JP3868873B2 - 着脱機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動部を有する機器に対して交換部材を着脱自在に取り付けるための着脱機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ロボットのマニピュレータ等の可動部を有する機器においては、マニピュレータのハンド等のように交換して着脱される交換部材が取り付けられる。この場合、機器に対して交換部材を着脱自在に取り付けるための着脱機構が必要となる。このような着脱機構においては、着脱作業にあまり時間がかからず簡単に着脱できることが作業能率向上の観点から要求される。そのため、自動化されているマニピュレータ等の機器の動作と同様に、交換部材の着脱動作も自動化されて省力化・効率化等の目的が達成されることが求められる。しかし、マニピュレータのハンド等の交換部材自体の作動用動力が必要でないような場合、別途着脱動作用の動力源を設ける必要があり、機構も複雑となる。したがって、着脱動作用の新たな動力源を不要にするためには、マニピュレータ等の機器の動作だけで着脱できることが必要となる。また、簡単に着脱できるとともに低コスト化を図る観点からも、簡易な構造で着脱機構が実現されることが望まれる。
【0003】
機器の動作だけで交換部材の着脱を行うものとしては、下記特許文献1に記載されたものが知られている。これは、回動自在に基端部が枢着された係止片を板バネにより付勢して機器側の係止溝内に係入することで交換部材を機器に装着するものである。しかしながら、バネ力により係止して保持しているため、例えば、交換部材が高速で回転するような高速動作条件等の場合、安定して交換部材の装着状態を維持することが困難である。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−24975号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、可動部を有する機器に対して交換部材を着脱自在に取り付けるための着脱機構を提供するに際し、簡易な構造であるとともに、機器の動作だけで着脱可能であり、安定して装着状態を維持できる着脱機構を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために第1の発明の着脱機構は、可動部を有する機器に対して交換部材を着脱自在に取り付けるための着脱機構であって、前記機器側に設けられる装着用要素と、前記装着用要素に対して着脱自在に取り付けられる前記交換部材側に設けられる被装着要素と、前記交換部材を取り出し自在に保持する保持器と、を備え、前記装着用要素は、筒状体と、前記筒状体の内部側に向かって突出自在に支持される係止片と、前記筒状体の外周と摺接して往復動自在に支持されて前記筒状体に対して相対移動を行うとともに外周にフランジ部が設けられたスリーブと、を有し、前記被装着要素は、フランジ部と、前記筒状体に嵌入自在な端部と、前記端部に設けられ、前記係止片が前記筒状体の内部側に突出した際に前記係止片と係合可能な凹部と、を有し、前記保持器は、前記被装着要素のフランジ部と係止可能で前記交換部材を保持する溝部と、前記スリーブのフランジ部と当接して前記スリーブの相対移動を規制可能な規制部と、を有し、前記スリーブのフランジ部と前記規制部とが当接した状態で、前記装着用要素が略一方向に移動するように前記機器を動作させることで、前記スリーブのフランジ部と前記被装着要素のフランジ部との距離を接近又は離間させるとともに、前記スリーブの内周によって前記係止片の移動を規制しながら前記係止片を前記筒状体の内部側に突出させ又は外部側に退避させ、前記交換部材を前記装着用要素に対して装着又は脱抜することを特長とする。
【0007】
この構成によると、装着用要素には筒状体と係止片とスリーブとを設け、筒状体に嵌入される被装着要素の端部には凹部を設け、保持器には溝部と規制部とを設けるという簡易な構成で着脱機構を実現できる。そして、スリーブのフランジ部と規制部とが当接した状態で、装着用要素を略一方向に移動するように機器を動作させるだけで、スリーブが相対移動して係止片と被装着要素の凹部とが係合され又は係合解除され、交換部材が装着用要素に対して装着又は脱抜できる。即ち、機器の簡単な動作だけで交換部材の着脱が可能となる。また、スリーブのフランジ部と被装着要素のフランジ部とが接近した装着状態では、係止片が筒状体の内部側に突出して被装着要素の凹部と係合した状態のままでスリーブの内周によって係止片の移動が規制されている。このため、交換部材が高速で回転されるような高速動作条件等の場合であっても、係止片が凹部と係合したままの状態が保たれ、安定して装着状態を維持することができる。したがって、本発明の構成によると、可動部を有する機器に対して交換部材を着脱自在に取り付けるための着脱機構を提供するに際し、簡易な構造であるとともに、機器の動作だけで着脱可能であり、安定して装着状態を維持できる着脱機構を提供することができる。
【0008】
第2の発明の着脱機構は、第1の発明において、前記保持器の規制部はスロープ状に形成され、前記スリーブのフランジ部と前記規制部のスロープ面とが当接した状態で、前記装着用要素を略水平に移動するように前記機器を動作させることで、前記スリーブのフランジ部が前記スロープ面に沿って移動し、前記スリーブのフランジ部と前記被装着要素のフランジ部との距離を接近又は離間することを特徴とする。
【0009】
この構成によると、規制部がスロープ状に形成され、機器を略水平方向に動作させるだけで、スリーブのフランジ部がスロープ面に沿って移動してスリーブの相対移動が行われる。即ち、スロープ状の規制部を設けるという簡易な構造により、機器の簡単な動作だけでスリーブを相対移動させる構造を容易に実現できる。
【0010】
第3の発明の着脱機構は、第1又は第2の発明において、前記筒状体と前記スリーブとの間にはバネ部材が介装され、このバネ部材の弾性回復力により前記スリーブのフランジ部が前記スロープ面に沿って移動することを特徴とする。
【0011】
この構成によると、筒状体とスリーブとの間にバネ部材を介装するという簡易な構造によって、スリーブのフランジ部がスロープ面に沿うようにスリーブを相対移動させる構造を容易に実現できる。
【0012】
第4の発明の着脱機構は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記保持器は、平面視で略コの字型に設けられ、前記交換部材はコの字型のスリット部分に沿って移動可能であり、このスリット方向に沿って前記溝部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によると、被装着要素のフランジ部と係止可能で交換部材を保持する溝部がスリット方向に設けられているため、被装着要素の端部が筒状体に嵌入された状態でスリット方向に装着用要素を移動させても、交換部材が保持器に保持された状態のままに保たれる。そして、規制部をスリット方向に設けることによって、装着用要素をスリット方向に移動させた際に、被装着要素のフランジ部が溝部と係止した状態のままでスリーブのフランジ部と被装着要素のフランジ部との距離を接近又は離間させることができる。即ち、略コの字型に設けることによって、簡易な構造の保持器を実現できる。
【0014】
第5の発明の着脱機構は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、前記規制部は、前記交換部材の前記端部とは反対側のツール部が貫通可能な開口部分を有し、前記溝部は前記開口部分の下方に設けられ、前記被装着要素のフランジ部の外形が前記開口部分を通過可能な大きさに形成されるとともに、前記スリーブのフランジ部の外形が前記開口部分の縁と当接する大きさに形成されていることを特徴とする。
【0015】
この構成によると、装着用要素に交換部材が装着された状態で、開口部分に向かって下向きに略真っ直ぐに装着用要素が移動するように機器を動作させると、まずツール部と被装着要素のフランジ部とが開口部分を通過し、次いでスリーブのフランジ部が開口部分の縁と当接する。スリーブのフランジ部と規制部とが当接した状態で、さらに機器を動作させて装着用要素を真っ直ぐ下方に移動することで、スリーブの相対移動が行われることになる。そして、スリーブのフランジ部と被装着要素のフランジ部との距離が離間し、係止片と被装着要素の凹部との係合が解除されると、交換部材は自重により落下し、開口部分の下方に設けられた溝部と被装着要素のフランジ部とが係止することになり、交換部材の脱抜が完了する。したがって、被装着要素のフランジ部、開口部分、スリーブのフランジ部のそれぞれの相対的な大きさを調整することにより、装着用要素を保持器に押し付けるだけで交換部材を容易に短時間で脱抜できる簡易な構造が実現できる。
【0016】
第6の発明の着脱機構は、第5の発明において、前記溝部には、前記被装着要素のフランジ部の上下面ともに一部重なるように係止可能な係止凹部が、連続して形成されていることを特徴とする。
【0017】
この構成によると、スリーブの相対移動完了後に、係止凹部が形成されている方向に、端部が筒状体に嵌入された状態の交換部材とともに装着用要素を少し移動させることで、被装着要素のフランジ部が係止凹部に引っ掛かるように係止される。このため、係止片と被装着要素の凹部との係合解除後の交換部材の上方への移動が阻止され、交換部材を確実に脱抜することができる。
【0018】
第7の発明の着脱機構は、第1〜第6の発明のいずれかにおいて、ボール状に形成された前記係止片が、前記筒状体に穿設された孔部に支持されているボールジョイントにより前記装着用要素と前記被装着要素との着脱が行われることを特徴とする。
【0019】
この構成によると、筒状体に支持される係止片の移動をスリーブの内周によって規制しながら筒状体の内部側に突出させ又は外部側に退避させる構造を、ボール状係止片が筒状体に穿設された孔部に支持されたボールジョイントによって簡易な構造で実現できる。
【0020】
第8の発明の着脱機構は、第1〜第7の発明のいずれかにおいて、前記機器はロボットのマニピュレータであり、前記交換部材は着脱自在に取り付けられる前記マニピュレータのハンドであることを特徴とする。
【0021】
この構成によると、ロボットのマニピュレータに対してハンドを着脱自在に取り付けるための着脱機構を提供するに際し、簡易な構造であるとともに、ロボットのマニピュレータの動作だけで着脱可能であり、安定して装着状態を維持できる着脱機構を提供することができる。
【0022】
第9の発明の着脱機構は、第1〜第7の発明のいずれかにおいて、前記機器はロボットのマニピュレータであり、前記交換部材は前記マニピュレータの先端側に着脱自在に取り付けられる摩擦攪拌接合用のチップであることを特徴とする。
【0023】
この構成によると、高速でチップを回転することで摩擦攪拌接合を行う溶接ロボットであっても、安定してチップの装着状態を維持できるとともに、簡易な構造の着脱機構を提供することができる。そして、チップが取り付けられた装着用要素は回転するものの、エアーや溶接電源等のようなチップ自体の作動用動力が必要でない摩擦攪拌接合の場合であっても、別途チップ着脱動作用の動力源を設ける必要も無く、マニピュレータの動作だけで着脱できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1及び第2実施形態を実施例に基づいて図面を参照しながら説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る着脱機構1をロボット101に適用した場合を例示したものである。ロボット101は、マニピュレータ102を有しており、マニピュレータ102には、フレーム104に並設される保持器13(図示では3台)にそれぞれ保持された交換部材103が交換して着脱される。即ち、本実施形態に係る着脱機構1は、可動部を有する機器であるマニピュレータ102に対して交換部材103を着脱自在に取り付けるためのものである。そして、この着脱機構1は、機器102側に設けられる装着用要素11と、装着用要素11に対して着脱自在に取り付けられる交換部材103側に設けられる被装着要素12と、交換部材103を取り出し自在に保持する保持器13とを備えている。
【0026】
図1において、マニピュレータ102は、所定の作業を開始する際に、所定の保持器13に保持された所定の交換部材103を選択して装着する。そして、その作業が終了して次の作業に移る場合、装着している交換部材103を脱抜して(取り外して)もとの保持器13へと戻し、次の作業用の交換部材103を装着する。マニピュレータ102への交換部材103の着脱は、マニピュレータ102側の装着用要素11と交換部材103側の被装着要素12との着脱により行われる。そして、この着脱に際しては、後述するように、保持器13に対して装着用要素11が略一方向(略水平方向)に移動するようにマニピュレータ102を動作させることで行われる。
【0027】
図2〜4は、着脱機構1の各構成要素を説明する図である。図2は、3台の保持器13に交換部材103がそれぞれ保持されている様子を示す斜視図である。図3は、着脱動作中における装着用要素11、交換部材103(被装着要素12)、保持器13のみを取り出して示した斜視図である。図4は、装着用要素11、交換部材103(被装着要素12)、保持器13を示す断面図(交換部材103以外)であって、平面視で略コの字型に設けられる保持器13のスリット部分に沿った方向の断面で示している。図4(a)は、装着開始時又は脱抜終了時を、図4(b)は、着脱動作中(図4(b))をそれぞれ示す図である。
【0028】
なお、図2〜4に示す着脱機構1においては、交換部材103が摩擦攪拌接合用のチップである場合を例示している。この摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding)の説明図を図10に示す。図10は、母材105、105の端面同士を摩擦攪拌接合により溶接する場合を示している。即ち、突き合わされた母材端面の上側の母材表面にチップ103の先端が当接した状態で、チップ103を高速で回転させながら接合端面に沿って移動させ、摩擦熱により接合端面近傍の内部組織を流動化させて攪拌し、冷却後一体化するものである。この摩擦攪拌接合の場合、チップ103が取り付けられた装着用要素11は回転するものの、エアーや溶接電源等のようなチップ103自体の作動用動力が必要でない。したがって、後述のように、別途チップ着脱動作用の動力源を設ける必要が無くマニピュレータ102の動作だけで着脱できる着脱機構1が特に有効となる。
【0029】
まず、装着用要素11は、図1、3、4に示すように、マニピュレータ102における装着部として設けられ、筒状体14と、係止片15と、スリーブ16とを有している。筒状体14は、マニピュレータ102の先端側に回転自在に取り付けられている。筒状体14が回転することで、装着されたチップ103が回転される。
【0030】
係止片15は、ボール状に形成されており、筒状体14の周方向に複数配置されている。この各係止片15は、筒状体14に穿設された複数の孔部22にそれぞれ支持されており、筒状体14の内部側に向かって突出自在に支持されている。即ち、ボール状係止片15が筒状体14の内部側に突出することで後述の被装着要素12の凹部25と係合し、筒状体14の外部側に退避することで係合が解除されるボールジョイントにより、装着用要素11と被装着要素12との着脱が行われるようになっている(図4参照)。
【0031】
スリーブ16は、円筒状に形成され、一端側(被装着要素12側)の外周にフランジ部17が設けられている。そして、スリーブ16の内周と筒状体14の外周とが摺接して往復動自在に支持されており、スリーブ16は、筒状体14に対して相対移動を行えるようになっている。図4(a)におけるスリーブ16の近傍の要部断面図を図5に示す。スリーブ16の内周側と筒状体14の外周側には、それぞれ段部18と段部19とが設けられており、これらの段部18、19は対向して配置されている。そして、段部18、19の上方及び下方にて、それぞれスリーブ16の内周と筒状体14の外周とが摺接している。また、段部18、19間には、バネ部材20(スプリング20)が配設されている(即ち、筒状体14とスリーブ16との間には、バネ部材20が介装されている)。このバネ部材20の弾性回復力により、筒状体14の外周に摺動自在に支持されるスリーブ16が筒状体14に対して付勢されるようになっている。なお、スリーブ16のフランジ部17には、傾斜して形成される当接面17aが設けられており、この当接面17aにて後述する保持器13の規制部26と当接可能に設けられている。
【0032】
また、スリーブ16の端部(図5中の下端側)には、スプール16の内周に沿うくぼみ部21が形成されており、係止片15が筒状体14の外部側に退避している状態では、係止片15は、このくぼみ部21と筒状体14の孔部22との間に支持されている。なお、孔部22は、筒状体14の内部側に向かって径が狭まって形成されており、係止片15が内部側に落下してしまわないように形成されている。そして、孔部22は、下り傾斜する面を備えるように筒状体14の外側に向かって広がって形成されている。したがって、スリーブ16が筒状体14に対して上方に相対移動している状態(図4(a)及び図5の状態)では、係止片15は筒状体14の外部側に退避した状態となる。一方、バネ部材20の付勢力によりスリーブ16が筒状体14に対して下方に相対移動した状態(図4(b)の状態)では、くぼみ部21が下方に相対移動し、くぼみ部21に連なるスプール16の内周に押されて筒状体14の内部側に突出することになる。なお、くぼみ部21からスプール16の内周に連なる部分は、テーパ状に形成されており、係止片15を滑らかに移動させることができるようになっている。また、スリーブ16のフランジ部17と保持器13の規制部26とが当接していない状態では、筒状体14に嵌着されたリング36とくぼみ部21とが係止することで、スリーブ16が筒状体14に保持される。
【0033】
つぎに、被装着要素12は、図1〜4に示すように、チップ103に設けられ、端部23と、フランジ部24と、凹部25とを有している。端部23は、保持器13にチップ103が保持されている状態における上端側(即ち、摩擦攪拌接合用のツール部とは反対側)に設けられ、筒状体14の挿入口14aに対して嵌入自在な大きさに設けられる(図4参照)。
【0034】
フランジ部24は、後述する保持器13の溝33と係止し、チップ103の保持器13への保持を可能にするものである。このフランジ部24よりも上端側(端部23)が、筒状体14の挿入口14a内に嵌入される。なお、挿入口14aの下端側は、例えば、六角形に形成され、端部23におけるフランジ部24に隣接する部分23a(図4における端部23の下側)の形状も、挿入口14a内に根元まで嵌入可能な六角形に形成される。これにより、筒状体14からチップ103へと確実に回転トルクが伝達されることになる。
【0035】
また、凹部25は、端部23の外周に沿って設けられた溝状の凹みである。この凹部25は、端部23において、フランジ隣接部分23a以外の円周形状の部分に設けられている。そして、この凹部25は、端部23が筒状体14内に奥まで嵌入された状態で係止片15が筒状体14の内部側に突出した際に、係止片15と係合可能な位置に設けられている。図4(b)は、係止片15が筒状体14の内部側に突出して凹部25と係合している状態を示しており、図4(a)は、係止片15が筒状体14の外部側へ退避して凹部25との係合が解除されている状態を示している。
【0036】
つぎに、保持器13について説明する。保持器13は、図1〜4に示すように、平面視で略コの字型に設けられる上側部材26と下側部材27とを備えている。そして、この略コの字型の上下部材26及び27が、重ねられた状態でフレーム104に取り付けられ、コの字型の二股部分がフレーム104から突出するように設けられている。そして、コの字型の二股部分の間に形成されるスリット部分28の幅は、チップ103をスリット部分28に沿って移動可能な大きさに形成されている。
【0037】
保持器13の上側部材26は、スリーブ16のフランジ部17と当接してスリーブ16の筒状体14に対する相対移動を規制可能な規制部26を構成している。即ち、規制部26(上側部材26)におけるフレーム104への取り付け側には、水平な頂上面29が設けられ、この頂上面29に連なる二股部分の上面には、二股部分の突出方向に向かって下り傾斜したスロープ状に形成されたスロープ面30が設けられている。そして、スリット部分28を形成する頂上面29側の縁31とスロープ面30側の縁32とが、スリーブ16のフランジ部17の当接面17aと当接可能に形成されている。図4(a)は、フランジ部17の当接面17aと頂上面29の縁32とが当接している状態を表しており、図3及び図4(b)は、フランジ部17の当接面17aとスロープ面30の縁31とが当接している状態を示している。このように、規制部26におけるスロープ面30側の縁31と頂上面29側の縁32とがスリーブ16のフランジ部17と当接してスリーブ16の相対移動を規制可能となっている。
【0038】
また、保持器13の下側部材27は、二股部分の上面の高さがフレーム104への取り付け側の上面の高さよりも低い段状に形成されている。これにより、保持器13に、上側部材26と下側部材27との間で水平方向に延在する溝部33が、スリット方向に沿って形成されている。この溝部33は、被装着要素12のフランジ部24と係止可能に設けられており、チップ103を保持できるようになっている。また、溝部33の終端部分には、下側部材27におけるフレーム104への取り付け側に形成された係止溝34が、溝部33と連続して設けられている。そして、この係止溝34には、僅かに突出自在に取り付けられるボールプランジャ35が設けられ(図4(b)参照)、図4(a)の状態にチップ103が位置しているときに、被装着要素12のフランジ部24を係止可能になっている。
【0039】
なお、図3に示すように、保持器13の幅Wは、チップ103が収納可能であれば、種々変更することができる。即ち、保持器13の設置スペースに制約があるような場合でも、幅Wの寸法を小さく設定することで、少ないスペースに多くの保持器13を設置することが可能になる。
【0040】
次に、上記構成を備える着脱機構1の作動について説明する。まず、チップ103を装着用要素11に対して装着する場合について説明する。図1においては、マニピュレータ102側の装着用要素11にはチップ103が取り付けられておらず、チップ103は、いずれも保持器13においてスリット部分28の奥側に保持されている状態が図示されている。この状態から、マニピュレータ102を動作させて、装着用要素11を所定の保持器13に保持された所定のチップ13上に移動させる。このとき、装着用要素11におけるスリーブ16は、バネ部材20により付勢されており、係止片15は、スリーブ16の内周に押されて筒状体14の内部側に突出した状態になっている。そして、スリーブ16は、くぼみ部21と筒状体14に嵌着されたリング36とが係止した状態で、筒状体14に保持されている。
【0041】
そして、この状態から、装着用要素11をそのまま真っ直ぐ下方に移動するようにマニピュレータ102を動作させる。この動作により、図4(a)に示すように、装着用要素11の筒状体14の挿入口14a内に、チップ103側の被装着要素12の端部23が嵌入される状態になる。即ち、装着用要素11が下降していくと、まず、スリーブ16のフランジ部17の当接面17aが、保持器13の規制部26における頂上面29の縁32と当接する。そして、そのまま装着用要素11を下降させるように移動させていくと、筒状体14は下降して挿入口14a内に被装着要素12の端部23が嵌入されていく。しかし、スリーブ16のフランジ部17と規制部26における頂上面29の縁32とが当接してスリーブ16の位置は動かないため、バネ力に抗してスプリング20が圧縮されながらスプール16と筒状体14との間で相対移動が生じる。そして、スリーブ16のフランジ部17と被装着要素12のフランジ部24との距離が離間していき、図4(a)に示す状態となる。図4(a)の状態では、スリーブ16が筒状体14に対して上方に相対移動した状態になっており、スリーブ16のくぼみ部21が、筒状体14の孔部22の側方に位置し、ボール状係止片15は、筒状体14の外部側に退避した状態になっている。
【0042】
この図4(a)に示すように、スリーブ16のフランジ部17と規制部26とが当接した状態で、装着用要素11が図中右に向かって略一方向に(略水平方向に)移動するようにマニピュレータ103を動作させる。図4(b)は装着用要素11が水平方向に移動中の状態を示したものである。このように、スリーブ16のフランジ部17と規制部26のスロープ面30とが当接した状態(フランジ部17の当接面17aとスロープ面30の縁31とが当接した状態)で装着用要素11を略水平方向に移動するようにマニピュレータ103を動作させることで、バネ部材20の弾性回復力によりスリーブ16のフランジ部17がスロープ面30に沿って移動する。そして、装着用要素11の移動とともに筒状体14に端部23が嵌入されたチップ103も移動し、スリーブ16のフランジ部17と被装着要素12のフランジ部24との距離が接近していく。
【0043】
このようにスリーブ16が筒状体14に対し下方に相対移動すると、スリーブ16のくぼみ部21の位置も筒状体14に対して下方に相対移動する。これにより、係止片15が、くぼみ部21のテーパ部分に沿って押されて孔部22内を移動し、筒状体14の内部側に突出する。このとき被装着要素12の端部23に設けられた凹部25は、孔部22に対向して位置しているため、筒状体14の内部側に突出した係止片15は、被装着要素12の凹部25と図4(b)に示すように係合する。そして、凹部25に係合した係止片15は、スリーブ16の内周によって孔部22内での移動が規制されるため、係合状態が保たれる。このように係止片15と凹部25とが係合してチップ103が装着用要素11に装着された状態で、マニピュレータ103の動作とともに保持器13のスリット部分28からチップ103が水平方向に外され、装着動作が完了する。
【0044】
このように、着脱機構1においては、係止片15、凹部25、スリーブ16によって装着状態が保たれることで、チップ103が高速回転する場合でも装着状態が安定して維持される。そして、装着用要素11からチップ103への回転トルクは、六角形の挿入口14a及びフランジ隣接部分23aの嵌合によって伝達され、装着用要素11と被装着要素12との間には摩擦で固定して装着する部分がない。したがって、摩擦攪拌接合時のチップ駆動力によって固着やかじりつき等の発生を防止することができる。
【0045】
つぎに、装着用要素11に装着されたチップ103を脱抜する場合について説明する。前述のように装着動作が完了し、マニピュレータ102により所定の動作(本実施形態においては、摩擦攪拌接合作業)が行われた後、装着されたチップ103を脱抜する(取り外す)場合は、前述の装着動作と逆の動作を行うことになる。まず、マニピュレータ102を動作させて、チップ103を所定の保持器13のスリット部分28の前方に移動させる。このとき、スリット部分28に沿ってチップ103を挿入することで、被装着要素12のフランジ部24が保持器13の溝部33に係止可能であるとともに、スリーブ16のフランジ部17が規制部26のスロープ面30の縁31の先端部分と当接可能な位置に配置される。
【0046】
この状態から、図4(b)に示すように、チップ103をスリット部分28に沿って挿入していく。即ち、被装着要素12のフランジ部24が保持器13の溝部33に係止されるとともに、スリーブ16のフランジ部17と規制部26のスロープ面30とが当接した状態で、装着用要素11を図中左に向かって略水平方向に移動するようにマニピュレータ102を動作させる。これにより、装着動作時とは逆方向に、スリーブ16のフランジ部17が規制部26のスロープ面30に沿って移動する。即ち、バネ部材20の弾性回復力によってスリーブ16のフランジ部17がスロープ面30に押し付けられながらバネ部材20が圧縮されていき、スリーブ16が筒状体14に対して上方に相対移動する。この相対移動とともに、スリーブ16のフランジ部17と被装着要素12のフランジ部24との距離が離間する。
【0047】
このようにスリーブ16が上方に相対移動し、スリーブ16のフランジ部17がスロープ面30を登りきって頂上面29に達すると、スリーブ16のくぼみ部21が筒状体14の孔部22の側方に位置する。そのため、係止片15が孔部22の下り傾斜面に沿って移動して筒状体14の外部側へと退避する。即ち、係止片15と筒状体14の凹部25との係合が解除され、着脱機構1は図4(a)の状態になる。このとき、被装着要素12のスリーブ24は、保持器13の係止溝34及びボールプランジャ35により係止される。この後、そのまま装着用要素11が上昇するようにマニピュレータ102を動作させることで、筒状体14の上昇とともに挿入口14aから被装着要素12の端部23が抜き取られ、チップ103の脱抜動作が完了する。なお、係止溝34とボールプランジャ35とが設けられてない場合であっても、装着用要素11を上昇させることで脱抜動作は完了する。
【0048】
上述したように、着脱機構1によると、スリーブ16のフランジ部17と規制部26とが当接した状態で、装着用要素11が略水平方向に移動するようにマニピュレータ102を動作させることで、スリーブ16のフランジ部17と被装着要素12のフランジ部24との距離を接近又は離間させる。そして、この相対移動とともに、スリーブ16の内周によって係止片15の移動を規制しながら係止片15を筒状体14の内部側に突出させ又は外部側に退避させ、チップ103を装着用要素11に対して装着又は脱抜することができる。したがって、マニピュレータ102を略一方向に動作させるという簡単な動作だけで、チップ103の着脱が可能になる。また、装着用要素11には、筒状体14と係止片15とスリーブ16とを設け、筒状体14に嵌入される被装着要素12には凹部を設け、保持器13には溝部33とスロープ状の規制部26とを設けるという簡易な構成で着脱機構を実現できる。
【0049】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る着脱機構2について説明する。着脱機構2も第1実施形態の着脱機構1と同様に、図1に示すようなロボット101等に適用される。着脱機構2は、着脱機構1とほぼ同様の構成を備えているが、装着用要素11が略鉛直方向に移動するようにマニピュレータ102を動作させることでチップ103の脱抜が可能になっている点が異なる。図6及び図7は、着脱機構2における第1実施形態の図4に相当する図を示したものであり、図6は脱抜動作のフローを示す断面図を、図7は装着動作のフローを示す断面図をそれぞれ示している。なお、着脱機構2の説明においては、図6、7に着脱機構1の場合と同じ符号を付して説明を適宜割愛し、着脱機構1と異なる点を説明する。
【0050】
図6(a)において、着脱機構2は、着脱機構1と同様に、保持器13に形成されているコの字型のスリット部分28の終端部分が、頂上面29にて開口している。即ち、規制部26は、スリット部分28の終端で開口した部分(以下、「開口部分36」という)を有している。この開口部分36は、チップ103の端部23とは反対側のツール部103aが貫通可能に形成されている。そして、被装着要素12のフランジ部24の外形(外径)が、開口部分36を鉛直方向に通過可能な大きさに形成されるとともに、スリーブ16のフランジ部17の外形(外径)が開口部分36の縁32と当接する大きさに形成されている。即ち、縁32の平行に延びている部分同士の間の距離よりも、被装着要素12のフランジ部24の外径は小さく、スリーブ16のフランジ部17の外径は大きくなるように、それぞれ形成されている。また、着脱機構2においても、保持器13の溝部33は、開口部分36の下方に設けられており、被装着要素12のフランジ部24と係止可能でチップ103を保持するように設けられている。
【0051】
着脱機構2は、上記構成を備えることにより、図6(a)〜(c)に示すように、チップ103が装着された装着用要素11を略鉛直下方に移動させることで、チップ103の脱抜が可能になる。まず、図6(a)において、マニピュレータ102を動作させて、チップ103が装着された装着用要素11を開口部分36の上方に位置するように移動させる。そして、この状態から、開口部分36に向かって下方に略真っ直ぐに装着用要素11が移動するようにマニピュレータ102を動作させると、まずツール部103aと被装着要素12のフランジ部24とが開口部分36を通過し、次いで、スリーブ16のフランジ部17が開口部分36の縁32と当接する。
【0052】
スリーブ16のフランジ部17と規制部26とが当接した状態で、さらに装着用要素11が略真っ直ぐに(略一方向に)移動するようにマニピュレータ102を動作させることで、スリーブ16の相対移動が行われることになる。即ち、スリーブ16のフランジ部17の当接面17aが規制部26の縁32によって押され、スリーブ16の位置は変わらないまま、バネ部材20が圧縮されるとともに、筒状体14はチップ103とともに下降する。そして、スリーブ16のフランジ部17と被装着要素12のフランジ部24との距離が離間し、図6(b)に示すように、スリーブ16のくぼみ部21が係止片15の側方に(筒状体14の孔部22の側方に)位置すると、着脱機構1の場合と同様に、係止片15と被装着要素12の凹部25との係合が解除される。このとき、被装着要素12のフランジ部24の下面24aと溝部33の上向き面33aとの間には、隙間d(距離d)が形成されるように溝部33の高さが設定されている。これにより、係止片15と凹部25との係合が解除されると、チップ103は自重により距離dだけ落下し、被装着要素12のフランジ部24の下面24aと溝部33の上向き面33aとが当接し、チップ103は溝部33に係止される。
【0053】
係止片15と凹部25との係合が解除され、チップ103が自重で落下した後は、マニピュレータ102を上記と逆方向に動作させて、装着用要素11を上方に移動させることで、図6(c)に示すように、チップ103の脱抜が完了する。
【0054】
したがって、着脱機構2によると、被装着要素12のフランジ部24、開口部分36、スリーブ16のフランジ部17のそれぞれの相対的な大きさを調整することにより、装着用要素11を保持器13に押し付けるだけでチップ103を容易に脱抜できる簡易な着脱機構が実現できる。
【0055】
なお、着脱機構2において、チップ103を装着用要素11に対して装着するときは、図7(a)〜(c)に示すように、着脱機構1の場合と同様の動作により行うことができる。まず、図7(a)において、保持器13に保持されたチップ103の上方に(開口部分36の上方に)装着用要素11を移動させる。次いで、マニピュレータ102を動作させて、装着用要素11を下方に移動させる。そして、規制部26とスリーブ16のフランジ部17とが当接してスリーブ16と筒状体14とが相対移動するとともに、筒状体14の挿入口14a内に被装着要素12の端部23が嵌入され、図6(b)の状態になる。この状態から、図6(c)に示すように、スリーブ16のフランジ部17と規制部23のスロープ面30とが当接した状態で、装着用要素11を略水平方向に(略一方向に)移動するようにマニピュレータ102を動作させる。そして、着脱機構1の場合と同様に、スリーブ16のフランジ部17と被装着要素12のフランジ部24との距離を接近させるとともに、スリーブ16の内周によって係止片15の移動を規制しながら係止片15を筒状体14の内部側に突出させる。こうして、チップ103が装着用要素11に対して装着される。
【0056】
以上が、本発明の第1及び第2実施形態に係る着脱装置の説明であり、これら実施形態に係る着脱装置によると、簡易な構造であるとともに、マニピュレータ(機器)の動作だけで着脱可能であり、安定してチップ(交換部材)の装着状態を維持できる着脱機構が得られる。
【0057】
なお、実施の形態は上記の実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)ロボットのマニピュレータに限らず、可動部を有する機器に対して交換部材を着脱自在に取り付ける場合に、本実施形態の着脱機構は、広く適用可能である。
【0058】
(2)保持器の形状は、必ずしも略コの字型でなくてもよく、被装着要素のフランジ部と係止可能で交換部材を保持する溝部と、スリーブのフランジ部と当接してスリーブの相対移動を規制可能な規制部とを備えていれば、種々の形状をとることができる。
【0059】
(3)第2実施形態に係る着脱機構においては、図8に示す着脱機構3のように、保持器13の溝部33の形状を変更してもよい。即ち、着脱機構3においては、溝部33に、被装着要素12のフランジ部24の上下面(下面24a、上面24b)ともに一部重なるように係止可能な係止凹部33bが連続して形成されている。図6、7に示す着脱機構2の場合、スリーブ16の相対移動が完了して図6(b)に示す状態になると、係止片15が筒状体14の外部側に退避して被装着要素12の凹部25との係合が解除され、挿入口14aからチップ103が自重により落下する。図8に示す着脱機構3においては、この図6(b)に相当する状態になった後、マニピュレータ102を動作させて、係止凹部33bが形成されている方向に(図中矢印a方向に)、端部23が筒状体14に嵌入された状態のチップ103とともに装着用要素11を少し移動させる。これにより、図8に示すように、被装着要素12のフランジ部24が係止凹部33bに引っ掛かるように係止される。このため、係止片15と被装着要素12の凹部25との係合解除後のチップ103の上方への移動が阻止され、装着用要素11を上方に移動させる際に、チップ103を確実に脱抜することができる。
【0060】
(4)また、第2実施形態に係る着脱機構においては、図9に示す着脱機構4のように、保持器13の規制部26の形状を変更してもよい。即ち、着脱機構4においては、図6、7に示す着脱機構2のようなスロープ面30が設けられておらず、段部37が設けられており、頂上面29と同じ高さで水平に連なる上段面37aと上段面37aより高さが低い下段面37bとが形成されている。着脱機構2の場合、図6(b)の状態から、マニピュレータ102を動作させて装着用要素11を略水平方向に移動させ、スリーブ16のフランジ部17をスロープ面30に沿って移動させる。図9に示す着脱機構4においては、着脱機構2における図6(b)に相当する状態(即ち、図9の状態)から、同様にマニピュレータ102を動作させて装着用要素11を略水平方向に移動させる。まず、筒状体14の挿入口14a内に被装着要素12の端部23が嵌入されたままの状態で、スリーブ16のフランジ部17は上段面37aに沿って移動する。そして、スリーブ16のフランジ部17が、段部37に達して上段部37aを全て通過し終えると、上段部37aと当接していたスリーブ16のフランジ部17は、下段部37bと当接する位置まで、バネ部材20によって付勢されて筒状体14に対し下方に相対移動することになる。これにより、スリーブ16のフランジ部17と被装着要素12のフランジ部24との距離が接近し、スリーブ16の内周によって係止片15が筒状体14の内部側に突出して被装着要素12の凹部25と係合し、チップ103が装着用要素11に対して装着されることになる。この後、装着用要素11をそのまま略水平方向に移動させることでスリット部分28からチップ103を抜き出し、装着動作が完了する。図9に例示する着脱機構4のように、スロープ状以外の形状に形成された規制部26であっても、着脱機構2と同様の作用効果を奏することができる。
【0061】
【発明の効果】
第1の発明によると、装着用要素には筒状体と係止片とスリーブとを設け、筒状体に嵌入される被装着要素の端部には凹部を設け、保持器には溝部と規制部とを設けるという簡易な構成で着脱機構を実現できる。そして、スリーブのフランジ部と規制部とが当接した状態で、装着用要素を略一方向に移動するように機器を動作させるだけで、スリーブが相対移動して係止片と被装着要素の凹部とが係合され又は係合解除され、交換部材が装着用要素に対して装着又は脱抜できる。即ち、機器の簡単な動作だけで交換部材の着脱が可能となる。また、スリーブのフランジ部と被装着要素のフランジ部とが接近した装着状態では、係止片が筒状体の内部側に突出して被装着要素の凹部と係合した状態のままでスリーブの内周によって係止片の移動が規制されている。このため、交換部材が高速で回転されるような高速動作条件等の場合であっても、係止片が凹部と係合したままの状態が保たれ、安定して装着状態を維持することができる。したがって、本発明の構成によると、可動部を有する機器に対して交換部材を着脱自在に取り付けるための着脱機構を提供するに際し、簡易な構造であるとともに、機器の動作だけで着脱可能であり、安定して装着状態を維持できる着脱機構を提供することができる。
【0062】
第2の発明によると、規制部がスロープ状に形成され、機器を略水平方向に動作させるだけで、スリーブのフランジ部がスロープ面に沿って移動してスリーブの相対移動が行われる。即ち、スロープ状の規制部を設けるという簡易な構造により、機器の簡単な動作だけでスリーブを相対移動させる構造を容易に実現できる。
【0063】
第3の発明によると、筒状体とスリーブとの間にバネ部材を介装するという簡易な構造によって、スリーブのフランジ部がスロープ面に沿うようにスリーブを相対移動させる構造を容易に実現できる。
【0064】
第4の発明によると、被装着要素のフランジ部と係止可能で交換部材を保持する溝部がスリット方向に設けられているため、被装着要素の端部が筒状体に嵌入された状態でスリット方向に装着用要素を移動させても、交換部材が保持器に保持された状態のままに保たれる。そして、規制部をスリット方向に設けることによって、装着用要素をスリット方向に移動させた際に、被装着要素のフランジ部が溝部と係止した状態のままでスリーブのフランジ部と被装着要素のフランジ部との距離を接近又は離間させることができる。即ち、略コの字型に設けることによって、簡易な構造の保持器を実現できる。
【0065】
第5の発明によると、装着用要素に交換部材が装着された状態で、開口部分に向かって下向きに略真っ直ぐに装着用要素が移動するように機器を動作させると、まずツール部と被装着要素のフランジ部とが開口部分を通過し、次いでスリーブのフランジ部が開口部分の縁と当接する。スリーブのフランジ部と規制部とが当接した状態で、さらに機器を動作させて装着用要素を真っ直ぐ下方に移動することで、スリーブの相対移動が行われることになる。そして、スリーブのフランジ部と被装着要素のフランジ部との距離が離間し、係止片と被装着要素の凹部との係合が解除されると、交換部材は自重により落下し、開口部分の下方に設けられた溝部と被装着要素のフランジ部とが係止することになり、交換部材の脱抜が完了する。したがって、被装着要素のフランジ部、開口部分、スリーブのフランジ部のそれぞれの相対的な大きさを調整することにより、装着用要素を保持器に押し付けるだけで交換部材を容易に短時間で脱抜できる簡易な構造が実現できる。
【0066】
第6の発明によると、スリーブの相対移動完了後に、係止凹部が形成されている方向に、端部が筒状体に嵌入された状態の交換部材とともに装着用要素を少し移動させることで、被装着要素のフランジ部が係止凹部に引っ掛かるように係止される。このため、係止片と被装着要素の凹部との係合解除後の交換部材の上方への移動が阻止され、交換部材を確実に脱抜することができる。
【0067】
第7の発明によると、筒状体に支持される係止片の移動をスリーブの内周によって規制しながら筒状体の内部側に突出させ又は外部側に退避させる構造を、ボール状係止片が筒状体に穿設された孔部に支持されたボールジョイントによって簡易な構造で実現できる。
【0068】
第8の発明によると、ロボットのマニピュレータに対してハンドを着脱自在に取り付けるための着脱機構を提供するに際し、簡易な構造であるとともに、ロボットのマニピュレータの動作だけで着脱可能であり、安定して装着状態を維持できる着脱機構を提供することができる。
【0069】
第9の発明によると、高速でチップを回転することで摩擦攪拌接合を行う溶接ロボットであっても、安定してチップの装着状態を維持できるとともに、簡易な構造の着脱機構を提供することができる。そして、チップが取り付けられた装着用要素は回転するものの、エアーや溶接電源等のようなチップ自体の作動用動力が必要でない摩擦攪拌接合の場合であっても、別途チップ着脱動作用の動力源を設ける必要も無く、マニピュレータの動作だけで着脱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る着脱機構をロボットに適用した場合を例示した図である。
【図2】第1実施形態に係る着脱機構の保持器にマニピュレータのハンドがそれぞれ保持されている様子を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る着脱機構による着脱動作中における装着用要素、被装着要素、保持器の様子を示した斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る着脱機構による装着動作又は脱抜動作を説明する断面図である。
【図5】図4(a)におけるスリーブ近傍の要部断面図である。
【図6】第2実施形態に係る着脱機構による脱抜動作のフローを示す断面図である。
【図7】第2実施形態に係る着脱機構による装着動作のフローを示す断面図である。
【図8】第2実施形態に係る着脱機構の変形例を示す断面図である。
【図9】第2実施形態に係る着脱機構の変形例を示す断面図である。
【図10】摩擦攪拌接合により母材の端面同士を溶接する様子を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 着脱機構
11 装着用要素
12 被装着要素
13 保持器
14 筒状体
15 係止片
16 スリーブ
17 スリーブのフランジ部
20 バネ部材
23 端部
24 被装着要素のフランジ部
25 凹部
26 規制部
30 スロープ面
101 ロボット
102 マニピュレータ
103 チップ

Claims (9)

  1. 可動部を有する機器に対して交換部材を着脱自在に取り付けるための着脱機構であって、
    前記機器側に設けられる装着用要素と、前記装着用要素に対して着脱自在に取り付けられる前記交換部材側に設けられる被装着要素と、前記交換部材を取り出し自在に保持する保持器と、を備え、
    前記装着用要素は、筒状体と、前記筒状体の内部側に向かって突出自在に支持される係止片と、前記筒状体の外周と摺接して往復動自在に支持されて前記筒状体に対して相対移動を行うとともに外周にフランジ部が設けられたスリーブと、を有し、
    前記被装着要素は、フランジ部と、前記筒状体に嵌入自在な端部と、前記端部に設けられ、前記係止片が前記筒状体の内部側に突出した際に前記係止片と係合可能な凹部と、を有し、
    前記保持器は、前記被装着要素のフランジ部と係止可能で前記交換部材を保持する溝部と、前記スリーブのフランジ部と当接して前記スリーブの相対移動を規制可能な規制部とを有し、
    前記スリーブのフランジ部と前記規制部とが当接した状態で、前記装着用要素が一方向に移動するように前記機器を動作させることで、前記スリーブのフランジ部と前記被装着要素のフランジ部との距離を接近又は離間させるとともに、前記スリーブの内周によって前記係止片の移動を規制しながら前記係止片を前記筒状体の内部側に突出させ又は外部側に退避させ、前記交換部材を前記装着用要素に対して装着又は脱抜することを特徴とする着脱機構。
  2. 前記保持器の規制部はスロープ状に形成され、前記スリーブのフランジ部と前記規制部のスロープ面とが当接した状態で、前記装着用要素を水平方向に移動するように前記機器を動作させることで、前記スリーブのフランジ部が前記スロープ面に沿って移動し、前記スリーブのフランジ部と前記被装着要素のフランジ部との距離を接近又は離間することを特徴とする請求項1に記載の着脱機構。
  3. 前記筒状体と前記スリーブとの間にはバネ部材が介装され、このバネ部材の弾性回復力により前記スリーブのフランジ部が前記スロープ面に沿って移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の着脱装置。
  4. 前記保持器は、平面視でコの字型に設けられ、前記交換部材はコの字型のスリット部分に沿って移動可能であり、このスリット方向に沿って前記溝部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の着脱機構。
  5. 前記規制部は、前記交換部材の前記端部とは反対側のツール部が貫通可能な開口部分を有し、前記溝部は前記開口部分の下方に設けられ、
    前記被装着要素のフランジ部の外形が前記開口部分を通過可能な大きさに形成されるとともに、前記スリーブのフランジ部の外形が前記開口部分の縁と当接する大きさに形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の着脱機構。
  6. 前記溝部には、前記被装着要素のフランジ部の上下面ともに一部重なるように係止可能な係止凹部が、連続して形成されていることを特徴とする請求項5に記載の着脱機構。
  7. ボール状に形成された前記係止片が、前記筒状体に穿設された孔部に支持されているボールジョイントにより前記装着用要素と前記被装着要素との着脱が行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の着脱機構。
  8. 前記機器はロボットのマニピュレータであり、前記交換部材は前記マニピュレータの先端側に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の着脱装置。
  9. 前記交換部材は、摩擦攪拌接合用のチップであることを特徴とする請求項8に記載の着脱装置。
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