JP3869353B2 - 半田付け装置、電極及び半田付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電気配線に使用する端子と電線の接合装置、接合方法に関する。特に端子を一対の電極で挟持し、電極を介して通電発熱させ端子と電線を半田付けにより接合する際の電極、半田付け装置、半田付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より端子と電線は加締め及び半田付けを併用して接続されており、端子と電線を半田付けする装置としては、特許文献1のようなものが開示されている。この装置は図10に示すように凹凸を有する端子222を一対の電極20、40で挟持し、電極を介して通電発熱させ端子と電線を半田付けにより接続するものである。そして、電極20は端子222の凹凸に対応する凹凸を有しており加締めの際の金型を兼ねている。
【0003】
また、別の半田付け装置は図11に示すように、凹凸を有する端子222を挟持する一対の電極21、41の双方の先端がフラットに形成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−152049号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1に開示された半田付け装置においては、端子の形状ごとに電極の形状を変更する必要があり、多品種生産に対する障害となっていた。また、先端がフラットに形成された電極を用いる場合には、端子の形状ごとに電極の形状を変更する必要はないものの半田処理を所定回数繰り返すと半田付け不良を発生しており長期安定操業の弊害となっていた。この原因を解明し、改善を図るため、本発明者らは鋭意検討の結果以下の知見を得た。即ち、半田付けに用いる半田は半田濡れ性向上等を図るためフラックスを混練してあるのが一般的であるが、半田を加熱溶融する際に前記フラックスも溶解流動する。このフラックスは端子が凹凸を有する場合には端子凹部に流れ込み電極に付着しヤニとして残留する。ヤニは非導電体であり通電特性を悪化させるため目論んだ加熱条件を達成できず半田付け不良として顕在化することを見出した。
【0006】
そこで、本発明の目的は、種々の端子形状に対応可能で長期安定操業に資する電極、ひいては半田付け装置、半田付け方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る電極は、凹凸を有する端子を一対の電極で挟持し、電極を介して通電発熱させ前記端子と電線を半田付けする装置の電極であって、前記端子の凹部分に対向する箇所に凹部を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る半田付け装置は、請求項1に記載の電極を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る半田付け方法は、凹凸を有する端子を一対の電極で挟持し、電極を介して通電発熱させ前記端子と電線を半田付けする半田付け方法であって、前記電極に前記端子の凹部分に対向する箇所に凹部を有する電極を使用することを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明は、前述した溶解したフラックスが凹凸を有する端子の凹部に流れ込み電極に付着することにより半田付け不良を起こすという知見に基づきなされたものであり、本発明に係る電極は、端子の凹部に対向する箇所に凹部を有するため端子の凹部にフラックスが流れ込んでもこれを電極の凹部が避け、フラックスが電極に付着することがない。このため繰り返し半田付け処理を行った場合にも通電特性が悪化せず、目論んだ加熱条件を長期間維持できるため長期安定操業が可能である。
【0011】
また、電極形状と端子形状の関係は、端子凹部に対向する箇所に凹部を有していれば良いので、端子の凹凸形状に対応する凹凸形状を有する電極を必要とする従来技術に比べて、端子形状に対する電極形状の自由度が大きく、多少端子形状が変更されても電極の形状変更は不要であり、多品種生産において有利である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を添付図面によって説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態としての半田付け装置を示す。図1において、半田付け装置1は、上側電極2、下側電極3、半田供給装置4を備えている。上側電極2は、装置内に内蔵される図示しない駆動機構により矢印A方向に昇降可能である。上側電極2、下側電極3は図示しない電源の+極及び−極にそれぞれ接続されている。半田供給装置4は線状の半田6が巻回された半田リール5と半田6をピンチし半田付け箇所まで繰り出すピンチロール7を備えている。
【0014】
次に半田付け装置の動作を説明する。まず、電線付端子8を下側電極3上に手作業または搬送装置により載置する。ここで電線付端子8は図2に示すように端子9に電線10が加締められており、加締めの際に生じる凹部91により全体として凹凸を有する形状となっている。次に上側電極2を駆動機構により下降させ、上側電極2と下側電極3の間に電線付端子8の端子9部を挟持する。そして、上側電極2と下側電極3に所定電圧を印加すると、上側電極2、電線付端子8、下側電極3に通電し電線付端子8を加熱する。所定温度に加熱したら半田供給装置4を作動させ所定の箇所(一般的には図2のポイント101付近)に半田6を繰り出す(図3(b)参照)。すると半田6は溶融し端子9と電線10の隙間に浸透して端子9と電線10の半田付けが行われ電気的な接続がより確かなものとなる。なお、図3(b)において下側電極3が傾斜しているのは溶融した半田が電線10の方(構図中斜め下方)に流動し電線10と端子9の隙間に良く浸透させるとともに端子線端部に余分な半田を付着させないためである。
【0015】
ところで図3(a)を参照して、半田付けを行う際には半田6中に混練されたフラックスが溶解し、気化したものが再び液化するなどして端子9の凹部91に流れ込む。この流れ込んだフラックス61が電極に付着した場合には、電極と端子間の接触抵抗を増大させるため通電加熱が目論み通りに行えず半田付け不良を発生させるが、上側電極2の先端はV字型に形成されており端子9の凹部91に対向する箇所が凹部となっているためフラックス61に接触することがなく、従って上側電極2にはフラックス6が付着せず、半田付け処理を繰り返し行った後でも目論み通りの通電加熱が行える。
【0016】
さらに、上側電極2は先端がV字型であるため例えば端子9の形状が図4の(a)乃至(c)のように変更された場合でも上側電極2を端子9の凹部91から遠ざけつつ電気的接触を確保できるため種々の形状の端子に対応可能である。
【0017】
なお、上側電極2の形状は上述したV字型の他、図5の(a)乃至(c)に示すよう溝を有するもの(a)やU字型のもの(b)、複数の端子凹部91に対向する箇所に溝を有するもの等端子9の凹部91に対向する箇所が凹部となり端子9の凹部91から離間する形状であれば種々の形状が採用可能である。また、上側電極2を固定とし、下側電極3を昇降させて電線付端子8を挟持するものであってもよいし、昇降駆動機構は油圧、空圧シリンダ、電動モーターからの駆動をラック及びピニオンで伝動したり、ネジのリードを利用するもの、クランクによるもの等種々の構成が可能である。さらに半田供給装置4についてもピンチロールによるものの他クランプアームで搬送するもの等種々の構成が可能である。
【0018】
【実施例】
本発明の実施例として、上側電極2を図6に示すようにタングステン製直径8mm、V字角度120度、(正面図a参照)、面幅4mm、先端を傾斜20度(側面図b参照)とし図7に示すよう下側電極2を20度傾斜させて電線付端子8を挟持した。このときの挟持力約100N、上側電極2、下側電極3間に直流電圧をを印加し200Aを0.9秒通電、0.9秒冷却、550Aを4.5秒通電し、1回目通電(200A)開始から4秒後にポイント101に直径1.0mmのニホンゲンマ社製半田線を供給して半田付けを行った。この際に所定電流が流れない場合、及び電圧印加時にスパークが発生した場合を半田付け不良としてカウントした。なお、このときの電線付端子8は図8(a)を参照して高さ4.7mm、幅7.5mm、凹部の深さ約1mm、凹部の幅約2.5mm、図8(b)を参照して加締め部長さ約4.5mmに素線径0.32mmの銅製素線19本×9本の撚線を挿入加締めしたものを使用した。以上の条件で半田付け処理を274回行ったところ半田付け不良発生が14回であり不良発生率は1.5%であった。一方上側電極に図9に示す先端フラットな形状のもの2´を使用しその他の条件は同一とし半田付け処理を34回行ったところ半田付け不良発生が5回であり不良発生率が14.7%であった。このように本発明により半田付け不良の発生を抑制できることが確認できた。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明した通り、種々の端子形状に対応可能で長期安定操業に資する電極、ひいては半田付け装置、半田付け方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である半田付け装置を表す図。
【図2】 端子付電線の載置状態を表す図。
【図3】 半田付け処理中の状態を表す図。
【図4】 種々の形状の端子を挟持した状態を表す図。
【図5】 種々の形状の上側電極を表す図。
【図6】 一実施例に係る上側電極の形状を表す図。
【図7】 一実施例に係る挟持状態を表す図。
【図8】 一実施例に係る電線付端子の形状を表す図
【図9】 従来の電極形状を表す図。
【図10】特許文献1に開示された従来の挟持状態を表す図
【図11】従来の挟持状態をを表す図
【符号の説明】
1 半田付け装置
2、2´ 上側電極
3 下側電極
4 半田供給装置
5 半田リール
6 半田
61 フラックス
7 ピンチロール
8 電線付端子
9 端子
91 端子凹部
10 電線
101 半田供給ポイント
20 上側電極
21 上側電極
222 端子
40、41 下側電極
Claims (3)
- 凹凸を有する端子を一対の電極で挟持し、電極を介して通電発熱させ前記端子と電線を半田付けする装置の電極であって、前記端子の凹部分に対向する箇所に凹部を有することを特徴とする半田付け装置の電極。
- 請求項1に記載の電極を備えたことを特徴とする半田付け装置。
- 凹凸を有する端子を一対の電極で挟持し、電極を介して通電発熱させ前記端子と電線を半田付けする半田付け方法であって、前記電極に前記端子の凹部分に対向する箇所に凹部を有する電極を使用することを特徴とする半田付け方法。
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