JP3864591B2 - 撥水撥油加工剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撥水撥油性の優れた撥水撥油加工剤に関し、より詳しくは、ポリフルオロアルキル基含有の特定の(メタ)アクリル酸エステルを重合単位とする重合体を有効成分とする撥水撥油性の優れた撥水撥油加工剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりパーフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルのようなポリフルオロアルキル基を含有する重合性単量体の単独重合体あるいはこれと他のアクリル酸エステル、無水マレイン酸、クロロプレン、ブタジエン、メチルビニルケトン等の重合性単量体との共重合体よりなる撥水撥油加工剤は知られている。なお、本明細書において、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを総称して「(メタ)アクリル酸エステル」という。「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリルアミド」などの用語も同様である。
【0003】
しかしながら、上記ポリフルオロアルキル基を含有する重合性単量体のほとんどは、重合可能な官能基1個と、ポリフルオロアルキル基1個を有するものであった。撥水撥油性能は、重合体(特に言及しない限り単独重合体と共重合体の両者を意味する)中のポリフルオロアルキル基の割合が高いほど良好であり、そのため、重合体中に高い割合でポリフルオロアルキル基を導入することおよびポリフルオロアルキル基を多数有する重合性単量体を高効率で製造することが望まれる。例えば、特開平6−145108号公報に、重合可能な官能基1個に対し、2個のポリフルオロアルキル基を含有する重合性単量体が例示されている。しかしながら、この化合物は製造方法が煩雑なことに加え、長鎖のポリフルオロアルキル基の導入が困難であるという問題点があった。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、重合可能な官能基1個に対して2個のポリフルオロアルキル基を含有する特定の(メタ)アクリル酸エステルから誘導される重合単位を含む共重合体を用いた、優れた撥水撥油性能を有する撥水撥油加工剤の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、下式3で表される重合性単量体に基づく重合単位C、および、下式1で表される重合性単量体に基づく重合単位Aおよび/または下式2で表される重合性単量体に基づく重合単位B、を含む共重合体を有効成分とする撥水撥油加工剤を提供する。
CH2 =CRCOOCH(CH2 CH2 Rf1)CH2 CH2 Rf2 ・・式1
CH2 =CRCOOCH2 CH2 CH(Rf3)CH2 CH2 Rf4 ・・式2
CH2 =CRCOOCH2 CH2 CH2 Rf5 ・・・・・・・・・・・式3
ただし、式中のRf1 、Rf2 、Rf3 、Rf4 およびRf5 はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素原子数3〜20個のポリフルオロアルキル基を、Rは水素原子またはメチル基を示す。
【0006】
また、重合単位A,重合単位Bおよび重合単位Cの合量に対する重合単位Aおよび重合単位Bの合量が1〜50重量%である共重合体を有効成分とする撥水撥油加工剤を提供する。
さらに、共重合体中の重合単位A,重合単位Bおよび重合単位Cの合量が30〜95重量%である撥水撥油加工剤を提供する。
またさらに、上記共重合体と液状媒体を含む撥水撥油加工剤組成物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における共重合体は、2個のポリフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される重合単位A、Bと、1個のポリフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される重合単位Cを必須とする(ただし、後述のようにさらにこれら以外の重合単位を含有していてもよい)共重合体である。
【0008】
本発明の共重合体の原料となるポリフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルの製造方法をまず説明する。
本発明の式3で表される重合性単量体(単量体3と略記することがある)、本発明の式1で表される重合性単量体(単量体1と略記することがある)、および、本発明の式2で表される重合性単量体(単量体2と略記することがある)は、それぞれ、一般に、下式4で表される含フッ素アルコール化合物、下式5で表される含フッ素アルコール化合物、および、下式6で表される含フッ素アルコール化合物をアルコール成分とし、下式7で表される(メタ)アクリル酸または下式8で表される(メタ)アクリル酸ハライドを酸成分とするエステル化反応により製造される。また、下式4〜下式6で表される含フッ素アルコール化合物の2〜3種の混合物をアルコール成分とし、下式7で表される(メタ)アクリル酸または下式8で表される(メタ)アクリル酸ハライドを酸成分とするエステル化反応により単量体1〜単量体3の2〜3種の混合物を製造することもできる。
【0009】
アルコール成分:
Rf1 CH2 CH2 CH(OH)CH2 CH2 Rf2 ・・・・・式4
Rf4 CH2 CH2 CH(Rf3)CH2 CH2 OH・・・・・・式5
Rf5 CH2 CH2 CH2 OH・・・・・・・・・・・・・・・式6
酸成分:
CH2 =CRCOOH・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式7
CH2 =CRCOX・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式8
ただし、式中のRf1 、Rf2 、Rf3 、Rf4 、Rf5 、および、Rは、前記の通りであり、Xはハロゲン原子(好ましくは塩素原子)を示す。
ポリフルオロアルキル基(Rf基と略記することがある)は、いずれも直鎖状または分岐状のポリフルオロアルキル基を示し、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基をいう。本発明におけるRf基の炭素原子数は3〜20個であり、特に4〜16個が好ましい。Rf基は直鎖状であるのが好ましく、分岐状の場合は、分岐部分がRf基の末端に存在し、かつ炭素原子数が1〜3個であるのが好ましい。各Rf基中のフッ素原子数は、[(Rf基中のフッ素原子数)/(Rf基と同一炭素原子数の対応するアルキル基の水素原子数)]×100(%)で表示した場合に、60%以上であるのが好ましく、特に80%以上であるのが好ましい。一段と好ましいRf基は、100%のもの、すなわちパーフルオロアルキル基である。Rf基には、フッ素原子以外の他のハロゲン原子が含まれていても差し支えなく、塩素原子であるのが好ましい。また、Rf基中の炭素−炭素結合間に、エーテル性の酸素原子が挿入されていてもよい。なお、本発明におけるRf基中の結合手側末端はメチレン基ではなく、例えばジフルオロメチレン基、モノフルオロメチレン基、トリフルオロメチル基等の炭素原子数2以下のパーフルオロアルキル基を有するフルオロメチレン基(またはメチレン基)、などのフッ素原子またはパーフルオロアルキル基を有するメチレン基である。
【0010】
Rf基の具体例を以下にあげるが、これらに限定されない。
CF3(CF2)4 −、CF3(CF2)5 −、CF3(CF2)6 −、CF3(CF2)7 −、CF3(CF2)8 −、CF3(CF2)9 −、CF3(CF2)10−、CF3(CF2)11−、CF3(CF2)12−、CF3(CF2)13−、CF3(CF2)14−:CF2 H(CF2)7 −:(CF3)2 CF(CF2)6 −、(CF3)2 CF(CF2)8 −、(CF3)2 CF(CF2)10−:CF2 Cl(CF2)7 −:C3 7 OCF(CF3)−、C2 5 [CF2 OCF(CF3)]2 −、C2 5 [CF2 OCF(CF3)]3 −、C3 7 OCF(CF3)OCF2 CF2 −、C2 5 [CF2 OCF(CF3)]2 OCF2 CF2 −。
【0011】
式1〜式3で表される含フッ素アルコール化合物は、メタノールと下式9で表される含フッ素オレフィンをラジカル開始剤存在下に反応させることにより合成することができる。
RfCH=CH2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式9
ただし、式中のRfは前記の通り。
【0012】
式7〜式8で表される(メタ)アクリル酸等は、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸クロライド、メタアクリル酸クロライド等である。
【0013】
式4〜式6で表される含フッ素アルコールと式7で表される(メタ)アクリル酸または式8で表される(メタ)アクリル酸ハライドとのエステル化反応時の条件、操作、手段、装置等については、特に限定されない。反応温度は(メタ)アクリル酸を用いた場合は、60〜130℃が好ましく、特に70〜100℃が好ましい。(メタ)アクリル酸ハライドを用いた場合は、0〜100℃が好ましく、特に30〜70℃が好ましい。反応圧力は常圧、減圧、自生圧力、加圧等のいずれでもよい。エステル化反応時の重合禁止手段としては、酸素を導入し、またはハイドロキノン等の重合禁止剤を添加する方法がある。(メタ)アクリル酸等に重合禁止剤を添加してもよく、還流下で反応する場合は、還流物に重合禁止剤を添加してもよい。
【0014】
式4〜式6で表される含フッ素アルコールと式7で表される(メタ)アクリル酸を用いたエステル化反応は平衡反応であり、副生の水を適当な条件および操作により反応系外に分離除去することで所望の方向へ反応を進行させることができる。また、エステル化反応は、触媒を用いてもよく、硫酸、硝酸、塩酸等の無機強酸、スルホン酸、カルボン酸等の有機強酸、アルミニウム、チタン等を含有した金属アルコキシド等を、含フッ素アルコールの合量1モルに対して0.01〜0.2モルで使用するのが好ましい。また、(メタ)アクリル酸ハライドを用いた場合は、溶媒を用いてもよく、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン等が好適例としてあげられる。また、アミン類を除酸剤として用いることが好ましく、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン等が好適例としてあげられる。エステル化反応は、回分式、半連続式、連続式等の各種方式を採用しうる。得られた単量体1〜単量体3は、必要に応じて精製された後、重合反応の原料となる。
【0015】
本発明における共重合体は上記単量体1〜単量体3の共重合体であるばかりでなく後述のようにこれら以外の単量体と単量体1〜単量体3との共重合体であってもよい。単量体1〜単量体3以外の単量体としては、単量体1〜単量体3と共重合性の不飽和基を有する単量体(以下単量体4という)であれば特に限定されない。また単量体4は2種以上を用いることができる。単量体4としては、例えば、単量体1〜単量体3以外の(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビニリデン類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、脂肪酸のビニルエステルやアリルエステルなどの脂肪酸アルケニルエステル類、(メタ)アクリル酸以外の不飽和カルボン酸やそのエステルなどの不飽和カルボン酸類、ジエン類などがある。好ましい単量体4は(メタ)アクリル酸エステル類、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビニリデン類、(メタ)アクリルアミド類、不飽和カルボン酸類である。
【0016】
単量体4である(メタ)アクリル酸エステル類としては、アルキル基等の1価炭化水素基を有する(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート、水酸基、エポキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、イソシアネート基、ブロック化されたイソシアネート基等の官能基を有する1価有機基をアルコール残基とする(メタ)アクリレートなどが好ましい。また、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリレートを共重合割合が過大とならない程度の量である限り使用できる。
【0017】
アルキル基等の1価炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素原子数が1〜20の1価炭化水素基、例えば直鎖あるいは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基など、を有する(メタ)アクリレートが好ましい。特に、炭素原子数が4〜18の直鎖または分岐状のアルキル基が好ましい。具体的にはメチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等があげられる。
【0018】
ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートとしては、ポリオキシアルキレンモノオールあるいはポリオキシアルキレンポリオールのモノ(メタ)アクリレートが好ましい。オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基などの炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基が好ましい。ポリオキシアルキレン基は2種以上のオキシアルキレン基を含んでいてもよく、その場合2種以上のオキシアルキレン基はランダム状に共重合していてもよく、ブロック状に共重合していてもよい。好ましいポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基またはそれら両者を含むポリオキシアルキレン基である。ポリオキシアルキレン基におけるオキシアルキレン基の数は2〜100、特に2〜20が好ましい。
【0019】
ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートとしては、下式10で表される化合物が好ましい。なお、(OC2 4)はオキシエチレン基を、(OC3 6)はオキシプロピレン基を示す。
1 −(OC3 6)p(OC2 4)m(OC3 6)n−OCOCR=CH2
・・・・・・式10
ただし、式中のR1 は水素原子、炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基または炭素原子数1〜30のアシル基を、p、m、nは0〜100の整数(ただし、p+m+nは2以上)を、Rは水素原子またはメチル基を示す。R1 が1価の炭化水素基である場合は、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基が好ましい。R1 がアシル基である場合は、炭素原子数2〜10のアルカノイル基が好ましい。R1 は炭素原子数1〜10のアルキル基または水素原子が特に好ましい。p+m+nは2〜100が好ましく、特に2〜20が好ましい。
【0020】
ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートの好適具体例を下記する。
H(OCH2 CH2)3 OCOCR=CH2
H(OCH2 CH2)9 OCOCR=CH2
H(OCH2 CH2)12OCOCR=CH2
H(OCH2 CH2)30OCOCR=CH2
CH3(OCH2 CH2)4 OCOCR=CH2
CH3(OCH2 CH2)8 OCOCR=CH2
CH3(OCH2 CH2)10OCOCR=CH2
CH3 CH2(OCH2 CH2)9 OCOCR=CH2
CH3(CH2)3 CH(C2 5)CH2 −(OCH2 CH2)8 OCOCR=CH2
H[OCH(CH3)CH2 9 OCOCR=CH2
H[OCH(CH3)CH2 12OCOCR=CH2
CH3 [OCH2 CH(CH3)]8 OCOCR=CH2
H(OCH2 CH2)7 [OCH2 CH(CH3)]3 OCOCR=CH2
H(OCH2 CH2)7 [OCH2 CH(CH3)]9 OCOCR=CH2
H(OCH2 CH2)13[OCH2 CH(CH3)]9 OCOCR=CH2
CH3(CH2)3 CH(C2 5)CH2(OCH2 CH2)8 [OCH2 CH(CH3)]9 OCOCR=CH2
CH3(OCH2 CH2)8 [OCH2 CH(CH3)]9 OCOCR=CH2
CH3 [OCH2 CH(CH3)]9 (OCH2 CH2)8 OCOCR=CH2
【0021】
水酸基、エポキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、イソシアネート基、ブロック化されたイソシアネート基等の官能基を有する1価有機基をアルコール残基とする(メタ)アクリレートとしては、官能基含有アルキル基をアルコール残基とする(メタ)アクリレートが好ましく、そのアルキル基の炭素原子数は1〜10が好ましい。官能基としては水酸基、エポキシ基、ブロック化されたイソシアネート基が好ましい。
【0022】
具体的な化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンを有する(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレートなどがあげられる。また、ブロック化されたイソシアネート基を有する化合物としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートのイソシアネート基をメチルエチルケトオキシムでブロックした化合物、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートのイソシアネート基をε−カプロラクタムでブロックした化合物、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの1:1(モル比)反応物のイソシアネート基をメチルエチルケトオキシムでブロックした化合物、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとの1:1(モル比)反応物のイソシアネート基をメチルエチルケトオキシムでブロックした化合物、ノルボルネンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの1:1(モル比)反応物をメチルエチルケトオキシムでブロックした化合物などがあげられる。
【0023】
(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリレートとしては、多価アルコールやポリオキシアルキレンポリオールなどのポリオールのポリ(メタ)アクリレートがある。1分子あたりの(メタ)アクリロイルオキシ基の数は2が好ましい。ポリオキシアルキレンジオールのジ(メタ)アクリレートとしては、前記式10と同じ化学式で表される化合物でR1 が(メタ)アクリロイル基である化合物が好ましい。具体的化合物としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、および、前記ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートの好適具体例の内、水酸基を有する化合物の水酸基を(メタ)アクリロイルオキシ基に変換した化合物であるポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0024】
ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニルやフッ化ビニルなどがあり、塩化ビニルが好ましい。ハロゲン化ビニリデン類としては、塩化ビニリデンやフッ化ビニリデンなどがあり、塩化ビニリデンが好ましい。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール化ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等があげられる。スチレン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどがあげられる。
脂肪酸のビニルエステルやアリルエステルなどの脂肪酸アルケニルエステル類としては、酢酸ビニルや酢酸アリルなどがあげられる。(メタ)アクリル酸以外の不飽和カルボン酸やそのエステルなどの不飽和カルボン酸類としては、マレイン酸ジアルキル(アルキル基の炭素原子数1〜20)や無水マレイン酸などがあげられる。ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどがあげられる。
【0025】
その他上記以外の単量体4としては、ビニルアルキルケトンなどのビニルケトン類、エチレンやプロピレンなどのオレフィン類、ビニルアルキルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテルなどのアルケニルエーテル類、マレイミドやN−メチルマレイミドなどのマレイミド類、トリアリルシアヌレート、N−ビニルカルバゾールなどがあげられる。
【0026】
本発明における共重合体は、単量体1〜単量体3に基づく重合単位A〜重合単位C以外に前記のように単量体4に基づく重合単位(以下重合単位Dという)を含んでいてもよい。また、共重合体は重合単位Aと重合単位Bの両者を含んでいてもよく、一方の重合単位のみを含んでいてもよい。共重合体における重合単位A〜重合単位Cの合量に対する重合単位A〜重合単位Bの合量は1〜50重量%が好ましく、特に、5〜30重量%が好ましい。重合単位A〜重合単位Bの合量が低すぎると本発明が目的とする撥水撥油性能を充分に発揮しがたくなり、多すぎると経済性に難を生じやすい。
【0027】
また、共重合体中に重合単位Dの存在は必須ではないが、好ましくは共重合体は少なくとも1種の重合単位Dを含み、その割合は全重合単位に対して5〜70重量%(言い換えれば重合単位A〜重合単位Cの合量の割合が30〜95重量%)が好ましい。より好ましい重合単位Dの割合は10〜50重量%である。重合単位Dは共重合体に柔軟性を与える、共重合体の繊維等の被処理物に対する付着性を向上させる、などの目的を達成するために使用される。したがって、このような目的に応じて上記の量の範囲で共重合体に存在させることが好ましく、その量が少ない場合にはこのような目的の達成が困難となり、一方その量が多すぎると本発明の第一の目的である撥水撥油性能の発揮が困難となる。
【0028】
単量体1〜単量体3の共重合または単量体1〜単量体4の共重合には、公知または周知の重合方法、すなわち塊状重合、懸濁重合、乳化重合、放射線重合、光重合、溶液重合等を採用できる。
【0029】
溶液重合における重合媒体は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル類、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、酢酸エチル、酢酸ブチル、マロン酸ジエチル等のカルボン酸エステル類、ペンタフルオロジクロロプロパン、トリデカフルオロヘキサン、塩化メチレン等の含フッ素および/または含塩素炭化水素等があげられる。
【0030】
乳化重合および懸濁重合においては、水、または、水と水溶性溶剤からなる水性重合媒体に乳化剤を添加して、単量体を乳化させた後に重合させる方法、または、水溶性溶剤からなる媒体中に単量体を溶解分散させて重合させる方法等がある。水溶性溶剤としては、水100gに対する溶解度が10g以上であれば特に限定されないが、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等が使用される。水性重合媒体中の水溶性溶剤は1種以上用い得る。重合媒体の量は単量体に対して100〜400重量%が好ましい。また、重合媒体中の水溶性溶剤の量は、0〜80重量%が好ましく、特に、10〜50重量%が好ましい。
【0031】
乳化剤としては、分子中にアミンオキシド部分を有する公知または周知の非イオン界面活性剤、その他の非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤等が使用でき、数種類を併用できる。非イオン界面活性剤としては、高級脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物が好適である。乳化剤の使用量は、単量体に対し3〜10重量%が好ましい。通常界面活性剤の使用量が10重量%超では、撥水撥油性能の湿摩擦耐久性が低下するおそれがある。3重量%未満では、乳化液の安定性が低下するおそれがある。ただし、自己乳化性のある単量体を使用する場合にはこの限りではない。
乳化重合は、通常の場合、重合開始源を作用させることによって実施する。重合開始源としては特に限定されず、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の通常の重合開始剤、または、γ線のような電離性放射線等が採用できる。重合開始剤を用いて重合を行うことが好ましい。重合反応の反応温度は、使用する重合開始剤の10時間半減温度の上下20℃以内が好ましい。反応時間は3〜30時間が好ましい。
【0032】
本発明における共重合体は、撥水撥油加工剤として被処理物の処理に用いられる。この共重合体は、通常溶剤や水性媒体などの液状媒体に溶解ないし分散して被処理物の処理に用いられる。本発明は、また、この共重合体と液状媒体を含む撥水撥油加工剤組成物である。この組成物において、共重合体と液状媒体の合計に対する共重合体の量は50重量%以下、特に30重量%以下が好ましい。下限は、使用形態によって異なるが通常は0.001重量%である。また、この組成物の大部分はこれら共重合体と液状媒体からなるが、他の成分(例えば、前記乳化剤)を含んでいてもよい。共重合体は液状媒体に溶解していてもよく、乳化ないし懸濁していてもよい。好ましくは、乳化分散状態の共重合体と液状媒体を含む組成物である。この共重合体が乳化分散した組成物における液状媒体としては、水、水と水溶性溶剤の混合物、などの水性媒体が好ましい。
本発明の撥水撥油加工剤組成物としては、水性媒体とその中に乳化分散している共重合体とを含む水性の組成物が特に好ましい。乳化重合で得た反応生成物(水性重合媒体とその中で得られた共重合体とを含むもの)は、そのまま本発明の撥水撥油加工剤組成物として用いることができ、必要に応じて水、水溶性溶剤またはそれらの混合物などの希釈剤で希釈して用いてもよい。希釈剤は重合媒体に用いるものと同一であっても、異なってもよい。また、溶液重合の場合は得られた共重合体と溶剤の混合物に水(および必要により界面活性剤)を添加して水性の組成物とすることができる。その他の重合法で得られた共重合体に水などを添加して同様の水性組成物とすることができる。
【0033】
本発明の撥水撥油加工剤組成物は上記共重合体以外に少なくとも水や溶剤などの液状媒体を含む。共重合体は液状媒体中に溶解ないし分散して存在する。好ましい液状媒体は、水または水と水溶性溶剤の混合物からなる水性の液状媒体である。水性の液状媒体における水と水溶性溶剤の混合物に対する水溶性溶剤の量は50重量%以下、特に0〜30重量%が好ましい。撥水撥油加工剤組成物における、共重合体の含有量は通常50重量%以下であり、30重量%以下であることが好ましい。下限は下記希釈後の含有量の下限が好ましい。
撥水撥油加工剤組成物で被処理物を処理する場合には撥水撥油加工剤組成物は通常使用にあたってさらに希釈して用いられることが多い。この希釈の後の撥水撥油加工剤組成物中の共重合体の含有量は通常0.001〜5重量%であり、特に0.01〜2重量%が好ましい。
【0034】
本発明の撥水撥油加工剤組成物は、上記のように目的や用途等に応じて任意の濃度に希釈し、被処理物の表面に適用され得る。例えば、浸漬塗布等の被覆加工方法により被処理物の表面に付着させ、乾燥する方法が採用される。また、必要ならば、適当な架橋剤とともに適用し、架橋を行ってもよい。
本発明の撥水撥油加工剤組成物は、他の化合物を併用した場合においても、優れた安定性を発揮するため、必要に応じて、他の重合体ブレンダー、他の撥水剤や撥油剤、防虫剤、難燃剤、帯電防止剤、染料安定剤、防シワ剤などの添加剤を配合できる。
【0035】
本発明の撥水撥油加工剤組成物で処理される被処理物としては、例えば繊維、繊維織物、繊維編物、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、セラミックス、金属および金属酸化物、窯業製品、プラスチック等があげられ、繊維、繊維織物、繊維編物が好ましい。
【0036】
繊維としては、綿、麻、羊毛、絹等の動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の種々の合成繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維等の無機繊維、またはこれらの混合繊維があげられる。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明の実施例についてさらに具体的に説明するが、かかる説明によって本発明が何等限定されるものではない。
【0038】
[参考例1・・単量体の製造]
撹拌機、温度計、蒸留塔を備えた2Lの4口フラスコに、C8 17CH2 CH2 CH(OH)CH2 CH2 8 17およびC8 17CH2 CH2 CH(C8 17)CH2 CH2 OHを合計20重量%含有するC8 17CH2 CH2 CH2 OH1460g(2.76モル)、パラトルエンスルホン酸70.9g、アクリル酸300gおよびハイドロキノン2.32gを入れた。充分に撹拌しながら器内温を90℃とし、ゆっくり減圧し200torrとした。反応開始1時間後より、反応で生成した水を蒸留塔頂より10ml/時間程度の速度で留出させた。反応開始10時間後、転化率が99%となったところで反応を終了させた。フラスコに水700mlを加え50℃とし、過剰のアクリル酸とパラトルエンスルホン酸を除去した。さらに水1Lで2回洗浄することによりCH2 =CHCOOCH(CH2 CH2 8 17)CH2 CH2 8 17およびCH2 =CHCOOCH2 CH2 CH(C8 17)CH2 CH2 8 17を合計19重量%含有するCH2 =CHCOOCH2 CH2 CH2 8 17を1582g得た。
【0039】
[参考例2・・単量体の製造]
参考例1と同じフラスコにC8 17CH2 CH2 CH(OH)CH2 CH2 8 17およびC8 17CH2 CH2 CHC8 17CH2 CH2 OHを合計28重量%含有するC8 17CH2 CH2 CH2 OH1500g(2.71モル)、パラトルエンスルホン酸70.0g、アクリル酸300gおよびハイドロキノン2.30gを入れた。以後の加熱、減圧、反応、反応停止、分離と水洗を参考例1と同様に実施した。CH2 =CHCOOCH(CH2 CH2 8 17)CH2 CH2 8 17およびCH2 =CHCOOCH2 CH2 CH(C8 17)CH2 CH2 8 17を合計27重量%含有するCH2 =CHOOCH2 CH2 CH2 8 17を1612g得た。
【0040】
[参考例3・・単量体の製造]
参考例1と同じフラスコにRF CH2 CH2 CH(OH)CH2 CH2 F およびRF CH2 CH2 CHRF CH2 CH2 OHを合計18重量%含有するRF CH2 CH2 CH2 OH1500g(RF は炭素原子数が8〜16(ただし、偶数のみ)である直鎖状パーフルオロアルキル基を表し、上記3種の各化合物はそれぞれRF の炭素原子数が異なる以外は同一構造の化合物の混合物であり、各同一構造の化合物の混合物における炭素原子数で表したRF の種類のモル比C8 :C10:C12:C14:C16は65:23:8:3:1である。2.61モル)、パラトルエンスルホン酸67.5g、アクリル酸290gおよびハイドロキノン2.20gを入れた。以後の加熱、減圧、反応、反応停止、分離と水洗を参考例1と同様に実施した。CH2 =CHCOOCH(CH2 CH2 F )CH2 CH2 F およびCH2 =CHCOOCH2 CH2 CHRF CH2 CH2 F を合計17重量%含有するCH2 =CHOOCH2 CH2 CH2 F を1610g得た。
【0041】
[実施例1]
撹拌翼を備えた1Lのガラス反応器に、参考例1で合成した重合性単量体混合物(以下C8 P1FAと記す)167.4g(70重量部)、マレイン酸ジオクチル(以下DOMと略す)15.5g(6.5重量部)、N−メチロールアクリルアミド(以下NMAMと略す)6.0g(2.5重量部)、n−ドデシルメルカプタン0.5g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(以下PPと記す)12.0g、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド(アルキル基の炭素原子数が16〜18である化合物の混合物)(以下AAと記す)2.4g、ポリオキシエチレンセチルエーテル3.6g、イオン交換水418.4g、およびジプロピレングリコール71.7gを入れ、40℃で30分間、前分散した後、高圧ホモジナイザ(ゴウリン社製乳化機)を用いて、200kg/cm2 で処理し、乳化液を得た。
乳化液を、1Lのステンレス鋼製オートクレーブに入れ、窒素置換した。これに、塩化ビニルモノマー(以下VClと記す)を50.2g(21重量部)加えた後、アゾ系重合開始剤VA−046B(和光純薬社製)2.4gを加えた。50℃に昇温後、15時間重合させて重合体固形分32重量%、平均粒子径125nmの水分散液(A1)725gを得た。撥水性、撥油性の評価結果を表1に示した。
【0042】
[撥水撥油性能の評価の前処理]
得られた乳化液にイオン交換水を加えて固形分濃度が20重量%の原液とした。さらに、この原液4gにイオン交換水196gを加えて処理液とし、この処理液を用いて撥水撥油性能を測定した。
処理液にナイロンタフタ試験布を浸漬し、2本のゴムローラーの間で布を絞ってウェットピックアップを60重量%とした。ついで110℃で90秒間乾燥し、さらに170℃で60秒間熱処理した。熱処理後の試験布について撥水性と撥油性を評価した。
【0043】
[撥水性、撥油性の評価方法]
撥水性は、JIS L−1092のスプレー試験により行い、表2に示す撥水性等級で表した。ただし、撥水性等級に+(−)を記したものはそれぞれの等級よりわずかに良い(悪い)ことを示す。
【0044】
撥油性は、AATCC−TM118により行い、表3に示す撥油性等級で表した。撥油性等級が大きいほど高性能であることを示す。ただし、撥油性等級に+(−)を記したものはそれぞれの等級よりわずかに良い(悪い)ことを示す。
【0045】
[耐久性の評価方法]
試験布にバラスト布を加えて1kgとし、電気洗濯機にて洗剤(花王社製商品名:アタック新コンパクトタイプ)30g、浴量45L、40℃で50分間洗濯し、その後すすぎ、24時間風乾を行った後、試験布について評価を行った。この耐久性試験前の評価結果(前撥水性、前撥油性と記す)と耐久性試験後の評価結果(後撥水性、後撥油性と記す)を表1に示す。
【0046】
[実施例2]
実施例1と同じガラス反応器に、参考例2で合成した重合性単量体混合物(以下C8 P2FAと記す)131.5g(55重量部)、ステアリルアクリレート(以下StAと略す)98.0g(41重量部)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下HEAと略す)4.8g(2重量部)、H[OCH2 CH(CH3 )]3 (OCH2 CH2)7 OCOCR=CH2(以下PEPと略す)4.8g(2重量部)、n−ドデシルメルカプタン0.5g、sec-C1225O(CH2 CH2 O)15 H(以下SLと記す)12.0g、AA2.4g、イオン交換水418.4g、およびジプロピレングリコール71.7gを入れ、40℃で30分間、前分散した後、高圧ホモジナイザ(ゴウリン社製乳化機)を用いて、200kg/cm2 で処理し、乳化液を得た。
乳化液を1Lのステンレス鋼製オートクレーブに入れ、窒素置換した後、アゾ系重合開始剤VA−046B(和光純薬社製)2.4gを加えた。50℃に昇温後、15時間重合させて重合体固形分32重量%、平均粒子径135nmの水分散液(A2)738gを得た。実施例1と同じ撥水性、撥油性の評価の結果を表1に示した。
【0047】
[実施例3]
実施例1と同じガラス反応器に、参考例3で合成した重合性単量体混合物(以下CmP3FAと記す)144g(60重量部)、StA31.2g(13重量部)、シクロヘキシルメタクリレート(以下CHMAと略す)48g(20重量部)、グリシジルメタクリレート(以下GMAと略す)7.2g(3重量部)、NMAM4.8g(2重量部)、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(以下CHPMAと略す)4.8g(2重量部)、n−ドデシルメルカプタン0.5g、PP12.0g、AA2.4g、イオン交換水418.4g、およびジプロピレングリコール71.7gを入れ、40℃で30分間前分散した後、高圧ホモジナイザ(ゴウリン社製乳化機)を用いて、200kg/cm2 で処理し、乳化液を得た。
乳化液を1Lのステンレス鋼製オートクレーブに入れ、窒素置換した後、アゾ系重合開始剤VA−046B(和光純薬社製)2.4gを加えた。50℃に昇温後、15時間重合させて重合体固形分32重量%、平均粒子径138nmの水分散液(A3)736gを得た。実施例1と同じ撥水性、撥油性の評価の結果を表1に示した。
【0048】
[実施例4〜8][比較例1〜2]
表1に示す重合性化合物を表1に示す量(重量部)だけ用いる以外は、実施例1と同様の方法で乳化し、重合させた。実施例1と同じ撥水性、撥油性の評価の結果を合わせて表1に示した。なお、表1記載の略号の内前記した以外の化合物の略号は以下の通りである。
8 FA:CH2 =CHCOOCH2 CH2 8 17
EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート
EODMA:ポリオキシエチレンジオールジメタクリレート(オキシエチレン基数の平均は23)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
【0049】
Figure 0003864591
【0050】
Figure 0003864591
【0051】
Figure 0003864591
【0052】
【発明の効果】
本発明の撥水撥油加工剤は、重合性の官能基1個に対しポリフルオロアルキル基を2個含有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される重合単位を含有する共重合体を有効成分とし、優れた撥水撥油性を示し、特に繊維、繊維製品の撥水撥油加工剤として好適である。

Claims (4)

  1. 下式3で表される重合性単量体に基づく重合単位C、および、下式1で表される重合性単量体に基づく重合単位Aおよび/または下式2で表される重合性単量体に基づく重合単位B、を含む共重合体を有効成分とする撥水撥油加工剤。
    CH2 =CRCOOCH(CH2 CH2 Rf1)CH2 CH2 Rf2 ・・式1
    CH2 =CRCOOCH2 CH2 CH(Rf3)CH2 CH2 Rf4 ・・式2
    CH2 =CRCOOCH2 CH2 CH2 Rf5 ・・・・・・・・・・・式3
    ただし、式中のRf1 、Rf2 、Rf3 、Rf4 およびRf5 はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素原子数3〜20個のポリフルオロアルキル基を、Rは水素原子またはメチル基を示す。
  2. 重合単位A,重合単位Bおよび重合単位Cの合量に対する重合単位Aおよび重合単位Bの合量が1〜50重量%である請求項1記載の撥水撥油加工剤。
  3. 共重合体中の重合単位A,重合単位Bおよび重合単位Cの合量が30〜95重量%である請求項1または請求項2記載の撥水撥油加工剤。
  4. 請求項1、2または3記載の共重合体と液状媒体を含む撥水撥油加工剤組成物。
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