JP3862696B2 - バルブキャップ及びバルブリフタ - Google Patents
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そして、例えば、特許文献1に示されるように、上記バルブのバルブステム部における先端部には、上記ロッカアームと当接するバルブキャップが配設されることがある。このバルブキャップは、上記バルブステム部における先端部の代わりに、上記ロッカアームと当接するものであり、焼入れ等の熱処理を施して耐摩耗性を向上させたものである。
該バルブキャップは、上記ロッカアームに当接する底部と、該底部から環状に立設形成され、上記バルブステム部における先端部が挿入配置される挿入凹部を形成する環状立設部とを有しており、かつ、固定式熱処理炉内の雰囲気ガスによって熱処理が行われており、
上記環状立設部における開口先端面には、上記熱処理を行う際に上記挿入凹部が塞がれたときに、該挿入凹部内と当該環状立設部の外側面とを連通することができる陥没溝が形成してあり、
該陥没溝は、上記固定式熱処理炉内と上記挿入凹部内との間で上記雰囲気ガスの対流を行うために、上記開口先端面の一部を円弧状又はV型状に陥没させて、当該開口先端面の周方向における複数箇所に形成してあることを特徴とするバルブキャップにある(請求項1)。
また、固定式の熱処理炉を用いてバルブキャップに熱処理を行う際には、このバルブキャップにキズが入ることがほとんどなく、熱処理を行った後に仕上げ加工を行うことが不要になる。
それ故、本発明のバルブキャップは、固定式の熱処理炉を使用して全体に均一に熱処理を行うことができ、かつ熱処理を行った後に仕上げ加工を行うことなく製造することができる。
該バルブキャップは、上記ロッカアームに当接する底部と、該底部から環状に立設形成され、上記バルブステム部における先端部が挿入配置される挿入凹部を形成する環状立設部とを有しており、
上記環状立設部には、該環状立設部の外側面と上記挿入凹部とを連通する連通穴が複数形成されていることを特徴とするバルブキャップにある。
それ故、本発明のバルブキャップもまた、固定式の熱処理炉を使用して全体に均一に熱処理を行うことができ、かつ熱処理を行った後に仕上げ加工を行うことなく製造することができる。
該バルブリフタは、上記カムに当接する底部と、該底部から環状に立設形成され、上記バルブステム部における先端部が挿入配置される挿入凹部を形成する環状立設部とを有しており、かつ、固定式熱処理炉内の雰囲気ガスによって熱処理が行われており、
上記環状立設部における開口先端面には、上記熱処理を行う際に上記挿入凹部が塞がれたときに、該挿入凹部内と当該環状立設部の外側面とを連通することができる陥没溝が形成してあり、
該陥没溝は、上記固定式熱処理炉内と上記挿入凹部内との間で上記雰囲気ガスの対流を行うために、上記開口先端面の一部を円弧状又はV型状に陥没させて、当該開口先端面の周方向における複数箇所に形成してあることを特徴とするバルブリフタにある(請求項3)。
上記第1の発明において、上記環状立設部における開口先端面には、該開口先端面から陥没した陥没溝が形成されている。
これにより、上記陥没溝により、上記バルブキャップの外側面と上記熱処理炉の炉面との間にガスの通路を確実に形成することができる。そのため、一層確実にバルブキャップの全体に均一に熱処理を行うことができる。
また、上記環状立設部における開口先端面には、該開口先端面から突出した突起部を形成することもできる。
この場合には、上記突起部の周辺、又は突起部が複数あるときには突起部同士の間に、上記ガスの通路を形成することができる。そのため、一層確実にバルブキャップの全体に均一に熱処理を行うことができる。
また、上記第2の発明において、上記連通穴は、上記環状立設部の周方向における互いに対向する位置に形成することができる。
(実施例1)
本例のバルブキャップ4は、図1、図2に示すごとく、エンジン(レシプロエンジン)1の吸排気口(吸気口又は排気口)11に配設されるバルブ3のバルブステム部31における先端部311に配設され、上記バルブ3を開閉させるロッカアーム2に当接するものである。
以下に、これを詳説する。
また、図1、図2に示すごとく、バルブ3のバルブステム部31は、円形断面を有しており、バルブキャップ4はバルブステム部31に対して回転可能に配設されている。また、エンジン1において、上記バルブキャップ4は、上記ロッカアーム2と上記バルブ3のバルブステム部31における先端部311との間に挟持されており、バルブステム部31における先端部311から外れないようになっている。
また、本例の陥没溝422は円弧状に陥没する溝としたが、これ以外にも、例えば、図5に示すごとく、陥没溝422はV型状に陥没する溝とすることもできる。
そして、図7に示すごとく、バルブキャップ4は、その開口先端面421を、例えば固定式熱処理炉5の炉面51等の平坦面に対して対面させたときには、上記陥没溝422によってバルブキャップ4の外側面401と上記挿入凹部43とを連通するガスの通路45を形成することができる。
図6に示すごとく、上記ロッカアーム2は、平板を折り曲げて互いに対向するよう形成された一対の側壁部23と、この一対の側壁部23を連結する第1連結部21及び第2連結部22と、上記第1連結部21及び上記第2連結部22との間に形成された中空穴24とを有している。また、一対の側壁部23には、それぞれローラ穴231が形成されており、ロッカアーム2は、図1に示すごとく、一対のローラ穴231に、エンジン1のカムシャフト12に設けたカム12の回転を受けて従動回転するローラ25を配設してなる。
図1に示すごとく、上記ロッカアーム2は、上記カム13の回転に伴って、ローラ25が従動回転すると共にピボット14を中心にして揺動し、上記バルブ3を開閉させるよう構成されている。
そして、カム13における長径部131がローラ25に当接したときには、ロッカアーム2は、ピボット14を中心にしてバルブ3に近づく方向に揺動しバルブ3を押し下げる。これにより、バルブ3の開閉弁部32がエンジン1における吸排気口11を開けることができる。一方で、カム13における短径部132がローラ25に当接したときには、リテーナ33を介してバルブ3を閉方向に付勢するコイルバネ34の復元力により、ロッカアーム2は、ピボット14を中心にしてバルブ3から離れる方向に揺動しバルブ3が押し上げられる。これにより、バルブ3の開閉弁部32がエンジン1における吸排気口11を閉じることができる。
そのため、バルブキャップ4の挿入凹部43内が密封されてしまうことがなく、このバルブキャップ4の挿入凹部43内に、上記ガスの通路45を介して、固定式熱処理炉5内の雰囲気ガスを確実に行き渡らせることができる。
また、固定式熱処理炉5を用いてバルブキャップ4に熱処理を行う際には、このバルブキャップ4に打痕等のキズが入ることがほとんどなく、キズをなくすために、熱処理を行った後にバルブキャップ4に仕上げ加工を行うことが不要になる。
そのため、上記バルブキャップ4の構造により、その熱処理効率を向上させることもできる。
また、上記開口先端面421に形成した凹凸形状は、必ずしも、所定の形状を有している必要はなく、例えば、図9に示すごとく、開口先端面421を波形状にしたり、開口先端面421を不規則なうねり形状にしたりすることもできる。
本例は、図10に示すごとく、上記バルブキャップ4の環状立設部42に、この環状立設部42の外側面401と上記挿入凹部43とを連通する連通穴424が形成した例である。本例の連通穴424は、環状立設部42における複数箇所に形成されている。
本例においても、固定式熱処理炉5を用いてバルブキャップ4に熱処理を行う場合において、この熱処理炉5内にバルブキャップ4がどのような状態(姿勢)で配置されたとしても、上記連通穴424を介して、このバルブキャップ4の挿入凹部43内に熱処理炉5内の雰囲気ガスを確実に行き渡らせることができる。また、熱処理を行った後に仕上げ加工を行うことが不要になる。
図11に示すごとく、バルブリフタ6は、上記ロッカアーム2を用いずにバルブ3を開閉させるバルブ開閉機構100に用いるものであり、バルブ3のバルブステム部31における先端部311を覆うようにして配設され、ロッカアーム2の代わりに、エンジン1のカムシャフト12に設けたカム13と接触するものである。
そして、バルブリフタ6は、カム13に当接する底部61と、挿入凹部63を形成する環状立設部62とを有しており、例えば、環状立設部62における開口先端面621を凹凸形状に形成することができる。その他、バルブリフタ6についても、上記実施例1、2と同様にして、実施例1、2と同様の作用効果を得ることができる。
11 吸排気口
13 カム
14 ピボット
2 ロッカアーム
3 バルブ
31 バルブステム部
311 先端部
4 バルブキャップ
401 外側面
41 底部
42 環状立設部
421 開口先端面
422 陥没溝
423 突起部
424 連通穴
43 挿入凹部
45 ガスの通路
5 熱処理炉
51 炉面
6 バルブリフタ
Claims (4)
- エンジンの吸排気口に配設されるバルブのバルブステム部における先端部に配設され、上記バルブを開閉させるロッカアームに当接するバルブキャップであって、
該バルブキャップは、上記ロッカアームに当接する底部と、該底部から環状に立設形成され、上記バルブステム部における先端部が挿入配置される挿入凹部を形成する環状立設部とを有しており、かつ、固定式熱処理炉内の雰囲気ガスによって熱処理が行われており、
上記環状立設部における開口先端面には、上記熱処理を行う際に上記挿入凹部が塞がれたときに、該挿入凹部内と当該環状立設部の外側面とを連通することができる陥没溝が形成してあり、
該陥没溝は、上記固定式熱処理炉内と上記挿入凹部内との間で上記雰囲気ガスの対流を行うために、上記開口先端面の一部を円弧状又はV型状に陥没させて、当該開口先端面の周方向における複数箇所に形成してあることを特徴とするバルブキャップ。 - 請求項1において、上記陥没溝は、上記開口先端面の周方向における互いに対向する位置に形成されていることを特徴とするバルブキャップ。
- エンジンの吸排気口に配設されるバルブのバルブステム部における先端部に配設され、上記バルブを開閉させるカムに当接するバルブリフタであって、
該バルブリフタは、上記カムに当接する底部と、該底部から環状に立設形成され、上記バルブステム部における先端部が挿入配置される挿入凹部を形成する環状立設部とを有しており、かつ、固定式熱処理炉内の雰囲気ガスによって熱処理が行われており、
上記環状立設部における開口先端面には、上記熱処理を行う際に上記挿入凹部が塞がれたときに、該挿入凹部内と当該環状立設部の外側面とを連通することができる陥没溝が形成してあり、
該陥没溝は、上記固定式熱処理炉内と上記挿入凹部内との間で上記雰囲気ガスの対流を行うために、上記開口先端面の一部を円弧状又はV型状に陥没させて、当該開口先端面の周方向における複数箇所に形成してあることを特徴とするバルブリフタ。 - 請求項3において、上記陥没溝は、上記開口先端面の周方向における互いに対向する位置に形成されていることを特徴とするバルブリフタ。
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