JP3866144B2 - 農作物整列供給装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばネギやゴボウ、アスパラガス、胡瓜、茄子、人参、長芋等の農作物を整列して供給する作業に用いられる農作物整列供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例のネギを市場に出荷する場合、商品価値を高めるため、ネギの茎部外面を包んでいる不必要又は食用に供し得ない表皮を手作業により分離していたが、分離作業に手間及び時間が掛かるため、ネギの表皮を機械的に分離する装置が既に市販されている。その装置としては、例えばノズルから吐出されるエアーをネギの茎部外面に吹き付けて、茎部外面の不要な表皮を、葉部側から根部側に向けて剥ぎ取り分離する皮剥ぎ装置(特開平10−108657号公報、特開2001−163号公報)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のネギを、例えばベルトや挟持板等の吊下げ手段に対して手作業により1本ずつ略垂直に吊下げて皮剥ぎ装置に供給するので、様々な長さを有するネギの皮剥ぎ開始部を略同一高さに揃えることが難しく、ネギの皮剥ぎ開始部がノズルの吐出口よりも高いと、一部の表皮が茎部に残ってしまい、茎部外面の不要な表皮を綺麗に剥ぎ取ることができない。且つ、ネギの葉部側を吊下げ手段で保持しているため、搬送途中に於いて、ネギの吊下げ高さを修正することができないという問題点を有している。
【0004】
また、他の分離方法として、例えばネギを、搬送手段により略水平に保持して分離する皮剥ぎ装置(特許第2980166号公報)があるが、搬送時に生じる機械的な振動によりネギの載置位置が変位しやすく、ネギの皮剥ぎ開始部が不規則となるため、不要な表皮を綺麗に剥ぎ取ることができない。且つ、ネギの皮剥ぎ開始部が略同一線上となるように作業者の手で載置位置を修正しなければならず、修正作業に手間及び時間が掛かるという問題点を有している。
【0005】
この発明は上記問題に鑑み、農作物を、農作物搬送手段により所定数ずつ間欠的に搬送することにより、農作物の皮剥ぎ開始部を検出する作業と、その農作物の皮剥ぎ開始部を略同一線上に揃えた状態に整列する作業とが正確且つ確実に行え、様々な長さを有する農作物の表皮を確実且つ綺麗に分離することができる農作物整列供給装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、農作物を、搬送方向に対して略直交する載置姿勢に整列して間欠的に搬送する農作物搬送手段と、上記農作物の表皮が剥ぎ取られる皮剥ぎ開始部を、上記農作物搬送手段の搬送動作と略同期して検出する皮剥ぎ開始部検出手段と、上記農作物搬送手段の搬送動作と略同期して、上記皮剥ぎ開始部検出手段から出力される検出情報に基づいて、上記農作物を搬送方向と略直交する方向に対して移動させ、該農作物の皮剥ぎ開始部を搬送方向に対して略同一線上に揃えた状態に整列する皮剥ぎ開始部整列手段とを備えた農作物整列供給装置であることを特徴とする。
【0007】
上述の農作物は、例えばネギAやゴボウ、アスパラガス、胡瓜、茄子、人参、長芋等で構成することができる。また、農作物搬送手段は、例えばバケットコンベアやベルトコンベア、ローラコンベア等の搬送コンベア2で構成することができる。また、皮剥ぎ開始部検出手段は、例えば撮像カメラ19やビデオカメラ、イメージセンサ、画像素子等の光学的検出手段と、CPU、ROM、RAMを内蔵した制御装置22やパーソナルコンピュータ等の皮剥ぎ開始部判定手段とで構成することができる。また、皮剥ぎ開始部整列手段は、例えば農作物整列供給装置11及び揃えユニット14,15、保持体14a,15a等で構成することができる。
【0008】
つまり、農作物を、農作物搬送手段により搬送方向に対して所定数ずつ間欠的に搬送すると共に、その搬送動作と略同期して、農作物の皮剥ぎ開始部を皮剥ぎ開始部検出手段により個々に検出する。農作物搬送手段による搬送動作と略同期して、皮剥ぎ開始部検出手段から出力される検出情報に基づいて、農作物を、皮剥ぎ開始部整列手段により搬送方向と略直交する方向に対して移動させ、農作物の皮剥ぎ開始部を搬送方向に対して略同一線上に揃えた状態に整列及び修正する。
【0009】
実施の形態として、上記皮剥ぎ開始部整列手段の後段に、上記農作物の表皮を該農作物の皮剥ぎ開始部から剥ぎ取り開始する皮剥ぎ手段(例えば皮剥ぎ装置25及び支持アーム36、エアー吐出部37等)を設けることができる。また、上記農作物を、上記農作物搬送手段により所定数ずつ間欠的に搬送可能に設けることができる。また、上記皮剥ぎ開始部整列手段を、上記農作物搬送手段により搬送される農作物と略対向して複数設けることができる。
【0010】
【作用及び効果】
この発明によれば、農作物を、農作物搬送手段により所定数ずつ間欠的に搬送するので、農作物を連続的に搬送する方法に比べて処理能率が低いが、農作物の皮剥ぎ開始部を検出する作業と、その皮剥ぎ開始部を略同一線上に揃えた状態に整列及び修正する作業とが正確且つ確実に行え、表皮を剥ぎ取るときの作業精度が向上する。且つ、農作物の不要な表皮を皮剥ぎ開始部から剥ぎ取り開始することができるので、一部の表皮が皮剥ぎ開始部に残ったりせず、様々な長さを有する農作物の表皮を綺麗に分離することができると共に、農作物の皮剥ぎ開始部を手作業により整列及び修正するような手間及び作業が省け、皮剥ぎ作業の省力化及び能率アップを図ることができる。
【0011】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は農作物の一例であるネギを整列して供給する作業に用いられる農作物整列供給装置を示し、図1に於いて、この農作物整列供給装置11は、ネギAの根部Aa及び葉部Acを切揃えるための切揃え装置5と、茎部Abの表皮Aeを剥取るための皮剥ぎ装置25との間に介設され、搬送コンベア2の載置台2a…に載置されたネギA(例えば白ネギ)を、搬送路上に設定した供給区間aと、切揃え区間bと、整列区間cと、皮剥ぎ区間dと、回収区間eとに搬送するとき、所定寸法に切揃えられたネギAを皮剥ぎ作業に適した状態に整列して供給する。
【0012】
上述の搬送コンベア2は、平面から見て略矩形の載置台2a(例えばバケット、トレイ等)を、搬送路両側部に張架した周回チェーン2b全長に対して所定間隔に隔てて取り付け、周回チェーン2bを、減速機付きモータ(図示省略)の駆動力により搬送方向に回転して、載置台2a…を、搬送方向に対して所定台数(例えば10台)ずつ間欠的に周回移動する。なお、載置台2aの間欠送り台数を、例えば10台以下又は10台以上に変更してもよい。また、載置台2aを、複数台一組として取り付けてもよい。
【0013】
且つ、後述する保持ユニット26の下側保持体26aが出没許容される開口部2cを、載置台2aの左側載置面を開口して設け、ネギAの茎部Abを定位置に保持する凹状の受け部2dを、載置台2aの中央載置面に設けている。また、載置台2aの大きさや形状、架設間隔を変更してもよい。
【0014】
前述の切揃え区間bに配設した切揃え装置5は、搬送コンベア2により搬送されるネギAの根部Aa側を撮像カメラ6で撮像し、その撮像カメラ6から出力される画像情報に基づいて、根部Aaの切断位置を制御装置7で個々に判定する。且つ、搬送路右側部に配設した根部切断装置8…は、制御装置7による判定に基づいて、ネギAの根部Aa側を所定量切除する。搬送路左側部に配設した葉部切断装置9は、ネギAの葉部Ac側を所定量切除する。また、上述の切揃え装置5を、例えば特願平11−178235号、特願平11−332693号等の装置で構成することもできる。
【0015】
前述の整列区間cに配設した農作物整列供給装置11は、図2、図3にも示すように、載置台2aに載置されたネギAの茎部Abと葉部Acとの境界部分を撮像する撮像カメラ19と、その撮像カメラ19から出力される画像情報に基づいてネギAの皮剥ぎ開始部Adを判定する制御装置22と、ネギAの皮剥ぎ開始部Adを載置台2aの開口部2cと略対向する位置に修正する揃えユニット14…とで構成される。また、撮像カメラ6,19に代わる光学的検出手段の他の例として、例えばビデオカメラやイメージセンサ、画像素子等を用いてもよい。
【0016】
上述の揃えユニット14は、一対の保持体14aを、搬送路右側部に配設した可動台14bの上下端部に取り付け、その可動台14b背面に突出したガイド軸14cを、搬送路左側部に立設した支持台14dの軸受部14eで軸受して、一対の保持体14aを、搬送方向と略直交する方向に対して前後移動自在に取り付けると共に、整列区間cに移動される所定台数の載置台2a…と略対向する前後間隔に隔てて複数組配設している。また、保持体14aの保持面には、例えばスポンジゴムやウレタンゴム等の柔軟性を有する弾性体を装着している。
【0017】
且つ、可動台14b下端部に固定した昇降シリンダ14fのロッドを下側保持体14aに連結して、昇降シリンダ14fの作動により、下側保持体14aを、ネギAの根部Aaが上側保持体14aに対して押し付けられ、該根部Aa側が載置台2aから浮き上がった状態に保持される上昇位置と、上側保持体14aに対する押し付けが解除され、ネギAの搬送が許容される降下位置とに上下動する。
【0018】
且つ、搬送路左側上部に張架したチェーン14gを可動台14b上端部に連結し、そのチェーン14gを正逆回転する移動量検出機能付きモータ14h(例えばパルスモータやリニアモータ等)の駆動及び停止を、後述する制御装置22により制御して、揃えユニット14を、搬送方向と略直交する方向に対して独立して前後移動(例えばミリ単位)する。つまり、一対の保持体14aを、載置台2a左側部に突出するネギAの根部Aaと対向する待機位置と、その根部Aaを保持する保持位置と、ネギAの皮剥ぎ開始部Adを載置台2aの開口部2c及び皮剥ぎ装置25の皮剥ぎ開始位置と略対向させた状態に修正する修正位置とに移動する。
【0019】
また、上述の揃えユニット14及び後述する皮剥ぎユニット31を、例えばエアーシリンダやソレノイド、ネジ送り機構、クランク機構、カム機構等の移動手段で移動してもよい。
【0020】
図4は、農作物整列供給装置11の制御回路ブロック図を示し、制御装置22にはCPU、ROM、RAMが内蔵され、CPUは、ROMに格納されたプログラムに沿って、搬送コンベア2と、揃えユニット14の昇降シリンダ14fと、モータ14hと、撮像カメラ19と、画像処理装置20と、番地読取り装置21a,21bとの駆動及び停止を制御する。また、制御装置22に代えて、例えばパーソナルコンピュータやその他の処理装置等で構成してもよい。
【0021】
RAMには、画像処理装置20から出力される画像情報と、その画像情報に基づいて算出されたネギAの皮剥ぎ開始部Adの情報と、番地読取り装置21aにより読取った載置台2aの番地情報とを対応させて記憶する。
【0022】
上述の撮像カメラ19は、載置台2aに載置されたネギAの茎部Abと葉部Acとの境界部分に相当する外周面と対向して切揃え区間bの搬送路上部に配設され、その境界部分の撮像画像を画像処理装置20に出力する。
【0023】
前述の画像処理装置20は、撮像カメラ19により撮像された茎部Abと葉部Acとの間の画像情報を2値化処理して、制御装置22に出力する。且つ、番地読取り装置21aは、載置台2a自体に設定又は載置台2aと対応して搬送コンベア2に設定した番地情報を読取り、その番地情報を制御装置22に出力する。
【0024】
また、番地情報に代わる識別手段の他の例として、例えば載置台2a自体に付設又は載置台2aと対応して搬送コンベア2に付設された記録媒体(例えばバーコード、IDカード、磁気カード等)の固有情報(番地やキャリア番号)を読取ったり、その記録媒体の固有情報と対応して制御装置22に記録された情報を読み出す等してもよい。
【0025】
前述の制御装置22は、画像処理装置20から出力される画像情報(例えば明暗や配色、反射光、透過光等の情報)に基づいて、ネギAの茎部Abと葉部Acとの境界部分(ネギAの皮剥ぎ開始部Ad)を個々に算出し、後述する皮剥ぎ装置25により皮剥ぎ開始されるネギAの皮剥ぎ開始部Adを総合判定する。且つ、後述する皮剥ぎ装置25のエアー吐出部37から吐出されるエアーGが最初に吹き付けられる皮剥ぎ開始位置を基準として、そのネギAの皮剥ぎ開始部Adが載置台2aの開口部2cと略対向する位置に到達するまでの移動距離を算出し、その移動距離情報と、番地読取り装置21aで読取った載置台2aの番地情報とを対応させてRAMに記憶する。
【0026】
且つ、所定台数の載置台2a…を整列区間cに移動するとき、載置台2a…の番地情報を番地読取り装置21bで個々に読取り、その番地読取り装置21bから出力される載置台2aの番地情報と、RAMに記憶された番地情報とを比較及び判定して、その番地情報と対応する移動距離情報をRAMから読み出し、その移動距離情報に基づいてモータ14hを正逆回転させ、一対の保持体14aで保持したネギAを搬送方向と略直交する方向に移動する。
【0027】
且つ、モータ14hから出力されるパルス信号に基づいて、揃えユニット14の移動量を個々に検出し、その検出される移動量情報と、予めRAMに記憶された移動量情報とを比較及び演算する。移動量が略同一であると判定されたとき、モータ14hの駆動を停止し、ネギAの皮剥ぎ開始部Adを載置台2aの開口部2cと略対向する位置に停止する。また、移動量が異なると判定された場合、移動量情報が一致するまでモータ14hを正逆回転する。また、RAMに記憶された切断情報は、終端側から始端側に回帰するときに消去又は上書きする。
【0028】
前述の皮剥ぎ区間dに配設した皮剥ぎ装置25は、図5、図6にも示すように、載置台2aに載置されたネギAの葉部Ac側を水平方向に対して首振り自在に保持する保持ユニット26と、ネギAの根部Aa側を葉部Ac側と略水平となる高さに持ち上げる支持ユニット27と、ネギAの不要な表皮Aeを分離する皮剥ぎユニット31とを、整列区間cに移動される載置台2a…と略対向する前後間隔に隔てて複数組配設している。
【0029】
上述の保持ユニット26は、上述の農作物整列供給装置11により修正されたネギAの葉部Ac側を、水平方向に対して首振り自在に保持する一対の保持体26aと、ネギAの茎部Abを定位置に保持する凹状の受け部材26bとで構成される。一方、支持ユニット27は、ネギAの茎部Ab側を、載置台2aよりも上方に持ち上げた状態に保持する略Y字状の支持体27aで構成される。
【0030】
なお、上述のユニット26,27は、例えばエアーシリンダやソレノイド、ネジ送り機構、クランク機構、カム機構等の昇降手段で上下動される。また、下側保持体26aの保持面を、ネギAが葉部Ac側から根部Aa側に向けて低くなる姿勢に保持される形状及び角度に傾斜している。
【0031】
前述の皮剥ぎユニット31は、図7、図8にも示すように、上述の保持ユニット26により持ち上げられたネギAの茎部Abを、後述するエアー吐出部37から吐出されるエアーGが略均等に吹き付けられる状態に保持及び矯正する一対の支持アーム36と、一対の支持アーム36により保持されたネギAの茎部Ab外面に向けてエアーGを吐出する一対のエアー吐出部37とで構成される。
【0032】
且つ、搬送路左側上部に張架したチェーン32を皮剥ぎユニット31に連結し、そのチェーン32をモータ(図示省略)の駆動力により正逆回転して、支持アーム36及びエアー吐出部37を、保持ユニット26により持ち上げられたネギAの皮剥ぎ開始部Adに近い部分を保持する位置と、不要な表皮Aeが剥ぎ取られ根部Aa先端から抜取られる位置とに、ネギAの茎部Abに沿って搬送方向と略直交する方向に移動する。
【0033】
且つ、エアー吐出部37は、吐出ノズル37a,37bから吐出されるエアーGを、一対の支持アーム36により保持されたネギAの皮剥ぎ開始部Adと対応する外周面及び引き剥がされた表皮Ae裏面に吹き付け、不要な表皮Aeを葉部Ac側から根部Aa側に向けて引き剥がす。なお、エアー吐出部37は、例えば送気ブロワーやコンプレッサー等のエアー供給源(図示省略)に接続している。
【0034】
且つ、ネギAの根部Aaを搬送方向に対して略真っ直ぐに揃えた状態に整列ガイドする揃えベルト38を、搬送コンベア2の載置台2aに載置されたネギAの根部Aa先端と対向して搬送路右側部に張架している。また、揃えベルト38に代わる揃え手段として、例えば板状や棒状のガイド部材等で揃えることもできる。
【0035】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、農作物整列供給装置11によるネギAの整列供給動作を説明する。
【0036】
先ず、図1に示すように、荷受又は収穫されたネギA…を、供給区間aに周回移動される搬送コンベア2の載置台2a…に対して搬送方向と略直交する姿勢に揃えて1本ずつ載置すると共に、根部Aa先端を、例えばベルトや板等の揃え部(図示省略)に押し当てる等して、載置台2a左側部に所定長さ突出する状態に揃えて、切揃え区間bの切揃え装置5に供給する。
【0037】
次に、ネギAの根部Aa側を切揃え装置5の根部切断装置8…により所定量切除し、ネギAの葉部Ac側を葉部切断装置9により所定量切除して、整列区間cの農作物整列供給装置11に供給する。また、ネギAの根部Aaのみを所定量切除したり、表皮Aeを分離してから切揃えてもよい。
【0038】
且つ、載置台2aを搬送方向に対して所定台数ずつ間欠的に移動すると共に、載置台2aに載置されたネギAの茎部Abと葉部Acとの境界部分を撮像カメラ19で撮像し、その画像情報を画像処理装置20で2値化処理して制御装置22に出力する。制御装置22は、画像処理装置20から出力される画像情報に基づいて、ネギAの皮剥ぎ開始部Adを個々に判定すると共に、ネギAの皮剥ぎ開始部Adが載置台2aの開口部2cと略対向する位置に到達するまでの移動距離を算出し、その移動距離情報と、番地読取り装置21aで読取った載置台2aの番地情報とを対応させてRAMに記憶する。
【0039】
次に、図2、図3にも示すように、所定台数の載置台2a…が整列区間cに移動されたとき、農作物整列供給装置11の揃えユニット14…を駆動して、載置台2a左側部に突出するネギAの根部Aa側を一対の保持体14aで保持し、根部Aa側を載置台2aから浮き上がらせた状態に持ち上げる。且つ、制御装置22は、番地読取り装置21bで読取った載置台2aの番地情報と対応する移動距離情報をRAMから読み出し、その移動距離情報に基づいて、一対の保持体14aで保持したネギAを搬送方向と略直交する方向に対して独立して移動させ、ネギAの皮剥ぎ開始部Adを載置台2aの開口部2cと略対向する位置に整列及び修正する。
【0040】
且つ、搬送路左側部又は搬送路右側部に寄った状態に載置されたネギAの皮剥ぎ開始部Adを搬送方向に対して略真っ直ぐとなる状態に揃えた後、一対の保持体14aによる保持を解除し、修正済みのネギAを載置台2aに再び載置して、皮剥ぎ区間dの皮剥ぎ装置25に供給する。また、ネギAの葉部Ac側を保持して修正することもできる。
【0041】
次に、図5、図6、図7にも示すように、載置台2a…に載置されたネギAを、皮剥ぎ装置25の保持ユニット26…及び支持ユニット27…により所定高さに持ち上げて略水平に支持した後、図8にも示すように、皮剥ぎユニット31の支持アーム36,36により茎部Abの曲がり部分を矯正しながら、エアー吐出部37から吐出されるエアーGをネギAの皮剥ぎ開始部Adと対応する茎部Ab外周面に対して略均等に吹付け、ネギAの不要な表皮Aeを根部Aa側に向けて一挙に分離及び除去する。
【0042】
根部Aa側に至る直前に、支持ユニット27を一旦降下して、ネギAの根部Aa側を垂れ下げた状態に保持する。根部Aaから抜取られたとき、支持ユニット27を再び上昇して支持する。若し、表皮Aeが根部Aa下端に垂れ下っている場合、例えば一対の分離ロールにより引っ張ったり、チャックやアーム等の挟持手段により引っ張ったり、吸気ブロワーや真空ポンプ等の吸引手段により吸引する等して分離除去してもよい。
【0043】
続いて、皮剥ぎユニット31を搬送路左側部に水平移動させ、保持ユニット26及び支持ユニット27を降下して、保持ユニット26及び支持アーム36,36による保持を解除して、皮剥ぎ済みのネギAを載置台2aに載置した後、載置台2aに載置されたネギAの根部Aaを回収区間eの揃えベルト38に当接又は押当て、搬送方向に対して略真っ直ぐに揃えながら次の工程(例えば仕分け工程や箱詰め工程等)に供給する。以下、上述と同様にして、ネギAの切揃え作業と、揃え作業と、皮剥ぎ作業とを継続して行う。
【0044】
以上のように、ネギA…を、搬送コンベア2により所定数ずつ間欠的に搬送するので、ネギAを連続的に搬送する方法に比べて処理能率が低いが、ネギAの皮剥ぎ開始部Adを検出する作業と、そのネギAの皮剥ぎ開始部Adを搬送方向に対して略同一線上に揃えた状態に整列及び修正する作業とが正確且つ確実に行え、ネギAの表皮Aeを剥ぎ取るときの作業精度が向上する。且つ、ネギAの不要な表皮Aeを皮剥ぎ開始部Adから剥ぎ取り開始することができるので、一部の表皮Aeが皮剥ぎ開始部Adに残ったりせず、様々な長さを有するネギAの表皮Aeを綺麗に分離する作業が機械的に行えると共に、ネギAの皮剥ぎ開始部Adを手作業により整列及び修正するような手間及び作業が省け、皮剥ぎ作業の省力化及び能率アップを図ることができる。
【0045】
図9は、農作物整列供給装置11の他の実施例を示し、揃えユニット15の一対の保持体15aを、支持枠15b下端部に対して上下回動自在に枢着し、その支持枠15bを、搬送路左側上部に架設した可動枠15cに対して搬送方向と略直交する方向に前後移動自在に取り付け、搬送コンベア2の載置台2a…と略対向する前後間隔に隔てて複数組配設している。
【0046】
つまり、揃えユニット15を、例えばエアーシリンダやロッドレスシリンダ、チェーン送り機構、ネジ送り機構、クランク機構、カム機構等の駆動手段により搬送方向と略直交する方向に前後移動し、一対の保持体15aを、支持枠15bに取り付けた開閉シリンダ15d及びギャ15eにより開閉動作して、載置台2a左側部に突出するネギAの根部Aaを保持する。この後、制御装置22による判定に基づいて、揃えユニット15を搬送方向と略直交する方向に移動させ、一対の保持体15aで保持したネギAの皮剥ぎ開始部Adを載置台2aの開口部2cと略対向する位置に修正するので、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 農作物整列供給装置の配置状態を示す平面図。
【図2】 農作物整列供給装置による揃え動作を示す平面図。
【図3】 農作物整列供給装置による揃え動作を示す背面図。
【図4】 農作物整列供給装置の制御回路ブロック図。
【図5】 皮剥ぎ装置による皮剥ぎ動作を示す背面図。
【図6】 保持ユニットによる保持動作を示す正面図。
【図7】 皮剥ぎユニットによる皮剥ぎ動作を示す正面図。
【図8】 皮剥ぎユニットによる皮剥ぎ動作を示す平面図。
【図9】 他の例の揃えユニットによる揃え動作を示す背面図。
【符号の説明】
A…ネギ
Aa…根部
Ab…茎部
Ac…葉部
Ad…皮剥ぎ開始部
Ae…表皮
G…エアー
2…搬送コンベア
5…切揃え装置
11…農作物整列供給装置
14,15…揃えユニット
14a,15a…保持体
19…撮像カメラ
20…画像処理装置
22…制御装置
25…皮剥ぎ装置
31…皮剥ぎユニット
Claims (4)
- 農作物を、搬送方向に対して略直交する載置姿勢に整列して間欠的に搬送する農作物搬送手段と、
上記農作物の表皮が剥ぎ取られる皮剥ぎ開始部を、上記農作物搬送手段の搬送動作と略同期して検出する皮剥ぎ開始部検出手段と、
上記農作物搬送手段の搬送動作と略同期して、上記皮剥ぎ開始部検出手段から出力される検出情報に基づいて、上記農作物を搬送方向と略直交する方向に対して移動させ、該農作物の皮剥ぎ開始部を搬送方向に対して略同一線上に揃えた状態に整列する皮剥ぎ開始部整列手段とを備えた
農作物整列供給装置。 - 上記皮剥ぎ開始部整列手段の後段に、上記農作物の表皮を該農作物の皮剥ぎ開始部から剥ぎ取り開始する皮剥ぎ手段を設けた
請求項1記載の農作物整列供給装置。 - 上記農作物を、上記農作物搬送手段により所定数ずつ間欠的に搬送可能に設けた
請求項1記載の農作物整列供給装置。 - 上記皮剥ぎ開始部整列手段を、上記農作物搬送手段により搬送される農作物と略対向して複数設けた
請求項1記載の農作物整列供給装置。
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