JP3868538B2 - 冷凍機構の配設構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷凍機構を構成する圧縮機、空冷凝縮器、ファンモータ、レシーバタンク等を、冷凍機構収納室の内部に効率的に配置することにより、省スペース化を図り得るようにした冷凍機構の配設構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製氷機構および冷凍機構を備える製氷ユニット部と、角氷を貯留する貯氷庫とを機構的に別体として独立分離し、必要な容量を有する貯氷庫と製氷ユニット部とを組合わせ、当該貯氷庫に製氷ユニット部を載置するようにしたスタックオンタイプの製氷機が知られている。図4および図5は、スタックオンタイプの製氷機の概略構成を示すものであって、該製氷機10は、製氷機構12および冷凍機構14を備えた製氷ユニット部16と、この製氷ユニット部16の下方に配置されて、製氷機構12で製造された氷塊を貯留する貯氷庫18とから構成されている。なお、製氷ユニット部16および貯氷庫18は機構的に別体として独立分離可能に構成され、必要な容量を有する貯氷庫18と製氷ユニット部16とを任意に組合わせることができるよう構成されている。
【0003】
製氷ユニット部16は、直方体形状に形成された筐体20の内部における略中間部に仕切板22が介装されて、内部を製氷機構収納室Aと冷凍機構収納室Bとに画成している。製氷機構収納室Aの上方には2本の支持梁24,24が所定間隔離間して平行に配設され、該支持梁24,24の下部に製氷機構12が懸吊支持されている。また、前記冷凍機構収納室Bには底板26が配設され、この底板26に、圧縮機28、空冷凝縮器30、ファンモータ32、レシーバタンク34等からなる冷凍機構14が載置され、前記製氷機構12に内蔵した蒸発管36に冷凍機構14を介して冷媒を供給するよう構成されている。
【0004】
前記冷凍機構収納室Bにおける冷凍機構14の配置関係は、図4に示す如く、内部最奥部に空冷凝縮器30が空気の吸排気面を前後に指向させた前後向きに配置されると共に、該空冷凝縮器30は、後面が開放するカバー38で覆われている。またカバー38における前面の幅方向中央に開口38aが開設され、該開口38aと対応する位置にファンモータ32が配置される。前記筐体20における冷凍機構収納室Bと対応する前面および右側面には、外部空気の吸気口20aが夫々形成されると共に、空冷凝縮器30と対向する後面に排気口20bが形成されている。そして、ファンモータ32の回転により吸気口20a,20aから吸引された外部空気は、空冷凝縮器30に接触してこれを冷却した後、温風として排気口20bから外部に排出されるようになっている。
【0005】
前記ファンモータ32の設置位置より前側に、前記圧縮機28とレシーバタンク34とが幅方向に略整列して配置されると共に、冷凍機構収納室Bの内部最前部には、製氷機全体の動作を制御するマイコンに代表される制御回路や、製氷機構12および冷凍機構14の各種電動機に関連する電気部品が内蔵された電装箱40が配置されている。
【0006】
なお、例えば夏季においては周囲温度が上昇するために、前記空冷凝縮器30のみでは冷媒の凝縮能力が低下してしまい、角氷の消費量が多くなるのにも拘らず製氷機10の製氷能力が低下する問題がある。そこで、前記製氷機10では、前記仕切板22における製氷機構収納室A側にカバー体42を設け、該カバー体44と仕切板22とにより画成される空間内に水冷凝縮器44を配設している。すなわち、常には空冷凝縮器30により冷媒の凝縮作用を行なわせ、夏季等のように周囲温度が上昇した場合には、水冷凝縮器44を作動させて空冷凝縮器30との併用により冷媒の凝縮作用を効率的に行なわせることで、製氷能力が低下するのを防止して、角氷の安定供給を維持する構成が採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記冷凍機構収納室Bの内部に空冷凝縮器30を前後向きに設置する場合は、収納室Bの幅寸法は空冷凝縮器30の幅寸法に規制されてしまい、省スペース化を図り得ない難点があった。また、点検や部品効換率の高いファンモータ32が奥側に配置されているため、ファンモータ32の点検や部品交換には時間と技術とを要した。しかも、前述したスタックオンタイプの製氷機では、図6に示すように、貯氷庫18の上部に複数(図示例では2基)の製氷ユニット部16を段積みすることも行なわれているが、この場合における下段の製氷ユニット部16におけるファンモータ32の点検や部品交換に際しては、上段の製氷ユニット部16を取外さないと行なうことができず、更に時間と手間が掛かる欠点も指摘される。
【0008】
また、筐体20の前面に形成した吸気口20aとファンモータ32との間に電装箱40や圧縮機28が存在しているため、該吸気口20aからの外部空気の吸引に際しての抵抗は大きく、外部空気の吸引量が少なくなることにより空冷凝縮器30の空冷が効率的に行なわれなくなって冷凍能力が低下する難点もあった。更に、筐体20の後面に熱交換を終えて暖まった空気を排出する排気口20bが形成されているため、製氷機10を設置する際には該製氷機10の後面と設置場所の壁面との間に所要の空間を設ける必要があり、設置スペースが大きくなったり、場合によっては空間が設けられないために設置できないこともある。
【0009】
前記水冷凝縮器44の冷却に使用される水は、夏季には20〜30℃程度になることもあり、また高温の冷媒がパイプ内を流通するので、カバー体42で覆ってはいても水冷凝縮器44から発生する熱によって製氷機構収納室A内の温度が上昇し、これによって製氷能力が低下する問題があった。この場合に、水冷凝縮器44を冷凍機構収納室Bに配設すれば問題は解決するものの、現在の冷凍機構14の配置関係では、水冷凝縮器44に接続される水や冷媒の配管がファンモータ32に近接したり接触するおそれがあると共に、一度取付けてしまうとファンモータ32の点検や部品交換に際しての分解取出しが不可能になるおそれもあるため、前述した問題はあるものの製氷機構収納室Aに設けているのが実情であった。
【0010】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、冷却機構収納室の幅寸法を小さくし得ると共に、冷凍能力を向上させ得る冷凍機構の配設構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明に係る冷凍機構の配設構造は、
筐体の内部に画成した冷凍機構収納室に、冷凍機構を構成する圧縮機、空冷凝縮器、ファンモータ、レシーバタンク等を配設する構造であって、
前記冷凍機構収納室を画成する幅方向一方の側面に沿って、空気の排気面が該収納室の幅方向一方の側面を指向する横向きで空冷凝縮器を配置し、
前記空冷凝縮器を覆うカバーの収納室内方を指向する内側面部に開設した開口と対応する位置に前記ファンモータを配置すると共に、この内側面部の一部に、当該内側面部と対向するカバーの外側面部に向けて後退する傾斜部を形成し、
前記カバーの傾斜部により生ずる空冷凝縮器側に凹む部位に、前記レシーバタンクを配置し、
前記レシーバタンクに近接する位置に、前記ファンモータと前後方向に略同列の関係で前記圧縮機を配置するよう構成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る冷凍機構の配設構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら説明する。なお、図4および図5に関連して、従来の技術で説明した部材と同一の部材については、同じ符号で指示して詳細説明は省略する。また説明の便宜上、「前後」および「左右」とは、冷凍機構収納室を基準として指称するものとする。
【0013】
図1に示す如く、製氷ユニット部16における筐体20の内部に画成した冷凍機構収納室Bの内部において、製氷機構収納室Aから離間する幅方向の右側面に近接して、空気の排気面を冷凍機構収納室Bにおける幅方向の右側面に指向した横向き状態で空冷凝縮器46が右側面に沿って配置されている。この空冷凝縮器46は、冷凍機構収納室Bの右側面を指向する外側面部(右側面)f2が開放するカバー48により覆われており、該カバー48の収納室Bの内方を指向する内側面部(左側面)f1には、前側に偏った位置に開口48aが開設されている。そして、このカバー48の開口48aと対応する位置に、ファンモータ32が空冷凝縮器46を指向する横向きで設置されている。また、筐体20の冷凍機構収納室Bと対応する前面に外部空気の吸気口20aが形成されると共に、右側面に排気口20bが形成され、ファンモータ32の回転により吸気口20aから吸引された外部空気は、空冷凝縮器46に接触してこれを冷却した後、温風として排気口20bから外部に排出されるよう構成されている。なお、図1において符号50はトランスを示す。
【0014】
前記カバー48の内側面部f1には、図1に示す如く、前記開口48aが形成される位置より後側の面に、奥側に向かうにつれて外側面部f2に後退するよう傾斜する傾斜部48bが形成され、この傾斜部48bによりカバー48の左側には、空冷凝縮器46に向けて凹む凹部Sが画成される。そして、カバー48の傾斜部48bにより画成される凹部Sに、前記レシーバタンク34が配置されると共に、該タンク34の配設位置の左側に隣合って圧縮機28が配置されるようになっている。すなわち圧縮機28は、図1および図2に示す如く、前記ファンモータ32に対して前後方向に略同列で位置し、これにより冷凍機構収納室Bの内部幅寸法を小さくすることが可能となった。
【0015】
すなわち、空冷凝縮器46を冷凍機構収納室Bの右側面に沿って横向きに配置することにより、該収納室Bの内部幅寸法を空冷凝縮器46の幅寸法に規制されることなく小さくすることができる。また空冷凝縮器46のカバー48の傾斜部48bにより形成される凹部Sにレシーバタンク34を配置することで、圧縮機28を空冷凝縮器46側に近接して設置することが可能となり、冷凍機構収納室Bの幅寸法を小さく設定して、製氷機自体の小型化を図ることが可能となる。更に、点検や部品効換率の高いファンモータ32は圧縮機28やレシーバタンク34の配設位置より前側に配置したから、ファンモータ32の点検や部品交換を筐体20の前面側から短時間で容易に行なうことができる。これにより、貯氷庫18の上部に複数の製氷ユニット部16を段積みした場合であっても、上段の製氷ユニット部16を取外すことなく下段の製氷ユニット部16におけるファンモータ32の点検や部品交換を簡単に行ない得る。
【0016】
前記冷凍機構収納室Bを画成する仕切板22の収納室B側に、水冷凝縮器44が配設され、該凝縮器44への水や冷媒の配管は冷凍機構収納室Bの内部奥側に配設されるようになっている。この場合に、空冷凝縮器46を冷凍機構収納室Bの右側面に沿って横向きに配置したことにより、該収納室Bの奥側に空間的な余裕があり、しかもファンモータ32は筐体20の前面側からの取扱いが容易な前部側に位置しているので、水冷凝縮器44の配管を冷凍機構収納室Bに配設してもファンモータ32の点検や部品交換に支障を来たすことはない。また水冷凝縮器44を冷凍機構収納室Bに配設したことにより、水冷凝縮器44のパイプ内を流通する冷媒や冷却水等によって製氷機構収納室A内の温度が上昇することはなくなる。しかも、冷凍機構収納室Bには、前記ファンモータ32により外部空気が導入されるため、この外部空気によって水冷凝縮器44自体が空冷されるので熱交換効率が向上し、冷凍能力が向上する。なお、水冷凝縮器44を覆うカバー体も省略することができる。
【0017】
また、前記ファンモータ32を回転することにより前面の吸気口20aから吸引した外部空気を、筐体20の右側面の排気口20bから外部に排出するようにしたから、製氷機10の後面を壁面に密着して設置することができ、設置スペースを小さくすることが可能となる。しかも、ファンモータ32と吸気口20aとの間に圧縮機28やレシーバタンク34は存在しないから、外部空気の吸込抵抗を小さくすることができ、必要充分な空気を吸込んで空冷凝縮器46の効率的な空冷を達成して冷凍能力を向上し得る。
【0018】
【変形例について】
図3は、冷凍機構の配設構造の変形例を示すものであって、冷凍機構収納室Bの前部側に配設される電装箱40を、前後方向の長さを長くして幅寸法を短かく設定する。そして、この電装箱40を前記仕切板22に近接する位置に配置することで、図に示す如く、ファンモータ32と筐体前面の吸気口20aとの間に画成される空気通路を大きく設定するよう構成してある。すなわち、吸気口20aからの外部空気の吸引に際して電装箱40に起因する抵抗は少なくなり、ファンモータ32を回転した際には、吸気口20aから必要充分の外部空気を収納室内に効率的に吸引することができ、空冷凝縮器46の熱交換効率を高めることが可能となる。また、ファンモータ32の前部側に大きな電装箱40を配置しないから、該モータ32の筐体前面側からの点検や部品交換が更に容易となる。なお、電装箱40による空気抵抗が減少することにより、ファンモータ32や圧縮機28を大型化して能力低下を防止する対策を採る必要はなく、製造コストやランニングコストを低廉に抑えることもできる。
【0019】
なお、実施例ではスタックオンタイプの製氷機を例に挙げて説明したが、本願はこれに限定されるものでなく、冷凍機構を備える装置であるならば、例えば冷蔵庫や冷凍庫に本発明を応用することもできる。また空冷凝縮器のみを使用する冷凍機構であっても、冷凍機構収納室の幅寸法を小さくし得る効果を奏する。
【0020】
【発明の効果】
以上に述べた如く、本発明に係る冷凍機構の配設構造によれば、空冷凝縮器を冷凍機構収納室の幅方向一方の側面に沿って横向きに配置することにより、該収納室の内部幅寸法を空冷凝縮器の幅寸法によって規制されることなく小さく設定することができる。また空冷凝縮器のカバーにおける傾斜部により形成される凹部にレシーバタンクを配置することで、圧縮機を空冷凝縮器に近接して設置することが可能となり、冷凍機構収納室の幅寸法を小さく設定して、製氷機自体の小型化を図り得る。
【0021】
また水冷凝縮器を冷凍機構収納室の内部に配置することで、ファンモータにより導入される外部空気によって水冷凝縮器自体を空冷することができ、熱交換効率を向上して冷凍能力を向上させ得る利点も有する。更に、従来のように水冷凝縮器を製氷機構が収納される製氷機構収納室に配設する場合のように、水冷凝縮器から発生する熱によって製氷機構収納室内の温度が上昇して製氷機構の製氷能力が低下するのを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る冷凍機構の配設構造を採用したスタックオンタイプの製氷機を一部破断して示す平面図である。
【図2】 実施例に係る製氷機を一部破断して示す正面図である。
【図3】 実施例に係る冷凍機構の配設構造の変形例を採用した製氷機を一部破断して示す概略平面図である。
【図4】 従来の技術に係る冷凍機構の配設構造を採用したスタックオンタイプの製氷機の横断平面図である。
【図5】 従来の技術に係る製氷機を一部破断して示す正面図である。
【図6】 従来の技術に係る製氷ユニット部を2段積みした製氷機を一部破断して示す正面図である。
【符号の説明】
14 冷凍機構,20 筐体,28 圧縮機,32 ファンモータ
34 レシーバタンク,44 水冷凝縮器,46 空冷凝縮器,48 カバー
48a 開口,48b 傾斜部,B 冷凍機構収納室,f1 内側面部
f2 外側面部
Claims (2)
- 筐体(20)の内部に画成した冷凍機構収納室(B)に、冷凍機構(14)を構成する圧縮機(28)、空冷凝縮器(46)、ファンモータ(32)、レシーバタンク(34)等を配設する構造であって、
前記冷凍機構収納室(B)を画成する幅方向一方の側面に沿って、空気の排気面が該収納室(B)の幅方向一方の側面を指向する横向きで空冷凝縮器(46)を配置し、
前記空冷凝縮器(46)を覆うカバー(48)の収納室内方を指向する内側面部(f1)に開設した開口(48a)と対応する位置に前記ファンモータ(32)を配置すると共に、この内側面部(f1)の一部に、当該内側面部(f1)と対向するカバー(48)の外側面部(f2)に向けて後退する傾斜部(48b)を形成し、
前記カバー(48)の傾斜部(48b)により生ずる空冷凝縮器側に凹む部位に、前記レシーバタンク(34)を配置し、
前記レシーバタンク(34)に近接する位置に、前記ファンモータ(32)と前後方向に略同列の関係で前記圧縮機(28)を配置するよう構成した
ことを特徴とする冷凍機構の配設構造。 - 前記冷凍機構収納室(B)におけるファンモータ(32)および圧縮機(28)を挟んで空冷凝縮器(46)が配置される側と反対側の側面に沿って水冷凝縮器(44)を配置した請求項1記載の冷凍機構の配設構造。
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1996
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