JP3868068B2 - 植木鉢収容ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植木鉢を容易に梱包し、取り出すことのできる植木鉢収容ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、植木鉢を輸送等する際に、これを梱包する場合には、図15に示すように、紙製収容ケース30とダンボールゲス31とが用いられている。これらを用い、植木鉢32を収容ケース30に梱包する場合には、植木鉢32に植えた草木33等の外周部に透明なシート34を筒状に巻き付け、この植木鉢32をダンボールゲス31に設けた固定孔31aに差し込んで固定し、そののち、このダンボールゲス31を収容ケース30の上端開口部30aから内部に入れて底部に載置したのち、蓋30bで上端開口部30aを閉蓋するようにしている。一方、植木鉢32を収容ケース30から取り出す場合には、収容ケース30の蓋30bを開蓋したのち、上端開口部30aから内部に手を差し入れ、底部に載置した植木鉢32を外部に取り出すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このものでは、植木鉢32を収容ケース30に梱包する場合には、植木鉢32をダンボールゲス31の固定孔31aに差し込んだのち、このダンボールゲス31を収容ケース30の上端開口部30aから内部に入れて底部に載置しなければならず、これらの作業に手間取る。また、収容ケース30から植木鉢32を取り出す場合には、収容ケース30の上端開口部30aから内部に手を差し入れて植木鉢32を取り出さなければならず、この作業がしずらい。しかも、輸送中等に植木鉢32がダンボールゲス31の固定孔31aから上方に抜け出し、草木33等を傷付ける。さらに、収容ケース30の上端開口部30aを蓋30bで閉蓋しても、上端開口部30aと蓋30bとの間に隙間が生じやすく、また、植木鉢32に植えた草木33等の外周部をシート34で筒状に巻き付けただけであるため、保温性が悪い。例えば、北海道等に輸送する場合には、輸送中に草木33等が外気により悪影響を受けて変色等する。また、植木鉢32以外に収容ケース30,ダンボールゲス31が必要であり、部品点数が多く、また、嵩張る。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、梱包作業や取り出し作業がしやすく、しかも、輸送中等に植木鉢が抜け出ることがなく、さらに、保温性が良くて部品点数の少ない植木鉢収容ケースの提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の植木鉢収容ケースは、合成樹脂製板状体により一体成形されたケースであって、底面部と、この底面部の左右両側縁から延び根元から折り曲げ自在に形成された左右両蓋部とからなり、上記底面部に植木鉢を載置する載置部を形成し、上記左右両蓋部の下部にそれぞれ植木鉢を位置決め固定する固定部を設けるとともに、この固定部の上側に、植木鉢が上方に抜け出すのを防止する突部を設けたという構成をとる。
【0006】
すなわち、本発明の植木鉢収容ケースは、合成樹脂製板状体により一体成形されており、底面部と、この底面部の左右両側縁から延び根元から折り曲げ自在に形成された左右両蓋部とからなっている。したがって、本発明の植木鉢収容ケースに植木鉢を梱包する場合には、左右両蓋部を外側に折り曲げて底面部の左右両側に左右両蓋部を拡げた状態にし、その状態で、底面部に形成した載置部に植木鉢を横側方から載置したのち、左右両蓋部を内側に折り曲げて閉蓋することを行う。この状態では、左右両蓋部の下部に設けた固定部により植木鉢は位置決め固定されており、また、固定部の上側に設けた突部により、植木鉢が上方に抜け出すのが防止されている。一方、植木鉢を取り出す場合には、左右両蓋部を開蓋して外側に折り曲げ底面部の左右両側に拡げたのち、横側方から手を入れて植木鉢を取り出すことを行う。このように、本発明の植木鉢収容ケースでは、梱包作業および取り出し作業が容易に行える。しかも、左右両蓋部に突部を設けているため、輸送中等に植木鉢が上方に抜け出すことがない。さらに、一体成形された合成樹脂製板状体により植木鉢の全体が覆われているため、保温性が良い。また、合成樹脂製板状体により一体成形されているため、部品点数が少なく、嵩張ることもない。また、本発明において、上記突部の上面が下り傾斜面に形成されている場合には、輸送中等に、植木鉢に収容されていた土壌類が植木鉢から飛び出して突部の上方に飛び散ったとしても、上記突部の上面を伝って流下し、植木鉢に戻るため、輸送後等に開梱した際に、見栄えがよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0008】
図1〜図4は本発明の植木鉢収容ケース1の一実施の形態を示している。これらの図において、2は底面部であり、3は上記底面部2の右側縁に右側折り曲げ部2a(図5参照)を介して内側に折り曲げ自在に連結された右側蓋部であり、4は上記底面部2の左側縁に左側折り曲げ部2b(図5参照)を介して内側に折り曲げ自在に連結された左側蓋部である。これら各部2〜4は、厚み0.5mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製透明板を真空成形により型成形して一体成形した(図5参照)ものであり、底面部の長手方向に沿う中心線に対し左右対称形に形成されている(なお、後述する左右両蓋部3,4の係合用凹部26a,27aおよび被係合用突部26b,27bの形状が異なる)。このような植木鉢収容ケース1には、その内部に、草木6を植えた植木鉢5(図14照)を3個収容することができる。この植木鉢5には、その内部に、土壌として、ハイドロボール(特殊な人工土)が収容されている。
【0009】
上記底面部2には、図6および図7に示すように、その前後方向に、植木鉢5を載置する3つの載置部10が設けられている。これら各載置部10は、内外二重に設けた円環状の台部11,12からなり、両台部11,12の上面が植木鉢5の載置面11a,12aに形成されている。また、上記底面部2には、図8および図9に示すように、その前後両側部に側壁部13,14が形成されているとともに、各載置部10間に仕切り壁部15が形成されている。そして、上記両仕切り壁部15の前後両側面,前側壁部13の後面および後側壁部14の前面が、植木鉢5の外周面に沿う湾曲面に形成されており、この湾曲面により植木鉢5を位置決め固定できるようにしている。また、各壁部13〜15の左右両側面は傾斜面に形成されており、閉蓋時に後述する左右両蓋部3,4の下部の傾斜面3a,4aが当接するようにしている。また、前側壁部13の前面および後側壁部14の後面に、閉蓋時に後述する左右両蓋部3,4の折り返し壁29が当接する段部13a,14aが形成さている。
【0010】
上記左右両蓋部3,4の下部は、上記底面部2の各壁部13〜15の左右両側面(傾斜面)に対応する傾斜面3a,4aと、この傾斜面3a,4aの上端縁から延びる垂直面3b,4bとを備えている。また、上記左右両蓋部3,4の下部には、それぞれ、上記載置部10に対応する部分に、図10に示すように、植木鉢5の外周面に沿う半円弧状の固定部17が形成されており、各固定部17により植木鉢5を位置決め固定できるようにしている。また、上記固定部17の上部には、植木鉢5が上方に抜け出すのを防止する段部(突部)18が形成されている。上記段部18には、図11および図12に示すように、上記各固定部17に対応する部分に、上記各固定部17と同心状で、上記各固定部17より小径の半円弧状の凹部19が形成されており、この凹部19の内周面が垂直面に形成されている。また、上記凹部19の上面は、この凹部19より大径の下り傾斜面22に形成されている。このような段部18の上部に、左右両蓋部3,4の略全長にわたって延びる略長方形状の草木6収容用の凹部24が形成されており、この凹部24の側壁に所定間隔をあけて7本の補強用リブ25が上下方向に形成されている。図6において、26aは上記段部18の内側面に設けた四角形状の係合用凹部であり、26bは上記係合用凹部26aに着脱自在に嵌合しうる円筒形状の被係合用突部である。このような係合用凹部26aおよび被係合用突部26bは、上記段部18の内側面に、相対峙するようにして形成されている。また、27aは上記左右両蓋部3,4の手提げ部28の内側面に設けた四角形状の係合用凹部であり、27bは上記係合用凹部27aに着脱自在に嵌合しうる円筒形状の被係合用突部である。このような係合用凹部27aおよび被係合用突部27bは、上記手提げ部28の内側面に、相対峙するようにして形成されている。また、29は上記左右両蓋部3,4の前後両端部に設けた折り返し壁部である。
【0011】
上記構成において、植木鉢収容ケース1に植木鉢5を収容する場合には、図5に示すように、左右両蓋部3,4を底面部2の左右両側に拡げた状態にし、その状態で、底面部2の載置部10に横側方から植木鉢5を載置したのち、左右両蓋部3,4を内側に折り曲げて(図13参照)、手提げ部28の係合用凹部27aと被係合用突部27bを係合させることを行う。この閉蓋状態では、図14に示すように、左右両蓋部3,4の下部に設けた固定部17により植木鉢5は位置決め固定されているとともに、上記固定部17の上側に設けた段部18により、植木鉢5が上方に抜け出すのが防止されている。一方、植木鉢収容ケース1から植木鉢5を取り出す場合には、手提げ部28の係合用凹部27aと被係合用突部27bとの係合を外して、左右両蓋部3,4を外側に折り曲げたのち、横側方から手を入れ植木鉢5を取り出すことを行う。
【0012】
このように、上記実施の形態では、梱包作業および取り出し作業が容易に行える。しかも、左右両蓋部3,4に段部18を設けているため、輸送中等に植木鉢5が上方に抜け出すことがない。さらに、植木鉢収容ケース1で植木鉢5の全体が覆われているため、保温性が良い。また、植木鉢収容ケース1がPET透明板により一体成形されているため、部品点数が少なく、嵩張ることもない。そのうえ、段部18の上面が下り傾斜面22に形成されているため、輸送中等に植木鉢5内のハイドロボールが植木鉢5から飛び出して上方に飛び散っても、上記下り傾斜面22を伝って流下し、植木鉢5に戻る。
【0013】
【発明の効果】
以上のように、本発明の植木鉢収容ケースによれば、これに植木鉢を梱包する場合には、左右両蓋部を外側に折り曲げて底面部の左右両側に左右両蓋部を拡げた状態にし、その状態で、底面部に形成した載置部に植木鉢を横側方から載置したのち、左右両蓋部を内側に折り曲げて閉蓋することを行う。この状態では、左右両蓋部の下部に設けた固定部により植木鉢は位置決め固定されており、また、固定部の上側に設けた突部により、植木鉢が上方に抜け出すのが防止されている。一方、植木鉢を取り出す場合には、左右両蓋部を開蓋して外側に折り曲げ底面部の左右両側に拡げたのち、横側方から手を入れて植木鉢を取り出すことを行う。このように、本発明の植木鉢収容ケースでは、梱包作業および取り出し作業が容易に行える。しかも、左右両蓋部に突部を設けているため、輸送中等に植木鉢が上方に抜け出すことがない。さらに、一体成形された合成樹脂製板状体により植木鉢の全体が覆われているため、保温性が良い。また、合成樹脂製板状体により一体成形されているため、部品点数が少なく、嵩張ることもない。また、本発明において、上記突部の上面が下り傾斜面に形成されている場合には、輸送中等に、植木鉢に収容されていた土壌類が植木鉢から飛び出して突部の上方に飛び散ったとしても、上記突部の上面を伝って流下し、植木鉢の内部に戻る。したがって、輸送後等に開梱した際に、見栄えがよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の植木鉢収容ケースの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】上記植木鉢収容ケースの正面図である。
【図3】上記植木鉢収容ケースの側面図である。
【図4】上記植木鉢収容ケースの上面図である。
【図5】上記植木鉢収容ケースを拡げた状態を示す図である。
【図6】上記植木鉢収容ケースの内部説明図である。
【図7】上記植木鉢収容ケースの要部の断面図である。
【図8】底面部の断面図である。
【図9】底面部の正面図である。
【図10】右側蓋部の下部の要部断面図である。
【図11】右側蓋部の上部の要部断面図である。
【図12】右側蓋部の要部斜視図である。
【図13】梱包作業を示す説明図である。
【図14】上記植木鉢収容ケースに植木鉢を収容した状態を示す断面図である。
【図15】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 植木鉢収容ケース
2 底面部
3 右側蓋部
4 左側蓋部
5 植木鉢
10 載置部
17 固定部
18 段部
Claims (2)
- 合成樹脂製板状体により一体成形されたケースであって、底面部と、この底面部の左右両側縁から延び根元から折り曲げ自在に形成された左右両蓋部とからなり、上記底面部に植木鉢を載置する載置部を形成し、上記左右両蓋部の下部にそれぞれ植木鉢を位置決め固定する固定部を設けるとともに、この固定部の上側に、植木鉢が上方に抜け出すのを防止する突部を設けたことを特徴とする植木鉢収容ケース。
- 上記突部の上面が下り傾斜面に形成されている請求項1記載の植木鉢収容ケース。
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- 1997-07-24 JP JP19877597A patent/JP3868068B2/ja not_active Expired - Fee Related
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