JP3864416B2

JP3864416B2 - 給紙装置

Info

Publication number: JP3864416B2
Application number: JP2003275527A
Authority: JP
Inventors: 正明三橋
Original assignee: Funai Electric Co Ltd
Current assignee: Funai Electric Co Ltd
Priority date: 2003-07-16
Filing date: 2003-07-16
Publication date: 2006-12-27
Anticipated expiration: 2023-07-16
Also published as: US20050133981A1; US7172192B2; JP2005035750A

Description

本発明は、インクジェットプリンタなどの印字装置の給紙機構として用いられる給紙装置、特に、傾斜姿勢で立ち上がった用紙台に複数枚の用紙を積み重ねて載架することによって用紙をストックするようになっている給紙装置に関する。

図２はこの種の給紙装置の構成を説明するための概略斜視図である。同図において、１はベース部、２は用紙台で、用紙台２は、ベース部１と共に合成樹脂で一体成形された固定傾斜部と２１と、この固定傾斜部２１に折畳み可能に連結された可動傾斜部２２とに分かれている。また、ベース部１の横方向の一箇所に、バックラーフリクションと称される紙送り負荷付与手段３が装着されているのに対し、この紙送り負荷付与手段３の上方にピックアップローラでなる紙送りローラ４が配備されている。そして、用紙台２に積み重ねて載架された複数枚の用紙１００の紙端１０１がベース部１や紙送り負荷付与手段３によって支えられている。

ところで、この種の給紙装置では、用紙台２に積み重ねて載架された複数枚の用紙１００のうちの最上層の１枚の用紙（１枚目用紙）に紙送りローラ４が接触して回転すると、その１枚目用紙に紙送りローラ４による送り力が直接に付与されるのに対し、１枚目用紙に重なり合っている２枚目の用紙（２枚目用紙）やその２枚目用紙に重なり合っている３枚目の用紙などには、それぞれの上側の用紙との摩擦による送り力が付与される。このことを考慮し、この種の給紙装置では、一枚目用紙に２枚目や３枚目の用紙が摩擦によって追従して送られてしまうという重送を防ぐために、用紙同士の摩擦による送り力によっては用紙が送られないようにするための負荷を２枚目や３枚目、それ以降の用紙に与えている。そして、このような負荷（紙送り負荷）を発生させる機能を上記した上記紙送り負荷付与手段３によって発生させている。

一方、図３に説明的に示したように、用紙台２は、ベース部１に対して傾斜姿勢で立ち上がっているため、その用紙台２に用紙１００を積み重ねて載架してその紙端１０１をベース部１や紙送り負荷付与手段３によって支えさせた場合には、紙送り負荷付与手段３の表面に対する用紙１００の立上り角度は、用紙台３に近い下層側の用紙が用紙台３から離れた上層側の用紙よりも大きくなることが多い。たとえば１枚目用紙１００の立上り角度をθ１、最下層の用紙１００の立上り角度をθ２とすると、θ１＜θ２となっていることが多く、また、互いに重なり合った２枚の用紙の立上り角度を比較すると、上側の用紙の立上り角度が下側の用紙の立上り角度と同等か又は小さくなっていることが多い。

他方、図４は従来の給紙装置に採用されている紙送り負荷付与手段３を示しており、同図のように、この紙送り負荷付与手段３は、細長いゴム質の表面に長手方向等間隔おきに同一高さの鋸歯状の凸部３１を全長に亘って形成してなり、このような紙送り負荷付与手段３が、図２で説明したベース部１に装着されたケース３２に装備されている。そして、紙送り負荷付与手段３の凸部３１が、上記した重送を防ぐための紙送り負荷を発生させることに役立っている。すなわち、図２又は図３に示した紙送りローラ４の回転によって直接に送り力が付与された１枚目用紙１００の紙端１０１は紙送り負荷付与手段３の凸部３１によって与えられる紙送り負荷に打ち勝ってその凸部３１を乗り越えるけれども、用紙同士の摩擦による送り力を受ける２枚目用紙や３枚目用紙の紙端１０１は、紙送り負荷付与手段３の凸部３１によって与えられる紙送り負荷の影響を受けてその凸部３１を乗り越えにくくなるような構成としてある。

他の従来例として、図４で説明したケース３２の上面の一部を高くすることによって、ケース３２の上面に対する紙送り負荷付与手段３の凸部３１の高さを、用紙台に近い側で遠い側よりも相対的に低くしたものが知られている（例えば、特許文献１参照）。さらに他の従来例として、画像形成装置において、横置き型の給紙カセットに積載された用紙の重送を防ぐために、その給紙カセットの用紙繰出し側に斜面分離板を配備し、その斜面分離板の上端部に、繰り出された用紙に負荷を与えて重送を防ぐようにしたものが知られている（例えば、特許文献２参照）。

実用新案登録第３０９２２５９号公報特開２００３−１２８２８８号公報

図４で説明した紙送り負荷付与手段３を備えた従来の給紙装置では、紙送り負荷付与手段３の凸部３１によって用紙に与えられる紙送り負荷の大きさは、紙送り負荷付与手段３の表面に対する用紙１００の立上り角度の大きさによって影響を受け、その立上り角度の大きい場合が小さい場合よりも大きな紙送り負荷を発生することが判っている。そのため、図４で説明した構成の紙送り負荷付与手段３を備えている従来の給紙装置では、紙送りローラ４の回転によって立上り角度の小さな上層側の用紙１００が重送を生じることなく１枚ずつ正常に送られるとしても、立上り角度の大きな下層側の用紙１００では、紙送り負荷付与手段３によって与えられる紙送り負荷が大きくなりすぎて正常な紙送り動作が行われないことがあり、場合によっては、紙送りローラ４による送り力の付与された用紙１００の紙端１０１が、紙送り負荷付与手段３の表面に突き当たったまま押し潰された状態に折れ曲がって所謂用紙ジャムを発生することがあった。

この点に関し、特許文献１に記載されている紙送り負荷付与手段では、立上り角度の小さな上層側の用紙に対する紙送り負荷が大きくなるのに対し、立上り角度の大きな下層側の用紙に対する紙送り負荷が小さく抑えられるため、用紙台に積み重ねられた用紙のすべてが用紙ジャムを生じることなく用紙送り動作が行われるけれども、このものは、紙送り負荷付与手段を装着したケースの上面の形状を変更するものであるので、ケースを成形するための金型の構造が複雑になってその製作コストが高くつくという問題があった。

また、特許文献２に記載されているものは、横置き型の給紙カセットに積載された用紙の重送を防ぐために、斜面分離板の上端部に負荷発生域を形成したものであるに過ぎず、図３で説明したような立上り角度が用紙ごとに異なっているような状況下での重送防止対策として有効なものではない。

本発明は以上の状況の下でなされたものであり、図４で説明した紙送り負荷付与手段の構成に簡単な変更を加えるだけで、立上り角度が用紙ごとに異なっているような状況下での有効な重送防止作用を発揮する給紙装置を提供することを目的とする。

本発明に係る給紙装置は、傾斜姿勢で立ち上がった用紙台に積重ねて載架された複数枚の用紙の紙端を支えるベース部に、紙送り方向に延び出しかつ表面に紙送り方向に並んだ同一高さの複数の凸部を有する紙送り負荷付与手段が備わり、かつ、その紙送り負荷付与手段に紙端が載架された上記用紙のうちの最上層の用紙に接触してその用紙に送り力を付与するための紙送りローラを備える。そして、上記紙送り負荷付与手段の表面での上記複数枚の用紙の紙端が載架される領域を、用紙送り方向に対する前側の区画と後側の区画とに分け、後側区画に位置する全部の凸部を抹消することによってその後側区画で発生する紙送り負荷を前側区画で発生する紙送り負荷よりも小さくした、というものである。

紙送り負荷付与手段の表面の後側区画で発生する紙送り負荷を前側区画で発生する紙送り負荷よりも小さくするための対策としては、上記紙送り負荷付与手段の表面を、上記後側区画で平坦面に形成することが有益である。また、上記紙送り付与手段の表面がゴム面であることが望ましい。

上記構成を採用すると、傾斜姿勢で立ち上がった用紙台に積み重ねて載架された複数枚の用紙のうち、立上り角度の小さな上層側の用紙の紙端が紙送り負荷付与手段の表面の凸部を有する前側区画に載架され、立上り角度の小さな下層側の用紙の紙端が紙送り負荷付与手段の表面の凸部を抹消して紙送り負荷を小さく抑えた後側区画に載架されるようになるため、用紙の立上り角度によって影響を受ける紙送り負荷と紙送り負荷付与手段の表面の凸部の有無によって影響を受ける紙送り負荷とを合わせた紙送り負荷の大きさが、用紙台に積み重ねられた全部の用紙で一様化されるようになる。そのため、用紙台に積み重ねて載架されている用紙の枚数が多い場合でも少ない場合でも、用紙が重送されることなく１枚ずつ送り出されるようになり、併せて、用紙ジャムを生じることもなくなる。

特に、紙送り負荷付与手段の表面を、上記後側区画で平坦面に形成したものでは、特許文献１によって提案されているようにケースの上面の形状に変更を加えるという必要がないのでコスト的に有利である。また、紙送り付与手段の表面がゴム面であるという構成を採用すると、紙送り負荷がゴム面によって用紙に効率よく与えられるようになるので、用紙の重送や用紙ジャムの発生をいっそう防止しやすくなる。

本発明に係る給紙装置は、傾斜姿勢で立ち上がった用紙台に積重ねて載架された複数枚の用紙の紙端を支えるベース部に、紙送り方向に延び出しかつ表面に紙送り方向に並んだ同一高さの複数の凸部を有する紙送り負荷付与手段が備わり、かつ、その紙送り負荷付与手段に紙端が載架された上記用紙のうちの最上層の用紙に接触してその用紙に送り力を付与するための紙送りローラを備える給紙装置において、上記紙送り付与手段の表面がゴム面であって、その表面での上記複数枚の用紙の紙端が載架される領域を、用紙送り方向に対する前側の区画と後側の区画とに分け、後側区画に位置する全部の凸部を抹消してその後側区画を平坦面とすることにより、その後側区画で発生する紙送り負荷を前側区画で発生する紙送り負荷よりも小さくし、かつ、上記紙送りローラが上記紙送り付与手段の上方に配備されている、という構成を採用することによっていっそう具体化される。この発明の作用については、後述する実施形態を参照して説明する。

以上のように、本発明の給紙装置によれば、紙送り負荷付与手段の構成に簡単な変更を加えるだけで、紙送り負荷の大きさが、用紙台に積み重ねられた全部の用紙で一様化されるようになるため、用紙台に積み重ねて載架されている用紙の枚数が多い場合でも少ない場合でも、用紙が重送されることなく１枚ずつ送り出されるようになり、併せて、用紙ジャムを生じることもなくなる。したがって、給紙性能に優れた給紙装置を安価に提供することができるようになると共に、印字装置などに当該給紙装置を採用した場合に、用紙の重送や用紙ジャムの発生によって印字品質が低下するという事態が起こりにくくなる。

図１は本発明に係る給紙装置に採用される紙送り負荷付与手段３とそのケース３２とを示した概略斜視図である。同図の紙送り負荷付与手段３は、合成樹脂又はゴムで細長く成形されていて、その表面はゴム質になっている。そして、その表面での複数枚の用紙（不図示）の紙端が載架される領域を、用紙送り方向に対する前側の区画Ｆと後側の区画Ｂとに分け、前側区画Ａの全体には長手方向等間隔おきに同一高さの鋸歯状の凸部３１が備わり、後側区画Ｂはその全体が平坦面３３として形成されている。このような紙送り負荷付与手段３は、図４で説明した従来の紙送り負荷付与手段３の表面の後側区画に相当する箇所に位置している全部の凸部を抹消してその後側区画Ｂを平坦面としたものに相当している。

この紙送り負荷付与手段３は、図２で説明したように、ベース部１に装着されたケース３２に装備されている。そして、紙送りローラ４が紙送り負荷付与手段３の上方に配備されている。

紙送り負荷付与手段３が上記の構成を有していると、用紙の立上り角度が同一である場合には、紙送り負荷付与手段３の表面の後側区画で発生する紙送り負荷が前側区画で発生する紙送り負荷よりも小さくなる。

以上のように構成された給紙装置によれば、図２又は図３で判るように、傾斜姿勢で立ち上がった用紙台２に積み重ねて載架された複数枚の用紙１００のうち、立上り角度の小さな上層側の用紙１００の紙端１０１が紙送り負荷付与手段３の表面の凸部３１を有する前側区画Ａに載架され、立上り角度の小さな下層側の用紙１００の紙端１０１が紙送り負荷付与手段３の表面の凸部を抹消して平坦面３３とした後側区画Ｂに載架されるようになる。そのため、用紙１００の立上り角度によって影響を受ける紙送り負荷と紙送り負荷付与手段３の表面の凸部３１の有無によって影響を受ける紙送り負荷とを合わせた紙送り負荷の大きさが、用紙台２に積み重ねられた全部の用紙１００で一様化されて、用紙台２に積み重ねて載架されている用紙１００の枚数が多い場合でも少ない場合でも、用紙が重送されることなく１枚ずつ送り出されるようになり、併せて、用紙ジャムを生じることもなくなる。

図５は図１で説明した紙送り負荷付与手段３と図４で説明した紙送り負荷付与手段３との表面形状を拡大して対比した説明図であり、同図（Ａ）は図１で説明した紙送り負荷付与手段３の表面形状を示し、同図（Ｂ）は図４で説明した紙送り負荷付与手段３の表面形状を示している。これらを併せ見ることによって判るように、同図（Ａ）の紙送り負荷付与手段３では、同図（Ｂ）の紙送り負荷付与手段３の後側区画Ｂに相当する部分に位置する５山程度の凸部３１を抹消してその部分を平坦面３３として形成している。ここで、後側区画Ｂの長さは、用紙台２に積み重ねられた複数枚の用紙のうちの下層側の３〜５枚程度を支え得る長さであればよく、そのようにしておくと、紙送りローラ４の回転によって、用紙台２に積み重ねられた複数枚の用紙がすべて重送を生じることなく、しかも、用紙ジャムを生じることなく、上側のものから順に１枚ずつ送り出されるようになる。特に、紙送りローラ４が紙送り負荷付与手段３の上方に配備されていると、そのような良好な送出し作用が発揮されやすいことを確認している。

本発明に係る給紙装置は、インクジェットプリンタなどの印字装置の給紙機構として利用することが可能である。

本発明に係る給紙装置に採用される紙送り負荷付与手段とそのケースとを示した概略斜視図である。給紙装置の構成を説明するための概略斜視図である。用紙の立上り角度と紙送り負荷との関係を説明するための説明図である。従来の給紙装置に採用される紙送り負荷付与手段とそのケースとを示した概略斜視図である。（Ａ）は図１の紙送り負荷付与手段の表面形状の拡大断面図、（Ｂ）は図４の紙送り負荷付与手段の表面形状の拡大断面図である。

符号の説明

１ベース部
２用紙台
３紙送り負荷付与手段
４紙送りローラ
３１凸部
３３平坦面
１００用紙
１０１紙端
Ａ前側区画
Ｂ後側区画

Claims

傾斜姿勢で立ち上がった用紙台に積重ねて載架された複数枚の用紙の紙端を支えるベース部に、紙送り方向に延び出しかつ表面に紙送り方向に並んだ同一高さの複数の凸部を有する紙送り負荷付与手段が備わり、かつ、その紙送り負荷付与手段に紙端が載架された上記用紙のうちの最上層の用紙に接触してその用紙に送り力を付与するための紙送りローラを備える給紙装置において、
上記紙送り付与手段の表面がゴム面であって、その表面での上記複数枚の用紙の紙端が載架される領域を、用紙送り方向に対する前側の区画と後側の区画とに分け、後側区画に位置する全部の凸部を抹消してその後側区画を平坦面とすることにより、その後側区画で発生する紙送り負荷を前側区画で発生する紙送り負荷よりも小さくし、かつ、上記紙送りローラが上記紙送り付与手段の上方に配備されていることを特徴とする給紙装置。
傾斜姿勢で立ち上がった用紙台に積重ねて載架された複数枚の用紙の紙端を支えるベース部に、紙送り方向に延び出しかつ表面に紙送り方向に並んだ同一高さの複数の凸部を有する紙送り負荷付与手段が備わり、かつ、その紙送り負荷付与手段に紙端が載架された上記用紙のうちの最上層の用紙に接触してその用紙に送り力を付与するための紙送りローラを備える給紙装置において、
上記紙送り負荷付与手段の表面での上記複数枚の用紙の紙端が載架される領域を、用紙送り方向に対する前側の区画と後側の区画とに分け、後側区画に位置する全部の凸部を抹消することによって上記紙送り負荷付与手段の表面が、上記後側区画で平坦面に形成され、その後側区画で発生する紙送り負荷を前側区画で発生する紙送り負荷よりも小さくしたことを特徴とする給紙装置。
上記紙送り付与手段の表面がゴム面である請求項２に記載した給紙装置。