JP3869298B2 - 汎用エンジンのスロットル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、汎用エンジンのスロットル装置に関し、より具体的には、アクチュエータに接続されるスロットルバルブを備え、前記アクチュエータによって前記スロットルバルブが開閉されることにより、汎用エンジンの吸入空気を調量するようにした汎用エンジンのスロットル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
汎用エンジン、具体的には、スロットルバルブで調量された吸入空気をガソリン燃料と混合して気筒に吸入させ、混合気を点火して燃焼させる火花点火式の内燃エンジンにあっては、通例、ウエイトとスプリングからなる機械的なガバナによってスロットル装置を駆動してエンジン回転数を制御している。
【0003】
しかしながら、近時、この種の汎用エンジンにあっても、スロットルバルブにステップモータあるいはリニアソレノイドなどのアクチュエータを接続した電子的なガバナを用いることにより、精度良くエンジン回転数を制御することが行なわれている。
【0004】
アクチュエータによって駆動されるスロットル装置としては、例えば、特開平10−47520号公報および特開2001−263098号公報に記載される技術が挙げられる。これらの従来技術にあっては、アクチュエータとしてモータを使用し、モータの出力軸とスロットルバルブの回転軸をギヤを介して接続することにより、モータの回転をスロットルバルブに伝達している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スロットル開度と、そこを通過する吸入空気量の関係は、図11に示すように、スロットル開度(「θth」で示す)が小さいときほど吸入空気量(「Gair」で示す)の変化量が大きくなり、スロットル開度が大きいときほど吸入空気量の変化量が小さくなる。これは、スロットルバルブの上流と下流の圧力差が、スロットル開度が大きくなるに従って減少し、ついには飽和するためである。
【0006】
従って、目標とするエンジン回転数に精度良く、かつ応答性良く追従させるためには、スロットル開度が小さいときは、その精緻な開度調整が必要とされると共に、スロットル開度が大きいときは、速い開閉スピードでの開度調整が必要とされる。
【0007】
ここで、スロットルバルブの開閉を精緻に行なうためには、モータ(ステッピングモータ)の分解能に限界があることから、ギヤの減速比を大きく設定する必要がある。
【0008】
他方、スロットルバルブの開閉スピードを上げるためには、ギヤの減速比を小さく設定する必要がある。
【0009】
しかしながら、従来技術にあっては、ギヤの減速比が一定であることから、図12に示すように、モータの回転角(「θm」で示す)とスロットル開度(「θth」で示す)はリニアな関係にあった。
【0010】
このため、従来技術にあっては、スロットルバルブの開閉を精緻に行なうためにギヤの減速比を大きく設定すると、開閉スピードが減少し、スロットル開度が大きいときの回転数制御の応答性が低下するといった不具合があった。
【0011】
逆に、スロットルバルブの開閉スピードを上げるためにギヤの減速比を小さく設定すると、スロットル開度が小さいときの開閉を精緻に行なうことができなくなり、エンジン回転数を精度良く制御することができなかった。また、スロットルバルブの駆動トルクが減少するため、スロットル開度が小さいときに、スロットルバルブの張り付きが生じやすいという問題もあった。
【0012】
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消することにあり、スロットルバルブを、その開度が小さいとき(即ち、スロットルバルブの上下流での圧力差が大きいとき)は精緻に開閉することができると共に、その開度が大きいとき(即ち、スロットルバルブの上下流での圧力差が小さいとき)は速い開閉スピードで開閉することができ、さらには、スロットルバルブの張り付きを防止するようにした汎用エンジンのスロットル装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1項にあっては、アクチュエータに接続されるスロットルバルブを備え、前記アクチュエータによって前記スロットルバルブが開閉されることにより、汎用エンジンの吸入空気を調量する汎用エンジンのスロットル装置において、前記アクチュエータの出力軸に接続されると共に、長孔を有するリンクレバーと、一端が前記長孔に移動自在に挿入されるリンクピンを介して前記リンクレバーに接続され、他端が前記スロットルバルブの回転軸に接続されるスロットルレバーとからなる、前記アクチュエータの変位出力を前記スロットルバルブに伝達する出力伝達機構を備えると共に、前記長孔を、前記リンクピンの移動軌跡によって得られる回転曲率半径と同一の一定の曲率半径を有する円弧状に形成し、よって前記リンクレバーおよびスロットルレバーを、前記スロットルバルブが全閉あるいはその付近に位置するとき、前記リンクレバーの回転角に対する前記スロットルレバーの回転角が最小となるようにし、前記出力伝達機構を、前記スロットルバルブが全閉あるいはその付近に位置するとき、前記アクチュエータの変位出力に対する前記出力伝達機構の変位が最小となるように構成した。
【0014】
アクチュエータの出力軸に接続されると共に、長孔を有するリンクレバーと、一端が長孔に移動自在に挿入されるリンクピンを介してリンクレバーに接続され、他端がスロットルバルブの回転軸に接続されるスロットルレバーとからなる、アクチュエータの変位出力をスロットルバルブに伝達する出力伝達機構を備えると共に、長孔を、リンクピンの移動軌跡によって得られる回転曲率半径と同一の一定の曲率半径を有する円弧状に形成し、よってリンクレバーおよびスロットルレバーを、スロットルバルブが全閉あるいはその付近に位置するとき、リンクレバーの回転角に対するスロットルレバーの回転角が最小となるようにし、出力伝達機構を、スロットルバルブが全閉あるいはその付近に位置するとき、アクチュエータの変位出力に対する出力伝達機構の変位が最小となる、換言すれば、出力伝達機構の減速比が、スロットルバルブが全閉あるいはその付近で最大となるように構成したので、スロットルバルブを、その開度が小さいときは精緻に開閉することができると共に、その開度が大きいときは速い開閉スピードで開閉することができる。また、スロットルバルブの張り付きを防止することができる。また、リンクレバーおよびスロットルレバーを小さく設計することができるため、スペース的に有利となる。さらに、モータの出力軸とスロットルバルブ回転軸の厳密な軸間合わせが不要となり、ギヤによる接続に比してコストダウンを図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即し、この発明の一つの実施の形態に係る汎用エンジンのスロットル装置を説明する。
【0020】
図1は、そのスロットル装置を、搭載される汎用エンジンと共に示す概略図である。
【0021】
同図において、符号10は汎用エンジン(以下「エンジン」という)を示し、エンジン10は、水冷4サイクルのOHV型であり、196ccの排気量を備える。
【0022】
エンジン10は1個の気筒(シリンダ)12を備え、その内部にピストン14が往復動自在に収容される。ピストン14はクランクシャフト16に連結され、クランクシャフト16はギヤを介してカムシャフト18と連結される。
【0023】
ピストン14の頭部と気筒壁面の間には燃焼室20が形成されると共に、気筒壁面には吸気バルブ24と排気バルブ26が配置され、燃焼室20と吸気路28あるいは排気路30の間を開閉する。
【0024】
クランクシャフト16にはフライホイール32が取り付けられると共に、フライホイール32の先端側には操作者がエンジン10を始動させるための、リコイルスタータ34が取り付けられる。フライホイール32の内側には発電コイル(オルタネータ)36が配置され、交流を発電する。発電された交流は整流回路(図示せず)を介して直流に変換され、点火プラグ(図示せず)などに供給される。
【0025】
吸気路28の上流にはキャブレタ38が配置される。キャブレタ38は、吸入空気量を調量するスロットル装置40を一体的に備える。また、キャブレタ38は燃料タンク(図示せず)に燃料管(図示せず)を介して接続され、そこに貯留されたガソリン燃料を供給され、吸入された空気にノズルからガソリン燃料を噴射して混合気を生成する。生成された混合気は吸気路28の下流を流れ、吸気バルブ24を通って気筒12の燃焼室20に吸入される。
【0026】
スロットル装置40はステップモータ(アクチュエータ。以下「モータ」という)46が接続され、指令値(ステップ(角))を供給されて動作し、指令値に応じてスロットルバルブ(同図で図示せず)を開閉する。
【0027】
また、フライホイール32の付近には電磁ピックアップからなるクランク角センサ(回転数センサ)48が設けられ、所定のクランク角度ごとにパルスを出力する。
【0028】
エンジン10の適宜位置にはケース内に収容されたECU(電子制御ユニット)50が配置され、クランク角センサ48の出力はECU50に送られる。ECU50はマイクロコンピュータからなり、CPU,ROM,RAMおよびカウンタを備える。ECU50においてクランク角センサ48の出力パルスはカウンタに入力され、そこでカウントされてエンジン回転数が算出(検出)される。
【0029】
ECU50は検出されたエンジン回転数などに基づき、検出されたエンジン回転数が目標エンジン回転数に一致するようにモータ46の指令値を算出し、前記したケース内に隣接して配置されたモータドライバ54を通じて指令値をモータ46に出力して作動させる。尚、エンジン10には負荷(図示せず)が接続される。また、図1において符号58は冷却ファンを、符号60はヘッドカバーを示す。
【0030】
このように、エンジン10は、発電コイル36、スロットル装置40、モータ46、クランク角センサ48、ECU50およびモータドライバ54を備える電子ガバナによってエンジン回転数が制御される。
【0031】
図2はスロットル装置40の正面図である。また、図3は、その右側面図である。
【0032】
以下、両図を参照してスロットル装置40について説明すると、スロットル装置40は、スロットルバルブ70と出力伝達機構(以下「リンク機構」という)80とからなる。
【0033】
スロットルバルブ70は、キャブレタ38に連通する、エンジン10の吸気管28に連通する吸気路(その一部を破線で示す)90の途中に設けられる。また、スロットルバスロットルバルブ70にはリンク機構80が接続され、モータ46の出力が伝達される。尚、モータ46は、内部に減速比一定の減速ギヤ(図示せず)を備え、出力軸46sからは、その減速ギヤによって減速された回転変位が出力される。以降、モータの出力(あるいは回転角θm)とは、この減速された回転変位を意味するものとして使用する。
【0034】
リンク機構80は、リンクレバー80aとスロットルレバー80bとからなる。リンクレバー80aは、一端がモータ46の出力軸46sに接続されると共に、他端側に円弧状の長孔80a1を備える。また、スロットルレバー80bは、一端にリンクピン80b1を備えると共に、他端がスロットルバルブ70の回転軸70sに接続される。
【0035】
スロットルレバー80bのリンクピン80b1が前記した長孔80a1に移動自在に挿入されることにより、図4に示すように、リンクレバー80aとスロットルレバー80bが相対変位自在に接続される。これにより、モータ46の変位(回転)出力は、リンクレバー80aおよびスロットルレバー80bの変位を介してスロットルバルブ70に伝達され、スロットルバルブ70の開度が任意に制御される。尚、図2はスロットルバルブ70が全閉位置にあるとき(あるいは張り付き防止のために、全開を90度とするとき、数度だけ開いた位置にあるとき)のスロットル装置40を示し、図4はスロットルバルブ70が全開位置にあるときのそれを示す。
【0036】
また、スロットルレバー80bの、スロットルバルブの回転軸70sが接続された側のさらに先端側には、スロットルバルブ70を閉方向(リンク機構80を図4に示す状態から図2に示す状態に戻す方向)に付勢するリターンスプリング92が取り付けられる。尚、リンク機構80の全閉時の位置は、図2に示すように、キャブレタ38の側面に設けられたストッパ94に、スロットルレバー80bに設けられたストッパ当接部80b2が当接することによって規定される。
【0037】
以下、図5以降を参照してリンク機構80について詳説する。
【0038】
図5は、モータ46およびリンク機構80の動作などを示す説明図である。同図において、スロットルバルブ(図示せず)が全閉位置にあるときのリンク機構80を実線で示し、全開位置にあるときのそれを破線で示す。
【0039】
同図に示すように、リンク機構80は、全閉時におけるモータ出力軸46sと、スロットルレバー80bのリンクピン80b1と、スロットルバルブの回転軸70sとが同一直線上となるように設定される。この状態から、モータ46の出力を受けてそれに接続されるリンクレバー80aが紙面において時計回りに回転することにより、長孔80a1に移動自在に挿入されたリンクピン80b1を介してスロットルレバー80bおよびスロットルバルブの回転軸70sが反時計回りに回動され、よってスロットルバルブが開方向に駆動される。
【0040】
ここで、上記したようにリンク機構80は、全閉時におけるモータ出力軸46sと、スロットルレバー80bのリンクピン80b1と、スロットルバルブの回転軸70sとが同一直線上となるように設定されるため、全閉時におけるモータ46の出力軸46sとスロットルレバー80bのリンクピン80b1の離間距離が最も短くなる。別言すれば、スロットルバルブ70が全閉あるいはその付近に位置するときにおいて、モータ46の変位(回転)出力に対するスロットルバルブ70の変位量(回転角)が最も小さく(精緻に)なる。さらに別言すれば、全閉あるいはその付近において、減速比が最大となる。
【0041】
即ち、図6に示すように、スロットル開度θthが小さいほど、モータ回転角の変化量dθmに対するスロットル開度の変化量dθthが小さく、スロットル開度θthが大きくなるほど、モータ回転角の変化量dθmに対するスロットル開度の変化量dθthが大きくなる。
【0042】
従って、スロットルバルブ70の開度が小さいとき(即ち、スロットルバルブの上下流での圧力差が大きいとき)は、スロットルバルブ70を精緻に開閉することができる。また、スロットルバルブ70の開度が全閉あるいはその付近において、減速比が最大となる(スロットルバルブの駆動トルクが最大となる)ので、スロットルバルブ70の張り付きを防止することができる。
【0043】
さらに、スロットルバルブ70の開度が大きいとき(即ち、スロットルバルブの上下流での圧力差が小さいとき)は、スロットルバルブ70を速い開閉スピードで開閉することができるため、負荷変動に伴うエンジン回転数NEの瞬時変動(負荷オン状態から負荷オフ状態に移行したときの瞬間的なエンジン回転数の変動(上昇))を減少させることができるなど、エンジン回転数制御の応答性を向上させることができる。
【0044】
さらに、モータの出力軸46sとスロットルバルブの回転軸70sをリンクレバー80aとスロットルレバー80bとを介して接続すると共に、リンクレバー80aとスロットルレバー80bを、長孔80a1と、それに移動自在に挿入されるリンクピン80b1とによって接続することから、ギヤによる接続に比して出力軸46sと回転軸70sの厳密な軸間合わせが不要となり、コストダウンを図ることができる。
【0045】
また、長孔80a1は、リンクレバー80aの回転方向に突出する円弧状(図5においてAで示す)に形成される。図6に示すように、直線に形成した長孔80a1(破線)に比し、円弧状に形成した長孔80a1(実線)の方が、スロットル開度の変化量dθthの増加率が大きくなる。このため、リンクレバー80aを円弧状に形成することで、モータ46の内部ギヤの減速比をより大きく設定することが可能となり、上記した効果を一層良く得ることができる。
【0046】
さらに、円弧状の最大開度(全開)θthmaxと同様の開度を直線で得るためには、同図上部に一点鎖線で示すように、リンク機構80を長く(モータ出力軸46sをリンクピン80b1の移動軌跡Bからより遠くに)しなければならない。従って、孔80a1を円弧状に形成することにより、スペース的に有利となる。
【0047】
ここで、長孔80a1の曲率半径rAと、リンクピン80b1の回転曲率半径(即ち、リンクピン80b1の移動軌跡Bによって得られる円弧の半径)rBは、同一となるように設定される。これにより、上記した効果を一層良く得ることができる。以下、この理由について説明する。
【0048】
図7に、長孔80a1の曲率半径rAを、リンクピン80b1の回転曲率半径rBの約1/2に設定した場合のスロットル開度の変化量dθthを示す。同図に示すように、長孔80a1の曲率半径rAを小さく設定しすぎると、あるスロットル開度を境にして変化量dθthが小さくなる。他方、長孔80a1の曲率半径rAを大きく設定しすぎると、直線に近づいてスペース的に不利となると共に、変化量dθthの増加率が低下する。
【0049】
通常、スロットルバルブは、全閉から全開までに約90度の開度(張り付き防止のために、前記したように全閉時を数度だけ開いた状態とすれば、それ以下の角度)を有する。発明者達は、その約90度の開度を有するスロットルバルブにおいて、長孔80a1の曲率半径rAとリンクピン80b1の回転曲率半径rBを同一、あるいはほぼ同一とすることで、全閉から全開に向け、スロットル開度の変化量dθthを最適に増加できることを知見した。
【0050】
図8に、この実施の形態に係るリンク機構80を用いた際のスロットル開度θthとモータの回転角θmの関係を示す。同図に示すスロットル開度θthとモータの回転角θm関係と、前記した図11に示すスロットル開度θthと吸入空気量Gairの関係(即ち、スロットルバルブの上下流での圧力差の関係)とから、モータの回転角θmと吸入空気量Gairの関係は、図9に示すような比例関係とすることができる。
【0051】
即ち、図10に示すように、モータの回転角θmと、その変化量に対する吸入空気量の変化量dGair/dθmの関係を一定とすることができるため、スロットル開度の如何に関わらず、エンジン回転数NEを精度良く、かつ応答性良く制御することが可能となる。
【0052】
尚、リンク機構80の各部の寸法の決定は、ギヤでいう減速比を決定することと同じなので、モータ46の出力トルクを勘案して行なうこととする。この実施の形態に係るリンク機構80においては、モータの出力軸46sとスロットルバルブの回転軸70sの軸間距離を37mm、スロットルレバー80bの長さ(スロットルバルブの回転軸70sからリンクピン80b1までの長さ)を18.5mm、リンクレバー80aの長さ(モータの出力軸46sからリンクピン80b1との接点までの長さ)を全閉時において18.5mm、全開時において35.9mmとすることで、全開時の開閉スピード(モータの回転角θmに対するスロットル開度θthの変化の割り合い)を、全閉時付近のそれに比して約6.5倍とすることができた。
【0053】
このように、この実施の形態においては、全閉あるいはその付近において、モータ46の変位(回転)出力に対するスロットルバルブ70の変位量(回転角)が最も小さく(精緻に)なるように構成したので、スロットル開度が小さいときは精緻に開閉することができると共に、スロットル開度が大きいときは速い開閉スピードでスロットルバルブ70を開閉することができ、よってスロットル開度に関わらず、エンジン回転数NEを精度良く、かつ応答性良く制御することができる。また、スロットルバルブの張り付きを防止することができる。さらに、ギヤによる接続に比してコストダウンを図ることができる。
【0054】
また、長孔80a1を円弧状に形成すると共に、長孔80a1の曲率半径rAを、リンクピン80b1の移動軌跡によって得られる回転曲率半径rBを同一となるように設定したので、上記した効果を一層良く得ることができると共に、リンク機構80の形状を小さく設計することができ、スペース的に有利となる。
【0055】
上記の如く、この実施の形態においては、アクチュエータ(モータ46)に接続されるスロットルバルブ70を備え、前記アクチュエータによって前記スロットルバルブ70が開閉されることにより、汎用エンジン(エンジン)10の吸入空気を調量する汎用エンジンのスロットル装置40において、前記アクチュエータの出力軸46sに接続されると共に、長孔80a1を有するリンクレバー80aと、一端が前記長孔に移動自在に挿入されるリンクピン80b1を介して前記リンクレバー80aに接続され、他端が前記スロットルバルブの回転軸70sに接続されるスロットルレバー80bとからなる、前記アクチュエータの変位出力を前記スロットルバルブ70に伝達する出力伝達機構(リンク機構80)を備えると共に、前記長孔80a1を、前記リンクピン80b1の移動軌跡によって得られる回転曲率半径rBと同一の一定の曲率半径rAを有する円弧状に形成し、よって前記リンクレバー80aおよびスロットルレバー80bを、前記スロットルバルブ70が全閉あるいはその付近に位置するとき、前記リンクレバー80aの回転角(θm)に対する前記スロットルレバー80bの回転角(θth)が最小となるようにし、前記出力伝達機構を、前記スロットルバルブ70が全閉あるいはその付近に位置するとき、前記アクチュエータの変位出力(θm)に対する前記出力伝達機構の変位(θth)が最小となるように構成した。
【0058】
尚、上記において、アクチュエータの例としてステップモータを使用したが、それに限られるものではなく、リニアソレノイド、DCモータなど、リンクレバー80aを駆動できるものであれば、どのようなものでも良い。
【0059】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、アクチュエータの出力軸に接続されると共に、長孔を有するリンクレバーと、一端が長孔に移動自在に挿入されるリンクピンを介してリンクレバーに接続され、他端がスロットルバルブの回転軸に接続されるスロットルレバーとからなる、アクチュエータの変位出力をスロットルバルブに伝達する出力伝達機構を備えると共に、長孔を、リンクピンの移動軌跡によって得られる回転曲率半径と同一の一定の曲率半径を有する円弧状に形成し、よってリンクレバーおよびスロットルレバーを、スロットルバルブが全閉あるいはその付近に位置するとき、リンクレバーの回転角に対するスロットルレバーの回転角が最小となるようにし、出力伝達機構を、スロットルバルブが全閉あるいはその付近に位置するとき、アクチュエータの変位出力に対する出力伝達機構の変位が最小となる、換言すれば、出力伝達機構の減速比が、スロットルバルブが全閉あるいはその付近で最大となるように構成したので、スロットルバルブを、その開度が小さいときは精緻に開閉することができると共に、その開度が大きいときは速い開閉スピードで開閉することができる。また、スロットルバルブの張り付きを防止することができる。また、リンクレバーおよびスロットルレバーを小さく設計することができるため、スペース的に有利となる。さらに、モータの出力軸とスロットルバルブ回転軸の厳密な軸間合わせが不要となり、ギヤによる接続に比してコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る汎用エンジンのスロットル装置を全体的に示す概略図である。
【図2】図1に示すスロットル装置の正面図である。
【図3】図1に示すスロットル装置の右側面図である。
【図4】図1に示すスロットル装置の、図2と同様な正面図である。
【図5】図1に示すスロットル装置のリンク機構などの動作を示す説明図である。
【図6】図5に示すリンク機構などの動作を模式的に示す説明図である。
【図7】図5に示すリンク機構に形成される長孔の曲率半径を変更した場合の、リンク機構の動作など模式的に示す説明図である。
【図8】図1に示すスロットル装置のモータの回転角θmとスロットル開度θthの関係を示す特性図である。
【図9】図9に示すモータの回転角θmと吸入空気量Gairの関係を示す特性図である。
【図10】図1に示すスロットル装置のモータの回転角θmと、その変化量に対する吸入空気量の変化量dGair/dθmの関係を示す特性図である。
【図11】スロットル開度θthと吸入空気量Gairの関係を示す特性図である。
【図12】従来技術に係るスロットル装置のモータの回転角θmとスロットル開度θthの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10 汎用エンジン(エンジン)
40 スロットル装置
46 アクチュエータ(モータ)
46s アクチュエータ(モータ)の出力軸
70 スロットルバルブ
70s スロットルバルブの回転軸
80 リンク機構
80a リンクレバー
80a1 長孔
80b スロットルレバー
80b1 リンクピン
Claims (1)
- アクチュエータに接続されるスロットルバルブを備え、前記アクチュエータによって前記スロットルバルブが開閉されることにより、汎用エンジンの吸入空気を調量する汎用エンジンのスロットル装置において、前記アクチュエータの出力軸に接続されると共に、長孔を有するリンクレバーと、一端が前記長孔に移動自在に挿入されるリンクピンを介して前記リンクレバーに接続され、他端が前記スロットルバルブの回転軸に接続されるスロットルレバーとからなる、前記アクチュエータの変位出力を前記スロットルバルブに伝達する出力伝達機構を備えると共に、前記長孔を、前記リンクピンの移動軌跡によって得られる回転曲率半径と同一の一定の曲率半径を有する円弧状に形成し、よって前記リンクレバーおよびスロットルレバーを、前記スロットルバルブが全閉あるいはその付近に位置するとき、前記リンクレバーの回転角に対する前記スロットルレバーの回転角が最小となるようにし、前記出力伝達機構を、前記スロットルバルブが全閉あるいはその付近に位置するとき、前記アクチュエータの変位出力に対する前記出力伝達機構の変位が最小となるように構成したことを特徴とする汎用エンジンのスロットル装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002117375A JP3869298B2 (ja) | 2002-04-19 | 2002-04-19 | 汎用エンジンのスロットル装置 |
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