JP3865348B2 - 押ボタン装置、ならびにその取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機に組み付けられる商品選択スイッチなどの押ボタン装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動販売機は周知のように屋内だけでなく、風雨に曝される屋外にも設置される。したがって、商品選択スイッチとしてその前面パネルに設置される押ボタン装置には、雨水などが自動販売機内、特にスイッチ部に侵入しないように充分な水密性が要求され、要部をシリコーンゴムでシールする技術が、例えば平成8年5月30に登録された実用新案第2506507号(実願昭63−96530号、但しこの公報にはシリコンゴムと記載されている)に提案されている。
【0003】
しかし、自動販売機の道路へのはみ出し設置が近年厳しく取り締まられるようになって来たので、押ボタン装置を含めた全体の奥行寸法を小さくする必要があるが、前記実用新案第2506507号の押ボタン構造は前面パネルの前面に取り付ける構造であるため、前方への突出量を小さくすることが困難であった。
【0004】
一方、実開平3−127971号公報には、自動販売機のパネルに開設した穴にパネル前面からスイッチの後部を差し込んで固定する技術が提案されている。このスイッチ構造ではスイッチの前方への突出量が抑えられるが、このスイッチは部材間のシール性が悪いために、内部に雨水が浸入して電気系統や駆動部分でトラブルが発生し易いと云った問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、優れたシール性を確保しながら、前方への出っ張り寸法を小さくすることのできる押ボタン装置を提供する必要性があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した技術の課題を解決するためになされたものであって、自動販売機の前面パネルに開設されたパネル穴に筒状部が前面パネルの表側から差し込まれ前側頭部がパネル穴と筒状部との間の隙間を覆って前面パネルの表面側に外装される押ボタンケースと、この押ボタンケースの筒状部前部に開設した押ボタン穴に前方に抜け落ちないように設置される操作部材と、前記押ボタンケースの筒状部内に背面から取り付けられて光を前方へ導くリフレクタと、前方突出部が前記操作部材の背面凹陥部に嵌め込まれ周辺部が前記押ボタンケースの内面と前記リフレクタとで押圧挟持され前記前方突出部と前記周辺部との中間部の弾力によって前方突出部が前記リフレクタと離間して前記操作部材を前後方向移動可能に保持する弾性部材と、この弾性部材の背面から後方へそれぞれ延設される棒状スイッチ機能部及び透光性棒状部と、前記リフレクタを通り抜けた前記棒状スイッチ機能部により開閉動作されるスイッチと前記リフレクタに挿入された前記透光性棒状部に対峙する発光ダイオードとを有して前記前面パネルの背面側に設置される基板と、前記押ボタンケースの前側頭部の前記前面パネル側で前記筒状部を囲繞する弾性体と、前記前面パネルの背面側で前記基板を支持し具備する傾斜突起が前記リフレクタのフックと係合して前記弾性体が変形するように前記押ボタンケースの前側頭部との間に前記前面パネルを挟持する押ボタン取付部材とを備え、前記押ボタンケースと前記押ボタン取付部材とが両端部に設けられるビスによっても連結固定されるようにした第1の構成の押ボタン装置と、
【0020】
自動販売機の前面パネルに開設されたパネル穴に筒状部が前面パネルの表側から差し込まれ前側頭部がパネル穴と筒状部との間の隙間を覆って前面パネルの表面側に外装される押ボタンケースと、この押ボタンケースの筒状部前部に開設した押ボタン穴に前方に抜け落ちないように設置される操作部材と、前記押ボタンケースの筒状部内に取り付けられるリフレクタと、前方突出部が前記操作部材の背面凹陥部に嵌め込まれ周辺部が前記押ボタンケースの内面と前記リフレクタとで押圧挟持され前記前方突出部と前記周辺部との中間部の弾力によって前方突出部が前記リフレクタと離間して前記操作部材を前後方向移動可能に保持する弾性部材と、この弾性部材の背面から後方へそれぞれ延設される棒状スイッチ機能部及び透光性棒状部と、前記リフレクタを通り抜けた前記棒状スイッチ機能部により開閉動作されるスイッチと前記リフレクタに挿入された前記透光性棒状部に対峙する発光ダイオードとを有して前記前面パネルの背面側に設置される基板と、前記基板を保持し前記リフレクタと係合する押ボタン取付部材と、前記押ボタンケースの前側頭部の前記前面パネル側には前記筒状部を囲繞するように弾性体を備え、前記リフレクタの外周部には傾斜突起を有し、前記押ボタンケースの筒状部には係合穴を有しており、前記押ボタンケースの押ボタン穴に前記操作部材が挿入され前記棒状スイッチ機能部が前記リフレクタを通り抜け前記透光性棒状部が前記リフレクタに挿入されるよう前記弾性部材と前記リフレクタを前記押ボタンケースの筒状部に背面から挿入し、前記傾斜突起が前記係合穴に嵌合して、前記押ボタンケースの内面と前記リフレクタとで前記弾性部材の周辺部を押圧挟持して前記前方突出部が前記リフレクタと離間して前記操作部材を前後方向移動可能に保持するよう前記押ボタンケースと前記操作部材と前記リフレクタと前記弾性部材を一体化し、この一体化した状態で前記押ボタンケースの筒状部を前記パネル穴に前記前面パネルの表側から差し込み、前記基板を支持して前記前面パネルの背面側に配設した前記押ボタン取付部材と前記リフレクタとを前記押ボタン取付部材の弾性変形可能な部分の弾性変形又は前記リフレクタのフックを利用して係合させることにより、前記押ボタンケースの前側頭部と前記前面パネルとの間に前記弾性体を密着して、前記押ボタンケースの前側頭部と前記押ボタン取付部材とで前記前面パネルを挟持し、その後前記押ボタンケースと前記押ボタン取付部材の両端部同士をビスによって連結固定して前記前面パネルに取り付ける押ボタン装置の取付方法を提供するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
自動販売機200に使用される本発明の押ボタン装置100は、図1に示したように、自動販売機200の透明な前面パネル201の表面側から取り付けられる押ボタンケース1、小径のOリング2A、操作部材としてのキートップ3、弾性部材4、弾性部材固定手段としてのリフレクタ5、大径のOリング2Bと、前面パネル201の背面側から取り付けられる補強部材6、ビス7、基板8、ボタン取付部材9とからなる。
【0022】
押ボタンケース1は、図7に示したように貫通した押ボタン穴10が複数、例えば4個列設された板状部11と、各押ボタン穴10を囲繞して板状部11の背面から後方に延設された4個の筒状部12とを有する。各筒状部12は、自動販売機200の前面パネル201に列設されたパネル穴202と同一ピッチで、且つ、パネル穴202に挿入可能に外径がそれより僅かに細く形成される。
【0023】
押ボタンケース1の板状部11は、その背面側に各筒状部12を囲繞する浅い溝13を備えて、少なくとも押ボタン穴10が開設されている部分は前面パネル201のパネル穴202より大きく形成され、溝13それぞれに例えば図11(b)に示した形状の、シリコーンゴム、軟質ゴムなどの弾性体からなるOリング2Bが嵌め込まれて、自動販売機200への装着時における前面パネル201と押ボタンケース1との間の水密性が確保される。
【0024】
また、押ボタンケース1の内側の一部、例えば下方を除く部分は図3などに示したように押ボタン穴10から2段、すなわち第1の垂直壁14と第2の垂直壁15を介して拡径されて筒状部12の内壁に至り、第1の垂直壁14には筒状部12の後端開口部から挿入されたキートップ3の張出部16が係合し、第2の垂直壁15は全周に渡って形成され、この部分に弾性部材4の周辺部19前面が接する。
【0025】
また、押ボタンケース1の両端部の背面から後方に、図示しない雌ネジを有する筒状部17が前面パネル201に開設された小径のパネル穴203にその前面から差し込めるように延設されている。
【0026】
図11(a)に示した形状の小径のOリング2Aは、押ボタンケース1の筒状部17にその後端部から嵌め込まれて、ビス7による押ボタンケース1の前面パネル201への取付時にパネル穴203の周囲の水密性を確保するものであり、シリコーンゴム、軟質ゴムなどの弾性体から形成される。
【0027】
キートップ3は、例えば透明なプラスチックからなり、図8に示したようにその筒状体の前端は閉塞され、開口した後端下部を除く部分からは前記張出部16が外方に延設され、押ボタンケース1の開口した筒状部12の後端から挿入されたときに、張出部16が押ボタンケース1の第1の垂直壁14に係合して押ボタン穴10から前方への脱落が防止できるようになっている。
【0028】
弾性部材4は、図9に示したように中央部がキートップ3の凹陥した内側と同形に前方に突出形成され、この前方突出部18がキートップ3の凹陥部に嵌め込まれ、前記周辺部19が押ボタンケース1の第2の垂直壁15とリフレクタ5の前端とで挟持され、傾斜した中間部20の弾力によって、キートップ3を押ボタン穴10から前方に押し出す方向に作用する力で浮かせて保持すると共に、キートップ3を押ボタン穴10の内側に1mm前後押し込むことができるように形成されている。
【0029】
この弾性部材4は弾力性、耐久性、光透過性などを考慮して、半透明のシリコーン樹脂で形成されるのが好ましい。また、弾性部材4は前方突出部18の背面から基板8の方向に直角に延設された左右一対の棒状スイッチ機能部(これが「課題を解決するための手段」でスイッチ機能部材と云ったものに該当する)21L、21Rと、上下一対の透光性棒状部22T、22Bとを有し、透光性棒状部22Tが延設されている前方突出部18の表面側には販売中を意味する○印23が、透光性棒状部22Bが延設されている前方突出部18の表面側には売切24が印刷されている。
【0030】
なお、これらの印刷は赤色を全面に途布し、さらにその上に所要の文字、図形などを黒抜き印刷することで、透光性棒状部22T、22Bそれぞれの後端部が対峙する部分の基板8に設けた上下一対の発光ダイオード25T、25Bの点灯時にも内部が透けて見えないように構成されている。
【0031】
リフレクタ5は不透明なプラスチックなどからなり、図10に示したように前部の略円形をした外周部に所定の間隔で分散配置された複数の傾斜突起26と、上板27の下面後端部の左右2個所に設けられたレ型のフック27L、27Rと、下板28の上面後端部の左右2個所に設けられたレ型のフック28L、28Rとを有し、押ボタンケース1の筒状部12に開設された複数の係合穴30に対応する傾斜突起26を嵌合させることで、押ボタンケース1に取り付けられる。
【0032】
この押ボタンケース1への取付状態において、リフレクタ5の前端部が弾性部材4の周辺部19の背面に密着し、押ボタンケース1とキートップ3との間の水密性が確保される。この場合、押ボタンケース1の第2の垂直壁15の縁部には1本の突条31がエンドレスに設けられており、この突条31が弾性部材4の前面に食い込むように装着されるのでシール性が一層高まる構造となっている。
【0033】
また、リフレクタ5は、中心部分の上下2箇所に水平に横置形成された筒状体から構成されて弾性部材4の透光性棒状部22T、22Bが差し込まれる上下一対の穴32T、32Bを有すると共に、この上下2個の穴の左右位置に前後に貫通し弾性部材4の棒状スイッチ機能部21L、21Rが差し通される左右一対の隙間33L、33Rを有して形成され、基板8の発光ダイオード25T、25Bが出す光を前方に導く機能と、弾性部材4によるシールを確実にする機能とを併有しているので、コストを下げる効果が大きい。
【0034】
上記した自動販売機200の前面パネル201にその前面側から組み付けられる押ボタンケース1、Oリング2Aと2B、キートップ3、弾性部材4およびリフレクタ5の6部品は、プリセットされた状態で自動販売機200の前面パネル201に組み付けられる。
【0035】
すなわち、小径のOリング2Aは押ボタンケース1の両端部の筒状部17にその後端部側から嵌め込まれ、太径のOリング2Bは押ボタンケース1の溝13に筒状部12の側から嵌め込まれ、キートップ3は押ボタンケース1の筒状部12の後部開口端から挿入されて押ボタン穴10に嵌められ、このキートップ3の内側に弾性部材4が同様にその前方突出部18を嵌め込まれて挿入され、この状態でリフレクタ5の複数の傾斜突起26を押ボタンケース1の複数の係合穴30に嵌め込ませることで一体化される。
【0036】
一方、前面パネル201の背面に設置される補強部材6は、剛性の大きい素材である鉄板などから形成され、図12に示したように前板35と、この前板35の上下両端部から後方に延設された上板36と下板37とから断面コ字状に折り曲げ形成されて補強されており、その長さは前面パネル201に列設された8個のパネル穴202と4個のパネル穴203に対応可能に長く形成され、その前板35にはパネル穴202に対応して開設された大きい8個の穴38と、パネル穴203に対応して開設された小さい4個の穴39とを有し、穴39を介して押ボタンケース1の筒状部17が後方に突出する。
【0037】
また、この補強部材6の上板36の背面側には8個の切欠き部40が前面パネル201のパネル穴202に対応する位置に形成され、且つ、前板35の両端部から後方には横板41が延設されている。
【0038】
基板8は、図13に示したように前面パネル201の各パネル穴202に対応する位置それぞれに、左右一対のスイッチ42L、42Rからなるスイッチ42と、上下一対の前記発光ダイオード25T、25Bとを備えると共に、これらのスイッチと発光ダイオードを制御するマイコン43と、左右一対のコネクター44L、44Rとを備えて、ボタン取付部材9の複数の脱落防止部材45により位置決め支持されて前面パネル201の背面側に配設される。
【0039】
脱落防止部材45を有するボタン取付部材9は、図14に示したように背面板46と、その背面板46の上下両端部から前方に延設された上板47と下板48とを有して、基板8をその内側に収納保護する機能を備えると共に、前面パネル201の各パネル穴202に対応する位置それぞれの上板47外面の後端部左右2個所には一対の傾斜突起49L、49Rが設けられ、下板48外面後端部の左右2個所には一対の傾斜突起50L、50Rが設けられ、これらの傾斜突起とリフレクタ5のフック27L、27R、28L、28Rとを係合させることで、押ボタンケース1などがパネル201に取り付けられる。
【0040】
そして、この取付時に、自動販売機200の前面パネル201と押ボタンケース1とはその間に介在するOリング2Aおよび2Bが変形するように密着取付されて、前面パネル201と押ボタンケース1との間がOリング2Aおよび2Bによって水密状態にシールされる。
【0041】
なお、ボタン取付部材9は、ビス7のネジ部を差し通すことができる前後に連通した左右一対の穴51L、51Rを、前面パネル201のパネル穴203に臨む位置に備えており、穴51L、51Rにその背面からビス7を差し込み、押ボタンケース1の筒状部17の図示しない雌ネジに螺合させることで取り付けが一層確実になる。
【0042】
このボタン取付部材9は金属板をプレス成形して作成することもできるが、支持する基板8の位置や、傾斜突起49L、49R、50L、50Rの位置、寸法などが精度良く形成できるように、合成樹脂などを用いた型成形品とすることが好ましい。この場合、ボタン取付部材9は、図3、図4などに示したように、背面板47などに厚肉部を設けたり、リブ状部を設けるなどして、剛性を高めることが望ましい。
【0043】
そして、この基板8の前面パネル201背面への装着時に、弾性部材4の棒状スイッチ機能部21L、21Rの後端それぞれがリフレクタ5の隙間33L、33Rを通り抜けて基板8のスイッチ42L、42Rの前方約0.5mmに位置し、透光性棒状部22T、22Bそれぞれが穴32T、32Bに挿入されて基板8の発光ダイオード25T、25Bに対峙するように構成されている。
【0044】
なお、押ボタン取付部材9によって支持されて前面パネル201の背面に列設される基板8同士は、図15に示したようにコネクター44L、44Rを介して連結され、上下に並設される基板8同士は自動販売機200の制御器52にシリーズに接続される。
【0045】
そして、制御器52が出力する制御信号によって全ての基板8のスイッチ42毎に上下一対の発光ダイオート25T、25Bの何れか一方が商品の在庫状態に応じて点灯すると共に、発光ダイオート25Tが点灯しているときに所要の額面の貨幣が図示しない貨幣投入口から投入され、対応する押ボタンスイッチのキートップ3が押ボタン穴10の内側に押し込まれて、棒状スイッチ機能部21L、21Rの少なくとも何れか一方の後端が対峙するスイッチ42L、42Rを押したときにはそのスイッチ42が閉成し、これにより制御器52から自動販売機200の図示しない商品搬送手段に制御信号が送信されて所要の商品の販売動作が行われるようになっている。
【0046】
なお、発光ダイオート25T、25Bが点灯すると、発光ダイオート25T、25Bから出た光は透光性棒状部22T、22Bにその後端部から進入し、屈折率が空気より大きい透光性棒状部22T、22Bの光ファイバー効果によって外部に漏れることなく前方に案内され、弾性部材4の前方突出部18の表面に印刷した○印23または売切24の何れか一方が明るく照らし出される。
【0047】
上記構成の本発明の押ボタン装置100においては、上記したように押ボタンケース1にOリング2A、2Bと、キートップ3と、弾性部材4と、リフレク5とをプリセットすると共に、自動販売機200の前面パネル201の背面側から取り付ける補強部材6、基板8およびボタン取付部材9も、基板8を支持したボタン取付部材9を補強部材6の上板36と下板37との間にその後方から差し込んでプリセットし、前面パネル201の表面側と背面側とに対向設置し、両者をプレス機などで押圧嵌合させて取り付けることができるので、これら部品を一つづつ取り付ける場合に比較して自動販売機200の生産性が格段に向上する。
【0048】
また、本発明の押ボタン装置100においては、ボタン取付部材9の左右一対の穴51L、51Rにその後方から差し込まれ、押ボタンケース1の筒状部17の図示しない雌ネジに螺合されるビス7によっても前面パネル201に固定されるので、悪戯されても押ボタン装置100が外れると言ったことがない。
【0049】
なお、図17に示したように、ボタン取付部材9の上板47の下面前端部に設けた突起53Tと、下板48の上面前端部に設けた突起53Bとが前後方向に移動可能に、上板47、下板48および背面板46の一部を切り欠き、リフレクタ5の上板27と下板28それぞれに開設した穴27Cと28Cに突起53T、53Bをその立板部分を前方に強制的に弾性変形させながら嵌め入れて係合させ、立板部分の弾性力によってリフレクタ5をボタン取付部材9側に引き付け、これによって押ボタンケース1を前面パネル201の前面に押し付け、Oリング2A、2Bによるシール性を一層高めるように構成することもできる。
【0050】
また、図18に示したように、弾性部材4の前方突出部18を凸レンズ状に中央部を膨らませて形成し、上下方向に位置ずれした所からも、○23や売切24が見え易くすることができる。
【0051】
また、弾性部材4の前方突出部18の背面側も破線で示すように中央部を肉厚に形成して、発光ダイオート25T、25Bから出て透光性棒状部22T、22Bを通って前方突出部18に至る光が前方部分で拡散して○印23や売切24が均一に照らされるように構成することもできる。
【0052】
また、弾性部材4の透光性棒状部22T、22B後端部を球面状に凹陥させ、この球面状に凹んだ後端部が発光ダイオート25T、25Bを覆うように配置し、発光ダイオート25T、25Bから出た光が漏れなく透光性棒状部22T、22Bにその後端部から進入するように構成することもできる。
【0053】
また、弾性部材4の棒状スイッチ機能部21L、21Rは後端部に導電性部材を取り付け、基板8のスイッチ42を棒状スイッチ機能部21L、21Rの導電性部材の何れかが接したときに閉成するタイプのスイッチとすることもできる。
【0054】
また、操作部材であるキートップ3は張出部16を備えないで作成し、弾性部材4の前面に貼り付けるなどしてキートップ3と弾性部材とを一体化することもできる。
【0055】
また、透光性棒状部22T、22Bを備えない弾性部材4を作成すると共に、リフレクタ5の穴32T、32Bの内面を光の反射率が高い白色で、且つ、平滑に仕上げて発光ダイオード25T、25Bから出た光が効率よく弾性部材4の前方突出部18の印刷部に案内されるように構成することもできる。
【0056】
また、透光性棒状部22T、22Bを備えない弾性部材4においては、例えば○印23と売切24とが印刷表示された前方突出部18の印刷部分の背面部分を図19に示したように薄く形成し、表面側の印刷表示を発光ダイオード25T、25Bから出た光で明るく照らすようにすることもできる。なお、この場合は黒色のシリコーン樹脂で弾性部材4を形成し、不要な光が横方向に漏れないように遮断することが好ましい。
【0057】
また、ボタン取付部材9を色付きの樹脂で形成し、本発明の押ボタン装置100の背面側に設ける図示しない照明器具による光でもってキートップ3の部分、またはその周囲をボタン取付部材9の色に色付けるようにすることもできる。
【0058】
また、補強部材6、ビス7は必ずしも設ける必要はない。例えば、悪戯される
懸念がない場合には、補強部材6、ビス7の設置を省略してコストの削減を図ることもできる。
【0059】
また、押ボタンケース1は筒状部12を1個だけ有するように短く形成することもできる。
【0060】
また、複数の押ボタン穴10に、一つの弾性部材4、一つのリフレクタ5が対応するように構成することもできる。
【0061】
また、本発明の押ボタン装置100は、自動販売機200以外のもの、例えば飲料供給機や自動貸し出し機などにも組み込むことができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の押ボタン装置においては、自動販売機の商品選択手段として組み付け使用する場合には、前面パネルに開設したボタン取付け用のパネル穴の内側に大半の部品が収納されるので、前方への突出幅は小さくなり、狭いところにも設置可能となった。また、部品同士の間のシールを弾性部材で行い、自動販売機の前面パネルとの間のシールをリング状シール部材(Oリング)で行うので、シール性が良い。さらに、押ボタンケースと押ボタン取付部材とは、両端部同士がビスによっても連結固定さるので、装着部から外れ難く、悪戯され難い。
【0063】
また、前面パネルから前方への突出幅が小さく抑えられたので、押ボタン装置の部分には埃が溜り難く、清潔な状態が長く保てると共に、突起部分に手を引っ掛けて負傷すると云った懸念がなくなったので、前面パネルや押ボタン装置の汚れを拭き取る作業が短時間で行えるようになった。
【0064】
なお、前面パネルの表面側に外装される押ボタンケースの前側頭部や、操作部材(キートップ)の外周部分に丸みを設けることで、突起部分に手を引っ掛けて負傷する懸念がなくなると云った前記作用効果は一層顕著になる。
【0065】
また、押ボタン取付部材が前後方向に弾性変形可能な部分を有し、この部分の弾性変形を利用して押ボタン取付部材を押ボタンケースまたは弾性部材固定手段に着脱する構造の押ボタン装置においては、パネルへの密着性が一層高くなるので、水密性が一層改善される。
【0066】
また、パネル穴が列設された前面パネルを長い押ボタンケースと押ボタン取付部材とで挟持し、その間に長い補強部材を設ける構造の押ボタン装置においては、前面パネルを補強する作用効果が大きく、したがって前面パネルの薄板化が図れると云った特長がある。
【0067】
また、一つの押ボタンケースに複数の筒状部が設けられ、この押ボタンケースに一つの押ボタン取付部材と一つの基板が対応設置される構造の押ボタン装置においては、生産性が極めて高くなり、コスト削減効果が一層顕著となる。これは、リフレクタの傾斜突起が押ボタンケースの筒状部の係合穴に嵌合させることによって、弾性部材の周辺部が押圧挟持されて、押ボタンケースと操作部材との間が水密状態になる組み立てができ、押ボタン取付部材の弾性変形可能な部分の弾性変形又はリフレクタのフックの利用によって、リフレクタと押ボタン取付部材とが係合するため、押ボタンケースの前側頭部とパネルとの間が水密状態となる組み立てができ、防水機能が要求される押ボタン装置の組み立てがし易きものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の部品構成を示す説明図である。
【図2】本発明の装置が自動販売機に装着されたときの水平断面の説明図である。
【図3】図2におけるX−X断面の説明図である。
【図4】図2におけるX−X断面の説明図である。
【図5】図2におけるZ−Z断面の説明図である。
【図6】本発明の装置を真後ろから見た説明図である。
【図7】押ボタンケースの説明図である。
【図8】キートップの説明図である。
【図9】弾性部材の説明図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は断面図である。
【図10】リフレクタの説明図である。
【図11】Oリングの説明図である。
【図12】補強部材の説明図である。
【図13】基板の説明図である。
【図14】ボタン取付部材の説明図である。
【図15】基板の接続を示す説明図である。
【図16】自動販売機の説明図である。
【図17】押ボタン取付部材の一変形実施形態を示す説明図である。
【図18】弾性部材の一変形実施形態を示す説明図である。
【図19】弾性部材の他の変形実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 押ボタンケース
2A、2B Oリング
3 キートップ
4 弾性部材
5 リフレクタ
6 補強部材
7 ビス
8 基板
9 ボタン取付部材
10 押ボタン穴
11 板状部
12 筒状部
13 溝
14 第1の垂直壁
15 第2の垂直壁
16 張出部
17 筒状部
18 前方突出部
19 周辺部
20 中間部
21L・21R 棒状スイッチ機能部
22T・22B 透光性棒状部
23 ○印
24 売切
25T・25B 発光ダイオード
26 傾斜突起
27 上板
27L・27R フック
27C 穴
28 下板
28L・28R フック
28C 穴
30 係合穴
31 突条
32T・32B 穴
33L・33R 隙間
35 前板
36 上板
37 下板
38・39 穴
40 切欠き部
41 横板
42・42L・42R スイッチ
43 マイコン
44L・44R コネクター
45 脱落防止部材
46 背面板
47 上板
48 下板
49L・49R・50L・50R 傾斜突起
51L・51R 穴
52 制御器
53T・53B 突起
100 押ボタン装置
200 自動販売機
201 前面パネル
202・203 パネル穴
Claims (2)
- 自動販売機の前面パネルに開設されたパネル穴に筒状部が前面パネルの表側から差し込まれ前側頭部がパネル穴と筒状部との間の隙間を覆って前面パネルの表面側に外装される押ボタンケースと、この押ボタンケースの筒状部前部に開設した押ボタン穴に前方に抜け落ちないように設置される操作部材と、前記押ボタンケースの筒状部内に背面から取り付けられて光を前方へ導くリフレクタと、前方突出部が前記操作部材の背面凹陥部に嵌め込まれ周辺部が前記押ボタンケースの内面と前記リフレクタとで押圧挟持され前記前方突出部と前記周辺部との中間部の弾力によって前方突出部が前記リフレクタと離間して前記操作部材を前後方向移動可能に保持する弾性部材と、この弾性部材の背面から後方へそれぞれ延設される棒状スイッチ機能部及び透光性棒状部と、前記リフレクタを通り抜けた前記棒状スイッチ機能部により開閉動作されるスイッチと前記リフレクタに挿入された前記透光性棒状部に対峙する発光ダイオードとを有して前記前面パネルの背面側に設置される基板と、前記押ボタンケースの前側頭部の前記前面パネル側で前記筒状部を囲繞する弾性体と、前記前面パネルの背面側で前記基板を支持し具備する傾斜突起が前記リフレクタのフックと係合して前記弾性体が変形するように前記押ボタンケースの前側頭部との間に前記前面パネルを挟持する押ボタン取付部材とを備え、前記押ボタンケースと前記押ボタン取付部材とが両端部に設けられるビスによっても連結固定されることを特徴とする押ボタン装置。
- 自動販売機の前面パネルに開設されたパネル穴に筒状部が前面パネルの表側から差し込まれ前側頭部がパネル穴と筒状部との間の隙間を覆って前面パネルの表面側に外装される押ボタンケースと、この押ボタンケースの筒状部前部に開設した押ボタン穴に前方に抜け落ちないように設置される操作部材と、前記押ボタンケースの筒状部内に取り付けられるリフレクタと、前方突出部が前記操作部材の背面凹陥部に嵌め込まれ周辺部が前記押ボタンケースの内面と前記リフレクタとで押圧挟持され前記前方突出部と前記周辺部との中間部の弾力によって前方突出部が前記リフレクタと離間して前記操作部材を前後方向移動可能に保持する弾性部材と、この弾性部材の背面から後方へそれぞれ延設される棒状スイッチ機能部及び透光性棒状部と、前記リフレクタを通り抜けた前記棒状スイッチ機能部により開閉動作されるスイッチと前記リフレクタに挿入された前記透光性棒状部に対峙する発光ダイオードとを有して前記前面パネルの背面側に設置される基板と、前記基板を保持し前記リフレクタと係合する押ボタン取付部材と、前記押ボタンケースの前側頭部の前記前面パネル側には前記筒状部を囲繞するように弾性体を備え、前記リフレクタの外周部には傾斜突起を有し、前記押ボタンケースの筒状部には係合穴を有しており、前記押ボタンケースの押ボタン穴に前記操作部材が挿入され前記棒状スイッチ機能部が前記リフレクタを通り抜け前記透光性棒状部が前記リフレクタに挿入されるよう前記弾性部材と前記リフレクタを前記押ボタンケースの筒状部に背面から挿入し、前記傾斜突起が前記係合穴に嵌合して、前記押ボタンケースの内面と前記リフレクタとで前記弾性部材の周辺部を押圧挟持して前記前方突出部が前記リフレクタと離間して前記操作部材を前後方向移動可能に保持するよう前記押ボタンケースと前記操作部材と前記リフレクタと前記弾性部材を一体化し、この一体化した状態で前記押ボタンケースの筒状部を前記パネル穴に前記前面パネルの表側から差し込み、前記基板を支持して前記前面パネルの背面側に配設した前記押ボタン取付部材と前記リフレクタとを前記押ボタン取付部材の弾性変形可能な部分の弾性変形又は前記リフレクタのフックを利用して係合させることにより、前記押ボタンケースの前側頭部と前記前面パネルとの間に前記弾性体を密着して、前記押ボタンケースの前側頭部と前記押ボタン取付部材とで前記前面パネルを挟持し、その後前記押ボタンケースと前記押ボタン取付部材の両端部同士をビスによって連結固定して前記前面パネルに取り付けることを特徴とする押ボタン装置の取付方法。
Priority Applications (1)
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JP24764098A JP3865348B2 (ja) | 1998-09-01 | 1998-09-01 | 押ボタン装置、ならびにその取付方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24764098A JP3865348B2 (ja) | 1998-09-01 | 1998-09-01 | 押ボタン装置、ならびにその取付方法 |
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ID=17166513
Family Applications (1)
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JP24764098A Expired - Lifetime JP3865348B2 (ja) | 1998-09-01 | 1998-09-01 | 押ボタン装置、ならびにその取付方法 |
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-
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- 1998-09-01 JP JP24764098A patent/JP3865348B2/ja not_active Expired - Lifetime
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