JP3866408B2 - ディーゼルエンジンからの廃油発生防止方法 - Google Patents

ディーゼルエンジンからの廃油発生防止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
この発明は、発電設備等の動力源であるディーゼルエンジンから、潤滑油の廃油が発生するのを防止し、実質的に廃油零の状態でディーゼルエンジンを稼働し得るようにしたディーゼルエンジンからの廃油発生防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ディーゼルエンジンを動力源とする発電設備は、我が国には5000Kwクラスの設備で数百台が稼働しており、発電設備の自由化に伴って今後更に増加することが予想されている。これらの発電設備では、5000Kwの発電機1台に対して、1日当たり200から500リットルの潤滑油が廃油として発生しており、年間では100キロリットル以上の廃油が発生することとなる。従来、これらの廃油は、産業廃棄物処理業者に引き渡され、処理されている。処理方法としては比較的清浄なものは燃料に混入して燃焼させているが、大部分は焼却若しくは投棄しているのが現状である。しかしながら、潤滑油中には亜鉛や鉛の化合物のような金属系の無機物質が添加剤として混合されているために、燃焼させると大気汚染をもたらすと共に燃焼させる機器やボイラーに悪影響を与え、故障の原因となるおそれがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、現在稼働中のディーゼルエンジンの状況を把握し、エンジンをフラッシングしてエンジン内部を清掃し付着したスラッジを除去して清浄な状態に復元すると共に発生した廃油を補給用として再生し、稼働により連続的に混入してくる不純物を混入してくる不純物の量より大きな処理能力を有する不純物除去手段で連続的に除去し潤滑油を清浄に保持すると共に、稼働により変化する潤滑油の粘度や添加剤を正常値に復元させ、不純物除去に伴って発生する廃油を再生してエンジンに悪影響を与えない程度の量だけ燃料に混入して燃焼させ、更に燃料管理手段により燃料油の管理を行って潤滑油中に混入してくる不純物の絶対量を減少させることにより、実質的にディーゼルエンジンの潤滑油を廃油として処理する必要がないようにすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明が採った手段は、稼働中のディーゼルエンジンについて、エンジンの稼働年数、使用燃料、廃油発生量、燃料及び潤滑油の清浄方法、潤滑油の交換時間、エンジンのオーバーホールの間隔等を調査し、記録する第1段階と、水に界面活性剤を溶解した洗浄剤からなるフラッシング剤を潤滑油中に混入して、ディーゼルエンジンの内部をフラッシングするフラッシング処理の程度、回数を第1段階で得られた結果に基づいて行う第2段階と、該第2段階でフラッシング処理されたディーゼルエンジンで使用されている潤滑油を遠心分離機による遠心分離及び多数の薄紙を積層し積層間隙と平行に潤滑油を流過させて、ブラウン運動等により潤滑油中の1μm以上の不純物を紙の繊維に付着させて除去し、1μmより微細な不純物は潤滑油中の残存させるようにしたフィルターエレメントにより濾過して、潤滑油中から不純物を除去すると共に、潤滑油の粘度が変化した場合、粘度の低い補給用潤滑油の添加により粘度を正常値に戻すように粘度の調整を行い、かつ、潤滑油中に混入してきた凝固点の低い燃料油を、冷却手段で凝固させて系外に取出し、燃料油に混入して燃焼させるようにした第3段階と、燃料油を濾過して不純物を除去すると共に、ゲルブレーカーにより燃料油を微細化して燃焼効率を向上させる第4段階との、4つの段階からなりこれら4つの段階全てを組み合わせて適用することを特徴とする。
【0006】
エンジン内部の清浄化処理を行うフラッシング剤が、水100に対して2〜6%の界面活性剤を混合した洗浄剤からなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。この発明は、稼働中の5000Kwの発電設備の動力源であるディーゼルエンジンの現状を把握し、この発明による効果を確認すると共に、ディーゼルエンジンのオーバーホールの間隔を延長させるために、第1段階としてディーゼルエンジンの現状を調査、記録する。次に、第2段階として、本発明者が先に提案したエンジンのフラッシング方法を用いて、ディーゼルエンジンをフラッシングすると共に、フラッシング液と共に取り出された不純物を大量に含む潤滑油を清浄、再生して、補給用潤滑油として使用する。第3段階として、遠心分離手段やフィルター手段からなる不純物除去手段で連続的に潤滑油中に混入してくる不純物を連続的に除去する。不純物除去手段は、不純物の混入量より大なる除去能力を有していることが必要である。又、不純物除去手段から排出される廃油を再生して、ディーゼルエンジンに悪影響を与えない程度の量だけ燃料油に混入して燃焼させる。更に、潤滑油は、その減少量に見合った量の補給を行い、その補給時に変化している潤滑油の粘度や添加剤量を復元させる。第4段階として、燃料管理を適切に行って、燃焼の改善を行い、潤滑油中に混入してくる不純物量の減少を図るようにした、四つの段階の処理からなり、この四段階の処理を組み合わせることによって潤滑油が廃油となるのを防止し、実質的に潤滑油の廃油が零となる状態でディーゼルエンジンを稼働するようにしたことを特徴とする。次に、各段階の処理内容や手段を詳細に説明する。
【0010】
第1段階のディーゼルエンジンの現状の調査、記録は、稼働中の発電設備の動力源として用いられている全てのディーゼルエンジンについて、エンジンの稼働年数、使用燃料、廃油発生量、燃料及び潤滑油の清浄方法、潤滑油の交換時間、エンジンのオーバーホールの間隔等を調査し、記録する。これらの事項を把握しておくことにより、第2段階における必要とするフラッシング処理の程度、回数、第3段階における不純物除去能力、潤滑油の粘度や添加剤復元のための最適な補給方法等を決定する情報を得ることができると共に、この発明の方法による効果の確認を可能とする。
【0011】
第2段階のフラッシングは、水100に対して2〜6%の界面活性剤を混合して溶解した洗浄剤をフラッシング剤として用い、このフラッシング剤を全エンジンオイル量に対して0.5〜5%の割合でエンジンオイルに混入してフラッシングを行う。フラッシング後、フラッシング剤と共にエンジンオイルを抜き取り、新油を補給する。かかるディーゼルエンジンのフラッシング方法は、本発明者が先に特願平8−52683号において開示した方法である。界面活性剤は、例えばカルボキシ基、スルホン基、ナフテン基等の通常の石けん類やその他の硫酸エステル基、水酸基、オレイン硫酸エステル等の界面活性効果のある全ての水溶性界面活性剤を用いることが出来る。洗浄剤には、界面活性剤の他に必要の応じて、水溶性の防錆剤、水溶性の潤滑剤を混入しても良い。水溶性の防錆剤としては、極性基の活性剤が好ましく、特に有機スルホン酸の金属塩が好ましい。水溶性の潤滑剤としては、グリセロールモノリート、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、トリブチルフォスファイト等を用いることが出来る。防錆剤、潤滑剤の混入割合は、それぞれ20%以下とする。
【0012】
水溶性の洗浄剤を使用したフラッシングにより、エンジン各部に付着している油に溶けなかったスラッジを潤滑油中に溶解させ系外に排出、除去することが出来、エンジン内を清浄に復元することが出来ると共に、従来にフラッシングのようなフラッシングオイルの使用を必要としないため、フラッシングにより発生する廃油の量を減少させることが出来る。フラッシングにより、エンジンから取り出された潤滑油は多量のスラッジを含んでいるが、これを清浄、再生して補給用の潤滑油として使用し、潤滑油の廃油化を防止する。フラッシングは、一回だけではエンジン各部に付着したスラッジを全部取り出すことが出来ない場合もあるので、必要に応じて2,3回フラッシングを行う。例えば、キリ孔等に付着したスラッジはその除去がきわめて困難である。フラッシング後、清浄な潤滑油を注入する。
【0013】
第3段階は、第2段階によって、今までエンジン各部に付着していたスラッジを除去され、清浄となったエンジンの稼働によって、連続的に潤滑油に混入してくる不純物を、混入してくる不純物の量より大きな除去能力を有する不純物除去手段によって不純物を連続に除去して、あたかも人体の腎臓機能のように潤滑油を常に一定の清浄度に保持し、これによって実質的に潤滑油を廃油として排出することがないようにする。不純物除去手段としては、今まで使用されていた遠心分離、清浄機やフィルターを可能な限り使用しつつ、多数の薄紙を積層し積層間隙と平行に潤滑油を流過させて、潤滑油中の不純物をブラウン運動等により、エンジンの不完全燃焼物であるカーボンが潤滑油の添加剤に含まれるカルシューム、亜鉛、リン、マグネシューム等と反応して生成される固体粒子、燃料よりの不燃物及び金属摩耗粉等の個体不純物の内1μm以上の不純物を紙の繊維に付着させて潤滑油中から除去すると共に、1μmより微細な固体不純物は潤滑油中に残存させるようにしたフィルターエレメントによる不純物の除去を行う。第3段階の不純物除去手段の使用によって、若干の潤滑油が系外に取り出される。この潤滑油は、再生してエンジンに悪影響を与えない程度に燃料に混入して燃焼させる。
【0014】
第4段階は、上記した潤滑油の管理に加えて、燃料の管理をも同時に行い潤滑油中に混入してくる不純物の絶対量を減少させることを目的とする。燃料の管理は、ゲルブレーカーを用いて燃料を微粒子化し、燃焼効率を向上させたり、あるいは燃料タンクの上澄液をフローティングハイサクションのような上澄液取出装置で取り出して、不純物の少ない燃料を燃焼させるようにする。ゲルブレーカーや上澄液取出装置は、同時に併せて使用するのが好ましい。
【0015】
潤滑油は、使用に伴って粘度が上昇してくる。従来、潤滑油の粘度が規定値を30%以上上昇すると全量を交換していた。潤滑油の粘度の上昇には、蒸発、不純物の混入、燃料の混入が原因として考えられている。潤滑油の蒸発は、例えばNo.40の潤滑油を、No.50とNo.20の潤滑油とをブレンドして作った場合、No.20の潤滑油の方が沸点が低いために早く蒸発して行くからである。蒸発によって粘度が上昇した場合、粘度の低い潤滑油、例えばこの場合にはNo.30の潤滑油を補給すれば粘度の上昇を防ぐことが出来るが、従来は、このような粘度の低い潤滑油を補給して潤滑の粘度を調整しようとする考えはなく、全量を交換している。この発明では、第3段階での不純物の除去により減少した潤滑油を補給するが、このときに粘度の調整を行うことが出来る。又、不純物の混入は前記第3段階による不純物除去により、解消することが出来る。
【0016】
燃料油の混入による潤滑油の粘度上昇を防止することは、従来不可能と考えられていた。これは、近年の燃料事情の悪化に伴って、凝固点が低いパラフィンの含有量が高いミナス原油を燃料として使用していることに起因している。そこで、本発明では潤滑油の冷却クーラーを通常の運転時より低い温度で作動させて、パイプの外周に潤滑油中に混入してきたミナス原油を固化させて付着し、除去する。そして、適当な時間間隔でパイプを加熱して、外周に付着したミナス原油を剥離させて、燃料側に送給させるようにした。これにより、燃料の混入により潤滑油の粘度が上昇するのを防止することが出来た。
【0017】
【実施例1】
5000Kwのディーゼル発電装置では、7500PSのディーゼルエンジンが5機設置されており、1機当たり日量27,000リットルの燃料油が消費され、5000リットルの潤滑油が使用されている。各ディーゼルエンジンの累計運転時間は、ほぼ55、000時間である。従来、遠心式清浄機を使用して燃料油及び潤滑油の清浄化が行われており、燃料系廃油250リットル、潤滑油系廃油250リットルの合計500リットルの廃油が毎日発生していた。燃料弁の交換時間は2500時間であり、潤滑油の消費量は日量200リットルで、8000時間毎に全量が交換され、オーバーホール間隔は3000時間であった。かかるディーゼル発電装置にこの発明の方法を適用した。尚、比較のために1号機にこの発明を適用して、燃料油並びに潤滑油を清浄化し、2,4,5号機は従来のままとした。又、3号機にはこの発明の第2段階であるフラッシングのみを行った。
【0018】
1号機については、この発明の方法に従って、第2段階のフラッシング処理をした後、潤滑油の本システムによる不純物除去処理と燃料油の管理処理とを適用して、ディーゼルエンジンの潤滑油と燃料油の管理を行った。図1〜3は、この発明を適用した1号機並びに比較のための2号機、3号機の潤滑油中の不純物の粒度分布状況を示す表である。図1〜3の表から明らかなように、1号機の潤滑油(図1)には、1μm以上の不純物はほとんど含まれていないに対し、2号機の潤滑油(図2)には、1μm以上の不純物が大量に含まれている。又、フラッシングのみを行った3号機の潤滑油(図3)には、1μm以上の不純物が2号機ほどではないが含まれている。これはフラッシング後に不純物が混入してきたためであると考えられる。この発明の適用により、燃料弁の交換時間は2500時間から4000時間以上に延長され、適用前に500リットル以上発生していた廃油は零となった。又、潤滑油の消費量は1日当たり200リットルから50リットルに減少し、本発明の顕著な効果が確認できた。
【0019】
図4〜7は、この発明にかかる潤滑油の不純物除去装置を示し、図8は燃料油の清浄化装置を示す。図4〜6を参照して、5000Kwのディーゼル発電装置の原動機であるディーゼルエンジン(1)とストレーナ(3)を介して接続された潤滑油タンク(2)に精密濾過器(4)を接続する。該精密濾過器(4)は、図5に示すフィルター装置(5)からなり、多数の薄紙を積層したフィルターエレメント(50)をカートリッジ容器(51)内に収納し、フィルターエレメント(50)の上面には圧力板(52)が配置される。カートリッジ容器(51)の上面中央には汚染した潤滑油の入口(53)が形成され、入口(53)から流入した潤滑油は圧力板(52)を押圧しつつフィルターエレメント(50)の側面に流れ、フィルターエレメント(50)の層間間隙を通って中央の通路(54)に入り、カートリッジ容器(51)の下面に形成された出口(55)から流出する。図6に示すように、潤滑油中の不純物(56)は、紙(57)の表面に付着して除去される。出口(55)から出た清浄な潤滑油は、潤滑油タンク(2)に戻され、ディーゼルエンジン(1)の潤滑に使用される。精密濾過器(4)の不純物除去能力は、潤滑油の全量5000リットルに対し、1時間当たり2000リットルとして、2時間30分で、潤滑油の全量が精密濾過器(4)を通過し、清浄化し得るようにした。不純物を除去したフィルターエレメント等の、精密濾過器(4)から出る固形化廃棄物(6)は、焼却処理された。精密濾過器(4)は、図5に示すような円板状の薄紙を積層したフィルターエレメント(50)ではなく、図7に示すようにトイレットペーパー状に巻回し、積層したものであっても良い。この場合、フィルターエレメント(50)の境界面に網体(58)を配置して液体の通路を形成すると共に、フィルターエレメントの一方の面を汚染した液が流入する中央通路(59)に連通し、他方の面を清浄な液が流出する清浄液通路(60)に連通する。
【0020】
図8を参照して、(7)はディーゼルエンジン(1)に燃料油を送るサービスタンクであり、遠心分離器(8)とポンプ(9)を介してバファータンク(10)に設置された上澄液取出装置であるフローティングハイサクション(11)に接続される。バファータンク(10)には、燃料油であるC重油貯油槽(12)からC重油が、前記サービスタンク(1)のオーバーフローと共に送給される。バファータンク(10)の下部には、ヒーター(13)が設置され燃料を加熱してその粘度を上昇させている。バファータンク(10)の下部から燃料油が取り出されて遠心清浄機(14)にポンプ(15)で送られ、清浄化されてバファータンク(10)に戻される。遠心清浄機(14)のドレンは、処理タンク(16)に送られ、ポンプ(17)でスラッジセパレータ(18)に送給されスラッジと燃料油に分離される。分離された燃料は、再び処理タンク(16)に戻されバファータンク(10)に送られる。スラッジは焼却処理される。フローティングハイサクション(11)は、液面に位置するフロート(19)と、該フロート(19)から吊り下げられた燃料油の浸透を許容する筒体(20)とから成り、フロート(19)と筒体(20)との間には上澄液の流入孔(21)が形成されている。(22)は、バファータンク内の液面を一定のレベルに保持するためのレベルコントローラであり、その検出値によりC重油貯油槽(12)からの送給量が制御される。
【0021】
【実施例2】
図9は、離島における電力供給装置のディーゼルエンジンにこの発明を適用した例を示す。離島の電力会社では、廃油の搬出がきわめて困難であり、搬出できたとしても廃棄場所がないという問題を抱えている。しかも、発電設備は老朽化しており、種々のメーカーの、種々の規格の設備が混在して稼働している。このため、廃油を減少させることはきわめて困難である。そこで、本実施例では、複数のディーゼルエンジンの潤滑油を一つの潤滑油タンクに集中させ、この潤滑油タンクにおいて第3段階の潤滑油の管理を行うようにしたことを特徴とする。第1,2及び4段階の処理は実施例1と同様に行う。
【0022】
図9を参照して、本実施例に係る離島の電力会社は、5機のディーゼルエンジン発電装置(1a)〜(1e)を備えている。各発電用ディーゼルエンジンは、発電容量が異なっており、(1a)からそれぞれ200Kw、500Kw、1000Kw、2000Kw、5000Kwの発電容量を有している。各ディーゼルエンジン(1a)〜(1e)は、それぞれ個別に開閉弁(80a)〜(80e)とポンプ(81a)(81b)を介して、一つの潤滑油タンク(82)に接続されている。又、各ディーゼルエンジン(1)のサンプタンクからオーバーフローした潤滑油は、オーバーフロータンク(83a)(83b)に戻され、ポンプ(84a)(84b)により潤滑油タンク(82)に送られる。潤滑油タンク(82)には、前記実施例1と同様の精密濾過器(85)が設置され、タンク内の潤滑油を常時清浄に濾過しており、全体の潤滑油の汚れと清浄化のバランスが図られている。(86)は、新潤滑油を潤滑油タンク(82)に送るパイプである。各ディーゼルエンジンは、先ず開閉弁(80)を閉じて潤滑油タンクとの接続を遮断した後、第2段階のフラッシングを行う。フラッシング後、フラッシングを終了したエンジンから順次開閉弁を開いてつないで行く。本実施例2により、離島の電力発電システムは、廃油を発生することなく稼働を継続することが出来た。
【0023】
【実施例3】
5000Kwの陸上発電機に実施例1に従って潤滑油、燃料油の管理を行ったところ、従来一日当たり200リットルの潤滑油を消費していたのが、50〜70リットルに減少したが、この結果潤滑油の粘度が従来より上昇する現象が生じた。これは、使用していた燃料が南方系のミナス原油(C重油)であり、パラフィン系で常温では個体であるため、エンジン燃焼系より少しずつ潤滑油に混入し、40℃における粘度が上昇て来たためと判明した。そこで、以下のような対策を講じた。
【0024】
図10に示すように、ディーゼルエンジンの潤滑油タンク(2)に接続した精密濾過器(4)から潤滑油タンク(2)への戻り管(90)に表面積が非常に大きいフッ素樹脂系製の熱交換機(91)を配置し、該熱交換機(91)の冷却パイプ(92)に冷却水を流して、平常より油温を低くして潤滑油を循環冷却し、熱交換機(91)の冷却パイプ(92)の表面に潤滑油中に混入しているミナス原油を凝固させて付着させる。そして、所定時間毎に定期的に冷却パイプ(92)に蒸気又は温水を通して、冷却パイプの表面に付着している低凝固点のミナス原油を溶かして別系のタンク(93)に移し、これを少しずつ燃料に混ぜて燃焼させるようにした。
【0025】
【発明の効果】
この発明によれば、発電設備等の動力源であるディーゼルエンジンから、潤滑油や燃料油の廃油が発生してくるのを防止し、実質的に廃油を零として稼働することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用して管理された潤滑油中の不純物の粒度分布状況を示す表
【図2】従来の潤滑油中の不純物の粒度分布状況を示す表
【図3】フラッシングのみを行った潤滑油中の不純物の粒度分布状況を示す表
【図4】実施例1にかかる潤滑油の管理システムを示す図
【図5】精密濾過器の一部を断面した斜視図
【図6】フィルターエレメントの濾過機能を説明する模式図
【図7】精密濾過器の一変形を示す一部を断面した斜視図
【図8】実施例1にかかる燃料油の管理システムを示す図
【図9】実施例2にかかる潤滑油の管理システムを示す図
【図10】実施例3にかかる潤滑油中への燃料油の除去システムを示す図
【符号の説明】
(1)ディーゼルエンジン
(2)潤滑油タンク
(3)ストレーナー
(4)精密濾過器
(5)フィルター装置
(6)固形化廃棄物
(7)サービスタンク
(8)遠心分離機
(9)ポンプ
(10)バファータンク
(11)フローティングハイサクション
(12)C重油貯油槽
(13)ヒーター
(14)遠心清浄機
(15)ポンプ
(16)処理タンク
(17)ポンプ
(18)スラッジセパレータ
(19)フロート
(20)筒体
(21)流入孔
(22)レベルコントローラ
(50)フィルターエレメント
(51)カートリッジ容器
(52)圧力板
(53)入口
(54)中央通路
(55)出口
(56)不純物
(57)紙
(58)網体
(59)中央通路
(60)清浄液通路
(80)開閉弁
(81)ポンプ
(82)潤滑油タンク
(83)オーバーフロータンク
(84)ポンプ
(85)精密濾過器
(86)新潤滑油送給パイプ
(90)戻り管
(91)熱交換機
(92)冷却パイプ
(93)タンク

Claims (2)

  1. 稼働中のディーゼルエンジンについて、エンジンの稼働年数、使用燃料、廃油発生量、燃料及び潤滑油の清浄方法、潤滑油の交換時間、エンジンのオーバーホールの間隔等を調査し、記録する第1段階と、水に界面活性剤を溶解した洗浄剤からなるフラッシング剤を潤滑油中に混入して、ディーゼルエンジンの内部をフラッシングするフラッシング処理の程度、回数を第1段階で得られた結果に基づいて行う第2段階と、該第2段階でフラッシング処理されたディーゼルエンジンで使用されている潤滑油を遠心分離機による遠心分離及び多数の薄紙を積層し積層間隙と平行に潤滑油を流過させて、ブラウン運動等により潤滑油中の1μm以上の不純物を紙の繊維に付着させて除去し、1μmより微細な不純物は潤滑油中の残存させるようにしたフィルターエレメントにより濾過して、潤滑油中から不純物を除去すると共に、潤滑油の粘度が変化した場合、粘度の低い補給用潤滑油の添加により粘度を正常値に戻すように粘度の調整を行い、かつ、潤滑油中に混入してきた凝固点の低い燃料油を、冷却手段で凝固させて系外に取出し、燃料油に混入して燃焼させるようにした第3段階と、燃料油を濾過して不純物を除去すると共に、ゲルブレーカーにより燃料油を微細化して燃焼効率を向上させる第4段階との、4つの段階からなりこれら4つの段階全てを組み合わせて適用することを特徴とするディーゼルエンジンからの廃油発生防止方法。
  2. エンジン内部の清浄化処理を行うフラッシング剤が、水100に対して2〜6%の界面活性剤を混合した洗浄剤からなることを特徴とする請求項1記載の廃油発生防止方法。
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