JP3868745B2 - チップ内蔵基材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード状の基材内にICチップを埋設したいわゆるICカードであって外部の端子と非接触型、及び非接触、接触型のチップ内蔵基材、及び該チップ内蔵基材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、非接触ICカード、及び接触・非接触兼用ICカ−ドの構造、並びに構造及び製造方法は、特公平4−16831号公報、日本国特許第2694168号、特開平7−239922号公報、特開平7−61177号公報、特開平8−324166号公報、特開平8−194801号公報、特開平11−338995号公報に示されるようなものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
非接触ICカード、及び接触・非接触兼用ICカ−ドにおいては、その使用範囲が広がるにつれて、より低コスト、高信頼性の性能が求められている。これらの従来のICカードの一般的な製造方法において、図22に示す非接触ICカード10は、銅線製コイル配線113を電気的に接続した回路基板2、及び該回路基板2に実装され金属配線4にて電気的に接続されたICチップ111を備え、図23に示す接触・非接触兼用ICカード15は、コイル配線113を電気的に接続しかつ外部電極端子を有する回路基板6に金属配線4にて電気的に接続され実装されたICチップ111を備える。これらの非接触ICカード10及び接触・非接触兼用ICカード15は、上記ICチップ111等を含むモジュ−ルを射出成形したり、ラミネ−トしたりして、カ−ド化した構造や、上記ICチップ111の周りに補強板を配置した構造を有する。したがって、製造に当たり作業工程が多く、又、それぞれの部品の接合部分が多く、接合不良を発生する可能性が高い。さらに、構造も複雑になり、低コスト、高信頼性を十分に満足できない場合があるという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、製造が容易で、かつ、低コスト、高信頼性を満足するチップ内蔵基材、及び該チップ内蔵基材の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の第1態様によるチップ内蔵基材は、バンプを形成したICチップが埋め込まれる板状の第1基材であって、当該第1基材の厚み方向における第1面に対向する第2面に上記ICチップを押圧して上記第1面に上記バンプが露出する程度に上記ICチップが埋設され、かつ上記厚み方向に沿って当該第1基材を貫通するスルーホールが形成された第1基材と、
上記ICチップの上記バンプと電気的に接続されて上記第1面に形成される配線と、
上記配線と上記スルーホールに充填された導電性ペーストとを介して電気的に接続されて上記第2面に形成されるジャンパー線と、
上記第1面及び上記配線を覆う第2基材と、
上記第2面及び上記ジャンパー線を覆い上記第2基材とによって上記第1基材を間にサンドイッチする第3基材と、
を備えたことを特徴とする。
【0005】
又、上記厚み方向において上記第1基材の上記第2面上、上記第2基材上、及び上記第3基材上の少なくとも一つにて上記ICチップを覆い設けられ上記ICチップ部分の補強を行なう補強板をさらに備えることもできる。
【0006】
又、上記補強板が上記第2基材上又は上記第3基材上に設けられるとき、上記補強板及び、上記第2基材又は上記第3基材を覆う第4基材をさらに備えることもできる。
【0007】
又、上記配線又は上記ジャンパー線と電気的に接続され外部の端子と接触可能な露出面を有する外部接続用端子をさらに備えることもできる。
【0008】
又、上記外部接続用端子は、上記露出面を外部に露出させて上記第2基材又は上記第3基材に埋め込むこともできる。
【0009】
又、上記第1〜第4基材は、0.05〜0.7mm厚にてなるシート状の熱可塑性樹脂にて構成することもできる。
【0010】
又、上記配線及び上記ジャンパー線は、導電性ペーストにて形成することもできる。
【0011】
さらに本発明の第2態様のチップ内蔵基材製造方法は、板状であり、その厚み方向に沿って貫通するスルーホールを有する第1基材の上記厚み方向における第1面に対向する第2面に、バンプを形成したICチップを押圧して上記第1面に上記バンプが露出する程度に上記ICチップを上記第1基材に埋設し、
上記スルーホールに導電性ペーストを充填し、
上記第1基材の上記第1面に、上記ICチップの上記バンプと電気的に接続される配線を形成し、
上記第1基材の上記第2面に、上記配線と上記導電性ペーストを介して電気的に接続されるジャンパー線を形成し、
上記配線及び上記ジャンパー線の形成後、上記第1面及び上記配線を覆う第2基材、並びに上記第2面及び上記ジャンパー線を覆う第3基材にて、上記第1基材をサンドイッチすることを特徴とする。
【0012】
又、上記第2態様において、上記第2基材及び上記第3基材による上記第1基材のサンドイッチ動作前に、上記厚み方向において上記第1基材の上記第2面上、上記第2基材上、及び上記第3基材上の少なくとも一つに、上記ICチップを覆って上記ICチップ部分の補強を行なう補強板を設けるようにしてもよい。
【0013】
又、上記第2態様において、上記補強板が上記第2基材上又は上記第3基材上に設けられるとき、上記補強板及び、上記第2基材又は上記第3基材を覆って第4基材をさらに形成するようにしてもよい。
【0014】
又、上記第2態様において、上記第2基材又は上記第3基材は、上記配線又は上記ジャンパー線と電気的に接続する導電部材と、該導電部材に電気的に接続され外部の端子と接触可能な露出面を有する外部接続用端子とを有し、上記配線及び上記ジャンパー線の形成後、上記導電部材と上記配線又は上記ジャンパー線とを電気的に接続させながら上記第2基材及び上記第3基材にて上記第1基材をサンドイッチするようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態であるICカード、及び該ICカードの製造方法について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
第1実施形態;
図1には、本実施形態のICカードの内、当該ICカードとの通信を当該ICカードと非接触にて行なう第1の非接触ICカ−ド101を示している。該非接触ICカード101は、第1〜第3の3つの基材117、119、118を有する。板状の第1基材117には、電極上にバンプ112を形成したICチップ111が、当該第1基材117の厚み方向181における第1面117aに上記バンプ112が露出する程度に埋設される。又、第1基材117には、厚み方向181に沿って該第1基材117を貫通するスルーホール114が形成され、該スルーホール114には導体120が形成される。上記第1面117aには、上記バンプ112、つまり上記ICチップ111及び上記導体120と電気的に接続される、通信用配線の機能を果たす一例であるコイル電線113が形成される。上記第1面117aに対向する第2面117bには、上記導体120を介して上記コイル電線113と電気的に接続されて形成されるジャンパー線115が形成され、又、ICチップ111の背面111aに接しICチップ111の全体を覆う大きさの補強板116が設けられる。さらに、上記第1面117a及び上記コイル電線113を覆って第2基材118が形成され、上記第2面117b及び上記ジャンパー線115を覆い上記第2基材118とによって上記第1基材117を間にサンドイッチする第3基材119が形成される。
【0016】
上記第1基材117、第2基材118、及び第3基材119は、絶縁性の高い材料を用いることが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、等が使用可能である。又、これらの樹脂の表面に接着剤、コート剤等が塗布されたものや、表面が粗化加工、溝加工等されたものも使用可能である。但し、特にこれらに限定されるものではない。
上記第1基材117、第2基材118、第3基材119の厚さは、特に限定されるものではないが、第1基材117、第2基材118、及び第3基材119の厚さを合わせて、製造されるICカードにおける厚み公差内に収まる厚さであることが望ましい。
【0017】
ICチップ111とコイル配線113とを電気的に接続する上記バンプ112は、金やアルミニウム等の金属が使用可能であるが、特にこれらに限定されない。バンプ112は、ICチップ111の所定の電極に形成されていることが望ましい。バンプ112の形成方法は、特に限定されないが、ワイヤーの超音波ボンディング法による形成方法が好まれる。バンプ112の大きさは、特に制限されないが、好ましくは、高さ30μm〜70μm、直径30〜100μm程度である。この範囲外では、電気的接合がとれなかったり、電気的な短絡現象が発生することがある。
【0018】
上記コイル配線113、スルーホール内の導体120、及びジャンパー配線115は、導電性ペーストの印刷や塗布、及びメッキ等により形成される。上記導電性ペーストは、電気的な導通を有するものであれば使用可能であり、その導通抵抗等の電気特性及び粘度等の材料特性については、特に限定するものではない。上記メッキの方法については、パターンメッキ法や全面メッキ後のエッチング法により形成可能であるが、特に限定するものではない。上記導電性ペーストの硬化方法は、特に限定されるものではないが、加熱硬化するのが望ましく、硬化温度は、80℃から150℃が望ましい。80℃以下では、硬化するのに時間がかかり、150℃以上では、基材が熱変形することがある。
【0019】
上記スルーホール114の大きさは、特に限定されるものではないが、好ましくは、直径0.1mmから2mmの大きさである。直径0.1mm以下では、上記導電性ペーストの充填が難しく、又、メッキによる金属配線形成が難しく、直径2mm以上では、スルーホール114内に導電性ペーストを完全に充填することができず、導通不可となる場合があるからである。スルーホール114の形成方法については、ダイスによるパンチングやドリルによるドリリング等を用いることができるが、特にこれらに限定するものではない。
【0020】
上記コイル配線113、上記スルーホール内導体120、上記ジャンパー配線115を結線する回路パターン及びその形成順は、特に限定されるものではない。
上記補強板116は、ICチップ111の損傷を防止できる材料であれば使用可能であるが、特に限定されるものではない。
又、ICチップ111は、特に限定されるものではない。その個数や埋設位置についても、仕様により、任意に搭載することができる。
一体型のICカ−ド101を完成させるため、第1基材117、第2基材118、及び第3基材119のラミネ−ト方法は、加熱加圧してプレスする方法が望ましいが、特にこれに限定されるものではない。加熱加圧する装置や治具等については、特に限定されるものではない。加熱温度は、90℃から170℃が望ましい。90℃未満の場合では、ラミネ−トできないことがあり、170℃を越える場合では、基材が熱変形することがある。加圧力は、98×104Pa〜490×104Paが望ましい。98×104Pa未満では、ラミネ−トできないことがあり、490×104Paを超えると各基材117〜119が変形するおそれがあるからである。
【0021】
以上のように構成される第1実施形態における第1非接触ICカード101の製造方法について、図11から図18を参照して以下に説明する。
図11に示す第1基材117の所定の位置に、ダイスを用いたパンチングにより、例えば直径0.5mmのスルーホール114を2ヶ所に形成する(図12)。次に、図13に示すように、第1基材117の所定の位置に、バンプ112を形成したICチップ111を加熱押圧して埋め込む。次に、図14及び図15に示すように、第1基材117にICチップ111を埋め込んだ反対側の面、つまり上記第1面117aに導電性ペーストを用いて、コイル配線113を形成するとともに、好ましくは同時に、上記スルーホール114に導電性ペーストを充填し、加熱硬化させる。
【0022】
次に、図16に示すように、第1基材117のICチップ111を埋め込んだ側、つまり上記第2面117bに、上記導電性ペーストを用いて、ジャンパー配線115を印刷し、加熱硬化させる。ついで、図17に示すように、補強板116を、上記第1基材117のICチップ111が埋め込まれた位置にICチップ111を覆い隠すように配置する。
そして図18に示すように、その両側から、第2基材118及び第3基材119を、第1基材117を完全に覆い隠すように重ね合わせ、プレス機により加熱加圧してラミネートし、一体型のカード101を製造する。
【0023】
上述したような製造方法により製造される非接触ICカード101では、ICチップと回路基板との電気的接続に金属配線を使用せず、ICチップ111のバンプ112及びスルーホール内導体120に接触させて、かつ上記ICチップ111が埋め込まれた第1基材117の表面に導電性材料を塗布や印刷により形成する。よってICチップ111と、コイル配線113及びジャンパー線115とは確実に電気的接続がなされ、その後の第2基材118及び第3基材119によりラミネート動作においても断線等の不具合発生を防止することができる。よって、当該非接触ICカ−ド101では、接合不良の発生がなく高信頼性を有する。又、ICチップ111は第1基材117に埋め込まれるので、当該非接触ICカ−ド101では、簡易な構造でICチップ111が保護できる。さらに、上述のように、基本的に、ICチップ111の埋め込み、第1基材表面へのコイル配線113、及びジャンパー線115の形成が行なわれた第1基材117に対して、第2基材118及び第3基材119にてサンドイッチしてICカードを作製するという作業工程であることから、従来に比べて構造が単純であり作業工程が少ない。よって、低コストなICカードを実現することができる。
【0024】
第2実施形態;
図2には、第2実施形態としての第2非接触ICカード102を示している。該第2非接触ICカード102では、上述の第1非接触ICカード101と比べて以下の点で異なる。即ち、上記第3基材119を覆って設けられる第4基材121を有し、又、上記補強板116を第1基材117の第2面117bに設けるのではなく、ICチップ111の背面111a側でICチップ111を覆うようにして第3基材119上に設けられる。又、上記第4基材121は、上述の第1〜第3基材117〜119と同一の材料、大きさにてなる。
その他の構成、材料、及び製造方法については、上述の第1非接触ICカード101に同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0025】
このような第2非接触ICカード102によれば、第1非接触ICカード101における上述の効果を奏するとともに、さらに第1非接触ICカード101に比して、ICチップ111と、補強板116とが離れているので、ICカード102に大きな曲げ応力が作用したときでも、補強板116とICチップ111の角部との接触がなくICカード102の破損を防止できるという特別な効果を奏する。
【0026】
第3実施形態;
図3には、第3実施形態としての第3非接触ICカード103を示している。上述の第2非接触ICカード102では、第4基材121及び補強板116を第3基材119上に設けたが、本第3非接触ICカード103では、第2基材118を覆うように第4基材及び補強板116を設けている。尚、第2非接触ICカード102との区別を図るため、当該第3非接触ICカード103における第4基材には、第5基材122の名称を付す。該第5基材122は、上記上述の第1〜第3基材117〜119と同一の材料、大きさにてなる。又、補強板116は、ICチップ111のバンプ112側であってICチップ111を覆うような位置にて第2基材118上に配置される。
その他の構成、材料、及び製造方法については、上述の第1非接触ICカード101に同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0027】
このような第3非接触ICカード103によれば、第1非接触ICカード101における上述の効果を奏するとともに、さらに第1非接触ICカード101に比して、上述のICカード102と同じ特別な効果、さらに上記第2非接触ICカード102に比してカードの平面性の確保が容易であるという特別な効果を奏することができる。
【0028】
第4実施形態;
図4には、第4実施形態としての第4非接触ICカード104を示している。該第4非接触ICカード104では、上述の第1非接触ICカード101と比べて以下の点で異なる。即ち、上記第2基材118を覆って設けられる第5基材122を有し、又、上述の第3非接触ICカード103のように、ICチップ111のバンプ112側であってICチップ111を覆うような位置に第2補強板123を第2基材118上に設けている。その他の構成、材料、及び製造方法については、上述の第1非接触ICカード101及び第3非接触ICカード103に同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0029】
このような第4非接触ICカード104によれば、第1非接触ICカード101及び第3非接触ICカード103における上述の効果を奏するとともに、さらに補強板の数が増すことによりICチップ111をより強力に保護することができる。
【0030】
第5実施形態;
図5には、第5実施形態としての第5非接触ICカード105を示している。該第5非接触ICカード105は、上述した第2非接触ICカード102と、第3非接触ICカード103とを組み合わせた構造を有する。よってここでの構造説明、及び製造方法説明は省略する。
このような第5非接触ICカード105によれば、第2非接触ICカード102及び第3非接触ICカード103における上述の効果を奏することができる。
【0031】
第6実施形態;
図6には、本実施形態のICカードの内、当該ICカードとの通信を当該ICカードと接触及び非接触の両方にて行なうことができる第1の接触、非接触ICカ−ド106を示している。該第1接触、非接触ICカード106は、上述の第1非接触ICカード101と比べて以下の点で異なる。即ち、第2基材118には、外部接続用端子132、スルーホール133、該スルーホール133に設けられる導電部材134を有する。よって、上述の第2基材118と明確に区別するため、当該接触、非接触ICカード106における第2基材を第6基材131とする。
【0032】
上記第6基材131は、上述の第2基材118等と同じ材質、大きさにてなり、又、上記スルーホール133の形成方法、並びに上記導電部材134の材質及び形成方法は、上述のスルーホール114及びスルーホール内導体120の場合に同じであるので、ここでの説明は省略する。
上記外部接続用端子132は、上記導電部材134に電気的に接続され、当該接触、非接触ICカード106以外の外部の端子と接触可能なように、上記第6基板131の表面131aに露出する露出面132aを有する導電性部材である。外部接続用端子132は、通常のフレキシブル基板を用いることが望ましいが、特にこれに限定するものではない。さらに、両面電極形成タイプのフレキシブル基板が、特に好ましい。又、外部接続用端子132の形状は、特に限定されない。
【0033】
上述の第1接触、非接触ICカード106の製造方法について、図19〜図21を参照して説明する。尚、上記第6基材131が関与しない工程までの製造方法は、図11〜図17を参照して説明した製造方法に同じであるので、ここでの説明は省略する。
図17に示すように第1基材117の第2面117bに補強板116を設けた後、又は、別途にて、図19に示すように第6基材131にスルーホール133を形成し、さらに、第6基材131の第1基材117に接する側に上記スルーホール133に上記導電性ペーストを充填し、加熱、硬化させる。ついで、図20に示すように、上記第3基材119と、上記表面131aに外部接続用端子132を設けた第6基板131とによって、コイル配線113等を形成した第1基材117をサンドイッチする。そして図21に示すように、上記サンドイッチを行ないながら押圧して、上記外部接続用端子132を第6基材131に埋め込む。又、上記押圧により上記導電部材134は、上記外部接続用端子132及びコイル配線113と電気的に接続される。このようにして第1接触、非接触ICカード106を製造する。
【0034】
又、その他の構成、材料、及び製造方法については、上述の第1非接触ICカード101の場合に同じであるので、ここでの説明は省略する。
このような第1接触、非接触ICカード106によれば、上記第1非接触ICカード101における上述の効果を奏するとともに、簡易な構造及び製造方法にて、接触、非接触ICカードを構成することができる。
【0035】
第7実施形態;
図7には、第7実施形態としての第2接触、非接触ICカード107を示している。上述の第1接触、非接触ICカード106では、上記第1非接触ICカード101の第2基材118に代えて第6基材131を設けた構成にてなるが、当該第2接触、非接触ICカード107では、上記第1非接触ICカード101の第3基材119に上記外部接続用端子132、上記スルーホール133、上記導電部材134を有する。よって、上述の第3基材119と明確に区別するため、当該第2接触、非接触ICカード107における第3基材を第7基材135とする。尚、該第7基材135では、上記導電部材134は、上記ジャンパー線115と外部接続用端子132とを電気的に接続する。
その他の構成、材料、及び製造方法については、上述の第1非接触ICカード101、及び第1接触、非接触ICカード106の場合に同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0036】
このような第2接触、非接触ICカード107によれば、上記第1接触、非接触ICカード106における効果を奏するとともに、第1接触、非接触ICカード106に比して、補強効果が向上するという効果を奏することができる。
【0037】
第8実施形態;
図8には、第8実施形態としての第3接触、非接触ICカード108を示している。該第3接触、非接触ICカード108では、上述の第1接触、非接触ICカード106と比べて以下の点で異なる。即ち、上記第3基材119を覆って設けられる第4基材121を有し、又、上記補強板116を第1基材117の第2面117bに設けるのではなく、ICチップ111の背面111a側でICチップ111を覆うようにして第3基材119上に設けられる。又、上記第4基材121は、上述の第1〜第3基材117〜119と同一の材料、大きさにてなる。その他の構成、材料、及び製造方法については、上述の第1接触、非接触ICカード106に同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0038】
このような第3接触、非接触ICカード108によれば、第1接触、非接触ICカード106における上述の効果を奏するとともに、さらに第1接触、非接触ICカード106に比して、上述の第2非接触ICカード102が奏する効果と同じ効果を奏することができる。
【0039】
第9実施形態;
図9には、第9実施形態としての第4接触、非接触ICカード109を示している。該第4接触、非接触ICカード109では、上述の第2接触、非接触ICカード107に比べて以下の点で異なる。即ち、上述した第3非接触ICカード103の場合と同様に、第2基材118を覆うように第4基材及び補強板116を設けている。尚、当該第4接触、非接触ICカード109における第4基材には、第5基材122の名称を付す。該第5基材122は、上述の第1〜第3基材117〜119と同一の材料、大きさにてなる。又、補強板116は、ICチップ111のバンプ112側であってICチップ111を覆うような位置にて第2基材118上に配置される。
その他の構成、材料、及び製造方法については、上述の第2接触、非接触ICカード107の場合に同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0040】
このような第4接触、非接触ICカード109によれば、第2接触、非接触ICカード107における上述の効果を奏するとともに、さらに第2接触、非接触ICカード107に比してカードの平坦化が容易に行なえるという特別な効果を奏することができる。
【0041】
第10実施形態;
図10には、第10実施形態としての第5接触、非接触ICカード110を示している。該第5接触、非接触ICカード110では、上述の第4接触、非接触ICカード109の構成にて、第1基材117の第2面117b上でICチップ111を覆うように上記補強板116をさらに設けた構成である。
その他の構成、材料、及び製造方法については、上述の第4接触、非接触ICカード109に同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0042】
このような第5接触、非接触ICカード110によれば、第4接触、非接触ICカード109における上述の効果を奏するとともに、さらに補強板の数が増すことによりICチップ111をより強力に保護することができる。
【0043】
上述した、図1〜図10に示す各ICカード101〜110において、上記第1基材117、第2基材118、第3基材119、第4基材121、第5基材122、第6基材131、第7基材135のそれぞれは、熱可塑性樹脂からなる、厚さ0.05mm〜0.7mmのシート状のものにて形成することもできる。これは、基材の厚さが0.05mm未満では、スルーホール114等が破断する可能性が高く、一方、0.7mmを越えると、スルーホール114等内に導電性ペーストを完全に充填することができず、又、メッキ法による導通配線形成ができなくなる場合があるからである。
【0044】
上述の各ICカード101〜110において、上記コイル配線113、上記導体120、導電部材134、ジャンパー配線115が導電性ペーストから形成されるとき、上記導電性ペーストは、主として、一種類以上の金属粒子と熱硬化性樹脂とを有し、上記金属粒子の重量割合が導電性ペースト全体重量の55%以上95%以下を占めることとしている。これは、55%未満のものでは、硬化時に電気的導通がとれない場合があり、95%を越えるものでは、ペースト状をなさず、印刷及び塗布ができないことがあるからである。
【0045】
又、上述のように、上記コイル配線113と、導体120と、ジャンパー配線115が導電性ペ−ストから形成され、上記導電性ペ−ストが主として、一種類以上の金属粒子と熱硬化性樹脂からなり、その金属粒子の重量割合がペ−スト全体重量の55%以上95%以下を占めることとすることで、回路基板を用いることなしに、電子回路が形成できるという作用を有する。
【0046】
上記金属粒子としては、電気的導通を有するものであれば、使用可能であり、その導通抵抗等の電気特性等については、特に限定されるものではないが、好ましくは、銀粉、金粉、アルミニウム粉、ニッケル粉や銅粉である。又、その形状については、球状や鱗片状のものが使用できる。上記金属粒子の大きさについては、特に限定されないが、好ましくは、直径0.003mmから0.02mmであり、0.003mm未満のものでは、導電性ペーストの分離が発生する場合があり、0.02mmを越えるものでは、印刷、及び、塗布できない場合があるからである。
上記導電性ペーストを構成する上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂やアクリル樹脂等が使用可能であるが、特にこれらに限定されることはない。
【0047】
上述の各ICカード101〜110において、上記補強板116、上記第2補強板123は、金属板であって、その厚さが0.01mm〜0.2mmのステンレス板が好ましい。これは、厚さが0.01mm未満では、ICチップ111を保護できない場合があり、0.2mmを越える場合には、カードの柔軟性が失われ、カードが破損する場合があるからである。又、厚さが0.01mm〜0.2mmのステンレス板を補強板123として用いることで、簡易な構造でICチップ111を保護できるという作用がある。
又、補強板116、123の大きさは、内蔵されるICチップ111の大きさと同じか、0〜3mm程大きいのが好ましい。これは、補強板の大きさがICチップ111より小さい場合ではICチップ111を保護できない場合があり、3mmを越える場合には、ICカードの柔軟性が失われ、ICカードが破損する場合があるからである。上記大きさの補強板116、123を用いることで、簡易な構造でICチップ111を保護することができる。
【0048】
上述の各ICカード101〜110において、上記外部接続用端子132は、当該外部接続用端子132を埋め込む基材131、135の厚さよりも薄いこととしている。これは、外部接続用端子132の厚さが基材131、135よりも厚い場合、スルーホール133による結線が難しくなり、断線する可能性が高い。又、外部接続用端子132の厚さを上述のようにすることで、容易に平面性の良いICカードを作製することができる。
【0049】
【実施例】
第1実施例;
該第1実施例は、上記第1非接触ICカード101の実施例である。
長さ100mm、幅80mm、0.38mm厚、ポリ塩化ビニル樹脂製の第1基材117の所定の位置に、ダイスを用いたパンチングにより、直径0.5mmのスルーホール114が2ヶ所に開けられる。ついで、第1基材117の所定の位置に、4mm角、厚さ0.35mm、高さ60μmの金バンプ112を形成済のICチップ111を、加熱押圧して埋め込む。第1基材117の上記第1面117aに、硬化剤配合済エポキシ樹脂中に直径0.005mmの銀粉を75%配合調整した導電性ペーストを用いて、コイル配線113を形成すると同時に、上記スルーホール114に上記導電性ペーストを充填し、100℃、15分にて硬化する。
【0050】
さらに、第1基材117の上記第2面117bに、上記導電性ペーストを用いて、ジャンパー配線115を印刷し、100℃、15分にて硬化する。ついで、5mm角、厚さ50μm、ステンレス製の補強板116を、上記第1基材117の上記第2面117bで、ICチップ111が埋め込まれた位置にICチップ111を覆い隠すように配置する。そして、第1基材117を完全に覆い隠すように、いずれも長さ100mm、幅80mm、0.38mm厚、ポリ塩化ビニル樹脂製の第2基材118及び第3基材119を重ね合わせ、プレス機により、140℃、392×104Pa、30分の加熱加圧条件でラミネートし、一体型の第1非接触ICカード101を製造した。
【0051】
尚、以上の説明では、ICチップ111、バンプ112、コイル配線113、スルーホール114、ジャンパー配線115、補強板116、第1基材117、第2基材118、第3基材119等にて、材質、大きさ、厚みや、又、製造工程における圧力、温度、時間を限定したが、これらは一例であり、これらの値に限定されるものではない。
【0052】
第2実施例;
該第2実施例は、上記第2非接触ICカード102の実施例である。
上記第1実施例において、補強板116を配置する際、第3基材119の外側から、第1基材117に埋め込まれているICチップ111に対応する位置でICチップ111を覆い隠すように上記補強板116を配置する。その上に、長さ100mm、幅80mm、0.38mm厚、ポリ塩化ビニル樹脂製の第4基材121を、第3基材119を完全に覆い隠すように重ね合わせ、一体型の第2非接触ICカード102を製造した。
尚、上記第4基材における値は、一例であり、これに限定されるものではない。その他の材料及び製造工程、条件は、上記第1実施例の場合に同じである。
【0053】
第3実施例;
該第3実施例は、上記第3非接触ICカード103の実施例である。
上記第1実施例において、補強板116を配置する際、第2基材118の外側から、第1基材117に埋め込まれているICチップ111に対応する位置でICチップ111を覆い隠すように上記補強板116を配置する。その上に、第5基材122を、第2基材118を完全に覆い隠すように重ね合わせて、一体型の第3非接触ICカード103を製造した。
その他の材料、製造工程、条件は、第2実施例の場合に同じである。
【0054】
第4実施例;
該第4実施例は、上記第4非接触ICカード104の実施例である。
第1実施例における第1非接触ICカード101を形成後、第2基材118の外側から、第1基材117に埋め込まれているICチップ111に対応する位置でICチップ111を覆い隠すように、5mm角、厚さ50μm、ステンレス製の第2補強板123を配置する。さらに、第2基材118及び第2補強板123を完全に覆い隠すように第5基材122を重ね合わせて、一体型の第4非接触ICカード104を製造した。尚、上記第2補強板における値は、一例であり、これに限定されるものではない。
その他の材料、製造工程、条件は、第1実施例の場合に同じである。
【0055】
第5実施例;
該第5実施例は、上記第5非接触ICカード105の実施例である。
上記第1実施例において、補強板116、第2補強板123を配置する際に、まず、第1基材117の両側から、第2基材118及び第3基材119を、第1基材117を完全に覆い隠すように重ね合わせる。次に、第2基材118及び第3基材119のそれぞれの外側から、第1基材117に埋め込まれているICチップ111に対応する位置でICチップ111を覆い隠すように、補強板116及び第2補強板123を配置する。その上に、それぞれ、長さ100mm、幅80mm、0.38mm厚、ポリ塩化ビニル樹脂製にてなる、第5基材122及び第4基材121を、第2基材118及び第3基材119が完全に覆い隠されるように重ね合わせて、一体型の第5非接触ICカード105を製造した。尚、第5基材122及び第4基材121における上記各値は、一例であり、これらに限定されるものではない。
その他の材料、製造工程、条件は、第4実施例の場合に同じである。
【0056】
第6実施例;
該第6実施例は、上記第1接触、非接触ICカード106の実施例である。
長さ100mm、幅80mm、0.38mm厚、ポリ塩化ビニル樹脂製の第1基材117の所定の位置に、ダイスを用いたパンチングにより、直径0.5mmのスルーホール114が2ヶ所に開けられる。又、長さ100mm、幅80mm、0.38mm厚、ポリ塩化ビニル樹脂製の第6基材131の所定の位置に、直径0.5mmのスルーホール133を8ヶ所に開ける。ついで、第1基材117の所定の位置に、4mm角、厚さ0.35mm、高さ60μmの金バンプ112を形成済のICチップ111を、加熱押圧して埋め込む。第1基材117の上記第1面117aに、硬化剤配合済エポキシ樹脂中に直径0.005mmの銀粉を75%配合調整した導電性ペーストを用いて、コイル配線113を形成すると同時に、上記スルーホール114に上記導電性ペーストを充填し、100℃、15分にて硬化する。
【0057】
さらに、第1基材117の上記第2面117bに、上記導電性ペーストを用いて、ジャンパー配線115を印刷し、100℃、15分にて硬化する。ついで、第6基材131の第1基材117に接する側にて、上記スルーホール133へ上記導電性ペーストを充填し、100℃、15分にて硬化する。そして、5mm角、厚さ50μm、ステンレス製の補強板116を、上記第1基材117の上記第2面117bで、ICチップ111が埋め込まれた位置にICチップ111を覆い隠すように配置する。さらに、その両側から、いずれも長さ100mm、幅80mm、0.38mm厚、ポリ塩化ビニル樹脂製の第3基材119及び第6基材131を、第1基材117を完全に覆い隠すように重ね合わせ、さらに、第6基材131の外側から、10mm角、厚さ35μmの両面電極形成フレキシブル基板にてなる外部接続用端子132を所定の位置に配置する。そして、プレス機により、第3基材119及び第6基材131にて第1基材117をサンドイッチして、140℃、392×104Pa、30分の加熱加圧条件でラミネートし、一体型の第1接触、非接触ICカード106を製造した。
尚、上述の説明にて記した各値は、いずれも一例であり、これらに限定されるものではない。
【0058】
第7実施例;
該第7実施例は、上記第2接触、非接触ICカード107の実施例である。
上記第6実施例において、上記スルーホール133、及び導電部材134を形成した第7基材135を、第1基材117の上記第2面117b側で第1基材117を覆って配置する。一方、第1基材117の上記第1面117a側には、第6基材131に代えて第2基材118を配置する。外部接続用端子132を配置する際、第7基材135の外側から所定の位置に配置して、一体型の第2接触、非接触ICカード107を製造した。
尚、その他の材料、製造工程、条件は、第6実施例の場合に同じである。
【0059】
第8実施例;
該第8実施例は、上記第3接触、非接触ICカード108の実施例である。
上記第6実施例において、第3基材119の外側から、第1基材117に埋め込まれているICチップ111に対応する位置にてICチップ111を覆い隠すように補強板116を第3基材119上に配置する。その上に、第3基材119を完全に覆い隠すように、第4基材121を重ね合わせる。さらに、第6基材131の外側から、外部接続用端子132を所定の位置に配置して、一体型の第3接触、非接触ICカード108を製造した。
その他の材料、製造工程、及び条件は、第7実施例の場合に同じである。
【0060】
第9実施例;
該第9実施例は、上記第4接触、非接触ICカード109の実施例である。
上記第7実施例において、第1基材117に埋め込まれたICチップ111を覆い隠す位置で、第2基材118の外側に、第2補強板123を配置する。一方、第1基材117の上記第2面117bには、上記ジャンパー線115のみを形成し補強板116は設けない。そして上記第2面117b側にて、第1基材117を覆って、上記第7基材135を設ける。一方、上記第2補強板123の上に、第2基材118を完全に覆い隠すように第5基材122を重ね合わせ、さらに、第7基材135の外側から、外部接続用端子132を所定の位置に配置して、一体型の第4接触、非接触ICカード109を製造した。
その他の材料、製造工程、及び条件は、第7実施例の場合に同じである。
【0061】
第10実施例;
該第10実施例は、上記第5接触、非接触ICカード110の実施例である。上記第7実施例において、第1基材117に埋め込まれたICチップ111を覆い隠すようにして、5mm角、厚さ50μm、ステンレス製の第2補強板123を第2基材118上に配置する。そして第2基材118を完全に覆い隠すように第5基材122を重ね合わせ、一体型の第5接触、非接触ICカード110を製造した。尚、上記第2補強板における上記値及び材質は一例であり、限定するものではない。
その他の材料、製造工程、及び条件は、第7実施例の場合に同じである。
【0062】
第11実施例;
上記第1実施例における第1基材117、第2基材118、及び第3基材119について、長さ100mm、幅80mm、0.38mm厚のポリエステル樹脂を使用して、一体型の非接触ICカードを製造した。
その他の材料、製造工程、及び条件は、第1実施例の場合に同じである。
【0063】
上記第1実施例における補強板116について、4mm角、厚さ50μmのステンレス板を使用して、一体型の非接触ICカードを製造した。
【0064】
第12実施例;
上記第1実施例における補強板116について、7mm角、厚さ50μmのステンレス板を使用して、一体型の非接触ICカードを製造した。
【0065】
第13実施例;
上記第6実施例における外部接続用端子132について、15mm角、厚さ20μmの両面電極形成フレキシブル基板を使用して、一体型の接触、非接触ICカードを製造した。
【0066】
上述した第1実施例から第13実施例について、下記の比較例1及び比較例2における各サンプルを各10個ずつ作製し、各種の信頼性試験後の接合不良率を調べた。尚、各比較例1、2は、図22及び図23に示される従来のICカードに相当する。
比較例1;
ガラス−エポキシ基板で、20mm角、厚さ0.4mmの回路基板2に、4mm角、厚さ0.35mmのICチップ1を実装し、ついで、上記ICチップ1の電極と上記回路基板2の電極とを、金ワイヤー製、線径25μmの金属配線4で結線し、さらに、エナメル被服付銅線で、線径0.2mm、10ターンのコイル3を回路基板2にはんだ付けした。これを所定の金型に入れ、カード用樹脂材料5を射出成形して、ICカード10を製造した。
【0067】
比較例2
ガラス−エポキシ基板で、20mm角、厚さ0.4mmの外部電極端子基板6の外部電極端子側の裏面に、4mm角、厚さ0.35mmのICチップ1を実装し、ついで、ICチップ1の電極と外部電極端子基板6の電極とを、金ワイヤー製、線径25μmの金属配線4で結線し、さらに、エナメル被服付銅線で、線径0.2mm、10ターンのコイル3を外部電極端子基板6にはんだ付けした。これを所定の金型に入れ、カード用樹脂材料5を射出成形して、接触、非接触ICカード15を製造した。
【0068】
上記実施例1〜13と上記比較例1、2の上記サンプルとについて、85℃85%RH、2000時間経過後の第1条件、ヒートサイクル500回の第2条件における上記接合不良率(%)では、上記実施例1〜13は、上記第1条件及び第2条件ともに0%であるのに対して、上記比較例1は上記第1条件で30%、上記第2条件で50%、上記比較例2は上記第1条件で20%、上記第2条件で30%の接合不良率となった。
このように、各実施形態のICカード101〜110は、従来のICカード10、15に比べて接合不良の発生が無いことが実証された。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の第1態様のICカード、及び第2態様のICカードの製造方法によれば、第1基材にICチップを埋設し、該第1基材に上記ICチップと電気的に接続されて形成した通信用配線、及び該通信用配線と電気的に接続されるジャンパー線を形成した。そして第2基材及び第3基材を設け、このような第1基材を間に第2基材及び第3基材にてサンドイッチするようにした。したがって、ICチップと、通信用配線及びジャンパー線との電気的接続に金属配線を使用しないので、ICチップ、通信用配線、及びジャンパー線間では、確実に電気的接続がなされ、第2基材及び第3基材にてサンドイッチするときにも断線等の不具合発生を防止することができる。よって、当該ICカ−ドは、接合不良の発生がなく高信頼性を有することができる。
【0070】
又、ICチップを第1基材に埋め込むことから、簡易な構造でICチップの保護を図ることができる。
さらに、上述のように、基本的に、ICチップの埋め込み、通信用配線及びジャンパー線の形成が行なわれた第1基材に対して、第2基材及び第3基材にてサンドイッチしてICカードを作製するという作業工程であることから、従来に比べて構造が単純であり作業工程が少ない。よって、低コストなICカードを実現することができる。
【0071】
さらに、補強板を設けることで、ICチップの保護強化を図ることができるとともに、ICカード自体の剛性を増すことができる。
又、外部接続用端子を設けることで、接触、非接触ICカードを構成することもできる。
【0072】
又、上記基材について、熱可塑性樹脂にてなるシート状のものを用いることで、接着剤を用いることなしに、ラミネ−トすることでICカードを製造できるという作用を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態における非接触ICカードの断面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態における非接触ICカードの断面図である。
【図3】 本発明の第3実施形態における非接触ICカードの断面図である。
【図4】 本発明の第4実施形態における非接触ICカードの断面図である。
【図5】 本発明の第5実施形態における非接触ICカードの断面図である。
【図6】 本発明の第6実施形態における接触、非接触ICカードの断面図である。
【図7】 本発明の第7実施形態における接触、非接触ICカードの断面図である。
【図8】 本発明の第8実施形態における接触、非接触ICカードの断面図である。
【図9】 本発明の第9実施形態における接触、非接触ICカードの断面図である。
【図10】 本発明の第10実施形態における接触、非接触ICカードの断面図である。
【図11】 本発明の第1実施形態における非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図12】 本発明の第1実施形態における非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図13】 本発明の第1実施形態における非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図14】 本発明の第1実施形態における非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図15】 本発明の第1実施形態における非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図16】 本発明の第1実施形態における非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図17】 本発明の第1実施形態における非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図18】 本発明の第1実施形態における非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図19】 本発明の第6実施形態における接触、非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図20】 本発明の第6実施形態における接触、非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図21】 本発明の第6実施形態における接触、非接触ICカードの製造方法を工程順に説明するための図である。
【図22】 従来の非接触ICカードの断面図である。
【図23】 従来の接触、非接触ICカードの断面図である。
【符号の説明】
101…第1非接触ICカード、102…第2非接触ICカード、
103…第3非接触ICカード、104…第4非接触ICカード、
105…第5非接触ICカード、106…第1接触、非接触ICカード、
107…第2接触、非接触ICカード、
108…第3接触、非接触ICカード、
109…第4接触、非接触ICカード、
110…第5接触、非接触ICカード、
111…ICチップ、113…コイル配線、115…ジャンパー線、
116…補強板、117…第1基材、117a…第1面、
117b…第2面、118…第2基材、119…第3基材、
121…第4基材、122…第5基材、123…第2補強板、
131…第6基材、132…外部接続用端子、132a…露出面、
134…導電部材、135…第7基材。
Claims (11)
- バンプを形成したICチップが埋め込まれる板状の第1基材であって、当該第1基材の厚み方向における第1面に対向する第2面に上記ICチップを押圧して上記第1面に上記バンプが露出する程度に上記ICチップが埋設され、かつ上記厚み方向に沿って当該第1基材を貫通するスルーホールが形成された第1基材と、
上記ICチップの上記バンプと電気的に接続されて上記第1面に形成される配線と、
上記配線と上記スルーホールに充填された導電性ペーストとを介して電気的に接続されて上記第2面に形成されるジャンパー線と、
上記第1面及び上記配線を覆う第2基材と、
上記第2面及び上記ジャンパー線を覆い上記第2基材とによって上記第1基材を間にサンドイッチする第3基材と、
を備えたことを特徴とするチップ内蔵基材。 - 上記第1基材、上記第2基材、及び上記第3基材は、熱可塑性樹脂にてなり、上記第2基材と上記第3基材とによって上記第1基材をサンドイッチすることで上記配線は上記第1基材に埋め込まれ、かつ上記ジャンパー線は上記第3基材に埋め込まれる、請求項1記載のチップ内蔵基材。
- 上記第1基材、上記第2基材、及び上記第3基材は、同じ厚さにてなる、請求項1又は2記載のチップ内蔵基材。
- 上記厚み方向において上記第1基材の上記第2面上、上記第2基材上、及び上記第3基材上の少なくとも一つにて上記ICチップを覆い設けられ上記ICチップ部分の補強を行なう補強板をさらに備えた、請求項1から3のいずれかに記載のチップ内蔵基材。
- 上記配線又は上記ジャンパー線と電気的に接続され外部の端子と接触可能な露出面を有する外部接続用端子をさらに備えた、請求項1から4のいずれかに記載のチップ内蔵基材。
- 上記外部接続用端子は、上記露出面を外部に露出させて上記第2基材又は上記第3基材に埋め込まれる、請求項5記載のチップ内蔵基材。
- 上記配線及び上記ジャンパー線は、導電性ペーストにて形成される、請求項1から6のいずれかに記載のチップ内蔵基材。
- 板状であり、その厚み方向に沿って貫通するスルーホールを有する第1基材の上記厚み方向における第1面に対向する第2面に、バンプを形成したICチップを押圧して上記第1面に上記バンプが露出する程度に上記ICチップを上記第1基材に埋設し、
上記スルーホールに導電性ペーストを充填し、
上記第1基材の上記第1面に、上記ICチップの上記バンプと電気的に接続される配線を形成し、
上記第1基材の上記第2面に、上記配線と上記導電性ペーストを介して電気的に接続されるジャンパー線を形成し、
上記配線及び上記ジャンパー線の形成後、上記第1面及び上記配線を覆う第2基材、並びに上記第2面及び上記ジャンパー線を覆う第3基材にて、上記第1基材をサンドイッチすることを特徴とするチップ内蔵基材の製造方法。 - 上記第1基材、上記第2基材、及び上記第3基材は、熱可塑性樹脂で同じ厚さにてなり、上記第2基材と上記第3基材とによって上記第1基材をサンドイッチするとき、上記配線を上記第1基材に埋め込み、かつ上記ジャンパー線を上記第3基材に埋め込む、請求項8記載のチップ内蔵基材の製造方法。
- 上記第2基材及び上記第3基材による上記第1基材のサンドイッチ動作前に、上記厚み方向において上記第1基材の上記第2面上、上記第2基材上、及び上記第3基材上の少なくとも一つに、上記ICチップを覆って上記ICチップ部分の補強を行なう補強板を設ける、請求項8又は9記載のチップ内蔵基材の製造方法。
- 上記第2基材又は上記第3基材は、上記配線又は上記ジャンパー線と電気的に接続する導電部材と、該導電部材に電気的に接続され外部の端子と接触可能な露出面を有する外部接続用端子とを有し、上記配線及び上記ジャンパー線の形成後、上記導電部材と上記配線又は上記ジャンパー線とを電気的に接続させながら上記第2基材及び上記第3基材にて上記第1基材をサンドイッチする、請求項8から10のいずれかに記載のチップ内蔵基材の製造方法。
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