JP2006259457A - 撮像光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安価・薄型でありながら高画素化・広画角化に対応可能な高性能を有する撮像光学系を提供する。
【解決手段】 撮像素子SRの受光面上に物体の光学像を形成するための撮像光学系である。光学プリズムPRでは、物体側からの光線が入射面S1より入射し、曲面から成る反射面:第2面S2〜第4面S4で反射された後、射出面S5より射出する。光学プリズムPRは屈折率1.2以上の媒質で構成されており、第3面S3には光学絞りSTが配置されている。第2面S2〜第4面S4は偏芯配置された回転非対称な面である。物体中心から光学絞りST中心を通り像面中心に向かうベース光線と、入射面S1、全ての反射面S2〜S4及び射出面S5と、の交点が1つの略平面上にある。
【選択図】 図1

Description

本発明は撮像光学系に関するものであり、例えば、被写体の映像を撮像素子で取り込む画像入力機能付きデジタル機器に適した薄型の撮像光学系に関するものである。
近年、携帯電話機や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)に、画像を取り込むためのデジタルスチルカメラやデジタルビデオユニットが内蔵されるようになってきている。これらのデジタル機器には携帯性を考慮した小型化が求められており、その一方で画像情報の高性能化も同時に求められている。画像情報の高性能化に関しては画像を取り込む撮像素子の高画素化が図られており、撮像素子の高画素化に伴い1つの画素を構成する素子の小型化も進められている。しかし、撮像素子全体の大型化は避けられないため、必要な像サイズが大きくなり、さらには高画素化に対応した高い解像力も必要になってきている。撮像光学系としては、ストレートタイプと呼ばれる共軸光学系が従来より用いられている。このタイプでの像サイズの大型化,高解像力化には、レンズ枚数の増加や全長の大型化が伴うことになる。これは携帯電話機やPDAの小型化に反する方向といえる。したがって、ストレートタイプとは異なった小型化・薄型化が必要である。
ストレートタイプとは異なったタイプの撮像光学系として、反射面を有するプリズムを利用した光学系が知られている。このタイプでは、光路を反射面で折り曲げることにより撮像光学系の小型化・薄型化を図っている。光路の折り曲げには、1つのプリズム内で何度も反射を繰り返したり、複数のプリズムを配置して複数回の反射を行ったりする等の方法が用いられている。例えば、全体の薄型化を図るために2個のプリズムを用いた撮像光学系が特許文献1で提案されている。また、コストダウンのためにプリズムを1個用いた撮像光学系が特許文献2で提案されている。
特開2003−84200号公報 特開平11−23971号公報
特許文献1に記載されている撮像光学系にはプリズムが2個用いられているため、コスト的に高いという問題がある。また、2個のプリズムの間に絞りが配置されているため、部品点数が増えることによるコストアップも招いてしまう。絞りの位置精度が良くないと、性能劣化が大きくなるという問題もある。特許文献2に記載されている撮像光学系は、プリズム1個の構成であるためコストダウンに有利であり、絞りがプリズム内に配置されているため更なるコストダウンの可能性もある。しかし、ある程度薄型化はされているものの、更なる高画素化,広画角化への対応は十分でない。つまり、プリズム構成が適切な配置になっていないと、十分に薄型の構成にはならず、高い性能を維持することもできないのである。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、安価・薄型でありながら高画素化・広画角化に対応可能な高性能を有する撮像光学系を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の撮像光学系は、撮像素子の受光面上に物体の光学像を形成するための撮像光学系であって、物体側からの光線が入射面より入射し、曲面から成る少なくとも3面の反射面で反射された後、射出面より射出する光学プリズムを少なくとも1個有し、前記光学プリズムが屈折率1.2以上の媒質で構成されており、前記少なくとも3面の反射面のうちのいずれかの面又はその近傍に光学絞りが配置されており、前記少なくとも3面の反射面のうちの少なくとも1面が偏芯配置された回転非対称な面であり、物体中心から光学絞り中心を通り像面中心に向かう光線をベース光線とすると、そのベース光線と、前記入射面、全ての前記反射面及び前記射出面と、の交点が1つの略平面上にあることを特徴とする。
第2の発明の撮像光学系は、上記第1の発明において、前記光学プリズムを1個のみ有することを特徴とする。
第3の発明の撮像光学系は、上記第1又は第2の発明において、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
0.1<|fREFL1/fall|<30.0 …(1)
ただし、
fREFL1:光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面の焦点距離、
fall:全系の焦点距離、
である。
第4の発明の撮像光学系は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面が負のパワーを有することを特徴とする。
第5の発明の撮像光学系は、上記第1〜第4のいずれか1つの発明において、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする。
0.1<|fREFL3/fall|<30.0 …(2)
ただし、
fREFL3:光線の物体側からの入射順序で最も像面側の反射面の焦点距離、
fall:全系の焦点距離、
である。
第6の発明の撮像光学系は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、光線の物体側からの入射順序で最も像面側の反射面が負のパワーを有することを特徴とする。
第7の発明の撮像光学系は、上記第1〜第6のいずれか1つの発明において、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面上に前記光学絞りが構成されていることを特徴とする。
第8の発明の撮像光学系は、上記第1〜第7のいずれか1つの発明において、前記少なくとも3面の反射面のうちのいずれかの面上に前記光学絞りが構成されており、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする。
0.1<|fREFL2/fall|<30.0 …(3)
ただし、
fREFL2:光学絞りを構成している反射面の焦点距離、
fall:全系の焦点距離、
である。
第9の発明の撮像光学系は、上記第1〜第8のいずれか1つの発明において、前記少なくとも3面の反射面のうちのいずれかの面上に前記光学絞りが構成されており、その光学絞りを構成している反射面のパワーが正であることを特徴とする。
第10の発明の撮像光学系は、上記第1〜第9のいずれか1つの発明において、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面又はその近傍に前記光学絞りが位置することを特徴とする。
第11の発明の撮像光学系は、上記第1〜第10のいずれか1つの発明において、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする。
0.1<|fREFR1/fall|<30.0 …(4)
ただし、
fREFR1:入射面の焦点距離、
fall:全系の焦点距離、
である。
第12の発明の撮像光学系は、上記第1〜第11のいずれか1つの発明において、前記入射面が正のパワーを有することを特徴とする。
第13の発明の撮像光学系は、上記第1〜第12のいずれか1つの発明において、前記曲面が自由曲面であることを特徴とする。
第14の発明の撮像光学系は、上記第1〜第13のいずれか1つの発明において、光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面を第1反射面とすると、前記第1反射面が負のパワーを有し、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする。
0.05<|φREFL1y/φREFL1x|<20.0 …(5)
ただし、
φREFL1x:第1反射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
φREFL1y:第1反射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
である。
第15の発明の撮像光学系は、上記第1〜第14のいずれか1つの発明において、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とすると、前記第2反射面が正のパワーを有し、以下の条件式(6)を満足することを特徴とする。
0.05<|φREFL2y/φREFL2x|<20.0 …(6)
ただし、
φREFL2x:第2反射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
φREFL2y:第2反射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
である。
第16の発明の撮像光学系は、上記第1〜第15のいずれか1つの発明において、光線の物体側からの入射順序で3番目の反射面を第3反射面とすると、前記第3反射面が負のパワーを有し、以下の条件式(7)を満足することを特徴とする。
0.05<|φREFL3y/φREFL3x|<20.0 …(7)
ただし、
φREFL3x:第3反射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
φREFL3y:第3反射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
である。
第17の発明の撮像光学系は、上記第1〜第16のいずれか1つの発明において、前記入射面が正のパワーを有し、以下の条件式(8)を満足することを特徴とする。
0.05<|φREFR1y/φREFR1x|<20.0 …(8)
ただし、
φREFR1x:入射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
φREFR1y:入射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
である。
第18の発明の撮像光学系は、上記第1〜第17のいずれか1つの発明において、以下の条件式(9)を満足することを特徴とする。
0.5<NAy(+)/NAy(-)<1.5 …(9)
ただし、
NAy(+):像面中心での垂直方向(y方向)の正側のNA、
NAy(-):像面中心での垂直方向(y方向)の負側のNA、
である。
第19の発明の撮像光学系は、上記第1〜第18のいずれか1つの発明において、以下の条件式(10)を満足することを特徴とする。
0.5<NAx/NAy<1.8 …(10)
ただし、
NAx:像面中心での水平方向(x方向)の正側と負側の平均のNA、
NAy:像面中心での垂直方向(y方向)の正側と負側の平均のNA、
である。
第20の発明の撮像光学系は、上記第1〜第19のいずれか1つの発明において、前記反射面として全反射しない反射面を有することを特徴とする。
第21の発明の撮像光学系は、上記第1〜第20のいずれか1つの発明において、前記光学プリズムを構成する面として、透過と反射の両機能を持つ面が存在しないことを特徴とする。
第22の発明の撮像光学系は、上記第1〜第21のいずれか1つの発明において、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とし、光線の物体側からの入射順序で3番目の反射面を第3反射面とすると、前記第2反射面へ入射するベース光線と前記第3反射面から射出するベース光線とが交差することを特徴とする。
第23の発明の撮像光学系は、上記第22の発明において、前記ベース光線の交差する角度が以下の条件式(11)を満足することを特徴とする。
30<θ<80 …(11)
ただし、
θ:ベース光線の交差する角度の小さい方の角度(°)、
である。
第24の発明の撮像光学系は、上記第1〜第23のいずれか1つの発明において、前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有することを特徴とする。
第25の発明の撮像光学系は、上記第24の発明において、光線の物体側からの入射順序で1番目の反射面を第1反射面とし、光線の物体側からの入射順序で3番目の反射面を第3反射面とすると、以下の条件式(12)を満足することを特徴とする。
0.1<θ2/θ4<10.0 …(12)
ただし、
θ2:ベース光線が第1反射面との交点で法線と成す角度(°)、
θ4:ベース光線が第3反射面との交点で法線と成す角度(°)、
である。
第26の発明の撮像光学系は、上記第1〜第25のいずれか1つの発明において、以下の条件式(13)を満足することを特徴とする。
Tall/fall<2.0 …(13)
ただし、
Tall:入射面から撮像素子の受光面までの厚さ、
fall:全系の焦点距離(水平方向と垂直方向との平均焦点距離)、
である。
第27の発明の撮像光学系は、上記第1〜第26のいずれか1つの発明において、前記反射面の数が奇数であることを特徴とする。
第28の発明の撮像光学系は、上記第1〜第27のいずれか1つの発明において、前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面を第1反射面とすると、前記第1反射面が負のパワーを有し、以下の条件式(14)を満足することを特徴とする。
5.0<θREFL1<70.0 …(14)
ただし、
θREFL1:第1反射面におけるベース光線の反射角度(°)、
である。
第29の発明の撮像光学系は、上記第1〜第28のいずれか1つの発明において、前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とすると、前記第2反射面上に前記光学絞りが位置し、前記第2反射面へ入射するベース光線と略平行なベース光線が存在しないことを特徴とする。
第30の発明の撮像光学系は、上記第1〜第29のいずれか1つの発明において、前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とすると、前記第2反射面上に前記光学絞りが位置し、前記第2反射面から射出するベース光線と略平行なベース光線が存在しないことを特徴とする。
第31の発明の撮像光学系は、上記第1〜第30のいずれか1つの発明において、前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とすると、以下の条件式(15)を満足することを特徴とする。
5.0<θREFL2<70.0 …(15)
ただし、
θREFL2:第2反射面におけるベース光線の反射角度(°)、
である。
第32の発明の撮像光学系は、上記第1〜第31のいずれか1つの発明において、前記入射面がベース光線に対して偏芯していないことを特徴とする。
第33の発明の撮像光学系は、上記第1〜第32のいずれか1つの発明において、前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、以下の条件式(16)を満足することを特徴とする。
0.1<Sfront/Srear<10.0 …(16)
ただし、
Sfront:光学プリズムの入射面から光学絞り面までのベース光線の光学距離、
Srear:光学絞り面から光学プリズムの射出面までのベース光線の光学距離、
である。
本発明によれば、安価で非常に薄型でありながら高画素化・広画角化に対応可能な高性能を有する撮像光学系を実現することができる。そして、本発明に係る撮像光学系をデジタルカメラ,携帯電話,携帯情報端末等の機器に用いれば、これらの機器の高性能化,高機能化,薄型・コンパクト化,低コスト化等に寄与することができる。
以下、本発明に係る撮像光学系の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1〜図3に、第1〜第3の実施の形態の光学構成をそれぞれ光学断面で示す。図1〜図3中、Si(i=1,2,3,...)が付された面は物体側から数えてi番目の面(Siに*印が付された面は自由曲面)である。各実施の形態の撮像光学系はいずれも、撮像素子{例えば、CCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子}SRの受光面上に物体(すなわち被写体)の光学像を形成するために、単焦点レンズとして機能する光学プリズムPRを1個備えている。その光学プリズムPRの第3面S3には光学絞りSTが配置されており、光学プリズムPRの像側には平行平面板PT(必要に応じて配置される光学的ローパスフィルター,赤外カットフィルター等の光学フィルター;撮像素子SRのカバーガラス等に相当する。)が配置されている。なお、光学面の焦点距離,パワー等に関する記載において、x方向は水平方向(画面の長辺方向)、y方向は垂直方向(画面の短辺方向)であり、光学面がアナモフィックな場合の焦点距離,パワー等は、特に断りのない限り、x方向の値とy方向の値との平均値を意味するものとする。
第1〜第3の実施の形態の光学構成を光路順に説明する。撮像光学系の最も物体側の面である第1面S1は、光学プリズムPRの入射面である。第1面S1より入射した光線は、反射面である第2面S2(第1反射面)で反射されて第3面S3に向かう。第3面S3は光学絞りSTを兼ねた反射面(第2反射面)であり、光学絞りSTの絞り形状は円形である。第3面S3で反射された光線は、第4面S4(第3反射面)に向かって進み第4面S4で反射される。第4面S4で反射された光線は、光学プリズムPRの射出面である第5面S5より射出する。第1面S1から第5面S5までは全て自由曲面である。第5面S5を射出した光線は、平行平面板PTの第6面S6と第7面S7を透過した後、像面(第8面)S8に到達して、撮像素子SRの受光面上に被写体の光学像を形成する。形成された光学像は、撮像素子SRによって電気的な信号に変換される。ここでいう「撮像素子」とは、受光面が平面の2次元的なものである。2次元的な撮像素子は、水平方向と垂直方向に広がりを持つため、用いる撮像光学系も複雑になり、性能を劣化させる収差も複雑である。その補正のためには、後述するように、回転非対称な面を適切に設定する必要がある。
各実施の形態では、物体側からの光線が入射面より入射し、曲面から成る少なくとも3面の反射面で反射された後、射出面より射出する光学プリズムを少なくとも1個有し、前記光学プリズムが屈折率1.2以上の媒質(つまり、空気ではない光学材料であって、例えばd線に対する屈折率が1.2以上のもの)で構成されており、前記少なくとも3面の反射面のうちのいずれかの面又はその近傍に光学絞りが配置されており、前記少なくとも3面の反射面のうちの少なくとも1面が偏芯配置された回転非対称な面であり、物体中心から光学絞り中心を通り像面中心に向かう光線をベース光線(図10中のBL)とすると、そのベース光線と、前記入射面、全ての前記反射面及び前記射出面と、の交点が1つの略平面上にあることを特徴としている。
従来のストレート系の撮像光学系を用いてその高性能化,高画素化を図ろうとすると、光学素子を増やす必要があるため、その分、撮像光学系は厚くなる。撮像光学系を薄型化するには、光路を折り曲げて配置するのが有効である。光路の折り曲げには光学プリズムを用いた反射面の利用が好ましく、光学プリズムの反射面を偏芯配置させて光路を折り曲げれば、より薄い撮像光学系を実現することが可能となる。ここでいう「偏芯」とは、直角プリズムのような45度の反射面のみで構成されるようなものではなく、色々な角度を持った光学作用面を含むものである。特に45度の角度を持った反射面のみを用いる構成では、光路を折りたたんで撮像光学系を小型化することは困難である。色々な角度に偏芯した反射面を用いることによって初めて撮像光学系の小型化が可能となる。さらに、そのような場合の偏芯により発生する収差(例えば偏芯コマ収差,偏芯非点収差等)は45度ミラーで発生する収差よりも更に複雑で、その補正はより困難なものとなる。
同じ画角で高画素化する(つまり撮像サイズを拡大する)ためには、焦点距離を伸ばす必要がある。焦点距離を伸ばすと、特に色収差の発生が大きな問題となる。反射面で色収差は発生しないが、屈折面では色収差が発生する。色収差を小さくするには、屈折面のパワーを小さくし、反射面のパワーを大きくする必要がある。しかしながら、偏芯した反射面では、ストレート系には無い偏芯光学面特有の収差が加わる。偏芯光学面特有の収差としては、偏芯による歪曲,コマ,非点収差等が挙げられる。
収差補正の方法としては、正のパワーの面で発生する収差を負のパワーの面で発生する収差で打ち消す方法、光学絞りを挟んでほぼ対称の収差を発生させて打ち消す方法等が挙げられる。正のパワーの面で発生する収差を負のパワーの面で発生する収差で打ち消す方法を採用した場合、本来撮像光学系は正のパワーを持つため、2面の反射面では収差補正が不十分となる。特に偏芯光学面特有の収差を補正するには、2面の反射面だけでは正のパワーによるコマ収差が大きくなるため、高性能化は達成できない。光学絞りを挟んでほぼ対称の収差を発生させる方法は、収差補正に有効である。しかし、反射面2面のみでは球面収差に相当する収差の補正が不十分となる。つまり、少なくとも3面の反射面を有することにより、初めて高性能化を実現することが可能となるのである。
各実施の形態のように反射面の1面を光学絞りにするか、その近傍に光学絞りを配置し、それに対して対称な形で反射面を配置することが好ましい。反射面の1面に光学絞りの機能を与えたり、その近傍に光学絞りを配置したりすれば、撮像光学系の大型化を避けながら高性能化を達成することが可能となる。また、反射面に絞り機能を与えれば、光学絞りのための部品を減らすことが可能となるので、コストダウンや薄型化を効果的に達成することができる。
反射面を偏芯配置させると、偏芯による特有の収差が発生するのは、前述した通りである。その偏芯方向に関し、反射面がねじれた偏芯をしていると更に複雑な収差が発生し、その補正のために更に逆のねじれた反射面が必要となる。その結果、撮像光学系の大型化を招いてしまう。これを避けるには、ねじれの無い偏芯配置された反射面のみを用いることが必要である。そのため、物体中心から光学絞り中心を通り像面中心に向かう光線を「ベース光線」とすると、そのベース光線と、入射面、全ての反射面及び射出面との交点が、1つの略平面上にあることが望ましい。また、ねじれが発生した場合、焦点距離の極値を持つ垂直方向が光線に対して垂直な面内で回転する。そうすると、収差補正はもちろんのこと、製造時における評価が困難になるため、ねじれのない構成を取ることが重要になる。以上の構成を取ることにより、初めて薄型で高性能な撮像光学系を実現することが可能となり、撮像光学系を低コスト化・薄型化しながら高画素化・広画角化に対応可能な高性能化を達成することが可能となる。
各実施の形態のように、撮像光学系は光学プリズムを1個のみ有することが好ましい。撮像光学系を光学プリズム1個のみで構成すれば、撮像光学系は最も簡単な構成となるため、撮像光学系の大幅なコストダウンと薄型化を有利に達成することが可能となる。1個の光学プリズムが反射面を少なくとも3面備えることにより、1つの反射面にメインのパワーを負担させ、他の2面を偏芯による収差の補正に利用することができる。これにより、撮像光学系に高い収差補正能力を持たせることができる。さらに、1個の光学プリズムの反射面又はその近傍に光学絞りがあると、その反射面のパワーを強くしても収差の発生を小さくすることができるため、撮像光学系のパワーの多くをその反射面に負担させることが可能となる。また、反射面にパワーを持たせても色収差は発生しないため、性能の低下を抑えることができる。これらの構成により、光学プリズム1個のみの構成でも、収差補正能力が高く高性能な撮像光学系を実現することができる。
光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面(各実施の形態における第1反射面S2)のパワーに関しては、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
0.1<|fREFL1/fall|<30.0 …(1)
ただし、
fREFL1:光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面の焦点距離、
fall:全系の焦点距離、
である。
条件式(1)は、第1反射面(すなわち光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面)のパワーに関して好ましい条件範囲を規定している。この第1反射面は、撮像光学系へ入射した光を折り曲げるように作用するため、撮像光学系の大きさに影響を与える。さらに、光学絞りよりも物体側に配置される光学面であるため、歪曲に与える影響も大きい。したがって、そのパワーを適切に設定しないと、撮像光学系の薄型化や高性能化(特に像の歪みの補正)の実現が困難になる。
条件式(1)の下限を越えて第1反射面に大きなパワーを与えすぎると、第1反射面での歪曲収差の発生が大きくなり過ぎて他の面で十分に補正できず、高性能化が達成できなくなる。また、偏芯した面であれば、偏芯歪曲収差が大きくなり過ぎてしまい、高性能化が達成できなくなる。逆に、条件式(1)の上限を越えると、第1反射面でのパワー負担が小さくなりすぎて薄型化に反することになり、また、歪曲補正が不十分になるとともに他の面で発生する収差を打ち消す効果が薄れてしまう。したがって、条件式(1)の条件範囲を外れると、撮像光学系の高性能化や薄型化が達成できなくなる。
以下の条件式(1a)を満足することが望ましく、条件式(1b)を満足することが更に望ましい。
1.0<|fREFL1/fall|<20.0 …(1a)
5.0<|fREFL1/fall|<15.0 …(1b)
これらの条件式(1a),(1b)は、上記条件式(1)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面(すなわち第1反射面)が負のパワーを有することが望ましい。像の歪みは結像性能とともに重要な性能であり、歪んでいると正確な像が得られない。さらに、反射面が偏芯している場合には偏芯歪曲が発生する。第1反射面に負のパワーを持たせることは、負の歪曲、つまり負への歪んだ歪曲を補正する上で特に有効である。
光線の物体側からの入射順序で最も像面側の反射面(各実施の形態における第3反射面S4)のパワーに関しては、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
0.1<|fREFL3/fall|<30.0 …(2)
ただし、
fREFL3:光線の物体側からの入射順序で最も像面側の反射面の焦点距離、
fall:全系の焦点距離、
である。
条件式(2)は、最終反射面(すなわち光線の物体側からの入射順序で最も像面側の反射面)のパワーに関して好ましい条件範囲を規定している。この最終反射面は、その前の反射面からの光束を折り曲げて射出面へ向かわせるように作用するため、像面へ与える影響が大きい。特に、非点収差への影響が大きく、この最終反射面のパワーを適切に設定しないと、高性能化の達成が困難になる。
条件式(2)の下限を越えて最終反射面に大きなパワーを与えすぎると、最終反射面での非点収差の発生が大きくなり過ぎて、それを他の面(特に射出面)で十分に補正することができず、高性能化を達成することができなくなる。また、偏芯した面であれば、偏芯非点収差が大きくなり過ぎてしまい、高性能化を達成することができなくなる。逆に、条件式(2)の上限を越えると、最終反射面でのパワー負担が小さくなりすぎて薄型化に反することになる。したがって、条件式(2)の条件範囲を外れると、撮像光学系の高性能化や薄型化を達成することができなくなる。
以下の条件式(2a)を満足することが望ましく、条件式(2b)を満足することが更に望ましい。
0.5<|fREFL3/fall|<20.0 …(2a)
1.0<|fREFL3/fall|<5.0 …(2b)
これらの条件式(2a),(2b)は、上記条件式(2)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
光線の物体側からの入射順序で最も像面側の反射面(すなわち最終反射面)が負のパワーを有することが望ましい。非点収差があると、像面での結像性能が悪くなる。最終反射面(各実施の形態における第3反射面S4)に負のパワーを持たせることにより、通常、像面が負の方向へ倒れる傾向を補正することができる。
光学絞り面の配置に関しては、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面(各実施の形態における第2反射面S3)上に前記光学絞りが構成されていること(つまり反射面に光学絞りの機能を持たせること)が好ましい。光学絞りを反射面上に構成することにより反射面が光学絞りを兼ねるようにすれば、光学絞りの構成部品が不要になるためコストダウンが可能になる。光学絞りを第1反射面上に配置してしまうと、光学絞りを挟んだ反射面同士での収差補正ができなくなり、高性能化の達成が困難になる。光学絞りを兼ねる反射面の前に少なくとも1面の反射面が位置することにより、光学絞りを挟んだ反射面同士による収差補正が可能となり、高性能化の達成が可能となる。
光学絞り面のパワーに関しては、前記少なくとも3面の反射面のうちのいずれかの面上に前記光学絞りが構成されており、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
0.1<|fREFL2/fall|<30.0 …(3)
ただし、
fREFL2:光学絞りを構成している反射面の焦点距離、
fall:全系の焦点距離、
である。
条件式(3)は、光学絞りを兼ねる反射面(各実施の形態における第2反射面S3)のパワーに関して好ましい条件範囲を規定している。光学絞りを兼ねる反射面にパワーを持たせると、撮像光学系の収差補正上、自由度が増えて設計上有利になる。この面のパワーはアッパーとローアーの光線の入射角度の差を大きくし、その結果としてコマ収差に影響を与える。したがって、この反射面のパワーを適切に設定しないと、高性能の撮像光学系を達成できなくなる。
条件式(3)の下限を越えて反射面に大きなパワーを与えすぎると、その反射面でのコマ収差の発生が大きくなり過ぎて、他の面で十分に補正しきれなくなり、高性能化が達成できなくなる。また、偏芯した面であれば、偏芯コマ収差が大きくなり過ぎてしまい、高性能化を達成できなくなる。逆に、条件式(3)の上限を越えて反射面でのパワー負担が小さくなりすぎると、コマ収差の発生は小さくできるが、薄型化が困難になる。したがって、条件式(3)の条件範囲を外れると、撮像光学系の高性能化や薄型化を達成することができなくなる。
以下の条件式(3a)を満足することが望ましく、条件式(3b)を満足することが更に望ましい。
0.5<|fREFL2/fall|<20.0 …(3a)
1<|fREFL2/fall|<5.0 …(3b)
これらの条件式(3a),(3b)は、上記条件式(3)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
また、光学絞り面のパワーに関しては、前記少なくとも3面の反射面のうちのいずれかの面上に前記光学絞りが構成されており、その光学絞りを構成している反射面のパワーが正であることが望ましい。光学絞り面では、光線高さが一番低くなり、収差の影響が小さくなる。そのため、光学絞りを構成している反射面に正のパワーを持たせると、全系のパワーを維持しながら、他の面のパワー配分を小さくすることが可能となる。
また、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面(各実施の形態における第2反射面S3)又はその近傍に前記光学絞りが位置することが望ましい。全系のパワーの多くを負担する面は強い曲率を持った面となるが、強い曲率を持つとその面での収差発生が大きくなる。さらに偏芯をしていると、それによる特有の収差も大きくなる。それを小さくするには、光学絞りの近傍にそのような強い曲率の面を持ってくることが好ましい。それによって光線高さが低く抑えられ、パワーが強くても収差発生を小さく抑えることが可能となる。第2反射面では、特にコマ収差が大きく発生する。特に偏芯コマ収差が発生すると、著しく結像性能が落ちて、他の面での補正がしづらくなる。したがって、第2反射面の曲率を強くしてもコマの発生を小さくできるように、第2反射面又はその近傍に光学絞りを配置することが高性能化のために望ましい。
入射面(各実施の形態における第1面S1)に関しては、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
0.1<|fREFR1/fall|<30.0 …(4)
ただし、
fREFR1:入射面の焦点距離、
fall:全系の焦点距離、
である。
条件式(4)は、入射面のパワーに関して好ましい条件範囲を規定している。屈折面は反射面と異なり、特に色収差の発生要因となる。それが入射面の場合には、倍率色収差への影響が大きい。倍率色収差が発生すると像面で色にじみ等が発生し、各波長での結像位置がずれるためきれいな像は得られない。また、入射面は光学絞りから物体側に最も離れて位置するため、歪曲にも影響を与える。歪曲が発生すると像は歪んだ形状になる。この入射面のパワーを適切に設定すれば、倍率色収差,歪曲収差がよく補正された撮像光学系を実現することが可能となる。
条件式(4)の下限を越えて入射面に大きなパワーを与えすぎると、その反射面での倍率色収差の発生が大きくなり過ぎて、射出面(各実施の形態における最終プリズム面S5)で十分な補正ができなくなり、高性能化が達成できなくなる。また、歪曲が補正過剰となるため、得られる像は歪んだものとなる。逆に、条件式(4)の上限を越えると、入射面でのパワーが小さくなるため光線を十分に屈折させることができなくなり、撮像光学系全体が大きくなって薄型化できなくなる。したがって、この条件式(4)の条件範囲を外れると、撮像光学系の高性能化や薄型化が達成できなくなる。
以下の条件式(4a)を満足することが望ましく、条件式(4b)を満足することが更に望ましい。
0.5<|fREFR1/fall|<20.0 …(4a)
1.0<|fREFR1/fall|<5.0 …(4b)
これらの条件式(4a),(4b)は、上記条件式(4)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
また、入射面(各実施の形態における第1面S1)が正のパワーを有することが好ましい。入射面で光線を集光することによって、撮像光学系の薄型化に有利となる。全系のパワーにもプラスに働き、反射面のパワー配分を減らすことができる。したがって、偏芯した反射面で発生する偏芯非点収差,偏芯コマ収差,偏芯歪曲収差等をより小さくでき、高性能化が可能となる。なお、後述する各実施例において第1面S1の基準曲率は負の値になっているが、自由曲面係数で第1面S1のパワーを正にしている。
各実施の形態では、第1面S1〜第5面S5が自由曲面から成っている。このように複数の反射面を有する光学プリズムではプリズム面として自由曲面を用いることが好ましく、光学プリズムの反射面を構成する曲面は自由曲面であることが更に好ましい。偏芯した曲面では、偏芯による特有の収差が発生する。例えば、偏芯歪曲,偏芯コマ収差,偏芯非点収差等である。これらの収差の補正は、面の偏芯方向で非対称な曲率を持つ面によって初めて可能となる。さらに、偏芯方向とそれに対して垂直方向の曲率を異なる値(符号も含め)にすることにより、偏芯による収差補正が可能となる。
光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面を第1反射面(各実施の形態における第2面S2)とすると、前記第1反射面が負のパワーを有し、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
0.05<|φREFL1y/φREFL1x|<20.0 …(5)
ただし、
φREFL1x:第1反射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
φREFL1y:第1反射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
である。
条件式(5)は、第1反射面のパワーアナモ比(x方向とy方向のパワーの比)に関して好ましい条件範囲を規定している。偏芯した光学作用面を有する撮像光学系では、2つの方向(例えばx方向とy方向)で、各作用面でのパワーが異なることが多い。しかし、全系を通したパワーは、ほぼ同じにするのが望ましい。これは、像面での結像点を一致させたり、各方向での倍率を同じにするためである。しかしながら、各作用面は偏芯している関係で個々に収差補正の機能が異なってくる。第1反射面では、x方向よりy方向が大きく偏芯しているために、y方向の偏芯非点収差,偏芯歪曲収差が大きく発生する。かと言って、y方向の偏芯収差のみに注目してパワーを規定してしまうと、全系を通したパワーがアナモフィックになってしまい、撮像光学系全体として望ましくない形になってしまう。したがって、x方向とy方向のパワーの関係を適切に設定することが好ましく、それにより、偏芯非点収差,偏芯歪曲を補正しながら、全系のパワーがアナモフィックになることを避けることができる。
条件式(5)の下限を越えると、x方向とy方向のパワーが異なりすぎて、偏芯非点収差,偏芯歪曲収差が補正不足となる。逆に、条件式(5)の上限を越えると、補正過剰になる。さらに、この条件式(5)の条件範囲を外れると、全系の水平方向(x方向)と垂直方向(y方向)のパワーが異なりすぎて、アナモフィックなパワーとなるため、撮像光学系が構成できなくなる。したがって、この条件式(5)の条件範囲を外れると、撮像光学系の高性能化が達成できなくなり、撮像光学系全体を実現できなくなる。
以下の条件式(5a)を満足することが望ましく、条件式(5b)を満足することが更に望ましい。
0.1<|φREFL1y/φREFL1x|<10.0 …(5a)
0.5<|φREFL1y/φREFL1x|<5.0 …(5b)
これらの条件式(5a),(5b)は、上記条件式(5)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面(各実施の形態における第3面S3)とすると、前記第2反射面が正のパワーを有し、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
0.05<|φREFL2y/φREFL2x|<20.0 …(6)
ただし、
φREFL2x:第2反射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
φREFL2y:第2反射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
である。
条件式(6)は、第2反射面のパワーアナモ比(x方向とy方向のパワーの比)に関して好ましい条件範囲を規定している。第2反射面では、y方向の偏芯コマ収差が大きく発生する。また、y方向の偏芯収差のみに注目してパワーを規定してしまうと、全系を通したパワーがアナモフィックになってしまい、撮像光学系全体として望ましくないパワーとなってしまう。したがって、x方向とy方向のパワーの関係を適切に設定することが好ましく、それにより、偏芯非点収差を補正しながら、全系のパワーがアナモフィックになることを避けることができる。
条件式(6)の下限を越えると、x方向とy方向のパワーが異なりすぎて、コマ収差が補正不足となる。逆に、条件式(6)の上限を越えると、補正過剰になる。さらに、この条件式(6)の条件範囲を外れると、全系の水平方向(x方向)と垂直方向(y方向)のパワーが異なりすぎて、アナモフィックなパワーとなるため、撮像光学系が構成できなくなる。したがって、この条件式(6)の条件範囲を外れると、撮像光学系の高性能化が達成できなくなり、撮像光学系全体を実現できなくなる。
以下の条件式(6a)を満足することが望ましく、条件式(6b)を満足することが更に望ましい。
0.1<|φREFL2y/φREFL2x|<10.0 …(6a)
0.1<|φREFL2y/φREFL2x|<3.0 …(6b)
これらの条件式(6a),(6b)は、上記条件式(6)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
光線の物体側からの入射順序で3番目の反射面を第3反射面(各実施の形態における第4面S4)とすると、前記第3反射面が負のパワーを有し、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
0.05<|φREFL3y/φREFL3x|<20.0 …(7)
ただし、
φREFL3x:第3反射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
φREFL3y:第3反射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
である。
条件式(7)は、第3反射面のパワーアナモ比(x方向とy方向のパワーの比)に関して好ましい条件範囲を規定している。第3反射面では、y方向の偏芯非点収差が大きく発生する。また、y方向の偏芯収差のみに注目してパワーを規定してしまうと、全系を通したパワーがアナモフィックになってしまい、撮像光学系全体として望ましくないパワーになってしまう。したがって、x方向とy方向のパワーの関係を適切に設定することが好ましく、それにより、偏芯非点収差を補正しながら、全系のパワーがアナモフィックになることを避けることができる。
条件式(7)の下限を越えると、x方向とy方向のパワーが異なりすぎて、偏芯非点収差が補正不足となる。逆に、条件式(7)の上限を越えると、補正過剰になる。さらに、この条件式(7)の条件範囲を外れると、全系の水平方向(x方向)と垂直方向(y方向)のパワーが異なりすぎて、アナモフィックなパワーとなるため、撮像光学系が構成できなくなる。したがって、この条件式(7)の条件範囲を外れると、撮像光学系の高性能化が達成できなくなり、撮像光学系全体を実現できなくなる。
以下の条件式(7a)を満足することが望ましく、条件式(7b)を満足することが更に望ましい。
0.1<|φREFL3y/φREFL3x|<10.0 …(7a)
0.5<|φREFL3y/φREFL3x|<5.0 …(7b)
これらの条件式(7a),(7b)は、上記条件式(7)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
前記入射面(各実施の形態における第1面S1)が正のパワーを有し、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
0.05<|φREFR1y/φREFR1x|<20.0 …(8)
ただし、
φREFR1x:入射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
φREFR1y:入射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
である。
条件式(8)は、透過面である入射面(第1面S1)のパワーアナモ比(x方向とy方向のパワーの比)に関して好ましい条件範囲を規定している。入射面は、歪曲収差や倍率色収差の発生原因となる。特に歪曲収差は、その後の光学作用面による補正と関係する。特にy方向では、偏芯による偏芯歪曲収差が発生するため、それとのバランスが取れるように適切なパワーに設定することが必要になる。しかしながら、y方向の歪曲に注目してパワーを規定してしまうと、全系を通したパワーがアナモフィックになってしまい、撮像光学系全体として望ましくないパワーになってしまう。したがって、x方向とy方向のパワーの関係を適切に設定することにより、偏芯歪曲収差を補正しながら、全系のパワーがアナモフィックになることを避けることができる。
条件式(8)の下限を越えると、x方向とy方向のパワーが異なりすぎて、偏芯歪曲収差が補正不足となる。逆に、条件式(8)の上限を越えると、補正過剰になる。さらに、この条件式(8)の条件範囲を外れると、全系の水平方向(x方向)と垂直方向(y方向)のパワーが異なりすぎて、アナモフィックなパワーとなるため、撮像光学系が構成できなくなる。したがって、この条件式(8)の条件範囲を外れると歪んだ像となり、さらに撮像光学系全体の実現ができなくなる。
以下の条件式(8a)を満足することが望ましく、条件式(8b)を満足することが更に望ましい。
0.1<|φREFR1y/φREFR1x|<10.0 …(8a)
0.5<|φREFR1y/φREFR1x|<5.0 …(8b)
これらの条件式(8a),(8b)は、上記条件式(8)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
0.5<NAy(+)/NAy(-)<1.5 …(9)
ただし、
NAy(+):像面中心での垂直方向(y方向)の正側のNA、
NAy(-):像面中心での垂直方向(y方向)の負側のNA、
である。
条件式(9)は、像面でのy方向の明るさの比に関して好ましい条件範囲を規定している。偏芯した曲面を有する光学系では、偏芯の方向に非対称な光学系となる。垂直方向に偏芯した光学系では、像面での光線の集まり方が、正の方向と負の方向で非対称となる。この非対称性が強くなると、像の明るさがムラとなり、きれいな像とはならない。したがって、これらの明るさの割合を規定することにより、きれいな像を形成することができる。この条件式(9)の条件範囲を外れると、明るさのムラの影響が大きくなりすぎるため、きれいな像を形成できなくなる。
以下の条件式(9a)を満足することが望ましく、条件式(9b)を満足することが更に望ましい。
0.7<NAy(+)/NAy(-)<1.3 …(9a)
0.8<NAy(+)/NAy(-)<1.2 …(9b)
これらの条件式(9a),(9b)は、上記条件式(9)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
以下の条件式(10)を満足することが望ましい。
0.5<NAx/NAy<1.8 …(10)
ただし、
NAx:像面中心での水平方向(x方向)の正側と負側の平均のNA、
NAy:像面中心での垂直方向(y方向)の正側と負側の平均のNA、
である。
条件式(10)は、像面でのx方向とy方向の明るさの比に関して好ましい条件範囲を規定している。偏芯した光学系では、水平方向と垂直方向とで光線の明るさが異なる現象が発生する。この明るさの差が大きくなると像の明るさがムラとなり、画質を落とす要因となる。したがって、これらの明るさの割合を規定することにより、きれいな像を形成することができる。条件式(10)の条件範囲を外れると、このムラが顕著となり、実用に耐える像とはならなくなる。
以下の条件式(10a)を満足することが更に望ましい。
0.7<NAx/NAy<1.5 …(10a)
この条件式(10a)は、上記条件式(10)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
前記反射面として全反射しない反射面を有することが好ましく、全反射する反射面を持たないことが更に好ましい。いずれの実施の形態においても、全反射をしない反射面が存在する。光を全反射させる構成にすると、その反射面への反射コートを外すことができるので、コスト的には有利である。しかしながら、光を全反射させるためには、反射面への入射角度を大きくすることが必要となる。入射角度を大きくすると、その分収差発生量が大きくなり、その補正のために他の光学面が必要となり、コスト的には逆効果となる。撮像光学系を安価で高性能にするためには、入射角度の大きい全反射面の無い反射面を使用する必要がある。
前記光学プリズムを構成する面として、透過と反射の両機能を持つ面(例えば、TIR(Total Internal Reflection)面)が存在しないことが好ましい。いずれの実施の形態においても、透過と反射の両機能を持つ面は存在しない。透過と反射の両機能を実現しようとすると、例えばルーバー光学素子を用いたり、全反射効果を用いたりすることが必要となる。ルーバー光学素子等を用いると、コストが高くなったり全体の光量が減少したりする。また、全反射効果を用いると、前述したようにコスト高を招いたり、高性能の達成が困難になったりする。したがって、高性能,コストダウンを図るためには、透過と反射の両機能を持つ面を持たないことが必要である。
光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面(各実施の形態における第3面S3)とし、光線の物体側からの入射順序で3番目の反射面を第3反射面(各実施の形態における第4面S4)とすると、各実施の形態のように、前記第2反射面へ入射する光線と前記第3反射面から射出する光線とが交差することことが好ましい。例えば各実施の形態のように、前記第2反射面へ入射するベース光線BLと前記第3反射面から射出するベース光線BLとが交差することことが好ましい(図10参照。)。
撮像光学系を薄型化するためには、光路を折り曲げるとともに、第2反射面へ入射する光線と第3反射面から射出する光線とをどこかで交差させることが効果的である。光線を交差させる場合、撮像光学系の物体側の方で光線を交差させると光束幅が大きくなってしまい、かえって撮像光学系は大型化することになり、薄型化に対して逆効果となる。そのため、像面側に近い反射面で光線を交差させることは、撮像光学系を薄型化する上でより効果的である。
前記ベース光線の交差する角度が以下の条件式(11)を満足することが望ましい(図10参照。)。
30<θ<80 …(11)
ただし、
θ:ベース光線の交差する角度の小さい方の角度(°)、
である。
上述したように、光線を折り曲げて交差させることにより撮像光学系の薄型化を図ることが可能である。しかしながら、その交差が直交していると広い空間が必要となり、薄型化に反することになる。撮像光学系の薄型化を図るためには、ベース光線の交差する角度が条件式(11)を満たすように反射面を構成することが必要である。この交差する角度を適切に設定することにより、高性能でありながら薄型の撮像光学系を達成することが可能となる。
条件式(11)の上限を越えると、ベース光線が交差するための反射面の角度が直交するような角度配置になり、撮像光学系は大型化してしまう。逆に、条件式(11)の下限を越えると、薄型化には有利となるが、反射面への入射角度が大きくなりすぎて収差発生が大きくなるため、撮像光学系の高性能化が達成困難になる。また、収差補正のための光学面の追加による大型化を招くことにもなる。
各実施の形態のように、光学プリズムが反射面を3面のみ有することが好ましい。光学プリズムをより安価でより効率良く薄型に構成するためには、反射面が少ない方が有利である。しかし、少なすぎると各面のパワー配分が大きくなりすぎてしまい、各面での収差発生量が大きくなりすぎて高性能化を達成することができなくなる。また、反射面を増やすと性能的には有利になるが、コストアップや更には大型化を招いてしまう。反射面を3面で、しかもメインの構成とすることにより、高性能を維持しながら薄型化を達成することが可能となる。
各実施の形態のように、光学プリズムが反射面を3面のみ有する場合、光線の物体側からの入射順序で1番目の反射面を第1反射面(各実施の形態における第2面S2)とし、光線の物体側からの入射順序で3番目の反射面を第3反射面(各実施の形態における第4面S4)とすると、以下の条件式(12)を満足することことが望ましい(図10参照。)。
0.1<θ2/θ4<10.0 …(12)
ただし、
θ2:ベース光線が第1反射面との交点で法線と成す角度(°)、
θ4:ベース光線が第3反射面との交点で法線と成す角度(°)、
である。
条件式(12)は、第1反射面と第3反射面の相対角度に関して好ましい条件範囲を規定している。プリズム面を3面のみで構成した場合、第1反射面は、入射面(第1面S1)通過後の光線を反射させる面となる。第3反射面は、光線を射出面(第5面S5)に向けて反射させる面となる。これらの光学面は互いに偏芯した位置に配置されており、その構成には、偏芯による収差(特に偏芯歪曲収差,偏芯コマ収差)の発生を互いに打ち消し合う効果がある。条件式(12)を満たすように角度の関係を適切に設定することにより、偏芯歪曲収差や偏芯コマ収差が良く補正された高性能な撮像光学系を実現することが可能となる。この条件式(12)の条件範囲を外れると、偏芯歪曲が大きくなるとともに、偏芯によるコマが大きくなる。
以下の条件式(12a)を満足することが望ましく、条件式(12b)を満足することが更に望ましい。
0.5<θ2/θ4<5.0 …(12a)
1.0<θ2/θ4<3.0 …(12b)
これらの条件式(12a),(12b)は、上記条件式(12)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
以下の条件式(13)を満足することが望ましい。
Tall/fall<2.0 …(13)
ただし、
Tall:入射面から撮像素子の受光面までの厚さ(例えば、入射面とベース光線との交点から撮像面までの距離)、
fall:全系の焦点距離(水平方向と垂直方向との平均焦点距離)、
である。
条件式(13)は、折り曲げ効果による薄型化が焦点距離に対してどの程度達成されているかを表している。撮像光学系の薄型化の達成度を見るためには、その焦点距離を基準にするのが良い。焦点距離が長ければその分全長は大きくなるので、ただ厚みを見るだけでは、どれだけの薄型化が図れているかが分からない。それを確かめるためには、厚みと焦点距離との比により判断することが望ましい。条件式(13)の上限を越えると、折り曲げ効果が小さくなり、撮像光学系の薄型化の達成が不十分となる。
以下の条件式(13a)を満足することが望ましく、条件式(13b)を満足することが更に望ましい。
Tall/fall<1.5 …(13a)
Tall/fall<1.0 …(13b)
これらの条件式(13a),(13b)は、上記条件式(13)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
各実施の形態のように、光学プリズムの反射面の数は奇数であることが好ましい。反射面上又はその近傍に光学絞りを配置した場合、それを挟んで反射面を対称に近い配置にすると、コマ収差,歪曲収差等が互いに打ち消し合う結果、撮像光学系の高性能化が達成可能となる。そのためには、反射面の数は奇数であることが望ましい。なお、奇数回の反射では像が鏡像になるが、撮像素子を用いていれば簡単に反転させることが可能である。
前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面を第1反射面(各実施の形態における第2面S2)とすると、前記第1反射面が負のパワーを有し、以下の条件式(14)を満足することが望ましい(図10参照。)。
5.0<θREFL1<70.0 …(14)
ただし、
θREFL1:第1反射面におけるベース光線の反射角度(°)、
である。
条件式(14)は、第1反射面での反射角度に関して好ましい条件範囲を規定している。第1反射面は、入射光線の方向を大きく曲げ、光路の折りたたみ効果を出すための重要な面である。折りたたみ効果を上げるためには、より垂直方向に曲げるのが好ましい。しかし、そうすると偏芯歪曲収差や偏芯非点収差が大きく発生するため、結像性能を上げられなくなり高性能化が困難になる。かと言って、折り曲げ角度が小さいと、撮像光学系の薄型化の達成が困難になる。高い結像性能を実現しながら薄型化を図るためには、条件式(14)を満たすように第1反射面での反射角度を設定することが望ましい。
条件式(14)の下限を越えて反射角度が小さくなると、撮像光学系の薄型化のためには次の反射面までの光路が短くなり、折りたたみの効果が小さくなる。逆に、条件式(14)の上限を越えて反射角度が大きくなると、この面での偏芯収差の発生量が大きくなり、特に偏芯歪曲収差や偏芯非点収差の補正が困難になる。したがって、高性能化を達成できなくなる。
以下の条件式(14a)を満足することが望ましく、条件式(14b)を満足することが更に望ましい。
10.0<θREFL1<60.0 …(14a)
20.0<θREFL1<40.0 …(14b)
これらの条件式(14a),(14b)は、上記条件式(14)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面(各実施の形態における第3面S3)とすると、各実施の形態のように、前記第2反射面上に前記光学絞りが位置し、前記第2反射面へ入射するベース光線と略平行なベース光線が存在しないことが好ましい。
光学プリズムを3面の反射面で構成し、第2反射面が光学絞りを兼ねる構成とした場合、第1反射面から第2反射面へのベース光線は、物体側から入射面へ入射するベース光線に対して垂直に近い角度に設定するのが、薄型化のためには効果的である。このベース光線の方向の光路を長くすれば、焦点距離を確保しつつ薄型の撮像光学系を実現することができる。しかしながら、光路を長くするためにこの方向の光線をさらに追加しようとすると、反射面を平行に配置する必要が生じてしまい、撮像光学系の薄型化の達成が困難になる。したがって、第2反射面へ入射する光線と略平行な光線は1本のみで構成することが、撮像光学系の薄型の実現のためには必要である。
前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面(各実施の形態における第3面S3)とすると、各実施の形態のように、前記第2反射面上に前記光学絞りが位置し、前記第2反射面から射出するベース光線と略平行なベース光線が存在しないことが好ましい。
光学プリズムを3面の反射面で構成し、第2反射面が光学絞りを兼ねる構成とした場合、第2反射面から射出したベース光線は、物体側から入射面へ入射するベース光線に対して45度に近い角度を持つことになる。この光線の光路長が長くなれば、当然薄型化に反する。このため、それと略平行なベース光線を多数持つことは、薄型化に反することになる。
前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とすると、以下の条件式(15)を満足することが望ましい(図10参照。)。
5.0<θREFL2<70.0 …(15)
ただし、
θREFL2:第2反射面におけるベース光線の反射角度(°)、
である。
条件式(15)は、光学絞り面又はその近傍の第2反射面での反射角度に関して好ましい条件範囲を規定している。第2反射面は、全系のパワーの負担が大きい面である。その反射角度が大きいと、撮像光学系の折りたたみ効果が大きくなるので、より一層の薄型化を図ることが可能となる。しかしながら、反射角度が大きくなることにより、収差の発生が大きくなってしまう。特に、この面では偏芯歪曲収差や偏芯非点収差の発生が大きくなりすぎるため、反射角度を大きくしてしまうと結像性能が落ち、撮像光学系の高性能化を達成できなくなる。条件式(15)を満たすように第2反射面での反射角度を設定すれば、高性能でありながら薄型の撮像光学系を達成することができる。
条件式(15)の上限を越えて反射角度が大きくなると、偏芯歪曲収差や偏芯非点収差の発生が特に大きくなりすぎて、他の光学面で補正できなくなる。逆に、条件式(15)の下限を越えて反射角度が小さくなると、第1反射面と第3反射面とが近づきすぎて、その分のスペースの確保が必要となり、結果として撮像光学系の薄型化を達成できなくなる。
以下の条件式(15a)を満足することが望ましく、条件式(15b)を満足することが更に望ましい。
10.0<θREFL2<60.0 …(15a)
20.0<θREFL2<40.0 …(15b)
これらの条件式(15a),(15b)は、上記条件式(15)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
各実施の形態のように、前記入射面がベース光線に対して偏芯していないことが好ましい。物体側からの光線は、光学プリズムに入射する際に入射面で屈折するため、色収差が発生することになる。偏芯した面では、この色収差についても偏芯した倍率色収差が発生するが、反射面では色収差が発生しないため、偏芯した反射面ではそれを補正することができない。そのため、偏芯した倍率色収差はできるだけ発生を小さくする必要がある。したがって、入射面が偏芯しないようにすることは撮像光学系の高性能化のために必要である。
前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、以下の条件式(16)を満足することが望ましい。
0.1<Sfront/Srear<10.0 …(16)
ただし、
Sfront:光学プリズムの入射面から光学絞り面までのベース光線の光学距離、
Srear:光学絞り面から光学プリズムの射出面までのベース光線の光学距離、
である。
条件式(16)は、光学絞りを挟んだ光学距離比に関して好ましい条件範囲を規定している。光学系を高性能にするためには、できるだけ収差補正がされていることが必要である。収差補正の方法の一つとして、光学絞りを挟んでそれより物体側の面で発生する収差と、それより像面側の面で発生する収差と、で打ち消し合う方法が挙げられる。この条件式(16)は、それらの光学距離の比がどの程度であれば、光学プリズムを用いた撮像光学系の高性能化が達成できるかの目安となるものである。条件式(16)の条件範囲を外れると、光学絞りより前の光学距離が長くなりすぎても、光学絞りより後の光学距離が長くなりすぎても、歪曲補正,コマ補正が不足し、高性能化が達成できなくなる。
以下の条件式(16a)を満足することが望ましく、条件式(16b)を満足することが更に望ましい。
0.3<Sfront/Srear<5.0 …(16a)
0.5<Sfront/Srear<3.0 …(16b)
これらの条件式(16a),(16b)は、上記条件式(16)が規定している条件範囲のなかでも、上記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。
光学プリズムの反射面を形成する面には、反射する領域と透過する領域があることが望ましい。プリズム面を作製する場合、その全てを反射面にすると、エッジの部分で迷光が発生するという問題があり、また、光学プリズムを保持するための部分が確保できないという問題もある。反射する領域以外の光を透過させる構成にすれば、有効範囲だけを利用することができ、迷光対策において好ましい。また、その領域でプリズム保持も可能となるが、保持部で光をカット又は吸収する構成にすれば迷光対策になる。
光学プリズムの反射面を形成する面には、反射する領域と吸収する領域があることが望ましい。プリズム面を作製する場合、その全てを反射面にすると、エッジの部分で迷光が発生するという問題があり、また、光学プリズムを保持するための部分が確保できないという問題もある。反射する領域以外の光を吸収させる構成にすれば、有効範囲だけを利用することができ、迷光対策において好ましい。また、吸収される部分でプリズム保持も可能となる。
光学プリズムの反射面を形成する面には、反射する領域と遮光する領域があることが望ましい。プリズム面を作製する場合、その全てを反射面にすると、エッジの部分で迷光が発生するという問題があり、また、光学プリズムを保持するための部分が確保できないという問題もある。反射する領域以外の光を遮光する構成にすれば、有効範囲だけを利用することができ、迷光対策において好ましい。また、遮光される部分でプリズム保持も可能となる。
前記反射する領域には、反射コートを施していることが望ましい。反射する部分に反射コートを施すことにより、光を効率良く反射させることが可能となる。例えば、光学絞りを有する反射面については、光学絞りの有効径内にのみ反射コートを施すのが望ましい。これにより、絞り有効径以外の光をカットすることが可能となり、部品点数を増やすことなく、安価な構成をとることが可能となる。
前記吸収する領域又は遮光する領域が黒染により構成されていることが望ましい。黒染することにより、その領域の面の変形を防止することができる。また、その面を保持部や測定基準面とすれば高精度を保つことができる。
前記吸収する領域又は遮光する領域が粗研削により構成されていることが望ましい。面を粗くして光を散乱させる構成にすれば、有効径内のみの光を反射の対象にすることができる。また、粗研削では領域の変更を簡単に行うことが可能であり、安く加工できるというメリットもある。
前記吸収する領域又は遮光する領域が粗い面に加工されていることが望ましい。面を粗くして光を散乱させる構成にすれば、有効径内のみの光を反射の対象にすることができる。面を研磨又はプレスで作製する場合、研磨での仕上げは行われない。プレスでは金型のその部分を粗くしておけば、安く簡単に吸収領域又は遮光領域を形成することができる。
前記吸収する領域又は遮光する領域が、光を散乱させるピラミッドの微小形状を有することが望ましい。吸収する領域又は遮光する領域に、光を散乱させるピラミッドの微小形状を作製することにより、その部分で光を減衰させることが可能となるため、特に迷光の対策になる。もし、その部分を透過にしておくと、鏡筒等で反射したり乱反射したりした光が迷光の原因となるため、その部分の形状を工夫したり、部品を追加したりする必要が生じる。それに比べれば、光を散乱させるピラミッドの微小形状はプレス等で安く加工できる。
前記吸収する領域又は遮光する領域が、有機溶剤での化学反応により構成されたものであることが望ましい。吸収する領域又は遮光する領域の形成に有機溶剤を用い、化学反応を起こさせてその部分の性質を変えてやることが可能である。その部分に塗布したり、溶剤に浸しておくだけの処理で済むため、一度に大量の生産が可能となる。
前記反射する領域が鏡面状態にされていることが望ましい。光を有効に反射させるためには、反射部分を鏡面状態にするのが好ましい。特に、リップル等の微小な凹凸があると、反射効率が落ちたり迷光が発生したりする原因になるため、鏡面状態にすることが望ましい。
反射面にはアルミ蒸着のコーティングが施されていることが望ましい。アルミ蒸着のコーティングは反射率が高く、安価に加工できるというメリットがある。また、反射面にはアルミ増反射のコーティングが施されていることが望ましい。アルミ増反射のコーティングは、通常のアルミ蒸着コーティングよりも高い反射率が得られるように形成することができる。
さらに、高い反射率を得るには、反射面に誘電体のコーティングが施されていることが望ましい。誘電体のコーティングは反射率が非常に高い。特に複数の反射面が存在する場合には、光量の損失を低く抑える必要があり、その場合には誘電体のコートが有効である。また、反射面には銀蒸着のコーティングが施されていることが望ましい。銀蒸着のコーティングは反射率が非常に高い。特に複数の反射面が存在する場合には、光量の損失を低く抑える必要があり、その場合には銀蒸着のコートが有効である。
光学プリズムの反射面は、アルミ蒸着コーティングを施した面、アルミ増反射コーティングを施した面、誘電体コーティングを施した面、銀蒸着コーティングを施した面、が混在していることが望ましい。1つの光学プリズムに複数の反射面がある場合、反射面の全てにアルミ蒸着コーティングを施せば安価に製作できるが、反射率の低下を招くおそれがある。また、全ての反射面に増反射コーティング,銀蒸着コーティング,誘電体コーティングを施すと、反射率の低下は抑えられるが高価になってしまう。反射率の低下を少なくしながらより安価にするためには、4者をバランスさせるのが好ましい。また、4者のうち、2つ又は3つを選択してもよい。
少なくとも3面の反射面のうちの少なくとも1面の反射率は80%以上であることが望ましい。全系の反射率は、各反射面の反射率の掛け算となる。全体の反射率を上げるためには個々の反射率を高くする必要があるが、それとともに反射率の低い面が1面あれば、全体の反射率の低下は大きくなってしまう。そのため、少なくとも1面の反射率は80%以上であることが必要となる。
光学プリズムの透過面又は反射面のうちの少なくとも1面に、長波長域を吸収するコーティングが施されていることが望ましい。撮像光学系の波長に依存した結像性能に対し、長波長領域の光は有害である。そのため、長波長領域を吸収するコートが施された平行平板が撮像素子の前に配置されたりする。しかしながら、光学プリズムの反射面でそのような長波長領域の光を吸収してしまえば、有害光がなくなる。したがって、長波長領域を吸収する部材は不要となり、コストダウンが可能となる。
光学プリズムはプラスチック材料から成ることが望ましい。プラスチック材料を用いれば光学プリズムを安価に構成することができ、また、プレス加工により大量に作ることも可能である。別の観点から言えば、光学プリズムはガラス材料から成ることが望ましい。光学プリズムをガラス材料で構成する場合、屈折率の高い材料を選択することができるので、その分、薄型化・高性能化に有利である。
なお、各実施の形態の撮像光学系には、入射光線を屈折作用により偏向させる屈折型レンズ面(つまり、異なる屈折率を有する媒質同士の界面で偏向が行われるタイプのレンズ面)が用いられているが、使用可能なレンズ面はこれに限らない。例えば、回折作用により入射光線を偏向させる回折型レンズ面,屈折作用と回折作用との組み合わせで入射光線を偏向させる屈折・回折ハイブリッド型レンズ面等を用いてもよい。
各実施の形態の撮像光学系は、画像入力機能付きデジタル機器(例えばカメラ付き携帯電話)用の薄型撮像光学系としての使用に適しており、これを撮像素子等と組み合わせることにより、被写体の映像を光学的に取り込んで電気的な信号として出力する撮像レンズ装置を構成することができる。撮像レンズ装置は、被写体の静止画撮影や動画撮影に用いられるカメラの主たる構成要素を成す光学装置であり、例えば、物体(被写体)側から順に、物体の光学像を形成する撮像光学系と、撮像光学系により形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、で構成される。
撮像素子としては、例えば複数の画素を有するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の固体撮像素子が用いられ、撮像光学系により形成された光学像は撮像素子により電気的な信号に変換される。撮像素子で生成した信号は、必要に応じて所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が施されて、デジタル映像信号としてメモリー(半導体メモリー,光ディスク等)に記録されたり、場合によってはケーブルを介したり赤外線信号に変換されたりして他の機器に伝送される。なお、撮像光学系と撮像素子との間には、光学フィルター(光学的ローパスフィルター,赤外カットフィルター等)が必要に応じて配置される。
カメラの例としては、デジタルカメラ;ビデオカメラ;監視カメラ;車載カメラ;テレビ電話用カメラ;ドアホーン用カメラ;パーソナルコンピュータ,モバイルコンピュータ,携帯電話,携帯情報端末,これらの周辺機器(マウス,スキャナー,プリンター等),その他のデジタル機器等に内蔵又は外付けされるカメラが挙げられる。これらの例から分かるように、撮像レンズ装置を用いることによりカメラを構成することができるだけでなく、各種機器に撮像レンズ装置を搭載することによりカメラ機能を付加することも可能である。また、カメラ機能を実現する際には、必要に応じた形態で撮像レンズ装置を使用することが可能である。例えば、ユニット化した撮像レンズ装置をカメラボディに対して着脱自在又は回動自在に構成してもよく、ユニット化した撮像レンズ装置を携帯情報機器(携帯電話,PDA等)に対して着脱自在又は回動自在に構成してもよい。
以上の説明から分かるように、上述した各実施の形態や後述する各実施例には以下の構成が含まれている。その構成により、良好な光学性能と低コストで薄型・コンパクトな撮像レンズ装置を実現することができ、カメラ,デジタル機器等への適用により、その高性能化,高機能化,低コスト化及びコンパクト化に寄与することができる。
(U1) 光学像を形成する撮像光学系と、その撮像光学系により形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備えた撮像レンズ装置であって、前記撮像光学系が、物体側からの光線が入射面より入射し、曲面から成る少なくとも3面の反射面で反射された後、射出面より射出する光学プリズムを少なくとも1個有し、前記光学プリズムが屈折率1.2以上の媒質で構成されており、前記少なくとも3面の反射面のうちのいずれかの面又はその近傍に光学絞りが配置されており、前記少なくとも3面の反射面のうちの少なくとも1面が偏芯配置された回転非対称な面であり、物体中心から光学絞り中心を通り像面中心に向かう光線をベース光線とすると、そのベース光線と、前記入射面、全ての前記反射面及び前記射出面と、の交点が1つの略平面上にあることを特徴とする撮像レンズ装置。
(U2) 前記光学プリズムを1個のみ有することを特徴とする上記(U1)記載の撮像レンズ装置。
(U3) 光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面が負のパワーを有することを特徴とする上記(U1)又は(U2)記載の撮像レンズ装置。
(U4) 前記曲面が自由曲面であることを特徴とする上記(U1)〜(U3)のいずれか1項に記載の撮像レンズ装置。
(U5) 光線の物体側からの入射順序で最も像面側の反射面が負のパワーを有することを特徴とする上記(U1)〜(U4)のいずれか1項に記載の撮像レンズ装置。
(U6) 光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面上に前記光学絞りが構成されていることを特徴とする上記(U1)〜(U5)のいずれか1項に記載の撮像レンズ装置。
(U7) 前記条件式(1)〜(16)、及びその条件範囲を狭くした条件式のうちの少なくとも1つを満足することを特徴とする上記(U1)〜(U6)のいずれか1項に記載の撮像レンズ装置。
(C1) 上記(U1)〜(U7)のいずれか1項に記載の撮像レンズ装置を備え、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方に用いられることを特徴とするカメラ。
(C2) デジタルカメラ;ビデオカメラ;又は携帯電話,携帯情報端末,パーソナルコンピュータ,モバイルコンピュータ,若しくはこれらの周辺機器に内蔵又は外付けされるカメラであることを特徴とする上記(C1)記載のカメラ。
(D1) 上記(U1)〜(U7)のいずれか1項に記載の撮像レンズ装置を備えることにより、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方の機能が付加されたことを特徴とするデジタル機器。
(D2) 携帯電話,携帯情報端末,パーソナルコンピュータ,モバイルコンピュータ,又はこれらの周辺機器であることを特徴とする上記(D1)記載のデジタル機器。
以下、本発明を実施した撮像光学系を、コンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1〜3は、前述した第1〜第3の実施の形態にそれぞれ対応する数値実施例であり、第1〜第3の実施の形態を表す光路図(図1〜図3)は、対応する実施例1〜3の光路,光学構成等をそれぞれ示している。
表1〜表9に、実施例1〜3のコンストラクションデータを示す。表1,表4,表7中の基本的な光学構成(i:面番号)において、Si(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の面、ri(i=1,2,3,...)は面Siの曲率半径(単位:mm)、Ni(i=1,2,3,...),νi(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の面Siと(i+1)番目の面Si+1との間の軸上面間隔に位置する光学材料のd線に対する屈折率(Nd),アッベ数(νd)をそれぞれ示している。
実施例1〜3における各面Siの配置は、表2,表5,表8中の面頂点座標と回転角度の各面データでそれぞれ特定される。面データは右手系の直交座標系(X,Y,Z)に基づいて表現されており、その直交座標系(X,Y,Z)では、物面中心と像面中心を通る光線をベース光線とし、ベース光線と第1面S1との交点を原点(0,0,0)とし、Z軸方向をベース光線が物面中心から第1面S1の交点を通る方向とし、その向きを正としている。各光路図(図1〜図3)において、X軸方向は紙面に対して垂直方向であり(紙面の裏面方向を正とし、紙面に向かって反時計回りをX回転の正とする。)、Y軸方向はX軸とZ軸により右手系をなす方向(紙面と平行)である。各面の面頂点位置は面頂点座標(X座標,Y座標,Z座標)で表されており(単位:mm)、その面の面頂点を中心とするX,Y,Zの各方向の軸回り回転角度(X回転,Y回転,Z回転)で面の傾きが表されている(単位:°)。なお、X軸,Y軸の正方向に対して反時計回りがそれぞれX回転,Y回転の回転角度の正方向であり、Z軸の正方向に対して時計回りがZ回転の正方向である。
表1,表4,表7中、*印が付された面Siは自由曲面であり、その面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(FS)で定義される。表3,表6,表9に、各実施例の自由曲面データを示す。ただし、表記の無い項の係数は0であり(すべての自由曲面についてk=0である。)、すべてのデータに関してE−n=×10-nである。
Figure 2006259457
…(FS)
ただし、式(FS)中、
z:高さhの位置でのz軸方向の変位量(面頂点基準)、
h:z軸に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
c:近軸曲率(=1/曲率半径)、
k:円錐係数、
j:係数、
であり、自由曲面項は以下の式(FC)で表される。
Figure 2006259457
…(FC)
表10に、各実施例の全系の焦点距離f(単位:mm),Fナンバー(FNO)をそれぞれ示す。また、光学絞りSTの半径(単位:mm),半画角(単位:°),及び撮像面のサイズ(単位:mm)を示す。半画角と撮像面のサイズにおいて、X方向は水平方向(画面の長辺方向)、Y方向は垂直方向(画面の短辺方向)である。また表11に、各実施例の条件式対応値を示す。
図4〜図9の(A)〜(F)は実施例1〜3の横収差図であり、図4,図6,図8の(A)〜(F)はX方向の横収差、図5,図7,図9の(A)〜(F)はY方向の横収差をそれぞれ示している。また、図4〜図9に示す各横収差図は、各図中のローカルな直交座標系(x,y)で表されている像高(単位:mm)でのd線に対する横収差(単位:mm)を示している。なお、収差図のスケールは、縦軸が−0.050〜0.050、横軸が−1.0〜1.0である。
Figure 2006259457
Figure 2006259457
Figure 2006259457
Figure 2006259457
Figure 2006259457
Figure 2006259457
Figure 2006259457
Figure 2006259457
Figure 2006259457
Figure 2006259457
Figure 2006259457
第1の実施の形態(実施例1)の光路図。 第2の実施の形態(実施例2)の光路図。 第3の実施の形態(実施例3)の光路図。 実施例1のX方向の横収差図。 実施例1のY方向の横収差図。 実施例2のX方向の横収差図。 実施例2のY方向の横収差図。 実施例3のX方向の横収差図。 実施例3のY方向の横収差図。 第1〜第3反射面及びベース光線が成す角度を示す光路図。
符号の説明
PR 光学プリズム
S1 第1面(入射面)
S2 第2面(第1反射面)
S3 第3面(第2反射面)
S4 第4面(第3反射面)
S5 第5面(射出面)
PT 平行平面板
ST 光学絞り
SR 撮像素子

Claims (33)

  1. 撮像素子の受光面上に物体の光学像を形成するための撮像光学系であって、
    物体側からの光線が入射面より入射し、曲面から成る少なくとも3面の反射面で反射された後、射出面より射出する光学プリズムを少なくとも1個有し、前記光学プリズムが屈折率1.2以上の媒質で構成されており、前記少なくとも3面の反射面のうちのいずれかの面又はその近傍に光学絞りが配置されており、前記少なくとも3面の反射面のうちの少なくとも1面が偏芯配置された回転非対称な面であり、物体中心から光学絞り中心を通り像面中心に向かう光線をベース光線とすると、そのベース光線と、前記入射面、全ての前記反射面及び前記射出面と、の交点が1つの略平面上にあることを特徴とする撮像光学系。
  2. 前記光学プリズムを1個のみ有することを特徴とする請求項1記載の撮像光学系。
  3. 以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1又は2記載の撮像光学系;
    0.1<|fREFL1/fall|<30.0 …(1)
    ただし、
    fREFL1:光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面の焦点距離、
    fall:全系の焦点距離、
    である。
  4. 光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面が負のパワーを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  5. 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.1<|fREFL3/fall|<30.0 …(2)
    ただし、
    fREFL3:光線の物体側からの入射順序で最も像面側の反射面の焦点距離、
    fall:全系の焦点距離、
    である。
  6. 光線の物体側からの入射順序で最も像面側の反射面が負のパワーを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  7. 光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面上に前記光学絞りが構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  8. 前記少なくとも3面の反射面のうちのいずれかの面上に前記光学絞りが構成されており、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.1<|fREFL2/fall|<30.0 …(3)
    ただし、
    fREFL2:光学絞りを構成している反射面の焦点距離、
    fall:全系の焦点距離、
    である。
  9. 前記少なくとも3面の反射面のうちのいずれかの面上に前記光学絞りが構成されており、その光学絞りを構成している反射面のパワーが正であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  10. 光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面又はその近傍に前記光学絞りが位置することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  11. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.1<|fREFR1/fall|<30.0 …(4)
    ただし、
    fREFR1:入射面の焦点距離、
    fall:全系の焦点距離、
    である。
  12. 前記入射面が正のパワーを有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  13. 前記曲面が自由曲面であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  14. 光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面を第1反射面とすると、前記第1反射面が負のパワーを有し、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.05<|φREFL1y/φREFL1x|<20.0 …(5)
    ただし、
    φREFL1x:第1反射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
    φREFL1y:第1反射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
    である。
  15. 光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とすると、前記第2反射面が正のパワーを有し、以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.05<|φREFL2y/φREFL2x|<20.0 …(6)
    ただし、
    φREFL2x:第2反射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
    φREFL2y:第2反射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
    である。
  16. 光線の物体側からの入射順序で3番目の反射面を第3反射面とすると、前記第3反射面が負のパワーを有し、以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.05<|φREFL3y/φREFL3x|<20.0 …(7)
    ただし、
    φREFL3x:第3反射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
    φREFL3y:第3反射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
    である。
  17. 前記入射面が正のパワーを有し、以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.05<|φREFR1y/φREFR1x|<20.0 …(8)
    ただし、
    φREFR1x:入射面がベース光線との交点で有する水平方向のパワー、
    φREFR1y:入射面がベース光線との交点で有する垂直方向のパワー、
    である。
  18. 以下の条件式(9)を満足することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.5<NAy(+)/NAy(-)<1.5 …(9)
    ただし、
    NAy(+):像面中心での垂直方向(y方向)の正側のNA、
    NAy(-):像面中心での垂直方向(y方向)の負側のNA、
    である。
  19. 以下の条件式(10)を満足することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.5<NAx/NAy<1.8 …(10)
    ただし、
    NAx:像面中心での水平方向(x方向)の正側と負側の平均のNA、
    NAy:像面中心での垂直方向(y方向)の正側と負側の平均のNA、
    である。
  20. 前記反射面として全反射しない反射面を有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  21. 前記光学プリズムを構成する面として、透過と反射の両機能を持つ面が存在しないことを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  22. 光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とし、光線の物体側からの入射順序で3番目の反射面を第3反射面とすると、前記第2反射面へ入射するベース光線と前記第3反射面から射出するベース光線とが交差することを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  23. 前記ベース光線の交差する角度が以下の条件式(11)を満足することを特徴とする請求項22記載の撮像光学系;
    30<θ<80 …(11)
    ただし、
    θ:ベース光線の交差する角度の小さい方の角度(°)、
    である。
  24. 前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有することを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  25. 光線の物体側からの入射順序で1番目の反射面を第1反射面とし、光線の物体側からの入射順序で3番目の反射面を第3反射面とすると、以下の条件式(12)を満足することを特徴とする請求項24記載の撮像光学系;
    0.1<θ2/θ4<10.0 …(12)
    ただし、
    θ2:ベース光線が第1反射面との交点で法線と成す角度(°)、
    θ4:ベース光線が第3反射面との交点で法線と成す角度(°)、
    である。
  26. 以下の条件式(13)を満足することを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    Tall/fall<2.0 …(13)
    ただし、
    Tall:入射面から撮像素子の受光面までの厚さ、
    fall:全系の焦点距離(水平方向と垂直方向との平均焦点距離)、
    である。
  27. 前記反射面の数が奇数であることを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  28. 前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で最も物体側の反射面を第1反射面とすると、前記第1反射面が負のパワーを有し、以下の条件式(14)を満足することを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    5.0<θREFL1<70.0 …(14)
    ただし、
    θREFL1:第1反射面におけるベース光線の反射角度(°)、
    である。
  29. 前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とすると、前記第2反射面上に前記光学絞りが位置し、前記第2反射面へ入射するベース光線と略平行なベース光線が存在しないことを特徴とする請求項1〜28のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  30. 前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とすると、前記第2反射面上に前記光学絞りが位置し、前記第2反射面から射出するベース光線と略平行なベース光線が存在しないことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  31. 前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、光線の物体側からの入射順序で2番目の反射面を第2反射面とすると、以下の条件式(15)を満足することを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    5.0<θREFL2<70.0 …(15)
    ただし、
    θREFL2:第2反射面におけるベース光線の反射角度(°)、
    である。
  32. 前記入射面がベース光線に対して偏芯していないことを特徴とする請求項1〜31のいずれか1項に記載の撮像光学系。
  33. 前記光学プリズムが前記反射面を3面のみ有し、以下の条件式(16)を満足することを特徴とする請求項1〜32のいずれか1項に記載の撮像光学系;
    0.1<Sfront/Srear<10.0 …(16)
    ただし、
    Sfront:光学プリズムの入射面から光学絞り面までのベース光線の光学距離、
    Srear:光学絞り面から光学プリズムの射出面までのベース光線の光学距離、
    である。
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