JP3863185B2 - 蒸気タービンおよびその使用方法 - Google Patents
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Description
本発明は、主軸線に沿って延び蒸気に対する湾曲した前縁面を有するタービン翼を備えた蒸気タービン、特に低圧蒸気タービンおよびこの蒸気タービンの使用方法に関する。
ドイツ特許出願公開第4335598号明細書に、ガスタービン設備に前置接続されている圧縮機あるいは膨張ガスタービンにおけるファウリングの付着問題が記載されている。圧縮機からの空気は冷却され膨張ガスタービンに導入されるので、氷結ないし汚染粒子の付着が生ずる恐れがある。これは膨張ガスタービンのタービン翼に中央孔およびそこから分岐しタービン翼表面に通じる半径方向孔を設けて防止しなければならない。タービン翼は圧縮機内で熱くなった空気が貫流されて加熱され、氷が溶かされる。これによって膨張ガスタービンのタービン翼の表面に水保護膜が生じ、この水保護膜によって場合によっては汚染粒子も排出される。この場合、膨張ガスタービンは既にタービン翼を貫流している媒体と同じ媒体で駆動され、即ち圧縮機で圧縮された空気で駆動される。
1980年、カール・ハンサー出版(ミュンヘン、ウィーン)のエフ・ディーツェルの著書「蒸気タービン」第3版において種々の蒸気タービンが知られている。その第3.3.3章「タービン翼縁の腐食」には、大形復水蒸気タービンのタービン翼の後縁における腐食防止について記載されている。その腐食の発生を減少するために、一方では蒸気タービンの脱水について他方ではタービン翼の機械加工について述べられている。この機械加工には耐摩耗性材料のろう付けあるいはタービン翼の誘導加熱焼入れがある。
本発明の課題は、腐食作用のある蒸気による運転に適している蒸気タービンを提供することにある。本発明の他の課題はそのような蒸気タービンの使用方法にある。
蒸気タービンに向けられた本発明の課題は、主軸線に沿って延びるタービン翼がハウジングに(静翼を)あるいはタービン軸に(動翼を)係止するための翼脚および蒸気に対する湾曲した前縁面を有し、またタービン翼がその内部に流体導入路を有し、この流体導入路がタービン翼の前縁面に開口している多数の流体排出路に流れ技術的に接続され、また流体導入路が翼脚において外に通じており、翼脚を収容する凹所に純粋蒸気を流体導入路に導入するための流路が設けられている蒸気タービン、特に低圧蒸気タービンによって解決される。
タービン翼および翼脚を通してタービン翼の前縁面に純粋蒸気あるいは別の汚れていない流体を導入することによって、その前縁面および場合によってはタービン翼の表面の別の部位にわたって保護流体膜、特に蒸気膜が形成される。この蒸気膜は蒸気タービンを貫流する蒸気をタービン翼の表面から遠ざける境界層をタービン翼の周りに形成する。これによって蒸気タービンは、例えば褐炭あるいは例えば家庭または産業廃棄物のような他の可燃性材料を乾燥する際に汚染された腐食作用のある蒸気で運転することができる。不純物としては特に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩化物、窒化物並びに硫酸塩が生ずる。褐炭を乾燥する際に生ずる蒸気は「汚気」と呼ばれる。タービン翼の前縁面を覆う蒸気膜によって、不純物の付着並びに腐食および侵食の恐れが著しく減少される。
タービン翼の前縁面に流れ技術的に接続されている流体導入路を有するタービン翼によれば、蒸気タービンを腐食作用のある蒸気で運転する際に、流体導入路を通して導入され前縁面で流出する流体によって腐食作用のある蒸気はタービン翼の表面から確実に遠ざけられる。流体導入路はそこを通る流体の必要な流量に応じて適当に寸法づけられる。この場合流体導入路は一つあるいは複数の孔として形成され、またタービン翼の内部中空部位ともなる。例えば湿性褐炭を乾燥する際に生ずる腐食作用のある蒸気は、通常のタービン翼の場合に侵食、腐食あるいは付着を生じてしまうような強い不純物を含んでいる。タービン翼を例えば小さな応力状態にある特殊な材料によって、あるいは表面における特殊な被膜によって侵食および腐食から一層保護することも勿論可能である。
タービン翼は蒸気タービンのハウジングに(静翼を)あるいはタービン軸に(動翼を)係止するための翼脚を有すると有利であり、その場合流体導入路は翼脚において外に通じている。従って翼脚を通って構造的に簡単に、流体特に純粋蒸気あるいは空気をハウジングないしタービン軸を介して流体導入路に導入することができる。流体の導入はいずれにしても蒸気タービンにおける流れ抵抗および効率損失を僅かにする。
流体導入路はタービン翼の主軸線に対してほぼ平行に形成されている。流体導入路は一つあるいは複数の軸方向孔を有する。
流体排出路はそれぞれ特にタービン翼の主軸線に対してほぼ垂直に延びている。これによって流体排出路は特に簡単に、例えば孔としてあるいは鋳造で製造される。流体導入路並びに流体排出路を孔として形成することによって、これらを追加的にタービン翼に設けることもできる。これによって追加的に蒸気タービンにおける蒸気条件に応じて、タービン翼の前縁面並びに別の表面部位における流体排出路の分布を変更することもできる。流体排出路を介して純粋蒸気を排出することによって、タービン翼の前縁面並びにその下流の別のタービン翼表面にわたって蒸気膜が形成される。この蒸気膜は不純物を含んだ腐食作用のある蒸気がタービン翼の表面に接触することを減少するかあるいは完全に防止する。その蒸気膜は更に腐食作用のある蒸気とともに運ばれる不純物がタービン翼の表面に付着することを防止し、これによってタービン翼の前縁面における侵食および腐食を少なくともかなり減少する。
流路はタービン翼を収容する凹所内において有利には複数のタービン翼即ちそれらの翼脚を流れ技術的に接続する溝として形成されている。この溝は好適には蒸気タービンのハウジングないしはタービン軸に周溝として形成されている。
この蒸気タービンは特に発電所用の燃料、特に湿性褐炭を乾燥する設備に適している。湿性褐炭を乾燥することによって、例えば褐炭を燃料とする発電所の効率が高められる。この場合褐炭は例えば低圧蒸気タービンの抽気管からの低価の蒸気で乾燥される。褐炭から蒸発する湿気は蒸気に捕らえられ、蒸気は飽和蒸気状態になる。この飽和蒸気は低圧タービンにおいて0.1バールを下回るまで膨張される。これによって湿性褐炭を乾燥するために利用された熱エネルギーの少なくとも一部が回収される。湿性褐炭から発生した蒸気は場合によっては強い不純物。特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩化物、窒化物並びに硫酸塩を含んでいる。これは低圧蒸気タービンの運転中にタービン翼を腐食および又は侵食させる。このことは本発明に基づく蒸気タービンの場合にはタービン翼の構造的な形態によって十分に防止される。
以下図面に示した実施例を参照して本発明に基づくタービン翼を備えた蒸気タービン並びにその蒸気タービンの用途について詳細に説明する。
図1は本発明に基づくタービン翼を備えた蒸気タービンの一部縦断面図、
図2は図1におけるII−II線に沿ったタービン翼列の断面図、
図3は燃料あるいは廃棄物の乾燥設備に利用される蒸気タービンの概略配置構成図である。
図1には蒸気タービン14、特に低圧蒸気タービンの一部が縦断面図で示されている。蒸気タービン14のハウジング8内にタービン軸9が設けられている。タービン軸9は動翼1aを収容するための環状凹所12を有している。同じようにハウジング8も静翼1bを受けるための環状凹所12を有している。図を簡単にするためにそれぞれ一つの動翼1aおよび一つの静翼1bしか示されていない。各タービン翼1、即ち各動翼1aおよび各静翼1bはそれぞれ翼脚7を有している。それぞれの凹所12は翼脚7の形状に合わされている。各タービン翼1はその主軸線2に沿って延びている。図示された各タービン翼1には翼脚7から出て主軸線2に対して平行にタービン脚1をほぼ完全に貫通して延びる孔として形成された流体導入路5が設けられている。この流体導入路5からこれに対して垂直に同様に孔として形成された複数の流体排出路6が分岐している。これらの流体排出路6は流体導入路5から蒸気タービン14を駆動する蒸気流21に向き合っている半円形のタービン翼前縁面3(図2参照)まで延びている。流体排出路6は、タービン翼1の表面の一部を形成する前縁面3にわたってこの前縁面3が蒸気膜11で覆われるように分布されている。蒸気膜11は凹所12に沿って延びる流路13を介して導入される蒸気流10によって形成される。これによって前縁面3並びに場合によってその下流に位置するタービン翼1の表面部位は蒸気流21に対して保護される。従って例えば湿性褐炭を乾燥する過程において生じて蒸気流21とともに運ばれる不純物が前縁面3に付着することも、またこれがタービン翼1を著しく腐食あるいは侵食することもなくなる。流路13は静翼列ないし動翼列のすべてのタービン翼1を流れ技術的に互いに接続する凹所12に沿って環状に延びる溝13aである。この溝13aは例えばタービン軸9ないしハウジング8にある軸方向孔(図示せず)を介して純粋蒸気16が供給される。この軸方向孔には互いに軸方向に間隔を隔てられた複数の溝13aを接続することができる。
図2は動翼列のうちの二つの動翼1aを部分的に拡大横断面図で示している。各動翼1aは主軸線2に沿って延びる半円形の湾曲した前縁面3を有している。半円形に湾曲した前縁面3のほぼ中心に横断面が円形の孔として形成された流体導入路5が配置されている。図示の横断面において流体導入路5から真っ直ぐに蒸気流21の主方向と逆向きに前縁面3に向かって流体排出路6が出ている。図示の横断面の主軸線2の方向における上下の別の横断面にそれぞれ前記流体排出路6に対して約45°ずらされた別の2つの流体排出路6が示されている。流体排出路6が向きを交互に変えて主軸線2の方向に複数個配置されていることによって、蒸気膜11は特に一様に形成される。
図3は高圧タービン22、蒸気源20として用いられる低圧タービンおよびこれに結合された発電機15を備えた発電所19の配置構造を概略的に示している。低圧タービンは純粋蒸気16の蒸気源20であり、低圧蒸気を抽出するための抽気管を有している。純粋蒸気16は燃料18あるいは廃棄物を乾燥する設備17に導入される。乾燥過程によってナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩化物、窒化物あるいは硫酸塩のような不純物を含む腐食作用のある蒸気が生ずる。この蒸気は発電機15に同様に結合されている低圧蒸気タービン14に導入される。低圧蒸気タービン14は図1および図2に示されているようなその内部にある流体導入路を通って蒸気源20からの純粋蒸気16が導入されるタービン翼1を有している。純粋蒸気16はタービン翼1の前縁面3において流出し、これによって前縁面3は腐食作用のある蒸気に対して保護される。
本発明は、多数の流体排出路を介して前縁面に連通されている特に純粋蒸気用の流体導入路をその内部に有しているタービン翼を備えた蒸気タービンによって特徴づけられる。純粋蒸気が特にタービン翼の翼脚を介して流体導入路に導入されてタービン翼の前縁面に導かれることによって、この前縁面を覆う蒸気膜が形成される。この蒸気膜はそのようなタービン翼が配置されている蒸気タービンを駆動する腐食作用のある蒸気からそのタービン翼を保護する。そのようなタービン翼を備えた蒸気タービンは特に、褐炭の乾燥過程において生ずるひどい不純物を含む腐食作用のある蒸気を利用する際に適している。純粋蒸気を構造的に導入することによって、確実にタービン翼の表面に腐食作用のある不純物が付着することが防止され、タービン翼の腐食および侵食が少なくともかなり減少される。
ドイツ特許出願公開第4335598号明細書に、ガスタービン設備に前置接続されている圧縮機あるいは膨張ガスタービンにおけるファウリングの付着問題が記載されている。圧縮機からの空気は冷却され膨張ガスタービンに導入されるので、氷結ないし汚染粒子の付着が生ずる恐れがある。これは膨張ガスタービンのタービン翼に中央孔およびそこから分岐しタービン翼表面に通じる半径方向孔を設けて防止しなければならない。タービン翼は圧縮機内で熱くなった空気が貫流されて加熱され、氷が溶かされる。これによって膨張ガスタービンのタービン翼の表面に水保護膜が生じ、この水保護膜によって場合によっては汚染粒子も排出される。この場合、膨張ガスタービンは既にタービン翼を貫流している媒体と同じ媒体で駆動され、即ち圧縮機で圧縮された空気で駆動される。
1980年、カール・ハンサー出版(ミュンヘン、ウィーン)のエフ・ディーツェルの著書「蒸気タービン」第3版において種々の蒸気タービンが知られている。その第3.3.3章「タービン翼縁の腐食」には、大形復水蒸気タービンのタービン翼の後縁における腐食防止について記載されている。その腐食の発生を減少するために、一方では蒸気タービンの脱水について他方ではタービン翼の機械加工について述べられている。この機械加工には耐摩耗性材料のろう付けあるいはタービン翼の誘導加熱焼入れがある。
本発明の課題は、腐食作用のある蒸気による運転に適している蒸気タービンを提供することにある。本発明の他の課題はそのような蒸気タービンの使用方法にある。
蒸気タービンに向けられた本発明の課題は、主軸線に沿って延びるタービン翼がハウジングに(静翼を)あるいはタービン軸に(動翼を)係止するための翼脚および蒸気に対する湾曲した前縁面を有し、またタービン翼がその内部に流体導入路を有し、この流体導入路がタービン翼の前縁面に開口している多数の流体排出路に流れ技術的に接続され、また流体導入路が翼脚において外に通じており、翼脚を収容する凹所に純粋蒸気を流体導入路に導入するための流路が設けられている蒸気タービン、特に低圧蒸気タービンによって解決される。
タービン翼および翼脚を通してタービン翼の前縁面に純粋蒸気あるいは別の汚れていない流体を導入することによって、その前縁面および場合によってはタービン翼の表面の別の部位にわたって保護流体膜、特に蒸気膜が形成される。この蒸気膜は蒸気タービンを貫流する蒸気をタービン翼の表面から遠ざける境界層をタービン翼の周りに形成する。これによって蒸気タービンは、例えば褐炭あるいは例えば家庭または産業廃棄物のような他の可燃性材料を乾燥する際に汚染された腐食作用のある蒸気で運転することができる。不純物としては特に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩化物、窒化物並びに硫酸塩が生ずる。褐炭を乾燥する際に生ずる蒸気は「汚気」と呼ばれる。タービン翼の前縁面を覆う蒸気膜によって、不純物の付着並びに腐食および侵食の恐れが著しく減少される。
タービン翼の前縁面に流れ技術的に接続されている流体導入路を有するタービン翼によれば、蒸気タービンを腐食作用のある蒸気で運転する際に、流体導入路を通して導入され前縁面で流出する流体によって腐食作用のある蒸気はタービン翼の表面から確実に遠ざけられる。流体導入路はそこを通る流体の必要な流量に応じて適当に寸法づけられる。この場合流体導入路は一つあるいは複数の孔として形成され、またタービン翼の内部中空部位ともなる。例えば湿性褐炭を乾燥する際に生ずる腐食作用のある蒸気は、通常のタービン翼の場合に侵食、腐食あるいは付着を生じてしまうような強い不純物を含んでいる。タービン翼を例えば小さな応力状態にある特殊な材料によって、あるいは表面における特殊な被膜によって侵食および腐食から一層保護することも勿論可能である。
タービン翼は蒸気タービンのハウジングに(静翼を)あるいはタービン軸に(動翼を)係止するための翼脚を有すると有利であり、その場合流体導入路は翼脚において外に通じている。従って翼脚を通って構造的に簡単に、流体特に純粋蒸気あるいは空気をハウジングないしタービン軸を介して流体導入路に導入することができる。流体の導入はいずれにしても蒸気タービンにおける流れ抵抗および効率損失を僅かにする。
流体導入路はタービン翼の主軸線に対してほぼ平行に形成されている。流体導入路は一つあるいは複数の軸方向孔を有する。
流体排出路はそれぞれ特にタービン翼の主軸線に対してほぼ垂直に延びている。これによって流体排出路は特に簡単に、例えば孔としてあるいは鋳造で製造される。流体導入路並びに流体排出路を孔として形成することによって、これらを追加的にタービン翼に設けることもできる。これによって追加的に蒸気タービンにおける蒸気条件に応じて、タービン翼の前縁面並びに別の表面部位における流体排出路の分布を変更することもできる。流体排出路を介して純粋蒸気を排出することによって、タービン翼の前縁面並びにその下流の別のタービン翼表面にわたって蒸気膜が形成される。この蒸気膜は不純物を含んだ腐食作用のある蒸気がタービン翼の表面に接触することを減少するかあるいは完全に防止する。その蒸気膜は更に腐食作用のある蒸気とともに運ばれる不純物がタービン翼の表面に付着することを防止し、これによってタービン翼の前縁面における侵食および腐食を少なくともかなり減少する。
流路はタービン翼を収容する凹所内において有利には複数のタービン翼即ちそれらの翼脚を流れ技術的に接続する溝として形成されている。この溝は好適には蒸気タービンのハウジングないしはタービン軸に周溝として形成されている。
この蒸気タービンは特に発電所用の燃料、特に湿性褐炭を乾燥する設備に適している。湿性褐炭を乾燥することによって、例えば褐炭を燃料とする発電所の効率が高められる。この場合褐炭は例えば低圧蒸気タービンの抽気管からの低価の蒸気で乾燥される。褐炭から蒸発する湿気は蒸気に捕らえられ、蒸気は飽和蒸気状態になる。この飽和蒸気は低圧タービンにおいて0.1バールを下回るまで膨張される。これによって湿性褐炭を乾燥するために利用された熱エネルギーの少なくとも一部が回収される。湿性褐炭から発生した蒸気は場合によっては強い不純物。特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩化物、窒化物並びに硫酸塩を含んでいる。これは低圧蒸気タービンの運転中にタービン翼を腐食および又は侵食させる。このことは本発明に基づく蒸気タービンの場合にはタービン翼の構造的な形態によって十分に防止される。
以下図面に示した実施例を参照して本発明に基づくタービン翼を備えた蒸気タービン並びにその蒸気タービンの用途について詳細に説明する。
図1は本発明に基づくタービン翼を備えた蒸気タービンの一部縦断面図、
図2は図1におけるII−II線に沿ったタービン翼列の断面図、
図3は燃料あるいは廃棄物の乾燥設備に利用される蒸気タービンの概略配置構成図である。
図1には蒸気タービン14、特に低圧蒸気タービンの一部が縦断面図で示されている。蒸気タービン14のハウジング8内にタービン軸9が設けられている。タービン軸9は動翼1aを収容するための環状凹所12を有している。同じようにハウジング8も静翼1bを受けるための環状凹所12を有している。図を簡単にするためにそれぞれ一つの動翼1aおよび一つの静翼1bしか示されていない。各タービン翼1、即ち各動翼1aおよび各静翼1bはそれぞれ翼脚7を有している。それぞれの凹所12は翼脚7の形状に合わされている。各タービン翼1はその主軸線2に沿って延びている。図示された各タービン翼1には翼脚7から出て主軸線2に対して平行にタービン脚1をほぼ完全に貫通して延びる孔として形成された流体導入路5が設けられている。この流体導入路5からこれに対して垂直に同様に孔として形成された複数の流体排出路6が分岐している。これらの流体排出路6は流体導入路5から蒸気タービン14を駆動する蒸気流21に向き合っている半円形のタービン翼前縁面3(図2参照)まで延びている。流体排出路6は、タービン翼1の表面の一部を形成する前縁面3にわたってこの前縁面3が蒸気膜11で覆われるように分布されている。蒸気膜11は凹所12に沿って延びる流路13を介して導入される蒸気流10によって形成される。これによって前縁面3並びに場合によってその下流に位置するタービン翼1の表面部位は蒸気流21に対して保護される。従って例えば湿性褐炭を乾燥する過程において生じて蒸気流21とともに運ばれる不純物が前縁面3に付着することも、またこれがタービン翼1を著しく腐食あるいは侵食することもなくなる。流路13は静翼列ないし動翼列のすべてのタービン翼1を流れ技術的に互いに接続する凹所12に沿って環状に延びる溝13aである。この溝13aは例えばタービン軸9ないしハウジング8にある軸方向孔(図示せず)を介して純粋蒸気16が供給される。この軸方向孔には互いに軸方向に間隔を隔てられた複数の溝13aを接続することができる。
図2は動翼列のうちの二つの動翼1aを部分的に拡大横断面図で示している。各動翼1aは主軸線2に沿って延びる半円形の湾曲した前縁面3を有している。半円形に湾曲した前縁面3のほぼ中心に横断面が円形の孔として形成された流体導入路5が配置されている。図示の横断面において流体導入路5から真っ直ぐに蒸気流21の主方向と逆向きに前縁面3に向かって流体排出路6が出ている。図示の横断面の主軸線2の方向における上下の別の横断面にそれぞれ前記流体排出路6に対して約45°ずらされた別の2つの流体排出路6が示されている。流体排出路6が向きを交互に変えて主軸線2の方向に複数個配置されていることによって、蒸気膜11は特に一様に形成される。
図3は高圧タービン22、蒸気源20として用いられる低圧タービンおよびこれに結合された発電機15を備えた発電所19の配置構造を概略的に示している。低圧タービンは純粋蒸気16の蒸気源20であり、低圧蒸気を抽出するための抽気管を有している。純粋蒸気16は燃料18あるいは廃棄物を乾燥する設備17に導入される。乾燥過程によってナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、塩化物、窒化物あるいは硫酸塩のような不純物を含む腐食作用のある蒸気が生ずる。この蒸気は発電機15に同様に結合されている低圧蒸気タービン14に導入される。低圧蒸気タービン14は図1および図2に示されているようなその内部にある流体導入路を通って蒸気源20からの純粋蒸気16が導入されるタービン翼1を有している。純粋蒸気16はタービン翼1の前縁面3において流出し、これによって前縁面3は腐食作用のある蒸気に対して保護される。
本発明は、多数の流体排出路を介して前縁面に連通されている特に純粋蒸気用の流体導入路をその内部に有しているタービン翼を備えた蒸気タービンによって特徴づけられる。純粋蒸気が特にタービン翼の翼脚を介して流体導入路に導入されてタービン翼の前縁面に導かれることによって、この前縁面を覆う蒸気膜が形成される。この蒸気膜はそのようなタービン翼が配置されている蒸気タービンを駆動する腐食作用のある蒸気からそのタービン翼を保護する。そのようなタービン翼を備えた蒸気タービンは特に、褐炭の乾燥過程において生ずるひどい不純物を含む腐食作用のある蒸気を利用する際に適している。純粋蒸気を構造的に導入することによって、確実にタービン翼の表面に腐食作用のある不純物が付着することが防止され、タービン翼の腐食および侵食が少なくともかなり減少される。
Claims (6)
- 主軸線(2)に沿って延びるタービン翼(1)がハウジング(8)あるいはタービン軸(9)に係止するための翼脚(7)および蒸気に対する湾曲した前縁面(3)を有し、またがその内部(4)に流体導入路(5)を有し、この流体導入路(5)が
a)タービン翼の前縁面(3)に開口している多数の流体排出路(6)に流れ技術的に接続され、
b)翼脚(7)において外に通じており、
その際翼脚(7)を収容する凹所(12)に純粋蒸気(16)を流体導入路(5)に導入するための流路(13)が設けられている
汚染された蒸気が供給される蒸気タービン(14)、特に低圧蒸気タービン。 - タービン翼(1)の流体排出路(6)が、流体導入路(5)を介して供給される蒸気流(10)が前縁面(3)を保護して覆う蒸気膜(11)を形成するように、前縁面(3)にわたって分布されている請求項1記載の蒸気タービン(14)。
- タービン翼(1)の流体導入路(5)がタービン翼(1)の主軸線(2)に対して平行に延びている請求項1又は2記載の蒸気タービン(14)。
- タービン翼(1)の各流体排出路(6)がタービン翼(1)の主軸線(2)に対して垂直に延びている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の蒸気タービン(14)。
- 流路(13)がタービン翼脚を収容する凹所(12)内を延び複数のタービン翼(1)に流れ技術的に接続されている溝(13a)である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の蒸気タービン(14)。
- 燃料(18)を乾燥する目的で導かれた蒸気(10)が蒸気タービン(14)に導入され、タービン翼(1)を保護するために蒸気源(20)、例えば発電所(19)の蒸気タービンから純粋蒸気(16)が流路(13)に導入されるように発電所(19)用の燃料(18)、特に褐炭を乾燥する設備(17)に使用される請求項4または5記載の蒸気タービン(14)の使用方法。
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