JP4384404B2 - エンジンの性能を維持する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
この発明は、小型発電機等の動力源であるエンジンの性能を維持する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、緊急用或いは補助用の電力を提供するための小型発電機等には、動力源として重油を燃料とするエンジンが利用されている。かかるエンジンは、通常シリンダとピストンを含む作動部分を潤滑油で潤滑しているが、所定の期間毎に潤滑油の交換を必要とし、交換する潤滑油の費用は勿論のこと、交換のためのエンジン停止に伴う損失、或いは交換した潤滑油の廃油処理等に費用がかかっている。従来、エンジンの潤滑油は、1馬力当たり最低0.5リットルの潤滑油を必要としているが、実際には1馬力当たり0.1〜0.3リットル程度の少ない量の潤滑油しか使用されていないため、潤滑油に混入してくる燃焼生成物や不完全燃焼物の割合が多くなり、潤滑油の早期の汚染を招来し、潤滑油の交換インターバルを短くし頻繁な潤滑油の交換が必要となっていた。
【0003】
又、本発明者は、先に薄い紙を多数積層したフィルターエレメントを利用する精密濾過装置により、潤滑油中に混入してくる燃焼生成物や不完全燃焼物等の不溶解分を分子のブラウン運動を利用して紙の繊維に付着させて除去する潤滑油の清浄化方法を提案し、実用化している。かかる精密濾過装置は、特開平11−257038号公報に開示されている。かかる潤滑油の清浄化方法にあっては、紙の繊維に付着した不純物が再び潤滑油中に流れ出さないように、潤滑油を0.02〜0.05mPa程度の微圧力でフィルターエレメントに流過する必要があると共に、流量が小さいためエンジンでの潤滑量に見合う十分な量の潤滑油を確保する必要もあった。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−257038号公報(段落[0019]、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、薄い紙を多数積層したフィルターエレメントを利用する潤滑油の清浄化方法において、潤滑油中に含まれる不純物の除去に必要な潤滑油量の確保と微圧の濾過圧力の調整を可能として、不純物の除去効率を向上し、潤滑油を長期間に亘って清浄な状態に維持させ、潤滑油の交換インターバルを長くして、費用の低減、発電停止期間の短縮、廃油発生量の減少を図り得るようにせんとするものである。
【0006】
上記課題を解決するためにこの発明が採った手段は、潤滑油をオイルパンからエンジンに送給する管路から分岐された分岐送給回路に、複数の薄い紙を積層し紙の積層間隙に潤滑油を流過させて不純物をブラウン運動で紙の繊維に付着させ除去するようにした精密濾過機と、所望の容量と高さを有する竪型タンクとを接続して、精密濾過機の上部と竪型タンクの下部にオイルパンからの潤滑油を供給し、戻りパイプを竪型タンク内上部に開口して竪型タンク内の上澄液をオイルパンに戻すようにし、該戻りパイプに前記精密濾過機の流出孔を接続して、オイルパンの潤滑油を精密濾過機と竪型タンクに循環させ、竪型タンクの高さに相応する微圧力を精密濾過機の潤滑油に付加しつつ精密濾過機で微圧濾過を行い、かつ潤滑油中の不純物の割合を低下させる油量を竪型タンク容量で確保するようにしたことを特徴とする。
【0007】
竪型タンクの高さを、5m以下としたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。この発明は、緊急用或いは補助用の電力を提供するための小型発電機等の動力源である重油を燃料とするエンジンであって、ピストンを含む作動部分を潤滑する潤滑油を長期間にわたって清浄に保持し、エンジンの性能を維持するようにしたことを特徴とするものである。このために、この発明は先ず潤滑油の量を1馬力当たり0.5〜1リットルとしたことを特徴とする。更に、該潤滑油中に含まれる不純物を除去する精密濾過手段に供給される潤滑油の圧力を0.05mPa以下の微圧力に調整しつつ供給するようにしたことを特徴とする。1馬力当たりの潤滑油量を0.5〜1リットルとすることにより、潤滑油中の不純物の割合が0.5%以下となり、油中における不純物のブラウン運動を十分大きなものとすることが出来る。次に、ブラウン運動で紙の繊維に付着した不純物が、潤滑油の移動する量、すなわち流速で押し流され、再び油中に流れ出してくるのを防止するために、微圧力で濾過を行うようにしたことを特徴とする。微圧力は、0.05mPa以下に設定される。これより圧力が高いと、紙の繊維に付着した不純物が剥離し、再び油中に流れ出す。
【0009】
かかる潤滑油の量と圧力を実現するために、この発明は所望の長さを有する細長い筒体を立設して垂直方向に伸びる竪型タンクとし、該竪型タンクから精密濾過手段に潤滑油を循環させるようにしたことを特徴とする。竪型タンクは、比較的容易に入手可能な金属或いは合成樹脂の断面円形若しくは方形の筒体からなり、5メートル以下の長さを有し、潤滑油にタンクの高さに相当する0.05mPa以下の水頭圧を付加することが出来るようになっている。しかも、該竪型タンクは、その直径と高さによって設定される所要の容積を有し、前述した必要量の潤滑油を貯蔵することが出来る。
【0010】
精密濾過手段は、薄い紙を多数積層したフィルターエレメントを含み、紙の積層間隙に潤滑油を流過させて潤滑油中に含有される燃焼生成物、不完全燃焼物等の不溶解分等からなる不純物を分子のブラウン運動で紙の繊維に付着させて除去するようにしたものであり、1μm以上の不純物を効果的に除去することが可能である。フィルターエレメントは、長尺の紙をトイレットペーパー状に巻回した構造であっても、円板状に切断した紙を多数積層したものであっても良い。かかる精密濾過手段での濾過は、エンジンの内壁等に付着していた不純物が、ブラウン運動により油中に移動し、紙の繊維に付着することにより達成される。従って、不純物の濾過を効果的に達成するには、油中において不純物が十分なブラウン運動を発揮出来る状態であることが要求される。本発明者の実験と試験の結果、油中において不純物が十分なブラウン運動を発揮するためには、油中に存在する不純物である不溶解分の割合が、0.5%以下であることが判明した。これよりも不溶解分の割合が多いと、油中における不純物のブラウン運動が低下し、エンジンの内壁等に付着した不純物の油中への移動が減少すると共に、油中に存在している不純物の移動量も減少し、紙の繊維への付着量が少なくなり、濾過効率が低下する。
【0011】
別紙グラフに示されるように、エンジンの運転時間に比例して潤滑油中の不溶解分の割合が増加しており、頻繁な潤滑油の交換がなされている。油中に不溶解分が存在している割合が0.5%を越えると、フリーなオイル分子が少なくなり、濾体間でのブラウン運動がスムースに行われなくなり、フィルターエレメントに不溶解分が止まることが困難となるため、汚れと清浄のバランスがとれなくなり、フィルターエレメントで不溶解分を濾別する効率が大きく低下していることが理解される。
【0012】
【実施例1】
図1,2を参照して、(1)は300Kwの発電を行うエンジンであり、A重油が燃料として使用されている。(2)は該エンジン(1)に潤滑油を供給するためのオイルパンであり、100リットルの潤滑油が貯蔵され、エンジンの出力1馬力当たり0.1〜0.3リットル程度の量である。従来は、500〜1000時間に1回の割合でオイルの交換が行われていた。潤滑油を貯蔵しうる容量を有している。オイルパン(2)の潤滑油はポンプ(3)でエンジン(1)に供給されるが、その途中において分岐された分岐送給回路(6)を介して汚染した潤滑油が精密濾過機(4)と竪型タンク(5)に送給される。精密濾過機(4)は、図2に示すように上部に流入孔(42)を、下部に流出孔(43)を形成した濾過機本体内(40)に円板状の薄い紙を多数積層したフィルターエレメント(41)を収納してなり、積層された紙の積層間隙に潤滑油を微圧力で流過させて、潤滑油中に含まれる燃焼生成物や不完全燃焼物等の不溶解分をブラウン運動で紙の表面に移動させて紙の繊維に付着させ、油中から分離、除去する。濾過機本体の流出孔(43)は、竪型タンク(5)からオイルパン(2)に清浄化されたオイルを戻すための戻りパイプ(7)に接続される。
【0013】
竪型タンク(5)は、一辺が0.3m、高さ3〜4mの方形の筒体であって、金属管或いは樹脂管からなり、360リットルの潤滑油を収容することが出来る。戻りパイプ(7)は、この竪型タンク(5)の上部に接続されており、タンクの上澄液を取り出してオイルパン(2)に戻すようになっている。竪型タンク(5)は、前述したように3〜4mの高さを有し、その上部に更に若干の筒体(50)が連接されており、全体として4〜5mの高さを有しているので、0.04〜0.05mPaの水頭圧を潤滑油に付加している。すなわち、潤滑油は0.04〜0.05mPaの微圧で循環されており、精密濾過機(4)において濾過される。又、潤滑油の量は、竪型タンク(5)の容量360リットルがオイルパン(2)の容量に合算され460リットルの潤滑油が循環することになる。この結果、潤滑油中に存在する不溶解分の割合が減少し、0.5%より小さくすることが可能となり、精密濾過機でのブラウン運動に基づく濾過作用が効果的に発揮される。すなわち、竪型タンク(5)の高さとサイズにより、所要の微圧力の調整と、必要なオイル量の確保とが可能となるのである。
【0014】
かくして、この実施例1によれば、潤滑油は、100,000時間以上性能を維持することが出来、エンジンのオーバーホールも4000時間から12,000時間へ大幅に延長することが出来た。
【0015】
【実施例2】
図3を参照して、(1)は100Kwの小型常用発電機のエンジンであり、オイルパン(2)は30リットルのオイル容量を有している。このオイルパン(2)に図1と同様に精密濾過機(4)と竪型タンク(5)を分岐送給回路(6)と戻りパイプ(7)で接続し、オイルの濾過を行った。竪型タンク(5)は一辺が0.12mで高さ4mの方形のパイプからなり、約57リットルのオイル容量があり、潤滑油には0.04mPaの水頭圧が付加される。これで潤滑油の濾過を行ったところ、オーバーホールのインターバルを従来の4倍に延長することができたと共に、潤滑油は交換することなく15,000時間使用することが出来た。
【0016】
【発明の効果】
この発明によれば、エンジンの潤滑油を所望の油量を確保しつつ必要な微圧力で濾過することが出来るため、潤滑油を常に清浄な状態に保持し、エンジンの内部に付着する不溶解分を潤滑油中に取り出してエンジンの内部が不純物で汚れるのを抑制することが出来るため、長期に亘ってエンジンの性能を安定に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の回路図
【図2】精密濾過機の詳細図
【図3】実施例2の回路図
【図4】不溶解分の割合とエンジンの運転時間の関係を示すグラフ
【符号の説明】
(1)エンジン
(2)オイルパン
(3)ポンプ
(4)精密濾過機
(5)竪型タンク
(6)分岐送給回路
(7)戻りパイプ
Claims (2)
- 潤滑油をオイルパンからエンジンに送給する管路から分岐された分岐送給回路に、複数の薄い紙を積層し紙の積層間隙に潤滑油を流過させて不純物をブラウン運動で紙の繊維に付着させ除去するようにした精密濾過機と、所望の容量と高さを有する竪型タンクとを接続して、精密濾過機の上部と竪型タンクの下部にオイルパンからの潤滑油を供給し、戻りパイプを竪型タンク内上部に開口して竪型タンク内の上澄液をオイルパンに戻すようにし、該戻りパイプに前記精密濾過機の流出孔を接続して、オイルパンの潤滑油を精密濾過機と竪型タンクに循環させ、竪型タンクの高さに相応する微圧力を精密濾過機の潤滑油に付加しつつ精密濾過機で微圧濾過を行い、かつ潤滑油中の不純物の割合を低下させる油量を竪型タンク容量で確保するようにしたことを特徴とするエンジンの性能を維持する方法。
- 竪型タンクの高さを、5m以下としたことを特徴とする請求項1記載の方法。
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- 2002-11-29 JP JP2002348782A patent/JP4384404B2/ja not_active Expired - Fee Related
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