JP3863775B2 - 画像情報圧縮方法及び画像情報圧縮装置並びに画像情報圧縮プログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次元又は三次元の画像情報の圧縮方式に係り、特に、画像の特徴分離符号化による画像情報の圧縮を行う画像情報圧縮方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像情報圧縮方法として、画像情報を、画像情報に含まれるパターンごとに分離して二つの特徴データとし、各特徴データごとに符号化することにより画像情報を圧縮する特徴分離符号化の方法が知られている。かかる特徴分離符号化による画像情報圧縮方法として、例えば、Jonson K.Yan,David J.Sakrison,”Encoding of Images Based on a Two−Component Source Model”,IEEE Transaction on Communications,Vol.COM−25,No.11(1977)に記載の方法が知られている。この方法によれば、まず、原画像データをラスタ走査により一次元化した一次元原データi(x,y)より三乗根強度u(x,y)=[i(x,y)]1/3を求め、三乗根強度u(x,y)をスムージングにより非連続成分d(x,y)成分と残りの成分r(x,y)とに分離して、各成分をそれぞれ符号化するものである。
【0003】
この場合、非連続成分d(x,y)には画像のエッジ成分やコントラスト成分が取り込まれ、残りの成分r(x,y)には画像のテクスチャ成分が取り込まれるため、原画像が特徴分離され、各特徴成分ごとに最適な符号化がされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の画像情報圧縮方法では、ラスタ走査した一次元原データのスペクトルは高周波成分を多く含む。そのため、一次元原データをスムージングする際に、エッジ成分やコントラスト成分が十分にスムージング関数に取り込まれず、残りの成分に残留する。従って、符号化効率を十分に得ることができず、また、符号化効率を上げるために残りの成分の情報を削減すると、画像の劣化が大きくなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の解決課題は、かかる画像情報の特徴分離符号化方法において、画像を特徴ごとに効果的に分離することができ、符号化効率の高く画質の劣化の少ない画像情報圧縮方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の画像情報圧縮方法は、原画像の特徴分離符号化を行う画像情報圧縮方法において、二次元又は三次元の原画像を擬似ヒルベルト走査により一次元原データに変換し、前記一次元原データよりも冗長性の大きい所定の関数により前記一次元原データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出し、前記第一特徴情報を符号化して第一特徴符号データとするとともに、前記原画像から前記第一特徴情報を差し引いて第二特徴情報を抽出し、前記第二特徴情報を符号化して第二特徴符号データとするようにしたものであり、この構成により、次のような作用が得られる。
【0007】
まず、二次元又は三次元の原画像を擬似ヒルベルト走査により、原画像は、高周波数成分が少なく低周波成分の多いスペクトル特性を持つ一次元原データに変換される。ここで、擬似ヒルベルト走査は、画像を正方形又は長方形のブロックごとに走査する特性がある。また、一般に画像はブロック内における画素値の相関が大きく、ブロック内においては画素値の変化は平均的に緩やかであるという特性がある。従って、擬似ヒルベルト走査により得られる一次元原データのパワースペクトルは低周波領域に集中し、一般によく用いられているラスタ走査に比べて高周波成分はきわめて小さいという特性がある。
【0008】
この一次元原データを、一次元原データよりも冗長性の大きい所定の関数で近似して、この近似関数値を第一特徴データとする。また、原画像から第一特徴データを差し引いて第二特徴データを生成する。一次元原データのスペクトル特性は、高周波成分が少ないため、所定の関数を適当に選択することによって、所定の関数で近似した場合の近似誤差は小さくすることができ、第二特徴データの各値の絶対値平均を、一次元原データの各値の絶対値平均に比べて、小さくすることができ、原画像の特徴成分を十分に分離することが可能である。尚、この際、原画像のコントラスト成分やエッジ成分は、主として第一特徴データに取り込まれ、テクスチャ成分は主として第二特徴データに取り込まれる。さらに、第一特徴データは、符号量は原画像と等しいが、冗長性は原画像に比べて増大しているため、第一特徴データは高効率で符号化することが可能である。
【0009】
一方、第二特徴データは、原画像から第一特徴データを差し引いたものであるため、原画像のコントラスト成分やエッジ成分はほとんど含まれ、主として原画像の高周波成分のみが含まれる。従って、第二特徴データのスペクトル特性は、高周波側に偏倚しているため、それに適した符号化方式を採用することで、この第二特徴データは高い符号化効率で符号化することが可能である。よって、全体として原画像を高い符号化効率により符号化することができる。
【0010】
ここで、「原画像」は、静止画像に限られるものではなく、時間方向に連続する複数のフレーム系列からなる動画像であってもよい。「二次元の又は3次元の」としたのは、静止画像の場合は原画像は二次元となるが、動画像の場合には、時間軸方向に複数のフレームが重なっているため、三次元画像となるからである。「特徴分離符号化」とは、画像をそれに含まれる特徴成分ごとに分離して各特徴成分ごとに符号化する画像符号化方法をいう。「擬似ヒルベルト走査」とは、長方形領域又は立方体領域に対しても適用可能なように拡張されたヒルベルト曲線に沿って行う走査をいい、その詳細については特開平11−353453号公報、信学論(D−II),Vol.J80−D−II,No.10,pp.2864−2867,Oct.1997等に既に開示されているためここでは詳細な説明は省略する。この、「擬似ヒルベルト走査」は、二次元の擬似ヒルベルト走査に限られず、三次元の擬似ヒルベルト走査であってもよい。静止画像の場合には、原画像は1フレームのみであるため二次元の擬似ヒルベルト走査となるが、動画像の場合には、原画像は三次元画像となるため、二次元擬似ヒルベルト走査のほかに、所定数のフレームを一組として三次元擬似ヒルベルト走査を行うことも可能である。尚、二次元の擬似ヒルベルト走査については、信学論(D−II),Vol.J80−D−II,No.10,pp.2864−2867,Oct.1997等に開示されており、三次元の擬似ヒルベルト走査については、特開平11−353453号公報、信学論(D−II),Vol.J81−D−II,No.10,pp.2483−2486,Oct.1998、特開2000−253396号公報等に開示されている。「所定の関数」とは、特に関数形を限定するものではなく、例えば、ステップ関数、折線関数、スプライン関数等が用いられる。しかしながら、計算処理の高速性及びエッジ成分の取り込み特性のよさから考えてステップ関数を用いるのが好ましい。また、「冗長性の大きい」とは、第一特徴データの自己相関係数が一次元原データの自己相関係数に比べて大きいことを意味する。これにより、第一特徴データは高符号化効率で符号化が可能となる。「第一特徴データ」とは、一次元原データを所定の関数により近似した一次元の系列からなるデータをいう。また、「第一特徴情報」とは、第一特徴データの有する情報をいう。「第二特徴情報」とは、原画像から前記第一特徴情報を差し引いて得られる情報をいい、一次元原データから第一特徴データを差し引いて得られるデータ系列の有する情報、及び、第一特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填して得られる第一特徴画像を原画像から差し引いた画像の有する情報が含まれる。「第一特徴情報を符号化」又は「第二特徴情報を符号化」する方法については、特に限定するものではなく、一般的な量子化、エントロピ符号化等の符号化方法が用いられる。
【0011】
また、本発明の画像情報圧縮装置は、原画像の特徴分離符号化を行う画像情報圧縮装置において、二次元又は三次元の原画像を擬似ヒルベルト走査により一次元原データに変換する擬似ヒルベルト走査手段と、前記一次元原データよりも冗長性の大きい所定の関数により前記一次元原データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出する第一特徴情報抽出手段と、前記第一特徴情報を符号化して第一特徴符号データを生成する第一符号化手段と、前記原画像から前記第一特徴情報を差し引いて第二特徴情報を抽出する第二特徴情報抽出手段と、前記第二特徴情報を符号化して第二特徴符号データを生成する第二符号化手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この構成により、上述のように、全体として原画像を高い符号化効率により符号化することができる。
【0013】
また、前記原画像が、時間方向に連続する複数のフレーム系列から構成されている場合、前記第一特徴情報を抽出するに際し、所定のフレームについては、前記一次元原データよりも冗長性の大きい所定の関数により前記一次元原データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出するとともに、前記第一特徴データを第一特徴データ記憶手段に格納し、それ以外のフレームについては、第一特徴データ記憶手段に格納された過去のフレームの第一特徴データを前記一次元原データから差し引いた第一差分データを生成し、前記第一差分データよりも冗長性の大きい所定の関数により前記第一差分データを近似して第一特徴データを生成することができる。
【0014】
動画像のように、時間方向に連続する原画像の場合、連続するフレーム間での相関が大きい場合がある。この場合は、現在の一次元原データから過去のフレームの第一特徴データを差し引いて第一差分データとすることで、この第一差分データでは、原画像の時間方向に変化の小さい成分が大部分除去される。その結果、動画原画像の符号化効率をさらに向上させることができる。
【0015】
ここで、「所定のフレーム」とは、過去のフレームとの相関がない又は相関の小さいフレームをいい、例えば、最初のフレームやシーン・チェンジが行われた際のチェンジ直後のフレーム等をいう。「過去のフレーム」とは、現在画像情報圧縮を行っているフレームの直前に画像情報圧縮を行ったフレームをいう。
【0016】
また、前記第二特徴情報を抽出するに際し、前記一次元原データから前記第一特徴データを差し引いた第二特徴データを生成し、前記第二特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填して第二特徴画像を復元し、基底ベクトルテーブルに格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開するとともに、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴画像の成分値を符号化して第二特徴符号データとすることができる。
【0017】
また、前記第二特徴情報を抽出するに際し、前記第一特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填して第一特徴画像を復元し、前記原画像から前記第一特徴画像を差し引いた第二特徴画像を生成し、基底ベクトルテーブルに格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開するとともに、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴画像の成分値を符号化して第二特徴符号データとすることができる。
【0018】
上述のように、原画像を一次元化するに際し擬似ヒルベルト走査を用いるため、一次元原データは、高周波数成分が少なく低周波成分の多いスペクトル特性を持ち、これを所定の関数で近似することにより、原画像のコントラスト成分(DC成分や低周波成分)やエッジ成分(画像の輪郭成分)は、主として第一特徴情報に取り込まれ、残りのテクスチャ成分は主として第二特徴情報に取り込まれる。このテクスチャ成分は、パワースペクトルが高周波側に偏倚した特徴を有する。従って、第二特徴情報を基底ベクトルで張られる空間に展開した場合、DC成分及び低周波成分以外の中高周波成分に対応するいくつかの基底成分にスペクトルが集中する傾向にある。
【0019】
そこで、あらかじめ複数のテストパターン画像を用いて、第二特徴情報を基底ベクトルで張られる空間に展開するに際して、平均的にもっとも有効ないくつかの基底成分を特定し、第二特徴画像をそれらの基底成分に展開するための基底ベクトルを求め、これらの基底ベクトルを基底ベクトルテーブルに格納しておく。そして、基底ベクトルテーブルに格納された基底ベクトルを、各第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開する場合に、各第二特徴画像をもっとも有効な基底成分に展開するであろう基底ベクトルとみなす。
【0020】
そして、画像情報圧縮時には、基底ベクトルテーブルにあらかじめ格納されている基底ベクトルを用いて、第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開する(すなわち、第二特徴画像と基底ベクトルとの内積計算を行う)ことにより、画質のS/N比の劣化が少なく、かつ、高符号化効率で高速な画像符号化が可能となる。
【0021】
ここで、「基底ベクトルで張られる空間」とは、特徴抽出によってパターンを写像する空間をいい、この写像には、カルーネン・レーベ変換(以下、「KL変換」という。)、ディスクリート・コサイン変換(以下、「DCT」という。)、ディスクリート・サイン変換(以下、「DST」という。)等の直交変換が用いられる。「基底ベクトルで張られる空間に展開」とは、第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に写像することをいい、具体的には、各基底ベクトルと第二特徴画像との内積計算により行われる。「基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトル」としては、基底ベクトルで張られる空間内の基底ベクトルのうちで第二特徴画像の特徴を最も有効に表す基底ベクトルが選ばれる。例えば、特徴抽出にKL変換を用いる場合は、第二特徴画像の各画素を特徴空間に写像した際に、各画素の基底成分の分散値が大きい順にいくつか選ばれた基底ベクトルをいい、特徴抽出にDTCを用いる場合は、第二特徴画像のスペクトルの大きい周波数成分の順にいくつか選ばれた基底ベクトルをいう。
【0022】
尚、第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開するに際しては、必ずしも全ての基底ベクトルについて第二特徴画像を展開する必要はなく、あらかじめ設定した基底ベクトルに対してのみ第二特徴画像を展開するようにし、他の基底ベクトルに対する成分値は0とみなすようにしてもよい。すなわち、テストパターン画像を用いて、あらかじめ成分値が平均的に有意な値を持つような基底ベクトルをいくつか選択しておき、かかる基底ベクトルに対してのみ第二特徴画像を展開するようにすることもできる。このようにしても、画質のS/N比の減少量は少なく、また、第二特徴画像の展開時における計算量が減少するため、符号化ノイズの増加を抑えつつ高速な処理が可能となる。
【0023】
また、前記第二特徴情報を抽出するに際し、前記一次元原データから前記第一特徴データを差し引いた第二特徴データを生成し、基底ベクトルテーブルに格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴データを基底ベクトルで張られる空間に展開するとともに、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データとすることができる。
【0024】
この構成によれば、前述の画像情報圧縮方法と同様、画質のS/N比の劣化が少なく、かつ、高速な画像符号化が可能となる。加えて、誤差データは一次元のまま直交変換され、圧縮されるため、計算量が少なく、より高速な画像符号化が可能となる。
【0025】
また、前記第二特徴情報を符号化するに際し、前記基底ベクトルで張られる空間内の前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値が所定の閾値以上となる基底ベクトルについてのみ、該基底ベクトルに対する前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データとすることができる。
【0026】
本発明では、原画像を一次元化するに際して擬似ヒルベルト走査を用いるため、原画像のコントラスト成分及びエッジ成分は、ほとんどが第一特徴符号データに取り込まれる。従って、基底ベクトルで張られる空間における各基底ベクトルに対する第二特徴画像の成分値のうち、成分値が所定の閾値以上となるようなもののみを残し、成分値の小さい残りのものは0とみなしても、視覚的に原画像を復元した際の画質の劣化は少ない。これは、人間が画像を認知する場合、輪郭部分や大局的な模様から画像の特徴を認知するため、コントラスト成分及びエッジ成分が十分に再現されていれば、細かいテクスチャについて多少再現性が悪くても、視覚的には画質の劣化は少ないと認識するためである。すなわち、この構成により、原画像を復元した際の視覚的な画質の劣化を抑えつつ、第二符号化手段による符号化において、符号化効率を向上させることができる。
【0027】
ここで、「所定の閾値」は、符号化する画像の種類や目的等に合わせて自由に設定することが可能であり、閾値を大きく設定すれば符号化効率は向上する反面、符号化された画像のS/N比は低下する。
【0028】
また、前記第二特徴情報を符号化するに際し、前記一次元原データと前記第一特徴データとの累積誤差に基づき、前記第二特徴画像又は前記第二特徴データを展開すべき前記基底ベクトルを決定し、前記決定された基底ベクトルに対して前記第二特徴画像又は前記第二特徴データを展開し、該基底ベクトルに対する前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データとすることができる。
【0029】
これにより、原画像のパターンに応じて、成分値が有意な値となる基底ベクトルで張られる空間の基底ベクトルの組を適切に設定し、該基底ベクトルの組に対してのみ成分値を計算し、他の基底ベクトルに対する成分値は0とみなすため、画質の符号化雑音を増加させることなく符号化効率を上げることができる。また、基底ベクトルで張られる空間内のすべての基底ベクトルについて第二特徴画像の成分値を計算する必要はないため、高速な符号化処理を行うことが可能となる。
【0030】
ここで、「累積誤差」とは、各画素に対する一次元原データと第一特徴データと差分の絶対値や二乗値等を、全画素について加算した値をいう。また、「累積誤差に基づき」、基底ベクトルを決定する方法としては、例えば、あらかじめテストパターンを用いて累積誤差の大きさと各基底ベクトルに対する成分値との関係を求めておき、累積誤差の大きさに対して成分値が有意な大きさとなる基底ベクトルの組との対応関係を、判定テーブルに登録しておき、画像情報圧縮時には、累積誤差の大きさに応じて、判定テーブルを参照し、基底ベクトルを決定する方法が採られる。
【0031】
また、前記第一特徴データは、所定の区間をおいて階段状に変化するステップ関数に従うデータ系列からなり、前記各区間における前記第一特徴データのデータ値は前記一次元原データの該区間内における平均値に等しく、かつ、前記データ系列は、前記一次元原データと前記第一特徴データとの全区間に渡る累積誤差が最小となるように前記各区間に分割されていることとすることができる。
【0032】
この構成により、単純なステップ関数による近似であるため、近似計算処理のアルゴリズムが簡単であり、近似計算処理に要する計算量が少なく高速化が可能となる。また、一次元原データと第一特徴データとの累積誤差が最小となるように各区間に分割されたステップ関数で近似することにより、モスキート・ノイズのように、画像中の鋭いエッジ部分が平滑化され画像の輪郭部分が暈かされることがない。そのため、第一特徴符号データにおいて、画像中の輪郭部分が正確に保存され、第一特徴符号データから第一特徴画像を復元した際に、該第一特徴画像において画像の輪郭が明確であり、視覚的に画像の内容を的確に認知することが可能となる。
【0033】
また、前記第一特徴データは、所定の区間をおいて階段状に変化するステップ関数に従うデータ系列からなり、前記各区間における前記第一特徴データのデータ値は前記一次元原データの該区間内における平均値に等しく、かつ、前記データ系列は、前記一次元原データと前記第一特徴データとの各区間内における累積誤差が所定の閾値以下となるように前記各区間に分割されていることとすることができる。
【0034】
この構成により、単純なステップ関数による近似であるため、近似計算処理のアルゴリズムが簡単であり、近似計算処理に要する計算量が少なく高速化が可能である。また、近似計算処理を一次元原データの先頭から逐次的に処理することにより区間分割を行うことが可能であり、近似計算処理に要するメモリ量が少なく、計算量も少なく、高速化が可能である。更に、各区間における一次元原データと第一特徴データとの累積誤差が閾値以下となるように各区間に分割されたステップ関数で近似することにより、画像中の鋭いエッジ部分が平滑化され画像の輪郭部分が暈かされることがない。そのため、第一特徴符号データにおいて、画像中の輪郭部分が保存され、第一特徴符号データから第一特徴画像を復元した際に、該第一特徴画像において画像の輪郭が明確であり、視覚的に画像の内容を的確に認知することが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る画像情報圧縮装置及び画像復元装置のブロック図である。
【0037】
図1において、1は画像圧縮装置、2は画像復元装置である。
【0038】
画像圧縮装置1は、画像入力部3、フレームメモリ4、擬似ヒルベルト走査手段5、第一特徴情報抽出手段6、第一符号化手段7、第二特徴情報抽出手段8、及び第二符号化手段9を備えている。画像入力部3は、装置外部から二次元又は三次元の原画像を入力する機能を有し、具体的には、スキャナやビデオカメラなどの画像入力装置等で構成される。フレームメモリ4は、画像入力部3に入力された原画像を一時的に格納する。擬似ヒルベルト走査手段5は、擬似ヒルベルト走査によりフレームメモリ4に格納された原画像を一次元原データに変換する。第一特徴情報抽出手段6は、一次元原データを所定の関数で近似することにより第一特徴データを生成するとともに、累積誤差を累積誤差メモリ10に格納する。第一符号化手段7は、第一特徴データをエントロピ符号化により情報圧縮することにより、第一特徴符号データを生成する。
【0039】
第二特徴情報抽出手段8は、累積誤差メモリ10、第二特徴データ生成手段11、第二特徴画像復元手段12、判定手段13、判定テーブル14、基底ベクトル記憶手段15、及び直交変換手段16により構成される。累積誤差メモリ10は、一次元原データと第一特徴データとの累積二乗誤差を格納する。第二特徴データ生成手段11は、一次元原データと第一特徴データとの差分を計算することにより一次元の第二特徴データを生成する。第二特徴画像復元手段12は、一次元の第二特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元の第二特徴画像に復元する。判定手段13は、累積誤差メモリ10に格納された累積二乗誤差に基づき、判定テーブル14を参照して、直交変換手段が内積を計算すべき基底ベクトルの組を決定する。判定テーブル14には、累積二乗誤差の大きさに対応して、成分値が有意な大きさとなる基底ベクトルの組との対応関係を表す一覧表が格納されている。この対応関係は、あらかじめ、テストパターンを用いて累積誤差の大きさと各基底ベクトルに対する成分値との関係を求めることによって、累積二乗誤差の大きさに対して必要とされる基底ベクトルの組を割り出し、登録しておく。
【0040】
基底ベクトル記憶手段15は、第二特徴画像を直交変換する際の基底ベクトルの集合からなる基底ベクトルテーブルを格納する。ここで、あらかじめ複数のテストパターン画像を用いて、第二特徴情報を基底ベクトルで張られる空間に展開するに際して、平均的にもっとも有効ないくつかの基底成分を特定し、第二特徴画像をそれらの基底成分に展開するための基底ベクトルを求め、これらの基底ベクトルを基底ベクトルテーブルに格納しておく。直交変換手段16は、基底ベクトル記憶手段15に格納された各基底ベクトルと第二特徴画像との内積を計算する。
【0041】
第二符号化手段9は、内積の組を符号化して第二特徴符号データを生成する機能を有し、量子化部17、及びエントロピ符号化部18からなる。
【0042】
一方、画像復元装置2は、第一復号化手段19、第一特徴画像復元手段20、第二復号化手段21、第二特徴画像復元手段22、原画像復元手段23、画像メモリ24、及び出力手段25を備えている。
【0043】
第一復号化手段19は、第一特徴符号データを復号し第一特徴データを復元する。第一特徴画像復元手段20は、第一特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元の第一特徴画像に復元する。第二復号化手段21は、第二特徴符号データを復号し内積の組及び基底ベクトルを復元する。第二特徴画像復元手段22は、内積の組に基底ベクトルの逆行列を作用させることにより二次元又は三次元の第二特徴画像を復元する。原画像復元手段23は、第一特徴画像に第二特徴画像を加えて原画像を復元する。画像メモリ24は、復元された原画像を格納する。出力手段25は、復元された画像を出力する装置であり、ディスプレイ、プリンタ、ファクシミリ等で構成される。
【0044】
以上のように構成された本実施の形態における画像情報圧縮装置において、以下その画像情報圧縮方法について説明する。
【0045】
図2は本発明の実施の形態1に係る画像情報圧縮方法を表すフローチャートである。
【0046】
まず、画像入力部3から原画像Gが入力されると、原画像Gはフレームメモリ4に格納される(S1)。この場合、入力された原画像が静止画像であれば、原画像Gは二次元の原画像として格納され、動画像であれば、原画像Gは二次元の画像フレームが時間軸方向に何枚も重なった三次元の原画像として格納される。
【0047】
次に、擬似ヒルベルト走査手段5は、フレームメモリ4に格納された原画像Gについて擬似ヒルベルト走査を行うことにより一次元原データG={g:i=1,2,3,・・・,S}に変換する(S2)。ここで、Sは原画像Gに含まれる全画素数を表す。
【0048】
尚、この擬似ヒルベルト走査により一次元に変換された一次元原データGは、原画像Gをラスタ走査やジグザグ走査により一次元原データに変換したものに比べて、スペクトルの高周波成分がきわめて少ないという特性を有する。図3は、ある同一の画像をラスタ走査により一次元化した一次元原データと擬似ヒルベルト走査により一次元化した一次元原データとのパワースペクトルを比較した図であり、(a)は、ラスタ走査により一次元化した一次元原データのパワースペクトルであり、(b)は、擬似ヒルベルト走査により一次元化した一次元原データのパワースペクトルである。ラスタ走査の場合、画像の右端まで走査すると、再び画像の左端に戻って走査をするという動作を繰り返すことによって画像を一次元化するため、一次元原データは画像の幅分の周期を有する。また、画像右端から画像左端に移る際に、画素値に急激な変化が生じるため、高周波成分が生じ、パワースペクトルは、かなり高周波の帯域に渡って広がる。一方、擬似ヒルベルト走査では、空間充填曲線の一種である擬似ヒルベルト曲線に沿って、画像のブロックごとに走査が行われる。一般に画像はブロック内における画素値の相関が大きく、ブロック内においては画素値の変化は平均的に緩やかであるという特性がある。従って、擬似ヒルベルト走査により得られる一次元原データのパワースペクトルは低周波領域に集中し、一般によく用いられているラスタ走査に比べて高周波成分はきわめて小さい。すなわち、擬似ヒルベルト走査により一次元化した一次元原データは、急激に変化する成分は少なく、緩やかに変化する成分が多い。このことは、当該一次元原データを適当な冗長性の大きい関数で近似した場合でも、誤差を小さくすることが可能であることを意味する。従って、近似関数として、画像の特定の特徴を抽出するのに適した関数を選択することによって、画像の特定の特徴成分のみを、きわめて効率よく分離することが可能となる。
【0049】
次に、第一特徴情報抽出手段6は、所定の区間おきに階段状に変化するステップ関数により、一次元原データGを近似した第一特徴データG’={c ,・・・,c:k=1,・・・,M}に変換する(S3)。ここで、連続するcの個数をlとすれば、
【数1】
Figure 0003863775
である。このとき、各区間k(k=1,2,・・・,M)における第一特徴データG’の値cは一次元原データGの該区間k内における平均値に設定される。すなわち、
【数2】
Figure 0003863775
により定まる。ここで、pは第k番目の区間の始点であり、p=1,pk+1=p+lである。また、第一特徴データG’は、各区間k内における一次元原データGと第一特徴データG’との累積二乗誤差e(p,l)が所定の閾値Γ以下となるように各区間に分割される。ここで、累積二乗誤差e(p,l)とは、一次元原データ{gpk+i:i=0,1,2,・・・,l−1}とこの平均値cとの差の二乗を全てのiについて加算したものをいい、
【数3】
Figure 0003863775
により表される。
【0050】
具体的には、次のような逐次処理により区間分割を行う。
【0051】
[1]一次元原データG={g:i=1,2,3,・・・,S}のある画素pからN−1番目の画素までのN個の画素値の平均c(N)を式(数2)と同様に計算し、[2]このc(N)に対して、累積二乗誤差e(p,N)を式(数3)と同様に計算する。このとき、累積二乗誤差e(p,N)が閾値Γ以下の場合、Nを1だけインクリメントし、[1]に戻り同様の処理を繰り返す。累積二乗誤差e(p,N)が閾値Γより大きい場合、この区間kの長さはl=N−1として、第一特徴データG’の区間kの値{g’:i=p,p+1,・・・,p+l−1}をc(N−1)とし、累積二乗誤差e(p,l)を累積誤差メモリ10に格納する(S3)。そして、kを1だけインクリメントし、次の区間について、[1]に戻り同様の処理を行う。
【0052】
このようにして得られた一次元原データGと第一特徴データG’との関係は、図4に示すようになる。
【0053】
図4(a)の破線は一次元原データであり、実線は第一特徴データである。また、図4(b)は第一特徴データであり、図4(a)よりも縦軸のスケールを拡大して示されている。図4において、第一特徴データは、一次元原データ(原画像)のエッジ部分(図4のA,B,Cの部分等)においては、ステップ状に急激に変化し、エッジ以外の部分においては、一次元原データ平均化し、なだらかに変化するため、原画像のエッジ及びコントラストをよく保存するとともに、エッジ及びコントラスト以外のテクスチャ成分は除去されることが分かる。
【0054】
尚、第一特徴情報を抽出するための他の方法として、第一特徴情報抽出手段6は、各区間kにおける第一特徴データG’の値{g’:i=p,p+1,・・・,p+l−1}が一次元原データの該区間内における平均値cであり、かつ、全区間{k:k=1,2,・・・,M}における一次元原データGと第一特徴データG’との累積誤差
【数4】
Figure 0003863775
が最小となるように各区間に分割されたステップ関数により一次元原データGを近似したデータ系列を、第一特徴データG’としてもよい。
【0055】
このようにして生成された第一特徴データG’は、一次元原データGに比べて冗長性が増加しているため、高い符号化効率で圧縮することができる。第一符号化手段7は、第一特徴データG’をエントロピ符号化し(S4)、これを第一特徴符号データとして出力する(S5)。尚、この第一特徴符号データには、イメージ開始符号(SOF)、第一符号化手段において符号化に使用した定義パラメータ群(DP)、イメージ終了符号(EOI)等のマーカ・コードも付加される。第一特徴符号データを復元する際に必要となるからである。
【0056】
一方、第二特徴データ生成手段11は、一次元原データGと第一特徴データG’との差分である一次元の第二特徴データG’={f=g−g’:i=1,2,・・・,S}を生成し(S6)、第二特徴画像復元手段12は、一次元の第二特徴データG’を擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元の第二特徴画像Gに復元する(S7)。次に、直交変換手段16は、第二特徴画像GをM行×N列の部分第二特徴画像{fp,q(i,j):p=1,・・・,L,q=1,・・・,C,i=1,2,・・・,M,j=1,2,・・・,N}に分割する(S8)。ここで、pは第二特徴画像G内の行方向の部分第二特徴画像の位置を表す添字であり、qは第二特徴画像G内の列方向の部分第二特徴画像の位置を表す添字であり、iは部分第二特徴画像fp,q内の行方向の画素の位置を表す添字であり、jは部分第二特徴画像fp,q内の列方向の画素の位置を表す添字である。第二特徴画像Gは、二次元の場合には、行方向にL分割、列方向にC分割されているものとする。また、第二特徴画像Gが三次元の場合には、第二特徴画像Gを時間座標tが等しい画像フレームごとに二次元画像G(t)に分割し、各画像フレームG(t)について、行方向にL分割、列方向にC分割されているものとする。尚、通常は、部分第二特徴画像{fp,q(i,j)}のサイズはM=8画素,N=8画素とされる。
【0057】
次に、直交変換手段16は、基底ベクトル記憶手段15に格納された基底ベクトルテーブルから、基底ベクトル{a(i,j):k=1,・・・,M×N}を取得し、各基底ベクトルa(i,j)と部分第二特徴画像fp,q(i,j)との内積bp,q,kを計算する(S9)。これにより、部分第二特徴画像fp,q(i,j)は基底ベクトル{a(i,j)}により特徴づけられる基底ベクトルで張られる空間に展開される。ここで、基底ベクトル{a(i,j)}は、部分第二特徴画像{fp,q(i,j)}を直交変換する場合の基底ベクトルであり、直交変換としては、KL変換、DCT、DST等が使用される。また、内積bp,q,kは、
【数5】
Figure 0003863775
で与えられる(ここで、fp,q及びaはM×N次のベクトルである)。この内積値が、基底ベクトルで張られる空間における部分第二特徴画像{fp,q(i,j)}の座標値となる。
【0058】
この際、直交変換手段16は、すべての基底ベクトルa(i,j)に関する内積は計算せず、部分第二特徴画像fp,q(i,j)の固有成分が有意な値となる基底ベクトルa(i,j)についてのみ内積を出力する。基底ベクトル{a(i,j)}は、複数のテストパターンを用いて、部分第二特徴画像fp,q(i,j)の直交変換におけるもっとも有効な基底成分に対応する固有ベクトルの組{a(i,j):k=1,・・・,m,m<M×N}をあらかじめ定めておき、この固有ベクトルの組{a(i,j):k=1,・・・,m}を基底ベクトルとして基底ベクトル記憶手段15に格納しておく。この際、部分第二特徴画像fp,q(i,j)のパターンを的確に表現できる基底成分順に、a(i,j),a(i,j),・・・,a(i,j)のように基底ベクトルを配列しておく。判定手段13は、累積誤差メモリ10に格納された累積誤差{e(p,l):k=1,2,・・・,M}の値に基づき、判定テーブルを参照することにより、内積計算に用いる基底ベクトルの組の数mを決定する。そして、直交変換手段16は、判定手段13が判定した数の基底ベクトルの組{a(i,j),a(i,j),・・・,a(i,j)}についてのみ固有値を計算して出力し、他の固有値については0を出力する。このようにすることで、直交変換手段16は必ずしもM×N回の内積演算をする必要はなく、有効な特徴軸に対してm回の内積演算をすればよいため、計算量が低減され、情報圧縮処理の高速化が可能となる。
【0059】
尚、情報圧縮処理の高速性があまり要求されない場合には、直交変換手段16は、すべての基底ベクトルの組{a(i,j)}について内積演算を行い、内積が所定の閾値β以上のもののみ出力し、それ以外のものについては0を出力するようにしてもよい。
【0060】
このように、本実施の形態においては、基底ベクトル{a(i,j)}については、部分第二特徴画像ごとに計算せずあらかじめ基底ベクトル記憶手段15に記憶された基底ベクトルの組{a(i,j):k=1,・・・,m}を用いるため、画像情報圧縮処理時における固有値・基底ベクトルの演算時間は考慮する必要はない。従って、直交変換のうちもっとも部分第二特徴画像fp,q(i,j)のパターンを的確に表現できるKL変換により、あらかじめ複数のテストパターンを用いて最適な基底ベクトルの組{a(i,j):k=1,・・・,m}を決めておき、直交変換手段16は、この基底ベクトルの組{a(i,j):k=1,・・・,m}を用いて内積を計算するようにすることが可能である。KL変換を使用することによって、従来のDCTによる場合に比べ符号化効率を上げることが可能である。
【0061】
直交変換手段16により内積の組{bp,q,k}が出力されると、第二符号化手段はこの内積の組{bp,q,k}を符号化し(S10)、第二特徴符号データとして出力する(S11)。ここで、符号化は、量子化部17より量子化された後、エントロピ符号化部18によりエントロピ符号化が行われ、情報圧縮が行われる。尚、第二特徴符号データには、イメージ開始符号(SOF)、第一符号化手段において符号化に使用した定義パラメータ群(DP)、イメージ終了符号(EOI)等のマーカ・コードも含まれる。また、定義パラメータ群には、直交変換に用いた基底ベクトルの組{a(i,j):k=1,・・・,m}も付加される。第二特徴符号データを復号する際に必要とされるからである。
【0062】
このように、部分第二特徴画像を直交変換し特徴軸に対する内積のみを符号化して第二特徴符号データとするため、高い符号化効率を得ることができる。
【0063】
次に、第一特徴符号データ及び第二特徴符号データから原画像を復元する方法について説明する。
【0064】
図5は実施の形態1における画像情報圧縮方法により符号化された階層データから原画像を復元する方法を表すフローチャートである。
【0065】
まず、第一復号化手段19は、第一符号化手段7から伝送される第一特徴符号データを受信すると(S20)、第一特徴符号データに含まれる符号化された画像を復号し、第一特徴データG’を復元する(S21)。第一特徴画像復元手段20は、第一特徴データG’を擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填することにより、二次元又は三次元の第一特徴画像G’を復元する(S22)。
【0066】
一方、第二復号化手段21は、第二符号化手段9から伝送される第二特徴符号データを受信すると(S23)、第二特徴符号データに含まれる符号化された画像を復号し、内積の組{bp,q,k}を復元する(S24)。また、このとき、第二特徴符号データに含まれる定義パラメータ群から直交変換に用いた基底ベクトルの組{a(i,j):k=1,・・・,m}を取得する。次いで、第二特徴画像復元手段22は、部分第二特徴画像{fp,q’(i,j)}を復元し、復元した部分第二特徴画像{fp,q’(i,j)}から第二特徴画像G を復元する(S25)。
【0067】
ここで、内積の組{bp,q,k}は式(5)で表されるため、部分第二特徴画像{f p,q (i,j)}は次のような演算を行うことで復元される。
【数6】
Figure 0003863775
ここで、M×N次のベクトルa −1は、基底ベクトルaの逆ベクトルである。
【0068】
尚、内積の組{bp,q,k}の非有効成分は、0で近似されているため、復元された第二特徴画像G は、もとの第二特徴画像Gとは完全には一致しないが、よい近似を与える。
【0069】
原画像復元手段23は、第一特徴画像G’と復元された第二特徴画像G とを加えることにより、原画像G”を復元する(S26)。復元された原画像G”は画像メモリ24に格納され、ディスプレイ等の出力手段25に出力される(S27)。
【0070】
このように、特徴分離符号化された原画像データを復号し、復元画像を生成する場合、簡単な行列計算により高速に復元することができる。
【0071】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2に係る画像情報圧縮装置及び画像復元装置のブロック図である。
【0072】
図6において、1は画像圧縮装置、2は画像復元装置、3は画像入力部、4はフレームメモリ、5は擬似ヒルベルト走査手段、6は第一特徴情報抽出手段、7は第一符号化手段、9は第二符号化手段、10は累積誤差メモリ、13は判定手段、14は判定テーブル、15は基底ベクトル記憶手段、16は直交変換手段、17は量子化部、18はエントロピ符号化部、19は第一復号化手段、20は第一特徴画像復元手段、21は第二復号化手段、22は第二特徴画像復元手段、23は原画像復元手段、24は画像メモリ、25は出力手段であり、これらは図1と同様であるため、同符号を付して説明は省略する。
【0073】
本実施の形態においては、第二特徴情報抽出手段30は、第一特徴画像復元手段31及び第二特徴画像生成手段32を有することを特徴とする。第一特徴情報抽出手段6が第一特徴データG’を生成すると、第一特徴画像復元手段31は、第一特徴データG’を擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元の空間に充填し、第一特徴画像G’に復元する。第二特徴画像生成手段32は、原画像Gと第一特徴画像G’との差分を計算し、第二特徴画像G=G−G’を生成する。こうして得られた第二特徴画像Gを、直交変換手段16及び第二符号化手段9により圧縮、符号化するように構成したものである。
【0074】
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3に係る画像情報圧縮装置及び画像復元装置のブロック図である。
【0075】
図7において、1は画像圧縮装置、2は画像復元装置、3は画像入力部、4はフレームメモリ、5は擬似ヒルベルト走査手段、6は第一特徴情報抽出手段、7は第一符号化手段、9は第二符号化手段、10は累積誤差メモリ、11は第二特徴データ生成手段、13は判定手段、14は判定テーブル、15は基底ベクトル記憶手段、17は量子化部、18はエントロピ符号化部、19は第一復号化手段、2は第二号化手段、24は画像メモリ、25は出力手段であり、これらは図1と同様であるため、同符号を付して説明は省略する。
【0076】
本実施の形態においては、第二特徴情報抽出手段33は、基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データとする直交変換手段34を有していることを特徴とする。また、画像復元装置2は、第二特徴データ復元手段35,一次元原データ復元手段36、及び原画像復元手段37を有している。
【0077】
以下、本実施の形態の画像情報圧縮方法について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0078】
図8は本発明の実施の形態3に係る画像情報圧縮方法を表すフローチャートである。
【0079】
図8において、S31〜S36はそれぞれ図2のS1〜S6の動作と同様であるため、説明は省略する。
【0080】
本実施の形態においては、第二特徴データ生成手段11が一次元の第二特徴データG’={f=g−g’:i=1,2,・・・,S}を生成すると(S36)、直交変換手段34は、一次元の第二特徴データG’をM個のデータ系列からなるN組の部分一次元第二特徴データ{f(i):i=1,・・・,M,p=1,・・・,N}に分割する(S37)。ここで、一般には、Mの値としては64画素が用いられる。また、基底ベクトル記憶手段15には、一次元の第二特徴データを直交変換する際の基底ベクトルの集合からなる基底ベクトルテーブルが格納されている。直交変換手段34は、基底ベクトル記憶手段15に格納された基底ベクトルテーブルから、基底ベクトル{a(i):k=1,・・・,M}を取得し、各基底ベクトルa(i,j)と部分一次元第二特徴データ(i)との内積bp,kを計算する(S38)。すなわち、本実施の形態においては内積bp,kは、
【数7】
Figure 0003863775
で与えられる。
【0081】
この際、直交変換手段34は、すべての基底ベクトルa(i)に関する内積は出力せず、部分一次元第二特徴データ(i)の固有成分が有意な値となる基底ベクトルa(i)についてのみ内積を出力する。基底ベクトル{a(i)}は、複数のテストパターンを用いて、部分一次元第二特徴データ(i)の直交変換におけるもっとも有効な特徴軸に対応する基底ベクトルの組{a(i):k=1,・・・,m,m<M}をあらかじめ定めておき、この基底ベクトルの組{a(i):k=1,・・・,m}を基底ベクトル記憶手段15に格納しておく。この際、部分一次元第二特徴データ(i)のパターンを的確に表現できる軸順に、a(i),a(i),・・・,a(i)のように基底ベクトルを配列しておく。判定手段13は、累積誤差メモリ10に格納された累積二乗誤差{e(p,l):k=1,2,・・・,M}の値を参照することにより、内積計算に用いる基底ベクトルの組の数mを決定する。直交変換手段34は、判定手段13が判定した数の基底ベクトルの組{a(i),a(i),・・・,a(i)}についてのみ内積値を計算して出力し、他の基底ベクトルについては0を出力する。このようにすることで、直交変換手段34は必ずしもM回の内積演算をする必要はなく、有効な基底ベクトルに対してm回の内積演算をすればよいため、計算量が低減され、情報圧縮処理の高速化が可能となる。
【0082】
さらに、本実施の形態においては、内積計算の前に二次元又は三次元の第二特徴画像を復元することなく、一次元の第二特徴データG’のまま基底ベクトル{a(i)}との内積を計算し、圧縮、符号化するため、計算量が少なく、特に高速性が要求される場合において適している。
【0083】
直交変換手段34により出力された内積の組{bp,k}は、第二符号化手段9により量子化、エントロピ符号化され(S39)、第二特徴符号データとして出力される(S40)。
【0084】
次に、第一特徴符号データ及び第二特徴符号データから原画像を復元する方法について説明する。
【0085】
図9は実施の形態3における画像情報圧縮方法により符号化された階層データから原画像を復元する方法を表すフローチャートである。
【0086】
まず、第一復号化手段19は、第一符号化手段7から伝送される第一特徴符号データを受信すると(S41)、第一特徴符号データに含まれる符号化された画像を復号し、第一特徴データG’を復元する(S42)。
【0087】
一方、第二復号化手段21は、第二符号化手段9から伝送される第二特徴符号データを受信すると(S43)、第二特徴符号データに含まれる符号化された画像を復号し、内積の組{bp,k}を復元する(S44)。また、このとき、第二特徴符号データに含まれる定義パラメータ群から直交変換に用いた基底ベクトルの組{a(i):k=1,・・・,m}を取得する。次いで、一次元の第二特徴データ復元手段35は、部分一次元第二特徴データ{f’(i)}を復元し、復元した部分一次元第二特徴データ{f’(i)}から一次元の第二特徴データG’を復元する(S45)。
【0088】
ここで、内積の組{bp,k}は式(7)で表されるため、部分一次元第二特徴データ{f’(i)}は次のような演算を行うことで復元される。
【数8】
Figure 0003863775
ここで、M次のベクトルa −1は、基底ベクトルaの逆ベクトルである。
【0089】
尚、内積の組{bp,k}の非有効成分は、0で近似されているため、復元された一次元の第二特徴データG’は、もとの一次元の第二特徴データGとは完全には一致しないが、よい近似を与える。
【0090】
一次元原データ復元手段36は、第一特徴データG’と復元された一次元の第二特徴データG’とを加えることにより、一次元原データG”を復元し(S46)、原画像復元手段37は、一次元原データ”を擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填することにより、二次元又は三次元の原画像G”を復元する(S47)。復元された原画像G”は画像メモリ24に格納され、ディスプレイ等の出力手段25に出力される(S48)。
【0091】
(実施の形態4)
図10は本発明の実施の形態4に係る画像情報圧縮装置及び画像復元装置のブロック図である。
【0092】
図10において、1は画像圧縮装置、2は画像復元装置、3は画像入力部、4はフレームメモリ、5は擬似ヒルベルト走査手段、7は第一符号化手段、8は第二特徴情報抽出手段、9は第二符号化手段、10は累積誤差メモリ、11は第二特徴データ生成手段、12は第二特徴画像復元手段、13は判定手段、14は判定テーブル、15は基底ベクトル記憶手段、16は直交変換手段、17は量子化部、18はエントロピ符号化部、19は第一復号化手段、20は第一特徴画像復元手段、21は第二復号化手段、22は第二特徴画像復元手段、24は画像メモリ、25は出力手段であり、これらは図1と同様のものであるため、同符号を付して説明は省略する。
【0093】
本実施の形態においては、画像入力部3から入力される原画像は、時間方向に連続する複数のフレーム系列から構成される動画像であるものとする。第一特徴情報抽出手段38は、所定のフレームについては、一次元原データよりも冗長性の大きい所定の関数により一次元原データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出するとともに、当該第一特徴データを第一特徴データ記憶手段39に格納する。一方、それ以外のフレームについては、第一特徴データ記憶手段39に格納された過去のフレームの第一特徴データを一次元原データから差し引いた第一差分データを生成し、第一差分データよりも冗長性の大きい所定の関数により第一差分データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出する。
【0094】
第一符号化手段7は、第一特徴データをエントロピ符号化することにより第一特徴符号データを生成するが、符号量判定手段41は、この第一特徴符号データの符号量を計算し、符号量が所定の閾値を超えたか否かを判定する。
【0095】
また、画像復元装置2は、原画像復元手段42及び第一特徴画像記憶手段43を有する。原画像復元手段42は、第一特徴画像復元手段20の生成する第一特徴画像と第二特徴画像復元手段22の生成する第二特徴画像とを加えて復元画像を生成するが、該復元画像が復元された原画像である場合には、該復元画像を復元原画像として画像メモリ24に出力するとともに、第一特徴画像を第一特徴画像記憶手段43に格納する。一方、該復元画像が復元された原画像ではない場合には、原画像復元手段42は、第一特徴画像記憶手段43に格納された第一特徴画像と該復元画像とを加えて復元原画像とし、画像メモリ24に出力する。
【0096】
以上のように構成された本実施の形態の画像圧縮装置において、以下その画像圧縮方法について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0097】
図11は本発明の実施の形態4に係る画像情報圧縮方法を表すフローチャートである。
【0098】
まず、画像入力部3より複数のフレームからなる動画像が入力されると、フレームメモリ4に格納される(S51)。ここでは、あるフレームの原画像Gx0がフレームメモリに格納されてものとする。x(x=1,2,3,・・・)はフレームの番号を表す添字である。擬似ヒルベルト走査手段5は、原画像Gx0を、擬似ヒルベルト走査により一次元原データGx1に変換する(S52)。次に、第一特徴情報抽出手段38は、内部変数として保有する更新フラグを参照する。ここで。「更新フラグ」とは、第一特徴データ記憶手段39に格納されている第一特徴データの更新を行うか否かを判定するためのフラグであり、このフラグがON状態の場合には、第一特徴データ記憶手段39に格納されている第一特徴データの更新を行う。
【0099】
初期状態においては、更新フラグはON状態とされており、最初のフレーム(x=1のフレーム)については、第一特徴情報抽出手段38は、所定の区間おきに階段状に変化するステップ関数により、一次元原データGx1を近似した第一特徴データGx1’に変換するとともに、累積二乗誤差e(p,l)を累積誤差メモリ10に格納する(S54)。この際、第一特徴情報抽出手段38は、第一特徴データGx1’のステップ数n、及びステップ間隔の平均値(平均ステップ間隔)d=S/n(図4(a)参照)又はステップ密度ρ=n/Sについても計算する。ここで、Sは原画像G x0 のサイズ(原画像G x0 の全画素数)である。そして、第一特徴情報抽出手段38は、第一特徴データG x1 を第一特徴データ記憶手段39に格納し、更新フラグをOFF状態にする(S55)。尚、ステップS54における第一特徴情報抽出手段38の動作については、実施の形態1のステップS3の動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0100】
次に、符号量判定手段41は、平均ステップ間隔dが所定の閾値Γ以下又はステップ密度ρが所定の閾値Γρ以上の場合(S56)、更新フラグをON状態とする(S57)。これは、動画像のシーン・チェンジなどにより、画像の時間方向の相関がなくなった場合や、現在のフレーム画像と過去のフレーム画像との相関が低くなった場合において、第一特徴データ記憶手段39に格納されている第一特徴データの更新を行うようにするための動作であり、詳細については後述する。
【0101】
一方、ステップS56において、符号量判定手段41は、平均ステップ間隔dが所定の閾値Γより大きいか又はステップ密度ρが所定の閾値Γρより小さい場合、更新フラグをOFF状態とする(S58)。
【0102】
次に、第一符号化手段7は、第一特徴データGx1’をエントロピ符号化により符号化し(S59)、第一特徴符号データとして出力する(S60)。この際、第一特徴符号データを復元可能とするため、一次元原データを符号化したものであることを示すマーカー符号を付加する。
【0103】
一方、第二特徴情報抽出手段8及び第二符号化手段9は、一次元原データGx1から第一特徴データGx1’を差し引いた残りの第二特徴データGx2’について、符号化を行い、第二特徴符号データとして出力するが(S61〜S66)、この動作は、実施の形態1のステップS6〜S11と同様であるため、ここでは説明は省略する。
【0104】
そして、全てのフレームについて画像情報圧縮処理が終了していない場合は(S67)、ステップS51に戻る。
【0105】
ステップS53において、更新フラグがOFF状態の場合、第一特徴情報抽出手段38は、第一特徴データ記憶手段39に格納されている過去の第一特徴データGy1’(y<x)を取得し、一次元原データGx1から過去の第一特徴データGy1’を差し引いて、第一差分データGx1”を生成する(S68)。そして、第一特徴情報抽出手段38は、所定の区間おきに階段状に変化するステップ関数により、この第一差分データGx1”を近似した第一特徴データGx1’に変換するとともに、累積二乗誤差e(p,l)を累積誤差メモリ10に格納する(S69)。
【0106】
このように、直接一次元原データGx1を符号化せず、一次元原データGx1から過去の第一特徴データGy1’を差し引いた第一差分データGx1”を符号化することで、時間方向に変化の小さい第一特徴情報が差し引かれ、時間方向の冗長度除去が効果的に行われる。この結果、第一特徴情報に関し、高い符号化効率を得ることが可能となる。
【0107】
尚、時間が経過するに従って、時間方向のフレーム間の相関は低下する。これに伴い、第一差分データGx1”において第一特徴情報の情報量が増加していくため、第一差分データGx1”においてある程度第一特徴情報の情報量が増加した時点で第一特徴データ記憶手段39に格納された過去の第一特徴データGy1’(y<x)を更新する必要が生じる。そこで、ステップS56〜S58において、符号量判定手段41により平均ステップ間隔d又はステップ密度ρを監視し、平均ステップ間隔dが所定の閾値Γ以下又はステップ密度ρが所定の閾値Γρ以上となったときに、時間方向のフレーム間の相関が低下したものと判断し、更新フラグをON状態として、第一特徴データ記憶手段39に格納された過去の第一特徴データGy1’(y<x)を更新することとしたものである。これにより、第一特徴情報の符号化において、時間方向の冗長度除去を効果的に行うことができるようになる。
【0108】
また、本実施の形態においては、現在のフレームの原画像Gが過去のフレームの原画像と相関があるか否かの判定は、符号量判定手段41が平均ステップ間隔d又はステップ密度ρと閾値Γ又はΓρとを比較することにより行い、更新フラグを切り替えることとしたが(S56〜S58)、現在のフレームの原画像Gが過去のフレームの原画像と相関があるか否かの判定はこの方法に限られるものではない。例えば、第一特徴データGx1’の符号量Qが閾値Γを超えたか否かにより当該判定を行うことも可能である。すなわち、ステップS56〜S58の代わりに、ステップS60の後に、符号量判定手段41が、第一特徴データGx1’の符号量Qを計算し、符号量Qが閾値Γを超えたか否かを判定し、符号量Qが所定の閾値Γを超えた場合には、更新フラグをON状態とするように構成することも可能である。
【0109】
また、ステップS57において、符号量判定手段41は、まず、現在の更新フラグがON状態かOFF状態かを判定し、OFF状態の場合は、単に更新フラグをON状態とする一方、ON状態の場合、第一特徴情報抽出手段38にステップS54及びS55の動作を行わせた後、更新フラグをON状態とするように構成してもよい。すなわち、S69において第一差分データGx1”を近似して第一特徴データGx1’を生成した結果、その第一特徴データGx1’の平均ステップ間隔dが所定の閾値Γ以下又はステップ密度ρが所定の閾値Γρ以上の場合、現在のフレームの原画像Gと第一特徴データ記憶手段39に格納された過去のフレームの原画像との相関は小さいため、第一差分データGx1”を近似して第一特徴データGx1’を生成したのでは、符号化効率が低下することになる。そこで、かかる場合、再度、一次元原データx1を近似して第一特徴データGx1’を生成しなおすように構成してもよい。
【0110】
次に、第一特徴符号データ及び第二特徴符号データから原画像を復元する方法について説明する。
【0111】
図12は実施の形態4における画像情報圧縮方法により符号化された階層データから原画像を復元する方法を表すフローチャートである。
【0112】
図12において、ステップS71〜S77までの動作については、実施の形態1の図5におけるステップS20〜S26と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0113】
ステップS77において、原画像復元手段42は、復元された第一特徴画像Gx0’と復元された第二特徴画像Gx2 とを加算して、復元画像Gx3を生成する。この復元画像Gx3は、実施の形態1の場合と異なり、時間方向の冗長度除去処理がされているため、復元に当たっては、この除去された冗長度を伸長する必要がある。
【0114】
そこで、原画像復元手段42は、第一特徴符号データに一次元原データであることのマーカが付加されているか否かを調べ、該マーカが付加されている場合(S78)、復元画像Gx3を復元原画像Gx0”として画像メモリ24に格納するとともに(S79)、復元された第一特徴画像Gx0’を第一特徴画像記憶手段43に格納する(S80)。尚、画像メモリ24に格納された復元原画像Gx0”は、ディスプレイ等の出力手段25に出力される。
【0115】
一方、第一特徴符号データに一次元原データであることのマーカが付加されていない場合(S78)、原画像復元手段42は、第一特徴画像記憶手段43より、復元された過去の第一特徴画像G y0 ’(y<x)を取得し(S82)、この第一特徴画像G y0 ’と復元画像Gx3とを加えて復元原画像Gx0”を生成し、画像メモリ24に格納する。画像メモリ24に格納された復元原画像Gx0”は、ディスプレイ等の出力手段25に出力される。
【0116】
そして、これらの処理は、全てのフレームの処理が終了するまで繰り返される(S81)。
【0117】
このように、特徴分離符号化された原画像データを復号し、復元画像を生成する場合、簡単な行列計算により高速に復元することができる。
【0118】
尚、上記各実施の形態の画像情報圧縮装置については、プログラムをコンピュータで実行させることにより、各実施の形態の画像情報圧縮装置を実現するように構成することも可能である。さらに、当該プログラムを記録媒体に記録しておき、記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行させることにより、上記各実施の形態の画像情報圧縮装置を実現するように構成してもよい。
【0119】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、二次元又は三次元原画像を一次元原データに変換するに際して、擬似ヒルベルト走査を用いることにより、走査方向に沿った画素データの相関性が大きく、そのため、第一特徴データにより近似した場合、画像に含まれるコントラスト成分及びエッジ成分をテクスチャ成分から効果的に分離することができる。
【0120】
そのため、第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に写像した場合の有効な特徴軸(基底成分)の画像パターン依存性が小さく、圧縮画像ごとに基底ベクトルを計算しなくても、テストパターンを用いてあらかじめ基底ベクトルを計算しておき、これを基底ベクトルテーブルに登録し、参照して用いることができる。
【0121】
また、基底ベクトルで張られる空間における各座標軸に対する第二特徴画像の座標値は、いくつかの基底ベクトルに対する固有値のみが有意な値をもち、その他の固有値は略0になるため、いくつかの有意な値を持つ基底ベクトルのみを残してあとは0で近似することで、第二特徴画像を圧縮できる。
【0122】
これにより、画像情報圧縮方式において、高速で符号化効率の高い画像圧縮方式を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る画像情報圧縮装置及び画像復元装置のブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る画像情報圧縮方法を表すフローチャートである。
【図3】 ある同一の画像をラスタ走査により一次元化した一次元原データと擬似ヒルベルト走査により一次元化した一次元原データとのパワースペクトルを比較した図である。
【図4】 一次元原データGと第一特徴データG’との関係を表す図である。
【図5】 実施の形態1における画像情報圧縮方法により符号化された階層データから原画像を復元する方法を表すフローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態2に係る画像情報圧縮装置及び画像復元装置のブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態3に係る画像情報圧縮装置及び画像復元装置のブロック図である。
【図8】 本発明の実施の形態3に係る画像情報圧縮方法を表すフローチャートである。
【図9】 実施の形態3における画像情報圧縮方法により符号化された階層データから原画像を復元する方法を表すフローチャートである。
【図10】 本発明の実施の形態4に係る画像情報圧縮装置及び画像復元装置のブロック図である。
【図11】 本発明の実施の形態4に係る画像情報圧縮方法を表すフローチャートである。
【図12】 実施の形態4における画像情報圧縮方法により符号化された階層データから原画像を復元する方法を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像圧縮装置
2 画像復元装置
3 画像入力部
4 フレームメモリ
5 擬似ヒルベルト走査手段
6 第一特徴情報抽出手段
7 第一符号化手段
8 第二特徴情報抽出手段
9 第二符号化手段
10 累積誤差メモリ
11 第二特徴データ生成手段
12 第二特徴画像復元手段
13 判定手段
14 判定テーブル
15 基底ベクトル記憶手段
16 直交変換手段
17 量子化部
18 エントロピ符号化部
19 第一復号化手段
20 第一特徴画像復元手段
21 第二復号化手段
22 第二特徴画像復元手段
23 原画像復元手段
24 画像メモリ
25 出力手段
30 第二特徴情報抽出手段
31 第一特徴画像復元手段
32 第二特徴画像生成手段
33 第二特徴情報抽出手段
34 直交変換手段
35 第二特徴データ復元手段
36 一次元原データ復元手段
37 原画像復元手段
38 第一特徴情報抽出手段
39 第一特徴データ記憶手段
40 第一符号化手段
41 符号量判定手段
42 原画像復元手段
43 第一特徴画像記憶手段

Claims (18)

  1. 原画像の特徴分離符号化を行う画像情報圧縮方法において、
    二次元又は三次元の原画像を擬似ヒルベルト走査により一次元原データに変換する手順、
    所定の区間をおいて階段状に変化するステップ関数により前記一次元原データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出する手順、
    前記第一特徴情報を符号化して第一特徴符号データとする手順、
    前記原画像から前記第一特徴情報を差し引いて第二特徴情報を抽出する手順、及び、
    前記第二特徴情報を基底ベクトルテーブルに格納された基底ベクトルを用いて基底ベクトルで張られる空間に展開するとともに、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴情報の成分値の一部を符号化して第二特徴符号データとする手順、
    を有し、
    前記一次元原データを近似するステップ関数は、
    前記各区間における前記第一特徴データのデータ値が、前記一次元原データの該区間内における平均値に等しく、かつ、前記一次元原データと前記第一特徴データとの全区間に渡る累積誤差が最小となるように前記各区間に分割されたデータ系列からなるステップ関数、又は、
    前記各区間における前記第一特徴データのデータ値が、前記一次元原データの該区間内における平均値に等しく、かつ、前記一次元原データと前記第一特徴データとの各区間内における累積誤差が所定の閾値以下となるように前記各区間に分割されたデータ系列からなるステップ関数であり、
    前記第二特徴情報を抽出する手順において、
    前記一次元原データから前記第一特徴データを差し引いた第二特徴データを生成し、
    前記第二特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填して第二特徴画像を復元し、
    基底ベクトルテーブルに格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開し、
    前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴画像の成分値を符号化して第二特徴符号データとすることを特徴とする画像情報圧縮方法。
  2. 前記原画像は、時間方向に連続する複数のフレーム系列から構成されており、
    前記第一特徴情報を抽出する手順において、
    所定のフレームについては、前記ステップ関数により前記一次元原データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出するとともに、前記第一特徴データを第一特徴データ記憶手段に格納し、
    それ以外のフレームについては、第一特徴データ記憶手段に格納された過去のフレームの第一特徴データを前記一次元原データから差し引いた第一差分データを生成し、前記ステップ関数により前記第一差分データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出することを特徴とする請求項1記載の画像情報圧縮方法。
  3. 前記第二特徴情報を抽出する手順において、
    前記第一特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填して第一特徴画像を復元し、
    前記原画像から前記第一特徴画像を差し引いた第二特徴画像を生成し、
    基底ベクトルテーブルに格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開するとともに、
    前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴画像の成分値を符号化して第二特徴符号データとする請求項1又は2に記載の画像情報圧縮方法。
  4. 前記第二特徴情報を抽出する手順において、
    前記一次元原データから前記第一特徴データを差し引いた第二特徴データを生成し、
    基底ベクトルテーブルに格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴データを基底ベクトルで張られる空間に展開するとともに、
    前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データとする請求項1又は2に記載の画像情報圧縮方法。
  5. 前記第二特徴情報を符号化する手順において、前記基底ベクトルで張られる空間内の前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値が所定の閾値以上となる基底ベクトルについてのみ、該基底ベクトルに対する前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データとする請求項乃至の何れか一項に記載の画像情報圧縮方法。
  6. 前記第二特徴情報を符号化する手順において、前記一次元原データと前記第一特徴データとの累積誤差に基づき、前記第二特徴画像又は前記第二特徴データを展開すべき前記基底ベクトルを決定し、前記決定された基底ベクトルに対して前記第二特徴画像又は前記第二特徴データを展開し、該基底ベクトルに対する前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データとする請求項乃至の何れか一項に記載の画像情報圧縮方法。
  7. 原画像の特徴分離符号化を行う画像情報圧縮装置において、
    二次元又は三次元の原画像を擬似ヒルベルト走査により一次元原データに変換する擬似ヒルベルト走査手段と、
    所定の区間をおいて階段状に変化するステップ関数により前記一次元原データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出する第一特徴情報抽出手段と、
    前記第一特徴情報を符号化して第一特徴符号データを生成する第一符号化手段と、
    前記原画像から前記第一特徴情報を差し引いて第二特徴情報を抽出する第二特徴情報抽出手段と、
    前記第二特徴情報を基底ベクトルテーブルに格納された基底ベクトルを用いて基底ベクトルで張られる空間に展開するとともに、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴情報の成分値の一部を符号化して第二特徴符号データを生成する第二符号化手段と、
    を備え、
    前記第一特徴情報抽出手段が前記一次元原データを近似するステップ関数は、
    前記各区間における前記第一特徴データのデータ値が、前記一次元原データの該区間内における平均値に等しく、かつ、前記一次元原データと前記第一特徴データとの全区間に渡る累積誤差が最小となるように前記各区間に分割されたデータ系列からなるステップ関数、又は、
    前記各区間における前記第一特徴データのデータ値が、前記一次元原データの該区間内における平均値に等しく、かつ、前記一次元原データと前記第一特徴データとの各区間内における累積誤差が所定の閾値以下となるように前記各区間に分割されたデータ系列からなるステップ関数であり、
    前記第二特徴情報抽出手段は、
    前記一次元原データ又は前記第一差分データから前記第一特徴データを差し引いた第二特徴データを生成する第二特徴データ生成手段と、
    前記第二特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填して第二特徴画像を復元する第二特徴画像復元手段と、
    前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開する際の基底ベクトルの集合である基底ベクトルテーブルを格納する基底ベクトル記憶手段と、
    前記基底ベクトル記憶手段に格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開する直交変換手段と、
    を具備し、
    前記第二符号化手段は、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴画像の成分値を符号化して第二特徴符号データを生成することを特徴とする画像情報圧縮装置。
  8. 前記原画像は、時間方向に連続する複数のフレーム系列から構成されており、
    第一特徴データを格納する第一特徴データ記憶手段を具備し、
    前記第一特徴情報抽出手段は、
    所定のフレームについては、前記ステップ関数により前記一次元原データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出するとともに、前記第一特徴データを第一特徴データ記憶手段に格納し、
    それ以外のフレームについては、前記第一特徴データ記憶手段に格納された過去のフレームの第一特徴データを前記一次元原データから差し引いた第一差分データを生成し、前記ステップ関数により前記第一差分データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出することを特徴とする請求項記載の画像情報圧縮装置。
  9. 前記第二特徴情報抽出手段は、
    前記第一特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填して第一特徴画像を復元する第一特徴画像復元手段と、
    前記原画像から前記第一特徴画像を差し引いた第二特徴画像を生成する第二特徴画像生成手段と、
    前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開する際の基底ベクトルの集合である基底ベクトルテーブルを格納する基底ベクトル記憶手段と、
    基底ベクトル記憶手段に格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開する直交変換手段と、
    を具備し、
    前記第二符号化手段は、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴画像の成分値を符号化して第二特徴符号データを生成することを特徴とする請求項又はに記載の画像情報圧縮装置。
  10. 前記第二特徴情報抽出手段は、
    前記一次元原データ又は前記第一差分データから前記第一特徴データを差し引いた第二特徴データを生成する第二特徴データ生成手段と、
    前記第二特徴データを基底ベクトルで張られる空間に展開する際の基底ベクトルの集合である基底ベクトルテーブルを格納する基底ベクトル記憶手段と、
    前記基底ベクトル記憶手段に格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴データを基底ベクトルで張られる空間に展開する直交変換手段と、
    を具備し、
    前記第二符号化手段は、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データを生成することを特徴とする請求項又はに記載の画像情報圧縮装置。
  11. 前記第二符号化手段は、前記基底ベクトルで張られる空間内の前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値が所定の閾値以上となる基底ベクトルについてのみ、該基底ベクトルに対する前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データを生成することを特徴とする請求項乃至10の何れか一項に記載の画像情報圧縮装置。
  12. 前記一次元原データと前記第一特徴データとの累積誤差に基づき、前記第二特徴画像又は前記第二特徴データを展開すべき前記基底ベクトルを決定する判定手段を有し、
    前記直交変換手段は、前記判定手段により決定された基底ベクトルに対して前記第二特徴画像又は前記第二特徴データを展開し、
    前記第二符号化手段は、前記第二特徴画像又は前記第二特徴データが展開された基底ベクトルに対する前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データを生成することを特徴とする請求項乃至10の何れか一項に記載の画像情報圧縮装置。
  13. 原画像の特徴分離符号化を行う画像情報圧縮プログラムにおいて、コンピュータを、
    二次元又は三次元の原画像を擬似ヒルベルト走査により一次元原データに変換する擬似ヒルベルト走査手段、
    所定の区間をおいて階段状に変化するステップ関数により前記一次元原データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出する第一特徴情報抽出手段、
    前記第一特徴情報を符号化して第一特徴符号データを生成する第一符号化手段、
    前記原画像から前記第一特徴情報を差し引いて第二特徴情報を抽出する第二特徴情報抽出手段、及び、
    前記第二特徴情報を基底ベクトルテーブルに格納された基底ベクトルを用いて基底ベクトルで張られる空間に展開するとともに、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴情報の成分値の一部を符号化して第二特徴符号データを生成する第二符号化手段、
    として機能させるとともに、
    前記第一特徴情報抽出手段が前記一次元原データを近似するステップ関数は、
    前記各区間における前記第一特徴データのデータ値が、前記一次元原データの該区間内における平均値に等しく、かつ、前記一次元原データと前記第一特徴データとの全区間に渡る累積誤差が最小となるように前記各区間に分割されたデータ系列からなるステップ関数、又は、
    前記各区間における前記第一特徴データのデータ値が、前記一次元原データの該区間内における平均値に等しく、かつ、前記一次元原データと前記第一特徴データとの各区間内における累積誤差が所定の閾値以下となるように前記各区間に分割されたデータ系列からなるステップ関数であり、
    前記第二特徴情報抽出手段は、
    前記第一特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填して第一特徴画像を復元する第一特徴画像復元手段、
    前記原画像から前記第一特徴画像を差し引いた第二特徴画像を生成する第二特徴画像生成手段、
    前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開する際の基底ベクトルの集合である基底ベクトルテーブルを格納する基底ベクトル記憶手段、及び、
    基底ベクトル記憶手段に格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開する直交変換手段、
    として機能し、
    前記第二符号化手段は、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴画像の成分値を符号化して第二特徴符号データを生成することを特徴とする画像情報圧縮プログラム。
  14. 時間方向に連続する原画像の特徴分離符号化を行う画像情報圧縮プログラムにおいて、コンピュータを、第一特徴データを格納する第一特徴データ記憶手段として機能させ、
    前記第一特徴情報抽出手段は、
    所定のフレームについては、前記ステップ関数により前記一次元原データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出するとともに、前記第一特徴データを第一特徴データ記憶手段に格納し、
    それ以外のフレームについては、第一特徴データ記憶手段に格納された過去のフレームの第一特徴データを前記一次元原データから差し引いた第一差分データを生成し、前記ステップ関数により前記第一差分データを近似して第一特徴データを生成することにより第一特徴情報を抽出することを特徴とする請求項13記載の画像情報圧縮プログラム。
  15. 前記第二特徴情報抽出手段は、
    前記一次元原データ又は前記第一差分データから前記第一特徴データを差し引いた第二特徴データを生成する第二特徴データ生成手段、
    前記第二特徴データを擬似ヒルベルト走査により二次元又は三次元空間に充填して第二特徴画像を復元する第二特徴画像復元手段、
    前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開する際の基底ベクトルの集合である基底ベクトルテーブルを格納する基底ベクトル記憶手段、及び、
    前記基底ベクトル記憶手段に格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴画像を基底ベクトルで張られる空間に展開する直交変換手段、
    として機能し、
    前記第二符号化手段は、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴画像の成分値を符号化して第二特徴符号データを生成することを特徴とする請求項13又は14に記載の画像情報圧縮プログラム。
  16. 前記第二特徴情報抽出手段は、
    前記一次元原データ又は前記第一差分データから前記第一特徴データを差し引いた第二特徴データを生成する第二特徴データ生成手段、
    前記第二特徴データを基底ベクトルで張られる空間に展開する際の基底ベクトルの集合である基底ベクトルテーブルを格納する基底ベクトル記憶手段、及び、
    前記基底ベクトル記憶手段に格納された基底ベクトルを用いて前記第二特徴データを基底ベクトルで張られる空間に展開する直交変換手段、
    として機能し、
    前記第二符号化手段は、前記基底ベクトルで張られる空間内の所定の基底ベクトルに対する前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データを生成することを特徴とする請求項13又は14に記載の画像情報圧縮プログラム。
  17. 前記第二符号化手段は、前記基底ベクトルで張られる空間内の前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値が所定の閾値以上となる基底ベクトルについてのみ、該基底ベクトルに対する前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データを生成することを特徴とする請求項13乃至16の何れか一項に記載の画像情報圧縮プログラム。
  18. コンピュータを、前記一次元原データと前記第一特徴データとの累積誤差に基づき、前記第二特徴画像又は前記第二特徴データを展開すべき前記基底ベクトルを決定する判定手段として機能させ、
    前記直交変換手段は、前記判定手段により決定された基底ベクトルに対して前記第二特徴画像又は前記第二特徴データを展開し、
    前記第二符号化手段は、前記第二特徴画像又は前記第二特徴データが展開された基底ベクトルに対する前記第二特徴画像又は前記第二特徴データの成分値を符号化して第二特徴符号データを生成することを特徴とする請求項13乃至16の何れか一項に記載の画像情報圧縮プログラム。
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