JP3862915B2 - 継手の溶接方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、継手の溶接方法に関する技術分野に属し、特には、構造物の突合せ継手、角継手、T継手、はめ込み継手等の継手の溶接方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来の継手の溶接方法及びその問題点を、以下に説明する。
(1) 突合せ継手のレーザ溶接について
従来、突合せ継手のレーザ溶接は次のようにして行われる。
図1に従来の突合せ継手を示す。この場合、図1に示す如く板厚の等しい水平の鋼板1と2とが突き合わされており、鋼板1の垂直の先端面1aと鋼板2の先端面2aとが当接している。従って、鋼板1の表面1bと鋼板2の表面2b、及び、鋼板1の裏面1cと鋼板2の裏面2cは、同一水平面に位置している。
【0003】
図1に示す如く組立てられた突合せ継手において、レーザ溶接は、鋼板1及び2の表面(1b及び2b)側から突合せ面(1a、2a)に鉛直方向からレーザビームを入射し、突合せ面を溶融することによって鋼板1と2を接合するものである。
【0004】
レーザ溶接においては、アーク溶接の場合と比較して、溶接部の冷却速度が速いため、溶接中に溶融金属内で気泡が発生すると浮上して抜け出すために充分なだけの時間が無く、凝固後にブローホール(ポロシティ)として溶接金属内に閉じ込められる場合が多い。
【0005】
また、気泡発生の観点から完全溶込み溶接(貫通溶接)と部分溶込み溶接(非貫通溶接)とを比較すると、部分溶込み溶接の場合の方が気泡が発生し易い。
【0006】
これは、部分溶込み溶接における溶込み最下部は不安定であり、気泡が発生し易いにもかかわらず、周囲を母材に囲まれているために、母材表面側に浮上して抜け出すしか消滅する経路が存在しないためである。
【0007】
これに対し、完全溶込み溶接の場合には、板厚の表面側から裏面側に至るキーホールが形成される。従って、部分溶込み溶接の溶込み最下部のような不安定な領域が存在せず、気泡が発生しないか、気泡が発生しても母材裏面側から抜け出すことができるため、溶融金属内に気泡が残存することが少なくなる。
【0008】
このため、ブローホール(ポロシティ)防止の点からは、完全溶込み溶接を採用することが望ましいが、母材の板厚と使用するレーザ溶接装置の出力の関係によっては、最高出力を用いても完全溶込み溶接を達成できない場合がある。又、部材の構造上の問題で、完全溶込み溶接によって形成される裏波ビードを嫌うこともあり、かかる場合には敢えて部分溶込み溶接を採用する。このような場合には、前述の理由により溶接部に気泡が残存し、これは溶接欠陥として継手性能低下を来す原因となる。
【0009】
また、気泡残存防止方法として、レーザ溶接時に脱酸材を添加したフィラーワイヤを供給しながら溶接する方法がある。しかしながら、この方法による場合には、フィラーワイヤを溶融する過程でレーザ出力を消費してしまい、出力の全てを母材溶融のために使用できなくなってしまう。この結果、同一レーザ溶接条件でフィラーワイヤを供給せずに溶接を行った場合と比較して、溶込み深さが浅くなり、場合によっては継手強度の不足が生じる。
【0010】
(2) 角継手のアーク溶接、レーザ溶接、レーザとアークとの複合溶接について
図2に従来の角継手の開先部を示す。この場合、図2に示す如く垂直の鋼板21と水平の鋼板22とが垂直にL字型に組み立てられており、鋼板22の先端面22b は鋼板21の表面に当接している。そして、この角継手において、アーク溶接により部分溶込み溶接が行われる。尚、かかる角継手は、要求される継手強度が比較的低い場合に用いられる。
【0011】
このような角継手においては、一方の部材(鋼板22)の先端面22b を他方の部材(鋼板21)の表面に沿うように平坦に切断するのみで、開先を加工することができるという利点がある。しかしながら、かかる開先部を有する角継手においては、部材(鋼板22)の加工は容易であるが、溶接時において所望の溶込み深さを確保することが困難であるので、高い継手強度を得ることができない。
【0012】
そこで、一般的に鋼構造物等においては、角継手、突合せ継手あるいはT継手をアーク溶接するに際し、良好な溶込み深さを確保し、所望の継手強度を得るために、少なくとも一方の部材に傾斜した切欠を形成した後、継手を組み立てて溶接している。
【0013】
かかる傾斜した切欠を形成した角継手の開先部を図3に示す。この場合、鋼板24の片端面においてその上面から端面に至るように傾斜した切欠24a が形成されている。そして、図2に示す角継手の場合と同様に、垂直の鋼板23と水平の鋼板24とが垂直にL字型に組み立てられていて、開先端にレ形の開先部25が形成されていると共に、鋼板24の先端面24b が鋼板23の表面に当接している。このように継手に傾斜した切欠24a が形成されていると、アーク溶接時において深い溶込みが得られ、ひいては高い継手強度を得ることができる。
【0014】
また、上記アーク溶接による方法の他に、図2に示す角継手に対してレーザ溶接により溶接を行う方法もあり、更に、図2に示す角継手に対してレーザ溶接とアーク溶接との複合溶接により溶接を行う方法もある。
【0015】
しかしながら、前述の方法、即ち、図2に示すような平坦に切断した部材を用いてアーク溶接を行う場合(以下、従来法1)、図3に示すような傾斜した切欠を有する継手に対してアーク溶接を行う場合(以下、従来法2)、図2に示すような平坦に切断した部材を用いてレーザ溶接を行う場合(以下、従来法3)、図2に示すような部材を用いてレーザ溶接とアーク溶接の複合溶接を行う場合(以下、従来法4)、図3に示すような傾斜した切欠を有する継手に対してレーザ溶接とアーク溶接の複合溶接を行う場合(以下、従来法5)には、それぞれ下記の如き問題点がある。
【0016】
即ち、従来法2においては、図3に示すような開先部25を加工する場合、一方の部材(鋼板24)の端面24b を他方の部材(鋼板23)に沿うように平坦に切断する工程と切欠24a を形成する工程との2工程が必要である。従って、レ型の開先部25を形成するためには、図2に示すように単に部材(鋼板22)の先端面22b を他の部材(鋼板21)に沿うように平坦に切断するのみの場合と比較して、2倍又はそれ以上の加工コストが必要となる。
【0017】
更に、傾斜した開先部(傾斜開先部)を有する部材を溶接する場合、単層で充分な適正量の余盛りを得るための溶接条件の設定が比較的困難である。即ち、ルート部(鋼板24の端面24b と鋼板23との接触部分)において、溶融金属の溶け落ち(溶落ち)が発生しない条件で溶接すると、余盛りが不足することがあり、充分な余盛りを得るための溶接条件を設定すると、溶融金属の溶落ちが発生し易くなる。従って、部材の板厚が厚い場合には、溶落ちが発生せず且つ適正な余盛りを得るために、多層溶接を施す必要があり、溶接時間が増加し、ひいては単層溶接と比較してコストが高くなる。
【0018】
従来法1においては、前述のように所望の溶込み深さを確保することが困難であるので、高い継手強度を得ることができない。
【0019】
そこで、この継手強度を向上させるため、一般的には部材間にルートギャップを設け、溶込みを深くする方法が適用されている。このとき、均一な適正幅のルートギャップを維持する必要があるが、そのためには継手の両部材の組立工程においてギャップを計測し調整しながら仮付け溶接するか、あるいは部材間にスペーサを配置する必要がある。
【0020】
しかしながら、このような方法を採用する場合、溶接線が直線でない継手においては均一にギャップを形成することが困難である。また、溶接時に溶接線前方では、鋼板22の未溶接の先端面22b と鋼板21との接触部分が存在しないため、溶接によって収縮変形が発生し、寸法精度が低下してしまう。更に、継手の組立工程が煩雑になり、スペーサ等を使用する場合にはかかる部材も必要となるため、コストアップとなってしまう。また、継手形状によっては、適切なルートギャップを維持することは極めて困難となる。
【0021】
従来法1及び従来法2は、いずれも共通して、アーク溶接によって溶接を行うため、レーザ溶接の場合と比較して溶接入熱が大きく、又、形成される溶接金属が大きく、形状的にも部材表面側で幅広で裏面側で狭くなることから、溶接歪みが大きくなる。
【0022】
従来法3においては、高出力のレーザを使用することによって深い溶込み深さを得ることができ、従って、最適な溶接条件を設定すれば、所望の溶込み深さを得ることができ、また、被溶接部材の板厚によっては、完全溶込み溶接を達成することができる。
【0023】
しかしながら、使用できるレーザの最高出力が低い場合には、板厚によっては出力不足のために必要溶込み深さを確保し得ないことがある。
【0024】
また、レーザ溶接によって溶接を行うため、前述した突合せ継手のレーザ溶接の場合の問題点と同様の問題点がある。即ち、レーザ溶接に起因して、溶接金属に気泡が残存しブローホール(ポロシティ)が発生すること等の数多くの問題点がある。
【0025】
従来法4においては、アーク溶接により生成した溶融池がレーザ溶接による溶込みを阻害する場合がある。この場合、従来法3(溶接:レーザ溶接単独)でのレーザ溶接条件と同一のレーザ溶接条件を用いてアーク溶接との複合溶接を行うと、従来法3(レーザ溶接単独)の場合よりも溶込み深さが減少する。
【0026】
更に、アーク溶接を複合していることにより、溶接変形が大きくなる。
【0027】
従来法5においては、従来法2の場合と同様に開先加工工程の増大、開先加工コストの上昇等の問題点がある。
【0028】
また、アーク溶接ワイヤにより傾斜した開先部を満たし、且つ、適正量の余盛りを形成するために充分な溶着金属を添加しなければならないために、溶着金属の断面積は、図3に示すレ型の開先部25の断面積に依存し、アーク溶接単独で溶接を行う従来法2の場合と同等レベルとなり、従って、溶接変形が大きくなる。ここで、溶接変形を減少させるためにレ型開先部25の断面積を小さくすると、レーザビームがルート部に到達する前にレーザビームが部材23及び部材24の傾斜した開先面24a に当たってしまうために溶込み深さが減少する。
【0029】
更に、レ型の開先を溶接するので、従来法4のような継手を溶接する場合と比較して、溶融金属が広がらず、このため、アーク溶接ワイヤにより添加される溶着金属による溶融池の厚みが厚くなり、それによってレーザ溶接による溶込みが阻害される度合いが、従来法4の場合と比較して大きい。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に着目してなされたものであって、その目的は、レーザ溶接により継手の溶接をするに際し、気泡残存程度を低減し得てブローホール(ポロシティ)発生を抑制し得ると共に、溶込み深さを増加し得、ひいては継手強度を高めることができる継手の溶接方法、及び、レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接により継手の溶接をするに際し、気泡残存程度を低減し得てブローホール発生を抑制し得ると共に、溶込み深さを増加し得、ひいては継手強度を高めることができ、また、溶接変形(溶接による歪み)を軽減し得る継手の溶接方法を提供しようとするものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る継手の溶接方法は、請求項1〜5記載の継手の溶接方法としており、それは次のような構成としたものである。
【0032】
即ち、請求項1記載の継手の溶接方法は、レーザ溶接条件をレーザ出力:1〜50kw、ビーム径:0.3〜1mmΦ、溶接速度:0.3〜10m/min とすると共にフィラーワイヤを供給しない条件の下で、レーザ溶接により、被溶接部材の継手を溶接する継手の溶接方法であって、前記溶接に先立ち前記被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を下記式1及び2を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸形状面に形成しておき、前記溶接を行うことを特徴とする継手の溶接方法である(第1発明)。
0.2mm ≦H≦0.5mm ---------------- 式1
1mm≦10H×β/(α+β)≦3mm ------ 式2
但し、上記式1及び2においてHは前記凸部の高さ(mm)を示すものであり、上記式2においてαは溶接線方向の単位長さ当たりの前記凸部の体積、βは前記溶接線方向の単位長さ当たりの前記凹部の体積を示すものであり、αの単位とβの単位とは同一である。
【0033】
請求項2記載の継手の溶接方法は、レーザ溶接条件をレーザ出力:1〜50kw、ビーム径:0.3〜1mmΦ、溶接速度:0.3〜10m/min とした条件下で、フィラーワイヤを供給しながら、レーザ溶接により、被溶接部材の継手を溶接する継手の溶接方法であって、前記溶接に先立ち前記被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を下記式3及び4を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸形状面に形成しておき、前記溶接を行うことを特徴とする継手の溶接方法である(第2発明)。
0.2mm ≦H≦1.0mm ---------------- 式3
1mm≦10H×β/(α+β) ------式4
但し、上記式3及び4においてHは前記凸部の高さ(mm)を示すものであり、上記式4においてαは溶接線方向の単位長さ当たりの前記凸部の体積、βは前記溶接線方向の単位長さ当たりの前記凹部の体積を示すものであり、αの単位とβの単位とは同一である。
【0034】
請求項3記載の継手の溶接方法は、レーザとアークとの複合溶接条件をレーザ出力:1〜50kw、アーク電流:100〜450 A、溶接速度:0.3〜10m/min とした条件下で、レーザとアークとの複合溶接により、被溶接部材の継手を溶接する継手の溶接方法であって、前記溶接に先立ち前記被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を下記式5及び6または下記式7及び8を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸形状面に形成しておき、前記溶接を行うことを特徴とする継手の溶接方法である(第3発明)。
0.2mm ≦H≦1.0mm ----------------------------式5
−2H+7≦10β/(α+β)≦−2H+11 ------ 式6
1.0mm <H≦3.0mm ------------------------式7
−H+6≦10β/(α+β)≦−H+10 ------ 式8
但し、上記式において、Hは前記凸部の高さ(mm)を示すものであり、αは溶接線方向の単位長さ当たりの前記凸部の体積、βは前記溶接線方向の単位長さ当たりの前記凹部の体積を示すものであり、αの単位とβの単位とは同一である。
【0035】
請求項4記載の継手の溶接方法は、前記凸部の稜線が被溶接部材の厚み方向に対し溶接線方向に傾斜している請求項1、2又は3記載の継手の溶接方法である(第4発明)。請求項5記載の継手の溶接方法は、前記凸部の稜線が被溶接部材の厚み方向となす角度が45°以下である請求項1、2、3又は4記載の継手の溶接方法である(第5発明)。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明は、例えば次のような形態で実施する。
被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を前記式1及び2を満たす凸部と凹部とを交互に有する凹凸形状面(以下、凹凸面ともいう)に形成する加工を行う。例えば、継手の一方を図4に示す如き凹凸面に形成する加工を行う。
【0037】
上記継手を突合わせて突合せ継手となし、該突合せ継手を、レーザ溶接条件をレーザ出力:1〜50kw、ビーム径:0.3 〜1mmΦ、溶接速度:0.3 〜10m/min とすると共にフィラーワイヤを供給しない条件の下で、レーザ溶接をする。
【0038】
ここで、フィラーワイヤを供給しながらレーザ溶接をする場合は、前記凹凸面を前記式3及び4を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸面に形成しておき、フィラーワイヤの供給速度:100g/min 以下にし、これらの点を除き上記と同様の方法によりレーザ溶接をする。
【0039】
レーザとアークとの複合溶接をする場合は、前記凹凸面を前記式5及び6または前記式7及び8を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸面に形成しておき、レーザ出力:1〜50kw、アーク電流:100 〜450 A、溶接速度:0.3 〜10m/min の条件下で複合溶接をする。尚、前記凸部の高さを1.0mm 以下とする場合には前記式5及び6を適用し、前記凸部の高さを1.0mm 超とする場合には前記式7及び8を適用する。
【0040】
以下、本発明について主にその作用効果を説明する。
【0041】
本発明(第1〜5発明)に係る継手の溶接方法は前記の通りであり、第1発明に係る継手の溶接方法は、被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を前記式1及び2を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸形状面に形成しておき、レーザ溶接により、被溶接部材の継手を溶接するようにしている。また、第2発明に係る継手の溶接方法は、被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を前記式3及び4を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸形状面に形成しておき、フィラーワイヤを供給しながらレーザ溶接により、被溶接部材の継手を溶接するようにしている。
【0042】
上記溶接の際、被溶接部材(継手)間に存在する凹部は、凸部高さに相当するGap(ギャップ)の役割を果たす。そのため、完全溶込み溶接の場合だけでなく、部分溶込み溶接の場合においても、キーホール底部の周りは部材ではなく空間となり、従って、完全溶込み溶接の場合のように、キーホール底部からの気泡の発生の程度が減少するか、気泡が発生しても部材裏面側から抜け出すことができ、このため溶融金属内に気泡が残存することが少なくなる。
【0043】
従って、本発明(第1発明、第2発明)に係る継手の溶接方法によれば、気泡残存程度を低減し得てブローホール(ポロシティ)発生を抑制し得、ひいては継手強度を高めることができるようになる。
【0044】
ところで、ブローホール(ポロシティ)発生の防止のためにGap を形成する方法として、適切な大きさのスペーサを適切な箇所に設置して仮組することによって部材間にGap を形成する方法(以下、スペーサによる方法という)が考えられる。この方法と本発明(第1発明、第2発明)による方法とを対比すると、以下のようになる。
【0045】
上記スペーサによる方法では、部材の仮組工程が非常に煩雑になるために実用的でなく、仮に実用したとしても仮組工程時間の大幅な増加となり、コストアップになってしまう。これに対し、本発明による方法では、凸部が断続的に存在するため、凸部の稜線を他方の部材に当接させて組み立てれば、隣り合う凸部間に凹部、即ちGap が形成され、このため通常の組立方法と同様の組立方法でよく、コストアップを生じない。
【0046】
更に、上記スペーサによる方法では、連続したGap が形成されるため、フィラーワイヤを供給しない場合、2つの部材の端面の熱容量が小さくないために溶融しづらく、2つの部材を連絡させるほどの溶融金属を得ることができずに抜け落ちてしまう。これに対し、本発明による方法では、断続的に凸部が存在し、凸部は熱容量が小さいために容易に溶融する。このため、凹凸形状を最適形状に設定することにより、2つの部材間で両部材を連絡させるに充分な溶融金属を得ることができ、健全な溶接を行うことができる。
【0047】
また、フィラーワイヤを供給しながらレーザ溶接する場合においても、上記スペーサによる方法では、本発明による方法の場合と同じ大きさのGap を形成した場合、2つの部材間で両部材を連絡させるに充分な溶融金属を得るためには、本発明による方法の場合と比較して、多量のフィラーワイヤを供給しなければならず、ひいては溶込み深さの減少をきたす。
【0048】
更には、上記スペーサによる方法では、多量のフィラーワイヤを供給した場合においても、それが溶融する位置が部材表面であり、部材の板厚によっては溶融金属が部材裏面側に移動することができず、従って、部材裏面側で溶融金属の不足が起こる。また、その場合には、部材裏面側では溶融金属が余り、余盛過多の溶接部が形成される可能性がある。これに対し、本発明による方法では、凸部は非常に容易に溶融し、また、板厚の全域において溶融するため、部材裏面側においても溶融金属の不足が起こり難く、上記スペーサによる方法の場合の如き不都合は生じない。
【0049】
本発明(第1発明、第2発明)に係る継手の溶接方法によれば、前記の如く気泡残存程度を低減し得てブローホール発生を抑制し得る。更に、溶込み深さを増加し得、ひいては継手強度を高めることができるという作用効果を奏する。この詳細を以下説明する。
【0050】
本発明(第1発明、第2発明)に係る継手の溶接方法は、前記凹凸形状面の凸部が熱容量が小さくて非常に容易に溶融するので、通常の開先(開先面が切断のままのもの)を有する部材を溶接する場合と比較し、溶込み深さを増加し得、低出力で同一の溶込み深さを得ることができる。
【0051】
従って、使用可能なレーザの最高出力が低い場合、通常の開先を有する部材を用いると、板厚によっては完全溶込み溶接が達成できなかったり、必要溶込み深さを確保できないことがあるが、本発明のように凹凸形状面に形成したものを用いると、同一出力で完全溶込み溶接の達成もしくは必要溶込み深さの確保が可能となる。
【0052】
即ち、本発明(第1発明、第2発明)に係る継手の溶接方法によれば、溶込み深さを増加し得る。ひいては、継手強度を高めることができるようになる。
【0053】
以上よりわかるように、本発明(第1発明、第2発明)に係る継手の溶接方法によれば、気泡残存程度を低減し得てブローホール(ポロシティ)発生を抑制し得ると共に、溶込み深さを増加し得、ひいては継手強度を高めることができるようになる。
【0054】
本発明(第1発明、第2発明)において、レーザ溶接条件をレーザ出力:1〜50kw、ビーム径:0.3〜1mmΦ、溶接速度:0.3〜10m/min としているのは、主には実用的な溶込み深さである板厚の30%以上の溶込み深さ(以下、所要溶込み深さ)を得るためである。
【0055】
即ち、レーザ出力:1kw未満の場合は所要溶込み深さが得られず、一方、レーザ出力:50kw超の場合は出力過多となって抜け落ちが生じることから、レーザ出力:1〜50kwとしている。また、ビーム径:0.3mmΦ未満の場合は被溶接部材間で溶融金属が連絡しなくなって抜け落ちが生じ、一方、ビーム径:1mmΦ超の場合は所要溶込み深さが得られなくなる場合があることから、ビーム径:0.3〜1mmΦとしている。更に、溶接速度:0.3m/min 未満の場合はレーザ溶接の長所である高速溶接とならず、一方、溶接速度:10m/min 超の場合は所要溶込み深さが得られなくなる場合があることから、溶接速度:0.3〜10m/min としている。
【0056】
尚、上記ビーム径とは、レーザビームの一番細く絞れている焦点位置での径のことである。そのため、開先の凹凸形状とビーム径の選択によっては、凸部高さの方がビーム径よりも大きくなる場合があるが、このような場合でも焦点からずれた位置ではビーム径よりも大きな範囲で部材を溶融することができるため、健全な溶接を行い得る。また、安定的に健全な溶接を行う場合には、焦点位置をずらして、板厚内のビーム径が凸部高さよりも大きくなるようにすることが好ましい。
【0057】
第2発明において、フィラーワイヤの供給速度を100g/min 以下としているのは、100g/min 超にすると、フィラーワイヤ溶融のためにレーザ出力が取られ、溶込み深さが不足するか、レーザ出力によってはフィラーワイヤを溶融させることができなくなるからである。
【0058】
第1発明において、開先の凹凸形状面(凹凸面)の凸部の高さHに関して、これを0.2mm ≦H≦0.5mm であることとしているのは、H<0.2mm にすると、気泡残存程度の低減が不充分となり、また、凹凸面の形成が困難になるか、もしくは凹凸面形成コストが高くなり、一方、H>0.5mm にすると、部材間で溶融金属量が不足するために連絡せず、健全な溶接ができなくなるからである。
【0059】
上記凹凸形状面の凸部及び凹部に関して、1mm≦10H×β/(α+β)≦3mmであることとしているのは、10H×β/(α+β)<1mmにすると、気泡残存程度の低減が不充分となると共に、溶込み深さの増大効果が低減し不充分となり、一方、10H×β/(α+β)>3mmにすると、部材間で溶融金属量が不足するために連絡せず、健全な溶接ができなくなるからである。
【0060】
第2発明において、0.2mm ≦H(凸部の高さ)≦1.0mm であることとしているのは、基本的に第1発明の場合と同様の理由によるものであり、H<0.2mm では気泡残存程度の低減が不充分となり、また、凹凸面の形成が困難になるか、もしくは凹凸面形成コストが高くなり、一方、H>1.0mm にすると、溶融金属量が不足するために連絡せず、健全な溶接ができなくなるからである。尚、第2発明の場合、上限値(:1.0mm)は第1発明の場合(:0.5mm)よりも大きいが、これはフィラーワイヤの供給によって溶融金属が補填されるからである。
【0061】
1mm≦10H×β/(α+β)としているのは、10H×β/(α+β)<1mmにすると、気泡残存程度の低減が不充分となると共に、溶込み深さの増大効果が低減して不充分となるからである。
【0062】
尚、前記αは溶接線方向の単位長さ当たりの凸部の体積を示し、前記βは溶接線方向の単位長さ当たりの前記凹部の体積を示すものであり、両者の単位は同一である(以降、同様)。上記単位長さとは、図5に例示する如く、凹凸形状の繰り返し周期の整数倍の長さ(最低1周期)を意味するものである。図5の場合には、単位長さは4周期の長さとしており、この場合のαは図6に示す如き凸部の体積、βは図7に示す如き凹部の体積となる。
【0063】
第3発明に係る継手の溶接方法は、被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を前記式5及び6または前記式7及び8を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸形状面(凹凸面)に形成しておき、レーザとアークとの複合溶接により、被溶接部材の継手を溶接するようにしている。尚、レーザとアークとの複合溶接とは、レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接のこと、即ち、継手に対してレーザ溶接とアーク溶接とを同時にあるいはほぼ同時に行う溶接のことである。
【0064】
上記溶接の際、凸部は熱容量が小さくて容易に溶融し、凹部が局所的なGap として作用するので、溶込み深さを増大し得、通常の開先(開先面が切断のままのもの)を有する部材を溶接する場合と比較し、深い溶込み深さが得られる。
【0065】
このような溶込み深さ増大の効果は、溶接を上記複合溶接に代えてアーク溶接またはレーザ溶接により行う場合においても得られる。しかしながら、後者の場合よりも上記複合溶接の場合の方が下記の如く種々の面で優れている。
【0066】
アーク溶接により前記の如き凹凸面を形成した部材を用いて溶接を行っても、この場合は上記複合溶接やレーザ溶接による場合と比較してエネルギー密度が低いためにアークが集中せず、従って凹凸面以外の部材も溶融してしまう。このため、溶融部の幅が特に部材表面で広くなり、従って溶接変形が大きくなる。また、アーク溶接の場合は上記複合溶接やレーザ溶接の場合と比較して溶接速度が遅いことから、凹部の隙間から溶融金属が抜け落ち易い。
【0067】
レーザ溶接により前記の如き凹凸面を形成した部材を用いて溶接を行った場合にも、凸部が容易に溶融するため、溶込み深さの増大がみられ、通常の開先を有する部材を用いる場合にはGap が存在すると途端に抜け落ちが発生するが、凹凸面を形成した部材を用いる場合には溶込み深さの増大効果が得られ、抜け落ちが発生しない。これについては、以下のようなことにより説明ができる。
【0068】
即ち、凹凸面が形成されているとその部分が選択的に溶融するため、低出力で深い溶込みが得られる。また、溶融し易いため、凹部深さを制御することにより、溶接部のビード幅を減少させることができる。従って、同一の溶込み深さを得るためには、通常開先によるものよりも低出力でビード幅の狭い溶接ビードを形成することができる。
【0069】
また、通常開先でGap が存在すると、通常開先では2つの部材の突合せ部端面の熱容量が小さくないために溶融しづらく、2つの部材間を連絡させるほどの溶融金属を得ることができない。これに対し、凹凸面が形成されていると、凸部が容易に溶融するため、比較的多量の溶融金属を得ることができ、2つの部材間で溶融金属が連絡することができる。
【0070】
従って、通常開先のものを用いる場合に比較して、凹凸面を形成した部材を用いる場合には抜け落ちが発生し難い。
【0071】
しかしながら、レーザ溶接によって凹凸面を形成した部材を溶接すると、凸部が容易に溶融して溶融金属が得られやすいものの、凹部を埋める溶融金属はどこからも補填されないためにビード表面にアンダーフィルを発生することがある。
【0072】
また、部材の板厚が非常に厚くなった場合には、当然に凹部体積が増加し、溶融金属の不足分が大きくなるので、部材間で溶融金属が連絡しなくなって抜け落ちが発生することがある。
【0073】
この対策として、レーザ溶接時にフィラーワイヤを添加(供給)して溶融金属量を増やす方法も考えられる。しかしながら、凸部が溶融した場合には、板厚の表面側から裏面側に至って均等に開先内部で瞬時に溶融金属が生成するが、フィラーワイヤを添加した場合には、部材の表面近傍で溶融するために板厚裏面側に移動し難く、また、添加できる絶対量が少ないために凹部の不足分を補填する効果は希薄であり、抜け落ちが発生する。
【0074】
これに対し、レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接によって凹凸面を形成した部材を溶接すると、アーク溶接によって多量の溶融金属を添加することができるため、抜け落ちが発生し難くなる。
【0075】
以上のことより、凹凸面を形成した部材をレーザ溶接とアーク溶接との複合溶接によって溶接すると、低歪みで深い溶込み深さの溶接を行うことができることがわかる。即ち、第3発明に係る継手の溶接方法によれば、溶込み深さを増加し得、ひいては継手強度を高めることができ、また、溶接変形(溶接による歪み)を軽減し得るようになることがわかる。
【0076】
以下、上記溶接変形に関する作用効果の詳細、及び、上記以外の作用効果等について、主に説明する。
【0077】
通常開先のものをレーザとアークとの複合溶接によって溶接すると、部材の上部でアーク溶接単独で溶接をした場合のような幅の広いビードとなり、下部でレーザ溶接単独で溶接をした場合よりも若干幅広のビードとなり、部材の板厚の上部と下部とでビード幅の異なる溶接部が形成され易い。このため、溶接変形を発生する。
【0078】
これに対し、凹凸面を形成した部材をレーザとアークとの複合溶接によって溶接すると、凸部が容易に溶融し、また、凹部が断続的に存在するため、凹部空間にアーク溶接ワイヤによる溶融金属が進入し易く、板厚の上部と下部のビード幅の差が少ないビード形状となる。従って、本発明に係る凹凸面を形成した部材をレーザ溶接とアーク溶接との複合溶接によって溶接する方法においては、通常開先のものを複合溶接によって溶接する場合と比較して、溶接変形が起こり難い。
【0079】
通常開先のものをレーザとアークとの複合溶接によって溶接する場合には、アーク溶接する場合と比較して溶接後に溶接金属中に気泡が残存し易いが、本発明に係る方法によれば、複合溶接であるにもかかわらず、気泡残存程度を激減させることができる。これは、前述の如く、基本的には部材間に存在する凹部が凸部高さに相当するGap の役割を果たすことによるものである。また、凹部によってキーホールの底部だけでなく、溶接線前方も空間となることも、気泡の抜け易さに効果を発揮し、気泡残存程度の激減に寄与している。
【0080】
ところで、気泡残存程度を低減させブローホール発生の抑制をはかる方法として、スペーサによる方法があるが、この方法と第3発明による方法とを対比すると、前記スペーサによる方法と第1〜第2発明による方法との対比の場合と同様のことがいえる。
【0081】
本発明による方法では、断続的に凸部が存在し、凸部は熱容量が小さいために容易に溶融する。このため、凹凸形状を最適形状に設定することにより、母材の溶融及びアーク溶接のワイヤからの供給により、2つの部材間で両部材を連絡させるに充分な溶融金属を得ることができ、健全な溶接を行うことができる。
【0082】
ワイヤから溶融金属を供給する方法としては、凹凸面を形成した部材をレーザ溶接により溶接する際にワイヤをフィラーワイヤとして供給する方法が考えられる。しかし、この方法では、フィラーワイヤの溶融はレーザビームによるものとなるため、このワイヤ溶融のためにレーザ出力を使用してしまい、ワイヤを供給せずに同一条件で溶接を行った場合と比較して部材の溶込みが減少する。これに対し、本発明による方法の如く凹凸面を形成した部材を複合溶接により溶接する場合に、ワイヤを供給すると、ワイヤはアークによって溶融するため、ワイヤ溶融のためにレーザ出力を使用する必要がなく、従って、部材の溶込みを減少させるものではない。
【0083】
以上よりわかるように、第3発明に係る継手の溶接方法によれば、レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接により継手の溶接をするに際し、気泡残存程度を低減し得てブローホール発生を抑制し得ると共に、溶込み深さを増加し得、ひいては継手強度を高めることができ、また、溶接変形(溶接による歪み)を軽減することができるようになる。
【0084】
第3発明において、レーザとアークの複合溶接条件をレーザ出力:1〜50kw、アーク電流:100 〜450 A、溶接速度:0.3 〜10m/min としているのは、主には実用的な溶込み深さである板厚の30%以上の溶込み深さ(所要溶込み深さ)を得るためである。
【0085】
即ち、レーザ出力:1kw未満の場合は所要溶込み深さが得られず、一方、レーザ出力:50kw超の場合は出力過多となって抜け落ちが生じることから、レーザ出力:1〜50kwとしている。また、アーク電流:100 A未満の場合はアークが安定しなくなり、一方、アーク電流:450 A超の場合は入熱過多または溶着量過多となることから、アーク電流:100 〜450 Aとしている。更に、溶接速度:0.3m/min 未満の場合は複合溶接の長所である高速溶接とならず、一方、溶接速度:10m/min 超の場合はアークが安定しなくなることから、溶接速度:0.3 〜10m/min としている。
【0086】
第3発明において、開先の凹凸面の凸部の高さHが1mm以下(H≦1.0mm)の場合、0.2mm ≦Hであることとしているのは、H<0.2mm にすると、気泡残存程度の低減が不充分となり、また、凹凸面の形成が困難になるか、もしくは凹凸面形成コストが高くなるからである。また、−2H+7≦10β/(α+β)≦−2H+11であることとしているのは、10β/(α+β)<−2H+7にすると、気泡残存程度の低減が不充分となると共に、溶込み深さの増大効果が低減し不充分となり、一方、10β/(α+β)>−2H+11にすると、部材間で溶融金属量が不足するために連絡せず、健全な溶接ができなくなるからである。
【0087】
凸部の高さHが1mm超(H>1.0mm)の場合、H≦3.0mm としているのは、H>3.0mm にすると、溶融金属量が不足するために連絡せず、健全な溶接ができなくなるからである。また、−H+6≦10β/(α+β)≦−H+10としているのは、10β/(α+β)<−H+6にすると、気泡残存程度の低減が不充分となると共に、溶込み深さの増大効果が低減し不充分となり、一方、10β/(α+β)>−H+10にすると、部材間で溶融金属量が不足するために健全な溶接ができなくなるからである。
【0088】
尚、前記α、βは、前述の如く溶接線方向の単位長さ当たりの凸部の体積、凹部の体積を示すものである。単位長さの定義は前述の定義と同様である。
【0089】
前記開先の凹凸面の凸部は、その稜線が被溶接部材の厚み方向と平行になっていることに限定されず、凸部の稜線が被溶接部材の厚み方向に対し溶接線方向に傾斜していてもよい(第4発明)。即ち、図8及び9に例示するように、被溶接部材12の表面から裏面に向けて深くなるに従って溶接開始端から遠ざかるような方向あるいは近づくような方向に凸部12a の稜線が傾斜していてもよい。但し、凸部の稜線が被溶接部材の厚み方向となす角度、即ち凸部の稜線の傾斜角度θが45°を超える場合には、凹凸面形成加工が困難になるか、もしくは凹凸面形成加工コストが高くなることから、凸部の稜線の傾斜角度θは45°以下とすることが望ましい(第5発明)。尚、図8〜9において、12b は凹部、12c は凹凸面を示すものである。
【0090】
以下、本発明の実施の形態と作用効果について、図面を用い、より具体的に説明する。
【0091】
(1) 第1〜第2発明について
図4に第1〜第2発明に係る継手の例を示す。図4に示す如く、板状部材4の一方の端面(開先面)は、板状部材4の表面から裏面に延びるように板厚方向と平行に向いた稜線をもつ凸部4aと凹部4bを交互に有する凹凸形状面(凹凸面)4cであって第1発明または第2発明に係る条件(式)を満足する凹凸面4cに形成されている。そして、水平の板状部材3の端面(開先面)3aに水平の板状部材4の凹凸面4cが当接している。
【0092】
図4に示すように組立てられた継手5を、第1発明または第2発明に係るレーザ溶接条件でレーザ溶接により溶接線に沿って溶接をする。そうすると、板状部材4の凸部4aは熱容量が小さく容易に溶融するために瞬時に溶融池を形成し、また、凹部4bが断続的に存在するためにキーホールを容易に形成し、このため、同一板厚の部材に図1に示す如き通常開先を用いた場合(Gap =0mm)と比較し、同一出力での溶け込み深さが増大する。
【0093】
また、凹部4bが断続的に存在することに起因して、凹部4b上を溶接している間は、キーホールの底部及び前方は空間となり、このため、気泡の発生の程度及び気泡残存程度が激減するという作用効果を奏する。
【0094】
尚、凸部4a上を溶接する際には一瞬Gap が存在しなくなるが、上記の効果を阻害するものではない。これは、図4に示すように、凸部4aと他部材3の端面3aが線接触するような形状の場合には、Gap が存在しなくなる範囲は接触部だけであると共に、凸部4aが非常に容易に溶融するためである。
【0095】
また、図4では凹凸面4cが三角形状の凸部4aと該凸部4a間に生じる台形状の凹部4bを有して形成されたものを示したが、本発明に係る凹凸面(凹凸形状面)はこのような形状のものに限定されるものではない。例えば、図10(a) に示すような三角形状の凸部と三角形状の凹部を交互に有するものであってもよいし、図10(b) に示すように波形形状の凸部と凹部の連続であってもよい。また、当然に図10(c) や図10(d) に示すように凸部の形状は四角形状や台形形状であってもよく、あるいは、これらの組み合わせによって構成されるものでもよく、同様に優れた作用効果を奏する。
【0096】
更には、上記の例は突合せ継手の溶接の場合の例であるが、例えば角継手、T継手、はめ込み継手等の継手の溶接の場合も上記と同様の作用効果を奏することができる。また、レ型やV型等の傾斜開先部を有する継手においても両部材の接触面(ルート面)に加工により本発明に係る凹凸面を形成したものを用いることもできる。
【0097】
(2) 第3発明について
図11に第3発明に係る継手の例を示す。図11に示すように、板状部材27の開先面は、凸部27a と凹部27b を交互に有する凹凸面27c であって第3発明に係る条件(式)を満足する凹凸面27c に形成されている。そして、水平の板状部材26の端面26a に水平の板状部材27の凹凸面27c が当接している。
【0098】
図11に示す如く組立てられた継手28を、第3発明に係るレーザとアークとの複合溶接条件で複合溶接により溶接線に沿って溶接をする。そうすると、凹部27b が断続的に存在することに起因して、凹部27b 上を溶接している間は、キーホールの底部及び前方は空間となり、このため、気泡の発生の程度及び気泡残存程度が激減するという作用効果を奏する。尚、凸部27a の稜線上を溶接する際には一瞬Gap が存在しなくなるが、上記の効果を阻害するものではない。これは、図11に示すように、凸部27a と他部材26の端面26a が線接触するような形状の場合には、Gap が存在しなくなる範囲は接触部だけであると共に、凸部27a が非常に容易に溶融するためである。
【0099】
また、板状部材27の凸部27a は熱容量が小さく容易に溶融するために瞬時に溶融池を形成し、また、凹部27b が断続的に存在するためにキーホールを容易に形成し、このため、同一板厚の部材に通常開先を用いた場合と比較して、深い溶け込み深さが得られる。
【0100】
この際、凸部27a は溶融し易いため、形成されたビード幅は図12(a) に示すように板厚の表面側から裏面側に至って均等に近い形状となる。従って、図12(b) に示すような通常開先のものに複合溶接をした際の溶接ビードのように部材表面側のビード幅が裏面側よりも広い形状となる場合と比較して、角変形を起こし難い。
【0101】
また、凹部27b の深さを浅く設定することにより、ビード幅全体を通常開先の場合よりも狭くすることができ、溶接後の収縮を小さくできることから、溶接線方向に垂直な方向の収縮変形を小さくすることができる。
【0102】
尚、図11では凹凸面が波形の形状に形成されたものを示したが、本発明に係る凹凸面はこのような形状のものに限定されるものではない。例えば、前述の如く図10に示すような形状のものを採用することができる。
【0103】
また、上記の例は突合せ継手の溶接の場合の例であるが、例えば、角継手、T継手、はめ込み継手等の継手の溶接の場合も上記と同様の作用効果を奏することができる。また、レ型やV型等の傾斜開先部を有する継手においても両部材の接触面(ルート面)に加工により本発明に係る凹凸面を形成したものを用いることもできる。
【0104】
本発明は、被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を前述の如き本発明に係る条件、即ち、式(第1発明の場合でいうと式1及び式2)を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸面に形成しておくことを特に重要な構成要件として有するものである。この凹凸面は、図4や図11に例示するように部材の一方のみに形成してもよいし、部材の両方に形成してもよい。いずれの場合も、本発明に係る条件(式)を満たすようにする必要がある。
【0105】
凹凸面を部材の両方に形成する場合、凸部の高さHは、両部材を当接させて継手に組み立てた時の両部材の凹部の最底部間の距離とする。溶接線方向の単位長さ当たりの凸部の体積αは、上記組み立て時の両部材の凸部体積の和(単位長さ当たりの)とする。溶接線方向の単位長さ当たりの凹部の体積βは、上記組み立て時の両部材間に形成される空間部の溶接線方向単位長さ当たりの体積とする。尚、この場合の単位長さとは、両部材の凸部のピッチが異なる場合には両部材のピッチの最小公倍数となる。
【0106】
本発明において、被溶接部材としてはその材質は特には限定されず、種々のものを用いることができ、例えば、炭素鋼等の鋼類、Al合金、Ti合金等を用いることができる。
【0107】
被溶接部材の大きさについては、特には限定されず、例えば、厚み6mm程度の幅広の板、厚み25mm程度の板等を用いることができる。また、形状についても特には限定されず、断面が図4に例示する如き長方形のものの他、断面が台形状のもの、断面が円形のもの等を用いることができる。但し、被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を前述の如き本発明に係る条件(式)を満たす凹凸面に形成しておくことが必要であり、かかる凹凸面を形成し得る範囲内の被溶接部材の大きさ及び形状であることが必要である。
【0108】
【実施例】
各種継手について種々の溶接条件で溶接を実施し、各種評価試験を行った。その溶接方法及び試験結果について、以下説明する。尚、この溶接の中、継手として開先面が凹凸形状面(凹凸面)に形成されたものを用いた場合の溶接を実施例とし、継手として通常開先のものを用いた場合の溶接を比較例とした。従って、比較例は当然に本発明の実施例に該当しないものであるが、実施例は全てが本発明の実施例に該当するとは限らず、実施例の中には、本発明に係る溶接方法の要件の1以上を満たさず、本発明の実施例に該当しないものもある。本発明の実施例という場合、それは必ず本発明に係る溶接方法の要件を満たす場合の溶接に該当するものである。
【0109】
(1) 実施例(第1発明の実施例を含む)及び比較例−A群
実施例として開先面が凹凸面に形成された継手(第1発明に係る継手等)を用いてレーザ溶接により突合せ継手の溶接を行い、一方、比較例として通常開先の継手を用いてレーザ溶接により突合せ継手の溶接を行い、溶込み深さ比較試験を実施した(いずれもフィラーワイヤ供給せず)。この詳細及び試験結果を、以下説明する。尚、上記実施例の中には本発明の実施例に該当しないものもある。
【0110】
図13に比較例に係る溶接に使用した突合せ継手の形状及びサイズを示す。比較例においては、図13に示す如く、板厚:3.5mm の板状部材6と板状部材7とを水平に配置し、板状部材6の垂直な端面6aと板状部材7の垂直な端面7aとを当接した。このとき、板状部材6の表面6bと板状部材7の表面7b、板状部材6の裏面6cと板状部材7の裏面7cは、同一水平面上に位置するように組み立てた。
【0111】
実施例においては、上記板状部材7に代えて図14に示す波形の凹凸面8cを有する板状部材8を使用した。即ち、レーザ切断によって板状部材8の一方の端面に板状部材8の表面から裏面に至って板厚方向に平行に凸部8aと凹部8bが交互に形成されており、この板状部材8を上記板状部材7に代えて用い、板状部材8の凹凸面8cを板状部材6の垂直な端面6aに当接させた。尚、上記凸部8aの高さHは図14に示す如く0.3mm とした。
【0112】
上記実施例及び比較例に係る突合せ継手に対し、同一の溶接条件によって、フィラーワイヤを供給することなくYAGレーザを用いて溶接を行い、溶接後に溶接部から断面マクロ試験片を採取し、断面マクロ試験を行って溶込み深さを測定した。このときの溶接条件を表1に示し、溶込み深さ測定結果を表2に示す。
【0113】
表1及び表2からわかる如く、実施例に係る溶接方法の場合は、いずれの溶接条件においても、比較例に係る溶接方法の場合に比較して溶込み深さが増大している。特に、実施例No.3の場合、同一溶接条件の比較例No.6では達成できなかった完全溶込み溶接となっており、良好な溶接継手を得ることができた。
【0114】
(2) 実施例(第1発明及び第2発明の実施例を含む)及び比較例−B群
実施例として開先面が凹凸面に形成された継手(第1発明に係る継手および第2発明に係る継手等)を用いてレーザ溶接により突合せ継手の溶接を行い、一方、比較例として通常開先の継手を用いてレーザ溶接により突合せ継手の溶接を行い、最適な凹凸面の形状を把握することを目的とした凹凸形状選定試験を実施した(溶接に際しフィラーワイヤを供給する場合と供給しない場合とがある)。この詳細及び試験結果を、以下説明する。尚、上記実施例には本発明の実施例に該当しないものも含まれている。
【0115】
図15に比較例に係る溶接に使用した突合せ継手の形状及びサイズを示す。図15において9及び10は板状部材、9a及び10a は板状部材の端面、9b及び10b は板状部材の表面、9c及び10c は板状部材の裏面を示すものである。
【0116】
実施例においては、上記板状部材10に代えて図16に示す凹凸面11c を有する板状部材11を使用した。このとき、凹凸面11c の凸部11a は三角形状であり、凸部11a の高さH、凸部11a の裾野の長さA、隣り合う凸部11a の裾野間の距離Bを表3〜5に示す如く変化させ、これに伴って10H×β/(α+β)=10H×Tの値を変化させた。また、上記板状部材10に代えて図8〜9に示す凹凸面12c を有する板状部材12を使用した。このとき、凹凸面12c の凸部12a の稜線が部材の板厚方向となす角度θを表5に示す如く変化させた。尚、図16において11b は凹部を示すものである。
【0117】
上記実施例及び比較例に係る突合せ継手に対し、表6に示す溶接条件でCO2 レーザにより溶接を行い、溶接後のものについてJIS のZ3104 に規定される放射線透過試験方法による放射線透過試験、及び、断面マクロ試験による溶込み深さ測定試験を行った。このときの溶接条件及び試験結果を表3〜5に示す。
【0118】
表3の実施例Iは、フィラーワイヤを供給しないで溶接を行ったものである。表4〜5の実施例IIは、直径:1.2mm のフィラーワイヤを供給しながら溶接を行ったものである。
【0119】
尚、試験結果の評価については、健全な溶接を行うことができ、且つ、通常開先の継手を用いた場合に比較して放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られたものを◎とし、これに対していずれか一方の試験において通常開先の継手を用いた場合と同等であり、他方の試験では充分な結果が得られたものを○とし、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られなかったものを△とし、健全な溶接部が形成されなかったものを×として表示し、◎〜○のものを合格とした。このとき、溶込み深さ測定試験においては、通常開先の継手を用いた場合に比較して同一溶接条件で20%以上の溶込み深さの増大が認められたものを合格とし、溶込み深さ測定試験で充分な結果が得られたものとして扱った。
【0120】
表3〜5及び表6からわかるように、実施例のNo.7〜19及び比較例のNo.37 〜40、46、47はフィラーワイヤを供給しないで溶接を行ったものである。
【0121】
これらの中で、実施例のNo.7〜13の場合は、第1発明に係る溶接方法の要件を満たしているため、健全な溶接を行うことができ、且つ、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られている(◎)か、もしくは、いずれか一方の試験において通常開先の継手を用いた場合と同等であり、他方の試験では充分な結果が得られている(○)。この実施例は、本発明の実施例に該当し、より具体的には第1発明の実施例に該当する。
【0122】
実施例のNo.14 の場合は、凸部高さH及び10H×β/(α+β)=10H×Tの値がいずれも第1発明でのそれよりも小さく、第1発明に係る溶接方法の要件を満たしていないため、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られなかった(△)。
【0123】
実施例のNo.15 〜18の場合は、凸部高さH及び10H×β/(α+β)=10H×Tの値の一方もしくは両方が第1発明でのそれよりも大きく、第1発明に係る溶接方法の要件を満たしていないため、溶接時にビームが抜けてしまい、健全な溶接部が形成されなかった(×)。
【0124】
実施例のNo.19 の場合は、凹凸面形状は第1発明での凹凸面形状に係る数値範囲内にあるものの、溶接速度が第1発明でのそれよりも速く、第1発明に係る溶接方法の要件を満たしていないため、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られなかった(△)。
【0125】
一方、実施例のNo.20 〜36及び比較例のNo.41 〜45、48はフィラーワイヤを供給しながら溶接を行ったものである。
【0126】
これらの中で、実施例のNo.20 〜27及び34〜35の場合は、第2発明に係る溶接方法の要件を満たしているため、健全な溶接を行うことができ、且つ、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られている(◎)か、もしくは、いずれか一方の試験において通常開先の継手を用いた場合と同等であり、他方の試験では充分な結果が得られている(○)。この実施例は、第1発明の実施例に該当する。
【0127】
実施例のNo.28 及び29の場合は、凸部高さHが第2発明でのそれよりも大きくて第1発明に係る要件を満たしていないため、溶接時にビームが抜けてしまい、健全な溶接部が形成されなかった(×)。
【0128】
実施例のNo.30 及び31の場合は、凸部高さH及び10H×β/(α+β)=10H×Tの値がいずれも第2発明でのそれよりも小さく、第2発明に係る要件を満たしていないため、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られなかった(△)。
【0129】
実施例のNo.32 の場合は、凹凸面形状は第2発明での凹凸面形状の範囲内にあるものの、溶接速度が第2発明でのそれよりも遅く、第2発明に係る要件を満たしていないため、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られなかった(△)。
【0130】
実施例のNo.33 の場合は、凹凸面形状については第2発明に係る凹凸面形状の範囲内にあるものの、フィラーワイヤの供給速度が第2発明でのそれよりも速いため、安定してワイヤを溶融することができず、このため健全な溶接ができなかった(×)。
【0131】
実施例のNo.36 の場合は、凹凸面の凸部の稜線が部材の板厚方向となす角度θが、45°よりも大きいため、凹凸面形成加工が困難であった。また、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られなかった(△)。
【0132】
(3) 実施例(第3発明の実施例を含む)及び比較例−C群
実施例として開先面が凹凸面に形成された継手(第3発明に係る継手等)を用いてレーザとアークとの複合溶接またはレーザ単独溶接により角継手の溶接を行い、一方、比較例として通常開先の継手を用いてレーザとアークの複合溶接またはレーザ単独溶接により角継手の溶接を行い、溶込み深さ比較試験を実施した。この詳細及び試験結果を、以下説明する。尚、上記実施例の中には本発明の実施例に該当しないものもある。
【0133】
図17に比較例に係る溶接に使用した角継手の形状及びサイズを示す。比較例においては、図17に示す如く、板厚:8mmの板状部材29を垂直に配置し、これに対して水平に配置された板厚:8mmの板状部材30の端面30a を当接し、L型の角継手に形成した。このとき、板状部材30の端面30a と板状部材29との間の隙間は0mmとなるように組み立てた。
【0134】
実施例においては、上記板状部材30に代えて図18に示す波形の凹凸面31c を有する板状部材31を使用した。即ち、レーザ切断によって板状部材31の一方の端面に板状部材31の表面から裏面に至って板厚方向に平行に凸部31a と凹部31b が交互に形成されており、この板状部材31を上記板状部材30に代えて用い、板状部材31の凹凸面31c を板状部材29に当接させた。このとき、板状部材31の端面31a と板状部材29との間の隙間は0mmとなるように組み立てた。
【0135】
この実施例において、板状部材31の凹凸面31c の凸部31a の高さHは1.5mm とし、凹凸形状は図18に示す如く単純なsin カーブ状であり、溶接線方向の単位長さ当たりの凸部の体積αと凹部の体積βは同一となるようにした。また、隣接する凸部の稜線間の距離を10mmとした。
【0136】
上記実施例及び比較例に係る角継手に対し、同一の溶接条件によって、レーザとアークとの複合溶接又はレーザ単独溶接により溶接を行い、溶接後に溶接部から断面マクロ試験片を採取し、断面マクロ試験を行って溶込み深さを測定した。このときの溶接条件を表7に示し、溶込み深さ測定結果を表8に示す。尚、表8において、部材記号Iは部材29と部材30により構成されるもの、部材記号IIは部材29と部材31により構成されるものを示すものである。
【0137】
表7及び表8からわかる如く、実施例に係る溶接方法の場合は、比較例に係る溶接方法の場合のいずれと比較しても溶込み深さが増大し、溶込み深さの増大効果が認められた。
【0138】
即ち、実施例No.1の場合、板厚8mmの部材に対して完全溶け込み溶接を達成することができた。
【0139】
これに対して、比較例No.2の場合、溶接条件は複合溶接で同一であるが、部材として通常開先のもの(部材I)を用いたため、溶込み深さの増大効果が得られず、実施例No.1の場合と比較して溶込み深さが浅くなった。
【0140】
比較例No.3の場合には、部材として部材Iを用いてレーザ溶接単独で溶接を行ったが、この場合も比較例No.2の場合と同様に溶込み深さが浅くなった。尚、比較例No.3の場合は比較例No.2の場合よりも溶込み深さが深くなっているが、これは、比較例No.2の場合はアーク溶接ワイヤによる溶融金属が、かえってレーザ溶接による溶込みを阻害したためである。
【0141】
また、レーザ溶接単独で部材IIを用いて溶接を行った比較例No.4の場合は、この部材IIをレーザ溶接単独での溶接に用いるには凸部高さHが大きかったために部材29と部材31との間で溶融金属が連絡しなくなり、溶落ちを発生した。
【0142】
(4) 実施例(第3発明の実施例を含む)及び比較例−D群
実施例として開先面が凹凸面に形成された継手(第3発明に係る継手等)を用いてレーザとアークの複合溶接を行い、一方、比較例として通常開先の継手を用いてレーザとアークの複合溶接を行い、最適な凹凸面の形状を把握することを目的とした凹凸形状選定試験を実施した。この詳細および試験結果を、以下説明する。尚、上記実施例には本発明の実施例に該当しないものも含まれている。
【0143】
比較例においては図17に示す角継手を用いた。この開先形状は通常開先のものである。
【0144】
実施例においては、上記図17の板状部材30に代えて図19〜20に示す凹凸面32c を有する板状部材32を使用した。このとき、凹凸面32c の凸部32a は三角形状であり、凸部32a の高さH、凸部32a の裾野の長さA、隣り合う凸部32a の裾野間の距離Bを表9〜10に示す如く変化させ、これに伴って10β/(α+β)=10Tの値を変化させた。また、上記板状部材32に代えて図8〜9に示す凹凸面12c を有する板状部材12を使用した。このとき、凹凸面12c の凸部12a の稜線が部材の板厚方向となす角度θを表9〜10に示す如く変化させた。尚、図19〜20において32b は凹部を示すものである。
【0145】
上記実施例及び比較例に係る突合せ継手に対し、表11に示す溶接条件でCO2 レーザとアークとの複合溶接により溶接を行い、溶接後のものについてJIS のZ3104 に規定される放射線透過試験方法による放射線透過試験、及び、断面マクロ試験による溶込み深さ測定試験を行った。このときの溶接条件及び試験結果を表9〜10に示す。
【0146】
尚、試験結果の評価については、健全な溶接を行うことができ、且つ、通常開先の継手を用いた場合に比較して放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られたものを◎とし、これに対していずれか一方の試験において通常開先の継手を用いた場合と同等であり、他方の試験では充分な結果が得られたものを○とし、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られなかったものを△とし、溶接が安定せず健全なビードが形成されなかったものを▲とし、ビードが抜けてしまい健全な溶接部が形成されなかったものを×として表示し、◎〜○のものを合格とした。このとき、溶込み深さ測定試験においては、通常開先の継手を用いた場合(比較例No.28 〜36)に比較して同一溶接条件で20%以上の溶込み深さの増大が認められたものを合格とし、溶込み深さ測定試験で充分な結果が得られたものとして扱った。
【0147】
表9〜10及び表11からわかるように、実施例のNo.5〜15及び25、26の場合は、第3発明に係る溶接方法の要件を満たしているため、健全な溶接を行うことができ、且つ、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験のいずれも充分な結果が得られている(◎)か、もしくは、いずれか一方の試験において通常開先の継手を用いた場合と同等であり、他方の試験では充分な結果が得られている(○)。この実施例は、第3発明の実施例に該当する。
【0149】
実施例のNo.16 、18〜19の場合は、凸部高さH又は10β/(α+β)=10Tの値が第3発明でのそれよりも小さく、第3発明の要件である式5、式6のいずれかを満たしていないため、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験において充分な結果が得られなかった(△)。
【0150】
実施例のNo.17 、20の場合は、凸部高さH又は10β/(α+β)=10Tの値が第3発明でのそれよりも大きく、第3発明の要件である式7、式8のいずれかを満たしていないため、溶接時にビードが抜けてしまい、健全な溶接部が形成されなかった(×)。
【0151】
実施例のNo.27 の場合は、凹凸面の凸部の稜線が部材の板厚方向となす角度θが、45°よりも大きいため、凹凸面形成加工が困難であった。また、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験において充分な結果が得られなかった(△)。
【0152】
実施例のNo.21 〜24の場合は、凹凸面形状は第3発明での凹凸面形状に係る数値範囲内にあるものの、溶接条件が第3発明に係る溶接方法の要件である溶接条件を満たしていないため、不合格となった(▲又は△)。即ち、実施例のNo.21 の場合は、溶接電流(アーク電流)が第3発明でのそれよりも小さいため、又、No.22 の場合は、溶接電流が第3発明でのそれよりも大きいため、アークが安定せず、健全なビードを形成させることができなかった(▲)。実施例のNo.23 の場合は、溶接速度が第3発明でのそれよりも遅いために高能率溶接とならないだけでなく、放射線透過試験及び溶込み深さ測定試験において充分な結果が得られなかった(△)。実施例のNo.24 の場合は、溶接速度が第3発明でのそれよりも速いために健全なビードを形成させることができなかった(▲)。
【0153】
(5) 実施例(第3発明の実施例を含む)及び比較例−E群
実施例として開先面が凹凸面に形成された継手(第3発明に係る継手等)を用いてレーザとアークの複合溶接を行い、一方、比較例として通常開先(但しV開先)の継手を用いてアーク溶接を行い、溶接変形の程度を把握するための溶接変形試験を行った。この詳細及び試験結果を、以下説明する。尚、上記実施例には本発明の実施例に該当しないものも含まれている。
【0154】
実施例においては、図21〜22に示す凹凸面34c を有する板状部材34と、垂直な端面を有する板状部材36とを図23(a) に示すように当接させ、突合せ継手に組み立てた。このとき、板状部材34の凹凸面34c の凸部34a の高さH、凸部34a の裾野の長さA、隣り合う凸部34a の裾野間の距離Bを表12に示す如く変化させた。尚、図21〜22において34b は凹部を示すものである。
【0155】
比較例においては、図24〜25に示す如く、端面を傾斜して切断してなる傾斜面を有する板状部材35を対にして突合せ、図23(b) に示すようなV開先を形成した突合せ継手に組み立てた。
【0156】
上記実施例に係る突合せ継手に対して、表13に示す溶接条件でCO2 レーザとアークとの複合溶接により溶接を行い、一方、上記比較例に係る突合せ継手に対して、表13に示す溶接条件でCO2 溶接(アーク溶接)により2層溶接を行った。そして、溶接後に図26に示す変形角度γを測定した。
【0157】
上記変形角度γの測定結果を凹凸面形状に係る数値及び溶接条件と共に表12に示す。表12からわかる如く、比較例の場合に比較して実施例の場合は溶接変形が小さい。即ち、比較例No.40 の場合よりも実施例No.37 〜39の場合はいずれも溶接後の変形角度γが小さい。
【0158】
【表1】
Figure 0003862915
【0159】
【表2】
Figure 0003862915
【0160】
【表3】
Figure 0003862915
【0161】
【表4】
Figure 0003862915
【0162】
【表5】
Figure 0003862915
【0163】
【表6】
Figure 0003862915
【0164】
【表7】
Figure 0003862915
【0165】
【表8】
Figure 0003862915
【0166】
【表9】
Figure 0003862915
【0167】
【表10】
Figure 0003862915
【0168】
【表11】
Figure 0003862915
【0169】
【表12】
Figure 0003862915
【0170】
【表13】
Figure 0003862915
【0171】
【発明の効果】
本発明に係る継手の溶接方法によれば、レーザ溶接により継手の溶接をするに際し、気泡残存程度を低減し得てブローホール(ポロシティ)発生を抑制し得ると共に、溶込み深さを増加し得、ひいては継手強度を高めることができるようになる。また、レーザ溶接とアーク溶接との複合溶接により継手の溶接をするに際し、気泡残存程度を低減し得てブローホール発生を抑制し得ると共に、溶込み深さを増加し得、ひいては継手強度を高めることができ、また、溶接変形(溶接による歪み)を軽減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の突合せ継手の概要を示す正面図である。
【図2】 従来の角継手の概要を示す正面図である。
【図3】 傾斜した切欠を形成した角継手の概要を示す正面図である。
【図4】 本発明に係る継手の例を示す図であって、図4の(a) は斜視図、図4の(b) は上面図、図4の(c) は側面図である。
【図5】 本発明に係る継手の例を示すと共に溶接線方向の単位長さを説明するための斜視図である。
【図6】 本発明に係る溶接線方向の単位長さ当たりの凸部の体積αを説明するための図である。
【図7】 本発明に係る溶接線方向の単位長さ当たりの凹部の体積βを説明するための図である。
【図8】 本発明に係る凸部の稜線が傾斜している継手部材の概要を示す図であって、図8の(a) は斜視図、図8の(b) は上面図である。
【図9】 本発明に係る凸部の稜線が傾斜している継手部材の概要を示す正面図である。
【図10】 本発明に係る凹凸形状面の概要を示す側面図であって、図10の(a) は凸部が三角形状である凹凸形状面、図10の(b) は波形形状である凹凸形状面、図10の(c) は凸部が四角形状である凹凸形状面、図10の(d) は凸部が台形形状である凹凸形状面を示す図である。
【図11】 本発明に係る継手の例を示す図であって、図11の(a) は斜視図、図11の(b) は上面図、図11の(c) は側面図である。
【図12】 溶接ビードの形状を示す正面図であって、図12の(a) は継手として本発明に係る継手を用いた場合の溶接ビードの形状、図12の(b) は継手として通常開先の継手を用いた場合の溶接ビードの形状を示す図である。
【図13】 比較例に係る溶接に用いた突合せ継手を示す正面図である。
【図14】 実施例に係る溶接に用いた板状部材を示す図であって、図14の(a) は上面図、図14の(b) は正面図である。
【図15】 比較例に係る溶接に用いた突合せ継手を示す正面図である。
【図16】 実施例に係る溶接に用いた板状部材を示す図であって、図16の(a) は斜視図、図16の(b) は上面図、図16の(c) は正面図である。
【図17】 比較例に係る溶接に使用した角継手を示す正面図である。
【図18】 実施例に係る溶接に用いた板状部材を示す図であって、図18の(a) は上面図、図18の(b) は正面図である。
【図19】 実施例に係る溶接に用いた板状部材を示す斜視図である。
【図20】 実施例に係る溶接に用いた板状部材を示す図であって、図20の(a) は上面図、図20の(b) は正面図である。
【図21】 実施例に係る溶接に用いた板状部材を示す斜視図である。
【図22】 実施例に係る溶接に用いた板状部材を示す図であって、図22の(a) は上面図、図22の(b) は正面図である。
【図23】 溶接変形試験用の継手を示す正面図であって、図23の(a) は実施例に係る継手、図23の(b) は比較例に係る継手を示す図である。
【図24】 比較例に係る溶接に用いた板状部材を示す斜視図である。
【図25】 比較例に係る溶接に用いた板状部材を示す図であって、図25の(a) は上面図、図25の(b) は正面図である。
【図26】 比較例に係る溶接後の変形角度γを説明する正面図である。
【符号の説明】
3--板状部材、4--板状部材、4a--凸部、4b--凹部、4c--凹凸形状面、5--継手、6--板状部材、7--板状部材、8--板状部材、8a--凸部、8b--凹部、8c--凹凸形状面、9--板状部材、10--板状部材、11--板状部材、11a-- 凸部、11b-- 凹部、11c-- 凹凸面、12--被溶接部材、12a-- 凸部、12b-- 凹部、12c-- 凹凸面、26--板状部材、27--板状部材、27a-- 凸部、27b-- 凹部、27c-- 凹凸面、28--継手、29--板状部材、30--板状部材、31--板状部材、31a-- 凸部、31b-- 凹部、31c-- 凹凸面、32--板状部材、32a-- 凸部、32b-- 凹部、32c-- 凹凸面、34--板状部材、34a-- 凸部、34b-- 凹部、34c-- 凹凸面、35--板状部材、36--板状部材。

Claims (5)

  1. レーザ溶接条件をレーザ出力:1〜50kw、ビーム径:0.3 〜1mmΦ、溶接速度:0.3 〜10m/min とすると共にフィラーワイヤを供給しない条件の下で、レーザ溶接により、被溶接部材の継手を溶接する継手の溶接方法であって、前記溶接に先立ち前記被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を下記式1及び2を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸形状面に形成しておき、前記溶接を行うことを特徴とする継手の溶接方法。
    0.2mm ≦H≦0.5mm ---------------- 式1
    1mm≦10H×β/(α+β)≦3mm ------ 式2
    但し、上記式1及び2においてHは前記凸部の高さ(mm)を示すものであり、上記式2においてαは溶接線方向の単位長さ当たりの前記凸部の体積、βは前記溶接線方向の単位長さ当たりの前記凹部の体積を示すものであり、αの単位とβの単位とは同一である。
  2. レーザ溶接条件をレーザ出力:1〜50kw、ビーム径:0.3 〜1mmΦ、溶接速度:0.3 〜10m/min とした条件下で、フィラーワイヤを供給速度:100g/min 以下で供給しながら、レーザ溶接により、被溶接部材の継手を溶接する継手の溶接方法であって、前記溶接に先立ち前記被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を下記式3及び4を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸形状面に形成しておき、前記溶接を行うことを特徴とする継手の溶接方法。
    0.2mm ≦H≦1.0mm ---------------- 式3
    1mm≦10H×β/(α+β) ------式4
    但し、上記式3及び4においてHは前記凸部の高さ(mm)を示すものであり、上記式4においてαは溶接線方向の単位長さ当たりの前記凸部の体積、βは前記溶接線方向の単位長さ当たりの前記凹部の体積を示すものであり、αの単位とβの単位とは同一である。
  3. レーザとアークとの複合溶接条件をレーザ出力:1〜50kw、アーク電流:100 〜450 A、溶接速度:0.3 〜10m/min とした条件下で、レーザとアークとの複合溶接により、被溶接部材の継手を溶接する継手の溶接方法であって、前記溶接に先立ち前記被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を下記式5及び6または下記式7及び8を満たす凸部と凹部を交互に有する凹凸形状面に形成しておき、前記溶接を行うことを特徴とする継手の溶接方法。
    0.2mm ≦H≦1.0mm ----------------------------式5
    −2H+7≦10β/(α+β)≦−2H+11 ------ 式6
    1.0mm <H≦3.0mm ------------------------式7
    −H+6≦10β/(α+β)≦−H+10 ------ 式8
    但し、上記式において、Hは前記凸部の高さ(mm)を示すものであり、αは溶接線方向の単位長さ当たりの前記凸部の体積、βは前記溶接線方向の単位長さ当たりの前記凹部の体積を示すものであり、αの単位とβの単位とは同一である。
  4. 前記凸部の稜線が被溶接部材の厚み方向に対し溶接線方向に傾斜している請求項1、2又は3記載の継手の溶接方法。
  5. 前記凸部の稜線が被溶接部材の厚み方向となす角度が45°以下である請求項1、2、3又は4記載の継手の溶接方法。
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