JP3869404B2 - 記録媒体及び記録再生装置 - Google Patents

記録媒体及び記録再生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3869404B2
JP3869404B2 JP2003356480A JP2003356480A JP3869404B2 JP 3869404 B2 JP3869404 B2 JP 3869404B2 JP 2003356480 A JP2003356480 A JP 2003356480A JP 2003356480 A JP2003356480 A JP 2003356480A JP 3869404 B2 JP3869404 B2 JP 3869404B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
dot
shaped
read
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003356480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005122820A (ja
Inventor
正敏 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2003356480A priority Critical patent/JP3869404B2/ja
Publication of JP2005122820A publication Critical patent/JP2005122820A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3869404B2 publication Critical patent/JP3869404B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

本発明は、記録媒体及び記録再生装に関する。
パターンドメディアは、互いに磁気的に分離された複数のドット状磁気記録部,典型的には非磁性体層によって互いに磁気的に分離された複数のドット状磁気記録部,で記録層を構成した磁気記録媒体である。パターンドメディアは、記録層を連続膜とした場合に回避不可能な様々な問題を生じることがないため、より高い面記録密度を実現し得るものとして期待されている。
このパターンドメディアで1つのドット状磁気記録部に1ビットの情報を記録するためには、一般には、これらドット状磁気記録部が規則的に配列していることが必要である。
規則的に配列したドット状磁気記録部を形成する1つの方法としては、フォトリソグラフィを利用する方法がある。しかしながら、紫外線露光を行った場合、超微細な加工は不可能である。また、荷電粒子線描画によると超微細な加工が可能となるものの、この方法で多数のドット状磁気記録部を形成することは非現実的である。
規則的に配列したドット状磁気記録部を形成する他の方法は、例えば、以下の特許文献1に記載されている。この方法では、ポリマーAとポリマーBとのブロックコポリマーを溶媒中に溶解してなる溶液を基板上にスピンコートし、これにより得られる塗膜をアニールする。こうすると、各種条件を適宜設定することにより、塗膜中に、ポリマーBからなる略球状或いは略円柱状の島状領域とポリマーAからなる海状領域とを生じさせることができるとともに、略球状或いは略円柱状の島状領域を、規則的に配列させること,具体的にはそれらが六方格子を形成するように配列させること,ができる。この方法では、このようにして得られた配列を利用してドット状磁気記録部を形成する。
この方法は自己組織化を利用して島状領域と海状領域とを形成しているので、極めて微細なパターンを容易に形成することができる。但し、先の自己組織化は、塗膜中の一箇所を起点として生じる訳ではなく、複数箇所を起点として生じる。外部からの規制力が作用していない条件のもとでは、或る箇所を起点とした自己組織化の結果として得られる六方格子と、他の箇所を起点とした自己組織化の結果として得られる六方格子との間に配向方向の相関はない。そのため、塗膜中には、六方格子の配向方向が互いに異なる複数のドメインを生じることとなる。
これに関し、先の特許文献1には、例えば、開口形状を内角が60°及び120°の平行四辺形とした凹部を基板表面に複数形成し、これら凹部内で先の自己組織化を生じさせることが記載されている。この方法によれば、六方格子の配向方向を凹部の側壁によって規制することができ、しかも、それら4つの側壁は六方格子の配向を同一方向に規制する。そのため、この方法によると、個々の凹部内に六方格子の配向方向が互いに異なる複数のドメインを生じるのを防止することができる。
ところで、パターンドメディアには、カード状や円盤状などの様々な形状を採用することができる。但し、以下に説明する点で、カード形状は円盤形状と比較して有利である。
パターンドメディアを円盤形状とする場合、それを搭載する記録再生装置では、HDD(Hard Disk Drive)と同様、周速度を一定としてパターンドメディアを回転させた状態で情報の書き込み及び読み出しを行うことが想定される。しかしながら、記録面内にドット状磁気記録部が均一な密度で分布している場合、周速度一定方式で情報の読み出しを行うと、円盤の中心近傍から得られる再生信号の周波数と外周近傍から得られる再生信号の周波数とが大きく異なってしまう。また、記録面内にドット状磁気記録部が均一な密度で分布している場合、周速度一定方式で情報の書き込みを行うためには、円盤の中心から記録位置までの距離に応じて、記録信号の周波数を変化させなければならない。
これら問題は、ドット状磁気記録部の分布密度が円盤の外周近傍と比較して中心近傍においてより高くなるようにパターンドメディアを設計することにより解消可能である。しかしながら、自己組織化を利用してドット状磁気記録部を形成する先の方法では、このようなドット状磁気記録部の分布を形成することは難しい。また、そのようなドット状磁気記録部の分布を形成すべく円盤の外周近傍でドット状磁気記録部の分布密度を低くした場合、面記録密度が低下する。
他方、パターンドメディアをカード形状とする場合、パターンドメディアを読取書込ヘッドに対して相対的に直線移動させながら情報の書き込み及び読み出しを行うことが想定される。そのため、パターンドメディアをカード形状とした場合には、パターンドメディアにドット状磁気記録部が均一に分布した構造を採用しながらも、読み出し位置に応じて再生信号の周波数が変化することはなく、また、書き込み位置に応じて記録信号の周波数を変化させる必要もない。
しかしながら、本発明者は、本発明を為すに際し、以下の事実を見出している。すなわち、パターンドメディアをカード形状とした場合、パターンドメディアを円盤形状とした場合とは異なり、平行四辺形の領域内で複数のドット状磁気記録部が配列した構造では、直角四辺形の領域内で複数のドット状磁気記録部が配列した構造と比較して、シークタイムが著しく長くなる。また、自己組織化を利用して直角四辺形の領域内で複数のドット状磁気記録部が配列した構造を形成すると、直角四辺形領域に対するドット状磁気記録部の相対位置が直角四辺形領域毎に異なることがある。このような不規則性は、情報の読み出し及び書き込みを実質的に不可能とする。
特開2002−334414号公報
本発明の目的は、自己組織化を利用してドット状記録部を形成する記録技術において、より短いシークタイムを実現可能とすることにある。
本発明の第1側面によると、互いに直交する第1方向と第2方向とに互いに離間して規則的に配列するとともにそれぞれ長辺が前記第1方向と平行となるように配向した複数の長方形領域を記録面内に備え、前記複数の長方形領域のそれぞれは六方格子を形成するように互いに離間して配列し且つ自己組織化を利用して形成された複数のドット状記録部を含み、前記複数の長方形領域は寸法及び前記複数のドット状記録部が形成する配列パターンが互いに等しく、前記複数の長方形領域のそれぞれにおいて、前記六方格子の格子点のうち最も近くに位置するもの同士を結ぶ線分の1つは前記第1方向と平行であり、且つ、それぞれ複数の前記ドット状記録部が前記第1方向に一列にn+1個並んでなるm+1個の第1記録部群(m、nは自然数)と、それぞれ複数の前記ドット状記録部が前記第1方向に一列にn個並んでなるm個の第2記録部群とが前記第2方向に交互に配列していることを特徴とする記録媒体が提供される。
本発明の第2側面によると、第1側面に係る記録媒体と、読取書込ヘッドと、情報を記録及び再生する際に前記読取書込ヘッドと前記記録面とを前記第1方向と前記第2方向とに相対移動させる駆動機構とを具備したことを特徴とする記録再生装置が提供される。
本発明の第3側面によると、互いに直交する第1方向と第2方向とに互いに離間して規則的に配列するとともに、それぞれの開口形状が前記第1方向と平行な長辺を有する長方形であり且つ前記開口の寸法が互いに等しい複数の凹部を基板の一主面に形成する工程と、前記基板の前記主面上に、加熱処理または乾燥処理することにより連続相とその中で互いに離間して規則的に配列した複数の粒子としての分散相とを生じ得る自己組織化材料を含有した塗膜を形成する工程と、前記塗膜を加熱処理または乾燥処理して、前記複数の凹部のそれぞれの中に、前記連続相と前記分散相とを前記複数の粒子が前記六方格子を形成するように生じさせる工程と、前記複数の粒子の配列を利用して、前記複数の粒子に対応して配列した複数のドット状記録部を含んだ記録面を形成する工程とを含み、前記複数のドット状記録部が形成する配列パターンが前記複数の長方形領域間で互いに等しくなるように、及び、前記複数の凹部のそれぞれにおいて、前記六方格子の格子点のうち最も近くに位置するもの同士を結ぶ線分の1つが前記第1方向と平行となり、且つ、それぞれ複数の粒子が前記第1方向に一列にn+1個並んでなるm+1個の第1粒子群(m、nは自然数)と、それぞれ複数の前記粒子が前記第1方向に一列にn個並んでなるm個の第2粒子群とが前記第2方向に交互に配列するように、前記長方形の前記長辺及び短辺の寸法と前記塗膜の組成と前記熱処理の条件とを設定することを特徴とする記録媒体の製造方法が提供される。
ここで、用語「六方格子」は、正三角形格子とも呼ばれ、最も近くに位置する格子点同士を線分で結んだ場合に正三角形を生じる格子、もしくは一つの格子点に最も近い格子点は6個存在し、それらを線分で結んだ場合に正六角形を生じる格子を意味する。また、記録面の形状が平面形状である場合、用語「第1方向」及び用語「第2方向」は、何れも、直線的な方向を意味する。他方、記録面の形状が円筒形状である場合、用語「第1方向」は円周方向を意味し、用語「第2方向」は円周方向に垂直な軸方向を意味する。
本発明によると、自己組織化を利用してドット状記録部を形成する記録技術において、より短いシークタイムを実現することが可能となる。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同様または類似する機能を有する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の第1態様に係る記録媒体を概略的に示す平面図である。この記録媒体10は、パターンドメディアであり、平板状の基板11を備えている。
基板11の一主面は、互いに等しい寸法を有する複数の長方形領域12aと格子状領域12bとを含んだ記録面である。これら長方形領域12aは、長辺が第1方向であるx方向に対して平行となるように配向しており、x方向に一定の間隔で配列するとともに、これと直交する第2方向であるy方向に一定の間隔で配列している。
それぞれの長方形領域12a内では、複数のドット状記録部13が、六方格子,具体的にはドット状記録部13の略中心を格子点とする六方格子,14を形成するように互いに離間して配列している。ドット状記録部13は、記録材料,ここでは強磁性体などの磁気記録材料,を含んだ層である。
各長方形領域12aにおいてドット状記録部13が形成する配列パターン及びその方位(或いは六方格子14の形状及び方位)は、長方形領域12a間で互いに等しい。また、それぞれの長方形領域12aにおいて、六方格子14の格子点のうち最も近くに位置するもの同士を結ぶ線分の1つはx方向と平行である。
それぞれの長方形領域12aにおいて、ドット状記録部13は、n+1個のドット状記録部13がx方向に一列に並んでなる第1記録部群13G1と、n個のドット状記録部13がx方向に一列に並んでなる第2記録部群13G2とを構成している。これら第1及び第2記録部群13G2及び13G2は、y方向に交互に配列している。また、それぞれの長方形領域12aにおいて、第1記録部群13G1の数はm+1個であり、第2記録部群13G2の数はm個である。なお、m及びnは自然数であり、ここでは一例としてm及びnをそれぞれ2及び4としている。
隣り合うドット状記録部13は、互いに磁気的に分離されている。この磁気的分離は、例えば、隣り合うドット状記録部13間に例えばSiO2やAl23などからなる非磁性体層を介在させることや、或いは、ドット状記録部13を凸部とすることなどにより実現可能である。なお、後者の構造は、例えば、ドット状記録部13の下地表面にドット状記録部13に対応した凸部を形成しておき、この下地上に磁気記録層を堆積させることにより形成することができる。
図2は、図1の記録媒体10を搭載した記録再生装置の一例を概略的に示す斜視図である。この記録再生装置100は、記録媒体10を支持するキャリッジ50と、キャリッジ50をx方向に移動させる一対のアクチュエータ60aと、キャリッジ50をy方向に移動させる一対のアクチュエータ60bと、複数の読取書込ヘッドを搭載したヘッドアレイ70と、アクチュエータ60a及び60b並びにヘッドアレイ70に接続された制御部80とを備えている。
キャリッジ50は、記録媒体10を、その記録面がヘッドアレイ70と対向するように支持している。アクチュエータ60a及び60bとしては、キャリッジ50を高速移動させることが可能であり且つ高い位置決め精度を実現し得るものを使用する。なお、この例では、キャリッジ50とアクチュエータ60a及び60bとが駆動機構を構成している。
ヘッドアレイ70は、図示しない支持体に支持されており、その記録媒体10の対向面に読取書込ヘッドが設けられている。ヘッドアレイ70は、その記録媒体10との対向面に複数の読取書込ヘッドを備えていればよいが、典型的には、x方向とy方向とに配列した複数の読取書込ヘッドを備えている。また、ヘッドアレイ70は、典型的には、1つの読取書込ヘッドで複数の長方形領域12a内のドット状記録部13に対して情報の書き込み及び読み出しを行うように構成される。ヘッドアレイ70の代わりに、1つの読取書込ヘッドを使用することもできる。
制御部80は、アクチュエータ60a及び60bの動作を制御する。また、制御部80は、ヘッドアレイ70が搭載する読取書込ヘッドの選択、ヘッドアレイ70から供給される信号の処理、ヘッドアレイ70への書き込むべき信号の供給、記録媒体10とヘッドアレイ70との相対位置の記憶なども行う。
この記録再生装置100では、情報の読み出し及び書き込みは、例えば、以下のようにして行う。まず、情報の読み出しについて説明する。
情報の読み出しに際しては、まず、指定したアドレスに対応した記録媒体10上の目標位置をそれに対応した読取書込ヘッドの略正面へと高速移動させるべく、アクチュエータ60a及び60bを高速駆動する。例えば、このアクセス動作を開始する前の時点における記録媒体10とヘッドアレイ70との相対位置を制御部80に記憶させておき、この相対位置と先の目標位置とから、キャリッジ50の移動方向または移動方向及び移動量を求める。制御部80は、これに基づいてアクチュエータ60a及び60bの高速駆動を開始する。
キャリッジ50の高速移動を開始してから停止するまでの間、記録媒体10に磁気情報として書き込んである位置情報を1つ以上の読取書込ヘッドで読み出してもよい。これに基づいて、制御部80が記憶する相対位置情報の更新や、キャリッジ50の移動方向などの補正などを行うことができる。
高速移動を完了後、制御部80は、高精度な位置決めを行うべく、アクチュエータ60a及び60bの動作を高精度に制御する。例えば、記録媒体10にアドレス信号や位置決めバースト信号等の磁気パターンを記録しておき、この磁気パターンが読取書込ヘッドの正面を通過した際にその読取書込ヘッドが制御部80へと出力する位置誤差信号に基づいて、目標位置とそれに対応した読取書込ヘッドとの高精度な位置合わせを行う。
その後、アクチュエータ60aを駆動してキャリッジ50をx方向へと移動させる。キャリッジ50をx方向へ移動させると、先の目標位置に対応した読取書込ヘッドの正面を、x方向に一列に並んだ複数のドット状記録部13が順次通過する。制御部80は、この際に先の読取書込ヘッドから順次供給される信号を、上記アドレスに記録された情報として読み出す。
第1列についての読み出しを行った後、第2列についての読み出しを行うべく、例えば、以下の動作を行う。すなわち、アクチュエータ60aを逆向きに駆動し、キャリッジ50を先の位置決め直後の位置まで戻す。次いで、アクチュエータ60bを駆動し、第1列を通る中心線と第2列を通る中心線との間の距離だけ、キャリッジ50をy方向へと移動させる。これにより、読取書込ヘッドは、第2列の読み出し開始位置とほぼ等しい位置まで移動する。続いて、読取書込ヘッドを第2列の読み出し開始位置により正確に位置させるべく、上述したのとほぼ同様の位置決めを行う。但し、第2列の読み出し開始位置と第1列の読み出し開始位置とはx方向に関する位置が同一であるので、ここでは、y方向についてのみ位置決めを行えばよい。その後、第1列について説明したのと同様に、キャリッジ50をx方向へと移動させ、第2列についての読み出しを行う。
また、この記録再生装置100では、情報の書き込みは、例えば、以下のようにして行う。
まず、読み出しに関して説明したのと同様の方法により、キャリッジ50の高速移動及び高精度な位置決めを順次行う。次いで、アクチュエータ60aを駆動してキャリッジ50をx方向へと移動させながら、書き込むべき二値情報に対応して磁界の強さ及び/または向きが変化するように読取書込ヘッドに供給する電力を制御する。このようにして、x方向に一列に並んだ複数のドット状記録部13に対し、二値情報を順次書き込む。
第1列についての書き込みを行った後、第2列についての書き込みを行うべく、例えば、以下の動作を行う。すなわち、アクチュエータ60aを逆向きに駆動し、キャリッジ50を先の位置決め直後の位置まで戻す。次いで、アクチュエータ60bを駆動し、第1列を通る中心線と第2列を通る中心線との間の距離だけ、キャリッジ50をy方向へと移動させる。これにより、読取書込ヘッドは、第2列の書き込み開始位置とほぼ等しい位置まで移動する。続いて、読取書込ヘッドを第2列の書き込み開始位置により正確に位置させるべく、y方向についてのみ、上述したのと同様の位置決めを行う。その後、第1列について説明したのと同様に、キャリッジ50をx方向へと移動させ、第2列についての書き込みを行う。
書き込みの際には、キャリッジ50のx方向への移動と読取書込ヘッドが発生する磁界の変化とを同期させる必要がある。このためには、位置決め直後において、情報の書き込みを行う読取書込ヘッドと情報が書き込まれるドット状記録部13との相対位置やドット状記録部13のx方向についてのピッチが正確に分かっていなければならない。
この記録媒体10では、長方形領域12aは、寸法が互いに等しく、x方向とy方向とに規則的に配列している。また、長方形領域12aは何れも、長辺がx方向と平行となるように配向している。さらに、これら長方形領域12aは、ドット状記録部13が形成する配列パターンが互いに等しい。そのため、先の目標位置を何処に定めたとしても、全てのドット状記録部13について、それらの目標位置に対する相対位置を予想することができる。すなわち、位置決め直後において、情報の書き込みを行う読取書込ヘッドと情報が書き込まれるドット状記録部13との相対位置やドット状記録部13のx方向についてのピッチを正確に予想することができる。したがって、書き込みの際、キャリッジ50のx方向への移動と読取書込ヘッドが発生する磁界の変化とを容易に同期させることができる。
また、位置決め直後において、読取書込ヘッドとドット状記録部13との相対位置やドット状記録部13のx方向についてのピッチを正確に予想することができるので、容易且つ正確に読み出しを行うことができる。この記録媒体10を搭載した記録再生装置100では、容易且つ正確に読み出し及び書き込みを行うことができる。
なお、これら効果は、記録媒体10に他の構造を採用した場合には得ることができない。これについては、図3を参照しながら説明する。
図3は、一比較例に係る記録媒体を概略的に示す平面図である。図3に示す記録媒体10では、長方形領域12a内におけるドット状記録部13の配列様式が2通りある。また、一方の配列様式でドット状記録部13が配列した長方形領域12aと、他方の様式でドット状記録部13が配列した長方形領域12aとは、周期的に配列しておらず、ランダムに配列している。図3に示す記録媒体10は、先の構造を採用したこと以外は、図1に示す記録媒体10と同様の構造を有している。
このような記録媒体10では、各長方形領域12aでドット状記録部13に2通りの配列様式が考えられる。そのため、上述した位置決めの直後において、情報の書き込みを行う読取書込ヘッドと情報が書き込まれるドット状記録部13との相対位置を予想することは不可能である。したがって、読み出しや書き込みを行うたびに、何等かの方法で、長方形領域12a毎に読取書込ヘッドとドット状記録部13との相対位置を調べなければならない。すなわち、図3に示す記録媒体10を使用した場合、容易且つ正確に読み出し及び書き込みを行うことができず、また、図1に示す記録媒体10を使用した場合と比較してアクセスタイムが長くなる。
また、図1に示す記録媒体10を搭載した記録再生装置100では、短いシークタイムを実現することができる。これについては、図1と図4とを対比しながら説明する。
図4は、他の比較例に係る記録媒体を概略的に示す平面図である。図1に示す記録媒体10では記録面内で長方形領域12aがx方向とy方向とに規則的に配列しているのに対し、図4に示す記録媒体10では記録面内で平行四辺形領域12a’がx方向とz方向とに規則的に配列している。各平行四辺形領域12a’では、5×5個のドット状記録部13がx方向とz方向とに一定の間隔で配列している。なお、z方向は、x方向とz方向とを含む面に平行であり且つx方向に対して60°の角度を為している方向である。図4に示す記録媒体10は、先の構造を採用したこと以外は、図1に示す記録媒体10と同様の構造を有している。
図4に示す記録媒体10では、平行四辺形領域12a’内におけるドット状記録部13の配列様式は1通りのみである。したがって、図4に示す記録媒体10を用いた場合、図1に示す記録媒体10を用いた場合と同様、位置決め直後において、情報の書き込みを行う読取書込ヘッドと情報が書き込まれるドット状記録部13との相対位置を予想することができる。
しかしながら、図4に示す記録媒体10では、ドット状記録部13は、長方形領域12a内ではなく、平行四辺形領域12a’内で配列している。そのため、読み出しの際には、第1列及び第2列の読み出しを例えば以下のように行わなければならない。
すなわち、まず、上述したのと同様の方法により位置決めを行い、読取書込ヘッドを第1列の読み出し開始位置に正確に位置させる。次いで、第1列についての読み出しを行うべく、アクチュエータ60aを駆動してキャリッジ50をx方向へと移動させる。
第1列についての読み出しを完了後、第2列についての読み出しを行うべく、アクチュエータ60aを逆向きに駆動し、キャリッジ50をx方向逆向きへと移動させる。次いで、アクチュエータ60bを駆動し、第1列を通る中心線と第2列を通る中心線との間の距離だけ、キャリッジ50をy方向へと移動させる。これにより、読取書込ヘッドの位置を第2列の読み出し開始位置にほぼ一致させる。
続いて、読取書込ヘッドを第2列の読み出し開始位置に正確に位置させるべく、位置決めを行う。なお、図4に示す記録媒体10を用いた場合、ドット状記録部13は平行四辺形領域12a’内で配列しているため、第2列の読み出し開始位置と第1列の読み出し開始位置とはx方向に関する位置が異なることとなる。したがって、ここでは、x方向及びy方向の双方について位置決めを行う。
その後、第1列について説明したのと同様に、キャリッジ50をx方向へと移動させ、第2列についての読み出しを行う。
このように、図4に示す記録媒体10を用いた場合、図1に示す記録媒体10を用いた場合とは異なり、第M列についての読み出しを完了してから第M+1列についての読み出しを開始するまでの期間毎にx方向に関する位置決めを行わなければならない。そのため、図4に示す記録媒体10を使用すると、図1に示す記録媒体10を使用した場合と比較して、シークタイムが長くなる。
なお、図4に示す記録媒体10を用いた場合であっても、キャリッジ50がx方向とz方向とに直線移動するように記録再生装置100を設計すれば、第M列についての読み出しを完了してから第M+1列についての読み出しを開始するまでの期間毎にx方向に関する位置決めを行う必要はなくなる。但し、キャリッジ50をx方向とz方向とに直線移動させる記録再生装置100では、キャリッジ50をx方向とy方向とに直線移動させる記録再生装置100ほど高い位置決め精度を実現することはできない。したがって、現実的には、記録再生装置100にキャリッジ50をx方向とz方向とに直線移動させる構成を採用することはできない。
以上説明したように、図1に示す記録媒体10によると、短いシークタイムを実現可能となる。この記録媒体10は、以下に説明する方法により製造可能である。まず、記録媒体10の製造に利用する製造装置について説明する。
図5は、図1の記録媒体10の製造に利用可能なスタンパを概略的に示す平面図である。このスタンパ20は、一主面を転写面として有する基板21を備えている。
基板21の転写面は平坦面であり、この平坦面には複数のドット状凹部23が設けられている。これらドット状凹部23の配列は、記録媒体10のドット状記録部13の配列と対応している。
すなわち、基板21の転写面は、互いに等しい寸法を有する複数の長方形領域22aと格子状領域22bとを含んでいる。これら長方形領域22aは、長辺がx方向に対して平行となるように配向しており、x方向に一定の間隔で配列するとともに、y方向に一定の間隔で配列している。ドット状凹部23は、それぞれの長方形領域22a内で、六方格子,具体的にはドット状凹部23の略中心を格子点とする六方格子,24を形成するように互いに離間して配列している。
各長方形領域22aにおいてドット状凹部23が形成する配列パターン及びその方位(或いは六方格子の形状及び方位)は、長方形領域22a間で互いに等しい。また、それぞれの長方形領域22aにおいて、六方格子24の格子点のうち最も近くに位置するもの同士を結ぶ線分の1つはx方向と平行である。
それぞれの長方形領域22aにおいて、ドット状凹部23は、n+1個のドット状凹部23がx方向に一列に並んでなる第1凹部群23G1と、n個のドット状凹部23がx方向に一列に並んでなる第2凹部群23G2とを構成している。これら第1及び第2凹部群23G1及び23G2は、y方向に交互に配列している。また、それぞれの長方形領域22aにおいて、第1凹部群23G1の数はm+1個であり、第2凹部群23G2の数はm個である。
図6乃至図10は、図5の製造装置20の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図である。
この方法では、まず、図6に示すように、シリコン基板や石英基板のような基板31を準備する。ここでは、基板31としてガラス基板を使用することとする。次に、ガラス基板31上にフォトレジストを塗布し、このレジスト層をフォトリソグラフィによりパターニングする。これにより、長方形領域22aに対応した開口32aを有するレジストパターン32を得る。
このレジスト層の露光には、例えば、紫外線露光、電子線描画や集束イオンビーム描画などの荷電粒子線描画等を利用することができる。また、ここでは、フォトレジストを使用してレジストパターン32を形成しているが、このパターン32は非感光性の材料を用いて形成してもよい。さらに、このパターン32は、連続膜を、走査トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡や近接場光顕微鏡などで使用する走査型プローブを利用した方法やナノインプリント法などによりパターニングすることにより得ることもできる。
次いで、ガラス基板31及びレジストパターン32上に、自己組織化材料をスピンコート法などにより塗布する。自己組織化材料としては、例えば、ポリマーAとポリマーBとのブロックコポリマーを溶媒中に溶解してなる溶液を使用することができる。ここでは、一例として、自己組織化材料として、PS−PMMA(polystylene-polymethylmethacrylate)ジブロックコポリマーをトルエンなどの有機溶媒に溶解してなる溶液を使用することとする。
続いて、この自己組織化材料の塗膜33を、自己組織化材料のガラス転移点以上であり且つその分解温度未満の温度でアニールする。すると、塗膜33内で、PSとPMMAとの相分離及びPMMAの自己凝集が生じる。その結果、図7に示すように、塗膜33中に、PMMAからなる略球状或いは略円柱状の島状領域33aと、PSからなる海状領域33bとが生じる。
その後、酸素RIE(Reactive Ion Etching)法を用いてPMMA及びレジストパターン32を除去する。これにより、塗膜33中に島状領域33aに対応したナノホールを形成するとともに、レジストパターン32に対応した格子状の溝を形成する。続いて、ナノホール及び格子状の溝をSOG(Spin On Glass)で充填し、次いで、アルゴンイオンミリングを行うことにより、最表面がSOGからなる高アスペクト比のマスクを得る。さらに、CF4などのフルオロカーボン系ガスを用いたRIE法により、先のマスクから露出したガラス基板31の表面領域を除去する。その後、ガラス基板31からマスクなどを除去することにより、図8に示す構造を得る。
なお、図8に示すガラス基板31の表面には、島状領域33aに対応して規則的に配列した複数のドット状凸部と、先のレジストパターン32に対応した格子状凸部とが形成されている。これらドット状凸部の寸法や配列ピッチなどは、例えば、ポリマーA及びポリマーBの分子量やそれらの比を適宜設定することなどにより制御することができる。
次に、図9に示すように、ガラス基板31を型として用いてNi電鋳を行うことにより、Ni層21を形成する。その後、Ni層21からガラス基板31を除去することにより、図10に示す構造を得る。以上のようにして、転写面に、Ni層21の一主面にドット状凹部23が設けられた長方形領域22aと格子状領域22bとを有するスタンパ20が得られる。
なお、ここでは、格子状領域22bは、長方形領域22aの最表面よりも高さが低いが、格子状領域22bの高さと長方形領域22aの最表面の高さとは一致させることもできる。例えば、SOGを塗布する前に、フォトリソグラフィを利用して格子状の溝をレジストで満たしておけばよい。こうすると、格子状領域22bの高さと長方形領域22aの最表面の高さとが一致するため、格子状領域22bと長方形領域22aとの間に段差は生じず、したがって、格子状領域22bと長方形領域22aとの間に明確な境界は生じない。但し、この場合でも、長方形領域22a間での六方格子24の不連続性から、個々の長方形領域22aの形状、配向、及び長辺と短辺との長さの比や、長方形領域22aの寸法が互いに等しいことなどは判別することができる。
また、上記の方法では、自己組織化材料としてブロックコポリマーと溶媒との混合物を使用しているが、自己組織化材料として他の材料を使用することも可能である。例えば、金属粒子などの微粒子の表面を長鎖アルキル基などの有機物で被覆してなる複合粒子と溶媒との混合物を使用することもできる。このような自己組織化材料を用いて得られる塗膜を乾燥させると複合粒子同士が凝集し、その結果、金属粒子などの微粒子は先の島状領域33aと同様に配列する。
次に、このスタンパ20を用いた記録媒体10の製造方法について説明する。
図11乃至図14は、図1に示す記録媒体10の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図である。
この方法では、まず、図11に示すように、例えばガラス基板などの非磁性基板11の一主面上に、光硬化樹脂または熱硬化樹脂からなる樹脂層14を形成する。
次に、図12に示すように、樹脂層14に、図10に示すスタンパ20を押し当てる。これにより、スタンパ20の一主面に設けた凹凸パターンを樹脂層14に転写する。
樹脂層14を光硬化及び/または熱硬化させた後、スタンパ20を樹脂層14から取り外す。この時点で、樹脂層14の表面には、図13に示すように、スタンパ20のドット状凹部23及び格子状領域22bに対応して、ドット状凸部と格子状凸部とが形成されている。
続いて、図14に示すように、樹脂層14上に、例えばスパッタリング法などにより強磁性体膜を含んだ磁性体層15を形成する。この磁性体層15のうちドット状凸部上に位置した部分がドット状記録部13に相当する。
なお、この磁性体層15のドット状凸部の上面に位置した部分同士は、物理的に分断されていてもよく、或いは、物理的には分断されていなくてもよい。後者の場合であっても、磁性体層15のドット状凸部の上面に位置した部分同士は、磁気的には分離される。
次に、必要に応じ、基板11の磁性体層15を形成した面に、非磁性体層を形成する。これにより、基板11の一主面に設けた凹部を非磁性体層で埋め込む。以上のようにして、記録媒体10を得る。
なお、この方法では、格子状領域12bやドット状記録部13間の領域は磁性体層15で被覆される。磁性体層15の格子状領域12bを被覆している部分は、例えば、サーボパターンなどを磁気情報として記録した制御領域として利用することができる。
また、この方法では、格子状領域12bやドット状記録部13間の領域は磁性体層15で被覆されるが、他の方法を採用した場合にはそれら領域は磁性体層15で被覆されないことがある。例えば、平坦な下地層上に磁性体層15及び樹脂層14を順次形成し、樹脂層14の表面にスタンパ20の凹凸パターンを転写する。次いで、凹凸パターンを転写した樹脂層14またはこれを利用して得られる薄膜パターンをエッチングマスクとして用いて磁性体層15をパターニングする。この方法によると、ドット状記録部13間の領域は磁性体層15から露出する。また、この方法で、スタンパ20として格子状領域22bの高さと長方形領域22aの最表面の高さとが等しいものを使用した場合には、格子状領域12b及びドット状記録部13間の領域の双方が磁性体層15から露出する。
ところで、先の方法では、上記の通り、自己組織化を利用して得られる島状領域33aの配列パターンが、スタンパ20におけるドット状凹部23の配列パターンを決定し、したがって、記録媒体10におけるドット状記録部13の配列パターンを決定する。そのため、図1に示す記録媒体10を製造するためには、スタンパ20を製造する際に、ドット状記録部13に対応したパターンで配列した島状領域33aを生じさせなければならない。これは、例えば、以下に説明する現象を利用することにより実現することができる。
図15及び図16は、レジストパターン32に設けた開口32aと島状領域33aの配列パターンとの関係の一例を概略的に示す平面図である。なお、図15及び図16に示す構造は、図7に示す構造に相当している。但し、図15及び図16に示すレジストパターン32には、正方形状の開口32aを設けている。
上述した自己凝集により生じる島状領域33aは、通常、六方格子を形成するように互いに離間して配列する。また、これら島状領域33aは、先の六方格子の格子点のうち最も近くに位置するもの同士を結ぶ線分の1つが開口32aの一辺と平行になるように配列する傾向にある。そのため、図15や図16に示す構造が得られる。
しかしながら、開口32aを正方形状とした場合、図15に示す構造と図16に示す構造とが等しい確率で現れる。すなわち、図15に示す構造と図16に示す構造とが混在することとなる。したがって、スタンパ20及び記録媒体10のそれぞれにおいても、図15と図16とに対応した2種類の構造が混在することとなる。
図15に示す構造と図16に示す構造とでは、島状領域33aが形成する配列パターンのx方向に対する方位が90°異なっている。そのため、開口32aを正方形状とした場合、記録面にドット状記録部13が形成する配列パターンの方位が互いに異なる2種類の領域12aを有する記録媒体10が得られることとなる。
図17乃至図22は、レジストパターン32に設けた開口32aと島状領域33aの配列パターンとの関係の他の例を概略的に示す平面図である。なお、図17乃至図20に示す構造は、図7に示す構造に相当している。但し、図17乃至図22に示すレジストパターン32には、長方形状の開口32aを設けている。
開口32aが長方形状である場合、島状領域33aは、それらが形成する六方格子の格子点のうち最も近くに位置するもの同士を結ぶ線分の1つが開口32aの長辺と平行になるように配列する傾向にある。そのため、例えば、図17乃至図20に示す構造が得られる。
但し、島状領域33aがx方向に一列に並んでなる島状領域群33Gのy方向についての配列数が偶数となるように開口32aの寸法や自己組織化材料の組成やアニール条件などを設定した場合、例えば、図17に示す構造や図18に示す構造が得られる。図17に示す構造と図18に示す構造とは等しい確率で現れるため、スタンパ20及び記録媒体10のそれぞれにおいても、図15と図16とに対応した2種類の構造が混在することとなる。
また、y方向に隣り合う島状領域群33G間でそれらを構成している島状領域33aの数が同一となるように開口32aの寸法や自己組織化材料の組成やアニール条件などを設定した場合、例えば、図19に示す構造や図20に示す構造が得られる。図19に示す構造と図20に示す構造とは等しい確率で現れるため、スタンパ20及び記録媒体10のそれぞれにおいても、図19と図20とに対応した2種類の構造が混在することとなる。
複数の島状領域33aがx方向に一列に並んでなる第1島状領域群33G1と、それよりも島状領域33aの数が1つ少ない第2島状領域群33G2とがy方向に交互に計奇数個配列するように開口32aの寸法や自己組織化材料の組成やアニール条件などを設定した場合、例えば、図21に示す構造や図22に示す構造が得られると考えられる。
しかしながら、先の自己凝集では、より多くの島状領域33aが凹部32aの長辺及び短辺に隣接して配列しようとする。すなわち、図21に示す構造は、図22に示す構造と比較して、より安定である。そのため、開口32aの寸法や自己組織化材料の組成やアニール条件などをの各種条件を適宜設定すると、図22に示す構造は現れず、図21に示す構造のみが現れる。それゆえ、スタンパ20の長方形領域22aの全てに図21に対応した構造のみを生じさせること,すなわち図5に示すスタンパ20を得ること,ができ、したがって、図1に示す記録媒体10を得ることができる。
図21に示す構造を得るに当り、凹部32aの長辺の長さLxと凹部32aの短辺の長さLyとは、以下の関係に基づいて設定してもよい。
(n+1/4)×P≦Lx≦(n+3/4)×P
1/2×(m−1/4)×P≦Ly≦31/2×(m+3/4)×P
なお、上記不等式において、Pはx方向に一列に並んだ島状領域33aのピッチを示し、mは凹部32a内に含まれる島状領域群33G2の数を示し、nは各島状領域群33G2を構成している島状領域33aの数を示している。また、凹部32aの長辺の長さLxは長方形領域12aや長方形領域22aの長辺の長さに相当し、凹部32aの短辺の長さLyは長方形領域12aや長方形領域22aの短辺の長さに相当し、ピッチPはx方向に一列に並んだドット状記録部13やドット状凹部23のピッチに相当している。
凹部32aの短辺に対する長辺の比が小さい場合、島状領域33aは、図15及び図16を参照して説明したような、凹部32aに対する方位が互いに異なる2種類の配列パターンを生じることがある
凹部32aの長辺の長さが過剰に長い場合、図21に示す構造と図22に示す構造とが同時に現れることがある。また、凹部32aが過剰に広いと、六方格子の配向方向が互いに異なる複数のドメインを生じ易くなる。通常、凹部32aの長辺の長さを約10μm以下に設定すれば、これらを十分に防止することができる。
以上、スタンパ20を用いた記録媒体10の製造方法について説明したが、記録媒体10はスタンパ20使用しなくても製造することができる。例えば、基板11の一主面に対して図6乃至図8を参照して説明したプロセスを順次実施してドット状凸部を形成し、さらに、磁性体層15を連続膜として形成する。或いは、基板11上に磁性体層15を連続膜として形成し、この磁性体層15を図6乃至図8を参照して説明した方法によりパターニングする。これらの方法でも、記録媒体10を製造することができる。
本態様では、長方形領域12aに含まれるドット状記録部13の一部のみに情報の書き込みが行われ得るように、制御部80により読取書込ヘッドの書き込み動作を制御してもよい。すなわち、例えば、以下に説明するように、長方形領域12aに含まれるドット状記録部13の一部のみを、ユーザが書き換え可能なユーザ領域として利用してもよい。
通常、第1記録部群13G1を構成しているドット状記録部13の数と、第2記録部群13G2を構成しているドット状記録部13の数とが等しいほうが、情報の書き込みや読み出しを行い易い。しかしながら、本態様では、上記の通り、各第1記録部群13G1をn+1個のドット状記録部13で構成し、各第2記録部群13G2をn個のドット状記録部13で構成する。
したがって、例えば、第1記録部群13G1にはそれを構成しているn+1個のドット状記録部13のうちのn個,典型的には第1記録部群13G1の一端側に位置したn個,に対してのみ情報の書き込みが行われ且つ第2記録部群13G2にはそれを構成しているn個のドット状記録部13の全てに対して情報の書き込みが行われ得るように、制御部80により読取書込ヘッドの書き込み動作を制御してもよい。また、制御部80は、読み出しの際、ユーザが書き換え可能なドット状記録部13から得られる信号と、ユーザが書き換え不可能なドット状記録部13から得られる信号とを区別するように構成してもよい。なお、ユーザが書き換え不可能なドット状記録部13には、情報を全く記録しなくてもよく、或いは、パリティチェックなどの補助的な用途に利用してもよい。
また、通常、長方形領域12aに含まれる第1記録部群13G1の数と第2記録部群13G2の数との和は偶数であるほうが、情報の書き込みや読み出しを行い易い。しかしながら、本態様では、上記の通り、それらの和を奇数とする。
したがって、例えば、長方形領域12aのそれぞれにおいて、m+1個の第1記録部群13G1のうちそれらの配列の一端側に位置したm個と、m個の第2記録部群13G2の全てとにのみドット状記録部13への情報の書き込みが行われるように、制御部80により読取書込ヘッドの書き込み動作を制御してもよい。この場合、制御部80は、読み出しの際、ユーザが書き換え可能なドット状記録部13から得られる信号と、ユーザが書き換え不可能なドット状記録部13から得られる信号とを区別するように構成してもよい。なお、ユーザが書き換え不可能な第1記録部群13G1を構成しているドット状記録部13には、情報を全く記録しなくてもよく、或いは、パリティチェックなどの補助的な用途に利用してもよい。
次に、本発明の第2態様について説明する。
図23は、本発明の第2態様に係る磁気記録再生装置を概略的に示す斜視図である。
この磁気記録再生装置100は、円筒形の記録面を有する記録媒体10を備えている。記録媒体10は、例えば、円筒状または円柱状の形状を有することができる。この例では、記録媒体10は円筒形状を有しており、外側の円筒面を記録面としている。この記録面では、図1に示したのと同様の長方形領域12aが、円周方向であるx方向に一定の間隔で配列するとともに、これと直交する軸方向であるy方向に一定の間隔で配列している。各長方形領域12a内では、図1に示したのと同様のパターンでドット状記録部13が配列している。
記録媒体10は、その内側に配置されたロータ50aを介してスピンドル50bに固定されている。スピンドル50bは、図示しない支持体に取り付けられた軸受(図示せず)によって回転可能に支持されており、その一端はモータ60cの回転軸に取り付けられている。
先の支持体には図示しないリニアガイドが取り付けられており、このリニアガイドはヘッドアレイ70をy方向へ直線移動可能に支持している。この例では、ヘッドアレイ70は、記録媒体10の記録面近傍に配置されており、その記録媒体10との対向面に、y方向に一列に並んだ複数の読取書込ヘッドを備えている。ヘッドアレイ70は、典型的には、1つの読取書込ヘッドで複数の長方形領域12a内のドット状記録部13に対して情報の書き込み及び読み出しを行うように構成される。ヘッドアレイ70の代わりに、1つの読取書込ヘッドを使用することもできる。
ヘッドアレイ70のy方向両端には、ヘッドアレイ70をy方向へと移動させる一対のアクチュエータ60dが配置されている。なお、この例では、これらアクチュエータ60dとモータ60cとロータ50aとスピンドル50bとが駆動機構を構成している。
モータ60cとアクチュエータ60dとヘッドアレイ70とには制御部80が接続されている。制御部80は、モータ60c及びアクチュエータ60dの動作を制御する。また、制御部80は、ヘッドアレイ70が搭載する読取書込ヘッドの選択、ヘッドアレイ70から供給される信号の処理、ヘッドアレイ70への書き込むべき信号の供給、記録媒体10とヘッドアレイ70との相対位置の記憶なども行う。
図23に示す記録再生装置100では、アクチュエータ60aを駆動して記録媒体10をx方向に直線運動させる代わりにモータ60cを駆動して記録媒体10をx方向に回転運動させること、及び、アクチュエータ60bを駆動して記録媒体10をy方向に移動させる代わりにアクチュエータ60dを駆動してヘッドアレイ70をy方向に移動させることを除き、第1態様で図2の記録再生装置100に関して説明したのとほぼ同様の方法により情報の読み取り及び書き込みを行うことができる。この場合、第1態様で説明したのと同様の効果を得ることができる。
また、図23に示す記録再生装置100では、他の方法により情報の読み取り及び書き込みを行うことも可能である。例えば、一般的なドラム式の磁気記録再生装置と同様に、情報の読み取り及び書き込みの際に、記録媒体10を一方向にのみ回転させてもよい。
以上、本発明を磁気記録技術に適用した場合ついて説明したが、本発明は、例えば、光記録技術や光磁気記録技術などの他の記録技術にも適用可能である。したがって、ドット状記録部13は、磁気記録媒体や光磁気記録媒体で使用されているような磁気記録材料に加え、例えば、光照射により光学特性が可逆的に変化する光記録材料や、光照射により光学特性が非可逆的に変化する光記録材料などで構成することができる。或いは、再生専用の記録媒体のように、ドット状記録部13には記録材料を配置せず、凹部または凸部をドット状記録部13とすることもできる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例)
本例では、まず、以下に説明する方法により図5に示すスタンパ20を作製した。
すなわち、ガラス基板31上にフォトレジストをスピンコートし、このレジスト層をフォトリソグラフィによりパターニングした。これにより、図6に示すレジストパターン32を得た。ここでは、レジストパターン32の膜厚は約30nmとした。また、レジストパターン32に設けた開口32aは、長辺の長さLx及び短辺の長さLyがそれぞれ約2613nm及び約473nmである長方形状とした。
次に、分子量が約35500のPSと分子量が約12200のPMMAとのブロックコポリマーをPGMEA(propyleneglycol monomethyl ether acetate)中に3.0質量%の濃度で溶解してなる溶液を、ガラス基板31のレジストパターン32を形成した面にスピンコートした。続いて、得られた塗膜33を200℃で10時間のアニールに供した。その結果、図7及び図21に示すように、塗膜33中に、PSからなる海状領域33bと、PMMAからなる球形の島状領域33aとが生じた。
その後、酸素RIE法を用いてPMMA及びレジストパターン32を除去した。これにより、塗膜33中に島状領域33aに対応したナノホールを形成するとともに、レジストパターン32に対応した格子状の溝を形成した。続いて、ナノホール及び格子状の溝をSOGで充填し、次いで、酸素RIEを行うことにより、最表面がSOGからなる高アスペクト比のマスクを得た。さらに、CF4を用いたRIE法により、先のマスクから露出したガラス基板31の表面領域を除去した。その後、ガラス基板31からマスクなどを除去することにより、図8に示す構造を得た。
次いで、図9に示すように、ガラス基板31を型として用いてNi電鋳を行うことにより、厚さ3mmのNi層21を形成した。その後、Ni層21からガラス基板31を除去することにより、図5及び図10に示すスタンパ20を得た。
次に、このスタンパ20を用いて、以下に説明する方法により図1及び図14に示す磁気記録媒体10を作製した。
すなわち、まず、図11に示すように、2.5インチ×2.5インチのガラス基板11の一主面上に、紫外線硬化樹脂層14を形成した。
次に、図12に示すように、紫外線硬化樹脂層14に、図5及び図10に示すスタンパ20を押し当てた。これにより、スタンパ20の一主面に設けた凹凸パターンを紫外線硬化樹脂層14に転写した。
次いで、紫外線照射により紫外線硬化樹脂層14を硬化させた後、図13に示すように、スタンパ20を樹脂層14から取り外した。続いて、図14に示すように、樹脂層14上に、スパッタリング法により磁性体層15としてCoCrPt合金層を形成した。
その後、基板11の磁性体層15を形成した面にSOGをスピンコートし、さらにベーキングすることにより非磁性体層を形成した。以上のようにして、磁気記録媒体10を得た。
以上のようにして得られた磁気記録媒体10の記録面を走査電子顕微鏡で観察した。その結果、図1に示すように、ドット状記録部13は各長方形領域12a内で六方格子14を形成していた。また、この磁気記録媒体10では、図1に示すように、各長方形領域12a内においてドット状記録部13が形成する配列パターンは、長方形領域12aの中心を通り且つy方向に平行な直線に関して対称であり、長方形領域12aの中心を通り且つx方向に平行な直線に関しても対称であった。さらに、各長方形領域12a内でドット状記録部13が形成する配列パターンは全ての長方形領域12aにおいて等しかった。
より具体的には、ドット状記録部13の直径は約10nmであり、各長方形領域12aは、それぞれ101個のドット状記録部13がx方向に約26nmのピッチで配列してなる11個の第1記録部群13G1と、それぞれ100個のドット状記録部13がx方向に約26nmのピッチで配列してなる10個の第2記録部群13G2とを含んでいた。また、各長方形領域12aにおいて、第1記録部群13G1と第2記録部群13G2とは、y方向に交互に配列していた。すなわち、この磁気記録媒体10において、各第2記録部群13G2を構成しているドット状記録部13の数mは100個であり、各長方形領域12aに含まれる第2記録部群13G2の数nは10であった。
次に、この磁気記録媒体10を図2に示す磁気記録再生装置100に搭載した。次いで、この磁気記録再生装置100で、第1態様で図1及び図2を参照しながら説明したのと同様の方法により情報の読み出し及び書き込みを行い、読み出し時及び書き込み時のシークタイムを測定した。なお、本例では、第1記録部群13G1を構成している101個のドット状記録部13のうちその一端側に位置した100個にのみ情報が書き込まれ且つ第2記録部群13G1にはそれを構成している100個のドット状記録部13の全てに情報が書き込まれ得るように読取書込ヘッドの書き込み動作を制御した。また、本例では、各長方形領域12aにおいて、11個の第1記録部群13G1のうちそれらの配列の一端側に位置した10個と10個の第2記録部群13G2の全てとにのみドット状記録部13への情報の書き込みが行われるように読取書込ヘッドの書き込み動作を制御した。その結果を以下の表に示す。
(比較例1)
レジストパターン32に設けた開口32aを、長辺の長さLx及び短辺の長さLyがそれぞれ約2600nm及び約520nmであり且つ内角が60°及び120°の平行四辺形状としたこと以外は、上記実施例で説明したのと同様の方法によりスタンパ20を作製した。このようにして得られたスタンパ20を使用したこと以外は上記実施例で説明したのと同様の方法により磁気記録媒体10を作製した。
この磁気記録媒体10の記録面を走査電子顕微鏡で観察した。その結果、図4に示すように、ドット状記録部13は各平行四辺形領域12a’内で六方格子14を形成していた。また、この磁気記録媒体10では、図4に示すように、各平行四辺形領域12a’内でドット状記録部13が形成する配列パターンは全ての平行四辺形領域12a’において等しかった。
より具体的には、ドット状記録部13の直径は約10nmであり、各平行四辺形領域12a’は、それぞれ100個のドット状記録部13がx方向に約26nmのピッチで配列してなる20個の記録部群13Gを含んでいた。また、各平行四辺形領域12a’において、記録部群13Gはz方向に配列していた。
次に、この磁気記録媒体10を図2に示す磁気記録再生装置100に搭載した。次いで、この磁気記録再生装置100で、第1態様で図4を参照しながら説明したのと同様の方法により情報の読み出し及び書き込みを行い、読み出し時及び書き込み時のシークタイムを測定した。なお、本例では、キャリッジ50の移動速度などの各種条件は上記実施例と等しくした。また、本例では、記録部群13Gを構成している100個のドット状記録部13の全てに情報が書き込まれ得るように読取書込ヘッドの書き込み動作を制御するとともに、各平行四辺形領域12a’において、20個の記録部群13Gの全てにドット状記録部13への情報の書き込みが行われるように読取書込ヘッドの書き込み動作を制御した。その結果を以下の表に示す。
Figure 0003869404
なお、上記表には3種のシークタイムを示しており、「Track to Track」は、或る行(トラック)への読み出し/書き込みを完了してからそれに隣接する行(トラック)への読み出し/書き込みを開始するまでの期間に行う移動及び位置決めに要する時間を意味している。また、「Full Track」は、或る行(トラック)への読み出し/書き込みを完了してから任意の行(トラック)への読み出し/書き込みを開始するまでの期間に行う移動及び位置決めに要する時間を意味している。「Average」は、或る行(トラック)への読み出し/書き込み、それに隣接する行(トラック)への読み出し/書き込み、任意の行(トラック)への読み出し/書き込みを繰り返した場合における、前の行(トラック)への読み出し/書き込みを完了してから次の行(トラック)への読み出し/書き込みを開始するまでの期間に行う移動及び位置決めに要する時間の平均を意味している。
上記表から明らかなように、実施例に係る記録再生装置100では、比較例1に係る記録再生装置100と比較して、シークタイムが著しく短縮されている。
(比較例2)
レジストパターン32に設けた開口32aを、長辺の長さLx及び短辺の長さLyがそれぞれ約2600nm及び約450nmである長方形状としたこと以外は、上記実施例で説明したのと同様の方法によりスタンパ20を作製した。このようにして得られたスタンパ20を使用したこと以外は上記実施例で説明したのと同様の方法により磁気記録媒体10を作製した。
以上のようにして得られた磁気記録媒体10の記録面を走査電子顕微鏡で観察した。その結果、図3に示すように、ドット状記録部13は各長方形領域12a内で六方格子を形成していた。より具体的には、ドット状記録部13の直径は約10nmであり、各長方形領域12aは、それぞれ100個のドット状記録部13がx方向に約26nmのピッチで配列してなる20個の記録部群13Gを含んでいた。また、各長方形領域12aにおいて、記録部群13Gはy方向に配列していた。
但し、この磁気記録媒体10では、図3に示すように、各長方形領域12a内においてドット状記録部13が形成する配列パターンは、長方形領域12aの中心を通り且つy方向に平行な直線に関して非対称であり、長方形領域12aの中心を通り且つx方向に平行な直線に関しても非対称であった。さらに、この磁気記録媒体10の記録面では、図3に示すように、ドット状記録部13の配列様式が互いに異なる2種類の長方形領域12aが存在していた。
次に、この磁気記録媒体10を図2に示す磁気記録再生装置100に搭載した。次いで、この磁気記録再生装置100で、上記実施例と同様の方法により情報の読み出し及び書き込みを試みた。なお、本例では、記録部群13Gを構成している100個のドット状記録部13の全てに情報が書き込まれ且つ各長方形領域12aにおいて20個の記録部群13Gの全てにドット状記録部13への情報の書き込みが行われるように設定した。しかしながら、本例では、情報の読み出し及び書き込みは不可能であった。
(比較例3)
レジストパターン32に設けた開口32aを、長辺の長さLx及び短辺の長さLyがそれぞれ約2613nm及び約450nmである長方形状としたこと以外は、上記実施例で説明したのと同様の方法によりスタンパ20を作製した。このようにして得られたスタンパ20を使用したこと以外は上記実施例で説明したのと同様の方法により磁気記録媒体10を作製した。
以上のようにして得られた磁気記録媒体10の記録面を走査電子顕微鏡で観察した。その結果、ドット状記録部13は各長方形領域12a内で六方格子を形成していた。より具体的には、ドット状記録部13の直径は約10nmであり、各長方形領域12aは、それぞれ101個のドット状記録部13がx方向に約26nmのピッチで配列してなる10個の第1記録部群13G1と、それぞれ100個のドット状記録部13がx方向に約26nmのピッチで配列してなる10個の第2記録部群13G2とを含んでいた。また、各長方形領域12aにおいて、第1記録部群13G1と第2記録部群13G2とはy方向に交互に配列していた。
但し、この磁気記録媒体10では、各長方形領域12a内においてドット状記録部13が形成する配列パターンは、図17の長方形領域32a内においてドット状凹部33aが形成する配列パターンの如く、長方形領域12aの中心を通り且つy方向に平行な直線に関して対称であったが、長方形領域12aの中心を通り且つx方向に平行な直線に関しては非対称であった。また、この磁気記録媒体10の記録面では、ドット状記録部13の配列様式が互いに異なる2種類の長方形領域12aが存在していた。
次に、この磁気記録媒体10を図2に示す磁気記録再生装置100に搭載した。次いで、この磁気記録再生装置100で、上記実施例と同様の方法により情報の読み出し及び書き込みを試みた。なお、本例では、記録部群13Gを構成している100個のドット状記録部13の全てに情報が書き込まれ且つ各長方形領域12aにおいて20個の記録部群13Gの全てにドット状記録部13への情報の書き込みが行われるように設定した。しかしながら、本例では、情報の読み出し及び書き込みは不可能であった。
(比較例4)
レジストパターン32に設けた開口32aを、長辺の長さLx及び短辺の長さLyがそれぞれ約2600nm及び約473nmである長方形状としたこと以外は、上記実施例で説明したのと同様の方法によりスタンパ20を作製した。このようにして得られたスタンパ20を使用したこと以外は上記実施例で説明したのと同様の方法により磁気記録媒体10を作製した。
以上のようにして得られた磁気記録媒体10の記録面を走査電子顕微鏡で観察した。その結果、ドット状記録部13は各長方形領域12a内で六方格子を形成していた。より具体的には、ドット状記録部13の直径は約10nmであり、各長方形領域12aは、それぞれ100個のドット状記録部13がx方向に約26nmのピッチで配列してなる21個の記録部群13Gを含んでいた。また、各長方形領域12aにおいて、記録部群13Gはy方向に配列していた。
但し、この磁気記録媒体10では、各長方形領域12a内においてドット状記録部13が形成する配列パターンは、図19の長方形領域32a内においてドット状凹部33aが形成する配列パターンの如く、長方形領域12aの中心を通り且つx方向に平行な直線に関して対称であったが、長方形領域12aの中心を通り且つy方向に平行な直線に関しては非対称であった。また、この磁気記録媒体10の記録面では、ドット状記録部13の配列様式が互いに異なる2種類の長方形領域12aが存在していた。
次に、この磁気記録媒体10を図2に示す磁気記録再生装置100に搭載した。次いで、この磁気記録再生装置100で、上記実施例と同様の方法により情報の読み出し及び書き込みを試みた。なお、本例では、記録部群13Gを構成している100個のドット状記録部13の全てに情報が書き込まれ且つ各長方形領域12aにおいて20個の記録部群13Gの全てにドット状記録部13への情報の書き込みが行われるように設定した。しかしながら、本例では、情報の読み出し及び書き込みは不可能であった。
本発明の第1態様に係る記録媒体を概略的に示す平面図。 図1の記録媒体を搭載した記録再生装置の一例を概略的に示す斜視図。 一比較例に係る記録媒体を概略的に示す平面図。 他の比較例に係る記録媒体を概略的に示す平面図。 図1の記録媒体の製造に利用可能なスタンパを概略的に示す平面図。 図5の製造装置の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図。 図5の製造装置の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図。 図5の製造装置の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図。 図5の製造装置の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図。 図5の製造装置の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図。 図1に示す記録媒体の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図。 図1に示す記録媒体の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図。 図1に示す記録媒体の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図。 図1に示す記録媒体の製造に利用可能な方法を概略的に示す断面図。 レジストパターンに設けた開口と島状領域の配列パターンとの関係の例を概略的に示す平面図。 レジストパターンに設けた開口と島状領域の配列パターンとの関係の例を概略的に示す平面図。 レジストパターンに設けた開口と島状領域の配列パターンとの関係の例を概略的に示す平面図。 レジストパターンに設けた開口と島状領域の配列パターンとの関係の例を概略的に示す平面図。 レジストパターンに設けた開口と島状領域の配列パターンとの関係の例を概略的に示す平面図。 レジストパターンに設けた開口と島状領域の配列パターンとの関係の例を概略的に示す平面図。 レジストパターンに設けた開口と島状領域の配列パターンとの関係の例を概略的に示す平面図。 レジストパターンに設けた開口と島状領域の配列パターンとの関係の例を概略的に示す平面図。 本発明の第2態様に係る磁気記録再生装置を概略的に示す斜視図。
符号の説明
1…記録媒体、11…基板、12a…長方形領域、12a’…平行四辺形領域、12b…格子状領域、13…ドット状記録部、14…六方格子、13G…記録部群、13G1…第1記録部群、13G2…第2記録部群、14…樹脂層、15…磁性体層、20…スタンパ、21…基板、22a…長方形領域、22b…格子状領域、23…ドット状凹部、23G1…第1凹部群、23G2…第2凹部群、24…六方格子、31…基板、32…レジストパターン、32a…開口、33…塗膜、33a…島状領域、33b…海状領域、33G…島状領域群33G1…第1島状領域群、33G2…第2島状領域群、50…キャリッジ、50a…ロータ、50b…スピンドル、60a…アクチュエータ、60b…アクチュエータ、60c…モータ、60d…アクチュエータ、70…ヘッドアレイ、80…制御部、100…記録再生装置。

Claims (4)

  1. 互いに直交する第1方向と第2方向とに互いに離間して規則的に配列するとともにそれぞれ長辺が前記第1方向と平行となるように配向した複数の長方形領域を記録面内に備え、
    前記複数の長方形領域のそれぞれは六方格子を形成するように互いに離間して配列し且つ自己組織化を利用して形成された複数のドット状記録部を含み、
    前記複数の長方形領域は寸法及び前記複数のドット状記録部が形成する配列パターンが互いに等しく、
    前記複数の長方形領域のそれぞれにおいて、前記六方格子の格子点のうち最も近くに位置するもの同士を結ぶ線分の1つは前記第1方向と平行であり、且つ、それぞれ複数の前記ドット状記録部が前記第1方向に一列にn+1個並んでなるm+1個の第1記録部群(m、nは自然数)と、それぞれ複数の前記ドット状記録部が前記第1方向に一列にn個並んでなるm個の第2記録部群とが前記第2方向に交互に配列していることを特徴とする記録媒体。
  2. 請求項1に記載の記録媒体と、
    読取書込ヘッドと、
    情報を記録及び再生する際に前記読取書込ヘッドと前記記録面とを前記第1方向と前記第2方向とに相対移動させる駆動機構とを具備したことを特徴とする記録再生装置。
  3. 前記読取書込ヘッドに接続されるとともに前記読取書込ヘッドの前記ドット状記録部への書き込み動作を制御する制御部をさらに具備し、
    前記制御部は、前記第1記録部群にはそれを構成しているn+1個の前記ドット状記録部のうちその一端側に位置したn個にのみ情報が書き込まれ且つ前記第2記録部群にはそれを構成しているn個の前記ドット状記録部の全てに情報が書き込まれ得るように前記読取書込ヘッドの前記書き込み動作を制御することを特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
  4. 前記読取書込ヘッドに接続されるとともに前記読取書込ヘッドの前記ドット状記録部への書き込み動作を制御する制御部をさらに具備し、
    前記制御部は、前記複数の長方形領域のそれぞれにおいて、前記第2記録部郡を介して隣り合うm個の前記第1記録部群、及びm個の前記第2記録部群にのみ前記ドット状記録部への情報の書き込みが行われるように前記読取書込ヘッドの前記書き込み動作を制御することを特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
JP2003356480A 2003-10-16 2003-10-16 記録媒体及び記録再生装置 Expired - Lifetime JP3869404B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003356480A JP3869404B2 (ja) 2003-10-16 2003-10-16 記録媒体及び記録再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003356480A JP3869404B2 (ja) 2003-10-16 2003-10-16 記録媒体及び記録再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005122820A JP2005122820A (ja) 2005-05-12
JP3869404B2 true JP3869404B2 (ja) 2007-01-17

Family

ID=34613715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003356480A Expired - Lifetime JP3869404B2 (ja) 2003-10-16 2003-10-16 記録媒体及び記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3869404B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4163729B2 (ja) * 2006-10-03 2008-10-08 株式会社東芝 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録装置
US7782561B2 (en) * 2007-02-28 2010-08-24 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Patterned magnetic recording medium with data island pattern for improved reading and writing and magnetic recording system incorporating the medium
WO2008126316A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Pioneer Corporation パターンド媒体およびその製造方法
WO2008126314A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Pioneer Corporation パターンド媒体およびドットパターンの描画方法
JP4528355B2 (ja) * 2007-03-30 2010-08-18 パイオニア株式会社 パターンド媒体およびその製造方法
JP5035678B2 (ja) * 2007-08-13 2012-09-26 富士電機株式会社 ナノインプリントモールドの製造方法
JP4937372B2 (ja) * 2010-03-30 2012-05-23 株式会社東芝 磁気記録媒体
JP4960473B2 (ja) * 2010-04-27 2012-06-27 株式会社東芝 インプリントモールド及び磁気記録媒体の製造方法
JP5652817B2 (ja) * 2010-08-03 2015-01-14 国立大学法人東京工業大学 ナノドット形成方法
JP5902115B2 (ja) 2013-03-22 2016-04-13 株式会社東芝 磁気記録媒体、及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005122820A (ja) 2005-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3793040B2 (ja) 記録媒体およびその製造方法
US7978434B2 (en) Magnetic recording medium, method of fabricating the same, and magnetic recording apparatus
US7642041B2 (en) Rotary apertured interferometric lithography (RAIL)
US7575705B2 (en) Method for manufacturing a magnetic recording medium utilizing first and second imprint stampers
JP4903675B2 (ja) 収差評価方法、収差補正方法、電子線描画装置、電子顕微鏡、原盤、スタンパ、記録媒体、及び構造物
US7848046B2 (en) Magnetic disk apparatus
US8003236B2 (en) Method for making a master mold with high bit-aspect-ratio for nanoimprinting patterned magnetic recording disks, master mold made by the method, and disk imprinted by the master mold
US9269387B2 (en) Magnetic recording medium and method of fabricating the same
US20090029189A1 (en) Imprint mold structure, and imprinting method using the same, as well as magnetic recording medium, and method for manufacturing magnetic recording medium
US20090135518A1 (en) Discrete track magnetic media with domain wall pinning sites
US7180706B2 (en) Magnetic heads and semiconductor devices and surface planarization processes for the fabrication thereof
JP3869404B2 (ja) 記録媒体及び記録再生装置
CN1892830A (zh) 磁记录介质,磁记录介质的基底和磁记录装置
US20080241601A1 (en) Mold structure, imprinting method using the same, magnetic recording medium and production method thereof
US20120118853A1 (en) Manufacturing method of master disk for patterned medium and magnetic recording disk manufacturing method
KR100738101B1 (ko) 패턴드 미디어 및 그 제조방법
JP2012059329A (ja) 磁気記録装置
JP2004265474A (ja) 磁気記録装置
US8945364B2 (en) Magnetic recording medium and method for producing the same
JP2009048752A (ja) インプリント用モールド構造体、及び該インプリント用モールド構造体を用いたインプリント方法、並びに、磁気記録媒体、及びその製造方法
US20080206602A1 (en) Nanoimprinting of topography for patterned magnetic media
JP2008282478A (ja) 磁気記録媒体及びその及び製造方法、磁気記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060320

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060828

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061012

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3869404

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term