JP3862896B2 - 炉用ステーブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉などの冶金炉の炉体を冷却する炉用ステーブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、冶金炉の炉体を冷却する炉用ステーブが工業界において広く使用されている。この炉用ステーブは、炉体鉄皮の炉内側内面に設置される。図9と図10を参照して、従来の炉用ステーブを説明する。
【0003】
図9は、冷却水用給排水管とステーブ取付ボルト部を省略した従来の炉用ステーブの外観を示す斜視図であり、図10(a)は、図9の炉用ステーブの一部を示す側面図であり、(b)は(a)のIV−IV断面図である。
【0004】
炉用ステーブ10は、板状の本体20と、この本体20の表面(前面)20aに形成された複数本の突起30(凸部)とを有する。複数本の突起30は互いに所定間隔離れてほぼ平行に形成されており、これらの突起30によって炉用ステーブ10の前面20aには凹凸が形成されていることとなる。炉用ステーブ10を炉内に設置する場合は、複数本の突起30が炉の底面に平行になるように本体20の前面20aを炉内に向け、各突起30が耐火物などを支持し易いように設置する。なお、図10に示すように、本体20の内部には、冷却水が流れる冷却水路22が複数形成されている。冷却水路22の横断面は円形、楕円形、矩形など様々であるが、ここでは一例として円形のものを示す。
【0005】
炉内に向いた本体20前面には、断熱層となる耐火物が施工される。この耐火物によって、炉を立ち上げた直後に炉用ステーブ10が急激に加熱されても、この急激な温度上昇から本体20が保護される。さらに、本体20の前面耐火物は、炉内充填物に対する冷却効果を抑制する。この結果、無駄な熱損失を低減できる。なお、炉用ステーブ10が炉内に取り付けられる位置によっては、スラグなどの溶融物が炉用ステーブ10の冷却効果によって自ら凝固して炉用ステーブ10の前面に付着することもある。この場合、この付着した溶融物が耐火物の代わりになるので耐火物の施工は不要となることがある。
【0006】
また、炉用ステーブ10の前面20aの突起30は耐火物を支持する役割を果すだけでなく、この支持された耐火物(以下、前面耐火物という。)や付着物(以下、前面付着物という。)を冷却して維持する役割も担っている。前面耐火物は冷却されることによりその寿命が延び、一方、前面付着物は冷却されることによりいっそう強固な付着物層を形成する。これら前面耐火物や前面付着物(以下、これらを前面支持層という。)は炉内からの熱損失を抑制するので、前面支持層を維持することは重要なことである。従って、炉用ステーブ10がその本体20自身を冷却・維持すると共に、前面支持層を効率良く冷却しながら維持し続けることが望まれる。
【0007】
ところで、炉用ステーブ10では、本体20の表面20aから冷却水路22までの厚さt1や、冷却水路22から本体20の裏面(背面)20bまでの厚さt2などは、炉用ステーブ10の製作精度や強度を考慮して一定値以上あることが要求されている。従って、炉用ステーブ10では、上記の厚さt1,t2と冷却水路22の内径(または断面厚さ)Dに基づいて、本体20の厚さBが決定される。
【0008】
また、炉用ステーブ10は、銅や銅合金など比較的高価な材料から製造されることがある。この場合、使用する材料を少なくすることが炉用ステーブ10のコストダウンになる。しかし、炉用ステーブ10の本体20の厚さBは、上記のように厚さt1,t2などに基づいて決定される。従って、炉用ステーブ10を製造する際に使用する材料を少なくするためには、突起30を小さくするか、若しくは、冷却水路22の内径Dを小さくすることが考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、突起30は前面支持層を支持する役目をもつので、その高さAをむやみに低くできない。また、冷却水路22には適正な量の冷却液が適正な速度で流れて前面支持層や本体を冷却することが必要とされるので、冷却水路22の断面積(図10(a)では内径D)もむやみに小さくできない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、使用材料を減らしても前面支持層及び本体を十分に冷却できる炉用ステーブを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の炉用ステーブは、冷却液が流れる冷却液路が内部に形成された液路部分と、上記冷却液路が内部に形成されていない非液路部分とを備えた炉用ステーブにおいて、
(1)上記非液路部分は、上記液路部分の厚さよりも薄いものであることを特徴とするものである。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明の第2の炉用ステーブは、冷却液が流れる冷却液路が内部に形成された液路部分及び上記冷却液路が内部に形成されていない非液路部分を有する板状の本体と、この本体の表面に所定間隔で形成された所定長さの複数本の突起とを備えた炉用ステーブにおいて、
(2)上記本体の上記表面のうち上記液路部分の前方に形成された、上記冷却液路の一部を含む凸部を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
ここで、
(3)上記凸部は、上記非液路部分を薄くすることにより形成されたものであってもよい。
【0014】
また、上記目的を達成するための本発明の第3の炉用ステーブは、冷却液が流れる冷却液路が内部に形成された液路部分と、上記冷却液路が内部に形成されていない非液路部分とを有する板状の本体を備えた炉用ステーブにおいて、
(4)上記本体の表面のうち内側に上記冷却液路のある部分に形成された、上記冷却液路に沿って延びる凸部を有することを特徴とするものである。
【0015】
ここで、
(5)上記冷却液路は、その内壁面の面積の1/2以上が上記本体の内部に存在するように形成されたものであってもよい。
【0016】
また、
(6)上記冷却液路は、上記冷却液路の中心線が上記本体の表面よりもこの本体の内側に存在するように形成されたものであってもよい。
【0017】
さらに、
(7)上記炉用ステーブは、銅製若しくは銅合金製のものであってもよい。
【0018】
なお、冷却液路の中心線とは、冷却液路の横断面の中心を結ぶ線をいい、冷却液の流れに沿った線である。また、炉用ステーブの本体とは、炉用ステーブのうち板状の部分をいい、凸部や突起を含まない部分をいう。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の炉用ステーブの実施形態を説明する。
【0020】
図1と図2を参照して、第1実施形態の炉用ステーブを説明する。
【0021】
図1は、第1実施形態の炉用ステーブを示す斜視図である。図2(a)は、図1の炉用ステーブの正面図であり、(b)は、図1の炉用ステーブの側面図であり、(c)は、(a)のI−I断面図である。
【0022】
第1実施形態の炉用ステーブ40は、板状の本体50と、この本体50の表面52に形成された複数本の長い凸部60とを有する銅製若しくは銅合金製のものである。本体50の内部には、冷却水が流れる冷却水路54(本発明にいう冷却液路の一例である。)が縦方向に複数形成されている。本体50の裏面56には、冷却水路54を流れる冷却水の流入口58と排出口59が形成されている。複数本(図では4本)の凸部60は、互いにほぼ等間隔離れてほぼ平行に形成されている。炉用ステーブ40を炉(図示せず)に設置する際には、凸部60が炉の高さ方向にほぼ平行になるように炉用ステーブ40を配置する。
【0023】
本体50のうち凸部60に沿った部分50a(本発明にいう液路部分の一例である。)の内部には冷却水路54が形成されている。また、本体50の表面52のうち凸部60に隣接した面には、凹部62が形成されていることとなる。本体50のうちこの凹部62に沿った部分50b(本発明にいう非液路部分の一例である。)の内部には、冷却水路54が形成されていない。従って、本体50の表面52のうち冷却水路54に向き合わない部分(非液路面といい、内側に冷却水路54の無い表面)に凹部62が形成されていることとなる。
【0024】
炉用ステーブ40では、本体50の表面52のうち非液路面(内側に冷却水路54の無い表面)に凹部62を形成することにより、非液路部分50bの厚さを液路部分50aの厚さよりも薄くした。このため、本体50の厚さが、T2よりも薄いT1となり、非液路部分50bでは(T2−T1)の厚さ分だけ、炉用ステーブ40を製造する際の材料を少なくできる。この結果、炉用ステーブ40を低価格で製造できることとなる。
【0025】
ところで、上記の炉用ステーブ40は炉底の側壁として使用される場合を想定したものである。この場合、炉用ステーブ40の前面の凹部に不定形耐火物が施され、その前方に固形レンガ(前面支持層の一例である)が積まれる。この炉用ステーブ40では、表面52に凹部62を形成することにより表面52に凹凸が形成されているので、表面52とこの表面52に接した耐火物(固形れんがを含む)とが接触する面が増える。このため、冷却効果が高まる。しかも、凹部62が形成されることにより、冷却水路54が表面52に接近するので、耐火物がいっそう冷却され易い。この結果、使用材料を減らしても耐火物を十分に冷却できる炉用ステーブ40が得られる。なお、炉用ステーブ40の本体50も、冷却水路54を流れる冷却水によって十分に冷却される。
【0026】
図3と図4を参照して、第2実施形態の炉用ステーブを説明する。
【0027】
図3は、第2実施形態の炉用ステーブを示す斜視図である。図4(a)は、図3の炉用ステーブの正面図であり、(b)は、図3の炉用ステーブの側面図であり、(c)は、(a)のII−II断面図である。
【0028】
第2実施形態の炉用ステーブ70は、板状の本体80を備えており、銅製若しくは銅合金製のものである。本体80の表面82には、複数本の長い突起72が互いに所定間隔離れてほぼ平行に形成されている。炉用ステーブ70を炉に設置する場合、複数本の突起72を炉の底面にほぼ平行にし、各突起72が耐火物などの前面支持層を支持し易いようにする。また、表面82には、突起72に直交する方向に複数本(図では4本)の長い凸部90が互いにほぼ等間隔でほぼ平行に形成されている。凸部90は突起72の表面72aよりもやや低い位置にある。炉用ステーブ70を炉(図示せず)に設置する際には、突起72が炉底にほぼ平行になるように炉用ステーブ70を配置する。
【0029】
本体80の内部には、冷却水が流れる冷却水路84が縦方向に複数形成されている。ここでは、冷却水路84が縦方向に形成されているものを例に挙げたが、横方向や斜め方向に冷却水路84が形成された本体80もある。このような場合、冷却水路84に沿って凸部90が形成されている。
【0030】
また、本体80の裏面86には、冷却水路84を流れる冷却水の流入口88と排出口89が形成されている。各冷却水路84は、本体80のうち凸部90に沿った部分80a(本発明にいう液路部分の一例である。)の内部に形成されている。また、本体80の表面82のうち凸部90に隣接した面には凹部92が形成されていることとなる。本体80のうちこの凹部92に沿った部分80b(本発明にいう非液路部分の一例である。)の内部には、冷却水路84が形成されていない。従って、本体80の表面82のうち冷却水路84に向き合わない非液路面(内側に冷却水路84の無い表面)に凹部92が形成されていることとなる。
【0031】
ここで、図5を参照して、従来の炉用ステーブと第2実施形態の炉用ステーブの厚さを比較する。
【0032】
図5は、従来の炉用ステーブと第2実施形態の炉用ステーブの厚さを比較する、(a)は、従来の炉用ステーブを示す断面図であり、(b)は、第2実施形態の炉用ステーブを示す断面図である。図5(a)では、図10の構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。図5(b)では、図4の構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0033】
従来の炉用ステーブ10では、本体20の厚さがT3になるように設計している。この場合、本体20の形状は直方体であり、その前面には複数本の突起30が形成されている。この突起30の高さはtである。
【0034】
これに対し、本実施形態の炉用ステーブ70では本体80が厚さが、T3よりも薄いT4になるようにし、冷却水路84を表面82に接近させると共に冷却水路84の前方に凸部90を形成した。なお、突起72の高さはtであり、従来の突起30の高さtと同じである。
【0035】
この結果、本体80の厚さT4が従来の厚さT3よりもδだけ薄くなり、炉用ステーブ70を製造する際の材料を少なくできる。この結果、炉用ステーブ70を低価格で製造できることとなる。また、炉用ステーブ70では、表面82の凹凸が増えて表面82と前面支持層とが接触する面の数が増える。このため、前面支持層に対する冷却効果が高まる。しかも、凹部92(図4参照)に位置する前面支持層は少なくとも三方の面から冷却されるので、いっそう十分に冷却される。さらに、凹部92が形成されることにより、冷却水路84が表面82に接近することとなるので、前面支持層がいっそう冷却効果が高い。このため、使用材料を減らしても前面支持層や本体80を十分に冷却できる炉用ステーブ70が得られる。なお、上記の例では炉用ステーブ70が従来に比べてδだけ薄くなるが、炉用ステーブの薄型化は炉内容積の拡大に結びつくことが多い。
【0036】
図6と図7を参照して、第3実施形態の炉用ステーブを説明する。
【0037】
図6は、第3実施形態の炉用ステーブを示す斜視図である。図7(a)は、図6の炉用ステーブの正面図であり、(b)は、図6の炉用ステーブの側面図であり、(c)は、(a)のIII−III断面図である。
【0038】
第3実施形態の炉用ステーブ100は、板状の本体110と、この本体110の表面112に形成された長い凸部120とを有する銅製若しくは銅合金製のものである。本体110の内部には、冷却水が流れる冷却水路114が形成されている。冷却水路114は、本体110の内部の上部から下部にかけて折れ曲がりながら延びている。このような冷却水路114の配置は、水路系統の数を減らしたい場合に有効である。なお、本体110の裏面116には、冷却水路114を流れる冷却水の流入口118と排出口119が形成されている。
【0039】
凸部120は、主に本体110の表面112のうち冷却水路114に向き合う液路面(内側に冷却水路114が形成されている表面)に形成されているが、液路面に向き合っていない部分にも凸部120の一部は形成されている。このため、凸部120は、表面112の上部から下部にかけて折れ曲がりながら冷却水路114に沿って延びている。炉用ステーブ100を炉(図示せず)に設置する際には、凸部120のうち横に細長い部分120aが炉の底面にほぼ平行になるように炉用ステーブ100を配置する。
【0040】
上記のように、本体110のうち凸部120に沿った部分110aの内部には冷却水路114が形成されている。この部分110aは、本発明にいう液路部分の一例である。また、本体110の表面112のうち凸部120に隣接した面には、凹部122が形成されている。本体110のうちこの凹部122に沿った部分110bの内部には冷却水路114が形成されていない。この部分110bは、本発明にいう非液路部分の一例である。
【0041】
炉用ステーブ100では、本体110の表面112のうち冷却水路114に向き合わない非液路面(内側に冷却水路114の無い表面)に凹部122を形成することにより、非液路部分110bの厚さを液路部分110aの厚さよりも薄くした。このため、本体110の厚さが、T5(従来の炉用ステーブの本体の厚さ)よりも薄いT6となる。また、凹部を形成することにより、炉用ステーブ100の本体110の表面112に、前面支持層を冷却するための凸部を形成したこととなる。なお、凸部の高さは任意に設定するものである。
【0042】
このように、非液路面に凹部122を形成したので、非液路部分110bでは(T5−T6)の厚さ分だけ、炉用ステーブ100を製造する際の材料を少なくできる。この結果、炉用ステーブ100を低価格で製造できることとなる。また、炉用ステーブ100では、表面112に凹部122を形成することにより表面112に凹凸が形成されて前面支持層を十分に冷却できる。しかも、凹部122が形成されることにより冷却水路114が表面112に接近するので、前面支持層がいっそう冷却され易く、冷却効果が高まる。この結果、使用材料を減らしても前面支持層を十分に冷却できる炉用ステーブ100が得られる。
【0043】
上述した各実施形態では、炉用ステーブ本体の表面のうち冷却水路に向き合う液路面(内側に冷却水路が形成された表面)に凸部が形成されている。ここで、冷却水路が形成された位置について、図8を参照して説明する。
【0044】
図8は、冷却水路の位置を模式的に示す断面図である。ここでは、図1と図2を参照して説明した炉用ステーブ40を例に挙げて説明する。
【0045】
冷却水路54は、その内壁面54aの面積(抜熱面積)の1/2以上が本体50の内部に存在するように形成されている。このため、冷却水路54を流れる冷却水によって本体50(直方体の部分)への冷却効果を維持する。なお、冷却水路54のピッチ(互いに隣り合う冷却水路54の距離)は250mm以下が望ましい。
【0046】
上記のように冷却水路54の内壁面54aの面積の1/2以上が本体50内部に存在させるためには、冷却水路54の横断面を2分割する分割線54b(本体50の表面52に平行な線)を、本体50の表面52よりも本体50の内部側に位置させる。図では、分割線54bを表面52よりもT7だけ内側に位置させた。また、冷却水路54の中心を通る中心線54c(図8の紙面に垂直な線)を、本体50の表面52よりも本体50の内側に位置させる。このように分割線54bや中心線54cの位置を規制することにより内壁面54aの面積の1/2以上を本体50の内部に存在でき、本体50の温度を低く保てる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の第1の炉用ステーブでは、非液路部分の厚さを液路部分よりも薄くしたので、この薄い部分を表面(前面)に形成して凹凸にすることにより、前面と前面支持層とが接触する面が増え、前面支持層を十分に冷却できるとともに、本体の冷却効果も維持できる。また、非液路部分を薄くする分だけ、炉用ステーブを製造する際の材料を少なくできる(減らせる)。このため、炉用ステーブを低価格で製造できることとなる。従って、炉用ステーブと前面支持層を十分に冷却できると共に、無駄な部分を減肉してコストダウンを図った炉用ステーブが得られる。
【0048】
また、本発明の第2の炉用ステーブでは、液路部分の前方に凸部が形成されているので、非液路部分の厚さが、凸部を含む液路部分の厚さよりも薄い。また、本体表面に凹凸が形成されていることとなるので、この凹凸と複数本の突起が前面支持層に接触する面を増やせる。しかも、冷却液路の一部が凸部に含まれているので、前面支持層を十分に冷却できる。また、非液路部分が薄い分だけ、本体を薄くでき、本体を製造する際の材料を少なくできる(減らせる)。このため、炉用ステーブを低価格で製造できることとなる。
【0049】
ここで、上記凸部は、前記非液路部分を薄くすることにより形成されたものである場合は、本体の肉厚が薄くなり、上記と同様の効果がある。
【0050】
また、本発明の第3の炉用ステーブでは、凸部が形成されているので冷却液路を前面に接近するように形成できる。この冷却液路の一部が炉底に平行になるように冷却液路を形成することにより、凸部も炉底に平行に形成される。この結果、凸部に支持されている前面支持層をいっそう確実に冷却できる。また、本体のうち非液路部分の厚さが液路部分よりも薄いこととなるので、その薄い分だけ、本体を製造する際の材料を少なくできる。このため、炉用ステーブを低価格で製造できることとなる。
【0051】
ここで、上記冷却液路は、その内壁面の面積の1/2以上が上記本体の内部に存在するように形成されたものである場合は、冷却液路を流れる冷却液によって本体がいっそう確実に冷却されるので、本体を所定値以上の強度に保てる。
【0052】
また、上記冷却液路は、上記冷却液路の中心線が上記本体の表面よりもこの本体の内側に存在するように形成されたものである場合は、冷却液路を流れる冷却液によって本体がいっそう確実に冷却されるので、本体を所定値以上の強度に保てる。
【0053】
さらに、上記炉用ステーブは、銅製若しくは銅合金製のものである場合は、銅や銅合金の熱伝導率は高いので、冷却効率の高い炉用ステーブを得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の炉用ステーブを示す斜視図である。
【図2】(a)は、図1の炉用ステーブの正面図であり、(b)は、図1の炉用ステーブの側面図であり、(c)は、(a)のI−I断面図である。
【図3】第2実施形態の炉用ステーブを示す斜視図である。
【図4】(a)は、図3の炉用ステーブの正面図であり、(b)は、図3の炉用ステーブの側面図であり、(c)は、(a)のII−II断面図である。
【図5】従来の炉用ステーブと第2実施形態の炉用ステーブの厚さを比較する、(a)は、従来の炉用ステーブを示す断面図であり、(b)は、第2実施形態の炉用ステーブを示す断面図である。
【図6】第3実施形態の炉用ステーブを示す斜視図である。
【図7】(a)は、図6の炉用ステーブの正面図であり、(b)は、図6の炉用ステーブの側面図であり、(c)は、(a)のIII−III断面図である。
【図8】冷却水路の位置を模式的に示す断面図である。
【図9】従来の炉用ステーブの冷却水用給排水管とステーブ取付ボルト部を除く本体部の外観を示す斜視図である。
【図10】(a)は、図9の炉用ステーブの一部を示す側面図であり、(b)は(a)のIV−IV断面図である。
【符号の説明】
40,70,100 炉用ステーブ
50,80,110 本体
50a,80a,110a 液路部分
50b,80b,110b 非液路部分
52,72,112 本体の表面
54,84,114 冷却水路
60,90,120 凸部
60,92,122 凹部
Claims (5)
- 冷却液が流れる冷却液路が内部に形成された液路部分と、前記冷却液路が内部に形成されていない非液路部分とが形成された本体を備えた炉用ステーブにおいて、
前記液路部分は、前記非液路部分よりも凸部になったものであり、
前記非液路部分は、前記液路部分の厚さよりも薄いものであり、かつ、前記冷却液路に平行に延びて不定形耐火物が施される凹部になったものであることを特徴とする炉用ステーブ。 - 冷却液が流れる冷却液路が内部に形成された液路部分と、前記冷却液路が内部に形成されていない非液路部分とが形成された本体を備えた炉用ステーブにおいて、
前記液路部分は、前記非液路部分よりも凸部になったものであり、
前記冷却液路は、前記炉用ステーブの本体の内部の上部から下部にかけて折れ曲がりながら延びているものであることを特徴とする炉用ステーブ。 - 前記冷却液路は、
その内壁面の面積の1/2以上が、前記本体の表面のうち前記非液路部分の表面よりも前記炉用ステーブの本体の内部に存在するように形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の炉用ステーブ。 - 前記冷却液路は、
前記冷却液路の中心線が、前記本体の表面のうち前記非液路部分の表面よりも前記炉用ステーブの本体の内側に存在するように形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の炉用ステーブ。 - 前記炉用ステーブは、銅製若しくは銅合金製のものであることを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれか一項に記載の炉用ステーブ。
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