JP3863269B2 - 電子部品自動供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、キャリアテープに収容された電子部品のピッチ送りを、安定よくかつ確実に行なうことができる電子部品自動供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品の組み立て等の業界にあって、キャリアテープに収容された電子部品を所定ピッチで装着機へ送り込む自動装置は、例えば、特公昭59−7611号公報や特開平5−196112号公報,特開昭59−228798号公報,特開昭63−178592号公報等により種々知られている。
【0003】
これらの装置は、キャリアテープの送りのための駆動源がエアーシリンダを用いており、また、そのピッチ送りのための機構は、ラチェット機構が採用されている。
【0004】
したがって、駆動源にエアシリンダを用いる装置は、その作動状態が瞬間的に行なわれて、送られるキャリアテープの送り速度が衝撃的となって、キャリアテープに挿入されている電子部品がこの衝撃振動により踊ってしまい、装着機においての電子部品の受け取りに不都合を生じさせる。
【0005】
このエアシリンダ式は、駆動用エアの応動にあってその遅れを生ずることがあり、送り機構部の応答性が低下して装着機との連係不良による電子部品の供給ミスを起こす。
【0006】
また、エアシリンダ式は、その送り部が急激に作動するため、キャリアテープ自体の送り速度を制御することが困難であって、送り速度の安定性がない。
【0007】
更に、送り機構にラチェット機構を用いた装置は、これにより、キャリアテープが後退しない、いわゆる、逆転防止効果は得られるものであるが、テープを供給する前進方向に対しては任意に移動するため、キャリアテープの位置決めが不安定となって、装着機において電子部品の取り出し不良を起こす原因となり、また、送りピッチの変更がしにくい。
【0008】
特に、これらエアシリンダとラチェット機構の組み合わせによる装置は、該装置自体が複雑となってメンテナンスが面倒となり、装置コストも高騰する。
等の様々な問題点を有するものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記した問題点を解決するためになされたもので、駆動手段により一方向へ回転自在に支承させた駆動軸へカム部材を固着して、該カム部材のカム面へ当接する第一移動体をこの外周の第二移動体とを連係させ、該第一移動体の昇降および進退運動によりキャリアテープの送り受孔に係脱自在となる送り部材を取り付けることにより、キャリアテープの送りが滑らかとなって安定かつ確実な電子部品供給が可能となり、希望する送り速度によるキャリアテープの送りを行なうことができる電子部品自動供給装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するための本発明の手段は、長尺状のキャリアテープに電子部品を所定ピッチで多数収容して、電子部品の収容ピッチに合わせて多数穿設させた送り受孔により、前記電子部品を処理機に向かって搬送する電子部品自動供給装置にあって、キャリアテープの送り方向とは交差する横方向を軸線方向とし駆動手段により一方向へ回転自在に支承させた駆動軸と、この駆動軸へ固着し、外周面をカム面とする一つのカム部材と、前記カム部材のカム面へ当接してこのカム部材の回転運動により昇降およびキャリアテープの送り方向と平行な前後方向に進退運動する第一移動体と、この第一移動体に係合させて前記カム部材の回転運動により昇降または前記前後方向に進退運動する第二移動体と、前記第一移動体に取り付けてキャリアテープの送り受孔に係脱自在となる送り部材とを備え、前記第一移動体は、前記駆動軸の軸線方向から見てカム部材に外接するロ字状に形成され、前記第二移動体は、前記駆動軸の軸線方向から見て前記第一移動体を囲むロ字状に形成され、かつ前記第一移動体を上下方向と前後方向とのうち一方にのみ移動自在に保持するとともに、カム部材に対して他方にのみ移動自在に構成されている電子部品自動供給装置の構成にある。
【0011】
そして、前記カム部材により作動される前記第一または第二移動体に連係させて、前記送り部材がキャリアテープの送り受孔に係合しているとき他の送り受孔には非係合状態で、前記送り部材がキャリアテープの送り受孔に非係合状態のとき他の送り受孔に係合する位置決め手段とを備え、前記位置決め手段は、第二移動体にその一端を取り付けたアームと、前記アームの他端部に連係させて昇降自在となる止め部材とからなる電子部品自動供給装置の構成にある。
【0013】
更に、
駆動手段またはこの駆動手段により作動される各部材の少なくともその一部材に連係させて、送り部材によるキャリアテープの一送り動作を検出する検出手段と、この検出手段に接続させた制御手段とを備えさせる。
【0014】
更にまた、
駆動軸へ固着したカム部材は、駆動手段に接続した回転数可変手段により回転制御させ、該カム部材の回転数によりキャリアテープにおける電子部品の送りピッチを任意に設定させる。
【0015】
駆動軸へ固着したカム部材は、駆動手段に接続した回転速度可変手段により回転速度制御させ、該カム部材の回転速度によりキャリアテープにおける電子部品の送り速度を任意に設定させる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明に関する電子部品自動供給装置の実施の一例を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1および図2においてAは電子部品自動供給装置で、図4に示すような、長尺状のキャリアテープbに電子部品cを所定ピッチで多数収容して、電子部品cの収容ピッチに合わせて多数一連状に穿設させた送り受孔dにより、この電子部品cを処理機(図示せず)に向かって搬送するもので、駆動軸1と、カム部材2と、第一移動体3aと、第二移動体3bと、送り部材4と、および、位置決め手段5とにより基本的に構成される。
【0018】
そして、前記した駆動軸1は、図1および図2に示すように、キャリアテープbの送り方向とは交差する横方向を軸線方向とし、駆動手段6により一方向へ回転自在となり機体(図示せず)に支承させてある。
【0019】
前記したカム部材2は、駆動軸1へ固着してあって、縦方向に対してキャリアテープbの送り受孔dの深さ以上で、送り受孔dの穿設ピッチに、すなわち、電子部品cの収容ピッチに少なくとも合致する移動量が得られる大径部2aと小径部2bとからなる扇状の偏心状態に軸支される。
【0020】
なお、前記した駆動手段6は、減速機7を備えた慣用のモータ8が用いられるもので、この駆動手段6は、後記する検出手段や回転数可変手段,回転速度可変手段等を制御手段を介して接続してある。
【0021】
また、この駆動手段6は、モータ以外の動力源として、エアシリンダを使い、直線運動を回転運動に変える手段(図示せず)とすることも考えられるもので、他に、希望する回転駆動が得られる手段であれば任意のものが採用し得る。
【0022】
前記した第一移動体3aは、図1および図2に示すように、前記駆動軸1の軸線方向から見てカム部材2に外接するロ字状に形成されている。この第一移動体3aは、カム部材2のカム面が上下の横受部11a,11bと左右の縦受部11c,11dとを設けて、このカム部材2の回転運動によりその大径部2aと小径部2bとの寸法差だけの平行四辺形状の昇降運動および進退運動が行なわれる。
【0023】
前記した第二移動体3bは、前記駆動軸1の軸線方向から見て前記第一移動体3aを囲むロ字状に形成されている。この第二移動体3bは、第一移動体3aに係合させてカム部材2の回転運動により昇降または進退運動するもので、図1に示す場合は、該第二移動体3bは、その左右両側部が縦ガイド10,10により左右方向の進退移動が規制されている。すなわち、第二移動体3bは、前記第一移動体3aを上下方向と前後方向とのうち一方にのみ移動自在に保持するとともに、カム部材2に対して他方にのみ移動自在に構成されている。
【0024】
そして、カム部材2におけるカム面の大径部2aが、図1において矢印pの方向に回転すると、第一移動体3aの上横受部11aに当接するまで、第一移動体3aの上摺動部12aが第二移動体3bの上横受部13aに当接しているため該第二移動体3bを上昇させる。
【0025】
続いて、左縦受部11cにカム部材2の大径部2aが当接するまで、第一移動体3aのみがその上摺動部12aおよび下摺動部12bが、第二移動体3bの上横受部13aおよび下横受部13bに沿ってキャリヤテープbの送り方向に横移動する。
【0026】
更に、第一移動体3aの下横受部11bにカム部材2の大径部2aが当接するまで、第一移動体3aの下摺動部12bが第二移動体3bの下横受部13bに当接しているため、該第二移動体3bを下降させる。
【0027】
そして、第一移動体3aの右縦受部11dにカム部材2の大径部2aが当接するまで、第一移動体3aのみがその上摺動部12aおよび下摺動部12bが、第二移動体3bの上横受部13aおよび下横受部13bに沿って後退方向に横移動する。
【0028】
したがって、図1に示す場合は、第二移動体3bは、進退運動をしない昇降運動のみである。
【0029】
また、図2に示す場合は、該第二移動体3bは、その上下両側部が横ガイド15,15により上下方向の昇降移動が規制されている。
【0030】
そして、カム部材2におけるカム面の大径部2aが、図2において矢印pの方向に回転すると、該大径部2aが第一移動体3aの上横受部11aに当接するまで、第一移動体3aのみがその左摺動部12cおよび右摺動部12dが、第二移動体3bの左縦受部13cおよび右縦受部13dに沿って上下方向に上昇移動する。
【0031】
続いて、左縦受部11cにカム部材2の大径部2aが当接するまで、第一移動体3aの左摺動部12cおよび右摺動部12dが、第二移動体3bの左縦受部13cおよび右縦受部13dに当接しているため、横ガイド15,15に沿って該第二移動体3bをキャリアテープbの送り方向へ摺動移動させる。
【0032】
更に、第一移動体3aの下横受部11bにカム部材2の大径部2aが当接するまで、第一移動体3aのみがその左摺動部12cおよび右摺動部12dが、第二移動体3bの左縦受部13cおよび右縦受部13dに沿って上下方向に下降移動する。
【0033】
そして、第一移動体3aの右縦受部11dにカム部材2の大径部2aが当接するまで、第一移動体3aの左摺動部12cおよび右摺動部12dが、第二移動体3bの左縦受部13cおよび右縦受部13dに当接しているため、横ガイド15,15に沿って該第二移動体3bを後退方向へ摺動移動させる。
【0034】
したがって、図2に示す場合は、第二移動体3bは、昇降運動をしない進退運動のみである。
【0035】
前記した送り部材4は、第一移動体3aの適所に、例えば、移送方向の上部前端部に取り付けて、キャリアテープbの送り受孔dに係脱自在となるもので、この送り受孔dに係合しやすいように先端を尖鋭した送り爪状に形成してあって、送り受孔dに対して一個または複数個が同時に係合し得るように設けてある。
【0036】
なお、前記した位置決め手段5は、送り部材4がキャリアテープbの送り受孔dに係合しているとき、他の送り受孔dには非係合状態で、この送り部材4がキャリアテープbの送り受孔dに非係合状態のとき、他の送り受孔dに係合することで、処理機において電子部品cの取り出し時に、キャリアテープbの妄動を防止する。
【0037】
そして、その構成は、図1に示す第二移動体3bの昇降式の場合は、送り部材4と干渉しないキャリアテープbの移送方向の適所に設けてあって、カム部材2により作動される第二移動体3bの前縁部に設けた係止軸16に、機体(図示せず)に設けた枢軸17へ回動自在に支持したアーム18の一端部を係合させてあって、このアーム18の他端部にローラ19を軸支してある。
【0038】
そして、該アーム18の近隣において縦案内20へ昇降自在に係合させた昇降体21に刻設させた受け凹部22へ、前記したアーム18のローラ19を係合させてある。
【0039】
更に、この昇降体21の上部に、キャリアテープbの送り受孔dの一個または複数個に係脱する止め部材23を取り付けてある。
【0040】
これにより、第二移動体3bが上昇するとき昇降体21を押し下げて、その止め部材23がキャリアテープbの送り受孔dから離脱し、第二移動体3bが下降するとき昇降体21を押し上げて、その止め部材23がキャリアテープbの送り受孔d内に係止する。
【0041】
なお、昇降体21には、常時、止め部材23が送り受孔dへ係合する側へ付勢させる弾機(図示せず)を設けることもある。
【0042】
また、この位置決め手段5の図2に示すような、第二移動体3bの進退式の場合の構成は、送り部材4と干渉しないキャリアテープbの移送方向の適所に設けてあって、カム部材2により作動される第一移動体3aの前縁部に設けた係止軸24に、機体(図示せず)に設けた枢軸25へ回動自在に支持したアーム26の一端部を係合させてあって、このアーム26の他端部にローラ27を軸支してある。
【0043】
そして、該アーム26の近隣において縦案内28へ昇降自在に係合させた昇降体29に刻設させた受け凹部30へ、前記したアーム26のローラ27を係合させてある。
【0044】
更に、この昇降体29の上部に、キャリアテープbの送り受孔dの一個または複数個に係脱する止め部材23を取り付けてある。
【0045】
これにより、第一移動体3aが上昇するとき昇降体29を押し下げて、その止め部材23がキャリアテープbの送り受孔dから離脱し、第一移動体3aが下降するとき昇降体29を押し上げて、その止め部材23がキャリアテープbの送り受孔d内に係止する。
【0046】
この位置決め手段5は、第一または第二移動体3a,3bの作動により操作される手段はもちろんのこと、該第一または第二移動体3a,3bとに連係する駆動手段6や、これによって作動する各部材すなわち駆動軸1,カム部材2,送り部材4、更には、後記する制御手段31の作動により操作される手段であれば、他の任意のものが採用し得るものである。
【0047】
例えば、図示してないが、第一または第二移動体3a,3b等に連係させた後記する検出手段30の信号により作動するエアシリンダやモータ等により止め部材23を昇降させたり、駆動軸1やモータ8の回転パルス信号に基づいて、制御手段31により制御されるエアシリンダやモータ等によって止め部材23を昇降させることができる。
【0048】
また、図1および図2において30は検出手段で、駆動手段6により作動される駆動軸1やカム部材2,第一または第二移動体3a,3bや送り部材4の少なくともその一部材または駆動手段6自体に連係させて、送り部材4によるキャリアテープbの一送り動作(一ピッチ)を検出するものであって、この検出信号をコンピュータ等からなる制御手段31へ送信し、駆動手段6や駆動軸1に内蔵したクラッチ(図示せず)を作動して、駆動軸1の回転を停止させる。
【0049】
そして、前記した各部材1,2,3a,3b,4のうちの一部材に連係させる場合は、リミットスイッチや光電管あるいは近接スイッチ等の慣用の手段が用いられるもので、本実施例においては第一移動体3aに付設させたドグ32が、リミットスイッチによる検出手段30に接触したとき、一ピッチ移送の検出信号を発する。
【0050】
また、駆動手段6や駆動軸1に用いるときは、回転パルスを検知するものや、他のロータリエンコーダ等の慣用のものが採用し得る。
【0051】
したがって、前記のように構成される本発明の第一の実施例装置Aのうち、第二移動体3bが昇降のみを行なう図1に示す例にしたがって説明すると、駆動手段6を連続駆動させて駆動軸1を回転させると、これに伴って、この駆動軸1に固着したカム部材2が矢印pの方向へ回転する。
【0052】
これにより、図3(a)に示すように、第一移動体3aの右縦受部11dへカム部材2のカム面である大径部2aが当接し、次に、図3(b)に示すように、縦ガイド10に沿って第一移動体3aおよび第二移動体3bが持ち上って、第一移動体3aに取り付けた送り部材4が、図3(a)に示す下部の待機位置から上昇してキャリアテープbの送り受孔dに係合する。
【0053】
更に、カム部材2の回転により、その大径部2aが左縦受部11cに当接するまで、図3(c)に示すように、送り受孔dの係合状態でキャリアテープbを電子部品cの一個分を前へ進めるもので、処理機では吸着ノズル等によりキャリアテープb上の電子部品cの取り出しが行なわれる。
【0054】
このとき、第二移動体3bに連係させた位置決め手段5にあって、カム部材2の回転による第二移動体3bの上昇運動によりアーム18を回動して、このアーム18のローラ19が昇降体21を降下させるので、この昇降体21の止め部材23を、図3(b)に示すように、降下させてその位置において待機するため、キャリアテープbの移動は妨げられない。
【0055】
すなわち、送り部材4がキャリアテープbの送り受孔d内に係合しているときは、この送り受孔dの他の送り受孔dには止め部材23は非係合状態となっており、また、送り部材4がキャリアテープbの送り受孔dに非係合状態のときは、この送り受孔dの他の送り受孔dに止め部材23は係合するため、キャリアテープbは常に定められた位置に固定され、電子部品cの取り出しにあっては、キャリアテープbの妄動がない。
【0056】
そして、更に回転するカム部材2により、その大径部2aが第一移動体3aの下横受部11bに当接すると、図3(d)に示すように、縦ガイド10に沿って第一および第二移動体3a,3bが下がり、これにより、この送り部材4が降下して、送り部材4の送り受孔cへの係合が解除される。
【0057】
次に、カム部材2の回転によりその大径部2bが第一移動体3aの右縦受部11dに当接すると、図3(e)に示すように(図3(a)に示す開始位置)、第一移動体3aを後退させて、待機位置に復帰させると共に、検出手段30へ後退する第一移動体3aのドグ32が接触して発信し、この信号が制御手段31へ伝達されて、駆動手段6におけるモータ8の回転を停止させ、これに伴って、移動体3の移動運動が停止する。
【0058】
なお、再びの駆動手段6の起動は、処理機からの信号や遅延手段等からの信号により制御手段31を介して行なわれる。
【0059】
このとき、第二移動体3bに連係させた位置決め手段5にあって、カム部材2の回転による第二移動体3bの下降運動が、この第二移動体3bに軸支させたアーム18が回動して、該アーム18の他端に設けたローラ19がその受け凹部12に係合する昇降体21を上昇させるので、図3(e)に示すように(図3(a)に示す開始位置)、この昇降体21の止め部材23を上昇させるため、キャリアテープbの移動は規制されて、該キャリアテープbの移動がないもので、この運動を繰り返すことで所定ピッチのテープ送りがなされる。
【0060】
この実施例装置Aによれば、カム部材2は単一によって構成されていて、構造がコンパクトに形成されるから、取り付けスペースが十分に取れない電子部品実装機の部品供給部にあっては、その据え付けが円滑に行なえ省スペース化が計れると共に、高価なカム部材2が単体でまかなえることにより、装置Aのコストダウンとなる。
【0061】
また、駆動軸1へ固着したカム部材2は、駆動手段6に接続した回転数可変手段35により回転制御させ、該カム部材2の回転数変化によりキャリアテープbにおける電子部品cの送りピッチを任意に設定させることができる。
【0062】
この回転数可変手段35は、電気的制御がなされる、例えば、可変抵抗器や周波数可変器等の任意の手段が選定し得るもので、電子部品cの種類や形状変化等に伴うキャリヤテープbにおけるテープ送り量の変化に逐次対応することができる。
【0063】
更に、前記した駆動軸1へ固着したカム部材2は、駆動手段6に接続した回転速度可変手段36により回転速度制御させ、このカム部材2の回転速度変化により、キャリアテープbにおける電子部品cの送り速度を任意に設定させることができる。
【0064】
この回転速度可変手段36は、電気的制御がなされる、例えば、可変抵抗器や周波数可変器等の任意の手段が選定し得るもので、電子部品実装機の可動速度に合わせて電子部品の供給速度を適宜同調させることができる。
【0065】
【発明の効果】
前述したように本発明は、キャリアテープを移送する送り部材の駆動をモータ等の駆動手段により行なうため、この駆動手段によって作動される各部材の動作速度が一定で安定していて、移送衝撃に起因するテープに収められた電子部品の妄動が防止されると共に、カム特性により加減速した出力が得られ、キャリアテープの送りが滑らかとなる。
また、本発明によれば、カム部材は単一によって構成されていて、構造がコンパクトに形成されるから、取り付けスペースが十分に取れない電子部品実装機の部品供給部にあっては、その据え付けが円滑に行なえ省スペース化が計れると共に、高価なカム部材が単体でまかなえることによりコストダウンとなる。
【0066】
また、モータによる駆動手段は、始動や停止等の応答性に優れ、かつ、キャリアテープの送り速度の調整制御が容易である。
【0067】
送り部材がキャリアテープの送り受孔に係合しているとき他の送り受孔には非係合状態で、前記送り部材がキャリアテープの送り受孔に非係合状態のとき他の送り受孔に係合しているため、常に、キャリアテープは送り部材により移動を規制されていて、位置決めが安定すると共に、電子部品の取り出しにあって、テープの妄動がない。
【0068】
駆動手段またはこの駆動手段により作動される各部材の少なくともその一部材に連係させて、送り部材によるキャリアテープの一送り動作を検出する検出手段と、この検出手段に接続させた制御手段とを備えさせることにより、テープの型換え等の送りピッチ変更が簡単に行なえると共に、駆動軸の回転数可変手段や回転速度可変手段を連係させることで、電子部品の送りピッチの可変や電子部品の送り速度の可変に対応することができる。
等の格別な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する電子部品自動供給装置の実施の第一例を示す概略の正面図である。
【図2】本発明に関する電子部品自動供給装置の実施の第二例を示す概略の正面図である。
【図3】図1における作動状態を示す概略の正面図である。
【図4】図1における装置に使用されるキャリアテープの一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
A 電子部品自動供給装置
b キャリアテープ
c 電子部品
d 送り受孔
1 駆動軸
2 カム部材
3a 第一移動体
3b 第二移動体
4 送り部材
5 位置決め手段
30 検出手段
31 制御手段
35 回転数可変手段
36 回転速度可変手段

Claims (5)

  1. 長尺状のキャリアテープに電子部品を所定ピッチで多数収容して、電子部品の収容ピッチに合わせて多数穿設させた送り受孔により、前記電子部品を処理機に向かって搬送する電子部品自動供給装置にあって、キャリアテープの送り方向とは交差する横方向を軸線方向とし駆動手段により一方向へ回転自在に支承させた駆動軸と、この駆動軸へ固着し、外周面をカム面とする一つのカム部材と、前記カム部材のカム面へ当接してこのカム部材の回転運動により昇降およびキャリアテープの送り方向と平行な前後方向に進退運動する第一移動体と、この第一移動体に係合させて前記カム部材の回転運動により昇降または前記前後方向に進退運動する第二移動体と、前記第一移動体に取り付けてキャリアテープの送り受孔に係脱自在となる送り部材とを備え、
    前記第一移動体は、前記駆動軸の軸線方向から見てカム部材に外接するロ字状に形成され、
    前記第二移動体は、前記駆動軸の軸線方向から見て前記第一移動体を囲むロ字状に形成され、かつ前記第一移動体を上下方向と前後方向とのうち一方にのみ移動自在に保持するとともに、カム部材に対して他方にのみ移動自在に構成されていることを特徴とする電子部品自動供給装置。
  2. 請求項1記載の電子部品自動供給装置において、カム部材により作動される第一または第二移動体に連係させて、送り部材がキャリアテープの送り受孔に係合しているとき他の送り受孔には非係合状態で、前記送り部材がキャリアテープの送り受孔に非係合状態のとき他の送り受孔に係合する位置決め手段を備え、
    前記位置決め手段は、第二移動体にその一端を取り付けたアームと、前記アームの他端部に連係させて昇降自在となる止め部材とからなることを特徴とする電子部品自動供給装置。
  3. 請求項2記載の電子部品自動供給装置において、駆動手段またはこの駆動手段により作動される各部材の少なくともその一部材に連係させて、送り部材によるキャリアテープの一送り動作を検出する検出手段と、この検出手段に接続させた制御手段とを備えさせたことを特徴とする電子部品自動供給装置。
  4. 請求項1または請求項2記載の電子部品自動供給装置において、駆動軸へ固着したカム部材は、駆動手段に接続した回転数可変手段により回転制御させ、前記カム部材の回転数によりキャリアテープにおける電子部品の送りピッチを任意に設定させたことを特徴とする電子部品自動供給装置。
  5. 請求項2記載の電子部品自動供給装置において、駆動軸へ固着したカム部材は、駆動手段に接続した回転速度可変手段により回転速度制御させ、前記カム部材の回転速度によりキャリアテープにおける電子部品の送り速度を任意に設定させたことを特徴とする電子部品自動供給装置。
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