JP3861881B2 - ディスプレイコーティング用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスプレイパネル上に高透明着色層を形成するためのコーティング用組成物に関する。
一般的に、陰極線管(CRT、ブラウン管)ディスプレイや液晶フラットディスプレイ等には、帯電防止、低反射、コントラスト向上等を目的に、数層のコーティングが施されている。その中でも特にコントラスト向上を図る為にカーボンブラックが広く用いられており、これは、CRTの前面ガラスにカーボンブラックの塗膜を形成し、ガラスの透過率を下げることでコントラストを向上させるというものである。また塗膜の形成方法として、カーボンブラックスラリーを塗布した後、エチルシリケート等のシリカ系バインダーでオーバーコートする方法や、カーボンスラリーにシリカ系バインダーを添加した塗料により1コートで塗膜を形成する方法が知られている。このときカーボンブラック塗膜に要求されることとしては、ガラスの透過率を下げつつも高透明性を維持していること、並びに塗膜のハードコート性、耐候性等、また、加えてオーバーコート法の場合は、着色層とオーバーコート層の相性が良いこと等が上げられる。その為カーボンブラックの塗料としては、透明性維持の為に高分散且つ分散・希釈安定性が良好であること、また、その他塗膜物性を低下させないために架橋バインダー以外の成分が極力少ないこと等が求められている。
特許文献1では、有機樹脂や、アニオン系および非イオン系の界面活性剤でカーボンブラックを分散した着色膜形成用塗布液が紹介されているが、一般的な有機樹脂や界面活性剤では分散安定化させるために多くの添加量を必要とすること、即ちバインダー成分以外の成分が増えること、また界面活性剤や有機樹脂のカーボンブラック粒子表面への吸着が不十分な場合には、粒子同士が容易に再凝集する問題がある。また、特許文献2では、(R4−mA)で表されるカチオンと、カーボンブラックとを造塩させ水中での分散安定化を図る方法が試みられているが、この場合、表面の酸性官能基の多いカーボンブラックにしか適用できず、汎用性に欠けるという欠点がある。
特開平8−54502号公報 特開平8−337439号公報
塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体を、酸存在下、有機溶剤中で吸着処理したカーボンブラックを使用することで、塗料としての分散・希釈安定性が良好かつ、塗膜にしたときの物性が良好なディスプレイコーティング用組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は、カーボンブラックと、塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体とを、分子量が300以下の存在下、誘電率が15以上の有機溶剤中で吸着処理したカーボンブラック分散体を含有してなることを特徴とするディスプレイコーティング用組成物に関する。
また、本発明は、上記の有機溶剤がプロトン性の溶剤を含有することを特徴とするディスプレイコーティング用組成物に関する。
また、本発明は、上記組成物が更にケイ素アルコキシド化合物および/もしくは金属アルコキシド化合物を含有することを特徴とするディスプレイコーティング用組成物に関する。
更に、本発明は、上記吸着処理がメディア型分散機で行われることを特徴とする、ディスプレイコーティング用組成物に関する。
本発明におけるディスプレイコーティング用組成物は、塗料としての分散・希釈安定性が良好であるとともに、非常に高透明且つ耐擦傷性に優れた着色塗膜を作製することができる。
本発明に用いるカーボンブラックとしては、市販のファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどの各種のものを用いることができる。また、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン(高導電性カーボン)も使用できる。有機色素誘導体またはトリアジン誘導体の吸着性、脱着性を考えた場合、表面官能基の少ない中性カーボンの方が好ましい。また、カーボンブラックの粒径としては、通常のインキや塗料に用いるカーボンブラックの粒径範囲と同様に0.01〜1μmが好ましく、特に、0.01〜0.2μmが好ましい。ただし、ここでいう粒径とは電子顕微鏡などで測定された平均一次粒子径を示し、この物性値は一般にカーボンブラックの物理的特性を表すのに用いられている。
本発明に用いる、塩基性官能基を有する有機色素誘導体および、塩基性官能基を有するトリアジン誘導体は、下記一般式(1)または(3)で表される。
一般式(1)
Figure 0003861881
式中の記号は下記の意味を表す。
1;有機色素残基、アントラキノン残基またはアミノ基を有するアリール基
1;直接結合,−CONH−Y2 −,−SO2 NH−Y2- または−CH2 NHCOCH2 NH−Y2 −(Y2;置換基を有してもよいアルキレン基またはアリーレン基を表す。)
1 ;−NH−または−O−
Z;水酸基、アルコキシ基または下記一般式(2)で示される基で、nは1〜4の整数を表す。またn=1の場合 −NH−X−Qであってもよい。
1 ,R2 ;それぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基。
m;1〜6の整数。
一般式(2)
Figure 0003861881
式中の記号は下記の意味を表す。
3 ;−NH−または−O−
,R ;それぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基またはR3 とR4 とが一体
となって形成されたヘテロ環。
m;1〜6の整数。
一般式(3)
2−(−X2−Y4)n
式中の記号は下記の意味を表す。
2;有機色素残基またはアントラキノン残基
2;直接結合,−CONH−Y5−,−SO2 NH−Y5 −または−CH2 NHCOCH2NH−Y2 −(Y2は置換基を有してもよいアルキレン基またはアリーレン基を表す。)
4;下記一般式(4)で示される基
n;1〜4の整数。
一般式(4)
Figure 0003861881
式中の記号は下記の意味を表す。
5 , R6; それぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基
m;1〜6の整数。
上記一般式(1)のQ、(3)のQにおける有機色素残基としてはフタロシアニン系色素、アゾ系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、アントラピリミジン系色素、アンサンスロン系色素、インダンスロン系色素、フラバンスロン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系色素、チオインジコ系色素、イソインドリノン系色素、トリフェニルメタン系色素等の顔料または染料が挙げられる。上記一般式(1)のQ1 におけるアミノ基を有するアリール基としては、例えばアミノフェニル基、アミノナフチル基などが挙げられ、この時ベンゼン環にはアミノ基に加え、他の置換可能な場所にハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルコキシ基、置換または無置換のアルキル基の何れかの置換基を有してもよい。
カーボンブラックへの塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体の吸着処理は、塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体を、酸存在下で有機溶剤に溶解させ、その溶液中にカーボンブラックを添加して混合することで吸着処理が進行するものである。そして、カーボンブラックに、塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体を吸着処理することにより、カーボンブラック表面に導入された有機色素またはトリアジン誘導体の塩基性官能基と酸との塩形成により生じる四級アンモニウム塩残基どうしの電荷反発により、解凝集が起こるものと思われる。
このとき用いる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、強酸と弱塩基の反応によって得られる塩類の無機化合物、カルボン酸類、スルホン酸類の様な有機酸等、分子量が300以下好ましくは200以下の酸が使用できるが、有機酸類が好ましく、カルボン酸類が特に好ましい。添加する酸量としては、有機色素誘導体またはトリアジン誘導体に含まれる塩基性官能基量に対して0.1〜10当量添加することが出来るが、0.5〜5当量が好ましい。
またこのとき使用する有機溶剤としては、誘電率が15以上、好ましくは20以上の極性溶剤を使用する。誘電率が15を下回ると塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体の溶解性が著しく低下する。具体的には、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコールや1,2−エタンジオールや1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンの様なケトン類、その他N−メチルピロリドン、アセトニトリル、N,N―ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられるが、誘電率が上記の条件を満たすものであれば、特に制限はない。また、これらの溶剤は単独または2種類以上を併用して用いることができるが、使用に当たってはアルコール類やグリコール類等のプロトン性溶剤を含有させることが好ましい。また、常温では粘ちょうなグリセリン等を上記の溶剤に溶解して使用することもできる。
また、CRTの発光スペクトルのバランスを崩さずにコントラストの向上を図る為には、400nmから700nmの可視光領域に渡ってフラットな吸収を持つ着色塗膜が好ましく、一般的にはカーボンブラック塗膜の上に、ブルーやバイオレット等の塗膜を形成する場合や、カーボンブラック塗料にブルーやバイオレット等の塗料を加えることにより、膜の吸収スペクトルの調整を行っているが、本発明では、上述の有機色素誘導体を単独もしくは複数を組み合わせて使用することにより、カーボンスラリーの分散・希釈安定性のみならず、塗膜への補色効果も期待できる。
塩基性官能基を有する有機色素誘導体またはトリアジン誘導体溶液の濃度は、1〜100mmol/Lであり、1〜50mmol/Lが好ましい。さらに好ましくは5〜20mmol/Lである。
カーボンブラックのスラリー濃度は、カーボンブラックの比表面積や表面官能基量等のカーボンブラック固有の特性値や、有機色素誘導体またはトリアジン誘導体を溶解させるために添加する酸量によって適正濃度が変動するため、特に限定されるものではないが、通常5〜50%程度、好ましくは10〜35%が良い。
カーボンブラックへの塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体の吸着処理は、通常顔料分散に使用している分散機が使用できる。以下に具体例を挙げるが、それらに限定されるものではない。例えば、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、ホモミキサー、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)等を用いることができる。コスト、処理能力等を考えた場合、メディア型分散機を使用するのが好ましい。また、メディアとしてはガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、磁性ビーズ、ステンレスビーズ等を用いることができる。
塗膜時の高透明性を得るためには、分散粒径として0.5μm以下好ましくは、0.2μm以下に微細化するのが望ましい。ここでいう分散粒径とは、一般的な粒度分布計、例えば、動的光散乱方式の粒度分布計(日機装社製「マイクロトラックUPA」)で測定される値である。
未吸着の塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体は、使用製品の耐水性、ブリード等への影響が懸念される為、溶剤希釈またはケイ素アルコキシド化合物および/もしくは金属アルコキシド化合物の溶液で希釈する前に、遠心分離、限外濾過等の操作により除去することが望ましい。
ディスプレイコーティング用組成物として、上記カーボン分散体をそのまま使用することもできるが、通常は種々の溶剤で希釈して使用する。使用できる溶剤としては、相溶するものであれば特に限定はなく、アルコールあるいは、ケトン、エーテル、エステル類等種々の有機溶剤が使用できるが、例えば、オーバーコート材としてアルコキシシラン系のバインダーを用いる場合等は、希釈溶剤としてメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの様なアルコール類や1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールの様なグリコール類を用いることが好ましい。即ち、用いるオーバーコート材や用いる塗料系に応じて適当な希釈溶剤を単独または2種以上の組み合わせで選択できる。希釈の方法としては、溶剤にカーボンブラック分散体を加える方法、もしくは、カーボンブラック分散体に溶剤を加える方法のいずれでも良い。
また、本発明におけるディスプレイ用組成物は、バインダー成分として下記の一般式(5)から(7)で表されるケイ素アルコキシド化合物および/もしくは金属アルコキシド化合物を含有しても良い。
(RSi(OR4−p (5)
(OSi(OROR (6)
M(OR (7)
式中、
は、炭素数1から4のアルキル基および/または重合性有機基であり、
およびRは炭素数1から4のアルキル基であり、
pは1から3の整数であり、
qは1から10の整数であり、
Mは3価または4価の金属イオンであり、
rはMの価数に応じて3または4の整数であり、
各化合物が複数のR、R、またはRを含むとき、それらは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(5)で表される化合物は、アルキル基および/または重合性有機基を有するアルコキシシラン化合物である。重合性有機基とは、不飽和性二重結合を有し重合付加を繰り返す有機基、または開環性環状基を有し、それらが開裂して付加を繰り返す性質を有する有機基である。このような重合性有機基の例としては、重合性不飽和二重結合を有する基として、ビニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、γ−メタクリロキシプロピル基、開環性環状基として、環状エーテル基、特に環状モノエーテル基、ラクトン基、ラクタム基、酸無水物、イソシアネート基(および水酸基)、およびその他が挙げられる。これらの中で、ビニル基、またはγ−メタクリロキシプロピル基が好ましい。
このような化合物において、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、また、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。また、これらのうち複数のものを組み合わせて使用してもよい。
一般式(6)で表されるアルコキシシラン化合物は、一般式(5)の化合物と相まって、マトリックス材料を基材表面と親和させる効果を有するものである。
このような化合物としては、一般式(6)を有する化合物であれば任意のものを用いることができるが、テトラメトキシシラン、またはテトラエトキシシランが特に好ましい。しかし、安全衛生上から、これらのモノマーが使用困難である場合、重合シリケート、具体的にはエチルシリケート40、またはメチルシリケート51(いずれも商品名:三菱化学社製)が使用できる。
本発明において用いられる金属アルコキシド化合物としては、金属アルコキシド、金属アルコキシドの縮合多量体、有機官能基および/または有機樹脂により変性した金属アルコキシド、有機官能基および/または有機樹脂により変性した金属アルコキシドの縮合多量体等が好適に用いられる。
一般式(7)中の金属イオンは、一般的には3価または4価のものが用いられ、Si、Ti、Ni、Zr、Zn、Al、Fe、Co等が挙げられるが、特にTi、Zr、またはAlが好ましい。これらの金属アルコキシドは単独、若しくは目的に応じて混合して用いることができる。また、金属アルコキシドは毒性および安定性等の問題から縮合多量体として用いることもできる。
また、一般式(5)〜(7)におけるRまたはRは、炭素数があまり多いと、硬化後のコーティング膜の耐有機溶剤性が劣化したりするため、通常は、Rにおいては炭素数が2以下、Rにおいては炭素数が4以下である。
これらの化合物は、任意の方法で混合されてマトリックス材料とされる。通常は、化合物が液体であればそのまま、化合物が固体であればその化合物を適当な溶剤に溶解または分散させて、混合することによりマトリックス材料を得る。また、これらの化合物を配合した後に適当な溶剤に溶解または分散させてもよい。このとき用いる溶剤は、用いる化合物の種類、顔料の種類、または分散条件により選択されるが、一般的には、メタノール、エタノール、プロパノール、およびその他である。また触媒として有機酸、無機酸等を使用しても良い。
ケイ素アルコキシド化合物および/もしくは金属アルコキシド化合物を含有するコーティング用組成物を調製する方法としては、上述のカーボンブラック分散体もしくはその溶剤希釈液を、ケイ素アルコキシド化合物および/もしくは金属アルコキシド化合物の混合液またはそれらの溶剤希釈液に添加して混合しても良いし、カーボンブラック分散体もしくはその溶剤希釈液に、ケイ素アルコキシド化合物および/もしくは金属アルコキシド化合物の混合液またはそれらの溶剤希釈液を添加して混合しても良い。またその後必要に応じて再度分散工程に掛けても良い。その他の方法として、カーボンブラックと、塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体とを、酸存在下、有機溶剤中で吸着処理する時点において、ケイ素アルコキシド化合物および/もしくは金属アルコキシド化合物を添加することもできる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中、部は重量部を表す。また、実施例における、分散粒度(平均粒径(D50))を動的光散乱方式の粒度分布計(日機装社製、マイクロトラックUPA)を用いて測定した。また着色塗膜の透明性をヘイズメーター(日本電色社製、COH−300A)で、また強度を鉛筆硬度で評価した。
<オーバーコート用塗布液の調製>
テトラエトキシシラン11.4部、エチルシリケート40(三菱化学社製)9.8部、水3.9部、硝酸3.3部、メタノール6.5部、エタノール58.6部、イソプロピルアルコール(IPA)6.5部を3時間撹拌した後、IPA:n−ブタノール=7:3(重量比)の混合液で、固形分濃度が1.0重量%になるように希釈し、オーバーコート用の塗布液(コート液1))を得た。
<バインダー液の調製>
テトラエトキシシラン9.8部、エチルシリケート40(三菱化学社製)8.1部、ビニルトリメトキシシラン3.3部、水3.9部、硝酸3.3部、メタノール6.5部、エタノール58.6部、イソプロピルアルコール(IPA)6.5部を3時間撹拌混合し、バインダー液(バインダー液2))を得た。
ガラス瓶にメタノール100部、一般式(8)で示されるフタロシアニン誘導体(誘導体A)1.4部および氷酢酸0.3部を仕込み、混合溶解した後、モナ-ク800(キャボット社製カーボンブラック、BET比表面積210m/g)を20部加え、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーで分散し、カーボンブラック分散液を得た(分散液A)。次にこの分散液Aを、カーボンブラックの濃度が0.2重量%となるようにメタノール:エタノール=1:1(重量比)の混合液で希釈し、平均粒径82nmのコーティング用組成物(コーティング組成物A)を得た。このコーティング組成物Aをガラス基材上にスピンコートし、風乾後、その上にコート液1)をスピンコートし、200℃で15分焼成して、着色塗膜を得た。
一般式(8)
Figure 0003861881
ガラス瓶にエタノール100部、一般式(9)で示されるベンズイミダゾロン誘導体(誘導体B)1.4部および氷酢酸0.7部を仕込み、混合溶解した後、モナ-ク800を20部加え、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーで分散し、カーボンブラック分散液を得た(分散液B)。次にこの分散液Bを、カーボンブラックの濃度が0.2重量%となるようにメタノール:エタノール=1:1(重量比)の混合液で希釈し、平均粒径102nmのコーティング用組成物(コーティング組成物B)を得た。このコーティング組成物Bをガラス基材上にスピンコートし、風乾後、その上にコート液1)をスピンコートした後、200℃で15分焼成し、着色塗膜を得た。
一般式(9)
Figure 0003861881
ガラス瓶にメタノール100部、一般式(10)で示されるアントラキノン誘導体(誘導体C)1.4部および氷酢酸0.4部を仕込み、混合溶解した後、モナ-ク800を20部加え、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーで分散し、カーボンブラック分散液を得た(分散液C)。次にこの分散液Cを、カーボンブラックの濃度が0.2重量%となるようにメタノール:エタノール=1:1(重量比)の混合液で希釈し、平均粒径90nmのコーティング用組成物(コーティング組成物C)を得た。このコーティング組成物Cをガラス基材上にスピンコートし、風乾後、その上にコート液1)をスピンコートした後、200℃で15分焼成し、着色塗膜を得た。
一般式(10)
Figure 0003861881
実施例1で得られた分散液Aとバインダー液2)を、カーボンブラック:その他の固形分=4:6となる比率で混合且つ、エタノール:IPA=85:15の混合液で固形分濃度が0.4重量%となるように希釈し、平均粒径97nmのコーティング用組成物(コーティング組成物D)を得た。このコーティング組成物Dをガラス基材上にスピンコートし、70℃で5分予備乾燥後、200℃で15分焼成し、着色塗膜を得た
メタノールの代わりに1,2−エタンジオールを使用した以外は、実施例1と同様にして、カーボンブラック分散液を得た(分散液E)。得られた分散液Eとバインダー液2)を、カーボンブラック:その他の固形分=4:6となる比率で混合且つ、エタノール:IPA=85:15の混合液で固形分濃度が0.4重量%となるように希釈し、平均粒径88nmのコーティング用組成物(コーティング組成物E)を得た。このコーティング組成物Eをガラス基材上にスピンコートし、70℃で5分予備乾燥後、200℃で15分焼成し、着色塗膜を得た。
実施例5で得られたコーティング組成物Eをガラス基材上にスピンコートし、70℃で5分予備乾燥後、その上にコート液1)をスピンコートした後、200℃で15分焼成し、着色塗膜を得た。
比較例1
ガラス瓶にメタノール100部、エマルゲンA60(花王社製、非イオン系界面活性剤:ポリオキシエチレン誘導体)5部を仕込み混合溶解した後、モナ-ク800を10部加え、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーで分散したが、分散液は著しく凝集していた。
比較例2
ガラス瓶にメタノール100部、デモールN(花王社製、アニオン系界面活性剤:βナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物のナトリウム塩)3部を仕込み混合溶解した後、モナ-ク800を10部加え、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーで分散し、カーボンブラック分散液を得た(分散液F)。次にこの分散液Fを、カーボンブラックの濃度が0.2重量%となるようにメタノール:エタノール=1:1(重量比)の混合液で希釈し、平均粒径591nmのコーティング用組成物(コーティング組成物F)を得た。このコーティング組成物Fをガラス基材上にスピンコートし、風乾後、140℃で10分乾燥し、着色塗膜を得た。
比較例3
ガラス瓶にメタノール100部、Solsperse20000(アビシア社製、アルコールに可溶の樹脂型分散剤)7部を仕込み混合溶解した後、モナ-ク800を10部加え、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーで分散し、カーボンブラック分散液を得た(分散液G)。次にこの分散液Gを、カーボンブラックの濃度が0.2重量%となるようにメタノール:エタノール=1:1(重量比)の混合液で希釈し、平均粒径208nmのコーティング用組成物(コーティング組成物G)を得た。このコーティング組成物Gをガラス基材上にスピンコートし、風乾後、その上にコート液1)をスピンコートしたところ、下層の溶出が原因と思われる塗膜の色斑が生じた。
比較例4
ガラス瓶にメタノール100部、エスレックBL−10(積水化学社製ポリビニルブチラール樹脂)7部を仕込み、混合溶解した後、モナ-ク800を10部加え、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントシェーカーで分散し、カーボンブラック分散液を得た(分散液H)。この分散液Hとバインダー液2)を、カーボンブラック:その他の固形分=4:6となる比率で混合且つ、エタノール:IPA=85/15の混合液で固形分濃度が0.4重量%となるように希釈し、平均粒径260nmのコーティング用組成物(コーティング組成物H)を得た。このコーティング組成物Hをガラス基材上にスピンコートし、70℃で5分予備乾燥後、200℃で15分焼成し、着色塗膜を得た。
実施例1から5および比較例1から4で得られたコーティング組成物の分散粒径と、着色塗膜の評価結果を表1に示す。

Figure 0003861881

Claims (4)

  1. カーボンブラックと、塩基性官能基を有する有機色素誘導体または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体とを、分子量が300以下の存在下、誘電率が15以上の有機溶剤中で吸着処理したカーボンブラックの分散体を含有することを特徴とするディスプレイコーティング用組成物。
  2. プロトン性の有機溶剤を含有することを特徴とする請求項1記載のディスプレイコーティング用組成物。
  3. 更に、ケイ素アルコキシド化合物および/もしくは金属アルコキシド化合物を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載のディスプレイコーティング用組成物。
  4. 吸着処理がメディア型分散機で行われる請求項1ないしいずれか記載のディスプレイコーティング用組成物。
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