JP3869041B2 - 結像光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結像光学系に関し、特に、小型の反射偏心結像光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型の反射偏心光学系の周知なものとして、特開昭59−84201号のものは、シリンドリカル反射面による1次元受光レンズの発明であり、2次元の撮像はできない。また、特開昭62−144127号のものは、上記の発明の球面収差を低減するために、同一シリンドリカル面を2回反射に使うものである。
【0003】
また、特開昭62−205547号のものは、反射面の形状として非球面反射を使うことを示しているが、反射面の形状には言及していない。さらに、米国特許第3,810,221号及び米国特許第3,836,931号の2件は、何れもレフレックスカメラのファインダー光学系に回転対称非球面鏡と対称面を1面しか持たない面を持ったレンズ系を用いた例を示している。ただし、対称面を1面しか持たない面は、観察虚像の傾きを補正する目的で利用されている。
【0004】
また、特開平1−257834号(米国特許第5,274,406号)のものは、背面投影型テレビにおいて、像歪みを補正するために、対称面を1面しか持たない面を反射鏡に使用した例を示しているが、スクリーンへの投影には投影レンズ系が使われ、像歪みの補正に対称面を1面しか持たない面が使われている。
【0005】
また、特開平7−333551号には、観察光学系としてアナモルフィック面とトーリック面を使用した裏面鏡タイプの偏心光学系の例が示されている。しかし、像歪みを含め収差の補正が不十分で撮像光学系には使用できない。
【0006】
以上の何れの先行技術も、対称面を1面しか持たない面を使い、折り返し光路に裏面鏡として使用したものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来、結像光学系において、広い画角と収差が良好に補正された像歪みのない光学系を構成するには、回転対称光学系ではレンズの構成枚数が多くなり、大型で高価にならざるを得なかった。
【0008】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、広い撮像領域がとれ、かつ、光路を折り畳むことによって、光線収差が良好に補正された像歪みのない小型で光学部品点数の少ない結像光学系を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の結像光学系は、少なくとも偏心光学系を有し、物体からの光を撮像素子面上に結像させる結像光学系において、
前記偏心光学系はプリズムで構成され、
前記プリズムの光学面が第1透過面、第2透過面、第1反射面及び第2反射面からなり、
前記物体からの光が、前記第1透過面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記第2透過面の順に進行すると共に、前記第1透過面から前記第1反射面に到る光路と、前記第2反射面から前記第2透過面に到る光路が交差するように、前記各光学面が形成され、
前記第1反射面、前記第2反射面及び前記第2透過面を自由曲面で構成し、前記第1透過面を前記物体側に向かって凹形状の球面で構成し、
前記第1透過面よりも前記物体側、あるいは前記第1反射面の位置に絞りが配置され、
前記自由曲面は、その面内及び面外共に回転対称軸を有せず、しかも、対称面を1つのみ有する面対称自由曲面からなり、
前記面対称自由曲面の対称面が、物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、Y−Z面若しくはそれと平行な面上に存在することを特徴とするものである。
【0011】
以下、本発明において上記の構成をとる理由と作用について説明する。
本発明において、対称面を1面しか持たない面(以下、TFC面と呼ぶ。)を利用したことについて、以下に詳しく説明する。
【0012】
まず、以下の説明において、用いる座標系について説明する。
物体側から瞳中心を通り結像位置中心に到達する像中心の主光線が、偏心光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、このZ軸と直交し、かつ、偏心光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸と定義し、上記光軸と直交し、かつ、上記Y軸と直交する軸をX軸とする。
また、光線の追跡方向は、瞳位置から結像位置に向かう順追跡で説明する。
【0013】
今までの収差補正について概観すると、
(1)一般に、少ない面数で収差を良好に補正するためには、回転対称光学系においては、非球面が一般に用いられる。同様に、反射光学系においても球面反射鏡で発生する球面収差を放物面等の回転対称非球面を用いることにより発生させないようにしている。つまり、回転対称光学系においては、回転対称非球面を用いることは周知の事実である。
【0014】
(2)また、マンジャン鏡(A.Mangin,1876)のように、裏面反射鏡にすることによって球面収差の発生を少なくすることができることも周知の事実である。
【0015】
これは、裏面鏡の焦点距離fは、裏面鏡の曲率半径rと媒質の屈折率nから、
f=−r/2n
で表され、同じ焦点距離fを得ようとした場合に、例えば1.5の屈折率のガラスで裏面鏡にすると、表面鏡に比べて曲率半径rが1.5倍大きくてすむ分、収差の発生も少なくてすむからである。
【0016】
(3)一方、偏心して配置された凹面鏡は、偏心により反射鏡に光線が当たる部分での上述のY軸方向の光線とX軸方向の光線との焦点位置がずれ、軸上でも非点収差が発生する。
【0017】
この軸上の非点収差の発生をなくすためには、本出願人の特願平6−211067号又は特願平6−256676号に述べられているように、方向により曲率の異なるアナモルフィック面又はトーリック面等が用いられる。
【0018】
(4)次に、像面歪曲について説明する。凹面鏡と凸面鏡の配置が像面湾曲収差に良い効果を発揮することは、本出願人の特願平5−264828号に詳しく述べられており、傾いた凹面鏡が発生する収差については、特願平6−127453号等に述べられている。また、特願平6−256676号でも、凹面鏡を2枚で構成することによって像面湾曲を良好に補正することに成功している。
【0019】
(5)また、像歪みについては、特開平5−303056号に述べられているように、X軸方向、Y軸方向の正負によって曲率が異なる面で構成することが良い結果を得る。また、用途が異なるが、背面投影テレビにおいて、特開平1−257834号では、本発明で使用しているTFC面同様のフレネル反射面が使われているが、その目的は台形の像歪みを補正するために、投影光学系でスクリーンに実像を投影する際にその反射面で反射し、このときに台形像歪みのみを補正する構成で使われている。また、傾いた凹面鏡により発生する台形や弓なりの像歪みに関しては、特開平5−303056号に述べられている。
【0020】
上記各発明で欠けている要素は、撮像光学系又は結像光学系として十分な収差性能を、折り返し光路の光学系を使い、かつ、上記の各構成の組み合わせで収差を補正する試みがなされていなかことである。
【0021】
回転対称光学系による収差については、レンズに入射する光線の挙動が回転軸である光軸からの高さのみによって変化し、これによって収差が発生する。これをいかに補正するかである。しかし、偏心光学系においては、光線が面に当たる高さも位置も偏心方向の面の上下で大きく異なってくる。つまり、回転対称性が全くないのに、回転対称球面を基本に置いたシリンドリカル面やトーリック面、アナモルフィック面では、この複雑な光線の挙動に対応し収差補正をすることができなくなってしまう。
【0022】
ここで、本発明において用いる自由曲面とは以下の式で定義されるものである。
上式において、偏心方向をY方向とするとき、Xの奇数次項は全て0である。
【0023】
この定義式により、以下に説明する各収差の補正を良好に補正することが可能となり、本発明のように傾いて配置された反射鏡により結像光学系として使用できる程の屈折力(パワー)を付加することが可能となった。
【0024】
まず、基準となる面は2乗の項の放物面を元にしているので、球面収差が発生し難い。次に、Yの奇数次項とXの奇数次項が存在するので、X軸の任意の位置でY軸方向の傾きを与えることができる。
【0025】
YとXのそれぞれに対して、奇数次と偶数次が掛け合わさっているので、各軸の正負に対して自由な曲率を与えることができる。
【0026】
以上のように様々な自由度があり、偏心して配置された反射面として使用した場合に、パワーを持たせても、収差を十分に補正することがこの定義式を使うことによって初めて可能となった。
【0027】
この自由度が収差補正にいかに重要であるかを説明する。傾いてなおかつパワーを持った反射鏡の場合には、回転非対称な像面湾曲が発生する。この像面湾曲は、瞳を通過しX軸方向に広がりを持った光線は、偏心して配置された反射鏡に当たって反射されるが、光線が当たって以降の像面までの距離は、裏面鏡の焦点距離の式
f=−r/2n
に従い、光線が当たった部分の曲率rと屈折率nからr/2nである。つまり、偏心して配置された凹面鏡の反射後の光線の進む方向に対して、傾いた反射鏡と平行に光軸に対して傾いて、なおかつ、反射鏡の曲率rのr/2nの湾曲した像面を形成する。
【0028】
自由曲面は、上述のように、Y軸の正負によって曲率を任意に変えることが可能なYの奇数次項を持っているため、偏心して配置された凹面鏡で発生する回転非対称な像面湾曲、特に像面の傾きを補正することに対して有効に作用する。
【0029】
次に、回転対称な像面湾曲について説明する。反射鏡により一般的に反射面に沿った像面湾曲が発生する。本発明の場合は、上に述べたように、凹面鏡と対をなした凸面鏡により像面湾曲を補正できる構成も可能であるし、凹面を2面使用してそれぞれで発生する像面湾曲を少なくする工夫をしている。しかし、従来の面形状では面数も少ないために、完全には補正されない。この補正し切れない像面湾曲を補正するためには、任意の場所で任意の曲率を与えることができる自由曲面は収差補正上好ましい。これは、Y軸の正負によって曲率をYの奇数次項とXの2乗以上の組み合わせにより可能となる。
【0030】
さらに、任意の場所の非点収差の発生を少なくするためには、X軸方向の曲率とY軸方向の曲率の差を任意に変えることにより補正することが可能となる。これは、Xの2乗項とYの2乗項が独立に存在していることにより可能となる。
【0031】
さらに好ましくは、光学部品製作性を考慮すると、自由曲面は必要最低限にすることが望ましい。そこで、少なくとも3つの面の中、1つの面を上記自由曲面とし、他の面を平面もしくは球面又は偏心した回転対称面にすることによって、製作性を上げることが可能となる。
【0032】
さらに好ましくは、以下の条件を満足することによって、広画角で瞳径が大きく、かつ、収差補正の良好に行われた結像光学系を提供することができる。
【0033】
上述の定義に従って、X軸、Y軸、Z軸とするとき、瞳位置中心を射出し、像を形成する結像光学系に入射する光線の最大画角の光線が各面と交差する領域を有効領域と定義し、次の表−1に示すような光線▲1▼〜▲6▼を追跡する。
【0034】
【0035】
すなわち、画面中心の光軸方向の軸上主光線を▲2▼とし、上側中心画角の光線を▲1▼、右上画角の光線を▲4▼、右中心画角の光線を▲5▼、右下画角の光線を▲6▼、下側中心画角の光線を▲3▼とする。これら光線▲1▼〜▲6▼が光学系の各面に当たる部分の面形状を記述する式(Z軸を面の軸として表した式、あるいは、その面を偏心がないとして、Z=f(X,Y)の形式で表した式)の1次微分と曲率の値を求める。つまり、1次微分は面の定義座標に対する光線が当たる部分の傾きを表し、曲率は光線の当たる部分の部分的曲率を表す。これは、光学系の各面が偏心して配置された場合には、面形状を定義する座標は任意の位置に定義でき、前記座標中心での曲率等を記述しても、その部分を光線が通過していないことがあり、面形状を限定したことにならないためである。
【0036】
ところで、まず、TFC面の軸上主光線▲2▼が当たる位置のX方向の部分的曲率について説明する。本発明において、面の部分的曲率を規定する意味は、いくら収差が良好に補正されるTFC面であっても、余りに面のパワーが大きすぎると、収差発生が大きくなりすぎ、他の面で補正することが不可能になるからである。X方向の主光線▲2▼が当たる部分の曲率をRXとすると、
|RX|<0.5 (1/mm) ・・・(A−1)
なる条件を満足することが重要である。この偏心して配置された反射面の曲率が上限の0.5を越えない場合には、対称面を1面しか持たない面で反射面を構成することによって、収差発生の少ない光学系を構成することが可能となる。この上限0.5を越えている反射面では、偏心による各種収差の発生が極めて大きくなり、他の面で補正することが難しくなる。
【0037】
さらに好ましくは、
|RX|<0.1 (1/mm) ・・・(A−2)
なる条件を満足するときに、対称面を1面しか持たない面で反射面を構成することが、偏心による収差を発生させないために重要となる。
【0038】
さらに好ましくは、
|RX|<0.05(1/mm) ・・・(A−3)
なる条件を満足するときに、対称面を1面しか持たない面で反射面を構成することが、偏心による収差を発生させないために重要となる。
【0039】
次に、TFC面の軸上主光線▲2▼が当たる位置のY方向の部分的曲率について説明する。本発明において、面の部分的曲率を規定する意味は、いくら収差が良好に補正されるTFC面であっても、余りに面のパワーが大きすぎると、収差発生が大きくなりすぎ、他の面で補正することが不可能になるからである。Y方向の主光線▲2▼が当たる部分の曲率をRYとすると、
|RY|<0.5 (1/mm) ・・・(B−1)
なる条件を満足することが重要である。この偏心して配置された反射面の曲率が、上限の0.5を越えない場合には、対称面を1面しか持たない面で反射面を構成することによって、収差発生の少ない光学系を構成することが可能となる。この上限0.5を越えている反射面では、偏心による各種収差の発生が極めて大きくなり、他の面で補正することが難しくなる。
【0040】
さらに好ましくは、
|RY|<0.1 (1/mm) ・・・(B−2)
なる条件を満足するときに、対称面を1面しか持たない面で反射面を構成することが、偏心による収差を発生させないために重要となる。
【0041】
さらに好ましくは、
|RY|<0.05(1/mm) ・・・(B−3)
なる条件を満足するときに、対称面を1面しか持たない面で反射面を構成することが、偏心による収差を発生させないために重要となる。
【0042】
次に、反射面において、X軸方向の1回微分の値DXが、瞳中心を通り、像面中心に達する主光線▲2▼が当たる位置の傾きDXaxisと曲率RXに対して、DXmax1=MAX((DX−DXaxis)/RX)とするとき、以下の条件を満足することが重要となる。
【0043】
|DXmax1|<100.0 (mm) ・・・(1−1)
この条件は、反射面のX方向の傾きを表し、上記条件式の上限の100.0を越えると、各像高の主光線に対し反射面の傾きが大きくなりすぎ、偏心による収差発生が大きくなりすぎ、他の面で補正することが不可能になる。
【0044】
さらに好ましくは、
|DXmax1|<10.0 (mm) ・・・(1−2)
なる条件式を満足することが重要である。
【0045】
さらに好ましくは、
|DXmax1|<6.0 (mm) ・・・(1−3)
なる条件式を満足することが重要である。
【0046】
上記条件式(1−1)〜(1−3)は共に、広い画角において良好な観察像を得るために必要なものである。特に条件式(1−2)は10度以上の半画角において重要となり、条件式(1−3)は15度以上の半画角において満足することが好ましい。
【0047】
次に、反射面において、面の偏心方向の傾き、つまり、Y軸方向の1回微分の値DYが、瞳中心を通り、像面中心に達する主光線▲2▼が当たる位置の傾きDYaxisと曲率RYに対して、DYmax2=MAX((DY−DYaxis)/RY)とするとき、以下の条件を満足することが重要となる。
【0048】
|DYmax2|<100.0 (mm) ・・・(2−1)
この条件は、反射面のY方向の傾きを表し、上記条件式の上限の100.0を越えると、各像高の主光線に対し反射面の傾きが大きくなりすぎ、偏心による収差発生が大きくなりすぎ、他の面で補正することが不可能になる。
【0049】
さらに好ましくは、
|DYmax2|<10.0 (mm) ・・・(2−2)
なる条件式を満足することが重要である。
【0050】
さらに好ましくは、
|DYmax2|<6.0 (mm) ・・・(2−3)
なる条件式を満足することが重要である。
【0051】
上記条件式(2−1)〜(2−3)は共に、広い画角において良好な観察像を得るために必要なものである。特に条件式(2−2)は10度以上の半画角において重要となり、条件式(2−3)は15度以上の半画角において満足することが好ましい。
【0052】
次に、X方向の最大画角の主光線▲4▼と▲6▼が偏心して配置された反射面に当たる位置でのX方向の傾きと、X方向画角ゼロの主光線▲1▼と▲3▼がその反射面に当たる位置でのX方向の傾きとの差それぞれを(DX4−DX1)、(DX6−DX3)とし、その差をDX3 =(DX4−DX1)−(DX6−DX3)とするとき、
|DX3 |<0.4 ・・・(3−1)
なる条件を満足することが好ましい。
【0053】
上記条件式(3−1)は、X方向の周辺画像のX方向の歪みを表している。この条件式の上限の0.4を越えると、観察像の左右端がX軸方向に変化し、台形の像歪みが大きくなり、他の面で補正することが不可能となり、歪んだ観察像になってしまう。
【0054】
さらに好ましくは、
|DX3 |<0.2 ・・・(3−2)
なる条件式を満足することが好ましい。これは、特に10度以上の半画角を確保しようとした場合に、像歪みの少ない観察像を観察する場合に重要となる。
【0055】
さらに好ましくは、
|DX3 |<0.1 ・・・(3−3)
なる条件式を満足することが好ましい。これは、特に15度以上の半画角を確保しようとした場合に、像歪みの少ない観察像を観察する場合に重要となる。
【0056】
さらに好ましくは、
|DX3 |<0.05 ・・・(3−4)
これは、特に20度以上の半画角を確保しようとした場合に、像歪みのほとんどない観察像を観察する場合に重要となる。
【0057】
次に、X方向の最大画角の主光線▲4▼と▲6▼が偏心して配置された反射面に当たる位置でのY方向の傾きと、X方向画角ゼロの主光線▲1▼と▲3▼がその反射面に当たる位置でのY方向の傾きとの差それぞれを(DY4−DY1)、(DY6−DY3)とし、その差をDY4 =(DY4−DY1)−(DY6−DY3)とするとき、
|DY4 |<0.4 ・・・(4−1)
なる条件を満足することが好ましい。
【0058】
上記条件式(4−1)は、X方向の周辺画像のY方向の歪みを表している。この条件式の上限の0.4を越えると、観察像の左右端がY軸方向に変化し、周辺画像が弓なりになる像歪みが大きくなり、他の面で補正することが不可能になり、歪んだ観察像になってしまう。
【0059】
さらに好ましくは、
|DY4 |<0.2 ・・・(4−2)
なる条件式を満足することが好ましい。これは、特に10度以上の半画角を確保しようとした場合に、像歪みの少ない観察像を観察する場合に重要となる。
【0060】
さらに好ましくは、
|DY4 |<0.1 ・・・(4−3)
なる条件式を満足することが好ましい。これは、特に15度以上の半画角を確保しようとした場合に、像歪みの少ない観察像を観察する場合に重要となる。
【0061】
さらに好ましくは、
|DY4 |<0.05 ・・・(4−4)
これは、特に20度以上の半画角を確保しようとした場合に、像歪みのほとんどない観察像を観察する場合に重要となる。
【0062】
次に、画面中心のX方向の1回微分値DXaxisとX軸上のX方向最大画角の右端におけるX方向の1回微分値DX5の差(DX5−DXaxis)をDXmax5とするとき、反射面のDXmax5の値が、
|DXmax5|<0.5 ・・・(5−1)
なる条件式を満足することが重要である。
【0063】
これは、画面中心を通る左右方向の直線、例えば水平線等が弓なりに湾曲して観察される像歪みとなる。この数値が上限の0.5を越えると、弓なりの像歪みが下に凸に大きく発生し、他の面で補正することが不可能となってしまう。
【0064】
さらに好ましくは、
|DXmax5|<0.1 ・・・(5−2)
なる条件式を満足することが重要であり、特に10度を越える半画角の場合には、この条件を満足することが重要である。なお、上限については、上記条件式(5−1)と同じである。
【0065】
さらに好ましくは、
|DXmax5|<0.05 ・・・(5−3)
なる条件式を満足することが重要であり、特に15度を越える半画角の場合には、この条件を満足することが重要である。なお、上限については、上記条件式(5−1)と同じである。
【0066】
さらに好ましくは、
|DXmax5|<0.02 ・・・(5−4)
なる条件式を満足することが重要であり、特に20度を越える半画角の場合にはこの条件を満足することが重要である。なお、上限については上記条件式(5−1)と同じである。
【0067】
次に、画面中心のY方向の1回微分値DYaxisとX軸上のX方向最大画角の右端におけるY方向の1回微分値DY5の差(DY5−DYaxis)をDYmax6とするとき、反射面のDYmax6の値が、
|DYmax6|<0.5 ・・・(6−1)
なる条件式を満足することが重要である。これは、画面中心を通る左右方向の直線、例えば水平線等が弓なり湾曲して観察される像歪みとなる。この数値が上限の0.5を越えると、弓なりの像歪みが下に凸に大きく発生し、他の面で補正することが不可能となってしまう。
【0068】
さらに好ましくは、
|DYmax6|<0.1 ・・・(6−2)
なる条件式を満足することが重要であり、特に10度を越える半画角の場合には、この条件を満足することが重要である。なお、上限については、上記条件式(6−1)と同じである。
【0069】
さらに好ましくは、
|DYmax6|<0.05 ・・・(6−3)
なる条件式を満足することが重要であり、特に15度を越える半画角の場合には、この条件を満足することが重要である。なお、上限については、上記条件式(6−1)と同じである。
【0070】
さらに好ましくは、
|DYmax6|<0.02 ・・・(6−4)
なる条件式を満足することが重要であり、特に20度を越える半画角の場合にはこの条件を満足することが重要である。なお、上限については上記条件式(6−1)と同じである。
【0071】
次に、TFC面のX方向の部分的曲率の有効域内での最大値と最小値の差をDDXmax7とするとき、以下の条件式を満たすことが重要である。
【0072】
DDXmax7<0.5 (1/mm) ・・・(7−1)
この条件は、X軸方向に曲率が変化し難いことが像面湾曲、特にX軸方向の像面湾曲を少なくするために重要であることを示す。偏心して配置された反射面のX方向の曲率の差が上限の0.5を越えると、像面湾曲が大きくなり、平坦な像面を得ることが難しくなる。
【0073】
さらに好ましくは、
DDXmax7<0.1 (1/mm) ・・・(7−2)
なる条件を満足すると、周辺まで良好に補正された像を得ることが可能となる。
【0074】
さらに好ましくは、
DDXmax7<0.05(1/mm) ・・・(7−3)
なる条件を満足すると、周辺までさらに良好に補正された像を得ることが可能となる。
【0075】
次に、TFC面のY方向の部分的曲率の有効域内での最大値と最小値の差をDDYmax8とするとき、以下の条件式を満たすことが重要である。
【0076】
DDYmax8<0.5 (1/mm) ・・・(8−1)
この条件は、Y軸方向に曲率が変化し難いことが像面湾曲、特にY軸方向の像面湾曲を少なくするために重要であることを示す。偏心して配置された反射面のY方向の曲率の差が上限の0.5を越えると、像面湾曲が大きくなり、平坦な像面を得ることが難しくなる。
【0077】
さらに好ましくは、
DDYmax8<0.1 (1/mm) ・・・(8−2)
なる条件を満足すると、周辺まで良好に補正された像を得ることが可能となる。
【0078】
さらに好ましくは、
DDYmax8<0.05(1/mm) ・・・(8−3)
なる条件をともに満足すると、周辺までさらに良好に補正された像を得ることが可能となる。
【0079】
次に、有効面内の各光線が面に当たる位置での|X方向の曲率/Y方向の曲率|=|DDXn|/|DDYn|(nは主光線の番号▲1▼〜▲6▼に対応して1〜6)をDDxy9 とするとき、反射面の有効領域全てでDDxy9 が、
0.01<DDxy9 <40 ・・・(9−1)
なる条件式を満足することが重要である。
【0080】
これは、有効領域のX方向の結像位置とY方向の結像位置の比に相当し、非点収差が良好に補正されているための条件である。下限の0.01を越えると、X方向の光線がY方向の光線に対して光学系側により近く結像してしまい、非点収差の発生が大きくなる。逆に、上限の40を越えると、X方向の光線がY方向の光線に対して光学系より遠くに結像してしまい、非点収差が逆に大きく発生してしまい、共に他の面で補正することが不可能となってしまう。ただし、トーリック面等のY軸とX軸の両方に対して対称性を持つ面の場合は本条件内に入るが、コマ収差と像歪みの発生が大きくなってしまう。
【0081】
さらに好ましくは、
0.1<DDxy9 <20 ・・・(9−2)
なる条件式を満足することが重要であり、特に20度を越える半画角の場合には、この条件を満足することが重要である。
【0082】
さらに好ましくは、
0.3<DDxy9 <10 ・・・(9−3)
なる条件式を満足することが重要であり、特に25度を越える半画角の場合には、この条件を満足することが重要である。
【0083】
さらに好ましくは、
0.5<DDxy9 <6 ・・・(9−4)
なる条件式を満足することが重要であり、特に30度を越える半画角の場合には、この条件を満足することが重要である。
【0084】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の結像光学系の実施例1〜6について説明する。この中、実施例1〜3、5は本発明の参考例である。実施例1〜6の断面図をそれぞれ図1〜図6に示す。後記する数値データにおいて、面番号は物体面から結像面に至る順追跡の順での光学系を構成する面の番号で示してあるが、物体面と結像面を入れ換えて逆追跡の面番号としても光学的に等価である。また、面間隔は前の面と次の面の間の軸上主光線に沿って測った長さを(ただし、反射後には符号が反転する。)、偏心は入射軸上主光線に対する面の定義軸のティルト角(°)(反時計周りを正にとる。)を示す。屈折率は実施例1〜3は波長660nmに対する値を、実施例4〜6はd線に対する値を示す。なお、長さの単位はmmである。
【0085】
また、後記する数値データにおいて、自由曲面の面の形状は、前記の式(a)により定義され、そのY軸とZ軸は図の紙面内にあり、このY−Z面が対称面を1面しか持たない自由曲面の対称面となる。なお、データの記載されていない次数に関する項は0である。
【0086】
さて、実施例1〜6は何れも、五角プリズム状の屈折率が1より大きい媒質からなるプリズム体を形成する4つの光学面の中の、2つの反射面を含む2ないし3つの光学面を対称面を1面しか持たない自由曲面で構成し、残りの2面ないし1面を球面で構成することによって、このプリズム体に結像性能を持たせたものである。
【0087】
すなわち、実施例1、2は、それぞれ図1、図2に断面を示すように、第1面1、第2面2、第3面3、第4面4からなる五角プリズム状のプリズム体5であり、第1面1と第4面4が屈折面、第2面2と第3面3が反射面であり、第1面1は球面、第2面2、第3面3、第4面4は自由曲面からなる。カバーガラス6の裏面に設けられた物体面Oからの光線は、カバーガラス6を経てプリズム体5の第1面1から入射し、第2面2と第3面3で順に反射され、反射光は第1面1から第2面2に到る光線と交差して第4面4からプリズム体5の外へ射出し、像面Iに到る。これらの実施例は、水平画角(紙面に垂直方向の画角)50度、垂直画角(紙面内の画角)37度、共軸系に換算しての焦点距離6mm、瞳径1.7857mmの結像光学系である。
【0088】
実施例3は、図3に断面を示すように、第1面1、第2面2、第3面3、第4面4からなる五角プリズム状のプリズム体5であり、第1面1と第4面4が屈折面、第2面2と第3面3が反射面であり、第1面1、第4面は球面、第2面2、第3面3は自由曲面からなる。物体面Oからの光線は、プリズム体5の第1面1から入射し、第2面2と第3面3で順に反射され、反射光は第1面1から第2面2に到る光線と交差して第4面4からプリズム体5の外へ射出し、カバーガラス6を経てその裏面に設けられた像面Iに到る。この実施例は、水平画角(紙面に垂直方向の画角)50度、垂直画角(紙面内の画角)37度、共軸系に換算しての焦点距離6mm、瞳径1.7857mmの結像光学系である。
【0089】
実施例4は、図4に断面を示すように、第1面1、第2面2、第3面3、第4面4からなる五角プリズム状のプリズム体5であり、第1面1と第4面4が屈折面、第2面2と第3面3が反射面であり、第1面1は球面、第2面2、第3面3、第4面4は自由曲面からなる。この光学系は投影光学系であり、無限遠からの物体光は、プリズム体5の第1面1から入射し、第2面2と第3面3で順に反射され、反射光は第1面1から第2面2に到る光線と交差して第4面4からプリズム体5の外へ射出し、カバーガラス6を経てその裏面に設けられた像面Iに到る。この実施例は、物体高X軸方向(紙面に垂直方向)1.447mm、Y軸方向(紙面内の方向)1.0915mm、物体側NA(開口数)0.0357の投影光学である。
【0090】
実施例5は、図5に断面を示すように、第1面1、第2面2、第3面3、第4面4からなる五角プリズム状のプリズム体5であり、第1面1と第4面4が屈折面、第2面2と第3面3が反射面であり、第1面1、第2面2、第3面3は自由曲面、第4面4は球面からなる。この光学系は投影光学系であり、無限遠からの物体光は、プリズム体5の第1面1から入射し、第2面2と第3面3で順に反射され、反射光は第1面1から第2面2に到る光線と交差して第4面4からプリズム体5の外へ射出し、カバーガラス6を経てその裏面に設けられた像面Iに到る。この実施例は、物体高X軸方向(紙面に垂直方向)1.447mm、Y軸方向(紙面内の方向)1.0915mm、物体側NA(開口数)0.0357の投影光学である。
【0091】
実施例6は、図6に断面を示すように、第1面1、第2面2、第3面3、第4面4からなる五角プリズム状のプリズム体5であり、第1面1と第4面4が屈折面、第2面2と第3面3が反射面であり、第1面1は球面、第2面2、第3面3、第4面4は自由曲面球面からなる。この光学系は投影光学系であり、無限遠からの物体光は、別体の絞りを経て、プリズム体5の第1面1から入射し、第2面2と第3面3で順に反射され、反射光は第1面1から第2面2に到る光線と交差して第4面4からプリズム体5の外へ射出し、カバーガラス6を経てその裏面に設けられた像面Iに到る。この実施例は、物体高X軸方向(紙面に垂直方向)4.02mm、Y軸方向(紙面内の方向)3.03mm、物体側NA(開口数)0.0129の投影光学である。
【0092】
以下に、上記実施例1〜6の構成パラメータを示す。
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
次に、上記実施例2の横収差図を図7、図8に示す。これらの横収差図において、括弧内に示された数字は(水平画角(紙面に垂直方向の画角),垂直画角(紙面内の画角))を表し、その画角における横収差を示す。実施例6の同様の横収差図を図9、図10に示す。
【0099】
以下に、本発明の各実施例における前記条件式(A−1)、(B−1)、(1−1)〜(9−1)に関するパラメータの値を示す(条件式(9−1)以外につては、上段が第1の反射面2、下段が第2の反射面3に関する値を示し、条件式(9−1)については、上段がそれぞれの反射面の最小値、下段が最大値を示す。)。
【0100】
。
【0101】
以上の実施例では、前記定義式(a)の自由曲面で構成したが、あらゆる定義の曲面が使えることはいうまでもない。しかし、どのような定義式を用いようとも、本発明に示されている条件式を単独で、あるいは、組み合わせて満足しても、また、いくつかを満足することでも、収差の非常に良く補正された結像光学系を得られることはいうまでもない。なお、偏心を無視して面を定義する座標系の中心で規定される面の曲率、面の焦点距離等の従来の無偏心系で使われる条件式は、本発明のように各面が大きく偏心して配置されている場合には、なんら意味を持たない。
【0102】
以上の本発明の結像光学系は例えば次のように構成することができる。
〔1〕 少なくとも偏心光学系を有し、物体からの光を撮像素子面上に結像させる結像光学系において、
前記結像光学系が少なくとも1面の反射作用を有する反射面を備え、
前記反射面の少なくとも1面の面形状が、その面内及び面外共に回転対称軸を有せず、しかも、対称面を1つのみ有する面対称自由曲面からなることを特徴とする結像光学系。
【0103】
〔2〕 前記反射面が、物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、以下の条件(A−1)を満足することを特徴とする上記〔1〕記載の結像光学系。
|RX|<0.5 (1/mm) ・・・(A−1)
ただし、RXは前記反射面に前記軸上主光線が当たる部分のX方向の曲率である。
【0104】
〔3〕 前記反射面が、物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、以下の条件(B−1)を満足することを特徴とする上記〔1〕記載の結像光学系。
|RY|<0.5 (1/mm) ・・・(B−1)
ただし、RYは前記反射面に前記軸上主光線が当たる部分のY方向の曲率である。
【0105】
〔4〕 前記反射面が、物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、以下の条件(A−1)及び(B−1)を満足することを特徴とする上記〔1〕記載の結像光学系。
|RX|<0.5 (1/mm) ・・・(A−1)
|RY|<0.5 (1/mm) ・・・(B−1)
ただし、RX、RYはそれぞれ前記反射面に前記軸上主光線が当たる部分のX方向、Y方向の曲率である。
【0106】
〔5〕 前記反射面が以下の条件(A−2)を満足する上記〔2〕又は〔4〕記載の結像光学系。
|RX|<0.1 ・・・(A−2)。
【0107】
〔6〕 前記反射面が以下の条件(A−3)を満足する上記〔2〕又は〔4〕記載の結像光学系。
|RX|<0.05(1/mm) ・・・(A−3)。
【0108】
〔7〕 前記反射面が以下の条件(B−2)を満足する上記〔3〕又は〔4〕記載の結像光学系。
|RY|<0.1 (1/mm) ・・・(B−2)。
【0109】
〔8〕 前記反射面が以下の条件(B−3)を満足する上記〔3〕又は〔4〕記載の結像光学系。
|RY|<0.05(1/mm) ・・・(B−3)。
【0110】
〔9〕 前記面対称自由曲面の対称面が、物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、Y−Z面若しくはそれと平行な面上に存在することを特徴とする上記〔1〕から〔8〕の何れか1項記載の結像光学系。
【0111】
〔10〕 前記反射面中で前記軸上主光線が反射される領域のY−Z面内の反射屈折力、及び、Y−Z面に垂直な面内の反射屈折力の少なくとも一方が正であることを特徴とする上記〔2〕から〔9〕の何れか1項記載の結像光学系。
【0112】
〔11〕 前記反射面中で前記軸上主光線が反射される領域のY−Z面内の反射屈折力、及び、Y−Z面に垂直な面内の反射屈折力が共に正であることを特徴とする上記〔2〕から〔9〕の何れか1項記載の結像光学系。
【0113】
〔12〕 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕から〔11〕の何れか1項記載の結像光学系。
|DXmax1|<100.0 (mm) ・・・(1−1)
ただし、DXmax1=MAX((DX−DXaxis)/RX)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向と直交する方向に当たるX軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDXaxis、DX1、DX4、DX5、DX6、DX3とするとき、DXはDX1、DX4、DX5、DX6、DX3の値、RXは前記反射面に前記軸上主光線が当たる部分のX方向の曲率とする。
【0114】
〔13〕 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕から〔12〕の何れか1項記載の結像光学系。
|DYmax2|<100.0 (mm) ・・・(2−1)
ただし、DYmax2=MAX((DY−DYaxis)/RY)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向に当たるY軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDYaxis、DY1、DY4、DY5、DY6、DY3とするとき、DYはDY1、DY4、DY5、DY6、DY3の値、RYは前記反射面に前記軸上主光線が当たる部分のY方向の曲率とする。
【0115】
〔14〕 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕から〔13〕の何れか1項記載の結像光学系。
|DX3 |<0.4 ・・・(3−1)
ただし、DX3 =(DX4−DX1)−(DX6−DX3)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向と直交する方向に当たるX軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDXaxis、DX1、DX4、DX5、DX6、DX3とする。
【0116】
〔15〕 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕から〔14〕の何れか1項記載の結像光学系。
|DY4 |<0.4 ・・・(4−1)
ただし、DY4 =(DY4−DY1)−(DY6−DY3)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向に当たるY軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDYaxis、DY1、DY4、DY5、DY6、DY3とする。
【0117】
〔16〕 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕から〔15〕の何れか1項記載の結像光学系。
|DXmax5|<0.5 ・・・(5−1)
ただし、DXmax5=(DX5−DXaxis)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向と直交する方向に当たるX軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDXaxis、DX1、DX4、DX5、DX6、DX3とする。
【0118】
〔17〕 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕から〔16〕の何れか1項記載の結像光学系。
|DYmax6|<0.5 ・・・(6−1)
ただし、DYmax6=(DY5−DYaxis)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向に当たるY軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDYaxis、DY1、DY4、DY5、DY6、DY3とする。
【0119】
〔18〕 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕から〔17〕の何れか1項記載の結像光学系。
DDXmax7<0.5 (1/mm) ・・・(7−1)
ただし、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、この有効領域内でのX方向の曲率の最大値と最小値の差をDDXmax7とする。
【0120】
〔19〕 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕から〔18〕の何れか1項記載の結像光学系。
DDYmax8<0.5 (1/mm) ・・・(8−1)
ただし、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、この有効領域内でのY方向の曲率の最大値と最小値の差をDDYmax8とする。
【0121】
〔20〕 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕から〔19〕の何れか1項記載の結像光学系。
0.01<DDxy9 <40 ・・・(9−1)
ただし、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向に直交するX軸についての面の形状を定義する式の曲率をそれぞれDDX2、DDX1、DDX4、DDX5、DDX6、DDX3とし、同じく面の偏心方向に当たるY軸についての面の形状を定義する式の曲率をDDY2、DDY1、DDY4、DDY5、DDY6、DDY3とし、DDxy9 =|DDXn|/|DDYn|(nは1〜6)とする。
【0122】
〔21〕 前記反射面が屈折率(n)が1よりも大きい(n>1)媒質を有する裏面反射鏡から構成されていることを特徴とする上記〔1〕から〔20〕の何れか1項記載の結像光学系。
【0123】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、対称面を1つのみ有する面対称自由曲面からなる反射面を用いることにより、広い撮像領域がとれ、かつ、光路を折り畳むことによって、光線収差が良好に補正された像歪みのない小型で光学部品点数の少ない結像光学系が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結像光学系の実施例1の断面図である。
【図2】本発明の結像光学系の実施例2の断面図である。
【図3】本発明の結像光学系の実施例3の断面図である。
【図4】本発明の結像光学系の実施例4の断面図である。
【図5】本発明の結像光学系の実施例5の断面図である。
【図6】本発明の結像光学系の実施例6の断面図である。
【図7】本発明の実施例2の横収差図の一部を示す図である。
【図8】本発明の実施例2の横収差図の残りを示す図である。
【図9】本発明の実施例6の横収差図の一部を示す図である。
【図10】本発明の実施例6の横収差図の残りを示す図である。
【符号の説明】
1…第1面1
2…第1面2
3…第1面3
4…第1面4
5…プリズム体(結像光学系)
6…カバーガラス
O…物体面
I…像面
Claims (10)
- 少なくとも偏心光学系を有し、物体からの光を撮像素子面上に結像させる結像光学系において、
前記偏心光学系はプリズムで構成され、
前記プリズムの光学面が第1透過面、第2透過面、第1反射面及び第2反射面からなり、
前記物体からの光が、前記第1透過面、前記第1反射面、前記第2反射面、前記第2透過面の順に進行すると共に、前記第1透過面から前記第1反射面に到る光路と、前記第2反射面から前記第2透過面に到る光路が交差するように、前記各光学面が形成され、
前記第1反射面、前記第2反射面及び前記第2透過面を自由曲面で構成し、前記第1透過面を前記物体側に向かって凹形状の球面で構成し、
前記第1透過面よりも前記物体側、あるいは前記第1反射面の位置に絞りが配置され、
前記自由曲面は、その面内及び面外共に回転対称軸を有せず、しかも、対称面を1つのみ有する面対称自由曲面からなり、
前記面対称自由曲面の対称面が、物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、Y−Z面若しくはそれと平行な面上に存在することを特徴とする結像光学系。 - 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
|DXmax1|<100.0 (mm) ・・・(1−1)
ただし、DXmax1=MAX((DX−DXaxis)/RX)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向と直交する方向に当たるX軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDXaxis、DX1、DX4、DX5、DX6、DX3とするとき、DXはDX1、DX4、DX5、DX6、DX3の値、RXは前記反射面に前記軸上主光線が当たる部分のX方向の曲率とする。 - 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
|DYmax2|<100.0 (mm) ・・・(2−1)
ただし、DYmax2=MAX((DY−DYaxis)/RY)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向に当たるY軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDYaxis、DY1、DY4、DY5、DY6、DY3とするとき、DYはDY1、DY4、DY5、DY6、DY3の値、RYは前記反射面に前記軸上主光線が当たる部分のY方向の曲率とする。 - 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
|DX3 |<0.4 ・・・(3−1)
ただし、DX3 =(DX4−DX1)−(DX6−DX3)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向と直交する方向に当たるX軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDXaxis、DX1、DX4、DX5、DX6、DX3とする。 - 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
|DY4 |<0.4 ・・・(4−1)
ただし、DY4 =(DY4−DY1)−(DY6−DY3)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向に当たるY軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDYaxis、DY1、DY4、DY5、DY6、DY3とする。 - 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
|DXmax5|<0.5 ・・・(5−1)
ただし、DXmax5=(DX5−DXaxis)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向と直交する方向に当たるX軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDXaxis、DX1、DX4、DX5、DX6、DX3とする。 - 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
|DYmax6|<0.5 ・・・(6−1)
ただし、DYmax6=(DY5−DYaxis)であり、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向に当たるY軸について面の形状を定義する式を1回微分した値をそれぞれDYaxis、DY1、DY4、DY5、DY6、DY3とする。 - 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
DDXmax7<0.5 (1/mm) ・・・(7−1)
ただし、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、この有効領域内でのX方向の曲率の最大値と最小値の差をDDXmax7とする。 - 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
DDYmax8<0.5 (1/mm) ・・・(8−1)
ただし、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、この有効領域内でのY方向の曲率の最大値と最小値の差をDDYmax8とする。 - 物体側から瞳中心を通り前記撮像素子の結像位置中心に到達する軸上主光線が前記結像光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義される光軸をZ軸とし、前記Z軸と直交し、かつ、前記結像光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸とし、前記Z軸と前記Y軸とに直交する軸をX軸と定義したときに、前記反射面が次の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
0.01<DDxy9 <40 ・・・(9−1)
ただし、Y軸方向を上下方向として、結像画面中心の軸上主光線、上側中心画角の主光線、右上画角の主光線、右中心画角の主光線、右下画角の主光線、下側中心画角の主光線が対象面と交差する領域を有効領域と定義し、これら6つの主光線が対象面と当たる部分の面の偏心方向に直交するX軸についての面の形状を定義する式の曲率をそれぞれDDX2、DDX1、DDX4、DDX5、DDX6、DDX3とし、同じく面の偏心方向に当たるY軸についての面の形状を定義する式の曲率をDDY2、DDY1、DDY4、DDY5、DDY6、DDY3とし、DDxy9 =|DDXn|/|DDYn|(nは1〜6)とする。
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