JP4957572B2 - 画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラムに関し、特に、圧縮された画像を復号して得られる画像のブロック歪みを軽減する画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
画像信号に代表される2次元信号を記録媒体に格納する場合や通信ネットワークを介して伝送する場合には、記録媒体や通信ネットワークを効率的に利用するために信号の圧縮あるいは符号化が不可欠である。DCT(Discrete Cosine Transform :離散コサイン変換)を用いた符号化や予測符号化等の種々の符号化方式が提案され、実際に使用されている。
また、近年では、階層符号化が可能であり、ブロック歪みが起こりにくい等の利点があるウェーブレット変換を用いた画像圧縮が注目されている。特に、ウェーブレット関数としてHAAR関数を用いるHAARウェーブレット変換は、計算が単純で処理を高速に行えることから、画像圧縮への応用が広く検討されている。
また、ブロック歪みを軽減するための装置が種々提案されている。例えば、特許文献1には、画像内のブロックの境界を挟んで隣接する画素同士を平均化し、ブロックの中央部分については平均化を行わなわず、ブロックの外縁部分の画素のみに限って一様に平滑化処理を行うブロックノイズ除去システムが記載されている。
また、例えば、特許文献2には、復号後の画像にローパスフィルタをかけて画像を平滑化する画像処理装置が記載されている。特許文献2に記載の画像処理装置は、ローパスフィルタをかける際に、ブロックの境界からの距離やエッジ量に応じてローパスフィルタの係数を変えることによって、適応的にブロック歪みを修正する。
特開平9−275560号公報 特開2003−199106号公報
HAARウェーブレット変換は、処理を高速で行える一方で、HAAR関数の非連続性のために、特に高圧縮時では2×2画素のブロック歪みが生じてしまう。この種のブロック歪みは、元画像の該当箇所がなだらかなグラデーションであったと仮定すれば、復号後の画像に平滑化処理を行うことで削減することができ、ブロック歪みのない元のなだらかなグラデーションを再現することができる。
しかし、特許文献1に記載されたブロックノイズ除去システムは、ブロックの外縁部分の画素を一様に平滑化するため、ブロックの境界付近に、物体の輪郭や文字等の特徴的な画素パターン(すなわちエッジ)があると、平滑化処理によってそのエッジが鈍ってしまう。例えば、輪郭や文字がはっきりしなくなってしまう。
また、特許文献2に記載された画像処理装置は、エッジ強度に応じてローパスフィルタの係数を変化させ、エッジ周辺で平滑化強度を弱めることで、エッジが鈍るという問題の解決を図っている。しかし、エッジの抽出は処理量が多いため、画素毎にブロックの周辺領域の画素値からエッジを求めることは、高速な復号処理が要求される場面では好ましくない。例えば、各画素のエッジ強度を求めるために、1画素毎に、その周辺の4画素や8画素を参照して差分をとったり、畳み込み演算を行う必要があり、処理量が多くなる。そのため、高速な復号が要求される場合には適さない。
そこで、本発明は、元画像のエッジを鈍らせることなく、高速にブロック歪みを軽減することができる画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、直交変換、量子化、および符号化が行われることによって圧縮された画像から復号された復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に前記4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの画素を抽出する画素抽出手段と、前記画素抽出手段が抽出した4つの画素の画素値の平均値である補間値を算出する補間値計算手段と、前記量子化における量子化粒度を示す量子化粒度情報が入力され、前記量子化粒度に応じて、4つの画素の各画素値と補間値との差との大小関係が比較される閾値を選択する閾値選択手段と、前記画素抽出手段が抽出した4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも、前記閾値選択手段が選択した閾値以下であることを条件に、前記4つの画素の個々の画素値を、当該画素値と補間値との平均値に変更する平滑化手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の画像処理システムは、画像を圧縮するエンコーダ部と、圧縮された画像を復号するデコーダ部とを備え、前記エンコーダ部が、画像に対して、直交変換、量子化、および符号化を行うことにより圧縮画像を生成する圧縮手段と、前記圧縮画像を出力する画像出力手段と、前記量子化における量子化粒度を示す量子化粒度情報を出力する量子化粒度出力手段とを含み、前記デコーダ部が、前記圧縮画像を復号して復号画像を生成する画像復号手段と、前記復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に前記4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの画素を抽出する画素抽出手段と、前記画素抽出手段が抽出した4つの画素の画素値の平均値である補間値を算出する補間値計算手段と、前記量子化粒度情報が示す量子化粒度に応じて、4つの画素の各画素値と補間値との差との大小関係が比較される閾値を選択する閾値選択手段と、前記画素抽出手段が抽出した4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも前記閾値選択手段に選択された閾値以下であることを条件に、前記4つの画素の個々の画素値を、当該画素値と補間値との平均値に変更する平滑化手段とを含むことを特徴とする。
また、本発明の画像処理方法は、直交変換、量子化、および符号化が行われることによって圧縮された画像から復号された復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に前記4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの画素を抽出し、前記4つの画素の画素値の平均値である補間値を算出し、前記量子化における量子化粒度を示す量子化粒度情報を参照し、前記量子化粒度に応じて、前記4つの画素の各画素値と補間値との差との大小関係が比較される閾値を選択し、前記4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも、前記閾値以下であることを条件に、前記4つの画素の個々の画素値を、当該画素値と補間値との平均値に変更することを特徴とする。
また、本発明の画像処理プログラムは、コンピュータに、直交変換、量子化、および符号化が行われることによって圧縮された画像から復号された復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に前記4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの画素を抽出する画素抽出処理、前記画素抽出処理で抽出した4つの画素の画素値の平均値である補間値を算出する補間値計算処理、前記量子化における量子化粒度を示す量子化粒度情報を参照し、前記量子化粒度に応じて、4つの画素の各画素値と補間値との差との大小関係が比較される閾値を選択する閾値選択処理、および前記画素抽出処理で抽出した4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも、前記閾値選択処理で選択した閾値以下であることを条件に、前記4つの画素の個々の画素値を、当該画素値と補間値との平均値に変更する平滑化処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、元画像のエッジを鈍らせることなく、高速にブロック歪みを軽減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
実施形態1.
図1は、本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。第1の実施形態の画像処理装置は、画像復号手段1と、画素抽出手段2と、補間値計算手段3と、平滑化手段4とを備える。
画像復号手段1には圧縮された画像が入力され、画像復号手段1は、その圧縮された画像を復号する。画像復号手段1には、例えば、圧縮された画像を記憶する記憶装置(図示せず。)や、通信ネットワークを介して接続される画像圧縮装置(図1において図示せず。)から、圧縮された画像(以下、圧縮画像と記す。)が入力される。
なお、圧縮画像を生成する装置は、以下のように圧縮画像を生成する。まず、圧縮前の元画像に対して直交変換を行う。直交変換の例として、DCT変換(離散コサイン変換)、ウェーブレット変換等がある。また、ウェーブレット変換の種類には、ウェーブレット関数としてHAAR関数を用いるHAARウェーブレット変換があり、元画像に対してHAARウェーブレット変換を行ってもよい。続いて、直交変換後(例えばHAARウェーブレット変換後)の画像に対して、量子化および符号化を行う。量子化の後に行う符号化の例として、例えば、ハフマン符号化、算術符号化等が挙げられるが、他の符号化処理を行ってもよい。このように、元画像に対して直交変換、量子化、および符号化を行って得られた圧縮画像が、画像復号手段1に入力される。
画像復号手段1は、入力された圧縮画像に対して、上記の符号化、量子化、および直交変換の逆変換を順に行うことによって圧縮画像を復号する。例えば、圧縮画像が原画像に対してウェーブレット変換、量子化およびハフマン符号化を行うことによって生成されている場合、画像復号手段1は、圧縮画像に対してハフマン符号化の逆変換、逆量子化、逆ウェーブレット変換を順に行うことによって圧縮画像を復号すればよい。なお、量子化の後に行う符号化の逆変換を復号と称する場合もあるが、ここでは、符号化の逆変換、量子化処理の逆変換、および直交変換の逆変換の順に行われる処理全体を復号と称する。また、復号によって得られた画像を、復号画像と記す。
画素抽出手段2は、圧縮画像から復号された復号画像を2×2画素のブロックに分割する。そして、画素抽出手段2は、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロックにおける中央部分に位置していて、互いに異なるブロックに属する4つの画素(以下、平滑化対象画素と記す。)を抽出する。画素抽出手段2は、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に、4つの平滑化対象画素を抽出する。
補間値計算手段3は、画素抽出手段2が抽出した4つの平滑化対象画素の画素値の平均値である補間値を算出する。
平滑化手段4は、画素抽出手段2が抽出した4つの平滑化対象画素それぞれの画素値と、補間値計算手段3が算出した補間値との差を計算し、その差と閾値とを比較する。本例では、閾値は予め定められているものとする。そして、平滑化手段4は、4つの平滑化対象画素それぞれの画素値と補間値との差が全て閾値以下であることを条件に、その4つの平滑化対象画素の個々の画素値と補間値とを合成する。ここで、画素値と補間値との合成とは、画素値をその画素値と補間値との平均値に変更することである。平滑化手段4は、4つの平滑化対象画素それぞれの画素値と補間値との差のうち、いずれか1つでも閾値より大きければ、その4つの平滑化対象画素について補間値との合成を行わない。
画像復号手段1、画素抽出手段2、補間値計算手段3、および平滑化手段4は、例えば、プログラム(画像処理プログラム)に従って動作するCPUによって実現されてもよい。
次に、動作について説明する。
図2は、第1の実施形態の画像処理装置の処理経過の例を示すフローチャートである。まず、画像復号手段1は、例えば、画像圧縮を行う外部装置等から圧縮画像が入力されると、その圧縮画像を復号する(ステップA1)。画像復号手段1は、画像圧縮する方法に対応する復号方法で画像を復号すればよい。例えば、元画像に対してHAARウェーブレット変換、量子化、およびハフマン符号化を行うことによって圧縮画像が生成されている場合、画像復号手段1は、入力された圧縮画像にハフマン符号化の逆変換を行い、その結果に対して逆量子化を行い、さらに逆量子化の結果に対してHAARウェーブレット変換の逆変換を行う。ここでは、ハフマン符号化の逆変換やHAARウェーブレット変換の逆変換を行う場合を示したが、画像復号手段1の処理はこれらの処理に限定されず、画像復号手段1は圧縮時の処理に対応する復号方法で復号を行えばよい。
ステップA1の後、画素抽出手段2は、復号によって得られた復号画像から4つの平滑化対象画素を抽出する(ステップA2)。図3は、平滑化対象画素を示す説明図であり、図3を参照してステップA2の処理を説明する。図3において、破線は個々の画素を表している。また、太い実線は、2×2画素のブロックを表している。さらに、二点鎖線で示した領域と重なる画素(例えば、図3に示す画素Pや画素Q)は、平滑化対象画素である。
ステップA2において、画素抽出手段2は、復号画像を2×2画素のブロックに分割する。図3に示す例では、復号画像10を、2×2の4つの画素を含むブロック11〜16等のブロックに分割する。
そして、画素抽出手段2は、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロックにおける中央部分に位置していて、互いに異なるブロックに属する4つの平滑化対象画素を抽出する。例えば、図3に示す4つのブロック11〜14の配置では、縦横それぞれに2個ずつブロックが並んで配置されている。そして、この4つのブロック11〜14において、ブロック11〜14の中央部分に位置していて、互いに異なるブロックに属している画素は、図3に示す4つの画素Pである。従って、画素抽出手段2は、4つのブロック11〜14に関しては、4つの画素Pを平滑化対象画素として抽出する。4つの平滑化対象画素を一組抽出したならば、ステップA3に移行する。なお、画素抽出手段2は、ステップA2で抽出した平滑化対象画素の画素値をメモリに記憶させる。後述のステップA4,A5において、平滑化手段4は、そのメモリを参照してステップA4,A5の処理を行えばよい。また、次に述べるステップA3においてもそのメモリを参照してステップA3を行えばよい。
ステップA3では、補間値計算手段3は、ステップA2で抽出された4つの平滑化対象画素における補間値を算出する(ステップA3)。例えば、ステップA2で、4つの平滑化対象画素P(図3参照)が抽出されたとする。この場合、補間値計算手段3は、その4つの平滑化対象画素Pの画素値の平均値を算出し、その平均値を補間値とする。
平滑化手段4は、ステップA2で画素抽出手段2が抽出した4つの平滑化対象画素それぞれの画素値と、ステップA3で補間値計算手段3が算出した補間値との差を計算する。そして、平滑化手段4は、その差と閾値とを比較し、計算した差が全て閾値以下であるか否かを判定する(ステップA4)。
計算した差が全て閾値以下であると判定した場合(ステップA4のY)、平滑化手段4は、ステップA2で抽出された4つの平滑化対象画素の個々の画素値と補間値とを合成する。すなわち、個々の平滑化対象画素毎に、画素値と補間値との平均値を算出し、その画素値を、計算した平均値に変更する(ステップA5)。この処理によって、平滑化対象画素は平滑化される。すなわち、ステップA5の処理は、平滑化対象画素を平滑化する処理である。なお、画素値と補間値との平均値として、例えば、相加平均を求めればよいが、加重平均を求めてもよい。
また、ステップA4において、計算した差のうちいずれか1つでも閾値より大きいと判定した場合(ステップA4のN)、または、ステップA5の処理を実行した後、例えば、画素抽出手段2は、未だ抽出していない平滑化対象画素があるか否かを判定する(ステップA6)。
未抽出の平滑化対象画素があれば(ステップA6のY)、ステップA2に以降の処理を繰り返す。なお、最初にステップA2を行ったときに、復号画像を2×2画素のブロックに分割する処理を全て行っている場合、2回目以降のステップA2では、分割処理は行わずに、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロックから4つの平滑化対象画素を抽出すればよい。このようにして、本発明の画像処理装置は、図3に例示する平滑化対象画素Pの組や、平滑化対象画素Qの組毎にステップA2以降の処理を行う。
また、未抽出の平滑化対象画素がないと判定された場合(ステップA6のN)、平滑化手段4は、復号画像に上記の処理を行って得た平滑化画像を出力し(ステップA7)、処理を終了する。ステップA7の出力態様は特に限定されない。例えば、ステップA7において画像を表示出力してもよい。あるいは、他の装置に出力してもよい。
次に、本実施形態の効果について説明する。
画像に対して非可逆な圧縮を行うと、四角いモザイク状の歪み(ブロック歪み)が発生する場合がある。特に画像を圧縮するときにHAARウェーブレット変換を行うと、2×2画素のブロックの境界でブロック歪みが発生しやすい。本発明の、画素抽出手段2は、復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの平滑化対象画素を抽出し、その平滑化対象画素に対してステップA4以降の処理を行う。従って、ブロック歪みを低減することができる。
平滑化手段4は、ステップA4で計算した差が全て閾値以下である場合にステップA5の処理(平滑化)を行う。ステップA4で計算した差が全て閾値以下であるということは、言い換えれば、平滑化対象画素が全て似た色であるということである。よって、その平滑化対象画素は、エッジではないので、ステップA5の平滑化を行っても、エッジの鈍りは生じない。また、ステップA4で計算した差のうち閾値よりも大きいものがあるということは、平滑化対象画素の色に差があり、エッジ部分である可能性がある。このような部分に関しては、平滑化手段4はステップA5の処理を行わない。よって、エッジ部分の平滑化によるエッジの鈍りを生じさせずに、ブロック歪みのみを低減することができる。
また、本発明では、4つの平滑化対象画素を参照して平滑化処理を行うか否かの判定を行い、その後平滑化を行う(ステップA4,A5)。そのため、平均すると1画素あたり1画素のメモリ参照で処理することが可能となるため、メモリアクセス数が少なく、高速に平滑化処理を行うことができる。
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。
直交変換としてHAARウェーブレット変換を行って圧縮された圧縮画像では、2×2画素のブロックの境界の中でも、特に、4×4画素、8×8画素、16×16画素、・・・のブロックの境界で、より強くブロック歪みが発生しやすい特徴がある。一般に、ウェーブレット変換時のサブバンドの階層数をNとし、kを1以上N以下の整数とすると、2×2画素の分割ブロックにおいて、kが大きいほどブロック歪みが生じやすい。
既に説明したように、ステップA5で画素値と補間値との平均値を計算するときには、相加平均を求めてもよいし、加重平均を求めてもよいが、本変形例では、nを2以上の整数とすると、画素抽出手段2がステップA2で抽出した平滑化対象画素が、復号画像を2×2画素毎に分割したブロックである2×2画素ブロックの頂点部分の画素である場合、平滑化手段4は補間値の合成比率をより高くして合成を行う。すなわち、平滑化手段4は、ステップA2で抽出された4つの平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素である場合には、4つの平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素でない場合よりも、補間値により多く重み付けして(換言すれば、補間値の重み付け係数をより大きくして)、画素値と補間値の加重平均を求めればよい。そして、その画素値を、算出した加重平均に変更すればよい。
図4は、2×2画素ブロックの頂点部分の平滑化対象画素の例を示す説明図である。図4、破線は個々の画素を表している。また、二点鎖線で示した領域と重なる画素が平滑化対象画素は平滑化対象画素である。図4では、2×2画素ブロック(すなわち4×4画素ブロック)を太い実線で表している。図4に示す平滑化対象画素Aは、4×4画素ブロックの頂点部分に位置する平滑化対象画素である。また、図4に示す平滑化対象画素Bは、2×2画素ブロック(すなわち8×8画素ブロック)の頂点部分に位置する平滑化対象画素である。平滑化手段4は、図4に例示する平滑化対象画素Aや平滑化対象画素B等に対してステップA5の処理を行う場合、補間値の合成比率をより高くすればよい。
本変形例では、2×2画素ブロックの頂点部分の平滑化対象画素に対しては、補間値の合成比率を高めて平滑化対象画素の画素値と補間値とを合成する。従って、大きいブロック歪みが発生しやすい箇所の平滑化対象画素に対する平滑化強度をより高めることができる。
ここでは、平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分であるか否かによって、画素値と補間値との平均値計算方法を変える場合を示したが、画素値と補間値との平均値計算方法を変化させるのではなく、ステップA4で用いる閾値(画素値と補間値との差と比較される閾値)を変えてもよい。平滑化手段4は、ステップA2で抽出された4つの平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素である場合には、4つの平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素でない場合よりも、ステップA4で用いる閾値を大きくしてもよい。すなわち、平滑化手段4は、ステップA4において、平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素であるならば、そうでない場合よりも大きな値の閾値を用いて、4つの平滑化対象画素の各画素値と補間値との差がいずれもその閾値以下であるか否かを判定すればよい。
図4に示す例では、平滑化対象画素Aや平滑化対象画素B等に対してステップA4の判定を行うときには、他の平滑化対象画素に対してステップA4の判定を行うときよりも、大きな閾値で判定すればよい。
閾値を大きくするということは、ステップA5に移行しやすくなるということであるので、大きなブロック歪みが発生しやすい部分について、平滑化処理が行われやすくなるようにすることができる。
実施形態2.
図5は、本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。第2の実施形態の画像処理システムは、元画像を圧縮した圧縮画像を生成するエンコーダ部31と、圧縮画像を復号して復号画像を平滑化するデコーダ部7とを備える。
エンコーダ部31は、圧縮対象となる画像(元画像)を符号化して圧縮画像を生成する画像符号化手段32を備える。具体的には、画像符号化手段32は、圧縮手段33と、量子化粒度出力手段34とを有する。
圧縮手段33は、元画像に対して直交変換、量子化、および符号化を行うことによって元画像から圧縮画像を生成する。圧縮手段33は、直交変換として、例えば、HAARウェーブレット変換等のウェーブレット変換を行ってもよい。あるいは、DCT変換等の他の直交変換を行ってもよい。圧縮手段33は、値の範囲をステップサイズ毎に区切り、それぞれの範囲に属する直交変換後の値を、その範囲の中央値に量子化する。また、圧縮手段33は、符号化として、例えば、ハフマン符号化を行ってもよい。あるいは、算術符号化等の他の符号化を行ってもよい。圧縮手段33は、生成した圧縮画像(元画像の圧縮データ)をデコーダ部7に出力する。
量子化粒度出力手段34は、圧縮手段33が行う量子化における量子化粒度(ステップサイズ)を示す情報をデコーダ部7に出力する。ここでは、量子化粒度は、量子化におけるステップサイズであり、量子化粒度(ステップサイズ)が大きいほど、量子化が粗くなり、量子化粒度(ステップサイズ)が小さいほど量子化が細かくなるものとする。
なお、ここでは、圧縮手段33が圧縮データをデコーダ部7に出力し、量子化粒度出力手段34が量子化粒度を示す情報(以下、量子化粒度データ)をデコーダ部7に出力する場合を示しているが、量子化粒度データと圧縮データとを別々に保存、送信するのではなく、一つにまとめたデータとして送信してもよい。例えば、量子化粒度出力手段34が量子化粒度データと圧縮データとをまとめてデコーダ部7に送信してもよい。
デコーダ部7は、圧縮画像を復号し、復号画像を平滑化する画像処理装置である。デコーダ部7は、画像復号手段1と、画素抽出手段2と、補間値計算手段3と、平滑化手段4と、閾値選択手段5を備える。
画像復号手段1、画素抽出手段2、補間値計算手段3、および平滑化手段4の動作は、第1の実施形態における動作と同様である。ただし、平滑化手段4は、画素値と補間値との差と比較する閾値として、閾値選択手段5が選択した閾値を用いる。
閾値選択手段5には、量子化粒度出力手段34が出力した量子化粒度データが入力される。閾値選択手段5は、量子化粒度データが示す量子化粒度(ステップサイズ)に応じた閾値を選択する。例えば、デコーダ部7は、種々の量子化粒度に対応する閾値を予め記憶する記憶装置(図示せず。)を備え、閾値選択手段5は、閾値記憶手段に記憶されている複数の閾値の中から量子化粒度に応じた閾値を選択してもよい。
どのような量子化粒度に対してどのような閾値を対応付けるのかは、予め定めておけばよい。量子化粒度が大きいほど(量子化が粗いほど)、圧縮歪みが生じやすい。そのため、量子化粒度が大きいほど、大きな値の閾値と対応付け、量子化粒度が小さいほど、小さな値の閾値と対応付けることが好ましい。ステップサイズが小さく量子化が細かい場合には、圧縮歪みはそれほど顕著でないと考えられる。そして、その場合、小さな値の閾値を選択して、微細なエッジを保存することができる。
閾値選択手段5が選択した閾値が、平滑化対象画素に対する平滑化処理を行うか否かの判定において用いられる。
画像復号手段1、画素抽出手段2、補間値計算手段3、平滑化手段4、および閾値選択手段5は、例えば、プログラム(画像処理プログラム)に従って動作するCPUによって実現されてもよい。
次に、エンコーダ部31の動作について説明する。
図6は、第2の実施形態におけるエンコーダ部31の処理経過の例を示すフローチャートである。圧縮手段32は、圧縮対象の元データに対して直交変換(例えばHAARウェーブレット変換)、量子化、および符号化(例えばハフマン符号化)を行い、圧縮データを生成する(ステップB1)。
量子化粒度出力手段34は、量子化粒度データをデコーダ部7に出力する(ステップB2)。この量子化粒度データは、ステップB1で行った量子化における量子化粒度を示す。また、ステップB2では、圧縮手段33は、生成した圧縮データ(圧縮画像)をデコーダ部7に出力する。
次に、デコーダ部7の動作について説明する。
図7は、第2の実施形態におけるデコーダ部7の処理経過の例を示すフローチャートである。第1の実施形態で説明した動作と同様の動作については、図2と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
画像復号手段1は、ステップB2でエンコーダ部7が出力した圧縮画像が入力されると、その圧縮画像を復号し、復号画像を生成する(ステップA1)。画像復号手段1は、ステップB1における画像圧縮方法に対応する復号方法で復号すればよい。すなわち、ステップB1における符号化の逆変換、ステップB1における量子化の逆変換、およびB1における直交変換の逆変換を順に圧縮画像に対して行えばよい。
次に、閾値選択手段5は、ステップB2でエンコーダ部7が出力した量子化粒度データに応じて、閾値を選択する(ステップC1)。既に説明したように、量子化粒度(ステップサイズ)は値が大きいほど、大きな値の閾値に対応付けられていることが好ましい。このように量子化粒度と閾値とを対応付けているとすると、ステップC1では、量子化粒度が大きいほど、大きな値の閾値が選択され、量子化粒度が小さいほど、小さな値の閾値が選択される。
次に、画素抽出手段2は、ステップA1で得られた復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロックから4つの平滑化対象画素を抽出する(ステップA2)。
次に、補間値計算手段3は、ステップA2で抽出された4つの平滑化対象画素の画素値の平均値を計算して補間値とする(ステップA3)。
次に、平滑化手段4は、ステップA2で抽出された4つの平滑化対象画素それぞれの画素値と、ステップA3で算出された補間値との差を計算する。そして、平滑化手段4は、その差と、閾値選択手段5がステップC1で選択した閾値とを比較し、計算した差が全てその閾値以下であるか否かを判定する(ステップA4)。このように、本実施形態では、ステップC1で選択された閾値を用いて判定を行う。
計算した差が全て閾値以下であると判定した場合(ステップA4のY)、平滑化手段4は、ステップA2で抽出された4つの平滑化対象画素の個々の画素値と補間値とを合成する(ステップA5)。ステップA5により、平滑化対象画素は平滑化される。
また、ステップA4において、計算した差のうち、いずれか1つでも閾値より大きいと判定した場合(ステップA4のN)、または、ステップA5の処理を実行した後、例えば、画素抽出手段2は、未だ抽出していない平滑化対象画素があるか否かを判定する(ステップA6)。
未抽出の平滑化対象画素があれば(ステップA6のY)、ステップA2に以降の処理を繰り返す。また、未抽出の平滑化対象画素がないと判定された場合(ステップA6のN)、平滑化手段4は、平滑化画像を出力し(ステップA7)、処理を終了する。
次に、第2の実施形態の効果について説明する。第2の実施形態では、エンコーダ部31は、画像圧縮時の量子化における量子化粒度を、圧縮データとともに出力する。そして、デコーダ部7の閾値選択手段5は、平滑化対象画素がエッジに相当する部分であるか否かを判定するステップA4において用いる閾値を、量子化粒度に応じて選択する。このような構成により、圧縮歪みの程度に応じた適切な強度で平滑化対象画素を平滑化することができ、ステップA7で出力される画像における元画像の再現性を向上させることができる。
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態の変形例と同様に、平滑化手段5は、ステップA5において以下のように画素値と補間値との平均値を計算してもよい。すなわち、nを2以上の整数とすると、ステップA2で抽出された4つの平滑化対象画素が復号画像を2×2画素毎に分割したブロックである2×2画素ブロックの頂点部分の画素である場合、ステップA2で抽出された4つの平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素でない場合よりも、補間値により多く重み付けして(換言すれば、補間値の重み付け係数をより大きくして)、画素値と補間値の加重平均を求めてもよい。そして、その画素値を、算出した加重平均に変更すればよい。
このように、平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素である場合に、補間値の合成比率を高めて画素値と補間値を合成することにより、大きいブロック歪みが発生しやすい箇所の平滑化対象画素に対する平滑化強度をより高めることができる。
また、第1の実施形態の変形例で説明したように、画素値と補間値との平均値計算方法を変化させるのではなく、ステップA4で用いる閾値(画素値と補間値との差と比較される閾値)を変えてもよい。すなわち、平滑化手段4は、ステップA2で抽出された4つの平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素である場合には、4つの平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素でない場合よりも、ステップA4で用いる閾値を大きくしてもよい。
この場合、各量子化粒度に対して、平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素であるときに用いる閾値と、平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素でないときに用いる閾値とをそれぞれ対応付けておけばよい。例えば、各量子化粒度に対して上記の複数の閾値を対応付けて、デコーダ部7が備える記憶装置(図示せず。)に予め記憶させておけばよい。同一の量子化粒度に対しては、平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素であるときに用いる閾値は、平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素でないときに用いる閾値よりも大きな値として定めておくことが好ましい。
そして、ステップC1において、閾値選択手段5は、エンコーダ部7が出力した量子化粒度データに応じて、平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素であるときに用いる閾値と、平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素でないときに用いる閾値とを、それぞれ選択する。平滑化手段4は、ステップA4において、平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素であるか否かによって、閾値選択手段5が選択した各閾値を切り換えて用いればよい。
このように、4つの平滑化対象画素が2×2画素ブロックの頂点部分である場合の閾値を、そうでない場合の閾値よりも大きくすることにより、大きなブロック歪みが発生しやすい部分について、平滑化処理が行われやすくなるようにすることができる。
以下、第1の実施形態の実施例を説明する。図8は、第1の実施例の動作を模式的に示す説明図である。図3に示す左上の図において、破線は個々の画素を表し、実線は2×2画素のブロックを表す。さらに、二点鎖線で示した領域と重なる画素は、平滑化対象画素である。また、図中に示す「37」、「51」等は、平滑化対象画素の画素値である。ここでは、「37」、「51」等の画素値が、輝度値(色のYUV表現におけるY)であるものとして説明する。
画像復号手段1(図1参照)が、ステップA1の復号処理を行った結果、図3に示す画素値(「37」、「51」等)が得られたとする。画素抽出手段2は、復号画像を2×2ブロックに分割して、4つの平滑化対象画素を抽出する(ステップA2)。
まず、画素抽出手段2が平滑化対象画素701(図8参照)を抽出した場合について説明する。補間値計算手段3は、平滑化対象画素701の各画素値の平均値を計算することにより補間値を求める(ステップA3)。平滑化対象画素701の各画素値は、「37」、「51」、「39」、「45」であるので、補間値計算手段3は、(37+51+39+45)÷4=43を計算する。よって、補間値は43となる。
次に、平滑化手段4は、平滑化対象画素701の各画素値「37」、「51」、「39」、「45」と、補間値との差を計算し、全ての差が閾値以下になっているか否かを判定する(ステップA4)。ここでは、閾値は20であるとする。補間値「43」と、平滑化対象画素701の各画素値との差は全て20以下であるので、ステップA5に移行する。
ステップA5において、平滑化手段4は、平滑化対象画素701の各画素値「37」、「51」、「39」、「45」と、補間値「43」とを合成する。すなわち、画素値「37」を、37と補間値43との平均値40に変更する。他の画素値についても同様に処理を行い、「51」、「39」、「45」を、それぞれ「47」、「41」、「44」に変更する。
次に、画素抽出手段2が平滑化対象画素702(図8参照)を抽出した場合について説明する。補間値計算手段3は、平滑化対象画素702の各画素値の平均値を計算することにより補間値を求める(ステップA3)。平滑化対象画素702の各画素値は、「46」、「51」、「45」、「82」であるので、、補間値計算手段3は、(46+51+45+82)÷4=56を計算する。よって、補間値は56である。
次に、平滑化手段4は、平滑化対象画素702の各画素値「46」、「51」、「45」、「82」と、補間値との差を計算し、全ての差が閾値(本例では20)以下になっているか否かを判定する(ステップA4)。画素値「82」と補間値56との差は26であり、閾値20より大きくなっている。よって、平滑化対象画素702に関しては、ステップA5の平滑化を行わない。
このように、画素抽出手段2が抽出する平滑化対象画素の組毎に、ステップA3以降の処理を行う。4つの平滑化対象画素単位で、平滑化対象画素がエッジに該当するか否かを判定し(ステップA4)、エッジに該当しない場合のみ平滑化処理(ステップA5)を行うので、元画像における物体の輪郭や文字等の特徴を鈍らせずに、ブロック歪みを軽減することができる。
なお、上記の例では、画素値が輝度値(YUV表現におけるY)である場合を例にして説明したが、他の成分U,Vに関しても、補間値の計算、輝度値と補間値との差を求め閾値と比較する処理、平滑化を行ってもよい。また、RGB表現における各成分について、上記の処理を行ってもよい。
次に、第2の実施形態の実施例を説明する。ここでは、エンコーダ部31が画像圧縮を行うサーバ装置であり、デコーダ部7が画像を復号するクライアント装置である場合を例にして説明する。図9は、サーバ装置およびクライアント装置の動作を模式的に示す説明図である。図9中に記載したQsizeおよびステップ数は、ステップサイズを意味している。
サーバ装置(デコーダ部)31は、元画像をウェーブレット変換し、ウェーブレット係数をステップ量子化することで情報量を削減し、ハフマン符号化して送信する。このとき、サーバ装置31は、ステップ量子化のステップサイズを符号化データ(圧縮データ)をとともにクライアント装置7に送信する。本例では、サーバ装置31は、ステップサイズ「3」で量子化を行い、そのステップサイズ「3」をクライアント装置7に送信する。
本例では、クライアント装置7は、各ステップサイズ1,2,3,・・・と、閾値40,30,20との対応関係を示す情報を予め保持しているものとする。クライアント装置7は、受信した圧縮データを復号し、また、ステップサイズ「3」に対応する閾値「20」を選択する。そして、ステップA2以降の処理を行う(図7参照)。ステップA4では、選択した閾値「20」を用いる。
なお、サーバ装置31は、設定された固定のステップサイズで量子化を行ってもよい。あるいは、通信ネットワークの帯域幅や圧縮データサイズに応じて動的にステップサイズを変更してもよい。この場合であっても、サーバ装置31は、量子化におけるステップサイズをクライアント装置7に送信し、クライアント装置7はそのステップサイズに応じた閾値を選択する。よって、ステップサイズに応じて平滑化を適切に行われることになるため、元画像の再現性をより向上させることができる。
また、サーバ装置31は、ステップサイズを画像全体で一律に定めるのではなく、画像のレイアウトに関する情報(写真領域、文字領域を示す情報)や、領域毎の画素値の変化量等を基準に、元画像内の各領域毎にステップサイズを変更して量子化を行ってもよい。その場合、サーバ装置31は、画素毎あるいは各領域毎に、量子化におけるステップサイズをクライアント装置7に送信する。そして、クライアント装置7は、対応する画素毎あるいは各領域毎に、ステップサイズに応じた閾値を選択し、その閾値を用いてステップA4の判定処理を行う。
次に、本発明の概要を説明する。図10は、本発明の画像処理装置の概要を示すブロック図である。本発明の画像処理装置は、画素抽出手段82(例えば、実施形態における画素抽出手段2)と、補間値計算手段83(例えば、実施形態における補間値計算手段3)と、平滑化手段84(例えば、実施形態における平滑化手段4)とを備える。
画素抽出手段82は、圧縮された画像から復号された復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に、その4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの画素を抽出する。
補間値計算手段83は、画素抽出手段82が抽出した4つの画素の画素値の平均値である補間値を算出する。
平滑化手段84は、画素抽出手段82が抽出した4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも閾値以下であることを条件に、その4つの画素の個々の画素値を、その画素値と補間値との平均値に変更する。
そのような構成により、元画像のエッジを鈍らせることなく、高速にブロック歪みを軽減することができる。
また、圧縮された画像は、直交変換、量子化、および符号化が行われることによって圧縮された画像であってもよい。そして、その量子化における量子化粒度を示す量子化粒度情報が入力され、量子化粒度に応じて、4つの画素の各画素値と補間値との差との大小関係が比較される閾値を選択する閾値選択手段(例えば、実施形態における閾値選択手段5)を備え、平滑化手段84が、4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも、閾値選択手段が選択した閾値以下であることを条件に、4つの画素の個々の画素値を、その画素値と補間値との平均値に変更する構成であってもよい。
また、平滑化手段84が、画素抽出手段82が抽出した4つの画素が、復号画像を2×2画素(n:2以上の整数)毎に分割した2×2画素ブロックの頂点部分の画素である場合、画素値と補間値との平均値として、4つの画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素でない場合よりも補間値により多く重み付けした加重平均を計算する構成であってもよい。
あるいは、平滑化手段84が、画素抽出手段82が抽出した4つの画素が、復号画像を2×2画素(n:2以上の整数)毎に分割した2×2画素ブロックの頂点部分の画素である場合には、2×2画素ブロックの頂点部分の画素でない場合よりも大きい閾値を用いて、4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも閾値以下であるか否かを判定する構成であってもよい。
圧縮された画像は、HAARウェーブレット変換、量子化、および符号化が行われることによって圧縮された画像であってもよい。
また、圧縮された画像を復号して復号画像を生成する画像復号手段(例えば、実施形態における画像復号手段1)を備える構成であってもよい。
また、図11は、本発明の画像処理システムの概要を示すブロック図である。本発明の画像処理システムは、画像を圧縮するエンコーダ部90(例えば、実施形態におけるエンコーダ部31)と、圧縮された画像を復号するデコーダ部80(例えば、実施形態におけるデコーダ部7)とを備える。
エンコーダ部90は、圧縮手段91(例えば、実施形態における圧縮手段33)と、画像出力手段92(例えば、実施形態における圧縮手段33)と、量子化粒度出力手段93(例えば、実施形態における量子化粒度出力手段34)とを含む。
圧縮手段91は、画像に対して、直交変換、量子化、および符号化を行うことにより圧縮画像を生成する。画像出力手段92は、その圧縮画像を出力する。量子化粒度出力手段93は、量子化における量子化粒度を示す量子化粒度情報を出力する。
デコーダ部80は、画像復号手段81(例えば、実施形態における画像復号手段1)と、画素抽出手段82と、補間値計算手段83と、平滑化手段84と、閾値選択手段85(例えば、実施形態における閾値選択手段5)とを含む。
画像復号手段81は、画像出力手段92が出力した圧縮画像を復号して復号画像を生成する。
画素抽出手段82は、復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に、その4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの画素を抽出する。
補間値計算手段83は、画素抽出手段82が抽出した4つの画素の画素値の平均値である補間値を算出する。
閾値選択手段85は、量子化粒度情報が示す量子化粒度に応じて、4つの画素の各画素値と補間値との差との大小関係が比較される閾値を選択する。
平滑化手段84は、画素抽出手段82が抽出した4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも閾値選択手段85に選択された閾値以下であることを条件に、4つの画素の個々の画素値を、その画素値と補間値との平均値に変更する。
そのような構成により、元画像のエッジを鈍らせることなく、高速にブロック歪みを軽減することができる。また、平滑化した画像における元画像の再現性を向上させることができる。
本発明は、圧縮画像から復号された復号画像に対して平滑化を行う画像処理装置に好適に適用される。
本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。 第1の実施形態の画像処理装置の処理経過の例を示すフローチャートである。 平滑化対象画素を示す説明図である。 ×2画素ブロックの頂点部分の平滑化対象画素の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。 エンコーダ部の処理経過の例を示すフローチャートである。 デコーダ部の処理経過の例を示すフローチャートである。 第1の実施例の動作を模式的に示す説明図である。 サーバ装置およびクライアント装置の動作を模式的に示す説明図である。 本発明の概要を示すブロック図である。 本発明の概要を示すブロック図である。
符号の説明
1 画像復号手段
2 画素抽出手段
3 補間値計算手段
4 平滑化手段
5 閾値選択手段
7 デコーダ部
31 エンコーダ部
32 画像符号化手段
33 圧縮手段
34 量子化粒度出力手段

Claims (8)

  1. 直交変換、量子化、および符号化が行われることによって圧縮された画像から復号された復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に前記4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの画素を抽出する画素抽出手段と、
    前記画素抽出手段が抽出した4つの画素の画素値の平均値である補間値を算出する補間値計算手段と、
    前記量子化における量子化粒度を示す量子化粒度情報が入力され、前記量子化粒度に応じて、4つの画素の各画素値と補間値との差との大小関係が比較される閾値を選択する閾値選択手段と、
    前記画素抽出手段が抽出した4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも、前記閾値選択手段が選択した閾値以下であることを条件に、前記4つの画素の個々の画素値を、当該画素値と補間値との平均値に変更する平滑化手段とを備える
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 平滑化手段は、前記画素抽出手段が抽出した4つの画素が、復号画像を2×2画素(n:2以上の整数)毎に分割した2×2画素ブロックの頂点部分の画素である場合、画素値と補間値との平均値として、4つの画素が2×2画素ブロックの頂点部分の画素でない場合よりも補間値により多く重み付けした加重平均を計算する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 平滑化手段は、前記画素抽出手段が抽出した4つの画素が、復号画像を2×2画素(n:2以上の整数)毎に分割した2×2画素ブロックの頂点部分の画素である場合には、2×2画素ブロックの頂点部分の画素でない場合よりも大きい閾値を用いて、4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも閾値以下であるか否かを判定する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 圧縮された画像は、HAARウェーブレット変換、量子化、および符号化が行われることによって圧縮された画像である
    請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 圧縮された画像を復号して復号画像を生成する画像復号手段を備える
    請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 画像を圧縮するエンコーダ部と、
    圧縮された画像を復号するデコーダ部とを備え、
    前記エンコーダ部は、
    画像に対して、直交変換、量子化、および符号化を行うことにより圧縮画像を生成する圧縮手段と、
    前記圧縮画像を出力する画像出力手段と、
    前記量子化における量子化粒度を示す量子化粒度情報を出力する量子化粒度出力手段とを含み、
    前記デコーダ部は、
    前記圧縮画像を復号して復号画像を生成する画像復号手段と、
    前記復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に前記4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの画素を抽出する画素抽出手段と、
    前記画素抽出手段が抽出した4つの画素の画素値の平均値である補間値を算出する補間値計算手段と、
    前記量子化粒度情報が示す量子化粒度に応じて、4つの画素の各画素値と補間値との差との大小関係が比較される閾値を選択する閾値選択手段と、
    前記画素抽出手段が抽出した4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも前記閾値選択手段に選択された閾値以下であることを条件に、前記4つの画素の個々の画素値を、当該画素値と補間値との平均値に変更する平滑化手段とを含む
    ことを特徴とする画像処理システム。
  7. 直交変換、量子化、および符号化が行われることによって圧縮された画像から復号された復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に前記4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの画素を抽出し、
    前記4つの画素の画素値の平均値である補間値を算出し、
    前記量子化における量子化粒度を示す量子化粒度情報を参照し、前記量子化粒度に応じて、前記4つの画素の各画素値と補間値との差との大小関係が比較される閾値を選択し、
    前記4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも、前記閾値以下であることを条件に、前記4つの画素の個々の画素値を、当該画素値と補間値との平均値に変更する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  8. コンピュータに、
    直交変換、量子化、および符号化が行われることによって圧縮された画像から復号された復号画像を2×2画素のブロックに分割し、縦横それぞれに2個ずつ並ぶ4つのブロック毎に前記4つのブロックにおける中央部分に位置していて互いに異なるブロックに属する4つの画素を抽出する画素抽出処理、
    前記画素抽出処理で抽出した4つの画素の画素値の平均値である補間値を算出する補間値計算処理
    前記量子化における量子化粒度を示す量子化粒度情報を参照し、前記量子化粒度に応じて、4つの画素の各画素値と補間値との差との大小関係が比較される閾値を選択する閾値選択処理、および
    前記画素抽出処理で抽出した4つの画素の各画素値と補間値との差がいずれも、前記閾値選択処理で選択した閾値以下であることを条件に、前記4つの画素の個々の画素値を、当該画素値と補間値との平均値に変更する平滑化処理
    を実行させるための画像処理プログラム。
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