036】
この透明固形石鹸においては、その特質を損なわない範囲であれば、上記の必須成分以外に一般的に石鹸で用いられている任意成分を配合することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、BHTの様な抗酸化剤、EDTAやヒドロキシエタンジホスホン酸等のキレート剤、メチルパラベン等の防腐剤、色素類、顔料類、粉体類、虹彩箔やチタンマイカのようなパール剤、香料、POE付加アルキル硫酸ナトリウム等の界面活性剤、エタノール、グリセリン、白糖、マルチトール、ソルビトール、蜂蜜等の1価又は多価のアルコール類又は多糖類等が挙げられる。
【0037】
なお、透明固形石鹸に上記任意成分として色素類、顔料類、粉体類、虹彩箔又はパール剤等を配合することにより、添加量によっては、透明性がある程度損なわれることがあるものの、艶のよい色映えのする石鹸とすることができる。
【0038】
この透明固形石鹸は、通常の透明固形石鹸の製造法に従って製造することが出来る。例えば、脂肪酸又は動植物油とアルカリとをけん化させ、必要に応じてその他の成分を混合した混合物を加熱溶融して型に流し込み冷却固化させることにより容易に製造することができる。従って、第1の包装体10及び第2の包装体20を型として普通に用いることができる。
【0039】
この第1の実施形態によれば、第1の包装体10と第2の包装体10とによって透明石鹸Sを成形する際に必要な型と、その透明石鹸の包装とを兼ねさせることができる。従って、透明石鹸の包装作業を不要にすることができる。
【0040】
また、型と包装を兼ねているので、包装までの工程がが極めて単純で、その分、工程の簡略化図ることができ、しかも、第1及び第2の包装体は薄くて柔軟性のある樹脂材料により形成しているので、油紙やフィルムあるいはシート等を用いる従来の包装方式と同様に経済性の向上も図ることができる。
【0041】
さらに、透明石鹸の使用時には、その透明石鹸を包装体から容易に取り出すことができ、大変便利である。即ち、第1の包装体10と、第2の包装体20は、互いに嵌合し合っているだけであり、しかも互いに柔軟性を有しているので、双方のフランジ13、23部分を手に持ちこれを開くように広げるだけで、包装体を容易に取り外すことができる。
【0042】
また、包装体として機能している状態では、嵌合凸部12と嵌合凹部22、環状凹部14と環状凸部24とがそれぞれ嵌合していて、第1の包装体10と第2の包装体20とはしっかりと重なり合い、図7に示すような体裁の良い包装状態を維持することができる。この際、透明石鹸Sの粘性により、両包装体10、20の内面が透明石鹸Sに密着する。従って、この密着力も両包装体10、20の包装状態の維持力として寄与する。さらにまた、透明石鹸Sの重量減少が殆ど生じないことから、両包装体との間に隙間ができず、この点も密着力の維持に寄与する。
【0043】
(第2の実施形態)
図8〜図11に本発明の第2の実施形態を示す。
なお、この実施形態では、固化時に重量減少のある通常の石鹸又は透明石鹸を収容固形物とする固形物包装体及びその製造方法等について説明する。ここで、重量減少のある石鹸とは、アルコール等の揮発成分を含有するために、固化時にその揮発成分が揮発することにより重量減少(即ち体積減少)が生じる石鹸のことを示す。
透明石鹸を例にとると、その透明石鹸素地として、例えば、砂糖5〜15重量%、アルコール類25〜35重量%、水分12〜25重量%、原料油脂や高級脂肪酸等を酸化した石鹸成分58〜25重量%を含有する透明石鹸素地等を挙げることができる。
【0044】
この第2の実施形態においては、型兼用の包装体として、図8及び図9に示すように、上下に半割状とした第1の包装体60と、この第1の包装体60に対して嵌合自在の第2の包装体70とが薄肉ヒンジ80を介して連結されたものを用いている。この第1の包装体60及び第2の包装体70には、第1の包装体60と第2の包装体70とが嵌合したとき収容空間を形成する収容凹部61、71をそれぞれ形成している。
【0045】
この実施形態においては、第1の包装体60に、嵌合凸部62を形成し、その周囲にフランジ63を形成している。また、第2の包装体70に、嵌合凸部62と嵌り合う嵌合凹部72を形成し、その周囲にフランジ73を形成している。なお、両包装体の材質や厚さ等は、第1の実施形態の場合と同様である。
【0046】
固形物包装体を製造する方法としては、図10に示すように、第1の包装体60及び第2の包装体70の収容凹部61、71に溶融状態の石鹸S1を充填し、充填した石鹸が固化した後、図11に示すように、第1の包装体60と第2の包装体70とを嵌合して完了とする。
【0047】
このような製造方法によれば、製造工程が極めて簡単で、同時に包装作業も完了する。また、各収容凹部内で固化した石鹸S1が、固化時の重量減少により図示のように表面が沈下して空隙αが生じても、図11のように重ね合わせた状態では空隙α部分が見えにくく、外観や体裁を損なうこともほとんどない。この場合、2個入り石鹸として提供するのに好適である。なお、その他の作用効果については、先の実施形態の場合とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0048】
また、同実施形態では、石鹸として、固化前にアルコール類を含有し、固化時に重量減少を生じる石鹸を用いた例を示したが、勿論、第1の実施形態で示したような重量減少の生じない透明石鹸を用いることもできる。
第1の実施形態に係る石鹸を使用した場合、固化のための揮発・乾燥工程を省けるが、固化前にアルコールを含有し、固化時にアルコールを揮発させることで重量減少を生じる透明石鹸を用いた場合、一旦アルコールを揮発させてから、第1の包装体と第2の包装体とを嵌合する必要があるので、その分手間が掛かるが、包装体に直接石鹸を充填固化できる点では、従来に比して、包装工程の簡略化を図ることができ、経済性の向上を図ることとなる。
【0049】
なお、以上の実施形態では、固形物として石鹸を例にとり説明したが、他の類似する固形物に対しても適用することができる。
また、第1の包装体と第2の包装体は何れも収容凹部を有する構成としたが、この収容凹部は何れか一方に設けた構成とすることもできる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、石鹸などの固形物を成形する際に必要な型と、固形物の包装とを兼ねさせることができる。
また、本発明では、製造性が極めて良好で、工程の簡略化及び経済性の向上を図ることができる。
さらに、本発明では、固形物の使用時にその固形物を包装体から容易に取り出して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る包装体の分解斜視図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る包装体の固形物充填前の断面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る包装体の固形物充填後の断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る製造工程を示す断面図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る製造工程を示す断面図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る製造工程を示す断面図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る固形物包装体の斜視図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る包装体の展開斜視図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る包装体の嵌合状態を示す斜視図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る製造工程を示す断面図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る製造工程を示す断面図。
【図12】従来の石鹸製造工程を示す断面図。
【図13】従来の他の石鹸製造工程を示す断面図。
【符号の説明】
10、60 第1の包装体
11、61 収容凹部
12、62 嵌合凸部
13 63 フランジ
14 環状凹部
20、70 第2の包装体
21、71 収容凹部
22、72 嵌合凹部
23、73 フランジ
24 環状凸部
80 薄肉フランジ
S 透明石鹸
S1 石鹸
KS 固形物包装体

Claims (4)

  1. 第1の包装体と、この第1の包装体に対して嵌合自在の第2の包装体とを有し、第1の包装体と第2の包装体の嵌合時にその両者間に収容空間が形成され、第1の包装体及び第2の包装体の一方に充填口が形成され、充填口の周囲に筒状体が立設された構成の容器型包装体内に、前記充填口から溶融状態の石鹸を充填口に充満するまで充填した後に静置し、溶融状態石鹸中の気泡が充填口周囲の筒状体内に集まりかつ、溶融状態の石鹸が固化した後、筒状体部分を切断することを特徴とする固形物包装体の製造方法。
  2. 前記石鹸が、脂肪酸又は動植物油とアルカリとをけん化して得られる、脂肪酸の塩を主体とし、前記アルカリが、水酸化ナトリウム及び有機アミンであって、水酸化ナトリウムと有機アミンとのモル比が1:0.8〜1:2であり、前記アルカリの量が、脂肪酸又は動植物油に対して2〜3けん化当量であることを特徴とする、請求項1記載の固形物包装体の製造方法。
  3. 上下に半割状とした第1の包装体と、この第1の包装体に対して薄肉ヒンジを介して連結され、且つ嵌合自在の第2の包装体とを有し、第1の包装体及び第2の包装体の何れにも第1の包装体と第2の包装体とが嵌合したとき収容空間を形成する収容凹部を形成するとともにこの収容凹部の外側で互いに重なるフランジを形成し、この第1の包装体と第2の包装体のそれぞれの収容凹部に石鹸を充填し、充填した石鹸が固化した後、第1の包装体と第2の包装体とを嵌合することを特徴とする、固形物包装体の製造方法。
  4. 前記石鹸が固化前にアルコール類を含有していることを特徴とする、請求項3記載の固形物包装体の製造方法。
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