JP3864794B2 - CURABLE COMPOSITION AND HARD COAT TREATED ARTICLE - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬度が高く硬化収縮が少ない硬化物が得られる硬化性組成物に関する。また該硬化性組成物を基材上に塗布した後、硬化させることで得られる硬化樹脂層を有するハードコート処理物品に関する。さらに詳しくは、本発明は、膜剥がれやひび割れの発生が少なく、優れた耐擦傷性、表面硬度を有するハードコート処理物品に関する。また、本発明は、膜剥がれやひび割れの発生が少なく、硬化後のカールの少ない、優れた耐擦傷性、表面硬度を有するハードコートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラスチック製品が、加工性、軽量化の観点でガラス製品と置き換わりつつあるが、これらプラスチック製品の表面は傷つきやすいため、耐擦傷性を付与する目的で硬化樹脂層からなるハードコート層を直接塗設したり、ハードコート層付きプラスチックフィルム(ハードコートフィルムと称する)を貼合して用いる場合が多い。また、従来のガラス製品についても、飛散防止のためにプラスチックフィルムを貼合する場合が増えており、これらのフィルム表面の硬度強化のために、その表面にハードコート層を形成することは有用であり、広く行われている。
【0003】
従来のハードコート塗料としては、熱硬化性塗料、あるいは紫外線硬化型塗料が用いられているが、これをプラスチックフィルム上に塗布した後、硬化させて得られるハードコートフィルム用途にはプラスチックフィルム自身の耐熱性が低いため、低温で硬化可能な紫外線硬化型塗料が広く用いられている。一般に、紫外線硬化型塗料に用いられている硬化性成分は、分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する分子量が数百から数千のオリゴマーが用いられる。しかしながら、該オリゴマー化合物はアクリル基の導入量が少ないものが多く、単独では十分な硬度が得られないため、より高い硬度が要求されるハードコート塗料としては、多官能アクリレートモノマーが広く用いられている。
【0004】
一般にハードコートフィルムは、上記のようなハードコート塗料をプラスチックフィルム上に直接、或いは1μm程度のプライマー層を介して3〜10μm程度の薄い塗膜を形成して製造している。しかしながら、従来のハードコートフィルムは、そのハードコート層の硬度が不十分であったこと、また、その塗膜厚みが薄いことに起因して、下地のプラスチック基材フィルムが変形した場合に、それに応じてハードコート層も変形し、ハードコートフィルム全体としての硬度は低く、十分に満足できるものではなかった。例えば、プラスチック基材フィルムとして広く利用されているとトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、紫外線硬化型塗料を上記の厚みで塗工したハードコートフィルムにおいては、鉛筆硬度で2H〜3Hレベルが一般的であり、ガラスの鉛筆硬度である9Hには全く及ばないものである。
【0005】
一方、硬度が不充分であってもハードコート層の厚みを通常の3〜10μmよりも単に厚くすれば、得られたハードコートフィルムの硬度は向上するが、ハードコート層のひび割れが生じやすくなると同時に硬化時の体積収縮により基材との接着性が悪化し剥離を生じたりハードコートフィルムのカールが大きくなるという問題がある。このため従来の技術では、実用上使用できる良好な特性を有するハードコートフィルムを得ることは困難であった。
【0006】
ハードコート層の樹脂形成成分を多官能アクリレートモノマーとし、これにアルミナ、シリカ、酸化チタン等の粉末状無機充填剤および重合開始剤を含有する被覆用組成物が特公平02−60696号に開示されている。また、アルコキシシラン等で表面処理したシリカもしくはアルミナからなる無機質の装填材料を含む光重合性組成物が特公昭62−21815号に開示されている。また、ハードコート層を2層化し、第一層に微粒子のシリカを添加することで、カールと耐傷性を満足させる方法が特開2000−52472に提案されている。これらに記載されるように、無機微粒子を添加することで、ハードコート層の硬度は向上し、さらに硬化収縮量も低減されるが、近年要求されているハードコートの表面硬度に対して満足いくものではなかった。
【0007】
特開平8−73771号には1分子内に3個以上のラジカル重合性基を含む化合物と1分子内にエポキシ基を1〜5個含有するカチオン重合性化合物の混合物からなる光硬化性ハードコート組成物についての記載がある。該公報の形態は硬化収縮量はある程度低減されるが、十分な硬度が得られず、表面硬度を高めるために膜厚を厚くするとハードコートフィルムのカールが大きくなり、硬度、硬化収縮の点で満足いくものではなかった。
【0008】
特開2000−71392号にハードコート層を2層構成とし、下層をラジカル硬化性樹脂とカチオン硬化性樹脂のブレンドからなる硬化樹脂層を使用し、上層にラジカル硬化性樹脂のみからなる硬化樹脂層を使用したハードコートフィルムの記載がある。該公報によると下層の弾性率を上層よりも低くすることで加えられた応力をハードコート層の変形により吸収できると記載があり、実施例中においても下層に単官能もしくは2官能のカチオン硬化性化合物を用いることにより、確かに膜剥がれやひび割れ、カールが少なく、4Hの鉛筆硬度を実現している。しかしながら、このような構成は、JIS K5400で傷として定義されている塗膜の剥がれや塗膜の擦り傷は発生しにくいが、塗膜のへこみが顕著であり、これを改良しようとして上層の硬度を高めたり膜厚を厚くするとフィルム裁断時のエッジ部でのひび割れが発生し、近年要求されているハードコートの表面硬度に対して満足いくものではなかった。
【0009】
われわれは鋭意検討の結果、特定の化合物を用いることで硬度が高く、硬化収縮の少ない硬化物が得られる硬化性組成物を見出した。また基材上に該硬化性組成物を塗設することで硬化後の膜剥がれやひび割れが生じにくく、十分な硬度を有するハードコート処理物品を得られることを見出した。さらに基材にプラスチックフィルムを用いても硬化収縮に起因するカールが少なく、十分な硬度を有するハードコートフィルムを得られることを見出した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、硬度が高く硬化収縮が少ない硬化物が得られる硬化性組成物を提供することにある。また、膜剥がれやひび割れが生じにくく、十分な硬度を有するハードコート処理物品を提供することにある。また、プラスチックフィルム基材を使用した場合も膜剥がれやひび割れが生じにくく、更には硬化収縮に起因するカールの問題を回避し、十分な硬度を有するハードコートフィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段によって達成された。
1)下記一般式(1)で表される側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を50〜100質量%有する架橋製ポリマー、及び/又は、主鎖に酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれたヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーを含有する硬化性組成物をプラスチックフィルム基材上に塗布し硬化させて得られ、硬化後のハードコート層の膜厚が20〜200μmであることを特徴とするハードコート処理フィルム、
一般式(1)
【化6】

Figure 0003864794
式中R1は水素原子は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、1アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L1は単結合は二価の連結基である。
2)主鎖に酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれたヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位が、下記一般式(2)〜(4)よりなる群から選ばれた繰り返し単位を1つ以上含む架橋性ポリマーである1)記載のハードコート処理フィルム、
一般式(2)
【化7】
Figure 0003864794
式中、R21、R22及びR23はそれぞれ独立に(i)水素原子、(ii) 3 で表される一価の置換基(ここでR 3 は、−OR 21 、−OR 22 及び−OR 23 がエステル基もしくはエーテル基となるような一価の置換基を表す。)(iii)P2−L2−のいずれかであるが、少なくとも1つがP2−L2−であり、2アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L2は二価の連結基である。
一般式(3)
【化8】
Figure 0003864794
式中n個の31及びn個の32、同じであっても異なっていてもよく、(i)水素原子、(ii)炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又は(iii)31−L31−のいずれかであ、少なくとも1つがP31−L31−であり、31アクリロイル基、メタクリロ イル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L31は単結合又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基で置換されていてもよい二価の連結基を表し、nは2〜4の整数であり、R 31 及びR 32 は2つが連結して環構造を形成していてもよい
一般式(4)
【化9】
Figure 0003864794
式中P41アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L41は単結合もしくは二価の連結基を表し、n個の41 及びn個の42水素原子は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、nは2〜3の整数であり、いずれの場合もR41、R42は同じであっても異なっていてもよく、2つのR41又はR42が連結し、環構造を形成していてもよい。
3)硬化性組成物中に同一分子内に2個以上の開環重合性基を含む化合物を含有し、開環重合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させて得られることを特徴とする1)又は2)記載のハードコート処理フィルム、
4)同一分子内に2個以上の開環重合性基を含む化合物が、下記一般式(5)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーである3)記載のハードコート処理フィルム、
一般式(5)
【化10】
Figure 0003864794
式中R5は水素原子は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、3は開環重合性基を含む一価の基であり、L5は単結合は二価の連結基である。
5)エチレン性不飽和基がアクリロイル基はメタクリロイル基である1)〜4)いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム、
6)開環重合性基がカチオン重合性基であり、エポキシ環、オキセタン環及びオキサゾリン環よりなる群から選ばれた3)〜5)いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム、
7)一般式(1)で表される繰り返し単位び/は主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーの酸価が0〜2mgKOH/gである1)〜6)いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム、
8)一般式(5)で表される繰り返し単位がグリシジルメタクリレート又はグリシジルアクリレートから誘導される繰り返し単位である4)〜7)いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム、
9)硬化性組成物を活性エネルギー線を利用して硬化する1)〜8)いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム、
10)硬化性組成物中に感光性カチオン重合開始剤と感光性ラジカル重合開始剤の両方を含む3)〜9)いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム、
11)硬化性組成物に架橋微粒子を含有する110)いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム、
12)プラスチック基材上に単層もしくは複数層のハードコート層を形成して得られるハードコート処理物品であって、少なくとも一層が、1)〜11)いずれか1つに記載の硬化性組成物を塗布した後、硬化して形成されるハードコート層であるハードコート処理フィルム、
13)ハードコート層が単層からなる12)記載のハードコート処理フィルム、
14)プラスチック基材上に複数層のハードコート層を形成して得られ、少なくとも最外層にハードコート層を有する12)記載のハードコート処理フィルム、
15)ハードコート表面の鉛筆硬度が4H〜9Hである1)〜14)いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム、
16)プラスチックフィルムがポリエステル、ポリカーボネート又はセルロース樹脂である1)〜15)いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のハードコート処理物品に用いられる硬化性組成物は、一般式(1)で表される繰り返し単位および/または主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーを含有している。また、本発明のハードコート処理物品は、基材上に本発明の硬化性組成物を塗布し、硬化して形成されるハードコート層を有するものであって、ハードコート層は単層であっても複数層から構成されていてもよいが、製造工程上簡便な単層であることが好ましい。この場合の単層とは同一組成物で形成されるハードコート層であって、塗布、乾燥後の組成が、同一組成のものであれば、複数回の塗布で形成されていてもよい。一方、複数層とは組成の異なる複数の組成物で形成されることを表し、本発明では少なくとも一層が、本発明の硬化性組成物を塗布し、硬化して形成されるハードコート層であることが必要であり、特に最外層が本発明の硬化性組成物を塗布し、硬化して形成されるハードコート層であることが好ましい。
【0013】
以下にこれら本発明の架橋性ポリマーについて詳細に説明する。一般式(1)の式中R1は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子もしくはメチル基である。L1は単結合もしくは二価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。好ましくは単結合、−O−、−COO−、−CONH−、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基である。P1はエチレン性不飽和基を含む一価の基である。好ましいP1としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基を含む一価の基であり、最も好ましくはアクリロイル基を含む一価の基である。
【0014】
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、(1)対応するモノマーを重合させて直接エチレン性不飽和基を導入する手法で合成してもよく、(2)任意の官能基を有するモノマーを重合して得られるポリマーに高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する手法で合成してもよい。また、(1)および(2)の手法を組み合わせて合成することもできる。重合反応としてはラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合などが挙げられる。前記、(1)の方法を用いる場合、重合反応により消費されるエチレン性不飽和基と架橋性ポリマー中に残されるエチレン性不飽和基の重合性の差を利用することが必要である。例えば、一般式(1)の好ましいP1のなかで、アクリロイル基、メタクリロイル基を含む一価の基を用いる場合、架橋性ポリマーを生成させる重合反応をカチオン重合とすることで前記(1)の手法によって本発明の架橋性ポリマーを得ることができる。一方、P1をスチリル基を含む一価の基とする場合、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれの方法をとってもゲル化が進行しやすいため通常前記(2)の手法によって本発明の架橋性ポリマーを合成する。
【0015】
このように前記(2)に記述した高分子反応を利用する手法は一般式(1)中に導入されるエチレン性不飽和基の種類によらず、架橋性ポリマーを得ることが可能であり、有用である。高分子反応は、例えば2−クロロエチル基から塩酸を脱離させるようなI)エチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基を含むポリマーを生成させたあとに官能基変換(脱離反応、酸化反応、還元反応など)によりエチレン性不飽和基に誘導する方法と、II)任意の官能基を含むポリマーを生成させたあとに、該ポリマー中の官能基と結合生成反応が進行し、共有結合を生成しうる官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する化合物(以降、反応性モノマーと称する)を反応させる方法が挙げられる。またこれらI)、II)の方法は組み合わせて行ってもよい。ここで言う結合形成反応とは、一般に有機合成分野で用いられる結合生成反応のなかで共有結合を形成する反応であれば特に制限なく使用できる。一方で、架橋性ポリマーに含まれるエチレン性不飽和基が反応中に熱重合し、ゲル化してしまう場合があるので、できるだけ低温(好ましくは60℃以下、特に好ましくは室温以下)で反応が進行するものが好ましい。また反応の進行を促進させる目的で触媒を用いても良く、ゲル化を抑制する目的で重合禁止剤を用いてもよい。
【0016】
以下に好ましい高分子結合形成反応が進行する官能基の組み合わせの例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
加熱もしくは室温で反応が進行する官能基の組み合わせとしては、
(イ)ヒドロキシル基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、ホルミル基、アセタール基、
(ロ)イソシアネート基に対してヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、N−メチロール基、
(ハ)カルボキシル基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、N−メチロール基、
(ニ)N−メチロール基に対して、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、
(ホ)エポキシ基に対して、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、N−メチロール基、
(ヘ)ビニルスルホン基に対してスルフィン酸基、アミノ基、
(ト)ホルミル基に対してヒドロキシル基、メルカプト基、活性メチレン基、
(チ)メルカプト基に対して、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、
(り)アミノ基に対して、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、などの組み合わせが挙げられる。
【0018】
以下に反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートなど)、N−メチロール基含有ビニルモノマー(例えば、 N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど)、エポキシ基含有ビニルモノマー(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、CYCLOMER−M100、A200(ダイセル化学工業(株)製)など)、カルボキシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、ビニル基含有ビニルモノマー(例えばアリルメタクリレート、アリルアクリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー(例えばアリルアミン)、が挙げられる。
【0020】
前記II)に記載した任意の官能基を含むポリマーは、反応性官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する反応性モノマーの重合を行うことで得ることができる。また、ポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビニルアルコールのように反応性の低い前駆体モノマーの重合後、官能基変換を行うことで得ることもできる。これらの場合の重合方法としては、ラジカル重合が最も簡便で好ましい。
【0021】
以下に一般式(1)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
【化11】
Figure 0003864794
【0023】
【化12】
Figure 0003864794
【0024】
【化13】
Figure 0003864794
【0025】
【化14】
Figure 0003864794
【0026】
【化15】
Figure 0003864794
【0027】
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(1)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、また、一般式(1)以外の繰り返し単位(例えばエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーのエチレン性不飽和基の含有量をコントロールする目的で一般式(1)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとする手法は好適である。一般式(1)以外の繰り返し単位の導入方法は、a)対応するモノマーを共重合させて直接導入する手法を用いてもよく、b)官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入する手法を用いてもよい。また、a)およびb)の手法を組み合わせて導入することもできる。
【0028】
a)の手法によって一般式(1)以外の繰り返し単位を、対応するビニルモノマーを重合することによって導入する場合、好ましく用いられるモノマーとしては、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるエステル類、もしくはアミド類(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ペンチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシメトキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2−ジメチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、セチルアクリレート、ベンジルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、メチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニルメチルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イルメチルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなど)、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステル類(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなど)、マレイミド類(N−フェニルマレイミドなど)、マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等が挙げれる。これらのビニルモノマーは2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら以外のビニルモノマーはリサーチディスクロージャーNo.1955(1980年、7月)に記載されているものを使用することができる。本発明ではアクリル酸またはメタクリル酸から誘導されるエステル類、およびアミド類、および芳香族ビニル化合物が特に好ましく用いられるビニルモノマーである。
【0029】
また、一般式(1)で表される繰り返し単位を前記(2)のように高分子反応で導入し、反応を完結させない場合、エチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基や反応性官能基を含む繰り返し単位を有する共重合体となるが、本発明では特に制限なく用いることができる。
【0030】
上記で挙げたビニルモノマーから誘導されるエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位の大部分は前述したb)官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入することも可能である。一方で、本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、高分子反応によってのみでしか、導入できない一般式(1)以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。典型的な例としてポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビニルアルコールやポリビニルアルコールのアセタール化反応によって得られるポリビニルブチラール等を挙げることができる。これらの繰り返し単位の具体的な例を以下に示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
【化16】
Figure 0003864794
【0032】
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、30質量%以上100質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下である。また、本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中の好ましいエチレン性不飽和基の含量はエチレン性不飽和基当量で400以下、更に好ましくは300以下、特に好ましくは200以下である。また、酸価は低いほうが高湿度下での硬度低下が少なく好ましい。この場合の好ましい酸価は0〜2mgKOH/gであり、更に好ましくは、0〜1mgKOH/gである。
【0033】
一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は数平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
【0034】
以下に一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表1に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
【0035】
【表1】
Figure 0003864794
【0036】
次に主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーについて説明する。主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーは主鎖にヘテロ原子を含むポリマーの置換可能な部位にエチレン性不飽和基を導入することで得ることができる。主鎖にヘテロ原子を含むポリマーとしては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリスルホンなどが挙げられ、いずれも置換可能部位へエチレン性不飽和基を導入することで使用可能であるが、本発明では特に一般式(2)〜(4)のいずれかで表される繰り返し単位を有する架橋性ポリマーが好ましく用いられる。
【0037】
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて説明する。一般式(2)の式中、 21 、R 22 及びR 23 はそれぞれ独立に(i)水素原子、(ii) 3 で表される一価の置換基(ここでR 3 は、−OR 21 、−OR 22 及び−OR 23 がエステル基もしくはエーテル基となるような一価の置換基を表す。)、(iii)P2−L2−のいずれかであるが、少なくとも1つがP2−L2−である。ここで、P2はP1と同じエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、好ましい例もP1と同じである。L2は単結合もしくは二価の連結基である。好ましいL2は、単結合、−CONH−、−CO−、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基である。R3が(ii)エステル基もしくはエーテル基のような一価の基の場合、好ましいR 3基はアセチル基、ブチリル基、メチル基、エチル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシメチル基である。一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、セルロース誘導体に対し、一般的なウレタン化、エステル化、およびエーテル化の手法を適用することにより合成することができる。例えば、下に示すような、イソシアネート、あるいは酸ハライド等を用いることにより容易に合成することができる。
【0038】
【化17】
Figure 0003864794
【0039】
ここでL3は単結合もしくは二価の連結基を表し、R4は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表わす。セルロースの水酸基にエチレン性不飽和基を導入する方法としては、この他に、A. A. Berlinetc;J. Gen. Chem. USSR., 21,1383(1951)USP 2,789,030 Teminetc; Ind. and Eng.Chem. Product, Rand d, 11, Nr.3,325 礪波宏明;織学誌、14,100(1958)などに記載されている方法を参考にすることができる。本発明に用いられるセルロース誘導体としては、セルロースのアセチル化物、アセチルブチリル化物、アセチルプロピオニル化物、ニトロ化物、カプロイル化物、ラウロイル化物、ベンゾイル化物、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸との半エステル化物などのエステル化物、またエチル化物、エチルヒドロキシエチル化物、ヒドロキシプロピル化物、メチル化物、ベンジル化物、シアノエチル化物などのエーテル化物などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。この中でアセチル化物、アセチルブチリル化物、アセチルプロピオニル化物およびエチル化物が好ましい。各種置換基の置換度(D.S.:Degree of substitution)は、特に制限はなく、0<D.S.<3.0 の範囲で如何なる値であってもかまわない。
【0040】
2−L2−で表される置換基の一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中における質量%は1質量%以上80質量%以下であり、好ましくは 1質量%以上50質量%以下である。また、本発明の一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中の好ましいエチレン性不飽和基の含量はエチレン性不飽和基当量で400以下、更に好ましくは300以下、特に好ましくは200以下である。また、酸価は低いほうが高湿度下での硬度低下が少なく好ましい。この場合の好ましい酸価は0〜2mgKOH/gであり、更に好ましくは、0〜1mgKOH/gである。
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は、数平均分子量で2000以上20万以下であり、さらに好ましくは5000以上10万以下である。
【0041】
表2に一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい構成例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
【表2】
Figure 0003864794
【0043】
一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて説明する。
式中n個のR 31 及びn個の32、同じであっても異なっていてもよく、(i)水素原子、(ii)炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又は(iii)31−L31−のいずれかであ、少なくとも1つがP31−L31−であり、31アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L 31は単結合又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基で置換されていてもよい二価の連結基を表し、nは2〜4の整数であり、R 31 及びR 32 は2つが連結して環構造を形成していてもよい
【0044】
本発明の一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、同一分子内に環状エーテルとエチレン性不飽和基の両方を有するモノマーの環状エーテル部位を開環重合させて合成することが最も簡便で好ましい。
以下に一般式(3)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
【化18】
Figure 0003864794
【0046】
本発明の一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(3)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、一般式(3)以外の繰り返し単位(例えばエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーのエチレン性不飽和基の含有量をコントロールする目的で一般式(3)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとすることができる。一般式(3)以外の繰り返し単位の導入方法は、対応する開環重合性基を有するモノマーを共重合させて導入する手法が好ましい。これら共重合可能なモノマーとしては同一分子内に1つのエポキシ環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環から選ばれる環状エーテルを有していれば特に制限はなく、種々の公知の化合物が使用できる。
【0047】
本発明の一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(3)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、30質量%以上100質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下である。また、本発明の一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中の好ましいエチレン性不飽和基の含量はエチレン性不飽和基当量で400以下、更に好ましくは300以下、特に好ましくは200以下である。また、酸価は低いほうが高湿度下での硬度低下が少なく好ましい。この場合の好ましい酸価は0〜2mgKOH/gであり、更に好ましくは、0〜1mgKOH/gである。
【0048】
一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子量で500以上100万以下、さらに好ましくは1500以上20万以下である。最も好ましくは3000以上10万以下である。
【0049】
以下に一般式(3)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表3に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(3)で表される繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
【0050】
【表3】
Figure 0003864794
【0051】
次に一般式(4)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて説明する。
式中P41アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L 41は単結合もしくは二価の連結基を表し、n個のR 41 及びn個のR 42 は、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、nは2〜3の整数であり、いずれの場合もR 41 、R 42 は同じであっても異なっていてもよく、2つのR 41 又はR 42 が連結し、環構造を形成していてもよい。
【0052】
本発明の一般式(4)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、同一分子内に環状イミノエーテルとエチレン性不飽和基の両方を有するモノマーの環状イミノエーテル部位を開環重合させて合成するかポリアルキレンイミンに対して高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入することで合成できる。
以下に一般式(4)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
【化19】
Figure 0003864794
【0054】
本発明の一般式(4)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(4)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、一般式(4)以外の繰り返し単位(例えばエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーのエチレン性不飽和基の含有量をコントロールする目的で一般式(4)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとすることができる。一般式(4)以外の繰り返し単位の導入方法は、対応する開環重合性基を有するモノマーを共重合させて導入してもよく、アルキレンイミンユニットに高分子反応で導入してもよい。共重合可能なモノマーとしては同一分子内に1つのオキサゾリン環など環状イミノエーテルを有していれば特に制限はなく、種々の公知の化合物が使用できる。
【0055】
本発明の一般式(4)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(4)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、30質量%以上100質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下である。また、本発明の一般式(4)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中の好ましいエチレン性不飽和基の含量はエチレン性不飽和基当量で400以下、更に好ましくは300以下、特に好ましくは200以下である。また、酸価は低いほうが高湿度下での硬度低下が少なく好ましい。この場合の好ましい酸価は0〜2mgKOH/gであり、更に好ましくは、0〜1mgKOH/gである。
【0056】
一般式(4)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子量で500以上100万以下、さらに好ましくは1500以上20万以下である。最も好ましくは3000以上10万以下である。
【0057】
以下に一般式(4)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表4に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(4)で表される繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、高分子反応導入時の残存アルキレンイミンユニットはユニット名で記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
【0058】
【表4】
Figure 0003864794
【0059】
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上ブレンドして用いてもよい。また、同一分子内に一般式(1)で表される繰り返し単位と主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位の両方を含むブロックポリマー、グラフトポリマーとしてもよい。
【0060】
本発明では、一般式(1)で表される繰り返し単位および/又は主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマー以外のエチレン性不飽和基を含む化合物も必要に応じて用いることができ、この場合、分子内にエチレン性不飽和基を1個以上有していればよいが、2個以上であることが好ましい。
【0061】
以下、本発明に用いることのできる同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物について説明する。好ましいエチレン性不飽和基の種類は、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニルエーテル基であり、特に好ましくはアクリロイル基である。エチレン性不飽和基を含む化合物はエチレン性不飽和基を分子内に2個以上有していればよいが、より好ましくは3個以上である。そのなかでもアクリロイル基を有する化合物が好ましく、分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する分子量が数百から数千のオリゴマーを好ましく使用できる。
【0062】
これら分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物の好ましい具体例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレート等のエポキシアクリレート類、ポリイソシナネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を挙げることができる。また、このような化合物は市販もされていて、EB−600、EB−40、EB−140、EB−1150、EB−1290K、IRR214、EB−2220,TMPTA、TMPTMA(以上、ダイセル・ユーシービー(株)製)、UV−6300、UV−1700B(以上、日本合成化学工業(株)製)などが、挙げられる。
【0063】
上記で挙げた分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物のなかでも特に好ましい化合物として分子内に3個以上のアクリロイル基を有しアクリロイル当量が120以下の化合物が挙げられ、具体例としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
【0064】
本発明のハードコート処理物品は、一般式(1)で表される繰り返し単位および/又は主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーを含有する硬化性組成物を所望の基材上に塗布、硬化することで得ることができるが、更に硬化性組成物中に開環重合性基を含む化合物を含有することが好ましく、この場合、開環重合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させることが好ましい。開環重合性基を含む化合物は同一分子内に1個以上の開環重合性基を含んでいればよいが、同一分子内に2個以上の開環重合性基を含む化合物がより好ましい。
【0065】
以下、本発明に用いることのできる開環重合性基を含む化合物について説明する。開環重合性基を含む化合物とはカチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する化合物であり、この中でもヘテロ環状化合物のカチオン開環重合が好ましい。このような化合物としてエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類などが挙げられ、特にエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、オキサゾリン誘導体が好ましい。
【0066】
本発明で言う同一分子内に2個以上の開環重合性基を有する化合物とは、上記のような環状構造を2個以上同一分子内に有する化合物であれば得に制限がない。このような化合物の具体例としては、例えばグリシジルエーテル類としてエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど、脂環式エポキシ類としてセロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401、EHPE3150CE(以上、ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど、オキセタン類としてOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)などが挙げられる。
【0067】
本発明では同一分子内に2個以上の開環重合性基を有する化合物として、一般式(5)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーも好ましく使用することができる。
【0068】
以下に本発明の一般式(5)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。一般式(5)の式中R5は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子もしくはメチル基である。L5は単結合もしくは二価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。P3は開環重合性基を含む一価の基である。開環重合性基を含む一価の基とはカチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する一価の基であり、この中でもヘテロ環状化合物のカチオン開環重合が好ましい。好ましいP3としては、エポキシ環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、ラクトン環、カーボネート環、オキサゾリン環などのイミノエーテル環などを含む一価の基が挙げられ、この中でも特に好ましくはエポキシ環、オキセタン環、オキサゾリン環を含む一価の基であり、最も好ましくはエポキシ環を含む一価の基である。
【0069】
本発明の一般式(5)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、対応するモノマーを重合させて合成することが簡便で好ましい。この場合の重合反応としてはラジカル重合が最も簡便で好ましい。
以下に一般式(5)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0070】
【化20】
Figure 0003864794
【0071】
【化21】
Figure 0003864794
【0072】
【化22】
Figure 0003864794
【0073】
本発明の一般式(5)で表される繰り返し単位のうち、より好ましい例としては、エポキシ環を有するメタクリレートまたはアクリレートから誘導される繰り返し単位であり、その中でも特に好ましい例としてグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートから誘導されるE−1、E−3をあげることができる。また、本発明の一般式(5)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(5)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、その中でも特にE−1、E−3いずれかのコポリマーとすることでより効果的に硬化収縮を低減できる。
【0074】
本発明の一般式(5)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは一般式(5)以外の繰り返し単位(例えば開環重合性基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーの開環重合性基の含有量をコントロールする目的で一般式(5)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとすることができる。一般式(5)以外の繰り返し単位の導入方法は、対応するモノマーを共重合させて導入する手法が好ましい。
【0075】
一般式(5)以外の繰り返し単位を対応するビニルモノマーを重合することによって導入する場合、好ましく用いられるモノマーとしては、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるエステル類、もしくはアミド類(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ペンチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシメトキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2−ジメチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、セチルアクリレート、ベンジルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、メチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニルメチルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イルメチルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなど)、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステル類(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなど)、マレイミド類(N−フェニルマレイミドなど)、マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等が挙げれる。これらのビニルモノマーは2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら以外のビニルモノマーはリサーチディスクロージャーNo.1955(1980年、7月)に記載されているものを使用することができる。本発明ではアクリル酸またはメタクリル酸から誘導されるエステル類、およびアミド類、および芳香族ビニル化合物が特に好ましく用いられるビニルモノマーである。
【0076】
一般式(5)以外の繰り返し単位として開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位も導入することができる。特に、ハードコート層の硬度を高めたい場合や、基材もしくはハードコート上に別の機能層を用いる場合の層間の接着性を改良したい場合、開環重合性基以外の反応性基を含むコポリマーとする手法は好適である。開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位の導入方法は対応するビニルモノマー(以下、反応性モノマーと称する)を共重合する手法が簡便で好ましい。
【0077】
以下に反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0078】
ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートなど)、N−メチロール基含有ビニルモノマー(例えば、 N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど)、カルボキシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー(例えばアリルアミン)、アルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)などが挙げられる。
【0079】
本発明の一般式(5)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(5)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、30質量%以上100質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下である。
【0080】
一般式(5)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
【0081】
以下に一般式(5)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表5及び表6に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(5)で表される繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
【0082】
【表5】
Figure 0003864794
【表6】
Figure 0003864794
【0083】
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位および/又は主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーは、分子内のエチレン性不飽和基を介して架橋反応が進行する。好ましい架橋反応はラジカル重合反応であり、その場合、熱および/または光の作用により、重合反応が進行する。いずれの場合も少量のラジカル発生剤(開始剤と称する)を添加し、熱および/または光によりラジカル発生剤を分解し、ラジカルを発生させる方法が一般的である。ラジカル発生剤を添加せずに架橋反応を進行させる方法として単に加熱する方法もあるが、電子線を照射する方法が好ましく用いられる。
【0084】
本発明において開環重合性基を含む化合物を添加する場合、エチレン性不飽和基を含む化合物と開環重合性基を含む化合物の両方の化合物の架橋反応が進行することが好ましい。エチレン性不飽和基の好ましい架橋反応はラジカル重合反応であり、開環重合性基の好ましい架橋反応はカチオン重合反応である。いずれの場合も熱および/または光の作用により、重合反応を進行させることができる。通常、重合開始剤と称される少量のラジカル発生剤もしくはカチオン発生剤(もしくは酸発生剤)を添加し、熱および/または光によりこれらを分解し、ラジカルもしくはカチオンを発生させ重合を進行させる方法が一般的である。ラジカル重合とカチオン重合は別々に行ってもよいが、同時に進行させることが好ましい。
【0085】
本発明では基材にプラスチックフィルムを用いる場合、プラスチックフィルム自身の耐熱性が低いため加熱により硬化させる場合は、できるだけ低温で硬化させることが好ましい。その場合の加熱温度は、140度以下、より好ましくは100℃以下である。一方で光の作用による硬化は、低温で架橋反応が進行する場合が多く、好ましく用いられる。さらに放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線などの活性エネルギー線を利用する方法が好ましく、その中でも紫外線によりラジカルもしくはカチオンを発生させる重合開始剤を添加し、紫外線により硬化させる方法が特に好ましい。また、活性エネルギー線を照射するときの温度は特に制限はないが、低温で行うことにより硬化後の体積収縮が抑えられたり、基材としてプラスチックフィルムを用いた場合、基材の変形が少なくなり、有利な場合が多い。この場合の好ましい温度は80℃以下であり更に好ましくは50℃以下である。また活性エネルギー線を照射した後、加熱することにより、さらに硬化を進行させることができる場合があり、必要に応じて用いることができる。この場合の好ましい加熱温度は140℃以下である。
【0086】
光の作用によってカチオンを発生させる光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩やジアリールヨードニウム塩などのイオン性の化合物やスルホン酸のニトロベンジルエステルなどの非イオン性の化合物が挙げられ、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」ぶんしん出版社刊(1997)などに記載されている化合物等種々の公知の光酸発生剤が使用できる。この中で特に好ましくはスルホニウム塩もしくはヨードニウム塩であり、対イオンとしてはPF6 -、SbF6 -、AsF6 -、B(C654 -などが好ましい。
【0087】
光の作用によりラジカルを発生させる重合開始剤の例としてはアセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が好ましい。アセトフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン等が挙げられる。ベンジル系化合物としては、例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。ベンゾインエーテル系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーズケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。このような芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤の中でも、アセトフェノン系化合物及びベンジル系化合物が、硬化特性、保存安定性、臭気等の面で特に好ましい。これらの芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤は、1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
【0088】
また上記で挙げたように通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光の作用によりラジカル発生剤として機能するため、本発明ではこれらを単独でもちいてもよい。また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン等が含まれる。
【0089】
重合開始剤は、それぞれ複数種を組み合わせて用いてもよいし、単独でラジカルとカチオンの両方を発生させるような化合物の場合など単独で用いることができる。重合開始剤の添加量としては、硬化性組成物中に含まれる架橋性ポリマーも含めたエチレン性不飽和基含有化合物と開環重合性基含有化合物の総質量に対し、0.1乃至15質量%の範囲で使用することが好ましく、1乃至10質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
【0090】
本発明において一般式(1)で表される繰り返し単位および/又は主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーや、一般式(5)で表される繰り返し単位を有する架橋性ポリマー(以下、これらを合わせて本発明のポリマーと称する)は通常、固体もしくは高粘度液体となり単独での塗布は困難であり、ポリマーが水溶性の場合や水分散物とした場合は水系で塗布することもできるが、通常有機溶媒に溶解して塗布される。有機溶媒としては、本発明のポリマーを可溶ならしめるものであれば特に制限なく使用できる。好ましい有機溶媒としては、メチルエチルケトン等のケトン類、イソプロパノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。また、前記した単官能もしくは2官能以上のビニルモノマーや単官能もしくは2官能以上の開環重合性基を有する化合物が低分子量化合物である場合、これらを併用すると、硬化性組成物の粘度を調節することが可能であり、溶媒を用いなくても塗布可能とすることもできる。
【0091】
また本発明では硬化性組成物中に必要に応じて架橋微粒子を添加することができる。架橋微粒子を添加することでハードコート層の硬化収縮量を低減できるため基材との密着性が向上したり、基材がプラスチックフィルムである場合などカールを低減でき好ましい。架橋微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子、有機−無機複合微粒子のいずれも特に制限なく使用できる。無機微粒子としては例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子などが挙げられる。このような無機架橋微粒子は一般に硬質であり、ハードコート層に充填させることで、硬化時の収縮を改良できるだけではなく、表面の硬度も高めることができる。
【0092】
一般に無機微粒子は本発明のポリマーや多官能ビニルモノマーや開環重合性基含有化合物などの有機成分との親和性が低いため単に混合するだけでは凝集体を形成したり、硬化後のハードコート層がひび割れやすくなる場合がある。本発明では無機微粒子と有機成分との親和性を増すため、無機微粒子表面を有機セグメントを含む表面修飾剤で処理することができる。表面修飾剤は、無機微粒子と結合を形成するか無機微粒子に吸着しうる官能基と、有機成分と高い親和性を有する官能基を同一分子内に有するものが好ましい。無機微粒子に結合もしくは吸着し得る官能基を有する化合物としては、シラン、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシド化合物や、リン酸、スルホン酸、カルボン酸基等のアニオン性基を有する化合物が好ましい。さらに有機成分との親和性の高い官能基としては単に有機成分と親疎水性を合わせただけのものでもよいが、有機成分と化学的に結合しうる官能基が好ましく、特にエチレン性不飽和基、もしくは開環重合性基が好ましい。本発明において好ましい無機微粒子表面修飾剤は金属アルコキシドもしくはアニオン性基とエチレン性不飽和基もしくは開環重合性基を同一分子内に有する化合物である。
【0093】
これら表面修飾剤の好ましい例として以下の不飽和二重結合や開環重合性基を有するカップリング剤やリン酸、スルホン酸、カルボン酸化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
S−1 H2C=C(X)COOC36Si(OCH33
S−2 H2C=C(X)COOC24OTi(OC253
S−3 H2C=C(X)COOC24OCOC510OPO(OH)2
S−4 (H2C=C(X)COOC24OCOC510O)2POOH
S−5 H2C=C(X)COOC36OSO3
S−6 H2C=C(X)COO(C510COO)2
S−7 H2C=C(X)COOC510COOH
S−8 γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン
(X=H、あるいはCH3をあらわす)
【0094】
これらの無機微粒子の表面修飾処理方法は、従来公知のいずれの手法を用いてもよい。例えば溶液中で表面修飾処理を行う場合、無機微粒子を機械的に微細分散する時に、一緒に表面修飾剤を存在させるか、または無機微粒子を微細分散したあとに表面修飾剤を添加して攪拌するか、さらには無機微粒子を微細分散する前に表面修飾を行って(必要により、加温、乾燥した後に加熱、またはpH変更を行う)、そのあとで微細分散を行う方法でも良い。この場合の溶媒としては、極性の高い有機溶剤が好ましい。具体的には、アルコール類、ケトン類、エステル類等の公知の有機溶剤が挙げられる。また分散機としては超音波分散機、ディスパー、ホモジナイザー、ディゾルバー、ポリトロン、ペイントシェーカー、サンドグラインダー、ニーダー、アイガーミル、ダイノミル、コボールミル等を用いることが好ましい。
【0095】
有機架橋微粒子としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類およびアミド類、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリジメチルシロキサン等の汎用樹脂を架橋させたものやSBR、NBRなどの架橋ゴム微粒子も好ましく使用できる。有機微粒子は軟質なゴム粒子から硬質粒子まで任意に選択できる。例えば、前記した硬度の高い無機架橋微粒子は、ハードコート層に対する添加量を上げていくと硬化収縮量や硬度は向上するが、もろく割れやすくなる場合がある。このような場合、硬度を任意に調節した有機架橋微粒子を同時に添加することで割れにくくすることができ好ましい。また、硬度の高いコアと硬度の低いシェルまたは硬度の低いコアと硬度の高いシェルのようなコア−シェル粒子とすることもできる。またハードコート層中もしくは塗布溶媒中での分散安定性を確保する目的で親疎水性を変えたコア−シェル粒子とすることも好ましい。また、コアに無機架橋微粒子を用いた有機−無機複合微粒子とすることもできる。これら架橋微粒子をコア−シェル粒子とする場合、コア部とシェル部の両方が架橋されていてもよいし、いずれか一方が架橋されていてもよい。
【0096】
本発明に用いることのできる架橋微粒子の平均粒子径は1〜20000nmであり、2〜1000nmであることがより好ましく、5〜500nmであることがさらに好ましく、10〜200nmであることが最も好ましい。また、架橋微粒子の形状は、球状、棒状、針状、板状など特に制限なく使用できる。なお、本発明で述べる平均粒子径は、個々の粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径の平均値である。
【0097】
これら架橋微粒子を添加する場合の添加量は、硬化後のハードコート層の1乃至60体積%であることが好ましく、3乃至40体積%であることがさらに好ましい。
【0098】
本発明において基材自身の硬度が低い場合にもハードコート処理物品の硬化後のハードコート層の膜厚を厚くすることで、ハードコート処理物品の硬度を高めることができる。本発明におけるハードコート層の膜厚は基材の硬度によっても異なり、特に制限はないが、ハードコート層の膜厚を厚くすることで本発明の特徴である硬度が高く、ひび割れ、膜剥がれが生じにくいという効果が顕著に現れる。好ましい膜厚としては、20〜200μmであり、より好ましくは30〜200μmであり、さらに好ましくは40〜200μmであり、その中でも特に好ましくは50〜200μmである。
【0099】
本発明に用いられる基材は、金属、プラスチック、ガラス、木材、紙など特に制限なく使用できる。その中でも特にプラスチック基材が好ましく、さらにはプラスチックフィルムを基材に用いた場合、本発明の効果が顕著に現れるため、好ましい。プラスチックフィルムとしては、特に制限はないが、具体例としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、アクリル、ナイロン、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン等のフィルムもしくはシートを挙げることができる。その中でも特にポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂等のフィルムが好ましい。なお、光学的には、透明性に優れている方が好ましい場合が多いが、用途によっては半透明であっても不透明であってもよい。また屈折率の異方性が無い方が好ましい場合が多いが、液晶表示装置等で異方性が付いているものの方が好まれる場合もある。フィルムの厚みは、薄すぎると膜強度が弱く、厚いとスティフネスが大きくなり過ぎるため20〜500μmが好ましく、80〜300μmがより好ましい。
【0100】
本発明のハードコート処理物品は表面の硬度が高いことが好ましい。本発明で言うハードコート処理物品の表面の硬度はJIS K5400で定義される鉛筆硬度で表すことができ、ハードコート処理物品のハードコート処理表面を直接鉛筆で引っかくことによって鉛筆硬度を評価することができる。この場合の鉛筆硬度は基材の種類によっても異なるため特に制限はないが、好ましくは3H〜9H、より好ましくは4H〜9H、特に好ましくは5H〜9Hである。
【0101】
本発明のハードコート処理物品は、本発明の架橋性ポリマーのほかにエチレン性不飽和基含有化合物、開環重合性基含有化合物、重合開始剤、架橋微粒子、溶媒などで構成される硬化性組成物を基材上に塗布した後、硬化することで得ることができる。硬化性組成物にはその他、紫外線吸収剤、塗布性改良のための界面活性剤、帯電防止剤など、従来公知の添加剤を添加してもよい。塗布方法としてはカーテンコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、印刷コーティング、スプレーコーティング、スロットコーティング、ロールコーティング、スライドコーテティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
【0102】
さらに、基材とハードコート層の接着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記表面処理法としては、例えば薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火焔処理、高周波処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理、活性プラズマ処理、混酸処理等が挙げらる。 更に、一層以上の下塗り層を設けることができる。 下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルエステル等の共重合体またこれらのラテックス、ポリエステル、ポリウレタン、およびゼラチン等の水溶性ポリマー等が挙げられる。
【0103】
本発明のハードコート処理物品はハードコート層上に、反射防止層、紫外線・赤外線吸収層、選択波長吸収性層、電磁波シールド層や防汚性層等の各種機能を有する機能性層を設けることができる。これらの機能性層は、従来公知の技術で作製することができる。また、これら機能性層と本発明のハードコート処理物品のハードコート層の接着性を向上させる目的で、ハードコート層上に表面処理を施したり、接着層を設けたりすることができる。表面処理法としては、前記、基材の表面処理方法として挙げた方法が好ましく使用できる。また、接着層としては前記、基材上に施される下塗り層で挙げた素材が好ましく使用できる。
【0104】
本発明のハードコート処理物品において基材にプラスチックフィルムを用いた場合に得られるハードコートフィルムは様々な物品の表面保護フィルムとして粘着剤などを用いて貼り合わせて使用することができ、これらハードコートフィルムを貼り付けた物品も本発明のハードコート処理物品に含まれる。特にハードコート層上に上述のような機能性層を施した場合、高硬度の機能性フィルムとして供され、陰極管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ等のディスプレイ、家電製品等のタッチパネル、自動車部品用、ショーウインドウ、窓ガラス等の保護フィルムに好適である。
【0105】
以下に本発明のポリマーの合成例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0106】
【化23】
(合成例1)例示化合物P−1の合成
Figure 0003864794
【0107】
1b(3.0mol)をテトラヒドロフラン(THF)1400ml中に溶かし、反応器を5℃に冷却した。そこに1a(3.15mol)を1時間かけて滴下し、その後6時間反応させた。得られた反応溶液を30℃で減圧濃縮後、減圧蒸留を行った。133Pa減圧下で118〜121℃の留分を採取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:アセトン/ヘキサン=5/95(体積比))にて精製し、1cを362g得た。
次にメチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、1c(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、1dを43g得た。
次に1d(43g)をアセトン(390ml)に溶解し、5℃に冷却した。そこにトリエチルアミン(390mmol)を1時間かけて滴下させ、滴下終了後、室温で24時間反応させた。その後、反応容器を5℃に冷却し、6規定の塩酸水溶液29.3mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間攪拌させた。得られた反応溶液に酢酸エチル(1L)と10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)を加えて攪拌後、水層を分離した。更に有機層を10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、例示化合物P−1を33g得た。
【0108】
(合成例2) 例示化合物P−19の合成
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−105:鹸化度98.5%)30gをジメチルスルホキシド1000mlに溶解後、ピリジン(200ml)とニトロベンゼン10mlを添加し、10℃まで冷却した。その後、無水アクリル酸100mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、室温で24時間反応させた。得られた反応溶液を水20Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を1Lの酢酸エチルに溶解し、2規定の塩酸水溶液(1L)で2回洗浄した。さらに10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、例示化合物P−19を28g得た。
【0109】
(合成例3) 例示化合物Q−4の合成
攪拌装置、還流冷却管を装着した三ツ口フラスコにジアセチルセルロース(ダイセル化学(株)製、D.S.=2.42、酢化度55%)30g、メチルエチルケトン300ml、ジブチル錫ジラウレート100mg、ニトロベンゼン100mgを加え、窒素気流下で攪拌しながら72℃に昇温した。ジアセチルセルロースが完全に溶解したのを確認した後、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート30.94g(200mmol)をジメチルスルホキシド50mlに溶解した液を2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに攪拌を4時間継続し反応を終了させた後、反応液を冷却し、純水10リットルの混合液に投入し沈澱させた。沈殿物をろ過して取り出し、室温で真空乾燥して標記化合物を得た(収率79%)。
【0110】
(合成例4)例示化合物J−1の合成
ジクロロメタン60mlを窒素気流下、3℃で1時間攪拌後、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯塩0.9g添加した。その後、グリシジルアクリレート(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、そのまま2時間反応させた。その後、4−メトキシフェノール0.25g添加し、反応温度を20℃として2時間反応させた。反応終了後、得られた反応溶液をヘキサン500mlに30分かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、J−1を45g得た。
【0111】
(合成例5)例示化合物G−1の合成
脱水アセトニトリル300mlを窒素気流下、3℃で1時間攪拌後、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯塩を0.9g添加した。その後、既報(特開昭52−156866号)に従い合成した2−ビニルオキサゾリン(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、そのまま2時間反応させた。その後、4−メトキシフェノールを0.25g添加し、反応温度を20℃として2時間反応させた。反応終了後、得られた反応溶液をヘキサン500mlに30分かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、G−1を42g得た。
【0112】
(合成例6)例示化合物K−1の合成
メチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、グリシジルメタクリレート(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、K−1を45g得た。
【0113】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0114】
【実施例】
<無機架橋微粒子分散液の調製>
セラミックコートのベッセルに各試薬を以下の量計量した。
メチルイソブチルケトン 234g
アニオン性官能基含有表面処理剤 S−6(X=H) 36g
アルミナ微粒子(平均粒径:15nm) 180g
上記混合液をサンドミル(1/4Gのサンドミル)にて1600rpm、10時間微細分散した。メディアは1mmΦのジルコニアビーズを1400g用いた。分散後、ビーズを分離し、表面修飾した無機架橋微粒子分散液を得た。
【0115】
<硬化性組成物の調製>
(1)本発明の架橋性ポリマーと(2)エチレン性不飽和基含有化合物と(3)開環重合性基含有化合物と(4)ラジカル重合開始剤(イルガキュア184(チバガイギー社製))と(5)カチオン重合開始剤(UVI−6990(ユニオンカーバイド日本(株)製)をメチルエチルケトンに溶解後、(5)有機架橋微粒子を添加し、30分攪拌し、(6)無機架橋微粒子分散液の混合液を添加し、30分間攪拌し、硬化性組成物を得た。なお、(1)本発明の架橋性ポリマーと(2)エチレン性不飽和基含有化合物と(3)開環重合性基含有化合物の種類は表7記載の組み合わせで選択し、(1)、(2)、(3)および架橋微粒子の混合比は表7及び表8記載の比率になるように調整した。なお、本発明の架橋性ポリマーのうち開環重合性基を有するポリマーは開環重合性基含有化合物の欄にエチレン性不飽和基を有するポリマーはエチレン性不飽和基含有化合物の欄に記載した。
【0116】
重合開始剤は、本発明の架橋性ポリマーも含めたエチレン性不飽和基含有化合物と開環重合性基含有化合物の総質量に対し、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤を2.9%ずつ添加した。なお、開環重合性基含有化合物を含まない場合はラジカル重合開始剤のみを5.8%添加した。
有機架橋微粒子は、コア/シェル比が70/30質量%のラテックス(平均粒子径:110nm)をスプレードライ法により乾燥し、そのまま用いた(コア:ブチルアクリレート/エチレングリコールジメタクリレート(90/10質量比)の共重合体、シェル:メチルメタクリレート/アクリル酸/エチレングリコールジメタクリレート(90/3/7質量比)の共重合体)。
【0117】
【表7】
Figure 0003864794
【0118】
なお、表7中に記載した略号は以下の通りである。
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート/ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)
DPPA:ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート
UV−6300:ウレタンアクリレート(日本合成化学工業(株)製)
DTPTA:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(Aldrich製)
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート(Aldrich製)
PETTA:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(Aldrich製)
ECMECC:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:(Aldrich製)
CHDMDV:1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(Aldrich製)
GT−301:3官能エポキシ化合物(ダイセル化学工業(株)製)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(Aldrich製)
BADGE:ビスフェノールAジグリシジルエーテル
TMPTGE:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル
EHPE3150CE:多官能エポキシ化合物(ダイセル化学工業(株)製)
【0119】
【表8】
Figure 0003864794
【0120】
<ハードコートフィルム試料(試料101〜130)の作製>
透明基材として175μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにグロー放電処理した後、上記で作成した硬化性組成物を表4記載の膜厚になるようにスロットコーターで塗布、120℃で2分乾燥し、750mj/cm2の紫外線照射後、120℃、10分加熱することによって、ハードコートフィルムを作製した。なお、試料104、105、130は下層を塗布、硬化したあとに上層を塗布、硬化し、以下の評価は上層塗設後に行った。
【0121】
<ハードコートガラス試料(試料131〜132)の作製>
透明基材として厚さ2mmのガラスにシランカップリング剤(メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)で表面処理を施した後、上記で作成した硬化性組成物を表4記載の膜厚になるようにワイヤーバーで塗布、120℃で2分乾燥し、750mj/cm2の紫外線照射後、120℃、10分加熱することによって、ハードコートガラスを作製した。
【0122】
試料の評価法は以下に示す方法で行った。
(鉛筆硬度の評価法)
作製したハードコートフィルム試料およびハードコートガラス試料を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、JIS S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、1kgのおもりを用いて各硬度の鉛筆で引っ掻きを5回繰り返し、傷が全く認められなかった回数を表した。なお、JIS K5400で定義される傷は(1)塗膜の破れ、(2)塗膜のすり傷であり、(3)塗膜のへこみは対象としないと記載されているが、ここでは、(3)塗膜のへこみも含めて傷と判断している。
【0123】
(膜剥がれの評価法)
ハードコートフィルム試料およびハードコートガラス試料のハードコート層表面にカッターによって1mm×1mmのクロスハッチ(升目)を100個入れ、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、その上にセロテープ(登録商標;ニチバン社製)を貼り付け、該セロテープ(登録商標)を剥がしたときに硬化被膜がフィルム基材から剥がれた升目の数を計測することで評価した。
【0124】
(カールの評価法)
ハードコートフィルム試料を35mm×140mmに切断し、温度25℃、相対湿度60%の条件でハードコート層側を上にして水平面に2時間放置した後、水平面からの4角の浮いた高さの平均値を測定することで評価した。
【0125】
(ひび割れの評価法)
ハードコートフィルム試料を35mm×140mmに切断し、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、筒状に丸めたときのひび割れが発生し始める曲率直径を測定し、表面のひび割れを評価した。また、エッジ部のひび割れを目視で評価し、全くひび割れのないものを○、わずかでもひび割れのあるものを×とした。
【0126】
表8より、基材としてガラスを用いた比較試料131は鉛筆硬度に優れたサンプルとなるが、膜剥がれが不十分である。それに対し、本発明の試料132は鉛筆硬度に優れ、膜剥がれも見られない。さらに基材としてプラスチックフィルムを用いた比較試料101〜103は、膜厚を厚くすることで鉛筆硬度に優れたサンプルとなるが、膜剥がれ、カール、ひび割れが不十分であり、比較試料104、105は、膜剥がれ、カールの改良は見られるが、ひび割れが十分に改良できていない。また、比較試料106〜109は、膜厚を厚くすることである程度の鉛筆硬度を発現できるが、カール、表面のひび割れが悪化してしまうことが分かる。これに対して本発明の試料110〜130は、大幅な鉛筆硬度の向上に加えて、膜剥がれ、カールがほとんどなく、ひび割れも大幅に改良されることがわかる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present invention relates to a curable composition from which a cured product having high hardness and low curing shrinkage can be obtained. Moreover, it is related with the hard-coat process goods which have the cured resin layer obtained by making it harden | cure after apply | coating this curable composition on a base material. More specifically, the present invention relates to a hard coat treated article that has less film peeling and cracking and has excellent scratch resistance and surface hardness. The present invention also relates to a hard coat film having less film peeling and cracking, less curling after curing, excellent scratch resistance, and surface hardness.
[0002]
[Prior art]
  In recent years, plastic products have been replaced with glass products in terms of processability and weight reduction, but since the surface of these plastic products is easily damaged, a hard coat layer made of a cured resin layer is directly applied for the purpose of imparting scratch resistance. In many cases, it is applied or a plastic film with a hard coat layer (referred to as a hard coat film) is used. In addition, with regard to conventional glass products, there are increasing cases of bonding plastic films to prevent scattering, and it is useful to form a hard coat layer on the surface of these films in order to enhance the hardness. Yes, it is widely done.
[0003]
  As a conventional hard coat paint, a thermosetting paint or an ultraviolet curable paint is used, but for application of a hard coat film obtained by applying this onto a plastic film and then curing it, the plastic film itself is used. Because of its low heat resistance, UV curable paints that can be cured at low temperatures are widely used. Generally, the curable component used in the UV curable coating is called a compound called a polyfunctional acrylate monomer having 2 to 6 acrylate groups in the molecule, urethane acrylate, polyester acrylate, or epoxy acrylate. An oligomer having a molecular weight of several hundred to several thousand having several acrylate groups in the molecule is used. However, many of these oligomer compounds have a small amount of acrylic groups introduced, and sufficient hardness cannot be obtained by themselves. Therefore, polyfunctional acrylate monomers are widely used as hard coat coatings that require higher hardness. Yes.
[0004]
  Generally, a hard coat film is produced by forming a thin coating film of about 3 to 10 μm on the plastic film directly or through a primer layer of about 1 μm. However, the conventional hard coat film has insufficient hardness of the hard coat layer, and when the underlying plastic substrate film is deformed due to the thin coating film thickness, Accordingly, the hard coat layer was also deformed, and the hardness of the hard coat film as a whole was low and was not fully satisfactory. For example, when it is widely used as a plastic base film, a hard coat film in which an ultraviolet curable coating is applied on a triacetyl cellulose or polyethylene terephthalate film with the above thickness is generally 2H to 3H in pencil hardness. It is not as good as 9H, which is the pencil hardness of glass.
[0005]
  On the other hand, even if the hardness is insufficient, if the thickness of the hard coat layer is simply made thicker than the usual 3 to 10 μm, the hardness of the obtained hard coat film is improved, but cracking of the hard coat layer is likely to occur. At the same time, there is a problem that the adhesiveness with the substrate is deteriorated due to volume shrinkage at the time of curing, causing peeling or increasing the curl of the hard coat film. For this reason, it has been difficult to obtain a hard coat film having good characteristics that can be used practically by the conventional technique.
[0006]
  Japanese Patent Publication No. 02-60696 discloses a coating composition containing a polyfunctional acrylate monomer as a resin-forming component of a hard coat layer and containing a powdery inorganic filler such as alumina, silica, titanium oxide and a polymerization initiator. ing. Japanese Patent Publication No. 62-21815 discloses a photopolymerizable composition containing an inorganic charge material composed of silica or alumina surface-treated with alkoxysilane or the like. Japanese Patent Laid-Open No. 2000-52472 proposes a method of satisfying curl and scratch resistance by forming a hard coat layer into two layers and adding fine-particle silica to the first layer. As described in these, the addition of inorganic fine particles improves the hardness of the hard coat layer and further reduces the amount of cure shrinkage, but it is satisfactory for the hard coat surface hardness that has been required in recent years. It was not a thing.
[0007]
  JP-A-8-73771 discloses a photocurable hard coat comprising a mixture of a compound containing 3 or more radically polymerizable groups in one molecule and a cationically polymerizable compound containing 1 to 5 epoxy groups in one molecule. There is a description of the composition. Although the form of the publication reduces the amount of cure shrinkage to some extent, sufficient hardness cannot be obtained, and if the film thickness is increased to increase the surface hardness, the curl of the hard coat film becomes larger, and in terms of hardness and cure shrinkage. It was not satisfactory.
[0008]
  JP-A-2000-71392 has a hard coat layer composed of two layers, a lower layer uses a cured resin layer made of a blend of a radical curable resin and a cationic curable resin, and an upper layer is a cured resin layer made only of a radical curable resin. There is a description of a hard coat film using. According to this publication, there is a description that the stress applied by lowering the elastic modulus of the lower layer than that of the upper layer can be absorbed by deformation of the hard coat layer. In the examples, the monofunctional or bifunctional cation curability is also present in the lower layer. By using the compound, the film hardness, cracking, and curl are surely reduced and a pencil hardness of 4H is realized. However, such a configuration hardly causes peeling of the coating film and scratching of the coating film, which are defined as scratches in JIS K5400, but dents of the coating film are prominent. When the film thickness is increased or the film thickness is increased, cracks occur at the edge portion during film cutting, which is not satisfactory for the surface hardness of hard coats that has been required in recent years.
[0009]
  As a result of intensive studies, we have found a curable composition that can obtain a cured product having high hardness and low curing shrinkage by using a specific compound. Further, it has been found that by applying the curable composition on a substrate, it is difficult to cause film peeling or cracking after curing, and a hard-coated article having sufficient hardness can be obtained. Furthermore, it has been found that even if a plastic film is used as the substrate, a hard coat film having a sufficient hardness can be obtained with little curling due to curing shrinkage.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
  An object of the present invention is to provide a curable composition from which a cured product having high hardness and low cure shrinkage can be obtained. It is another object of the present invention to provide a hard-coated article that has a sufficient hardness and hardly causes film peeling or cracking. Another object of the present invention is to provide a hard coat film having sufficient hardness by preventing the occurrence of film peeling and cracking even when a plastic film substrate is used, and further avoiding the problem of curling due to curing shrinkage.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
  The above problems have been achieved by the following means.
  1) A repeating unit containing an ethylenically unsaturated group in the side chain represented by the following general formula (1)50-100% by massCross-linked polymer and / or main chainSelected from the group consisting of oxygen atom, nitrogen atom and sulfur atomA curable composition containing a crosslinkable polymer having a repeating unit containing a heteroatom and having a side chain containing an ethylenically unsaturated groupPlastic filmApply on substrateFirmObtained byThe film thickness of the hard coat layer after curing is 20 to 200 μmHard coat treatment characterized bythe film,
General formula (1)
[Chemical 6]
Figure 0003864794
  Where R1Is a hydrogen atomorRepresents an alkyl group having 1 to 4 carbon atomsAndP1IsSelected from the group consisting of acryloyl group, methacryloyl group and vinylphenyl groupA monovalent group containing an ethylenically unsaturated group, L1Is a single bondorIs a divalent linking group.
  2) In the main chainSelected from the group consisting of oxygen atom, nitrogen atom and sulfur atomThe repeating unit containing a hetero atom and containing an ethylenically unsaturated group in the side chain contains one or more repeating units selected from the group consisting of the following general formulas (2) to (4).Crosslinkable polymer1) Hard coat treatment as describedthe film,
General formula (2)
[Chemical 7]
Figure 0003864794
  Where Rtwenty one, Rtwenty twoAnd Rtwenty threeAre each independently (i) a hydrogen atom, (ii)R Three A monovalent substituent (where R is Three Is -OR twenty one , -OR twenty two And -OR twenty three Represents a monovalent substituent such that is an ester group or an ether group. )(Iii) P2-L2-But at least one is P2-L2-TheP2IsSelected from the group consisting of acryloyl group, methacryloyl group and vinylphenyl groupA monovalent group containing an ethylenically unsaturated group, L2Is a divalent linking group.
General formula (3)
[Chemical 8]
Figure 0003864794
  In the formulanR31as well asnR32IsCan be the same or different,(I)Hydrogen atom, (Ii)An alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, or (iii)P31-L31-EitherR, At least one is P31-L31-TheP31IsAcrylyl group, methacrylo Selected from the group consisting of yl and vinylphenyl groupsA monovalent group containing an ethylenically unsaturated group, L31Is a single bondOr an alkyl group having 1 to 4 carbon atomsA divalent linking group optionally substituted withAndn is an integer from 2 to 4, R 31 And R 32 May be linked to form a ring structure.
General formula (4)
[Chemical 9]
Figure 0003864794
  Where P41IsSelected from the group consisting of acryloyl group, methacryloyl group and vinylphenyl groupA monovalent group containing an ethylenically unsaturated group, L41Indicates a single bond or a divalent linking groupAnd nR41 And nR42Is,Hydrogen atomorRepresents an alkyl group having 1 to 4 carbon atomsAndn is an integer of 2 to 3, and in each case R41, R42May be the same or different, and two R41Or R42May be linked to form a ring structure.
  3) In the curable composition,It contains a compound containing two or more ring-opening polymerizable groups in the same molecule, and is obtained by polymerizing both a ring-opening polymerizable group and an ethylenically unsaturated group.1Or 2) descriptionNoCoating processthe film,
  4) The compound containing two or more ring-opening polymerizable groups in the same molecule is a crosslinkable polymer containing a repeating unit represented by the following general formula (5).3DescriptionNoCoating processthe film,
General formula (5)
Embedded image
Figure 0003864794
  Where RFiveIs a hydrogen atomorRepresents an alkyl group having 1 to 4 carbon atomsAndPThreeIs a monovalent group containing a ring-opening polymerizable group, and LFiveIs a single bondorIs a divalent linking group.
  5) Ethylenically unsaturated group is acryloyl grouporIs a methacryloyl group1) To 4) any oneNoCoating processthe film,
  6) The ring-opening polymerizable group is a cationic polymerizable groupSelected from the group consisting of epoxy ring, oxetane ring and oxazoline ring3) to 5) any oneNoCoating processthe film,
  7) Repeating unit represented by general formula (1)And/orIs a crosslinkable polymer having a repeating unit containing a hetero atom in the main chain and an ethylenically unsaturated group in the side chain, wherein the acid value is 0 to 2 mgKOH / g.1) To 6) any oneNoCoating processthe film,
  8) The repeating unit represented by the general formula (5) is a repeating unit derived from glycidyl methacrylate or glycidyl acrylate.4) To 7) any oneNoCoating processthe film,
  9) Curing the curable composition using active energy rays1) To 8) any oneNoCoating processthe film,
  10) The curable composition contains both a photosensitive cationic polymerization initiator and a photosensitive radical polymerization initiator.Mu 3) To 9) any oneNoCoating processthe film,
  11) Containing crosslinked fine particles in the curable composition1)~10) Any oneNoCoating processthe film,
  12)plasticA hard-coated article obtained by forming a single-layer or multiple-layer hard coat layer on a substrate, wherein at least one layer is1) To 11) A hard coat layer formed by applying and then curing the curable composition according to any one of the above.RuCoating processthe film,
  13) The hard coat layer is a single layer.12) Hard coat treatment as describedthe film,
  14)Obtained by forming multiple hard coat layers on a plastic substrate,At least outermost layerHave a hard coat layer12) Hard coat treatment as describedthe film,
  15) Hard coatlayerSurface pencil hardness is 4H-9H1) To 14) Hard coat treatment according to any one ofthe film,
  16)The hard coat treatment film according to any one of 1) to 15), wherein the plastic film is polyester, polycarbonate, or cellulose resin.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  The curable composition used in the hard coat-treated article of the present invention comprises a repeating unit represented by the general formula (1) and / or a repeating unit containing a hetero atom in the main chain and an ethylenically unsaturated group in the side chain. It contains a crosslinkable polymer. The hard coat-treated article of the present invention has a hard coat layer formed by applying the curable composition of the present invention on a substrate and curing it, and the hard coat layer is a single layer. Alternatively, it may be composed of a plurality of layers, but is preferably a single layer that is simple in the production process. In this case, the single layer is a hard coat layer formed of the same composition, and may be formed by multiple times of application as long as the composition after application and drying is the same composition. On the other hand, the term “multiple layers” refers to the formation of a plurality of compositions having different compositions, and in the present invention, at least one layer is a hard coat layer formed by applying and curing the curable composition of the present invention. In particular, the outermost layer is preferably a hard coat layer formed by applying and curing the curable composition of the present invention.
[0013]
  These crosslinkable polymers of the present invention will be described in detail below. R in the general formula (1)1Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, preferably a hydrogen atom or a methyl group. L1Is a single bond or a divalent linking group, preferably a single bond, -O-, an alkylene group, an arylene group, and * -COO-, * -CONH-, * -OCO- linked to the main chain on the * side, * —NHCO—. Preferred are a single bond, —O—, —COO—, —CONH—, an alkylene group, an aralkylene group and an arylene group. P1Is a monovalent group containing an ethylenically unsaturated group. Preferred P1Is a monovalent group containing an acryloyl group, a methacryloyl group or a styryl group, and most preferably a monovalent group containing an acryloyl group.
[0014]
  The crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (1) of the present invention may be synthesized by (1) a method in which a corresponding monomer is polymerized to directly introduce an ethylenically unsaturated group. It may be synthesized by a technique of introducing an ethylenically unsaturated group into a polymer obtained by polymerizing a monomer having an arbitrary functional group by a polymer reaction. Further, the methods (1) and (2) can be combined for synthesis. Examples of the polymerization reaction include radical polymerization, cationic polymerization, and anionic polymerization. When the method (1) is used, it is necessary to use the difference in polymerizability between the ethylenically unsaturated group consumed in the polymerization reaction and the ethylenically unsaturated group remaining in the crosslinkable polymer. For example, preferred P in the general formula (1)1Among them, when a monovalent group containing an acryloyl group or a methacryloyl group is used, the crosslinkable polymer of the present invention can be obtained by the method of (1) above by using a cationic polymerization as a polymerization reaction for generating a crosslinkable polymer. Can do. On the other hand, P1Is a monovalent group containing a styryl group, it is easy to proceed with gelation by any of radical polymerization, cationic polymerization, and anionic polymerization, so the crosslinkable polymer of the present invention is usually synthesized by the method of (2) above. To do.
[0015]
  As described above, the method utilizing the polymer reaction described in (2) above can obtain a crosslinkable polymer regardless of the type of ethylenically unsaturated group introduced into the general formula (1). Useful. In the polymer reaction, for example, I) Hydrochloric acid is eliminated from 2-chloroethyl groups. I) After the formation of a polymer containing a functional group obtained by precuring an ethylenically unsaturated group, functional group conversion (elimination reaction, oxidation reaction) A method of inducing an ethylenically unsaturated group by reduction reaction, etc.) and II) after forming a polymer containing an arbitrary functional group, a bond formation reaction proceeds with the functional group in the polymer, and a covalent bond is formed. Examples thereof include a method in which a compound having both a functional group that can be generated and an ethylenically unsaturated group (hereinafter referred to as a reactive monomer) is reacted. These methods I) and II) may be performed in combination. The bond formation reaction referred to here can be used without particular limitation as long as it is a reaction that forms a covalent bond in the bond formation reaction generally used in the field of organic synthesis. On the other hand, since the ethylenically unsaturated group contained in the crosslinkable polymer may be thermally polymerized and gelled during the reaction, the reaction proceeds at the lowest possible temperature (preferably 60 ° C. or less, particularly preferably room temperature or less). Those that do are preferred. A catalyst may be used for the purpose of promoting the progress of the reaction, and a polymerization inhibitor may be used for the purpose of suppressing gelation.
[0016]
  Although the example of the combination of the functional group in which a preferable polymer bond formation reaction advances below is given, this invention is not limited to these.
[0017]
  As a combination of functional groups that the reaction proceeds at heating or room temperature,
(I) With respect to the hydroxyl group, epoxy group, isocyanate group, N-methylol group, carboxyl group, alkyl halide, acid anhydride, acid chloride, active ester group (for example, sulfate ester), formyl group, acetal group,
(B) Hydroxyl group, mercapto group, amino group, carboxyl group, N-methylol group with respect to isocyanate group,
(C) With respect to the carboxyl group, an epoxy group, an isocyanate group, an amino group, an N-methylol group,
(D) N-methylol group, isocyanate group, N-methylol group, carboxyl group, amino group, hydroxyl group,
(E) An epoxy group, a hydroxyl group, an amino group, a mercapto group, a carboxyl group, an N-methylol group,
(F) a sulfinic acid group, an amino group,
(G) Hydroxyl group, mercapto group, active methylene group with respect to formyl group,
(H) Formyl group, vinyl group (allyl group, acrylic group, etc.), epoxy group, isocyanate group, N-methylol group, carboxyl group, alkyl halide, acid anhydride chloride, active ester group (for mercapto group) Eg sulfuric ester),
(Ri) For amino group, formyl group, vinyl group (allyl group, acrylic group, etc.), epoxy group, isocyanate group, N-methylol group, carboxyl group, alkyl halide, acid anhydride, acid chloride, active ester group (For example, sulfate ester), and the like.
[0018]
  Although the preferable specific example of a reactive monomer is shown below, this invention is not limited to these.
[0019]
  Hydroxyl group-containing vinyl monomers (eg, hydroxyethyl acrylate, hydroxyethyl methacrylate, allyl alcohol, hydroxypropyl acrylate, hydroxypropyl methacrylate, etc.), isocyanate group-containing vinyl monomers (eg, isocyanatoethyl acrylate, isocyanatoethyl methacrylate, etc.), N -Methylol group-containing vinyl monomers (for example, N-methylol acrylamide, N-methylol methacrylamide, etc.), epoxy group-containing vinyl monomers (for example, glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate, allyl glycidyl ether, CYCLOMER-M100, A200 (Daicel Chemical Industries ( Etc.)), carboxyl group-containing vinyl monomers (eg acrylic acid, meta Lauric acid, itaconic acid, carboxyethyl acrylate, vinyl benzoate), alkyl halide-containing vinyl monomers (eg chloromethylstyrene, 2-hydroxy-3-chloropropyl methacrylate), acid anhydride-containing vinyl monomers (eg maleic anhydride) , Formyl group-containing vinyl monomers (for example, acrolein, methacrolein), sulfinic acid group-containing vinyl monomers (for example, potassium styrenesulfinate), active methylene-containing vinyl monomers (for example, acetoacetoxyethyl methacrylate), vinyl group-containing vinyl monomers (for example, allyl methacrylate) , Allyl acrylate), acid chloride-containing monomers (for example, acrylic acid chloride, methacrylic acid chloride), amino group-containing monomers (for example, allylamine), and the like. It is.
[0020]
  The polymer containing any functional group described in II) can be obtained by polymerizing a reactive monomer having both a reactive functional group and an ethylenically unsaturated group. Moreover, it can also obtain by performing functional group conversion after superposition | polymerization of a precursor monomer with low reactivity like polyvinyl alcohol obtained by modify | denaturating polyvinyl acetate. As a polymerization method in these cases, radical polymerization is the simplest and preferable.
[0021]
  Although the preferable specific example of the repeating unit represented by General formula (1) below is shown, this invention is not limited to these.
[0022]
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Figure 0003864794
[0023]
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Figure 0003864794
[0024]
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Figure 0003864794
[0025]
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Figure 0003864794
[0026]
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Figure 0003864794
[0027]
  The crosslinkable polymer containing a repeating unit represented by the general formula (1) of the present invention may be a copolymer composed of a plurality of types of repeating units represented by the general formula (1). It may be a copolymer containing a repeating unit other than 1) (for example, a repeating unit not containing an ethylenically unsaturated group). In particular, it is preferable to use a copolymer containing a repeating unit other than the general formula (1) for the purpose of controlling the Tg or hydrophilicity / hydrophobicity of the crosslinkable polymer or for the purpose of controlling the content of the ethylenically unsaturated group of the crosslinkable polymer. It is. As a method for introducing the repeating unit other than the general formula (1), a) a method in which a corresponding monomer is copolymerized and directly introduced may be used, and b) a precursor monomer capable of converting a functional group is polymerized to form a polymer. A method of introducing by reaction may be used. Moreover, it can also introduce | transduce combining the method of a) and b).
[0028]
  When the repeating unit other than the general formula (1) is introduced by polymerizing a corresponding vinyl monomer by the method of a), preferably used monomers include acrylic acid or α-alkylacrylic acid (for example, methacrylic acid). Esters derived from aldehydes or amides (for example, Ni-propylacrylamide, Nn-butylacrylamide, Nt-butylacrylamide, N, N-dimethylacrylamide, N-methylmethacrylamide, acrylamide, 2-acrylamido-2-methylpropanesulfonic acid, acrylamidopropyltrimethylammonium chloride, methacrylamide, diacetone acrylamide, acryloylmorpholine, N-methylolacrylamide, N-methylolmethacrylamide Methyl acrylate, ethyl acrylate, hydroxyethyl acrylate, n-propyl acrylate, i-propyl acrylate, 2-hydroxypropyl acrylate, 2-methyl-2-nitropropyl acrylate, n-butyl acrylate, i-butyl acrylate, t-butyl acrylate , T-pentyl acrylate, 2-methoxyethyl acrylate, 2-ethoxyethyl acrylate, 2-methoxymethoxyethyl acrylate, 2,2,2-trifluoroethyl acrylate, 2,2-dimethylbutyl acrylate, 3-methoxybutyl acrylate, Ethyl carbitol acrylate, phenoxyethyl acrylate, n-pentyl acrylate, 3-pentyl acrylate, octafluoropentyl acrylate, n-hexyl acrylate, cyclohexyl acrylate, cyclopentyl acrylate, cetyl acrylate, benzyl acrylate, n-octyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, 4-methyl-2-propylpentyl acrylate, heptadecafluorodecyl acrylate, n-octadecyl acrylate, methyl methacrylate 2,2,2-trifluoroethyl methacrylate, tetrafluoropropyl methacrylate, hexafluoropropyl methacrylate, hydroxyethyl methacrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, n-butyl methacrylate, i-butyl methacrylate, sec-butyl methacrylate, n-octyl Methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, 2-methoxy Tyl methacrylate, 2-ethoxyethyl methacrylate, benzyl methacrylate, heptadecafluorodecyl methacrylate, n-octadecyl methacrylate, 2-isobornyl methacrylate, 2-norbornylmethyl methacrylate, 5-norbornen-2-ylmethyl methacrylate, 3- Methyl-2-norbornylmethyl methacrylate, dimethylaminoethyl methacrylate, etc.), acrylic acid or α-alkyl acrylic acid (acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, etc.), vinyl esters (eg vinyl acetate), maleic acid or fumaric Esters derived from acids (dimethyl maleate, dibutyl maleate, diethyl fumarate, etc.), maleimides (N-phenylmaleimide, etc.), maleic acid, fumaric acid, p- Sodium salt of styrene sulfonic acid, acrylonitrile, methacrylonitrile, dienes (eg butadiene, cyclopentadiene, isoprene), aromatic vinyl compounds (eg styrene, p-chlorostyrene, t-butylstyrene, α-methylstyrene, styrenesulfone) Acid sodium), N-vinylpyrrolidone, N-vinyloxazolidone, N-vinylsuccinimide, N-vinylformamide, N-vinyl-N-methylformamide, N-vinylacetamide, N-vinyl-N-methylacetamide, 1- Vinyl imidazole, 4-vinyl pyridine, vinyl sulfonic acid, sodium vinyl sulfonate, sodium allyl sulfonate, sodium methallyl sulfonate, vinylidene chloride, vinyl alkyl ethers (eg methyl vinyl ether) Ether), ethylene, propylene, 1-butene, isobutene and the like are exemplified. Two or more of these vinyl monomers may be used in combination. Vinyl monomers other than these are listed in Research Disclosure No. Those described in 1955 (1980, July) can be used. In the present invention, esters derived from acrylic acid or methacrylic acid, amides, and aromatic vinyl compounds are particularly preferably used vinyl monomers.
[0029]
  In addition, when the repeating unit represented by the general formula (1) is introduced by a polymer reaction as in the above (2) and the reaction is not completed, a functional group or a reactive functional group in which an ethylenically unsaturated group is converted into a precursor. However, in the present invention, the copolymer can be used without any particular limitation.
[0030]
  Most of the repeating units that do not contain ethylenically unsaturated groups derived from the vinyl monomers listed above can be introduced by polymerizing the above-described b) functional group-convertable precursor monomers and polymerizing them. is there. On the other hand, the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (1) of the present invention may contain a repeating unit other than the general formula (1) that can be introduced only by a polymer reaction. Typical examples include polyvinyl alcohol obtained by modifying polyvinyl acetate, polyvinyl butyral obtained by acetalization reaction of polyvinyl alcohol, and the like. Specific examples of these repeating units are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0031]
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Figure 0003864794
[0032]
  In the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (1) of the present invention, the proportion of the repeating unit represented by the general formula (1) is 30% by mass or more and 100% by mass or less, preferably 50%. It is 70 mass% or more and 100 mass% or less especially preferably. In addition, the content of the ethylenically unsaturated group in the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (1) of the present invention is preferably 400 or less, more preferably 300 or less, particularly preferably ethylenically unsaturated group equivalent. Is 200 or less. A lower acid value is preferable because there is little decrease in hardness under high humidity. A preferable acid value in this case is 0 to 2 mgKOH / g, and more preferably 0 to 1 mgKOH / g.
[0033]
  A preferred molecular weight range of the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (1) is 1,000 to 1,000,000, more preferably 3,000 to 200,000 in terms of number average molecular weight. Most preferably, it is 5000 or more and 100,000 or less.
[0034]
  Although the preferable example of the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by General formula (1) below is shown in Table 1, this invention is not limited to this. In addition, the repeating unit represented by the general formula (1) mentioned above and the repeating unit such as polyvinyl alcohol are represented by the numbers of the specific examples given above, and are a repeating unit derived from a copolymerizable monomer. Indicates the name of the monomer and the copolymer composition ratio in mass%.
[0035]
[Table 1]
Figure 0003864794
[0036]
  Next, a crosslinkable polymer having a repeating unit containing a hetero atom in the main chain and an ethylenically unsaturated group in the side chain will be described. A crosslinkable polymer having a repeating unit containing a heteroatom in the main chain and an ethylenically unsaturated group in the side chain is obtained by introducing an ethylenically unsaturated group into a substitutable site of the polymer containing a heteroatom in the main chain. be able to. Examples of the polymer containing a hetero atom in the main chain include polyester, polycarbonate, polyurethane, polyamide, polyimide, polyether, polysulfone, etc., all of which can be used by introducing an ethylenically unsaturated group into a substitutable site. However, in the present invention, a crosslinkable polymer having a repeating unit represented by any one of the general formulas (2) to (4) is preferably used.
[0037]
  The crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (2) will be described. In the general formula (2),R twenty one , R twenty two And R twenty three Each independently(I) a hydrogen atom, (ii)R Three A monovalent substituent (where R is Three Is -OR twenty one , -OR twenty two And -OR twenty three Represents a monovalent substituent such that is an ester group or an ether group. ), (Iii) P2-L2-But at least one is P2-L2-. Where P2Is P1A monovalent group containing the same ethylenically unsaturated group, and a preferred example is P1Is the same. L2Is a single bond or a divalent linking group. Preferred L2Is a single bond, —CONH—, —CO—, an alkylene group, an aralkylene group, or an arylene group. RThree(IiDPreferred for monovalent groups such as stealth or ether groupsR ThreeThe groups are acetyl group, butyryl group, methyl group, ethyl group, benzyl group, hydroxyethyl group, hydroxypropyl group, hydroxymethyl group, carboxymethyl group. The crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (2) can be synthesized by applying general urethanization, esterification, and etherification techniques to the cellulose derivative. For example, it can be easily synthesized by using isocyanate or acid halide as shown below.
[0038]
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Figure 0003864794
[0039]
  Where LThreeRepresents a single bond or a divalent linking group, RFourRepresents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms. Other methods for introducing ethylenically unsaturated groups into the hydroxyl groups of cellulose include AA Berlinetc; J. Gen. Chem. USSR., 21,1383 (1951) USP 2,789,030 Teminetc; Ind. And Eng. Chem. Product. , Rand d, 11, Nr. 3,325 Hiroaki Tonami; Journal of Textiles, 14, 100 (1958), etc. can be referred to. Cellulose derivatives used in the present invention include cellulose acetylates, acetylbutyrylates, acetylpropionylates, nitrates, caproylates, lauroylates, benzoylates, maleic anhydride, succinic anhydride, and phthalic anhydride. Examples include, but are not limited to, esterified products such as esterified products, and etherified products such as ethylated products, ethylhydroxyethylated products, hydroxypropylated products, methylated products, benzylated products, and cyanoethylated products. Of these, acetylated compounds, acetylbutyrylated compounds, acetylpropionylated compounds and ethylated compounds are preferred. The degree of substitution (D.S .: Degree of substitution) of various substituents is not particularly limited, and may be any value within the range of 0 <D.S. <3.0.
[0040]
  P2-L2The mass% in the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (2) of the substituent represented by − is 1% by mass to 80% by mass, preferably 1% by mass to 50% by mass. It is. Further, the content of the ethylenically unsaturated group in the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (2) of the present invention is preferably 400 or less, more preferably 300 or less, particularly preferably ethylenically unsaturated group equivalent. Is 200 or less. A lower acid value is preferable because there is little decrease in hardness under high humidity. A preferable acid value in this case is 0 to 2 mgKOH / g, and more preferably 0 to 1 mgKOH / g.
  A preferable molecular weight range of the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (2) is 2000 or more and 200,000 or less in terms of number average molecular weight, and more preferably 5000 or more and 100,000 or less.
[0041]
  Although the preferable structural example of the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by General formula (2) is shown in Table 2, this invention is not limited to this.
[0042]
[Table 2]
Figure 0003864794
[0043]
  The crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (3) will be described.
  In the formulan R 31 And nR32IsCan be the same or different,(I)Hydrogen atom, (Ii)An alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, or (iii)P31-L31-EitherR, At least one is P31-L31-TheP31IsSelected from the group consisting of acryloyl group, methacryloyl group and vinylphenyl groupA monovalent group containing an ethylenically unsaturated group, L 31Is a single bondOr an alkyl group having 1 to 4 carbon atomsRepresents a divalent linking group optionally substituted by, NIs an integer from 2 to 4, R 31 And R 32 May be linked to form a ring structure.
[0044]
  The crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (3) of the present invention is synthesized by ring-opening polymerization of a cyclic ether portion of a monomer having both a cyclic ether and an ethylenically unsaturated group in the same molecule. Is most convenient and preferred.
  Although the preferable specific example of the repeating unit represented by General formula (3) below is shown, this invention is not limited to these.
[0045]
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Figure 0003864794
[0046]
  The crosslinkable polymer containing a repeating unit represented by the general formula (3) of the present invention may be a copolymer composed of a plurality of repeating units represented by the general formula (3). A copolymer containing a repeating unit other than (for example, a repeating unit containing no ethylenically unsaturated group) may be used. In particular, when it is desired to control the Tg or hydrophilicity / hydrophobicity of the crosslinkable polymer, or to control the content of the ethylenically unsaturated group of the crosslinkable polymer, it can be a copolymer containing a repeating unit other than the general formula (3). . As a method for introducing a repeating unit other than the general formula (3), a method in which a monomer having a corresponding ring-opening polymerizable group is copolymerized and introduced is preferable. These copolymerizable monomers are not particularly limited as long as they have one cyclic ether selected from an epoxy ring, an oxetane ring and a tetrahydrofuran ring in the same molecule, and various known compounds can be used.
[0047]
  In the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (3) of the present invention, the proportion of the repeating unit represented by the general formula (3) is 30% by mass or more and 100% by mass or less, preferably 50%. It is 70 mass% or more and 100 mass% or less especially preferably. Further, the content of the ethylenically unsaturated group in the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (3) of the present invention is preferably 400 or less, more preferably 300 or less, particularly preferably ethylenically unsaturated group equivalent. Is 200 or less. A lower acid value is preferable because there is little decrease in hardness under high humidity. A preferable acid value in this case is 0 to 2 mgKOH / g, and more preferably 0 to 1 mgKOH / g.
[0048]
  A preferred molecular weight range of the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (3) is 500 to 1,000,000, more preferably 1500 to 200,000 in terms of weight average molecular weight. Most preferably, it is 3000 or more and 100,000 or less.
[0049]
  Although the preferable example of the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by General formula (3) below is shown in Table 3, this invention is not limited to these. In addition, the repeating unit represented by the general formula (3) given above as a specific example is represented by the number of the specific example given above, and the repeating unit derived from a copolymerizable monomer describes the monomer name. The copolymer composition ratio is indicated by mass%.
[0050]
[Table 3]
Figure 0003864794
[0051]
  Next, the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (4) will be described.
  Where P41IsSelected from the group consisting of acryloyl group, methacryloyl group and vinylphenyl groupA monovalent group containing an ethylenically unsaturated group, L 41Indicates a single bond or a divalent linking groupAnd n R 41 And n R 42 Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms,n is an integer of 2 to 3, and in each case R 41 , R 42 Can be the same or different,2 R 41 Or R 42 May be linked to form a ring structure.
[0052]
  The crosslinkable polymer containing a repeating unit represented by the general formula (4) of the present invention is obtained by ring-opening polymerization of a cyclic iminoether portion of a monomer having both a cyclic iminoether and an ethylenically unsaturated group in the same molecule. It can be synthesized by introducing an ethylenically unsaturated group into the polyalkyleneimine by polymer reaction.
  Although the preferable specific example of the repeating unit represented by General formula (4) below is shown, this invention is not limited to these.
[0053]
Embedded image
Figure 0003864794
[0054]
  The crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (4) of the present invention may be a copolymer composed of a plurality of repeating units represented by the general formula (4). A copolymer containing a repeating unit other than (for example, a repeating unit containing no ethylenically unsaturated group) may be used. In particular, when it is desired to control the Tg and hydrophilicity / hydrophobicity of the crosslinkable polymer, or to control the content of the ethylenically unsaturated group of the crosslinkable polymer, it can be a copolymer containing a repeating unit other than the general formula (4). . As a method for introducing a repeating unit other than the general formula (4), a monomer having a corresponding ring-opening polymerizable group may be copolymerized and may be introduced into an alkyleneimine unit by a polymer reaction. The copolymerizable monomer is not particularly limited as long as it has a cyclic imino ether such as one oxazoline ring in the same molecule, and various known compounds can be used.
[0055]
  In the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (4) of the present invention, the proportion of the repeating unit represented by the general formula (4) is 30% by mass or more and 100% by mass or less, preferably 50%. It is 70 mass% or more and 100 mass% or less especially preferably. In addition, the content of the ethylenically unsaturated group in the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (4) of the present invention is preferably 400 or less, more preferably 300 or less, particularly preferably ethylenically unsaturated group equivalent. Is 200 or less. A lower acid value is preferable because there is little decrease in hardness under high humidity. A preferable acid value in this case is 0 to 2 mgKOH / g, and more preferably 0 to 1 mgKOH / g.
[0056]
  A preferred molecular weight range of the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (4) is 500 to 1,000,000, more preferably 1500 to 200,000 in terms of weight average molecular weight. Most preferably, it is 3000 or more and 100,000 or less.
[0057]
  Although the preferable example of the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by General formula (4) below is shown in Table 4, this invention is not limited to these. In addition, the repeating unit represented by the general formula (4) given above as a specific example is represented by the number of the specific example given above, and the repeating unit derived from a copolymerizable monomer describes the monomer name. The residual alkyleneimine unit at the time of introduction of the polymer reaction was described by the unit name, and the copolymer composition ratio was indicated by mass%.
[0058]
[Table 4]
Figure 0003864794
[0059]
  The crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (1) of the present invention and the crosslinkable polymer having a repeating unit containing a hetero atom in the main chain and an ethylenically unsaturated group in the side chain are used individually. Alternatively, two or more kinds may be blended and used. Moreover, it is good also as a block polymer and graft polymer which contain both the repeating unit represented by General formula (1) in the same molecule | numerator, and the repeating unit which contains a hetero atom in a principal chain, and contains an ethylenically unsaturated group in a side chain.
[0060]
  In the present invention, an ethylenically unsaturated group other than the crosslinkable polymer having a repeating unit represented by the general formula (1) and / or a repeating unit containing a heteroatom in the main chain and an ethylenically unsaturated group in the side chain. The compound to be contained can also be used as necessary. In this case, it is sufficient that one or more ethylenically unsaturated groups are contained in the molecule, but two or more are preferable.
[0061]
  Hereinafter, compounds containing two or more ethylenically unsaturated groups in the same molecule that can be used in the present invention will be described. Preferred types of ethylenically unsaturated groups are acryloyl group, methacryloyl group, styryl group and vinyl ether group, particularly preferably acryloyl group. Although the compound containing an ethylenically unsaturated group should just have two or more ethylenically unsaturated groups in a molecule | numerator, More preferably, it is three or more. Among them, a compound having an acryloyl group is preferable, and a compound called a polyfunctional acrylate monomer having 2 to 6 acrylate groups in the molecule or a molecule called urethane acrylate, polyester acrylate or epoxy acrylate. An oligomer having several acrylate groups and a molecular weight of several hundred to several thousand can be preferably used.
[0062]
  Preferred specific examples of the compound having two or more ethylenically unsaturated groups in the molecule include divinylbenzene, ethylene glycol diacrylate, trimethylolpropane triacrylate, ditrimethylolpropane tetraacrylate, pentaerythritol triacrylate, and pentaerythritol. Polyol polyacrylates such as tetraacrylate, dipentaerythritol pentaacrylate, dipentaerythritol hexaacrylate, diacrylate of bisphenol A diglycidyl ether, epoxy acrylates such as diacrylate of hexanediol diglycidyl ether, polyisocyanate and hydroxy Urethane acrylate obtained by reaction of hydroxyl-containing acrylate such as ethyl acrylate It can gel. Moreover, such a compound is also marketed, and EB-600, EB-40, EB-140, EB-1150, EB-1290K, IRR214, EB-2220, TMPTA, TMPTMA (above, Daicel UCB ( Co., Ltd.), UV-6300, UV-1700B (manufactured by Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd.), and the like.
[0063]
  Among the compounds having 2 or more ethylenically unsaturated groups in the molecule mentioned above, particularly preferred compounds include compounds having 3 or more acryloyl groups in the molecule and an acryloyl equivalent of 120 or less. Examples include trimethylolpropane triacrylate, ditrimethylolpropane tetraacrylate, pentaerythritol triacrylate, pentaerythritol tetraacrylate, dipentaerythritol pentaacrylate, dipentaerythritol hexaacrylate, and the like.
[0064]
  The hard coat treated article of the present invention contains a crosslinkable polymer having a repeating unit represented by the general formula (1) and / or a repeating unit containing a hetero atom in the main chain and an ethylenically unsaturated group in the side chain. Although it can be obtained by applying and curing a curable composition on a desired substrate, it is preferable to further contain a compound containing a ring-opening polymerizable group in the curable composition. It is preferred to polymerize both the polymerizable group and the ethylenically unsaturated group. The compound containing a ring-opening polymerizable group may contain one or more ring-opening polymerizable groups in the same molecule, but a compound containing two or more ring-opening polymerizable groups in the same molecule is more preferable.
[0065]
  Hereinafter, the compound containing a ring-opening polymerizable group that can be used in the present invention will be described. The compound containing a ring-opening polymerizable group is a compound having a ring structure in which ring-opening polymerization proceeds by the action of a cation, an anion, a radical, etc. Among them, cationic ring-opening polymerization of a heterocyclic compound is preferable. Examples of such compounds include epoxy derivatives, oxetane derivatives, tetrahydrofuran derivatives, cyclic lactone derivatives, cyclic carbonate derivatives, cyclic imino ethers such as oxazoline derivatives, and the like, and epoxy derivatives, oxetane derivatives, and oxazoline derivatives are particularly preferable.
[0066]
  The compound having two or more ring-opening polymerizable groups in the same molecule referred to in the present invention is not particularly limited as long as it is a compound having two or more ring structures as described above in the same molecule. Specific examples of such compounds include, for example, ethylene glycol diglycidyl ether, bisphenol A diglycidyl ether, trimethylol ethane triglycidyl ether, trimethylolpropane triglycidyl ether, glycerol triglycidyl ether, triglycidyl trishydroxy as glycidyl ethers. Ethyl isocyanurate, sorbitol tetraglycidyl ether, pentaerythritol tetraglycyl ether, polyglycidyl ether of cresol novolac resin, polyglycidyl ether of phenol novolac resin, etc. GT-401, EHPE3150CE (above, Daicel Chemical Oxetanes such as polycyclohexyl epoxy methyl ether of phenol novolac resin, OXT-121, OXT-221, OX-SQ, PNOX-1009 (above, manufactured by Toagosei Co., Ltd.), etc. .
[0067]
  In the present invention, as a compound having two or more ring-opening polymerizable groups in the same molecule, a crosslinkable polymer containing a repeating unit represented by the general formula (5) can also be preferably used.
[0068]
  The crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (5) of the present invention will be described in detail below. R in the general formula (5)FiveRepresents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, preferably a hydrogen atom or a methyl group. LFiveIs a single bond or a divalent linking group, preferably a single bond, -O-, an alkylene group, an arylene group, and * -COO-, * -CONH-, * -OCO- linked to the main chain on the * side, * —NHCO—. PThreeIs a monovalent group containing a ring-opening polymerizable group. A monovalent group containing a ring-opening polymerizable group is a monovalent group having a ring structure in which ring-opening polymerization proceeds by the action of a cation, anion, radical, etc., and among these, cationic ring-opening polymerization of a heterocyclic compound is possible. preferable. Preferred PThreeAnd monovalent groups including an imino ether ring such as an epoxy ring, an oxetane ring, a tetrahydrofuran ring, a lactone ring, a carbonate ring, and an oxazoline ring. Among these, an epoxy ring, an oxetane ring, and an oxazoline ring are particularly preferable. A monovalent group, most preferably a monovalent group containing an epoxy ring.
[0069]
  The crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (5) of the present invention is preferably synthesized simply by polymerizing a corresponding monomer. In this case, radical polymerization is the simplest and preferable as the polymerization reaction.
  Although the preferable specific example of the repeating unit represented by General formula (5) below is shown, this invention is not limited to these.
[0070]
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Figure 0003864794
[0071]
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Figure 0003864794
[0072]
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Figure 0003864794
[0073]
  Of the repeating units represented by the general formula (5) of the present invention, more preferred examples are those derived from methacrylates or acrylates having an epoxy ring. Among them, particularly preferred examples are glycidyl methacrylate and glycidyl acrylate. E-1 and E-3 derived from the above. Moreover, the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (5) of the present invention may be a copolymer composed of a plurality of types of repeating units represented by the general formula (5). Curing shrinkage can be more effectively reduced by using either E-1 or E-3 copolymer.
[0074]
  The crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (5) of the present invention may be a copolymer containing a repeating unit other than the general formula (5) (for example, a repeating unit containing no ring-opening polymerizable group). In particular, when it is desired to control the Tg and hydrophilicity / hydrophobicity of the crosslinkable polymer, or to control the content of the ring-opening polymerizable group of the crosslinkable polymer, it can be a copolymer containing a repeating unit other than the general formula (5). . As a method for introducing the repeating unit other than the general formula (5), a method of introducing the corresponding monomer by copolymerization is preferable.
[0075]
  When a repeating unit other than the general formula (5) is introduced by polymerizing a corresponding vinyl monomer, a monomer preferably used is an ester derived from acrylic acid or α-alkyl acrylic acid (for example, methacrylic acid). Or amides (for example, Ni-propylacrylamide, Nn-butylacrylamide, Nt-butylacrylamide, N, N-dimethylacrylamide, N-methylmethacrylamide, acrylamide, 2-acrylamide-2- Methylpropanesulfonic acid, acrylamidopropyltrimethylammonium chloride, methacrylamide, diacetoneacrylamide, acryloylmorpholine, N-methylolacrylamide, N-methylolmethacrylamide, methyl acrylate Ethyl acrylate, hydroxyethyl acrylate, n-propyl acrylate, i-propyl acrylate, 2-hydroxypropyl acrylate, 2-methyl-2-nitropropyl acrylate, n-butyl acrylate, i-butyl acrylate, t-butyl acrylate, t- Pentyl acrylate, 2-methoxyethyl acrylate, 2-ethoxyethyl acrylate, 2-methoxymethoxyethyl acrylate, 2,2,2-trifluoroethyl acrylate, 2,2-dimethylbutyl acrylate, 3-methoxybutyl acrylate, ethyl carbitol Acrylate, phenoxyethyl acrylate, n-pentyl acrylate, 3-pentyl acrylate, octafluoropentyl acrylate, n-hexyl acrylate Cyclohexyl acrylate, cyclopentyl acrylate, cetyl acrylate, benzyl acrylate, n-octyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, 4-methyl-2-propylpentyl acrylate, heptadecafluorodecyl acrylate, n-octadecyl acrylate, methyl methacrylate, 2 , 2,2-trifluoroethyl methacrylate, tetrafluoropropyl methacrylate, hexafluoropropyl methacrylate, hydroxyethyl methacrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, n-butyl methacrylate, i-butyl methacrylate, sec-butyl methacrylate, n-octyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, 2-methoxyethyl methacrylate 2-ethoxyethyl methacrylate, benzyl methacrylate, heptadecafluorodecyl methacrylate, n-octadecyl methacrylate, 2-isobornyl methacrylate, 2-norbornylmethyl methacrylate, 5-norbornen-2-ylmethyl methacrylate, 3-methyl-2 -Derived from norbornylmethyl methacrylate, dimethylaminoethyl methacrylate, etc.), acrylic acid or α-alkyl acrylic acid (acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, etc.), vinyl esters (eg vinyl acetate), maleic acid or fumaric acid Of esters (dimethyl maleate, dibutyl maleate, diethyl fumarate, etc.), maleimides (N-phenylmaleimide, etc.), maleic acid, fumaric acid, p-styrenesulfonic acid Sodium salt, acrylonitrile, methacrylonitrile, dienes (for example, butadiene, cyclopentadiene, isoprene), aromatic vinyl compounds (for example, styrene, p-chlorostyrene, t-butylstyrene, α-methylstyrene, sodium styrenesulfonate), N-vinylpyrrolidone, N-vinyloxazolidone, N-vinylsuccinimide, N-vinylformamide, N-vinyl-N-methylformamide, N-vinylacetamide, N-vinyl-N-methylacetamide, 1-vinylimidazole, 4 -Vinyl pyridine, vinyl sulfonic acid, sodium vinyl sulfonate, sodium allyl sulfonate, sodium methallyl sulfonate, vinylidene chloride, vinyl alkyl ethers (eg methyl vinyl ether), ethyl Emissions, propylene, 1-butene, isobutene and the like are exemplified. Two or more of these vinyl monomers may be used in combination. Vinyl monomers other than these are listed in Research Disclosure No. Those described in 1955 (1980, July) can be used. In the present invention, esters derived from acrylic acid or methacrylic acid, amides, and aromatic vinyl compounds are particularly preferably used vinyl monomers.
[0076]
  As the repeating unit other than the general formula (5), a repeating unit having a reactive group other than the ring-opening polymerizable group can also be introduced. In particular, if you want to increase the hardness of the hard coat layer, or if you want to improve the adhesion between layers when using another functional layer on the substrate or hard coat, a copolymer containing reactive groups other than ring-opening polymerizable groups The method is preferable. As a method for introducing a repeating unit having a reactive group other than the ring-opening polymerizable group, a method of copolymerizing a corresponding vinyl monomer (hereinafter referred to as a reactive monomer) is simple and preferable.
[0077]
  Although the preferable specific example of a reactive monomer is shown below, this invention is not limited to these.
[0078]
  Hydroxyl group-containing vinyl monomers (eg, hydroxyethyl acrylate, hydroxyethyl methacrylate, allyl alcohol, hydroxypropyl acrylate, hydroxypropyl methacrylate, etc.), isocyanate group-containing vinyl monomers (eg, isocyanatoethyl acrylate, isocyanatoethyl methacrylate, etc.), N -Methylol group-containing vinyl monomers (for example, N-methylol acrylamide, N-methylol methacrylamide, etc.), carboxyl group-containing vinyl monomers (for example, acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, carboxyethyl acrylate, vinyl benzoate), alkyl halides Vinyl monomers (eg chloromethylstyrene, 2-hydroxy-3-chloropropyl methacrylate), Anhydride-containing vinyl monomers (eg maleic anhydride), formyl group-containing vinyl monomers (eg acrolein, methacrolein), sulfinic acid group-containing vinyl monomers (eg potassium styrenesulfinate), active methylene-containing vinyl monomers (eg acetoacetoxyethyl) Methacrylate), acid chloride-containing monomers (eg acrylic acid chloride, methacrylic acid chloride), amino group-containing monomers (eg allylamine), alkoxysilyl group-containing monomers (eg methacryloyloxypropyltrimethoxysilane, acryloyloxypropyltrimethoxysilane), etc. Can be mentioned.
[0079]
  In the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (5) of the present invention, the proportion of the repeating unit represented by the general formula (5) is 30% by mass or more and 100% by mass or less, preferably 50%. It is 70 mass% or more and 100 mass% or less especially preferably.
[0080]
  A preferred molecular weight range of the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by the general formula (5) is 1,000 to 1,000,000, more preferably 3,000 to 200,000 in terms of weight average molecular weight. Most preferably, it is 5000 or more and 100,000 or less.
[0081]
  Although the preferable example of the crosslinkable polymer containing the repeating unit represented by General formula (5) below is shown in Table 5 and Table 6, this invention is not limited to these. In addition, the repeating unit represented by the general formula (5) mentioned above with the specific example is represented by the number of the specific example given above, and the repeating unit derived from the copolymerizable monomer describes the monomer name. The copolymer composition ratio is indicated by mass%.
[0082]
[Table 5]
Figure 0003864794
[Table 6]
Figure 0003864794
[0083]
  The crosslinkable polymer having a repeating unit represented by the general formula (1) of the present invention and / or a repeating unit containing a heteroatom in the main chain and an ethylenically unsaturated group in the side chain is an ethylenically unsaturated group. The crosslinking reaction proceeds via the group. A preferred crosslinking reaction is a radical polymerization reaction, in which case the polymerization reaction proceeds by the action of heat and / or light. In either case, a general method is to add a small amount of a radical generator (referred to as an initiator), decompose the radical generator with heat and / or light, and generate radicals. There is also a method of simply heating as a method of allowing the crosslinking reaction to proceed without adding a radical generator, but a method of irradiating an electron beam is preferably used.
[0084]
  In the present invention, when a compound containing a ring-opening polymerizable group is added, it is preferable that the crosslinking reaction of both the compound containing an ethylenically unsaturated group and the compound containing a ring-opening polymerizable group proceeds. A preferable crosslinking reaction of the ethylenically unsaturated group is a radical polymerization reaction, and a preferable crosslinking reaction of the ring-opening polymerizable group is a cationic polymerization reaction. In either case, the polymerization reaction can proceed by the action of heat and / or light. A method of adding a small amount of radical generator or cation generator (or acid generator), usually called a polymerization initiator, and decomposing them by heat and / or light to generate radicals or cations to advance the polymerization Is common. Although radical polymerization and cationic polymerization may be performed separately, it is preferable to proceed simultaneously.
[0085]
  In the present invention, when a plastic film is used as the substrate, the plastic film itself has low heat resistance. Therefore, when it is cured by heating, it is preferably cured at the lowest possible temperature. In this case, the heating temperature is 140 ° C. or less, more preferably 100 ° C. or less. On the other hand, curing by the action of light is preferably used because the crosslinking reaction often proceeds at a low temperature. Further, a method using active energy rays such as radiation, gamma rays, alpha rays, electron beams, and ultraviolet rays is preferable, and among them, a method of adding a polymerization initiator that generates radicals or cations by ultraviolet rays and curing by ultraviolet rays is particularly preferable. . In addition, the temperature when irradiating the active energy ray is not particularly limited, but the volume shrinkage after curing can be suppressed by carrying out at a low temperature, or the deformation of the base material is reduced when a plastic film is used as the base material. Often advantageous. A preferable temperature in this case is 80 ° C. or lower, and more preferably 50 ° C. or lower. Moreover, after irradiating an active energy ray, it may be able to advance hardening further by heating, and can be used as needed. A preferable heating temperature in this case is 140 ° C. or lower.
[0086]
  Examples of photoacid generators that generate cations by the action of light include ionic compounds such as triarylsulfonium salts and diaryliodonium salts, and nonionic compounds such as nitrobenzyl esters of sulfonic acids. Various known photoacid generators such as compounds described in the study group, “Organic Materials for Imaging” published by Bunshin Publishing Co., Ltd. (1997) can be used. Of these, a sulfonium salt or an iodonium salt is particularly preferred, and the counter ion is PF.6 -, SbF6 -, AsF6 -, B (C6FFive)Four -Etc. are preferable.
[0087]
  Examples of the polymerization initiator that generates radicals by the action of light are preferably acetophenone compounds, benzoin ether compounds, benzyl compounds, benzophenone compounds, thioxanthone compounds, and the like. Examples of the acetophenone compound include 2,2-diethoxyacetophenone, 2-hydroxymethyl-1-phenylpropan-1-one, 4′-isopropyl-2-hydroxy-2-methyl-propiophenone, 2-hydroxy -2-methyl-propiophenone, p-dimethylaminoacetone, p-tert-butyldichloroacetophenone, p-tert-butyltrichloroacetophenone, p-azidobenzalacetophenone and the like. Examples of the benzyl compound include benzyl, benzyl dimethyl ketal, benzyl-β-methoxyethyl acetal, 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone and the like. Examples of the benzoin ether compounds include benzoin, benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether, benzoin-n-propyl ether, benzoin isopropyl ether, benzoin-n-butyl ether, and benzoin isobutyl ether. Examples of the benzophenone compounds include benzophenone, methyl o-benzoylbenzoate, Michler's ketone, 4,4'-bisdiethylaminobenzophenone, 4,4'-dichlorobenzophenone, and the like. Examples of the thioxanthone compound include thioxanthone, 2-methylthioxanthone, 2-ethylthioxanthone, 2-isopropylthioxanthone, 4-isopropylthioxanthone, 2-chlorothioxanthone, 2,4-diethylthioxanthone, and the like. Among such photosensitive radical polymerization initiators composed of aromatic ketones, acetophenone compounds and benzyl compounds are particularly preferable in terms of curing characteristics, storage stability, odor, and the like. The photosensitive radical polymerization initiators composed of these aromatic ketones can be used alone or in combination of two or more according to the desired performance.
[0088]
  Further, as mentioned above, since sulfonium salts and iodonium salts usually used as photoacid generators also function as radical generators by the action of light, these may be used alone in the present invention. In addition to a polymerization initiator, a sensitizer may be used for the purpose of increasing sensitivity. Examples of the sensitizer include n-butylamine, triethylamine, tri-n-butylphosphine, thioxanthone and the like.
[0089]
  A plurality of polymerization initiators may be used in combination, or they may be used alone, such as a compound that generates both radicals and cations alone. The addition amount of the polymerization initiator is 0.1 to 15 mass relative to the total mass of the ethylenically unsaturated group-containing compound and the ring-opening polymerizable group-containing compound including the crosslinkable polymer contained in the curable composition. %, Preferably in the range of 1 to 10% by weight.
[0090]
  In the present invention, a crosslinkable polymer having a repeating unit represented by the general formula (1) and / or a repeating unit containing a hetero atom in the main chain and an ethylenically unsaturated group in the side chain, or a general formula (5) The crosslinkable polymer having a repeating unit (hereinafter collectively referred to as the polymer of the present invention) is usually a solid or high-viscosity liquid, and is difficult to be applied alone. In the case of a product, it can be applied in an aqueous system, but it is usually dissolved in an organic solvent and applied. Any organic solvent can be used without particular limitation as long as it makes the polymer of the present invention soluble. Preferable organic solvents include ketones such as methyl ethyl ketone, alcohols such as isopropanol, esters such as ethyl acetate, and the like. In addition, when the above-mentioned monofunctional or bifunctional or higher functional vinyl monomer or a compound having a monofunctional or bifunctional or higher functional ring-opening polymerizable group is a low molecular weight compound, the combined use thereof controls the viscosity of the curable composition. It can also be applied without using a solvent.
[0091]
  In the present invention, crosslinked fine particles can be added to the curable composition as necessary. By adding crosslinked fine particles, the amount of cure shrinkage of the hard coat layer can be reduced, so that adhesion to the substrate is improved and curling can be reduced when the substrate is a plastic film, which is preferable. As the crosslinked fine particles, any of inorganic fine particles, organic fine particles, and organic-inorganic composite fine particles can be used without particular limitation. Examples of the inorganic fine particles include silicon dioxide particles, titanium dioxide particles, zirconium oxide particles, and aluminum oxide particles. Such inorganic crosslinked fine particles are generally hard, and by filling the hard coat layer, not only the shrinkage during curing can be improved, but also the surface hardness can be increased.
[0092]
  In general, inorganic fine particles have low affinity with organic components such as the polymer of the present invention, polyfunctional vinyl monomer, and ring-opening polymerizable group-containing compound. May be prone to cracking. In the present invention, in order to increase the affinity between the inorganic fine particles and the organic component, the surface of the inorganic fine particles can be treated with a surface modifier containing an organic segment. The surface modifier preferably has a functional group capable of forming a bond with or adsorbing to the inorganic fine particles and a functional group having high affinity with the organic component in the same molecule. As the compound having a functional group capable of binding or adsorbing to the inorganic fine particles, a metal alkoxide compound such as silane, aluminum, titanium and zirconium, and a compound having an anionic group such as phosphoric acid, sulfonic acid and carboxylic acid group are preferable. Furthermore, the functional group having a high affinity with the organic component may be simply a combination of the organic component and the hydrophilicity / hydrophobicity, but a functional group that can be chemically bonded to the organic component is preferable, particularly an ethylenically unsaturated group, Or a ring-opening polymerizable group is preferable. A preferable inorganic fine particle surface modifier in the present invention is a compound having a metal alkoxide or an anionic group and an ethylenically unsaturated group or a ring-opening polymerizable group in the same molecule.
[0093]
  Preferred examples of these surface modifiers include the following unsaturated double bonds and coupling agents having a ring-opening polymerizable group, phosphoric acid, sulfonic acid, carboxylic acid compounds, etc., but the present invention is limited to these. It is not a thing.
S-1 H2C = C (X) COOCThreeH6Si (OCHThree)Three
S-2 H2C = C (X) COOC2HFourOTi (OC2HFive)Three
S-3 H2C = C (X) COOC2HFourOCOCFiveHTenOPO (OH)2
S-4 (H2C = C (X) COOC2HFourOCOCFiveHTenO)2POOH
S-5 H2C = C (X) COOCThreeH6OSOThreeK
S-6 H2C = C (X) COO (CFiveHTenCOO)2H
S-7 H2C = C (X) COOCFiveHTenCOOH
S-8 γ-Glycidyloxypropyltrimethoxysilane
(X = H or CHThree)
[0094]
  Any conventionally known method may be used as the surface modification treatment method of these inorganic fine particles. For example, when performing surface modification treatment in a solution, when inorganic fine particles are mechanically finely dispersed, the surface modifier is present together, or after finely dispersing inorganic fine particles, the surface modifier is added and stirred. Alternatively, a method may be used in which surface modification is performed before finely dispersing the inorganic fine particles (if necessary, heating or drying is followed by heating or pH change), and then fine dispersion is performed. As the solvent in this case, an organic solvent having high polarity is preferable. Specific examples include known organic solvents such as alcohols, ketones, and esters. As the disperser, it is preferable to use an ultrasonic disperser, a disper, a homogenizer, a dissolver, a polytron, a paint shaker, a sand grinder, a kneader, an Eiger mill, a dyno mill, a coball mill, or the like.
[0095]
  Organic crosslinked fine particles such as polyethylene, polypropylene, polytetrafluoroethylene, nylon, polyethylene terephthalate, polystyrene, poly (meth) acrylates and amides, polyvinyl chloride, acetylcellulose, nitrocellulose, polydimethylsiloxane, etc. Cross-linked rubber fine particles such as those obtained by cross-linking SBR and NBR can also be preferably used. The organic fine particles can be arbitrarily selected from soft rubber particles to hard particles. For example, the above-described inorganic crosslinked fine particles having high hardness may be fragile and easily cracked, although the amount of cure shrinkage and hardness increase as the amount added to the hard coat layer increases. In such a case, it is preferable that the organic crosslinked fine particles whose hardness is arbitrarily adjusted can be added at the same time to make it difficult to break. Alternatively, a core-shell particle such as a hard core and a low hardness shell or a low hardness core and a high hardness shell can be used. It is also preferable to use core-shell particles with different hydrophilicity / hydrophobicity for the purpose of ensuring dispersion stability in the hard coat layer or coating solvent. Moreover, it can also be set as the organic-inorganic composite fine particle which used the inorganic bridge | crosslinking fine particle for the core. When these crosslinked fine particles are used as core-shell particles, both the core part and the shell part may be crosslinked, or one of them may be crosslinked.
[0096]
  The average particle size of the crosslinked fine particles that can be used in the present invention is 1 to 20000 nm, more preferably 2 to 1000 nm, still more preferably 5 to 500 nm, and most preferably 10 to 200 nm. The shape of the crosslinked fine particles can be used without particular limitation, such as a spherical shape, a rod shape, a needle shape, or a plate shape. The average particle diameter described in the present invention is an average value of the diameters of circles having the same area as the projected area of individual particles.
[0097]
  When the crosslinked fine particles are added, the addition amount is preferably 1 to 60% by volume of the hard coat layer after curing, and more preferably 3 to 40% by volume.
[0098]
  In the present invention, even when the hardness of the substrate itself is low, the hardness of the hard coat treated article can be increased by increasing the thickness of the hard coat layer after the hard coat treated article is cured. The film thickness of the hard coat layer in the present invention varies depending on the hardness of the substrate and is not particularly limited, but by increasing the film thickness of the hard coat layer, the hardness characteristic of the present invention is high, and cracks and film peeling occur. The effect that it is hard to occur appears remarkably. As a preferable film thickness, it is 20-200 micrometers, More preferably, it is 30-200 micrometers, More preferably, it is 40-200 micrometers, Especially preferably, it is 50-200 micrometers.
[0099]
  The substrate used in the present invention can be used without any particular limitation, such as metal, plastic, glass, wood, paper and the like. Among these, a plastic substrate is particularly preferable, and further, when a plastic film is used as the substrate, the effect of the present invention is remarkably exhibited, which is preferable. The plastic film is not particularly limited, but specific examples include polyester, polyethylene, polypropylene, cellophane, triacetyl cellulose, diacetyl cellulose, acetyl cellulose butyrate, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polyvinyl alcohol, and ethylene vinyl alcohol. And films or sheets of polystyrene, polycarbonate, polymethylpentene, polysulfone, polyetherketone, acrylic, nylon, fluororesin, polyimide, polyetherimide, polyethersulfone, and the like. Of these, polyester films such as polyethylene terephthalate and polyethylene naphthalate, and films of cellulose resins such as polycarbonate, triacetyl cellulose, and diacetyl cellulose are particularly preferable. In terms of optical properties, it is often preferable to have excellent transparency, but it may be translucent or opaque depending on the application. Further, in many cases, it is preferable that there is no anisotropy of the refractive index, but in some cases, a liquid crystal display device or the like having anisotropy is preferred. When the thickness of the film is too thin, the film strength is weak, and when it is thick, the stiffness becomes too large, and is preferably 20 to 500 μm, more preferably 80 to 300 μm.
[0100]
  The hard coat-treated article of the present invention preferably has a high surface hardness. The hardness of the surface of the hard coat treated article referred to in the present invention can be expressed by the pencil hardness defined by JIS K5400, and the pencil hardness can be evaluated by scratching the hard coat treated surface of the hard coat treated article directly with a pencil. it can. The pencil hardness in this case is not particularly limited because it varies depending on the type of substrate, but is preferably 3H to 9H, more preferably 4H to 9H, and particularly preferably 5H to 9H.
[0101]
  The hard coat-treated article of the present invention is a curable composition comprising, in addition to the crosslinkable polymer of the present invention, an ethylenically unsaturated group-containing compound, a ring-opening polymerizable group-containing compound, a polymerization initiator, crosslinked fine particles, a solvent, and the like. It can be obtained by applying a product on a substrate and then curing. In addition to the curable composition, conventionally known additives such as an ultraviolet absorber, a surfactant for improving coating properties, and an antistatic agent may be added. Examples of the coating method include known coating methods such as curtain coating, dip coating, spin coating, printing coating, spray coating, slot coating, roll coating, slide coating, blade coating, gravure coating, and wire bar method.
[0102]
  Furthermore, for the purpose of improving the adhesiveness between the base material and the hard coat layer, a surface treatment can be applied to one or both surfaces by an oxidation method, a concavo-convex method or the like as desired. Examples of the surface treatment method include chemical treatment, mechanical treatment, corona discharge treatment, glow discharge treatment, chromic acid treatment (wet), flame treatment, high frequency treatment, hot air treatment, ozone treatment, ultraviolet irradiation treatment, active plasma treatment, Examples include mixed acid treatment. Furthermore, one or more undercoat layers can be provided. Examples of the material for the undercoat layer include copolymers such as vinyl chloride, vinylidene chloride, butadiene, (meth) acrylic acid ester, styrene, and vinyl ester, and water-soluble polymers such as latex, polyester, polyurethane, and gelatin. .
[0103]
  The hard coat treated article of the present invention is provided with a functional layer having various functions such as an antireflection layer, an ultraviolet / infrared absorbing layer, a selective wavelength absorbing layer, an electromagnetic wave shielding layer and an antifouling layer on the hard coat layer. Can do. These functional layers can be produced by a conventionally known technique. Further, for the purpose of improving the adhesion between the functional layer and the hard coat layer of the hard coat treated article of the present invention, a surface treatment or an adhesive layer can be provided on the hard coat layer. As the surface treatment method, the methods mentioned above as the surface treatment method of the substrate can be preferably used. In addition, as the adhesive layer, the materials mentioned above for the undercoat layer applied on the substrate can be preferably used.
[0104]
  The hard coat film obtained when a plastic film is used as the base material in the hard coat treated article of the present invention can be used as a surface protective film for various articles by using an adhesive or the like. Articles to which a film is attached are also included in the hard coat treated article of the present invention. In particular, when the functional layer as described above is applied on the hard coat layer, it is provided as a high-hardness functional film, such as a cathode ray tube display device (CRT), a liquid crystal display device (LCD), a plasma display panel (PDP), Suitable for protective films such as field emission displays (FED), organic EL displays, touch panels for home appliances, automobile parts, show windows, window glass, and the like.
[0105]
Although the synthesis example of the polymer of this invention is shown below, this invention is not limited to these.
[0106]
Embedded image
Synthesis Example 1 Synthesis of Exemplary Compound P-1
Figure 0003864794
[0107]
  1b (3.0 mol) was dissolved in 1400 ml of tetrahydrofuran (THF) and the reactor was cooled to 5 ° C. 1a (3.15 mol) was dripped there over 1 hour, and was made to react after that for 6 hours. The obtained reaction solution was concentrated under reduced pressure at 30 ° C. and then distilled under reduced pressure. A fraction at 118 to 121 ° C. was collected under reduced pressure of 133 Pa and purified by silica gel column chromatography (eluent: acetone / hexane = 5/95 (volume ratio)) to obtain 362 g of 1c.
  Next, 275 ml of methyl ethyl ketone (MEK) was stirred at 60 ° C. for 1 hour under a nitrogen stream, and then a total amount of 0.5 g of V-65 (polymerization initiator manufactured by Wako Pure Chemical Industries) dissolved in 8.3 ml of MEK was added. Thereafter, 1c (50 g) was added dropwise over 2 hours, and after completion of the addition, a MEK (8.3 ml) solution of V-65 (0.5 g) was added and reacted for 2 hours. Thereafter, the reaction was carried out at a reaction temperature of 80 ° C. for 2 hours, and after completion of the reaction, it was cooled to room temperature. The obtained reaction solution was added dropwise to 10 L of hexane over 1 hour, and the precipitate was dried under reduced pressure at 35 ° C. for 8 hours to obtain 43 g of 1d.
  Next, 1d (43 g) was dissolved in acetone (390 ml) and cooled to 5 ° C. Triethylamine (390 mmol) was added dropwise thereto over 1 hour, and after completion of the addition, the mixture was reacted at room temperature for 24 hours. Thereafter, the reaction vessel was cooled to 5 ° C., 29.3 ml of a 6N aqueous hydrochloric acid solution was added dropwise over 1 hour, and the mixture was stirred for 1 hour after completion of the addition. Ethyl acetate (1 L) and a 10% by mass sodium chloride aqueous solution (1 L) were added to the obtained reaction solution and stirred, and then the aqueous layer was separated. Further, the organic layer was washed twice with a 10% by mass aqueous sodium chloride solution (1 L), 100 g of sodium sulfate was added and dried for 1 hour, and then sodium sulfate was filtered off. The obtained solution was concentrated to 500 ml and then added dropwise to 10 L of hexane over 1 hour, and the precipitate was dried under reduced pressure at 20 ° C. for 8 hours to obtain 33 g of Exemplified Compound P-1.
[0108]
(Synthesis Example 2) Synthesis of Exemplary Compound P-19
  30 g of polyvinyl alcohol (manufactured by Kuraray Co., Ltd., PVA-105: degree of saponification 98.5%) was dissolved in 1000 ml of dimethyl sulfoxide, pyridine (200 ml) and 10 ml of nitrobenzene were added, and the mixture was cooled to 10 ° C. Thereafter, 100 ml of acrylic anhydride was added dropwise over 1 hour, and after completion of the addition, the reaction was allowed to proceed at room temperature for 24 hours. The obtained reaction solution was added dropwise to 20 L of water over 1 hour, and the precipitate was dissolved in 1 L of ethyl acetate and washed twice with 2N aqueous hydrochloric acid (1 L). Furthermore, it wash | cleaned twice with 10 mass% sodium chloride aqueous solution (1L), 100 g of sodium sulfate was added, and it dried for 1 hour, Then, sodium sulfate was separated by filtration. The obtained solution was concentrated to 500 ml and then added dropwise to 10 L of hexane over 1 hour, and the precipitate was dried under reduced pressure at 20 ° C. for 8 hours to obtain 28 g of Exemplified Compound P-19.
[0109]
(Synthesis Example 3) Synthesis of Exemplary Compound Q-4
  In a three-necked flask equipped with a stirrer and a reflux condenser, 30 g of diacetylcellulose (Daicel Chemical Co., Ltd., DS = 2.42, acetylation degree 55%), 300 ml of methyl ethyl ketone, 100 mg of dibutyltin dilaurate, and 100 mg of nitrobenzene were added. In addition, the temperature was raised to 72 ° C. with stirring under a nitrogen stream. After confirming that diacetylcellulose was completely dissolved, a solution in which 30.94 g (200 mmol) of methacryloyloxyethyl isocyanate was dissolved in 50 ml of dimethyl sulfoxide was added dropwise over 2 hours. After completion of the dropwise addition, stirring was further continued for 4 hours to complete the reaction, and then the reaction solution was cooled and poured into a mixed solution of 10 liters of pure water to cause precipitation. The precipitate was filtered off and dried in vacuo at room temperature to give the title compound (yield 79%).
[0110]
Synthesis Example 4 Synthesis of Exemplary Compound J-1
  After stirring 60 ml of dichloromethane under a nitrogen stream at 3 ° C. for 1 hour, 0.9 g of boron trifluoride diethyl etherate was added. Thereafter, glycidyl acrylate (50 g) was added dropwise over 2 hours, and after completion of the addition, the reaction was allowed to proceed for 2 hours. Thereafter, 0.25 g of 4-methoxyphenol was added, and the reaction temperature was 20 ° C. for 2 hours. After completion of the reaction, the obtained reaction solution was added dropwise to 500 ml of hexane over 30 minutes, and the precipitate was dried under reduced pressure at 20 ° C. for 8 hours to obtain 45 g of J-1.
[0111]
(Synthesis Example 5) Synthesis of Exemplified Compound G-1
  After stirring 300 ml of dehydrated acetonitrile under a nitrogen stream at 3 ° C. for 1 hour, 0.9 g of boron trifluoride diethyl etherate was added. Thereafter, 2-vinyloxazoline (50 g) synthesized according to a report (Japanese Patent Laid-Open No. 52-156866) was added dropwise over 2 hours, and after completion of the dropwise addition, the reaction was allowed to proceed for 2 hours. Thereafter, 0.25 g of 4-methoxyphenol was added, and the reaction temperature was 20 ° C. for 2 hours. After completion of the reaction, the obtained reaction solution was added dropwise to 500 ml of hexane over 30 minutes, and the precipitate was dried under reduced pressure at 20 ° C. for 8 hours to obtain 42 g of G-1.
[0112]
Synthesis Example 6 Synthesis of Exemplary Compound K-1
  After stirring 275 ml of methyl ethyl ketone (MEK) at 60 ° C. for 1 hour under a nitrogen stream, a total amount of 0.5 g of V-65 (polymerization initiator manufactured by Wako Pure Chemical Industries) dissolved in 8.3 ml of MEK was added. Thereafter, glycidyl methacrylate (50 g) was added dropwise over 2 hours. After completion of the addition, a MEK (8.3 ml) solution of V-65 (0.5 g) was added and reacted for 2 hours. Thereafter, the reaction was carried out at a reaction temperature of 80 ° C. for 2 hours, and after completion of the reaction, it was cooled to room temperature. The obtained reaction solution was added dropwise to 10 L of hexane over 1 hour, and the precipitate was dried under reduced pressure at 35 ° C. for 8 hours to obtain 45 g of K-1.
[0113]
  EXAMPLES The present invention will be further described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0114]
【Example】
<Preparation of inorganic crosslinked fine particle dispersion>
  The following amounts of each reagent were weighed in a ceramic coated vessel.
234 g of methyl isobutyl ketone
Anionic functional group-containing surface treatment agent S-6 (X = H) 36 g
180 g of alumina fine particles (average particle size: 15 nm)
  The above mixture was finely dispersed in a sand mill (1/4 G sand mill) at 1600 rpm for 10 hours. The media used was 1400 g of 1 mmφ zirconia beads. After dispersion, the beads were separated to obtain a surface-modified inorganic crosslinked fine particle dispersion.
[0115]
<Preparation of curable composition>
(1) the crosslinkable polymer of the present invention, (2) an ethylenically unsaturated group-containing compound, (3) a ring-opening polymerizable group-containing compound, and (4) a radical polymerization initiator (Irgacure 184 (manufactured by Ciba Geigy)) 5) After dissolving cationic polymerization initiator (UVI-6990 (Union Carbide Japan Co., Ltd.)) in methyl ethyl ketone, add (5) organic crosslinked fine particles and stir for 30 minutes. (6) Mixing inorganic crosslinked fine particle dispersion The solution was added and stirred for 30 minutes to obtain a curable composition, wherein (1) the crosslinkable polymer of the present invention, (2) the ethylenically unsaturated group-containing compound, and (3) the ring-opening polymerizable group contained. The types of the compounds were selected from the combinations shown in Table 7, and the mixing ratio of (1), (2), (3) and the crosslinked fine particles was adjusted to the ratios shown in Table 7 and Table 8. The present invention. Among these crosslinkable polymers, polymers having a ring-opening polymerizable group are listed in the column of the ring-opening polymerizable group-containing compound. Polymers having alkylene unsaturated group was listed in the ethylenically unsaturated group-containing compound.
[0116]
  The polymerization initiator was 2.9% each of radical polymerization initiator and cationic polymerization initiator based on the total mass of the ethylenically unsaturated group-containing compound and the ring-opening polymerizable group-containing compound including the crosslinkable polymer of the present invention. Added. When no ring-opening polymerizable group-containing compound was contained, only 5.8% of the radical polymerization initiator was added.
  As the organic crosslinked fine particles, latex having a core / shell ratio of 70/30% by mass (average particle size: 110 nm) was dried by a spray drying method and used as it was (core: butyl acrylate / ethylene glycol dimethacrylate (90/10 mass). Ratio) copolymer, shell: copolymer of methyl methacrylate / acrylic acid / ethylene glycol dimethacrylate (90/3/7 mass ratio)).
[0117]
[Table 7]
Figure 0003864794
[0118]
  In addition, the symbol described in Table 7 is as follows.
DPHA: Mixture of dipentaerythritol pentaacrylate / dipentaerythritol hexaacrylate (manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.)
DPPA: Dipentaerythritol monohydroxypentaacrylate
UV-6300: Urethane acrylate (manufactured by Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd.)
DTPTA: Ditrimethylolpropane tetraacrylate (manufactured by Aldrich)
PETA: Pentaerythritol triacrylate (manufactured by Aldrich)
PETTA: pentaerythritol tetraacrylate (manufactured by Aldrich)
ECMECC: 3,4-epoxycyclohexylmethyl-3,4-epoxycyclohexanecarboxylate: (manufactured by Aldrich)
CHDMDV: 1,4-cyclohexanedimethanol divinyl ether (manufactured by Aldrich)
GT-301: Trifunctional epoxy compound (manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.)
TMPTA: Trimethylolpropane triacrylate (manufactured by Aldrich)
BADGE: Bisphenol A diglycidyl ether
TMPTGE: Trimethylolpropane triglycidyl ether
EHPE3150CE: polyfunctional epoxy compound (manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.)
[0119]
[Table 8]
Figure 0003864794
[0120]
<Preparation of Hard Coat Film Sample (Samples 101 to 130)>
  After glow discharge treatment on a 175 μm polyethylene terephthalate film as a transparent substrate, the curable composition prepared above was applied with a slot coater so as to have the film thickness shown in Table 4, dried at 120 ° C. for 2 minutes, and 750 mj / cm2After the UV irradiation, a hard coat film was produced by heating at 120 ° C. for 10 minutes. In Samples 104, 105, and 130, the lower layer was applied and cured, and then the upper layer was applied and cured. The following evaluation was performed after the upper layer was applied.
[0121]
<Preparation of Hard Coat Glass Samples (Samples 131 to 132)>
  After the surface treatment is performed with a silane coupling agent (methacryloyloxypropyltrimethoxysilane) on a glass having a thickness of 2 mm as a transparent substrate, the curable composition prepared above is wired so as to have a film thickness described in Table 4. Apply with a bar, dry at 120 ° C. for 2 minutes, 750 mj / cm2After the UV irradiation, a hard coat glass was produced by heating at 120 ° C. for 10 minutes.
[0122]
  The sample was evaluated by the following method.
(Evaluation method for pencil hardness)
  The prepared hard coat film sample and hard coat glass sample are allowed to stand for 2 hours under conditions of a temperature of 25 ° C. and a relative humidity of 60%, and then a pencil hardness evaluation method specified by JIS K5400 using a test pencil specified by JIS S6006. According to the above, scratching was repeated 5 times with a pencil of each hardness using a 1 kg weight, and the number of scratches was not recognized at all. The scratches defined in JIS K5400 are (1) paint film tears, (2) paint film scratches, and (3) paint film dents are not covered. (3) Judged as scratches, including dents in the paint film.
[0123]
(Evaluation method for film peeling)
  100 pieces of 1 mm × 1 mm cross hatches are placed on the hard coat layer surface of the hard coat film sample and the hard coat glass sample with a cutter and left for 2 hours at a temperature of 25 ° C. and a relative humidity of 60%. A cellophane tape (registered trademark; manufactured by Nichiban Co., Ltd.) was affixed to the film, and evaluation was performed by measuring the number of squares in which the cured film was peeled off from the film substrate when the cellotape (registered trademark) was peeled off.
[0124]
(Curl evaluation method)
  The hard coat film sample was cut into 35 mm × 140 mm and left on the horizontal surface for 2 hours with the hard coat layer side facing up at a temperature of 25 ° C. and a relative humidity of 60%. Evaluation was made by measuring the average value.
[0125]
(Evaluation method for cracks)
  A hard-coated film sample was cut into 35 mm x 140 mm, left to stand for 2 hours at a temperature of 25 ° C and a relative humidity of 60%, and then measured for the diameter of curvature at which cracking began to occur when rolled into a cylinder. Evaluated. Moreover, the crack of the edge part was evaluated visually, and the thing which has no crack at all was made into (circle), and the thing with a slight crack was made into x.
[0126]
  From Table 8, the comparative sample 131 using glass as the base material is a sample excellent in pencil hardness, but film peeling is insufficient. On the other hand, the sample 132 of the present invention has excellent pencil hardness and no film peeling. Furthermore, comparative samples 101 to 103 using a plastic film as a base material are samples having excellent pencil hardness by increasing the film thickness, but film peeling, curling and cracking are insufficient, and comparative samples 104 and 105 are used. The film peeled off and the curl was improved, but the crack was not improved sufficiently. Further, it can be seen that the comparative samples 106 to 109 can exhibit a certain degree of pencil hardness by increasing the film thickness, but the curling and cracking of the surface are deteriorated. On the other hand, it can be seen that Samples 110 to 130 of the present invention have a significant improvement in pencil hardness, as well as substantially no film peeling, curl and cracking.

Claims (16)

下記一般式(1)で表される側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を50〜100質量%有する架橋製ポリマー、及び/又は、主鎖に酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれたヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーを含有する硬化性組成物をプラスチックフィルム基材上に塗布し硬化させて得られ、硬化後のハードコート層の膜厚が20〜200μmであることを特徴とするハードコート処理フィルム
一般式(1)
Figure 0003864794
式中R1は水素原子は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、1アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L1は単結合は二価の連結基である。
A crosslinked polymer having 50 to 100% by mass of a repeating unit containing an ethylenically unsaturated group in the side chain represented by the following general formula (1), and / or a main chain consisting of an oxygen atom, a nitrogen atom and a sulfur atom. It obtained a curable composition containing a crosslinkable polymer having a repeating unit containing an ethylenically unsaturated group include side chain a hetero atom selected from the group is coated on hardening on the plastic film substrate, cured hard-coated film having the film thickness of the hard coat layer after is characterized 20~200μm der Rukoto.
General formula (1)
Figure 0003864794
Wherein R 1 is also hydrogen atoms to Table an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, one P 1 is containing acryloyl groups, ethylenically unsaturated group selected from the group consisting of methacryloyl group and vinyl phenyl the valence of the group, L 1 is a single bond or a divalent linking group.
主鎖に酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれたヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位が、下記一般式(2)〜(4)よりなる群から選ばれた繰り返し単位を1つ以上含む架橋性ポリマーである請求項1記載のハードコート処理フィルム
一般式(2)
Figure 0003864794
式中、R21、R22及びR23はそれぞれ独立に(i)水素原子、(ii) 3 で表される一価の置換基(ここでR 3 は、−OR 21 、−OR 22 及び−OR 23 がエステル基もしくはエーテル基となるような一価の置換基を表す。)(iii)P2−L2−のいずれかであるが、少なくとも1つがP2−L2−であり、2アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L2は二価の連結基である。
一般式(3)
Figure 0003864794
式中n個の31及びn個の32、同じであっても異なっていてもよく、(i)水素原子、(ii)炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又は(iii)31−L31−のいずれかであ、少なくとも1つがP31−L31−であり、31アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L31は単結合又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基で置換されていてもよい二価の連結基を表し、nは2〜4の整数であり、R 31 及びR 32 は2つが連結して環構造を形成していてもよい
一般式(4)
Figure 0003864794
式中P41アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L41は単結合もしくは二価の連結基を表し、n個の41 及びn個の42水素原子は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、nは2〜3の整数であり、いずれの場合もR41、R42は同じであっても異なっていてもよく、2つのR41又はR42が連結し、環構造を形成していてもよい。
A repeating unit containing a heteroatom selected from the group consisting of an oxygen atom, a nitrogen atom and a sulfur atom in the main chain and containing an ethylenically unsaturated group in the side chain is selected from the group consisting of the following general formulas (2) to (4). The hard coat-treated film according to claim 1, which is a crosslinkable polymer containing one or more selected repeating units.
General formula (2)
Figure 0003864794
Wherein, R 21, R 22 and R 23 are each independently (i) a hydrogen atom, (ii) a monovalent substituent represented by R 3 (wherein R 3 is, -OR 21, -OR 22 and -OR 23 represents a monovalent substituent such that an ester group or ether group) (iii) P 2 -L 2 -. but is either, at least one P 2 -L 2 - der Ri , P 2 is a monovalent group containing an ethylenically unsaturated group selected from the group consisting of an acryloyl group, a methacryloyl group and a vinylphenyl group, and L 2 is a divalent linking group.
General formula (3)
Figure 0003864794
In the formula, n R 31 and n R 32 may be the same or different, and (i) a hydrogen atom , (ii) an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, or (iii) P 31 -L 31 - Ri der either, at least one P 31 -L 31 - der Ri, P 31 is acryloyl group, an ethylenically unsaturated group selected from the group consisting of methacryloyl group and vinyl phenyl a monovalent group including, L 31 is a linking group of divalent optionally substituted by a single bond or a carbon atom number of 1 to 4 alkyl groups and tables, n represents be an integer from 2 to 4 , R 31 and R 32 may be linked to form a ring structure .
General formula (4)
Figure 0003864794
Wherein P 41 is acryloyl group, a monovalent group containing an ethylenically unsaturated group selected from the group consisting of a methacryloyl group and a vinylphenyl group, L 41 represents a single bond or a divalent linking group to the table, n pieces of R 41 and n number of R 42 is a hydrogen atom or to display the alkyl group of 1 to 4 carbon atoms, n is 2-3 integer, R 41 in any case, R 42 May be the same or different, and two R 41 or R 42 may be linked to form a ring structure.
硬化性組成物中に同一分子内に2個以上の開環重合性基を含む化合物を含有し、開環重合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させて得られることを特徴とする請求項1又は2記載のハードコート処理フィルムThe curable composition contains a compound containing two or more ring-opening polymerizable groups in the same molecule, and is obtained by polymerizing both the ring-opening polymerizable group and the ethylenically unsaturated group. c Dokoto treated film according to claim 1 or 2, wherein. 同一分子内に2個以上の開環重合性基を含む化合物が、下記一般式(5)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーである請求項3記載のハードコート処理フィルム
一般式(5)
Figure 0003864794
式中R5は水素原子は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、3は開環重合性基を含む一価の基であり、L5は単結合は二価の連結基である。
Same compound containing two or more ring-opening polymerizable groups in the molecule, c Dokoto treated film according to claim 3 wherein the crosslinkable polymer containing a repeating unit represented by the following general formula (5).
General formula (5)
Figure 0003864794
Wherein R 5 is also hydrogen atoms to Table an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, P 3 is a monovalent group containing a ring-opening polymerizable group, L 5 is a single bond or a divalent It is a linking group.
エチレン性不飽和基がアクリロイル基はメタクリロイル基である請求項1〜4いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム C Dokoto treated film according to the ethylenically unsaturated group is an acryloyl group or any one of Claims 1 to 4 is a methacryloyl group. 開環重合性基がカチオン重合性基であり、エポキシ環、オキセタン環及びオキサゾリン環よりなる群から選ばれた請求項3〜5いずれか1つに記載のハードコート処理フィルムRing-opening polymerizable group Ri der cationic polymerizable group, an epoxy ring, c Dokoto treated film according to any one of Claims 3-5 selected from the group consisting of oxetane ring and oxazoline ring. 一般式(1)で表される繰り返し単位び/は主鎖にヘテロ原子を含み側鎖にエチレン性不飽和基を含む繰り返し単位を有する架橋性ポリマーの酸価が0〜2mgKOH/gである請求項1〜6いずれか1つに記載のハードコート処理フィルムFormula (1) repeating units represented by beauty / or acid value of the crosslinked polymer having a repeating unit containing an ethylenically unsaturated group include side chain hetero atom in the main chain is at 0~2MgKOH / g c Dokoto treated film according to any one there claims 1-6. 一般式(5)で表される繰り返し単位がグリシジルメタクリレート又はグリシジルアクリレートから誘導される繰り返し単位である請求項4〜7いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム C Dokoto treated film according to the repeating unit represented by formula (5) is any one of Claims 4-7 is a repeating unit derived from glycidyl methacrylate or glycidyl acrylate. 硬化性組成物を活性エネルギー線を利用して硬化する請求項1〜8いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム C Dokoto treated film according to a curable composition any one claims 1 to 8 cured using an active energy ray. 硬化性組成物中に感光性カチオン重合開始剤と感光性ラジカル重合開始剤の両方を含む請求項3〜9いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム C Dokoto treated film according to one any one of claims 3-9, including both photosensitive cationic polymerization initiator and a photosensitive radical polymerization initiator in the curable composition. 硬化性組成物に架橋微粒子を含有する請求項1〜10いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム C Dokoto treated film according to any one claims 1 to 10 containing a crosslinked fine particles in the curable composition. プラスチック基材上に単層もしくは複数層のハードコート層を形成して得られるハードコート処理物品であって、少なくとも一層が、請求項1〜11いずれか1つに記載の硬化性組成物を塗布した後、硬化して形成されるハードコート層であるハードコート処理フィルム A hard coat-treated article obtained by forming a single layer or a plurality of hard coat layers on a plastic substrate, wherein at least one layer is coated with the curable composition according to any one of claims 1 to 11. after the cured hard coat layer der Ruha Dokoto treated film formed by. ハードコート層が単層からなる請求項12記載のハードコート処理フィルムThe hard coat film according to claim 12, wherein the hard coat layer is a single layer. プラスチック基材上に複数層のハードコート層を形成して得られ、少なくとも最外層にハードコート層を有する請求項12記載のハードコート処理フィルム Obtained by forming a hard coat layer of the plurality of layers on a plastic substrate, a hard coat treatment film according to claim 12, further comprising a hard coat layer on at least the outermost layer. ハードコート表面の鉛筆硬度が4H〜9Hである請求項1〜14いずれか1つに記載のハードコート処理フィルムThe hard coat treatment film according to any one of claims 1 to 14, wherein the hard coat layer has a pencil hardness of 4H to 9H. プラスチックフィルムがポリエステル、ポリカーボネート又はセルロース樹脂である請求項1〜15いずれか1つに記載のハードコート処理フィルム The hard coat-treated film according to claim 1, wherein the plastic film is polyester, polycarbonate, or cellulose resin .
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