JP3816610B2 - プリズム光学系 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリズム光学系に関し、特に、偏心して配置された反射面により構成されたパワーを有するプリズム光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型の反射偏心光学系の周知なものとして、特開昭59−84201号のものは、シリンドリカル反射面による一次元受光レンズの発明であり、2次元の撮像はできない。また、特開昭62−144127号のものは、上記の発明の球面収差を低減するために、同一シリンドリカル面を2回反射に使うものである。
【0003】
また、特開昭62−205547号のものは、反射面の形状として非球面反射を使うことを示しているが、反射面の形状には言及していない。さらに、米国特許第3,810,221号及び米国特許第3,836,931号の2件は、何れもレフレックスカメラのファインダー光学系に回転対称非球面鏡と対称面を1面しか持たない面を持ったレンズ系を用いた例を示している。ただし、対称面を1面しか持たない面は、観察虚像の傾きを補正する目的で利用されている。
【0004】
また、特開平1−257834号(米国特許第5,274,406号)のものは、背面投影型テレビにおいて、像歪みを補正するために、対称面を1面しか持たない面を反射鏡に使用した例を示しているが、スクリーンへの投影には投影レンズ系が使われ、像歪みの補正に対称面を1面しか持たない面が使われている。
【0005】
また、特開平7−333551号には、観察光学系としてアナモルフィック面とトーリック面を使用した裏面鏡タイプの偏心光学系の例が示されている。しかし、像歪みを含め収差の補正が不十分で撮像光学系には使用できない。
【0006】
以上の何れの先行技術も、対称面を1面しか持たない面を使い、折り返し光路に裏面鏡として使用したものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来技術では、光学系を構成する屈折レンズが光軸を軸とした回転対称面で構成された回転対称光学系であった。
【0008】
また、結像された実像の収差が良好に補正され、なおかつ、ディストーションが良好に補正されていないと、結像された図形等が歪んで写ってしまい、正しい形状を記録することができなくなってしまう。さらに、光路が直線になるために、光学系全体が光軸方向に長くなってしまい、撮像装置が大型になってしまう問題があった。
【0009】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、倒立プリズムと接眼光学系の作用を有し、広い画角においても明瞭で歪みの少ない像を与えるプリズム光学系を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のプリズム光学系は、像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするものである。
【0011】
この場合、そのプリズム光学系は、シュミットプリズムと略同一の光路を有するように構成され、2つのプリズムの中1つは光路が略交差するように構成され、かつ、ダハ面を持ち、他の1つは光路が交差しないように構成されているものとすることができる。そして、そのプリズム光学系は、対物レンズ側に光路が略交差しかつダハ面を持つプリズムが配置され、観察者瞳側に光路が交差しないように構成されたプリズムが配置されているものとすることができる。
【0012】
また、本発明のもう1つのプリズム光学系は、像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有し、かつ、その一次結像位置近傍に拡散性のある面が配置されていることを特徴とするものである。
【0013】
以下に、本発明において、上記のような構成をとる理由と作用について説明する。
本発明の主旨である、反射面を回転非対称面で構成することにより、偏心プリズム光学系にパワーを待たせることが可能となる。そこで、少なくとも2つのプリズムにより構成される倒立プリズム光学系に、接眼光学系の作用を追加することにより、倒立プリズムとは別に接眼光学系を配置する必要がなくなり、構造を簡略化することが可能となり、小型の双眼鏡や、地上望遠鏡、カメラのファインダー光学系等を構成することが可能となる。
【0014】
また、上記回転非対称面を対称面が1つのみ存在する面対称自由曲面で構成することも可能であり、また、対象面が存在しないアシンメトリック・ポリノミナル・サーフェス(APS)で構成することも可能である。後者の場合は、面の偏心は3次元となり、1断面内のみの偏心ではなくなることが特徴となる。
【0015】
ここで、面対称自由曲面、APSとは以下の式で定義されるものである。
Figure 0003816610
ただし、Cm (mは2以上の整数)は係数である。
【0016】
上記(a)式で定義される曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはない(APS)が、xの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する面対称自由曲面となる。例えば、上記定義式(a)においては、C4 ,C6 ,C9 ,C11,C13,C15,C18,C20,C22,C24,C26,C28,C31,C33,C35,C37,・・・の各項の係数を0にすることによって可能である。
【0017】
また、yの奇数次項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する面対称自由曲面となる。例えば、上記定義式(a)においては、C3 ,C6 ,C8 ,C10,C13,C15,C17,C19,C21,C24,C26,C28,C30,C32,C34,C36,・・・の各項の係数を0にすることによって可能であり、また、以上のような対称面を持つことにより製作性を向上することが可能となる。
【0018】
上記Y−Z面と平行な対称面、X−Z面と平行な対称面の何れか一方を対称面とすることにより、偏心により発生する回転非対称な収差を効果的に補正することが可能となる。
【0019】
また、上記のような倒立プリズムと接眼光学系の作用を有するプリズム光学系をシュミットプリズムと略同一の光路を有するように構成することにより、偏心プリズム光学系に入射する入射軸上主光線と偏心プリズム光学系から射出する射出軸上主光線を略平行にすることが可能となり、物体の方向と観察方向が略同一となる。これは、物体を直接観察する方向と、光学系を通して観察する方向が一致することになり、違和感がない観察光学系を構成することができる。
【0020】
この場合、シュミットプリズムと同様、2つのプリズムの中1つは光路が略交差するように構成され、かつ、ダハ面を持ち、他の1つは光路が交差しないように構成される。
【0021】
また、本発明のプリズム光学系をシュミットプリズムと略同一の光路を有し接眼光学系を兼ねたものとするとき、対物レンズ側に光路が略交差しダハ面を持ったプリズムを配置し、このプリズムを通して対物光学系により結像される一次像を2つのプリズムの間に結像し、観察者瞳側に光路の交差しないプリズムを配置することにより、プリズム光学系の焦点距離を短くすることが可能となり、観察倍率の高い接眼光学系を構成することが可能となる。
【0022】
また、視野絞りが、プリズム内部ではなく、2つのプリズム間に配置することが可能となり、構造及び製作性が向上する。
さらに好ましくは、観察者瞳側のプリズムで補正不足になる収差、特に円筒状に発生する像面湾曲や、コマ収差を対物側に配置する光路が略交差するプリズムで予め補正することにより、収差補正上良い結果を得ることができる。
【0023】
また、対物光学系から送られてきた像を接眼光学系の作用を持った倒立プリズム光学系内部の一次結像位置近傍に拡散性のある面を配置することにより、対物光学系の入射瞳径によらず、その拡散面で光線が拡散されるため、本発明の接眼光学系を兼ねたプリズム光学系の射出瞳径を大きくすることが可能となり、観察者の瞳が多少ずれてもケラレを発生させない見やすい接眼光学系を構成することが可能となる。
【0024】
また、対物光学系により形成される一次像を2つのプリズムの間に形成することにより、一次像近傍に視野絞りを配置することが可能となり、フレアーの少ない鮮明な観察像を観察することが可能となる。
【0025】
さらに好ましくは、以下に示す数値を満足することによって、収差補正上より好ましい結果を得ることが可能となる。
まず、座標系として、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とする。
【0026】
そして、本発明のプリズム光学系の反射面を、光線が略交差しダハ面を有するプリズムから光路の交差しないプリズムの順に光線が進むとき、この2つのプリズムのダハ面を除く反射面を、光線が当たる順番に1〜4とする。
【0027】
また、反射面の中、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、各反射面の上記軸上主光線が当たる位置でのX方向、Y方向の反射面のパワーをPxn、Pynとする。nは、反射面に軸上主光線が当たる順番の1〜4とする。本発明の場合、正のパワーを持っている反射面のPx、Pyの値を正にする。
【0028】
上記の光路が交差しないプリズムの透過作用を有さない反射面のx方向のパワーをPx3、y方向のパワーをPy3とするとき、
−0.2<Px3<0.2 ・・・(1)
なる条件を満足することが重要となる。
【0029】
この条件は、偏心して配置された第3反射面のパワーを規定するものであり、下限の−0.2を越えて第3反射面のパワーが弱くなると、偏心の角度が比較的小さく、偏心収差の発生が少ない第3反射面の正のパワーが弱くなりすぎ、焦点距離の短い、拡大倍率の高い接眼光学系を構成することが難しくなる。また、上限の0.2を越えると、第3反射面のパワーが強くなりすぎ、偏心収差の発生が大きくなり、他の面で補正することができなくなる。
【0030】
また、y方向のパワーについても、
−0.2<Py3<0.2 ・・・(2)
なる条件を満足することが重要である、上限下限の設定理由については、上記条件式(1)と同様である。
【0031】
さらに好ましくは、
−0.1<Px3<0.1 ・・・(3)
−0.1<Py3<0.1 ・・・(4)
を満足することが好ましい。
【0032】
さらに好ましくは、
−0.04<Px3<0.08 ・・・(5)
−0.01<Py3<0.06 ・・・(6)
を満足することが、アイポイントの大きい接眼光学系を構成する場合に好ましい。
【0033】
また、対物光学系を省略して倒立プリズム光学系に一次結像作用を持たせる本発明の後記の実施例4の場合には、以下の式を満足することが重要である。
【0034】
0<Px3<0.08 ・・・(7)
0<Py3<0.06 ・・・(8)
上記条件式(7)、(8)の上限のそれぞれ0.08、0.06の意味は条件式(5)、(6)と同様であるが、それぞれの下限の0の意味は、光路が交差しないプリズムのみで接眼光学系を構成するために必要となる条件である。この下限0を越えると、接眼光学系として必要なパワーを光路が交差しないプリズム光学系に持たせるためには、第4反射面のパワーが第3反射面に比べて強くなりすぎ、比較的軸上主光線に対して傾きの大きい第4反射面で発生する偏心による回転非対称な収差の発生が大きくなりすぎ、他の面で補正することが困難になる。
【0035】
次に、第4反射面について説明する。第4反射面は透過作用も有する面とすることにより、光路が交差しないプリズムを小型に構成することが可能となり、好ましい。さらに、第4反射面の反射作用を全反射面として構成することにより、透過作用を有する領域と反射作用を有する領域の2つを重ねて構成することが可能となり、プリズム光学系を小型に構成する場合にさらに好ましい。
【0036】
さらに、以下の条件式を満足することにより、収差補正上良い結果が得られる。
−0.2<Px4<0.2 ・・・(9)
−0.2<Py4<0.2 ・・・(10)
それぞれの上限の0.2と下限の−0.2の設定理由については、上記条件式(1)と同じである。
【0037】
さらに好ましくは、
−0.1<Px4<0.1 ・・・(11)
−0.1<Py4<0.1 ・・・(12)
を満足することが好ましい。
【0038】
さらに好ましくは、
−0.1<Px4<0.1 ・・・(13)
0<Py4<0.06 ・・・(14)
を満足することが好ましい。
【0039】
また、対物光学系を省略して倒立プリズム光学系に一次結像作用を持たせる本発明の後記の実施例4の場合には、以下の式を満足することが重要である。
【0040】
−0.1<Px4<0 ・・・(15)
0<Py4<0.06 ・・・(16)
上記条件式(16)は式(14)と同様であるが、条件式(15)の上限は、像面の収差のみではなく、瞳収差を補正するために必要となる。上記条件式(15)の上限の0を越えると、そのプリズムの瞳収差が大きく発生し、倒立プリズム光学系の瞳収差が大きく発生し、射出瞳の形状が大きく変化し、例えば観察者の瞳を射出瞳位置に持ってきても、光線がケラレて観察することができなくなってしまう。
【0041】
次に、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とするとき、前記順番1〜4の反射面の偏心面内(Y−Z面内)のY正方向の最大画角の主光線と、Y負方向の最大画角の主光線とが前記面と当たる部分のX方向の曲率の差をCxnとするとき、
−0.1<Cx3<0.2 ・・・(17)
なる条件を満足することが重要である。
【0042】
この条件は、台形状に発生する像歪みの補正に関し、上記条件式の下限の−0.1を越えると、下辺の短い台形となる。また、上限の0.2を越えると、上辺の短い台形となってしまう。
【0043】
さらに好ましくは、
−0.02<Cx3<0.1 ・・・(18)
なる条件を満足することが重要である。
【0044】
また、同様に、第4反射面についても、
−0.1<Cx4<0.1 ・・・(19)
なる条件を満足することが重要である。この条件は、台形に発生する像歪みに関し、上記条件式の下限の−0.1を越えると、下辺の短い台形となる。また、上限の0.1を越えると、上辺の短い台形となってしまう。
【0045】
さらに好ましくは、
−0.03<Cx4<0.05 ・・・(20)
なる条件を満足することが重要である。
【0046】
次に、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とするとき、反射面のX方向の最大画角主光線が当たる位置での面の法線のY−Z面内でのtanの値と、軸上主光線が前記面に当たる位置での前記面の法線のY−Z面内でのtanの値との差をDYnとするとき(nの意味は上記と同じ)、
−0.1<DY3<0.1 ・・・(21)
なる条件を満足することが重要となる。
【0047】
この条件式は、水平線が山なりになったり、谷なりになる像歪みを小さくするための条件である。図7(a)の斜視図、同図(b)のY−Z面への投影図に示すように、X方向の最大画角の主光線が回転非対称面Aと交差する点におけるその回転非対称面の法線n’のY−Z面内でのtanの値と、軸上主光線がその回転非対称面Aと交差する点における回転非対称面の法線nのY−Z面内でのtanの値との差をDYnとするとき、第3反射面が(21)の条件を満足することが重要である。上記条件式の下限の−0.1を越えると、山なりになり、上限の0.1を越えると谷なりになり、他の面で他の収差とバランス良く補正することが難しくなる。
【0048】
さらに好ましくは、
−0.05<DY3<0.01 ・・・(22)
なる条件を満足することが重要となる。
【0049】
さらに、第4反射面に対しても、
−0.1<DY4<0.1 ・・・(23)
なる条件を満足することが重要となる。
【0050】
さらに好ましくは、
−0.02<DY4<0.01 ・・・(24)
なる条件を満足することが重要となる。
【0051】
また、対物光学系を省略して倒立プリズム光学系に一次結像作用を持たせる本発明の後記の実施例4の場合には、以下の式を満足することが重要である。
0<DY2<0.05 ・・・(25)
この条件式も、式(21)と同様に、山又は谷なりに発生する像歪みに関するものであり、上下限については式(21)と同様である。しかし、対物光学系を省略した実施例4の場合は、対物光学系の作用を持つ光路が略交差しダハ面を持ったプリズムが対物光学系の作用をし、2つのプリズム内に一次像を形成する。他の実施例のように回転対称光学系により一次像を形成する場合は、回転非対称な像歪みは発生しないが、実施例4の場合は光路が略交差する偏心プリズムにより一次像を形成しているため、回転非対称な像歪みが発生する。こらは一次像で大きく発生してしまうと、接眼光学系の作用を持つ光路が交差しないプリズムで補正することが不可能になる。
【0052】
最後に、第3反射面と第4反射面の軸上主光線の当たる位置のパワーの比について説明する。
X方向の第3反射面と第4反射面のパワーの比をPx34、y方向のパワーの比をPy34とするとき、
−2<Px34<2 ・・・(26)
なる条件を満足することが好ましい。この条件は、X方向の接眼光学系の焦点距離とアイポイントの関係に深く関係しおり、下限の−2を越えると、光学系全体のパワーが強くなり、拡大倍率の大きい接眼光学系を構成することが可能となるが、アイポイントが短くなりすぎ、観察し難くなってしまう。また、上限の2を越えると、アイポイントは取れるが、光学系全体のパワーが弱くなりすぎ、高倍の接眼光学系を提供することが難しくなる。
【0053】
同様に、y方向についても、
−1<Py34<3 ・・・(27)
なる条件を満足することが好ましい、下限と上限の設定理由は(26)式と同様である。
【0054】
さらに好ましくは、
−1<Px34<1 ・・・(28)
0<Py34<2 ・・・(29)
なる条件を満足することがより好ましい。
【0055】
以上のように、上記条件式(1)〜(29)を単独又は複数満足することが収差補正上好ましく、全ての条件式を満足するとより好ましい。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のプリズム光学系の実施例を示す。実施例1〜3は双眼鏡用の倒立プリズムに接眼光学系の作用を付加したものである。実施例4は、双眼鏡用の倒立プリズムに対物光学系、接眼光学系の作用を付加したものである。なお、実施例1〜3の対物レンズは、以下の実施例に示した例に限らず、焦点距離の長いものを使用して、所謂高倍率の地上望遠鏡の接眼光学系として本発明のプリズム光学系を利用することができることは言うまでもない。また、対物レンズを変倍光学系で構成し、ズーム光学系にしたり、実像式ファインダーを構成することができる。
【0057】
まず、後述する実施例1〜4の構成パラメータにおいては、面番号は、光線の進行順に従っており、同軸部分については、慣用されているように、その面の曲率半径、その面と次の面の軸上間隔、その面に続く媒質の屈折率、アッベ数を示す。また、偏心部分については、図1に示すように、プリズム光学系3の第1プリズム4の第1面31の面頂を光学系の原点として、光軸2を、物体中心(図では省略)を出て、原点を通る光線で定義し、原点から光軸2に進む方向をZ軸方向、このZ軸に直交し原点を通り、光線が第1プリズム4によって折り曲げられる面内の方向をY軸方向、Z軸、Y軸に直交し原点を通る方向をX軸方向とし、原点から像面に向かう方向をZ軸の正方向、光軸2から第2プリズム5方向をY軸の負方向、そして、これらZ軸、Y軸と右手系を構成する方向をX軸の正方向とする。
【0058】
また、各面の偏心に関しては、面頂の原点からのX軸、Y軸、Z軸方向の偏心量とその面の中心軸のX軸の周りでの回転量がαで与えられている。その場合、正は反時計周りを意味する。
【0059】
また、自由曲面の面の形状は前記の(a)式により定義する。その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。なお、データの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。
【0060】
さて、以下の実施例1〜4のプリズム光学系3はシュミットプリズムに接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有するようにしたものであり、2つのプリズム4、5の中の第1のプリズム4は、透過面と反射面を兼ねる第1面31、反射面と透過面を兼ねる第2面32、反射面の第3面33からなり、第3面33はダハ面であり、第1面31から入射した軸上主光線は、順に、第2面32で全反射され、第2面32で反射され、第1面31で全反射され、第2面32を透過して、第2のプリズム5に入射する。この第1のプリズム4中では、第1面31から第2面32へ最初に到る軸上主光線と、第3面33から第2面32へ到る軸上主光線、あるいは、第1面31から第2面32へ2回目に到る軸上主光線とが交差する。
【0061】
また、第2のプリズム5は、透過面と反射面を兼ねる第1面34、反射面の第2面35、透過面の第3面36からなり、第1面34から入射した軸上主光線は、順に、第2面35で反射され、第1面34で全反射され、第3面36を透過して、射出瞳6に到る。この第2のプリズム5中では、第1面34から第2面35へ到る軸上主光線と、第1面34から第3面36へ到る軸上主光線とは交差しない。
【0062】
なお、後記の実施例1〜4において、第1プリズム4の第1面31、第2面32、第2プリズム5の第1面34、第2面35、第3面36は自由曲面からなる。そして、第1プリズム4の反射面として作用する第2面32、第1面31、第2プリズム5の第2面35、第1面34がそれぞれ前記の第1反射面、第2反射面、第3反射面、第4反射面を構成している。
【0063】
実施例1〜4の光学系のY−Z断面をそれぞれ示す図1〜図4において、1は対物レンズを、2は光軸を、6は光学系の射出瞳を、Eは観察者眼球を示す。
【0064】
実施例1〜3は、図1〜図3に示すように、何れも対物レンズ1と、倒立プリズムと接眼光学系を兼ねるプリズム光学系3とからなり、対物レンズ1は両凸レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズからなり、プリズム光学系3は上記のようなシュミットプリズム形状のものである。
【0065】
実施例4は、図4に示すように、対物光学系と倒立プリズムと接眼光学系を兼ねるプリズム光学系3のみからなり、プリズム光学系3は上記のようなシュミットプリズム形状のものである。
【0066】
実施例1の撮像画角は、水平半画角4.36°、垂直半画角3.27°、入射瞳径は12mmであり、観察画角は、23.4°×19.24°、倍率約5.5倍に相当する。
実施例2の撮像画角は、水平半画角6.10°、垂直半画角4.70°、入射瞳径は12mmであり、観察画角は、23.4°×19.24°、倍率約4倍に相当する。
実施例3の撮像画角は、水平半画角4.36°、垂直半画角3.27°、入射瞳径は12mmであり、観察画角は、24.19°×17.93°、倍率約5.5倍に相当する。
実施例4の撮像画角は、水平半画角6.7°、垂直半画角5.0°、入射瞳径は9mmであり、観察画角は、17.7°×13.3°、倍率約2.6倍に相当する。
なお、何れの実施例においても、観察虚像は1m物体側に虚像として結像する。
【0067】
以下に、上記実施例1〜4の構成パラメータを示す。
Figure 0003816610
Figure 0003816610
【0068】
Figure 0003816610
Figure 0003816610
【0069】
Figure 0003816610
Figure 0003816610
【0070】
Figure 0003816610
Figure 0003816610
【0071】
次に、上記実施例1の横収差図を図5に示す。この横収差図において、括弧内に示された数字は(水平(X方向)画角、垂直(Y方向)画角)を表し、その画角における横収差を示す。また、図6に実施例1の像歪みを表す収差図を示す。
【0072】
また、上記実施例1〜4の条件式(1)〜(29)に関する値を次の表に示す。
Figure 0003816610
【0073】
以上の実施例では、前記定義式(a)の自由曲面で各面を構成したが、あらゆる定義の曲面が使えることは言うまでもない。しかし、どのような定義式を用いようとも、本発明に示されている何れかの条件を満足することにより、また、そのいくつかのものを満足することにより、収差の非常に良く補正されたプリズム光学系を得られることは言うまでもない。なお、偏心を無視した面の定義座標系の中心で規定される面の曲率、面の焦点距離等の従来の無偏心系で使われる条件式は、本発明のように各面が大きく偏心して配置されている場合には、何らの意味も持たない。
【0074】
また、絞り面は実際の絞りを配置することもできるし、プリズム枠又は光線制限手段等により、光線を遮断する構造にすることもできる。
【0075】
双眼鏡の光学系として、図8(a)にシュミットプリズム(ダハプリズム)式、図8(b)にポロプリズム式のものを示すが、以上の説明においては、本発明のプリズム光学系を主として図8(a)の光学系のシュミットプリズムSPの倒立プリズムに接眼光学系Epの作用を持たせることを前提にしていたが、図8(b)の光学系のポロプリズムPPからなる倒立プリズムに接眼光学系Epの作用、さらには、対物光学系Obの作用を持たせて、接眼光学系Epや対物光学系Obの要らない双眼鏡を構成することができる。この場合、本発明によるシュミットプリズムタイプのものを用いると、全長の短い双眼鏡を構成することが可能となる。また、本発明によるポロプリズムタイプのものを用いると、厚さの薄い双眼鏡を構成することができる。
【0076】
また、本発明のプリズム光学系は、双眼鏡に限らず、双眼顕微鏡、単眼鏡、単眼顕微鏡にも応用できることは言うまでもない。さらに、カメラ等のファインダー光学系として利用することにより、小型のカメラを構成することもできる。
【0077】
さらに、本発明のプリズム光学系を組み合わせて利用することもも可能であり、さらにレンズを本発明の光学系の前後又は第1のプリズムと第2のプリズムの間に配置することにより、広画角化したり、Fナンバーを小さくして明るくすることも可能である。さらに、他の光学系との相対位置を変化させることにより、変倍等も行うようにすることができる。
【0078】
以上の本発明のプリズム光学系は、例えば次のように構成することができる。〔1〕 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするプリズム光学系。
【0079】
〔2〕 前記プリズム光学系は、シュミットプリズムと略同一の光路を有するように構成され、2つのプリズムの中1つは光路が略交差するように構成され、かつ、ダハ面を持ち、他の1つは光路が交差しないように構成されていることを特徴とする請求項1記載のプリズム光学系。
【0080】
〔3〕 前記プリズム光学系は、対物レンズ側に光路が略交差しかつダハ面を持つプリズムが配置され、観察者瞳側に光路が交差しないように構成されたプリズムが配置されていることを特徴とする請求項2記載のプリズム光学系。
【0081】
〔4〕 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有し、かつ、その一次結像位置近傍に拡散性のある面が配置されていることを特徴とするプリズム光学系。
【0082】
〔5〕前記回転非対称面が以下の式(a)で定義されたとき、xの奇数次項(xn+1 、ただしnは整数)に係る係数Cm [xn+1 ]が以下の条件(30)を満足する対称面を1つのみ有する曲面形状を有していることを特徴とする前記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載のプリズム光学系。
Figure 0003816610
【0083】
〔6〕前記回転非対称面が以下の式(a)で定義されたとき、xの奇数次項(xn+1 、ただしnは整数)に係る係数Cm [xn+1 ]が以下の条件(31)を満足する略対称となる対称面を1つのみ有する曲面形状を有していることを特徴とする前記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載のプリズム光学系。
Figure 0003816610
【0084】
上記〔6〕の作用の説明:本来対称面を1つのみ有する回転非対称面の形状は、Cm [xn+1 ]=0である。しかし、それを実際にガラスやプラスチック等を用いて製造する場合に、製造誤差が生じ、必ずしもCm [xn+1 ]=0を満足するようには製造できない場合がある。そこで、作用的に見てCm [xn+1 ]=0と近似できる条件(31)の範囲内の誤差は許容できるものとして、生産性の向上を図ることができる。
【0085】
〔7〕前記回転非対称面が以下の式(a)で定義されたとき、xの奇数次項(xn+1 、ただしnは整数)に係る係数Cm [xn+1 ]が以下の条件(32−1)と(32−2)を満足する対称となる面を1つも含まないアシンメトリック・ポリノミナル・サーフェス(APS)形状を有していることを特徴とする前記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載のプリズム光学系。
Figure 0003816610
【0086】
〔8〕 物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記光路が交差しなプリズム中の透過作用を有しない反射面のX方向のパワーをPx3とするとき、以下の条件(1)を満足する前記〔2〕又は〔3〕記載のプリズム光学系。
Figure 0003816610
【0087】
〔9〕 物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記光路が交差しなプリズム中の透過作用を有しない反射面のY方向のパワーをPy3とするとき、以下の条件(2)を満足する前記〔2〕又は〔3〕記載のプリズム光学系。
Figure 0003816610
【0088】
〔10〕 前記プリズム光学系が少なくとも4つの反射作用面を有することを特徴とする前記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載のプリズム光学系。
【0089】
〔11〕 前記プリズム光学系中、物体側から4番目の反射作用面(第4反射面)が反射作用と透過作用の双方を有することを特徴とする前記〔10〕記載のプリズム光学系。
【0090】
〔12〕 前記プリズム光学系中、第4反射面が全反射面にて構成されていることを特徴とする前記〔10〕記載のプリズム光学系。
【0091】
〔13〕 物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記第4反射面のX方向のパワーをPx4とするとき、以下の条件(9)を満足する前記〔11〕又は〔12〕記載のプリズム光学系。
Figure 0003816610
【0092】
〔14〕 物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記第4反射面のY方向のパワーをPy4とするとき、以下の条件(10)を満足する前記〔11〕又は〔12〕記載のプリズム光学系。
Figure 0003816610
【0093】
〔15〕 前記プリズム光学系が3つの反射作用面を有することを特徴とする前記〔1〕から〔4〕の何れか1項記載のプリズム光学系。
【0094】
〔16〕 物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記プリズム光学系中、物体側から3番目の反射作用面(第3反射面)が偏心配置され、かつ、前記第3反射面のY−Z面内におけるY軸正方向の最大画角の主光線と、Y軸負方向の最大画角の主光線とが前記面と当たる部分のX方向の曲率の差をCx3とするとき、以下の条件(17)を満足する前記〔15〕記載のプリズム光学系。
Figure 0003816610
【0095】
〔17〕 物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記プリズム光学系中、物体側から4番目の反射作用面(第4反射面)が偏心配置され、かつ、前記第4反射面のY−Z面内におけるY軸正方向の最大画角の主光線と、Y軸負方向の最大画角の主光線とが前記面と当たる部分のX方向の曲率の差をCx4とするとき、以下の条件(19)を満足する前記〔10〕記載のプリズム光学系。

【0096】
Figure 0003816610
【0097】
〔18〕 物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記プリズム光学系中、物体側から3番目の反射作用面(第3反射面)のX方向の最大画角主光線が当たる位置での面の法線のY−Z面内でのtanの値と、軸上主光線が前記面に当たる位置での前記面の法線のY−Z面内でのtanの値との差をDY3とするとき、以下の条件(21)を満足する前記〔15〕記載のプリズム光学系。
Figure 0003816610
【0098】
〔19〕 物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記プリズム光学系中、物体側から4番目の反射作用面(第4反射面)のX方向の最大画角主光線が当たる位置での面の法線のY−Z面内でのtanの値と、軸上主光線が前記面に当たる位置での前記面の法線のY−Z面内でのtanの値との差をDY4とするとき、以下の条件(23)を満足する前記〔10〕記載のプリズム光学系。
Figure 0003816610
【0099】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、倒立プリズムと接眼光学系の作用を有し、広い画角においても明瞭で歪みの少ない像を与えるプリズム光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のプリズム光学系の断面図である。
【図2】本発明の実施例2のプリズム光学系の断面図である。
【図3】本発明の実施例3のプリズム光学系の平面図である。
【図4】本発明の実施例4のプリズム光学系の平面図である。
【図5】本発明の実施例1のプリズム光学系の横収差図である。
【図6】本発明の実施例1のプリズム光学系の像歪みを表す収差図である。
【図7】本発明において用いるパラメータDYを説明するための図である。
【図8】本発明が適用できる双眼鏡の光学系を示す図である。
【符号の説明】
A …回転非対称面
E …観察者眼球
SP…シュミットプリズム
PP…ポロプリズム
Ep…接眼光学系
Ob…対物光学系
1…対物レンズ
2…光軸
3…プリズム光学系
4…第1プリズム
5…第2プリズム
6…光学系の射出瞳
31…第1プリズムの第1面
32…第1プリズムの第2面
33…第1プリズムの第3面(ダハ面)
34…第2プリズムの第1面
35…第2プリズムの第2面
36…第2プリズムの第3面

Claims (16)

  1. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記回転非対称面が以下の式(a)で定義されたとき、xの奇数次項(x n+1 、ただしnは整数)に係る係数C m [x n+1 ]が以下の条件(30)を満足する曲面形状を有しており、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするプリズム光学系。
    Z=C2
    +C3 y+C4
    +C5 2 +C6 yx+C7 2
    +C8 3 +C9 2 x+C10yx2 +C113
    +C124 +C133 x+C142 2 +C15yx3 +C164
    +C175 +C184 x+C193 2 +C202 3 +C21yx4 +C225
    +C236 +C245 x+C254 2 +C263 3 +C272 4
    +C28yx5 +C296 +C307 +C316 x+C325 2
    +C334 3 +C343 4 +C352 5 +C36yx6 +C377
    ・・・・・
    ・・・(a)
    ただし、Cm (mは2以上の整数)は係数である。
    m [xn+1 ]=0 ・・・(30)
  2. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記回転非対称面が以下の式(a)で定義されたとき、xの奇数次項(x n+1 、ただしnは整数)に係る係数C m [x n+1 ]が以下の条件(30)を満足する曲面形状を有しており、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有し、かつ、その一次結像位置近傍に拡散性のある面が配置されていることを特徴とするプリズム光学系。
    Z=C2
    +C3 y+C4
    +C5 2 +C6 yx+C7 2
    +C8 3 +C9 2 x+C10yx2 +C113
    +C124 +C133 x+C142 2 +C15yx3 +C164
    +C175 +C184 x+C193 2 +C202 3 +C21yx4 +C225
    +C236 +C245 x+C254 2 +C263 3 +C272 4
    +C28yx5 +C296 +C307 +C316 x+C325 2
    +C334 3 +C343 4 +C352 5 +C36yx6 +C377
    ・・・・・
    ・・・(a)
    ただし、Cm (mは2以上の整数)は係数である。
    m [xn+1 ]=0 ・・・(30)
  3. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記回転非対称面が以下の式(a)で定義されたとき、xの奇数次項(x n+1 、ただしnは整数)に係る係数C m [x n+1 ]が以下の条件(31)を満足する曲面形状を有しており、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするプリズム光学系。
    Z=C2
    +C3 y+C4
    +C5 2 +C6 yx+C7 2
    +C8 3 +C9 2 x+C10yx2 +C113
    +C124 +C133 x+C142 2 +C15yx3 +C164
    +C175 +C184 x+C193 2 +C202 3 +C21yx4 +C225
    +C236 +C245 x+C254 2 +C263 3 +C272 4
    +C28yx5 +C296 +C307 +C316 x+C325 2
    +C334 3 +C343 4 +C352 5 +C36yx6 +C377
    ・・・・・
    ・・・(a)
    ただし、Cm (mは2以上の整数)は係数である。
    −5.0×10-4<Cm [xn+1 ]<5.0×10-4 ・・・(31)
  4. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記回転非対称面が以下の式(a)で定義されたとき、xの奇数次項(x n+1 、ただしnは整数)に係る係数C m [x n+1 ]が以下の条件(31)を満足する曲面形状を有しており、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有し、かつ、その一次結像位置近傍に拡散性のある面が配置されていることを特徴とするプリズム光学系。
    Z=C2
    +C3 y+C4
    +C5 2 +C6 yx+C7 2
    +C8 3 +C9 2 x+C10yx2 +C113
    +C124 +C133 x+C142 2 +C15yx3 +C164
    +C175 +C184 x+C193 2 +C202 3 +C21yx4 +C225
    +C236 +C245 x+C254 2 +C263 3 +C272 4
    +C28yx5 +C296 +C307 +C316 x+C325 2
    +C334 3 +C343 4 +C352 5 +C36yx6 +C377
    ・・・・・
    ・・・(a)
    ただし、Cm (mは2以上の整数)は係数である。
    −5.0×10-4<Cm [xn+1 ]<5.0×10-4 ・・・(31)
  5. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記回転非対称面が以下の式(a)で定義されたとき、xの奇数次項(x n+1 、ただしnは整数)に係る係数C m [x n+1 ]が以下の条件(32−1)と(32−2)を満足するアシンメトリック・ポリノミナル・サーフェス形状を有しており、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするプリズム光学系。
    Z=C2
    +C3 y+C4
    +C5 2 +C6 yx+C7 2
    +C8 3 +C9 2 x+C10yx2 +C113
    +C124 +C133 x+C142 2 +C15yx3 +C164
    +C175 +C184 x+C193 2 +C202 3 +C21yx4 +C225
    +C236 +C245 x+C254 2 +C263 3 +C272 4
    +C28yx5 +C296 +C307 +C316 x+C325 2
    +C334 3 +C343 4 +C352 5 +C36yx6 +C377
    ・・・・・
    ・・・(a)
    ただし、Cm (mは2以上の整数)は係数である。
    −1.0×1010<Cm [xn+1 ]<1.0×1010 ・・・(32-1)
    かつ、
    m [xn+1 ]≠0 ・・・(32-2)
  6. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記回転非対称面が以下の式(a)で定義されたとき、xの奇数次項(x n+1 、ただしnは整数)に係る係数C m [x n+1 ]が以下の条件(32−1)と(32−2)を満足するアシンメトリック・ポリノミナル・サーフェス形状を有しており、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有し、かつ、その一次結像位置近傍に拡散性のある面が配置されていることを特徴とするプリズム光学系。
    Z=C2
    +C3 y+C4
    +C5 2 +C6 yx+C7 2
    +C8 3 +C9 2 x+C10yx2 +C113
    +C124 +C133 x+C142 2 +C15yx3 +C164
    +C175 +C184 x+C193 2 +C202 3 +C21yx4 +C225
    +C236 +C245 x+C254 2 +C263 3 +C272 4
    +C28yx5 +C296 +C307 +C316 x+C325 2
    +C334 3 +C343 4 +C352 5 +C36yx6 +C377
    ・・・・・
    ・・・(a)
    ただし、Cm (mは2以上の整数)は係数である。
    −1.0×1010<Cm [xn+1 ]<1.0×1010 ・・・(32-1)
    かつ、
    m [xn+1 ]≠0 ・・・(32-2)
  7. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記プリズム光学系は、シュミットプリズムと略同一の光路を有するように構成され、2つのプリズムの中1つは光路が略交差するように構成され、かつ、ダハ面を持ち、他の1つは光路が交差しないように構成されており、物体中心を射出し絞り中心 を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記光路が交差しないプリズム中の透過作用を有しない反射面のX方向のパワーをPx3とするとき、以下の条件(1)を満足し、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするプリズム光学系。
    −0.2<Px3<0.2 ・・・(1)
  8. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記プリズム光学系は、シュミットプリズムと略同一の光路を有するように構成され、2つのプリズムの中1つは光路が略交差するように構成され、かつ、ダハ面を持ち、他の1つは光路が交差しないように構成されており、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記光路が交差しないプリズム中の透過作用を有しない反射面のY方向のパワーをPy3とするとき、以下の条件(2)を満足し、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするプリズム光学系。
    −0.2<Py3<0.2 ・・・(2)
  9. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記プリズム光学系が少なくとも4つの反射作用面を有し、前記プリズム光学系中、物体側から4番目の反射作用面が反射作用と透過作用の双方を有し、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記第4反射面のX方向のパワーをPx4とするとき、以下の条件(9)を満足し、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするプリズム光学系。
    −0.2<Px4<0.2 ・・・(9)
  10. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記プリズム光学系が少なくとも4つの反射作用面を有し、前記プリズム光学系中、第4反射面が全反射面にて構成されており、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記第4反射面のX方向のパワーをPx4とするとき、以下の条件(9)を満足し、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするプリズム光学系。
    −0.2<Px4<0.2 ・・・(9)
  11. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記プリズム光学系が少なくとも4つの反射作用面を有し、前記プリズム光学系中、物体側から4番目の反射作用面が反射作用と透過作用の双方を有し、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記第4反射面のX方向のパワーをPx4とするとき、以下の条件(9)を満足し、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有し、かつ、その一次結像位置近傍に拡散性のある面が配置されていることを特徴とするプリズム光学系。
    −0.2<Px4<0.2 ・・・(9)
  12. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記プリズム光学系が少なくとも4つの反射作用面を有し、前記プリズム光学系中、第4反射面が全反射面にて構成されており、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記第4反射面のX方向のパワーをPx4とするとき、以下の条件(9)を満足し、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有し、かつ、その一次結像位置近傍に拡散性のある面が配置されていることを特徴とするプリズム光学系。
    −0.2<Px4<0.2 ・・・(9)
  13. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記プリズム光学系が少なくとも4つの反射作用面を有し、前記プリズム光学系中、物体側から4番目の反射作用面が反射作用と透過作用の双方を有し、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記第4反射面のY方向のパワーをPy4とするとき、以下の条件(10)を満足し、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするプリズム光学系。
    −0.2<Py4<0.2 ・・・(10)
  14. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記プリズム光学系が少なくとも4つの反射作用面を有し、前記プリズム光学系中、第4反射面が全反射面にて構成されており、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記第4反射面のY方向のパワーをPy4とするとき、以下の条件(10)を満足し、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有することを特徴とするプリズム光学系。
    −0.2<Py4<0.2 ・・・(10)
  15. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記プリズム光学系が少なくとも4つの反射作用面を有し、前記プリズム光学系中、物体側から4番目の反射作用面が反射作用と透過作用の双方を有し、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記第4反射面のY方向のパワーをPy4とするとき、以下の条件(10)を満足し、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有し、かつ、その一次結像位置近傍に拡散性のある面が配置されていることを特徴とするプリズム光学系。
    −0.2<Py4<0.2 ・・・(10)
  16. 像を倒立させるプリズム光学系において、前記倒立プリズム光学系は、少なくとも2つのプリズムにより構成され、前記プリズムの少なくとも1つは、そのプリズムを構成する曲面が、その面内及び面外共に回転対称軸を有さない回転非対称面形状の面を少なくとも2面有し、かつ、その2つの面中少なくとも1つは反射作用を持つ反射面として作用し、偏心により発生する回転非対称な収差を前記回転非対称面形状で補正するものであり、前記プリズム光学系が少なくとも4つの反射作用面を有し、前記プリズム光学系中、第4反射面が全反射面にて構成されており、物体中心を射出し絞り中心を通り射出瞳中心に到達する光線を軸上主光線とし、面の偏心面内をY軸方向、これと直交する方向をX軸方向、X軸、Y軸と直交座標系を構成する軸をZ軸とし、前記第4反射面のY方向のパワーをPy4とするとき、以下の条件(10)を満足し、前記倒立プリズム光学系は、接眼光学系として作用するように有限の焦点距離を有し、かつ、その一次結像位置近傍に拡散性のある面が配置されていることを特徴とするプリズム光学系。
    −0.2<Py4<0.2 ・・・(10)
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