JP3865830B2 - 面ファスナ利用建物構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、壁パネル,天井パネル,床パネル等の構造材を相互に接合する接合手段として面ファスナを利用した住宅,その他の建物構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉄骨系の工業化住宅では、柱,耐力壁,屋根トラス,梁,ブレース等の主要構造材の相互を、ボルト,溶接,釘打ちなどにより接合して構築していた。このことは、構造材として予め工場で生産した壁パネル,床パネル,天井パネルを現場で組み合わせるパネル工法や、パネル・軸組併用工法の建物の場合でも同様である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにボルト,溶接,釘打ちにより構造材の相互を接合する建物構造では、程度の差こそあれ、いずれも訓練を積んだ専門職が特殊な工具を使って施工しなければならず、工期が長くなり、素人には無理な作業となる。
工法の内容についても、例えば軽鉄プレハブ工法(パネル・軸組工法)では、さらに柱、耐力壁、非耐力壁など、構造部品を用途毎に分化しており、さらに壁パネルは構造材(鉄)、下地材(木)、仕上材、断熱材(グラスウール)など、個々に異なる機能を持ち、全てを組み合わせることにより、所定の機能を満たす考え方に依っている。そのため、工場生産を進めるにしても、多大な手間がかかり、重量が増し、さらにコスト上昇につながるといった問題に直結する。
【0004】
この発明は、このような課題を解消し、特殊な工具を要することなく多能工等の作業により簡単にかつ短工期で構築できる面ファスナ利用建物構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の面ファスナ利用建物構造は、建物強度を負担する構造材を相互に面ファスナで接合したものである。
この構成によれば、特殊な工具を用いることなく素人の作業で簡単かつ短期に建物を構築することができる。すなわち、建物における主要な接合部に面ファスナを使用することにより、現場での特殊な加工や危険作業,時間のかかる作業を省略し、簡易にかつ短工期で施工できる。また、面ファスナの着脱性を生かし、増改築や移築も容易となる。
【0006】
この発明の面ファスナ利用建物構造は、面ファスナを有する壁パネルと、面ファスナを有する床パネルとを、相互に前記面ファスナで接合したものであっても良い。このようにパネル化した壁および床の接合に面ファスナを使用することにより、一層構築作業が簡単となり、また強度確保も図り易くなる。
【0007】
前記面ファスナ利用建物構造において、前記壁パネルおよび床パネルを、各々金属製のパネルフレームと、このパネルフレームに張った面材と、パネル内に充填した発泡樹脂製の断熱材とを有するものとしてもよい。このようなパネル構造とすることにより、軽量で、断熱化の優れた壁パネルおよび床パネルとでき、建物部品数の削減、コスト低下を図ると同時に、断熱性の向上が実現できる。
また、前記金属製のパネルフレームとして、薄肉のスチールを成形した軽量形鋼を用い、また高強度の断熱材および面材を使用することで、前記壁パネルを鉛直荷重および水平荷重の負担が可能な軽量の耐力壁とでき、また床パネルや屋根パネル、壁梁等も同様な構成とでき、これらの構成部材を高強度の面ファスナで立体的に連結することにより、建物全体として高い剛性を確保することができる。前記のような軽量形鋼のパネルフレームと面材,断熱材を用いた壁パネル,床パネルの場合、2〜3人程度で持ち運びができる程度の軽量なパネルとでき、これを面ファスナで接合するため、特殊な工具を使用せずに、簡単に組み立てることができ、素人でも建てることができる。
【0008】
また、前記面ファスナ利用建物構造において、壁パネルの下縁に沿って切欠を設け、この切欠に床パネルの側縁部を嵌合させ、前記切欠の内部および外部の両方で、面ファスナによる壁パネルと床パネルとの接合を行ってもよい。この構成によれば、嵌合と面ファスの接合とによって壁パネルと床パネルの相互が連結され、また2方向の接合が行えるので、満足できる連結強度を確保できる。
【0009】
この発明の請求項5記載の面ファスナ利用建物構造は、並設される各外壁パネルを、外部パネルと内部パネルとの2重に形成し、これら外部パネルと内部パネルの幅方向位置を交互にずらし、これら外部パネルと内部パネルとは互いの重なり面に面ファスナを設け、各外部パネルを隣合う2枚の内部パネルに前記面ファスナで接合したものである。
この構成によれば、面ファスナによる接合面が広くなり、隣合う外壁パネルの連続性が堅固となるため、外壁に十分な強度が確保される。また、面ファスナは外壁パネルの内部に隠れるので、防火性能が向上する。
【0010】
前記面ファスナ利用建物構造において、壁パネルおよび床パネルのいずれか片方または両方における一部または全部の面ファスナを、パネル内に充填された発泡樹脂製の断熱材に、その溶融樹脂の発泡成形に伴って一体に付着させてもよい。発泡樹脂としてはウレタン等が使用できる。この構成の場合、パネル成形後に面ファスナをパネルフレーム等に接着する作業が不要となり、パネルの製造が容易になる。しかも、ウレタン等の発泡樹脂による接着力は強固に得られるため、面ファスナがその裏面と壁パネルや床パネルの構成部材等の間で剥離する問題も解消される。
【0017】
この発明の請求項6記載の面ファスナ利用建物の構築方法は、前記面ファスナ利用建物の構築方法であって、互いに方向を異ならせて隣接する2面の面ファスナの接合に際して、片方の面の面ファスナによる接合時にもう片方の面の面ファスナをシート類で覆っておき、前記片方の面の面ファスナによる接合が終わった後、前記シート類を取り除いてもう片方の面の面ファスナによる接合を行うものである。
角度をなす2面を面ファスナで接合する場合、同時に接合すると、その接合過程で各面の面ファスナの接合の進行が隣の面の面ファスナの接合の進行を阻害することがあるが、上記のようにシート類で覆って各面を順に接合することで、角度をなす2面の両方で、面ファスナの確実な接合が行える。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図6と共に説明する。
図1はこの実施形態に係る面ファスナ利用建物構造の要部を示す縦断面図である。この建物構造は、床パネル1、壁パネル2,2A,2B、屋根パネル3などの構造材を相互に接合して構築したものである。1階の床パネル1は、金属製のパネルフレーム4と、このフレーム4の内側に充填した発泡樹脂製の断熱材5とを有し、前記断熱材5の上面と前記パネルレーム4の外周面には面ファスナ6が付着させてある。パネルフレーム4には、例えば比較的薄肉の軽量形鋼(LGS)が用いられ、内向きの溝形またはリップ溝形としたもの等が使用される。断熱材5は、押出発泡ポリスチレンや、ウレタン樹脂等の発泡樹脂が使用される。
【0019】
前記床パネル1および壁パネル2を支持する外周の布基礎7Aはプレキャストコンクリート等からなり、その上端には土台となる金属製のフレーム8が一体に設けられていて、このフレーム8の表面に面ファスナ6が接着してある。フレーム8は、基礎7Aの天端面の外周部が上方へ突出する溝形部分とその下端から内側へ延びる平板部分とを有している。また、フレーム8には、床パネル1を位置決めする位置決めピン9Aと、壁パネル2を位置決めする位置決めピン9Bとが突設させてある。床パネル1を支持する内部布基礎7Bもプレキャストコンクリート等からなり、その上端には床パネル1を位置決めする位置決めピン9Aが突設されている。これら布基礎7A,7B上への床パネル1の設置に際しては、床パネル1のパネルフレーム4に設けられた図示しないピン挿通孔に、布基礎7A,7Bの位置決めピン9Aを挿通させる。これにより、床パネル1を布基礎7A,7B上の正しい位置に配置することができる。また、この設置状態で、布基礎7A側の面ファスナ6と床パネル1側の面ファスナ6とが接合し、布基礎7A,7B上への設置強度が向上する。床パネル1の設置後に、その上面に図4のように床仕上材10を張り付ける。この床仕上材10の裏面には面ファスナ6を付着させておく。これにより、床仕上材10の面ファスナ6と床パネル1上の面ファスナ6とで、床仕上材10が床パネル1上に接合される。なお、床仕上材10は工場生産過程で床パネル1に設けておいても良い。床パネル1の短辺側では、そのパネルフレーム4の下側または上側に図3のように切欠4aが形成されており、短辺同士が隣接する両床パネル1,1間では、それらの切欠4a,4aが互いに噛み合うようにしてある。すなわち合欠接合となる。また、両床パネル1,1間は面ファスナ6を介して接合する。このため、床パネル1の設置強度が一層向上する。
【0020】
1階の外壁を構成する壁パネル2,2Aも、金属製のパネルフレーム14と、このフレーム14の内側に充填した発泡樹脂製の断熱材5とを有し、前記パネルレーム14の外周面には面ファスナ6が付着させてある。フレーム14および断熱材5は、前述の床パネル1と同様な材質,形状のものが使用される。また、前記パネルフレーム14の上下端の屋内側または屋外側には切欠14aが形成されている。外周布基礎7A上への壁パネル2,2Aの設置に際しては、壁パネル2,2Aのパネルフレーム14の下端に設けられた図示しないピン挿通孔に布基礎7A側の位置決めピン9Bを挿通させる。これにより、壁パネル2,2Aを布基礎7A上の正しい位置に立設することができる。この設置状態で、布基礎7A側および床パネル1側の面ファスナ6と、壁パネル2,2A下端の面ファスナ6とを接合する。壁パネル2,2Aの下端の切欠14aが床パネル1の端部に噛み合うので、壁パネル2の接合強度が一層向上する。一方、床パネル1では、その端部が布基礎7A上の切欠8aと壁パネル2,2Aの下端の切欠14aとに噛み合う状態となるので、その接合強度がさらに向上する。壁パネル2,2Aの設置後に、その両面に図4のように外装用および内装下地用の面材20を張り付ける。この面材20の裏面には面ファスナ6を付着させておく。これにより、面材20の面ファスナ6と壁パネル2,2A上の面ファスナ6とで、面材20が壁パネル2,2Aの両面に接合される。面材20は、壁パネル2に工場生産過程で設けておいても良い。前記壁パネル2のパネルフレーム14の上端には2階の床パネル1を位置決めする位置決めピン9Aと後述する2階用壁パネル2Bを位置決めする位置決めピン9Bが突設されている。これら位置決めピン9A,9Bは、壁パネル2に設けておいたピン嵌合孔に現場で差込むことなどによって突設する。
【0021】
2階用壁パネル2Bも前記壁パネル2,2Aとほぼ同様の構成である。そのパネルフレーム14の上端には後述する屋根パネル3を位置決めする位置決めピン9Cが前記と同様に突設されている。ただし、このパネルフレーム14の上端には切欠は形成されない。この壁パネル2Bは屋内壁としても使用される。1階の屋内壁として使用する場合には、切欠14aのある方が上端となるように上下を逆にする。ただし、この場合、切欠14aのある端部側に位置決めピン9A,9Bを突設する。
【0022】
2階においても1階と同じ床パネル1を使用する。この2階の床パネル1は、1階の壁パネル2,2Bの上端間に横架して設置する。すなわち、床パネル1のパネルフレーム4に設けた図示しないピン挿通孔に、壁パネル2,2Bの上端の位置決めピン9Aを挿通させることにより、壁パネル2,2Bの上端の切欠14aに床パネル1の端部が噛み合う正しい位置に床パネル1が設置される。この設置状態で、床パネル1と壁パネル2,2Bとを面ファスナ6により接合する。このようにして、2階の床パネル1を設置した後、その下面に天井面材21を張り付ける。この天井面材21の裏面には面ファスナ6を付着させておく。これにより、天井面材21の面ファスナ6と床パネル1の下面の面ファスナ6とで、天井面材21が床パネル1の下面に接合される。
【0023】
2階の壁パネル2Bは、1階の壁パネル2,2A,2Bの上に継ぎ足した状態に連結するが、その連結部が床パネル1の設置部となる場合は、下端の切欠14aが床パネル1の端部と噛み合う向きに配置する。設置にあたっては、その下端のパネルフレーム14に形成された図示しないピン挿通孔に1階の壁パネル2,2Bの上端の位置決めピン9Bを挿通させて位置決めを行う。これにより、2階の壁パネル2Bの下端は面ファスナ6を介して1階の壁パネル2,2Bおよび2階の床パネル1に接合する。このようにして2階の壁パネル2Bを設置した後で、2階の床パネル1の上に床仕上材10を1階の場合と同様にして張り付ける。
【0024】
1階の壁パネル2Aと2階の壁パネル2Bの連結部が床パネル1の設置部とならない場合は、1階の壁パネル2Aの上端の切欠14aに2階の壁パネル2Bの下端の切欠14aが噛み合うように向きを定めて2階の壁パネル2Bを設置する。
【0025】
図1では、フラット型の屋根パネル3を設置した建物の例を示している。この屋根パネル3も、金属製のパネルフレーム24と、そのパネルフレーム24内に充填した発泡樹脂製の断熱材5とを有し上下面や側面には面ファスナ6が付着させてある。また、上面から屋外側に向く側面にわたっては、面ファスナ6の接合により外装面材26が張り付けてある。さらに、前記外装面材26の屋外側に向く角部には樋27が取り付けられる。この樋27は、樋本体28をヒンジ29の一片29aに固定したものであり、前記ヒンジ29の他の一片29bを面ファスナ6を介して前記屋根パネル3に接合することにより取り付けられる。前記屋根パネル3の前記2階の壁パネル2B上への設置においても、屋根パネル3の下面側に形成したピン挿通孔に壁パネル2Bの位置決めピン9Cを挿通させることにより位置決めする。このように設置することにより、面ファスナ6を介して屋根パネル3が2階の壁パネル2Bの上に接合される。
【0026】
図6は上記建物構造に使用する面ファスナ6の各例を示したものである。図6(A)はファスナ基材6cに半球形の頭部を有する無数の係合体6aを植毛したファスナ6Aと、ファスナ基材6cにループ状の無数の係合体6bを植毛したフスナ6Bとの組み合わせからなるものであり、例えば前記床パネル1側には前記ファスナ6Aを、床パネル1に接合させる壁パネル2,2A側には前記ファスナ6Bを付着させる。図5(B)はファスナ基材6cにフック状の無数の係合体6aを植毛したファスナ6Aと、ファスナ基材6cにループ状の無数の係合体6bを植毛したファスナ6Bとの組み合わせからなるものである。図5(C)は球形の頭部を有する無数の係合体6aを植毛した一組のファスナ6A,6Bからなるものである。このように、面ファスナ6は、互いに係合する無数の係合体が設けられたものであれば良く、その具体的構成は特に問わない。また、互いに接合される面ファスナ6A,6Bは、係合体に雄雌等の区別があるものに限らず、区別がないものを使用しても良い。
【0027】
なお、前記建物を構築する場合、例えば前記1階の壁パネル2の上端と、2階の床パネル1との接合においは、予め図5(A)のように壁パネル2の上端の切欠14aの縦面の面ファスナ6にシート類36で覆っておいて、その切欠14aの横面の面ファスナ6と、床パネル1の下面の面ファスナ6との接合を行い、その接合が終わった後、図5(B)のように前記シート類36を抜き取って、壁パネル2の切欠14aの縦面の面ファスナ6と、床パネル1の縦面の面ファスナ6との接合を行ってもよい。このような手順で行うことにより、異なる2面で互いに接合される壁パネル2と床パネル1との接合を、円滑にかつ十分な接合強度が確保できるように行うことができる。このような手法は、布基礎7Aへの床パネル1の接合など、他の接合箇所においても採用することができる。
【0028】
図1では、フラット型の屋根パネル3を使用した場合を示したが、図2のように切妻型の屋根パネル3Aを使用してもよい。この屋根パネル3Aは、前記フラット型の屋根パネル3とほぼ同様の構成のパネル本体33の2枚を、ヒンジ30を介して連結すると共に、ヒンジ30で連結される両パネル本体33,33の端部間にできる隙間に断面が方形の棒状体34を取り付けたものであり、そのパネル本体33の裏面に取り付けた別のヒンジ35を介して2階の壁パネル2Bの上端に連結する。また、パネル本体33の下端すなわち軒先には、図1の場合と同様の樋27を取り付ける。前記両パネル本体33への、ヒンジ30,35、棒状体34および樋27の取付けは、面ファスナ6の接合によって行う。この屋根パネル3Aでは、前記ヒンジ30により屋根勾配を自在に可変設定できるので、組み立て段階で容易に設計変更が可能である。
【0029】
前記構成の面ファスナ利用建物構造では、ボルトや溶接や釘打ちによらず、床パネル1、壁パネル2,2A,2B、屋根パネル3,3Aなどの構造材の相互を面ファスナ6によって接合するので、専門職によらず特殊な工具を要することなく、素人の作業により短期間で構築できる。また、解体も容易なため、リサイクルにも有効である。したがって、仮設住宅や、アトリエ等として利用できる。図7(A)〜(D)は、前記面ファスナ利用建物構造を住宅用として構築した一例を示す縦断面図、および各階の平面図であり、その増築例を同図(E)〜(H)に示す。このような増築や改築が、面ファスナによる各部の接合のために容易に行える。
【0030】
図8ないし図11は、この発明の面ファスナ利用建物構造の第2の実施形態を示す縦断面図である。この実施形態では、建物の外壁パネル42を、外部パネル42aと内部パネル42bとを重ねてなる二重構造としたものである。外部パネル42aと内部パネル42bの幅方向位置は図10(A)に水平断面図で示すように交互に半幅ずつずらしている。外部パネル42aは、図9および図10(B)に斜視図および水平断面図で示すように、金属製のパネルフレーム44と、このパネルフレーム44内に充填した発泡樹脂製の断熱材5と、パネルの片面や上下端の一部に付着させた面ファスナ6と、パネルの他の片面に張り付けた面材46と、パネルの両側面に取付けたガスケット47とを有する。パネルフレーム44および断熱材5の材質は、前記実施形態と同様に、溝形等の軽鉄性のもの、および発泡樹脂製のものが各々使用される。面ファスナ6は、前記断熱材5となるウレタン樹脂の発泡成形に伴って、この断熱材44に一体に付着させる。なお、パネルフレーム44には、図9のように帯板状の軽鉄からなる帯状の補強フレーム材48を付加してもよい。補強フレーム材48は、筋違となるように外部パネル42aの角部間に設けても良い。この補強フレーム材48で用いる軽鉄および前記各パネルフレームに用いる軽鉄は、厚み0.4〜0.9mm程度のものが好ましい。
【0031】
内部パネル42bの構造の詳細は図示しないが、外部パネル42aと略同様の構造であり、前記ガスケット47を持たない点が異なるのみである。前記外部パネル42aと内部パネル42bの接合は、各パネル42a,42bの面ファスナ6によって行う。この場合、外部パネル42aと内部パネル42bを互いにずらして接合するため、例えば外部パネル42aは隣接する2枚の内部パネル42bに跨がって接合されることになり、その接合強度が大幅に向上する。また、外部パネル42aと内部パネル42bを接合する面ファスナ6は一般的に樹脂製であるが、前記外壁パネル42に構造において、面ファスナ6は外壁パネル42の内部に隠れてしまうため、防火性能が向上することになる。なお、前記各部に用いる面ファスナ6としては、樹脂製のものの他に金属製のものを用いても良い。
【0032】
また、図8に示すように、1階の外壁パネル42の上下端や、2階の外壁パネル42の下端には床パネル1と嵌合する切欠42cを形成する。この外壁パネル42の構成の場合、前記切欠42cは、前記外部パネル42aに対して、前記内部パネル42bの高さ寸法を若干短くすることにより容易に形成することができる。外壁パネル42と床パネル1とを図10(C)のように面ファスナ6の接合により連結する構造は、先の実施形態の場合と同様である。
【0033】
なお、前記外壁パネル42に開口を設ける場合は、図11のように外部パネル42aおよび内部パネル42aに開口49の一部を構成する切欠49aを形成したり、開口部専用の外部パネル42aaや内部パネル42bbを使用する。外壁パネル42に比べて強度が小さくてよい間仕切壁パネル50の場合、二重構造とする内外の両パネル50a,50bは、幅方向にずらさなくてもよい。
【0034】
図12は、先の各実施形態において使用する床パネルの他の例を示す斜視図である。この床パネル1Aは、パネルフレーム4内に充填して設けられる発泡樹脂製の断熱材5の上面に配線配管用溝51を形成したものであり、その断熱材5の上面には床仕上材10が張り付けられる。断熱材5の上面への前記床仕上材10の張り付けは、面ファスナ6の接合によって行われる。その他の構成は、先の実施形態における床パネル1の場合と同様である。この床パネル1Aによると、設置後に、別途、配線用や配管用の空間を確保する作業が要らないので、さらに施工が容易になる。
【0035】
なお、前記各実施形態において、間仕切壁パネル50の設置は例えば図13にようにして行う。図13(A)はその一例を示す。この例では、間仕切壁パネル50の下端を、床パネル1に設けられた溝1a内にゴムマット52を介在させて嵌合し、前記間仕切壁パネル50の上端面と天井面材21との間にスペーサ53を介在させ、間仕切壁パネル50の上端面を面ファスナ6で前記スペーサ53に接合したものである。スペーサ53と天井面材21との接合も面ファスナ6で行う。このように構成することにより、間仕切壁パネル50の設置も、ボルト、溶接、釘打ちによらず、特殊な工具も用いることなく素人の作業で簡単に行うことができる。なお、床パネル1の溝1aへの前記間仕切壁パネル50の下端の嵌合においては、図13(B)のように、間仕切壁パネル50の下端にばね部54aと幅木54bとが一体となった下地材54を設け、この下地材54の下端を前記床パネル1の溝1aに嵌合させることにより、前記ゴムマット52を省略してもよい。
【0036】
また、内外の両パネル50a,50bにより二重構造とした間仕切壁パネル50の場合には、図13(C)のように両パネル50a,50bを上下にずらして重ね、下側に突出する片方のパネル50aの下端を下階の床パネル1の上面に形成した溝1aに嵌合させ、上側に突出するもう片方のパネル50bの上端を上階の床パネル1の下面に形成した溝1bに嵌合させてもよい。この場合、パネル50bの下端と床パネル1の上面との間にできる空間Aや、パネル50aの上端と床パネル1の下面との間にできる空間Bを配線用空間として利用できるので、別途、配線用空間を確保するための施工を省略できる。
【0037】
【発明の効果】
この発明の面ファスナ利用建物構造は、構造材を相互に面ファスナで接合したため、特殊な工具を要することなく多能工等の作業により簡単にかつ短工期で構築することができる。
また、壁パネルおよび床パネルとして、金属製のパネルフレームと、このパネルフレームに張った面材と、パネル内に充填した発泡樹脂製の断熱材とを有するものとした場合は、比較的に軽量のパネルとできて、人手で持ち運びが行え、一層構築が簡単となる。また、断熱性にも優れ、かつ工場生産性にも優れた壁パネルおよび床パネルとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る面ファスナ利用建物構造の要部を示す縦断面図である。
【図2】同面ファスナ利用建物構造の屋根部の他の例を示す縦断面図である。
【図3】同面ファスナ利用建物構造における床パネルの短辺側を示す断面図である。
【図4】同面ファスナ利用建物構造における床パネルおよび壁パネルへの面材張付け手順を示す説明図である。
【図5】同面ファスナ利用建物構造における床パネルと壁パネルの接合方法を示す説明図である。
【図6】同面ファスナ利用建物構造に使用する面ファスナの各例を示す側面図である。
【図7】(A)は同面ファスナ利用建物構造による建物の一例を示す縦断面図、(B)〜(D)はその各階の平面プラン図、(E)は同建物の増改築後の状態を示す縦断面図、(F)〜(H)はその各階の平面プラン図である。
【図8】この発明の他の実施形態に係る面ファスナ利用建物構造の要部縦断面図である。
【図9】同面ファスナ利用建物構造における外壁パネルを構成する外部パネルの斜視図である。
【図10】(A)は同外壁パネルの水平断面図、(B)は同外壁パネルを構成する外部パネルの水平断面図、(C)は同外壁パネルと床パネルの接合構造を示す縦断面図である。
【図11】同面ファスナ利用建物構造の要部分解斜視図である。
【図12】前記各実施形態における床パネルの他の例を示す斜視図である。
【図13】(A)は前記各実施形態における間仕切壁パネルの設置構造の一例を示す縦断面図、(B)は同間仕切壁パネルの下端構造の他の例を示す縦断面図、(C)は同間仕切壁パネルの設置構造の他の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,1A…床パネル、1a…溝、2,2A,2B…壁パネル、3,3A…屋根パネル、4,14,24,44…パネルフレーム、14a…切欠、5…断熱材、6…面ファスナ、10…床仕上材、21…天井面材、26…外装面材、30…ヒンジ、36…シート類、42…外壁パネル、42a…外部パネル、42b…内部パネル、50…間仕切壁パネル、51…配線配管用溝、53…スペーサ

Claims (7)

  1. 面ファスナを有する壁パネルと、面ファスナを有する床パネルとを、相互に前記面ファスナで接合し、前記壁パネルおよび床パネルは、各々金属製のパネルフレームと、このパネルフレームに張った面材と、パネル内に充填した発泡樹脂製の断熱材とを有するものであり、壁パネルおよび床パネルのいずれか片方または両方における一部または全部の面ファスナが、パネル内に充填された発泡樹脂製の断熱材に、その溶融樹脂の発泡成形に伴って一体に付着させたものである面ファスナ利用建物構造。
  2. 面ファスナを有する壁パネルと、面ファスナを有する床パネルとを、相互に前記面ファスナで接合し、壁パネルの下縁に沿って切欠を設け、この切欠に床パネルの側縁部を嵌合させ、前記切欠の内部および外部の両方で、面ファスナによる壁パネルと床パネルとの接合を行い、壁パネルおよび床パネルのいずれか片方または両方における一部または全部の面ファスナが、パネル内に充填された発泡樹脂製の断熱材に、その溶融樹脂の発泡成形に伴って一体に付着させたものである面ファスナ利用建物構造。
  3. 面ファスナを有する壁パネルと、面ファスナを有する床パネルとを、相互に前記面ファスナで接合し、前記壁パネルおよび床パネルは、各々金属製のパネルフレームと、このパネルフレームに張った面材と、パネル内に充填した発泡樹脂製の断熱材とを有するものであり、壁パネルの下縁に沿って切欠を設け、この切欠に床パネルの側縁部を嵌合させ、前記切欠の内部および外部の両方で、面ファスナによる壁パネルと床パネルとの接合を行い、壁パネルおよび床パネルのいずれか片方または両方における一部または全部の面ファスナが、パネル内に充填された発泡樹脂製の断熱材に、その溶融樹脂の発泡成形に伴って一体に付着させたものである面ファスナ利用建物構造。
  4. 並設される各外壁パネルを、外部パネルと内部パネルとの2重に形成し、これら外部パネルと内部パネルの幅方向位置を交互にずらし、これら外部パネルと内部パネルとは互いの重なり面に面ファスナを設け、各外部パネルを隣合う2枚の内部パネルに前記面ファスナで接合し、壁パネルおよび床パネルのいずれか片方または両方における一部または全部の面ファスナが、パネル内に充填された発泡樹脂製の断熱材に、その溶融樹脂の発泡成形に伴って一体に付着させたものである面ファスナ利用建物構造。
  5. 並設される各外壁パネルを、外部パネルと内部パネルとの2重に形成し、これら外部パネルと内部パネルの幅方向位置を交互にずらし、これら外部パネルと内部パネルとは互いの重なり面に面ファスナを設け、各外部パネルを隣合う2枚の内部パネルに前記面ファスナで接合した面ファスナ利用建物構造。
  6. 面ファスナを有する壁パネルと、面ファスナを有する床パネルとを、相互に前記面ファスナで接合し、壁パネルの下縁に沿って切欠を設け、この切欠に床パネルの側縁部を嵌合させ、前記切欠の内部および外部の両方で、面ファスナによる壁パネルと床パネルとの接合を行った面ファスナ利用建物構造の構築方法であって、互いに方向を異ならせて隣接する2面の面ファスナの接合に際して、片方の面の面ファスナによる接合時にもう片方の面の面ファスナをシート類で覆っておき、前記片方の面の面ファスナによる接合が終わった後、前記シート類を取り除いてもう片方の面の面ファスナによる接合を行う面ファスナ利用建物の構築方法。
  7. 前記面ファスナ利用建物構造における前記壁パネルおよび床パネルは、各々金属製のパネルフレームと、このパネルフレームに張った面材と、パネル内に充填した発泡樹脂製の断熱材とを有するものである請求項6記載の面ファスナ利用建物の構築方法。
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