JP3861639B2 - 除湿素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、吸着剤の吸着作用を利用して湿り空気の除湿を行う除湿素子に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
従来から、吸着剤を用いた除湿素子が知られており、図35及び図36には、かかる従来の除湿素子の構造例を示している。
【0004】
この従来の除湿素子Z0は、多数の通風路35,35,・・を備えるとともに該通風路35の内面には吸着剤が担持された吸着用素子31と、多数の通風路45,45,・・を備えた冷却用素子41とを、該各通風路35と該通風路45とが相互に略直交するように90°の平面位相をもって順次積層して構成される。
【0005】
そして、この除湿素子Z0においては、上記各吸着用素子31,31,・・の各通風路35,35,・・に湿り空気(即ち、被処理空気Aa)を流す一方、上記各冷却用素子41,41,・・の上記各通風路45,45,・・には冷却用空気を流し、上記吸着用素子31側においては上記通風路35の壁面に担持された吸着剤によって湿り空気の水分を吸着してこれを低湿度空気とする一方、該吸着用素子31側での水分吸着により発生する吸着熱はこれを上記冷却用素子41の通風路45を流通する冷却用空気Abとの熱交換によって放熱する。これによって、上記除湿素子Z0は、上記吸着剤の吸着能が長期に亙って良好に維持されることで、高い除湿能力を発揮するものである。
【0006】
ところで、上記除湿素子Z0においては、これを構成する上記吸着用素子31と冷却用素子41のうち、上記吸着用素子31は、これを波板状に屈曲する通風路形成材32と該通風路形成材32の両面に固着された平板状の一対の平板材33,33とによって両面段ボール状に構成している。この通風路形成材32と平板材33は、例えばセラミック繊維を素材とした繊維紙によって構成され、且つその表面にはそれぞれシリカゲル等の吸着剤が担持されている。
【0007】
一方、上記冷却用素子41は、波板状に屈曲する通風路形成材42と該通風路形成材42の両面に固着された平板状の一対の平板材43,43とによって両面段ボール状に構成している。この通風路形成材42と平板材43は、共に金属薄板、例えばアルミ薄板で形成されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、従来の除湿素子Z0においては、上記吸着用素子31はこれを屈曲板材でなる通風路形成材32を用いて形成し上記第1通風路3,3,・・を三角形の断面形状としており、また上記冷却用素子41はこれを屈曲板材でなる通風路形成材42を用いて形成し上記第2通風路4,4,・・を三角形の断面形状としている。
【0009】
この場合、上記吸着用素子31は、上記第1通風路3内を流れる被処理空気Aaと該第1通風路3の内面に担持した吸着剤との接触面積を可及的に拡大して吸着能力の増大を図るという観点から、上記第1通風路3を三角形の断面形状としたものであり、問題はない。
【0010】
ところが、上記冷却用素子41においては、上記吸着用素子31とは異なって、上記第2通風路4の内面とここを流れる冷却用空気Abとの接触面積を拡大するという要請はなく、それよりも冷却用空気Abの流通抵抗を抑えて圧力損失の低減を図り、冷却用空気Abの流量を増加させて吸熱容量の拡大を図るという放熱効率という面での要請の方が大きい。
【0011】
しかるに、上記冷却用素子41においては、上記第2通風路4の断面形状を三角形としており、かかる構成は上記要請に反するものであって、上記冷却用素子41における放熱効率の向上、延いては除湿素子Z0における除湿能力の向上という点において好ましくない。
【0012】
即ち、流路の流通抵抗はその断面形状に支配される部分が多く、鋭角の角部においては空気流に対する壁面の接触抵抗が大きく、該角部の近傍領域は実質的に空気が流れない領域となる。このため、上記第2通風路4の断面形状を三角形とした場合には、その全通路面積に占める有効通路面積の割合が小さく、例えば同一の通路面積をもつ矩形の断面形状をもつ通風路と比較した場合、三角形の断面形状をもつ第2通風路4においては有効通路面積が小さい分だけ流通抵抗が大きく、ここを流れる冷却用空気Abの圧力損失が大きくなるものである。従って、冷却用素子41における放熱効率を高めるという観点からは、該冷却用素子41における圧力損失を低減させる手段を講じるべきと言える。
【0013】
そこで本願発明は、除湿素子において、冷却用素子における圧力損失の低減によって高水準の除湿能力を長期に亙って維持することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0015】
本願の第1の発明では、吸着剤が担持され且つ被処理空気Aaが流通する平行に延びる複数の第1通風路3,3,・・を備えた吸着用素子1と、冷却用空気Abが流通する平行に延びる複数の第2通風路4,4,・・が形成された冷却用素子2とを交互に積層して構成される除湿素子において、上記冷却用素子2をその平面方向中央部に矩形の開口部24を形成し、該開口部24によって上記各第2通風路4,4,・・をそれぞれその通路方向一端側に位置する入口部4aと他端側に位置する出口部4bとに分断したことを特徴としている。
【0016】
本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる除湿素子において、上記冷却用素子2の上記各第2通風路4,4,・・を略矩形の断面形状としたことを特徴としている。
【0017】
本願の第3の発明では、上記第1の発明にかかる除湿素子において、上記冷却用素子2の上記各第2通風路4,4,・・を略三角形の断面形状としたことを特徴としている。
【0018】
本願の第4の発明では、上記第1、第2又は第3の発明にかかる除湿素子において、上記冷却用素子2の上記開口部24内に、該開口部24内における冷却用空気Abの偏流を抑制する空気流調整手段Xを設けたことを特徴としている。
【0019】
本願の第5の発明では、上記第1、第2又は第3の発明にかかる除湿素子において、上記冷却用素子2の上記各第2通風路4,4,・・の入口部4a側に、該入口部4aを通って上記開口部24内に流入する冷却用空気Abの流量を、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の下流側に近いものほど多くなるように調整する流量調整手段Yを設けたことを特徴としている。
【0020】
本願の第6の発明では、上記第5の発明にかかる除湿素子において、上記流量調整手段Yを、上記各第2通風路4,4,・・の各入口部4a,4a,・・の通路長さが上記吸着用素子1の上記第1通風路3の下流端に近いものほど短くなるように設定した構成としたことを特徴としている。
【0021】
本願の第7の発明では、吸着剤が担持され且つ被処理空気Aaが流通する平行に延びる複数の第1通風路3,3,・・を備えた吸着用素子1と、冷却用空気Abが流通する平行に延びる複数の第2通風路4,4,・・が形成された冷却用素子2とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層して構成される除湿素子において、上記冷却用素子2が、上記第2通風路4,4,・・をその通路方向においてこれを分断するように該第2通風路4,4,・・に臨む開口部24A,24Bを備えるとともに、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の通路抵抗を、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄りの方が、下流側に対応する部位2d寄りよりも大きくなるように設定したことを特徴としている。
【0022】
本願の第8の発明では、上記第7の発明にかかる除湿素子において、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の通路長さを、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄りの方が、下流側に対応する部位2d寄りよりも長くなるように設定したことを特徴としている。
【0023】
本願の第9の発明では、上記第8の発明にかかる除湿素子において、上記第2通風路4,4,・・の通路長さを、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄り側から下流側に対応する部位2d寄り側にかけて段階的に減少するように設定したことを特徴としている。
【0024】
本願の第10の発明では、上記第8の発明にかかる除湿素子において、上記第2通風路4,4,・・の通路長さを、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄り側から下流側に対応する部位2d寄り側にかけて直線的に減少するように設定したことを特徴としている。
【0025】
本願の第11の発明では、上記第8の発明にかかる除湿素子において、上記第2通風路4,4,・・の通路長さを、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄り側から下流側に対応する部位2d寄り側にかけて曲線的に減少するように設定したことを特徴としている。
【0026】
本願の第12の発明では、上記第7の発明にかかる除湿素子において、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の通路断面積を、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄りの方が、下流側に対応する部位2d寄りよりも小さくなるように設定したことを特徴としている。
【0027】
本願の第13の発明では、上記第8、第9、第10又は第11の発明にかかる除湿素子において、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の通路断面積を、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄りの方が、下流側に対応する部位2d寄りよりも小さくなるように設定したことを特徴としている。
【0028】
本願の第14の発明では、吸着剤が担持され且つ被処理空気Aaが流通する平行に延びる複数の第1通風路3,3,・・を備えた吸着用素子1と、冷却用空気Abが流通する平行に延びる複数の第2通風路4,4,・・が形成された冷却用素子2とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層して構成される除湿素子において、上記冷却用素子2が、上記第2通風路4,4,・・をその通路方向においてこれを分断するように該第2通風路4,4,・・に臨む開口部24A,24Bを備えるとともに、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の平面視における通路方向を、下流側に向かうに伴って上記吸着用素子1の上記第1通風路3の下流側に対応する部位2d側へ接近するように傾斜させたことを特徴としている。
【0029】
本願の第15の発明では、上記第7、第8、第9、第10、第11、第12又は第13の発明にかかる除湿素子において、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の平面視における通路方向を、下流側に向かうに伴って上記吸着用素子1の上記第1通風路3の下流側に対応する部位2d側へ接近するように傾斜させたことを特徴としている。
【0030】
本願の第16の発明では、上記第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14又は第15の発明にかかる除湿素子において、上記開口部24A,24Bとその下流側の上記第2通風路4,4,・・とを、上記冷却用素子2における冷却用空気Abの流れ方向に前後して複数組設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0031】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0032】
(イ)本願の第1の発明にかかる除湿素子では、吸着剤が担持され且つ被処理空気Aaが流通する平行に延びる複数の第1通風路3,3,・・を備えた吸着用素子1と、冷却用空気Abが流通する平行に延びる複数の第2通風路4,4,・・が形成された冷却用素子2とを交互に積層して構成される除湿素子において、上記冷却用素子2をその平面方向中央部に矩形の開口部24を形成し、該開口部24によって上記各第2通風路4,4,・・をそれぞれその通路方向一端側に位置する入口部4aと他端側に位置する出口部4bとに分断したことを特徴としている。
【0033】
従って、この発明の除湿素子によれば、上記吸着用素子1の各第1通風路3,3,・・内を被処理空気Aaが流れることで、該被処理空気Aaに含まれている水分が該各第1通風路3,3,・・に担持された吸着剤によって順次吸着されその除湿が行われる一方、水分の吸着によって発生する吸着熱は上記冷却用素子2の各第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abとの熱交換によって該冷却用空気Ab側に放熱され、上記吸着剤の吸着能力が長期に亙って良好に維持され、これら両者の相乗効果として、上記除湿素子は長期に亙って高水準の除湿能力を発揮することになる。
【0034】
かかる基本的効果に加えて、さらに以下のような特有の効果が得られる。
【0035】
即ち、この発明の除湿素子によれば、上記冷却用素子2がその平面方向中央部に矩形の開口部24を備え、この開口部24によって上記第2通風路4,4,・・が、その通路方向の一端側に位置する入口部4a,4a,・・と他端側に位置する出口部4b,4b,・・とに分断され、該開口部24に対応する部分の長さだけ上記各第2通風路4,4,・・の通路長さが短くなっている。この結果、例えば、上記各第2通風路4,4,・・が上記冷却用素子2の全長に跨がって延びる一連の通路とされている場合に比して、該通路長さの短い分だけここを流れる冷却用空気Abの圧力損失が低減される。そして、この圧力損失が低下する分だけ上記冷却用素子2側を流れる冷却用空気Abの流量が増加し、該冷却用空気Abによる吸着熱の放熱作用が促進されることになる。
【0036】
また一方、上記冷却用素子2に上記開口部24が設けられていることで、該開口部24内を流れる冷却用空気Abは、直接上記吸着用素子1側に接触することとなり、例えば上記開口部24が設けられず上記各第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abが常に上記吸着用素子1との間に通路壁を介在させた状態で接触するような構成の場合に比して、該吸着用素子1と冷却用素子2との間の伝熱効率が向上しそれだけ冷却用空気Abによる吸着熱の放熱作用が促進されることになる。
【0037】
このような冷却用空気Abの流量増大による放熱作用の促進効果と、伝熱性の向上による放熱作用の促進効果との相乗作用により、上記除湿素子の除湿能力の更なる向上が実現されるものである。
【0038】
さらに、上述のように、上記冷却用素子2側に上記開口部24を設けることで吸着熱の放熱を促進し得るということは、例えば上記冷却用素子2側での要求放熱量を同じとすれば、該冷却用素子2側を流れる冷却用空気Abの流量を少なくすること、即ち、上記冷却用素子2の厚さ寸法を薄く設定することが可能であることを意味する。従って、この発明の除湿素子においては、上記冷却用素子2の厚さ寸法を薄くすることで、除湿素子の高さ方向のコンパクト化が図れるとともに、高さ寸法を同じとした場合には上記吸着用素子1と冷却用素子2の積層個数を多くして除湿能力の増大を図ることも可能となるものである。
【0039】
また、この発明の除湿素子では、上記冷却用素子2の上記開口部24の一端側に上記各第2通風路4,4,・・の入口部4a,4a,・・が、他端側には出口部4b,4b,・・が、それぞれ配置されているので、上記入口部4a,4a,・・側においてはここに流入する冷却用空気Abが該入口部4a,4a,・・によって整流作用と偏流抑制作用とを受けることからその流れが安定し、圧力損失の更なる低減が期待できるとともに、上記出口部4b,4b,・・側においては該出口部4b,4b,・・によって整流作用を受けながら冷却用空気Abが流出することでその流出に伴う騒音発生が可及的に抑制され、除湿素子の静粛性が向上す等の効果も得られるものである。
【0040】
(ロ) 本願の第2の発明にかかる除湿素子によれば、上記第1の発明にかかる除湿素子において、上記冷却用素子2の上記各第2通風路4,4,・・を略矩形の断面形状としているので、例えば従来のようにこれを三角形の断面形状とした場合に比して、該第2通風路4の有効断面積が増加しその分だけ該第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abの圧力損失が低減されるとともに、この第2通風路4の断面形状に基づく圧力損失の低減効果が、上記冷却用素子2に上記開口部24を設けたことによる圧力損失の低減効果に付加されることで、上記冷却用素子2全体としての圧力損失がより一層低減され、延いては除湿素子の除湿能力の更なる向上が期待できるものである。
【0041】
(ハ) 本願の第3の発明にかかる除湿素子によれば、上記第1の発明にかかる除湿素子において、上記冷却用素子2の上記各第2通風路4,4,・・を略三角形の断面形状としているので、略三角形の断面形状をもつ第2通風路4においてはその全断面積の割りには有効断面積が小さく圧力損失が大きいという形状面での欠点をもつにも拘わらず、上記冷却用素子2に上記開口部24を形成したことによる圧力損失の低減効果によってこれが補填され、上記冷却用素子2全体としての圧力損失が小さく抑えられ、その結果、上記(イ)に記載したものと同様の効果が得られるものである。
【0042】
(ニ) 本願の第4の発明にかかる除湿素子によれば、上記第1、第2又は第3の発明にかかる除湿素子において、上記冷却用素子2の上記開口部24内に、該開口部24内における冷却用空気Abの偏流を抑制する空気流調整手段Xを設けているので、該開口部24内における冷却用空気Abの偏流が抑制され、該開口部24の全域において上記冷却用空気Abと吸着用素子1との間での熱交換作用が可及的に均等に行われ、吸着熱の放熱作用がより一層促進され、除湿素子の除湿能力の更なる向上が期待できることになる。
【0043】
(ホ) 本願の第5の発明にかかる除湿素子では、上記第1、第2又は第3の発明にかかる除湿素子において、上記冷却用素子2の上記各第2通風路4,4,・・の入口部4a側に、該入口部4aを通って上記開口部24内に流入する冷却用空気Abの流量を、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の下流側に近いものほど多くなるように調整する流量調整手段Yを設けている。
【0044】
ここで、上記吸着用素子1側における吸着熱の温度分布は、水分吸着作用の度合いに対応し、該吸着用素子1への被処理空気Aaの流入側である上記第1通風路3,3,・・の上流側において高く、下流側において低くなる。従って、該第1通風路3,3,・・に直交する方向に延びる上記冷却用素子2側の第2通風路4,4,・・から冷却用空気Abが均等に流入し、これが上記開口部24内を何ら規制作用を受けることなく自由に流れると、必然的に温度差の大きい部位、即ち、上記第1通風路3,3,・・の上流側に対応する部位において熱交換が集中的に行われ、下流側に対応する部位においては殆ど熱交換が行われず、該開口部24の全領域における有効熱交換領域が減少し熱交換効率が低下する、即ち、吸着熱の放熱効率が低下することになる。
【0045】
かかる場合において、この発明のように、上記開口部24内に流量調整手段Yを設け、該流量調整手段Yによって、該開口部24内を流れる冷却用空気Abの流量を、上記吸着用素子1の第1通風路3,3,・・の下流側に近い部位ほど多くなるように調整すると、有効熱交換領域が上記開口部24の広い範囲に拡大され、それだけ熱交換効率が良好となり、吸着熱の放熱効率が向上し、結果的に除湿素子の除湿能力の更なる向上が期待できるものである。
【0046】
(ヘ)本願の第6の発明にかかる除湿素子によれば、上記第5の発明にかかる除湿素子において、上記流量調整手段Yを、上記各第2通風路4,4,・・の各入口部4a,4a,・・の通路長さが上記吸着用素子1の上記第1通風路3の下流端に近いものほど短くなるように設定した構成としているので、該流量調整手段Yはこれを上記開口部24の形状設定によって容易に得ることができ、この結果、上記(ホ)に記載の効果をより安価に達成できるものである。
【0047】
(ト)本願の第7の発明にかかる除湿素子によれば、吸着剤が担持され且つ被処理空気Aaが流通する平行に延びる複数の第1通風路3,3,・・を備えた吸着用素子1と、冷却用空気Abが流通する平行に延びる複数の第2通風路4,4,・・が形成された冷却用素子2とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層して構成される除湿素子において、上記冷却用素子2が、上記第2通風路4,4,・・をその通路方向においてこれを分断するように該第2通風路4,4,・・に臨む開口部24A,24Bを備えるとともに、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の通路抵抗を、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄りの方が、下流側に対応する部位2d寄りよりも大きくなるように設定している。
【0048】
従って、この発明の除湿素子においては、上記冷却用素子2に上記開口部24A,24Bが設けられていることで、例えば該開口部24A,24Bを設けずに上記第2通風路4,4,・・を上記冷却用素子2の全長に跨がって一連に形成する場合に比して、該開口部24A,24Bの占有範囲だけ上記第2通風路4,4,・・の通路長さが短くなり、それだけ該第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abの圧力損失が低減され、この圧力損失の低下分だけ上記冷却用素子2側を流れる冷却用空気Abの流量が増加し、該冷却用空気Abによる吸着熱の放熱作用が促進されることになる。
【0049】
また、上記冷却用素子2に上記開口部24A,24Bが設けられていることで、該開口部24A,24B内を流れる冷却用空気Abは、直接上記吸着用素子1側に接触することとなり、例えば上記開口部24A,24Bが設けられず上記各第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abが常に上記吸着用素子1との間に通路壁を介在させた状態で接触するような構成の場合に比して、該吸着用素子1と冷却用素子2との間の伝熱効率が向上しそれだけ冷却用空気Abによる吸着熱の放熱作用が促進されることになる。
【0050】
このような上記冷却用素子2における冷却用空気Abの流量増大による放熱作用の促進効果と、伝熱性の向上による放熱作用の促進効果との相乗作用により、上記除湿素子の除湿能力の更なる向上が実現されるものである。
【0051】
一方、上記開口部24A,24Bの上流側から該開口部24A,24Bに流入する冷却用空気Abは、上記吸着用素子1側の吸着熱の温度分布の偏りに対応して、該吸着用素子1の第1通風路3の上流側に対応する部位を流れるものと下流側に対応する部位を流れるものとの間において温度勾配が生じるが、かかる温度勾配のある冷却用空気Abは上記開口部24A,24B内へ流入しここで混合されることでその温度勾配が可及的に解消され、該冷却用空気Abの冷却能の均等化が図られる。
【0052】
さらに、この発明では、上記開口部24A,24Bの下流側に連続する上記第2通風路4,4,・・の通路抵抗を、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄りの方が、下流側に対応する部位2d寄りよりも大きくなるように設定しているので、上記開口部24A,24Bから上記第2通風路4,4,・・側へ冷却用空気Abが流れる場合、該冷却用空気Abは、該第2通風路4,4,・・のうち、上記吸着用素子1の第1通風路3の下流側に対応する部位2d寄り(即ち、上記吸着用素子1側の被処理空気Aaの温度勾配に対応して該被処理空気Aaとの温度差が小さく熱交換に対する寄与度の低い部位寄り)に積極的に流れ、該部位における熱交換作用が促進され、それだけ上記冷却用素子2における有効熱交換領域が拡大される。
【0053】
これらの相乗効果として、除湿素子の除湿能力が更に向上することになる。
【0054】
(チ) 本願の第8の発明にかかる除湿素子によれば、上記第7の発明にかかる除湿素子において、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の通路長さを、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄りの方が、下流側に対応する部位2d寄りよりも長くなるように設定することで、上記第2通風路4,4,・・の通路抵抗を調整するようにしているので、上記第2通風路4,4,・・の通路長さの調整という簡単な構成によって上記(ト)に記載の効果を得ることができるものである。
【0055】
(リ) 本願の第9の発明にかかる除湿素子によれば、上記(チ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第2通風路4,4,・・の通路長さを、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄り側から下流側に対応する部位2d寄り側にかけて段階的に減少するように設定しているので、該第2通風路4,4,・・製作時における長さ設定が容易であり、それだけコストダウンが図れることになる。
【0056】
(ヌ) 本願の第10の発明にかかる除湿素子によれば、上記(チ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第2通風路4,4,・・の通路長さを、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄り側から下流側に対応する部位2d寄り側にかけて直線的に減少するように設定しているので、これに対応して上記第2通風路4,4,・・相互間における冷却用空気Abの流量、即ち、上記吸着用素子1側の吸着熱に対する冷却能力が連続的に変化することとなり、延いては冷却用素子2全体としての冷却性能の安定化が図られることになる。
【0057】
(ル) 本願の第11の発明にかかる除湿素子によれば、上記(チ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第2通風路4,4,・・の通路長さを、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄り側から下流側に対応する部位2d寄り側にかけて曲線的に減少するように設定しているので、これに対応して上記第2通風路4,4,・・相互間における冷却用空気Abの流量、即ち、上記吸着用素子1側の吸着熱に対する冷却能力が滑らかに連続的に変化することとなり、延いては冷却用素子2全体としての冷却性能の安定化が図られることになる。
【0058】
(ヲ) 本願の第12の発明にかかる除湿素子によれば、上記第7の発明にかかる除湿素子において、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の通路断面積を、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄りの方が、下流側に対応する部位2d寄りよりも小さくなるように設定するという簡単な構成で上記第2通風路4,4,・・の通路抵抗の変更を実現するようにしているので、上記(チ)に記載の効果をより安価に得ることができるものである。
【0059】
(ワ) 本願の第13の発明にかかる除湿素子によれば、上記第8、第9、第10又は第11の発明にかかる除湿素子において、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の通路断面積を、上記吸着用素子1の上記第1通風路3の上流側に対応する部位2c寄りの方が、下流側に対応する部位2d寄りよりも小さくなるように設定するという簡単な構成で上記第2通風路4,4,・・の通路抵抗の変更を実現するようにしているので、上記(リ)、(ヌ)、(ル)又は(ヲ)に記載の効果をより安価に得ることができるものである。
【0060】
(カ) 本願の第14の発明にかかる除湿素子では、吸着剤が担持され且つ被処理空気Aaが流通する平行に延びる複数の第1通風路3,3,・・を備えた吸着用素子1と、冷却用空気Abが流通する平行に延びる複数の第2通風路4,4,・・が形成された冷却用素子2とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層して構成される除湿素子において、上記冷却用素子2が、上記第2通風路4,4,・・をその通路方向においてこれを分断するように該第2通風路4,4,・・に臨む開口部24A,24Bを備えるとともに、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の平面視における通路方向を、下流側に向かうに伴って上記吸着用素子1の上記第1通風路3の下流側に対応する部位2d側へ接近するように傾斜させている。
【0061】
従って、この発明の除湿素子においては、上記冷却用素子2に上記開口部24A,24Bが設けられていることで、例えば該開口部24A,24Bを設けずに上記第2通風路4,4,・・を上記冷却用素子2の全長に跨がって形成する場合に比して、該開口部24A,24Bの占有範囲だけ上記第2通風路4,4,・・の通路長さが短くなり、それだけ該第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abの圧力損失が低減され、この圧力損失の低下分だけ上記冷却用素子2側を流れる冷却用空気Abの流量が増加し、該冷却用空気Abによる吸着熱の放熱作用が促進されることになる。
【0062】
また、上記冷却用素子2に上記開口部24A,24Bが設けられていることで、該開口部24A,24B内を流れる冷却用空気Abは、直接上記吸着用素子1側に接触することとなり、例えば上記開口部24A,24Bが設けられず上記各第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abが常に上記吸着用素子1との間に通路壁を介在させた状態で接触するような構成の場合に比して、該吸着用素子1と冷却用素子2との間の伝熱効率が向上しそれだけ冷却用空気Abによる吸着熱の放熱作用が促進されることになる。
【0063】
このような上記冷却用素子2における冷却用空気Abの流量増大による放熱作用の促進効果と、伝熱性の向上による放熱作用の促進効果との相乗作用により、上記除湿素子の除湿能力の更なる向上が実現されるものである。
【0064】
一方、上記開口部24A,24Bの上流側から該開口部24A,24Bに流入する冷却用空気Abは、上記吸着用素子1側の温度分布の偏りに対応して、該吸着用素子1の第1通風路3の上流側に対応する部位を流れるものと下流側に対応する部位を流れるものとの間において温度勾配が生じるが、かかる温度勾配のある冷却用空気Abは上記開口部24A,24B内へ流入しここで混合されることでその温度勾配が可及的に解消され、該開口部24A,24Bの下流側に連続する上記第2通風路4,4,・・側へ流れる冷却用空気Abは略均等な温度をもつことになる。しかも、この発明では、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の平面視における通路方向を、下流側に向かうに伴って上記吸着用素子1の上記第1通風路3の下流側に対応する部位2d側へ接近するように傾斜させているので、上記開口部24A,24Bから上記第2通風路4,4,・・側へ冷却用空気Abが流れる場合、該冷却用空気Abは、上記吸着用素子1の第1通風路3の下流側に対応する部位2d寄り(即ち、上記吸着用素子1側の被処理空気Aaの温度勾配に対応して該被処理空気Aaとの温度差が小さく熱交換に対する寄与度の低い部位寄り)に強制的に偏流され該部位2d寄りを積極的に流れることとなり、該部位における熱交換作用が促進され、それだけ上記冷却用素子2における有効熱交換領域が拡大される。
【0065】
これらの相乗効果として、除湿素子の除湿能力が更に向上することになる。
【0066】
(ヨ) 本願の第15の発明にかかる除湿素子によれば、上記第7、第8、第9、第10、第11、第12又は第13の発明にかかる除湿素子において、上記開口部24A,24Bの下流側における上記第2通風路4,4,・・の平面視における通路方向を、下流側に向かうに伴って上記吸着用素子1の上記第1通風路3の下流側に対応する部位2d側へ接近するように傾斜させているので、上記開口部24A,24Bから上記第2通風路4,4,・・側へ冷却用空気Abが流れる場合、該冷却用空気Abは、上記吸着用素子1の第1通風路3の下流側に対応する部位2d寄り(即ち、上記吸着用素子1側の被処理空気Aaの温度勾配に対応して該被処理空気Aaとの温度差が小さく熱交換に対する寄与度の低い部位寄り)に強制的に偏流され該部位2d寄りを積極的に流れることで該部位における熱交換作用が促進され、それだけ上記冷却用素子2における有効熱交換領域が拡大され、この有効熱交換領域の拡大分だけ、上記(チ)、(リ)、(ヌ)、(ル)、(ヲ)、(ワ)又は(カ)に記載の効果がより一層促進されることになる。
【0067】
(タ) 本願の第16の発明にかかる除湿素子によれば、上記第7、第8、第9、第10、第11、第12又は第13、第14又は第15の発明にかかる除湿素子において、上記開口部24A,24Bとその下流側の上記第2通風路4,4,・・とを、上記冷却用素子2における冷却用空気Abの流れ方向に前後して複数組設けているので、上記開口部24A,24Bによる冷却用空気Abの圧力損失低減作用と冷却用空気Abの温度均等化作用及び伝熱促進作用と、上記第2通風路4,4,・・の通路長さの調整あるいは通路断面積の調整によって通路抵抗を変更させ冷却用空気Abを積極的に偏流させることによる冷却用素子2の有効熱交換領域の拡大作用とが、冷却用空気Abの流れ方向において複数回実行されることで、上記(チ)、(リ)、(ヌ)、(ル)、(ヲ)、(ワ)又は(カ)に記載の効果がより一層確実ならしめられる。
【発明の実施の形態】
【0068】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0069】
I:第1の実施形態
図1〜図3には、本願発明の第1の実施形態にかかる除湿素子Z1を示している。この除湿素子Z1は、本願請求項1及び請求項3に係る発明が適用されたものであって、図1に示すように、複数個の吸着用素子1,1,・・と複数個の冷却用素子2,2,・・とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層するとともに、この積層体を、図3に示すように、その積層方向両端部にそれぞれ端板9,9を装着するとともにこれら端板9,9を積層体の四隅に沿って配置される四本の枠材10,10,・・によって連結し、これらを一体化して構成される。以下、この除湿素子Z1を構成する上記吸着用素子1と冷却用素子2とについて、それぞれその具体的構成等を説明する。
【0070】
吸着用素子1の構成
上記吸着用素子1は、図1及び図2(尚、図2においては、説明の便宜上、上記冷却用素子2の平面位相を90°ずらせて上記吸着用素子1と同じ平面位相として図示している。以下、他の実施形態における図5、図8、図11、図13、図15、図17、図20、図22においても同様である)に示すように、次述の通風路形成材11と一対の平板材12,12とで構成された両面段ボール状の形態を有している。
【0071】
即ち、上記通風路形成材11は、セラミック繊維を用いた繊維紙で構成されるものであって、繊維紙の厚さ方向に交互に折曲させた全体として波板状の形態をもつ屈曲板材とされるとともに、その表面にはシリカゲル等の適宜の吸着剤が担持されている。一方、上記一対の平板材12,12は、共にセラミック繊維を用いた繊維紙で平板状に形成されるものであって、その表面にはシリカゲル等の適宜の吸着剤が担持されるとともに、一方の表面には分離シート層14が形成されている。
【0072】
そして、上記通風路形成材11の両面に上記平板材12,12を、その分離シート層14を外側に向けた状態で、それぞれ接合固定し、これらを一体化することで、上記通風路形成材11の各谷部に対応する部位のそれぞれに平行に延びる第1通風路3,3,・・を備えた上記吸着用素子1が構成される。従って、この吸着用素子1においては、その平面方向に列設された上記第1通風路3,3,・・は、上記一対の平板材12,12の上記分離シート層14,14によって外部と完全に分離された状態となっている。
【0073】
尚、上記通風路形成材11及び平板材12に対する吸着剤の担持方法としては、例えばその素材である繊維紙の紙漉き時に同時に漉き込ませるとか、吸着剤を混入したディピング液中に浸漬させる等の方法によって行われる。
【0074】
また、上記分離シート層14は、上記平板材12の気液の流通を阻止し、上記第1通風路3を次述する冷却用素子2側の第2通風路4と完全に分離させるためのものであって、例えば上記平板材12の表面にプラスチックフィルムを貼着することで、又は上記平板材12の表面に金属材(例えば、アルミニュム)を蒸着することで、又は上記平板材12の表面に水系ウレタン樹脂等の有機バインダーを塗布することで得られる。
【0075】
冷却用素子2の構成
上記冷却用素子2は、図1及び図2に示すように、次述の通風路形成材21と平板材22とで構成された片面段ボール状の形態を有している。
【0076】
即ち、上記通風路形成材21は、アルミ薄板等の金属薄板又は樹脂薄板を、その厚さ方向に交互に折曲させた全体として波板状の形態をもつ屈曲板材で構成されている。また、上記平板材22は、アルミ薄板等の金属薄板又は樹脂薄板で平板状に形成されている。
【0077】
そして、上記通風路形成材21の一方の面に上記平板材22を接合固定してこれらを一体化した後、その平面方向中央部に打ち抜き加工を施してここに矩形の開口部24を形成することで、上記冷却用素子2としたものであり、従って、該冷却用素子2は全体として矩形枠状形態を有している。
【0078】
この冷却用素子2においては、上記通風路形成材21と平板材22との一体化によってこれらの間に、該平板材22の各谷部によって平行に延びる多数の第2通風路4,4,・・が形成され、且つこれら各第2通風路4,4,・・は冷却用素子2の一端から他端まで連続した通路となるべきものであるが、上述のように上記開口部24を形成したことによって、上記各第2通風路4,4,・・のうち両側端に位置して枠部分を構成するものを除いて、その通路方向の中間部で分断され、該開口部24を平面方向に挟んでその一方側に入口部4aが、他方側に出口部4bがそれぞれ存在した形態となっている。換言すれば、上記各第2通風路4,4,・・は、その入口側と出口側とに分断されているものの、その中間部分は上記開口部24において相互に連通された状態となっている。
【0079】
吸着用素子1と冷却用素子2の組付
以上のように構成された上記吸着用素子1と上記冷却用素子2とを、90°の平面位相をもたせた状態で順次交互に積層し、さらにこの積層体を上記端板9,9と上記枠材10,10,・・とによって固結することで、図3に示すように矩形ブロック状の外観形態をもつ除湿素子Z1が得られる。尚、上記吸着用素子1と冷却用素子2との積層状態においては、該冷却用素子2がその両側から上記吸着用素子1によって挟まれることで、該冷却用素子2に設けられた上記開口部24は該各吸着用素子1,1によってその両開口面が閉塞され、所要の容積をもつ空室部5を形成する(図2参照)。そして、この空室部5は、上記入口部4a,4a,・・と出口部4b,4b,・・とを介してそれぞれ外部に臨むことになる。
【0080】
従って、矩形ブロック状の外観形態をもつ上記除湿素子Z1においては、その四方の側面のうち、対向する一方の一対の側面には上記吸着用素子1,1,・・の各第1通風路3,3,・・の端部がそれぞれ開口するとともに、対向する他の一対の側面のうちの一方には上記冷却用素子2の各第2通風路4,4,・・の入口部4a,4a,・・が、他方には出口部4b,4b,・・が、それぞれ開口している。
【0081】
ここで、この除湿素子Z1の作用等について説明すると、この除湿素子Z1においては、上記各第1通風路3,3,・・に被処理空気Aaとして湿り空気が、上記各第2通風路4,4,・・には冷却用空気Abが、それぞれ流れることで、該被処理空気Aaの除湿が行われる。即ち、上記吸着用素子1側においては、上記各第1通風路3,3,・・内を被処理空気Aaが流れる場合、該被処理空気Aaはその含有水分が該各第1通風路3,3,・・に担持された吸着剤によって順次吸着除去されることで除湿され、低湿度の空気として排出される。
【0082】
一方、上記冷却用素子2側においては、上記各第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abによって、上記吸着用素子1側において発生する吸着熱の吸熱による放熱作用が行われる。この吸着熱の放熱によって、上記吸着用素子1側の吸着剤は、常時その温度が適正に維持され、長期に亙って高い吸着能を保有し、結果的に上記除湿素子Z1は長期に亙って高水準の除湿能力を維持することになる。
【0083】
ここで、特にこの実施形態のものにおいては、次述のように、上記冷却用素子2の構造的特徴に起因して、より高水準の除湿能力を発揮するものである。
【0084】
第1には、冷却用空気Abの圧力損失の低減による除湿能力の向上効果である。即ち、この実施形態のものにおいては、上記冷却用素子2が開口部24を備え、この開口部24によって上記第2通風路4,4,・・がそれぞれその通路方向において上記入口部4aと出口部4bとに分断され、且つその中間部分は該各第2通風路4,4,・・に共通の空室部5とされている。従って、上記各第2通風路4,4,・・に対してその入口部4a,4a,・・からそれぞれ流入する冷却用空気Abは、該各入口部4a,4a,・・から直ちに上記空室部5に流入し、該空室部5内を上記入口部4a側から出口部4b側へ自由に流れた後、該各出口部4b,4b,・・から排出される。
【0085】
この場合、上記空室部5内には冷却用空気Abの流通を阻害する部材が存在しないので、該冷却用空気Abに対する流通抵抗は可及的に小さく維持される。このため、例えば上記第2通風路4,4,・・が上記冷却用素子2の一端側から他端側まで一連に連続した構成(即ち、上記開口部24を設けない構成)である場合に比して、上記開口部24の形成によって上記第2通風路4の通路長さが減少した分だけ、該冷却用素子2全体としての圧力損失が低減されることになる。尚、このような上記開口部24を設けたことによる圧力損失の低減効果は、この実施形態のように上記冷却用素子2の第2通風路4を三角形の断面形状とし構造(即ち、全断面積の割合に有効断面積が小さく、流通抵抗が大きくなり易い構造)においても有効に作用するものである。
【0086】
従って、この実施形態の除湿素子Z1においては、上記冷却用素子2の第2通風路4の断面形状を三角形とした構成であるにも拘わらず、その圧力損失が低く抑えられることから、上記第2通風路4を流通する冷却用空気Abの流量を増加させることができ、その分だけ該冷却用空気Abによる吸着用素子1側の吸着熱の放熱効率が向上し、これによって除湿素子Z1の除湿能力の向上が期待できるものである。
【0087】
また、この場合、上記冷却用素子2の上記開口部24の一端側に上記各第2通風路4,4,・・の入口部4a,4a,・・が、他端側には出口部4b,4b,・・が、それぞれ配置されているので、上記入口部4a,4a,・・側においては、該入口部4a,4a,・・によって上記開口部24側へ流入する冷却用空気Abが整流されるとともに該第2通風路4,4,・・の列設方向における偏流が防止され、この結果、上記空室部5内での冷却用空気Abの流れが安定し、圧力損失の更なる低減が可能となる。
【0088】
第2には、上記吸着用素子1と冷却用素子2との間での伝熱促進による除湿素子Z1の除湿能力の向上効果である。即ち、この実施形態の除湿素子Z1では、上記冷却用素子2に上記開口部24によって上記空室部5が形成され、空室部5に対応する部分においては、該空室部5内の冷却用空気Abが直接に上記吸着用素子1の平板材12に接していることから、例えば従来の除湿素子(図28を参照)のように冷却用素子2の第2通風路4側に平板材が存在しているような場合に比して、介在部材の数が少ない分だけ、上記吸着用素子1と冷却用素子2との間の伝熱抵抗が少なく、それだけ上記第2通風路4側の冷却用空気Abによる上記第1通風路3側で発生する吸着熱の吸熱による放熱作用が促進され、結果的に、上記除湿素子Z1の除湿能力の向上が期待できるものである。
【0089】
これらの相乗効果として、この実施形態の除湿素子Z1においては、より高水準の除湿能力が、しかも長期に亙って安定的に得られ、延いては該除湿素子Z1の商品価値の向上が期待できるものである。
【0090】
また、上述のように、上記冷却用素子2に上記開口部24を設けることで上記吸着用素子1と冷却用素子2との間の伝熱促進が図れるとともに、圧力損失の低減によって冷却用空気Abの流量増大による放熱促進が図れることから、例えば上記冷却用素子2側での要求放熱量を同じとすれば、伝熱促進及び放熱促進の分だけ上記空室部5における流量を少なくすること、例えば上記空室部5の容量を低減させるべく上記冷却用素子2の厚さ寸法を薄く設定することが可能となり、延いては該冷却用素子2と上記吸着用素子1とで構成される上記除湿素子Z1の高さ寸法のコンパクト化を図ることができ、特にこの除湿素子Z1を空調機の除湿機構としてこれに組み込む場合には、空調機のコンパクト化にも寄与し得るものである。
【0091】
さらに、この実施形態の除湿素子Z1においては、上記冷却用素子2の上記出口部4b,4b,・・側では、上記空室部5側から該出口部4b,4b,・・を通して整流作用を受けながら冷却用空気Abが流出されることから、該冷却用空気Abの流出に伴う騒音発生が可及的に抑制され、この結果、除湿運転時の静粛性も確保され、例えばこの除湿素子Z1を空調機の除湿機構として採用する場合には、静粛空調の実現という点において有利である。
【0092】
II:第2の実施形態
図4及び図5には、本願発明の第2の実施形態にかかる除湿素子Z2を示している。この除湿素子Z2は、本願請求項1及び請求項3に係る発明が適用されたものであって、その基本構成は上記第1の実施形態にかかる除湿素子Z1と同様であり、これと異なる点は上記冷却用素子2の構成にある。
【0093】
即ち、上記第1の実施形態の除湿素子Z1においては上記冷却用素子2を屈曲板材でなる通風路形成材21と平板体でなる平板材22とで片面段ボール状に形成していたのに対して、この実施形態の除湿素子Z2においてはこれを屈曲板材でなる通風路形成材21のみで構成したものであり、これ以外の構成、即ち、その平面方向中央部に開口部24を形成して全体として枠状形態を有する点は上記第1の実施形態における吸着用素子1と同様である。
【0094】
従って、この通風路形成材21のみでなる冷却用素子2と上記吸着用素子1とを積層して除湿素子Z2を構成した場合、図5に示すように、該冷却用素子2側の各第2通風路4,4,・・は、その全ての部位、即ち、上記開口部24で構成される空室部5に対応する部分及び上記入口部4a,4a,・・と出口部4b,4b,・・にそれぞれ対応する部分の全てが、上記吸着用素子1の平板材12に対して直接臨むことになる。このため、上記冷却用素子2側を流れる冷却用空気Abと吸着熱によって昇温した上記吸着用素子1との間の伝熱効率は、例えば上記第1の実施形態にかかる除湿素子Z1のように上記入口部4a,4a,・・及び出口部4b,4b,・・に対応する部分においては上記平板材22を介して上記吸着用素子1に臨む構成の場合に比して、高いものとなり、それだけ吸着熱の放熱作用が促進され、延いては上記除湿素子Z2の除湿能力のより一層の向上が期待できるものである。
【0095】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第1の実施形態にかかる除湿素子Z1の場合と同様であるので、該第1の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0096】
III:第3の実施形態
図6には、本願発明の第3の実施形態にかかる除湿素子Z3を示している。この除湿素子Z3は、本願請求項1及び請求項3に係る発明が適用されたものであって、その基本構成は上記第1の実施形態にかかる除湿素子Z1と同様であり、これと異なる点は上記吸着用素子1と上記冷却用素子2の構成にある。
【0097】
即ち、上記第1の実施形態の除湿素子Z1においては上記吸着用素子1を屈曲板材でなる通風路形成材11と該通風路形成材11の両面に接合される一対の平板体でなる平板材12,12の三者で両面段ボール状に形成し、該一対の平板材12,12の外側の面にそれぞれ分離シート層14を形成していたのに対して、この実施形態の除湿素子Z3においてはこれを屈曲板材でなる上記通風路形成材11と該通風路形成材11の一方の面に接合される一枚の平板材12の二者によって片面段ボール状に形成するとともに、上記吸着用素子1の平板材12の表面と上記通風路形成材11の開放側の面のそれぞれに上記分離シート層14を形成したものである。
【0098】
また、上記第1の実施形態の除湿素子Z1においては上記冷却用素子2を、波板状の通風路形成材21の一方の面に平板状の平板材22を接合固定し、且つその平面方向中央部に打ち抜き加工を施して該通風路形成材21と平板材22とを一体的に打ち抜き、ここに矩形の開口部24を形成していたのに対して、この実施形態の除湿素子Z3においては上記冷却用素子2を通風路形成材21と平板材22の二部材で構成するものの、上記開口部24の形成に際しては、上記通風路形成材21のみを矩形に打ち抜き、該開口部24の底部に上記平板材22がそのまま残存するようにしている。尚、上記冷却用素子2の製作に際しては、予め上記通風路形成材21に打ち抜きを施して上記開口部24を形成しておき、しかる後、この通風路形成材21に対して上記平板材22(打ち抜きされていないもの)を接合固定する。
【0099】
このような構成の吸着用素子1を備えた除湿素子Z3では、上記吸着用素子1が上記通風路形成材11と一枚の平板材12の二つの部材で構成されており、該吸着用素子1を通風路形成材11と一対の平板材12,12の三つの部材で構成した上記第1の実施形態の除湿素子Z1に比して、該吸着用素子1の構成部材が少なく、その分だけ製作が容易であり且つその低コスト化が図れる。
【0100】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第1の実施形態にかかる除湿素子Z1の場合と同様であるので、該第1の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0101】
IV:第4の実施形態
図7〜図9には、本願発明の第4の実施形態にかかる除湿素子Z4を示している。この除湿素子Z4は、複数個の吸着用素子1,1,・・と複数個の冷却用素子2,2,・・とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層するとともに、この積層体を、図9に示すように、その積層方向両端部にそれぞれ端板9,9を装着するとともにこれら端板9,9を積層体の四隅に沿って配置される四本の枠材10,10,・・によって連結し、これらを一体化して構成される。以下、この除湿素子Z4を構成する上記吸着用素子1と冷却用素子2とについて、それぞれその具体的構成等を説明する。
【0102】
上記吸着用素子1は、図7及び図8に示すように、次述の通風路形成材11と一対の平板材12,12とで構成された両面段ボール状の形態を有している。
【0103】
即ち、上記通風路形成材11は、セラミック繊維を用いた繊維紙で構成されるものであって、繊維紙の厚さ方向に交互に折曲させた全体として波板状の形態をもつ屈曲板材とされるとともに、その表面にはシリカゲル等の適宜の吸着剤が担持されている。一方、上記一対の平板材12,12は、共にセラミック繊維を用いた繊維紙で平板状に形成されるものであって、その表面にはシリカゲル等の適宜の吸着剤が担持されるとともに、一方の表面には分離シート層14が形成されている。
【0104】
そして、上記通風路形成材11の両面に上記平板材12,12を、その分離シート層14を外側に向けた状態で、それぞれ接合固定し、これらを一体化することで、上記通風路形成材11の各谷部に対応する部位のそれぞれに平行に延びる第1通風路3,3,・・を備えた上記吸着用素子1が構成される。従って、この吸着用素子1においては、その平面方向に列設された上記第1通風路3,3,・・は、上記一対の平板材12,12の上記分離シート層14,14によって外部と完全に分離された状態となっている。
【0105】
尚、上記通風路形成材11及び平板材12に対する吸着剤の担持方法は、上記第1の実施形態の吸着用素子1における場合と同様であり、当該説明を援用する。また、上記分離シート層14の形成方法についても、上記第1の実施形態の吸着用素子1における場合と同様であり、当該説明を援用する。
【0106】
上記冷却用素子2は、図7及び図8に示すように、次述の通風路形成材21のみで構成されている。即ち、上記通風路形成材21は、アルミ薄板等の金属薄板又は樹脂薄板を、その厚さ方向へ交互にそれぞれ台形状を呈する如く折曲させた全体として台形波板状の形態をもつ屈曲板材で構成されている。
【0107】
以上のように構成された上記吸着用素子1と上記冷却用素子2とを、90°の平面位相をもたせた状態で順次交互に積層し、さらにこの積層体を上記端板9,9と上記枠材10,10,・・とによって固結することで、図9に示すように矩形ブロック状の外観形態をもつ除湿素子Z4が得られる。そして、この除湿素子Z4においては、図8に示すように、上記冷却用素子2を構成する上記通風路形成材21とその両面側にそれぞれ位置する上記吸着用素子1,1の平板材12との間には、該通風路形成材21の谷部によって台形状の断面形状(即ち、略矩形の断面形状)をもつ複数の第2通風路4,4,・・が形成される。
【0108】
従って、図9に示すように、上記除湿素子Z4においては、その四方の側面のうち、対向する一方の一対の側面には上記吸着用素子1,1,・・の各第1通風路3,3,・・の端部がそれぞれ開口し、また対向する他の一対の側面には上記冷却用素子2の各第2通風路4,4,・・の端部がそれぞれ開口している。
【0109】
ここで、この除湿素子Z4の作用等について説明すると、この除湿素子Z4においては、上記各第1通風路3,3,・・に被処理空気Aaとして湿り空気が、上記各第2通風路4,4,・・には冷却用空気Abが、それぞれ流れることで、該被処理空気Aaの除湿が行われる。即ち、上記吸着用素子1側においては、上記各第1通風路3,3,・・内を被処理空気Aaが流れる場合、該被処理空気Aaはその含有水分が該各第1通風路3,3,・・に担持された吸着剤によって順次吸着除去されることで除湿され、低湿度の空気として排出される。
【0110】
一方、上記冷却用素子2側においては、上記各第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abによって、上記吸着用素子1側において発生する吸着熱の吸熱による放熱作用が行われる。この吸着熱の放熱によって、上記吸着用素子1側の吸着剤は、常時その温度が適正に維持され、長期に亙って高い吸着能を保有し、結果的に上記除湿素子Z4は長期に亙って高水準の除湿能力を維持することになる。
【0111】
ここで、特にこの実施形態のものにおいては、次述のように、上記冷却用素子2の構造的特徴に起因して、より高水準の除湿能力を発揮するものである。
【0112】
即ち、この実施形態の除湿素子Z4においては、上記冷却用素子2に設けられた上記第2通風路4,4,・・が台形状の断面形状を有していることから、該各第2通風路4,4,・・の有効通路面積は、例えば該第2通風路4と同じ全通路面積をもつ断面三角形状の通風路における有効通路面積よりも大きくなる。このため、上記第2通風路4の流通抵抗は小さく、ここを流れる冷却用空気Abの圧力損失が低く抑えられる。この圧力損失の低減分だけ該第2通風路4における冷却用空気Abの流量を増大させることができ、この結果、上記冷却用空気Abによる吸着熱の放熱効率が向上し、上記除湿素子Z4は高水準の除湿能力を長期に亙って維持することになる。
【0113】
V:第5の実施形態
図10及び図11には、本願発明の第5の実施形態にかかる除湿素子Z5を示している。この除湿素子Z5は、本願請求項1及び請求項2に係る発明が適用されたものであって、その基本構成は上記第4の実施形態にかかる除湿素子Z4と同様であり、これと異なる点は上記冷却用素子2の構成にある。
【0114】
即ち、上記第4の実施形態の除湿素子Z4においては上記冷却用素子2を台形状に屈曲させた屈曲板材でなる通風路形成材21によって構成していたのに対して、この実施形態の除湿素子Z5においては、上記冷却用素子2を、台形状に屈曲させた屈曲板材にさらにその平面方向中央部に開口部24を形成した枠状形態の通風路形成材21でこれを構成したものである。従って、上記冷却用素子2には、その谷部によって平行に延びる第2通風路4,4,・・が形成されるが、上記開口部24を形成したことで、該第2通風路4,4,・・はその両端部のみがそれぞれ入口部4a,4a,・・及び出口部4b,4b,・・として残存し、それ以外の中間部は上記開口部24で代用された状態となる。
【0115】
以上のように構成された上記吸着用素子1と上記冷却用素子2とを、90°の平面位相をもたせた状態で順次交互に積層し、さらにこの積層体を上記端板9,9と上記枠材10,10,・・とによって固結することで除湿素子Z5が得られる。この除湿素子Z5においては、図11に示すように、上記冷却用素子2がその両側から上記吸着用素子1によって挟まれることで、該冷却用素子2に設けられた上記開口部24は該各吸着用素子1,1によってその両開口面が閉塞され、所要の容積をもつ空室部5を形成する。また、この空室部5は、上記入口部4a,4a,・・と出口部4b,4b,・・とを介してそれぞれ外部に臨んでいる。
【0116】
ここで、この除湿素子Z5の作用等について説明すると、この除湿素子Z5においては、上記各第1通風路3,3,・・に被処理空気Aaとして湿り空気が、上記各第2通風路4,4,・・には冷却用空気Abが、それぞれ流れることで、該被処理空気Aaの除湿が行われる。即ち、上記吸着用素子1側においては、上記各第1通風路3,3,・・内を被処理空気Aaが流れる場合、該被処理空気Aaはその含有水分が該各第1通風路3,3,・・に担持された吸着剤によって順次吸着除去されることで除湿され、低湿度の空気として排出される。
【0117】
一方、上記冷却用素子2側においては、上記各第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abによって、上記吸着用素子1側において発生する吸着熱の吸熱による放熱作用が行われる。この吸着熱の放熱によって、上記吸着用素子1側の吸着剤は、常時その温度が適正に維持され、長期に亙って高い吸着能を保有し、結果的に上記除湿素子Z5は長期に亙って高水準の除湿能力を維持することになる。
【0118】
さらに、この実施形態の除湿素子Z5では、上記の如き基本的な効果に加えて以下のような特有の効果も得られる。
【0119】
第1には、上記冷却用素子2に設けられる上記第2通風路4の断面形状に起因する効果である。即ち、この実施形態の除湿素子Z5においては、上記第4の実施形態の除湿素子Z4の場合と同様に、上記冷却用素子2が台形状の断面形状をもつ第2通風路4,4,・・を備えることで、該冷却用素子2における冷却用空気Abの圧力損失が低減され、冷却用空気Abの流量増加によって吸着熱の放熱効率が向上することで除湿素子Z5の除湿能力のさらなる向上が図れる。
【0120】
第2に、上記冷却用素子2に上記開口部24を設けたことによる効果である。即ち、この実施形態の除湿素子Z5においては、上記冷却用素子2が開口部24を備え、この開口部24によって上記第2通風路4,4,・・がそれぞれその通路方向において上記入口部4aと出口部4bとに分断され、且つその中間部分は該各第2通風路4,4,・・に共通の空室部5とされているので、上記各第2通風路4,4,・・に対してその入口部4a,4a,・・からそれぞれ流入する冷却用空気Abは、該各入口部4a,4a,・・から直ちに上記空室部5に流入し、該空室部5内を上記入口部4a側から出口部4b側へ自由に流れた後、該各出口部4b,4b,・・から排出される。
【0121】
この場合、上記空室部5内には冷却用空気Abの流通を阻害する部材が存在しないので、該冷却用空気Abに対する流通抵抗は可及的に小さく維持される。このため、例えば上記第2通風路4,4,・・が上記冷却用素子2の一端側から他端側まで一連に連続した構成(即ち、上記開口部24を設けない構成)である場合に比して、上記開口部24の形成によって上記第2通風路4の通路長さが減少した分だけ、該冷却用素子2全体としての圧力損失が低減されることになる。この結果、上記第2通風路4を流通する冷却用空気Abの流量を増加させることができ、その分だけ該冷却用空気Abによる吸着用素子1側の吸着熱の放熱効率が向上し、これによって除湿素子Z5の除湿能力の向上が期待できるものである。
【0122】
また、この場合、上記冷却用素子2の上記開口部24の一端側に上記各第2通風路4,4,・・の入口部4a,4a,・・が、他端側には出口部4b,4b,・・が、それぞれ配置されているので、上記入口部4a,4a,・・側においては、該入口部4a,4a,・・によって上記開口部24側へ流入する冷却用空気Abが整流されるとともに該第2通風路4,4,・・の列設方向における偏流が防止され、この結果、上記空室部5内での冷却用空気Abの流れが安定し、圧力損失の更なる低減が可能となる。
【0123】
第3には、上記吸着用素子1と冷却用素子2との間での伝熱促進による効果である。即ち、この実施形態の除湿素子Z5では、上記冷却用素子2に上記開口部24によって上記空室部5が形成され、空室部5に対応する部分においては、該空室部5内の冷却用空気Abが直接に上記吸着用素子1の平板材12に接していることから、例えば従来の除湿素子(図28を参照)のように冷却用素子2の第2通風路4側に平板材が存在しているような場合に比して、介在部材の数が少ない分だけ、上記吸着用素子1と冷却用素子2との間の伝熱抵抗が少なく、それだけ上記第2通風路4側の冷却用空気Abによる上記第1通風路3側で発生する吸着熱の吸熱による放熱作用が促進され、結果的に、上記除湿素子Z5の除湿能力の向上が期待できるものである。
【0124】
第4に、上述のように、上記冷却用素子2に上記開口部24を設けることで上記吸着用素子1と冷却用素子2との間の伝熱促進が図れるとともに、圧力損失の低減によって冷却用空気Abの流量増大による放熱促進が図れることから、例えば上記冷却用素子2側での要求放熱量を同じとすれば、伝熱促進及び放熱促進の分だけ上記空室部5における流量を少なくすること、例えば上記空室部5の容量を低減させるべく上記冷却用素子2の厚さ寸法を薄く設定することが可能となり、延いては該冷却用素子2と上記吸着用素子1とで構成される上記除湿素子Z5の高さ寸法のコンパクト化を図ることができ、特にこの除湿素子Z5を空調機の除湿機構としてこれに組み込む場合には、空調機のコンパクト化にも寄与し得るものである。
【0125】
第5に、この実施形態の除湿素子Z5においては、上記冷却用素子2の上記出口部4b,4b,・・側では、上記空室部5側から該出口部4b,4b,・・を通して整流作用を受けながら冷却用空気Abが流出されることから、該冷却用空気Abの流出に伴う騒音発生が可及的に抑制され、この結果、除湿運転時の静粛性も確保され、例えばこの除湿素子Z5を空調機の除湿機構として採用する場合には、静粛空調の実現という点において好適である。
【0126】
VI:第6の実施形態
図12及び図13には、本願発明の第6の実施形態にかかる除湿素子Z6を示している。この除湿素子Z6は、その基本構成を上記第4の実施形態にかかる除湿素子Z4と同様とするものであり、これと異なる点は上記吸着用素子1の構成にある。
【0127】
即ち、上記第4の実施形態の除湿素子Z4においては上記吸着用素子1を繊維紙製の屈曲板材でなる通風路形成材11と該通風路形成材11の両面に接合される繊維紙製の一対の平板体でなる平板材12,12の三者で両面段ボール状に形成し、該通風路形成材11と一対の平板材12,12のそれぞれに吸着剤を担持させるとともに、該一対の平板材12,12の外側の面にそれぞれ分離シート層14を形成していたのに対して、この実施形態の除湿素子Z6においてはこれを繊維紙製で且つ吸着剤が担持された屈曲板材でなる通風路形成材11と該通風路形成材11の両面にそれぞれ接合されるアルミ薄板等の金属薄板とか樹脂薄板製の一対の平板材16,16とで構成するとともに、該一対の平板材16,16の内面に吸着剤を直接担持させてこれを吸着剤層18としている。
【0128】
このような構成の吸着用素子1を備えた除湿素子Z6では、上記平板材16に直接吸着剤が担持されているので、例えば第4の実施形態の除湿素子Z4のように該吸着剤を繊維紙製の平板材12に担持させた場合に比して、該吸着剤と上記冷却用素子2側の第2通風路4との間隔が短くなり、しかも特に上記平板材16を金属薄板で構成した場合には該金属薄板の熱伝達率が大きいことから、これらの相乗効果として上記吸着用素子1側の吸着剤において発生した吸着熱の冷却用素子2側への伝熱効率が向上し、延いては上記除湿素子Z6の除湿能力の更なる向上が期待できるものである。
【0129】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第4の実施形態にかかる除湿素子Z4の場合と同様であるので、該第4の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0130】
VII:第7の実施形態
図14及び図15には、本願発明の第7の実施形態にかかる除湿素子Z7を示している。この除湿素子Z7は、本願請求項1及び請求項2に係る発明が適用されたものであって、その基本構成は上記第5の実施形態にかかる除湿素子Z5と同様であり、これと異なる点は上記吸着用素子1の構成にある。
【0131】
即ち、上記第5の実施形態の除湿素子Z5においては上記吸着用素子1を繊維紙製の屈曲板材でなる通風路形成材11と該通風路形成材11の両面に接合される繊維紙製の一対の平板体でなる平板材12,12の三者で両面段ボール状に形成し、該通風路形成材11と一対の平板材12,12のそれぞれに吸着剤を担持させるとともに、該一対の平板材12,12の外側の面にそれぞれ分離シート層14を形成していたのに対して、この実施形態の除湿素子Z7においてはこれを繊維紙製で且つ吸着剤が担持された屈曲板材でなる通風路形成材11と該通風路形成材11の両面にそれぞれ接合されるアルミ薄板等の金属薄板とか樹脂薄板製の一対の平板材16,16とで構成するとともに、該一対の平板材16,16の内面に吸着剤を直接担持させてこれを吸着剤層18としている。
【0132】
このような構成の吸着用素子1を備えた除湿素子Z7では、上記平板材16に直接吸着剤が担持されているので、例えば第5の実施形態の除湿素子Z5のように該吸着剤を繊維紙製の平板材12に担持させた場合に比して、該吸着剤と上記冷却用素子2側の第2通風路4との間隔が短くなり、しかも特に上記平板材16を金属薄板で構成した場合には該金属薄板の熱伝達率が大きいことから、これらの相乗効果として上記吸着用素子1側の吸着剤において発生した吸着熱の冷却用素子2側への伝熱効率が向上し、延いては上記除湿素子Z7の除湿能力の更なる向上が期待できるものである。
【0133】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第4及び第5の実施形態にかかる除湿素子Z4,Z5の場合と同様であるので、該第4及び第5の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0134】
VIII:第8の実施形態
図16〜図18には、本願発明の第8の実施形態にかかる除湿素子Z8を示している。この除湿素子Z8は、その基本構成を上記第6の実施形態にかかる除湿素子Z6と同様とするものであり、これと異なる点は上記冷却用素子2の構成にある。
【0135】
即ち、上記第6の実施形態の除湿素子Z6においては上記冷却用素子2を台形状に屈曲された屈曲板材で構成される通風路形成材21によって構成し、該冷却用素子2に形成される第2通風路4の断面形状を台形状、即ち、略矩形状として冷却用空気Abの圧力損失の低減を図るようにしていたのに対して、この実施形態の除湿素子Z8においては上記冷却用素子2を、複数枚の帯板状の隔壁材23,23,・・を所定間隔をもって平行に立設配置してなる通風路形成材21で構成し、該各隔壁材23,23,・・間に形成される第2通風路4の断面形状を矩形状とし、これによって圧力損失の低減を図るようにしたものである。
【0136】
このような構成の冷却用素子2を備えた除湿素子Z8では、上記冷却用素子2が複数枚の隔壁材23,23,・・を所定間隔をもって配置してなる通風路形成材21で構成されているので、例えばこの通風路形成材21を屈曲板材で構成する場合に比して、その軽量化及び低コスト化が図れることになる。
【0137】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第4及び第6の実施形態にかかる除湿素子Z4,Z6の場合と同様であるので、該第4及び第6の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0138】
IX:第9の実施形態
図19及び図20には、本願発明の第9の実施形態にかかる除湿素子Z9を示している。この除湿素子Z9は、本願請求項1及び請求項2に係る発明が適用されたものであって、その基本構成は上記第8の実施形態にかかる除湿素子Z8と同様であり、これと異なる点は上記冷却用素子2の構成にある。
【0139】
即ち、上記第8の実施形態の除湿素子Z8においては上記冷却用素子2を、複数枚の帯板状の隔壁材23,23,・・を所定間隔をもって平行に立設配置してなる通風路形成材21で構成し、該各隔壁材23,23,・・間に形成される第2通風路4の断面形状を矩形状とし、これによって圧力損失の低減を図るようにしていたのに対して、この実施形態の除湿素子Z9では、上記通風路形成材21を構成する隔壁材23,23,・・のうち、両側端にそれぞれ位置する二枚の隔壁材23,23はこれを上記吸着用素子1の全長に対応し得るような長寸一体物とする一方、これ以外の隔壁材23,23,・・についてはこれを短寸の第1材23aと第2材23bとし、これを上記第2通風路4の通路方向の一端側と他端側とに離間して配置し、該各第1材23a,23a,・・間に形成される矩形通路を上記第2通風路4の入口部4a,4a,・・、各第2材23b,23b,・・間に形成される矩形通路を上記第2通風路4の出口部4b,4b,・・としている。この結果、上記各第1材23a,23a,・・と各第2材23b,23b,・・間には、上記入口部4a,4a,・・及び出口部4b,4b,・・に臨む矩形の空間部、即ち、上記開口部24が形成されることになる。
【0140】
このように構成された冷却用素子2と上記吸着用素子1とを備えて構成される除湿素子Z9においては、
(a)上記冷却用素子2の上記第2通風路4,4,・・を流通抵抗の少ない矩形の断面形状とするとともに、上記開口部24を設けてその分だけ上記第2通風路4,4,・・の長さを小さくして流通抵抗の低減を図ったことで、上記冷却用素子2における冷却用空気Abの圧力損失の更なる低減が可能となること、
(b)上記冷却用素子2に上記開口部24を設けて該開口部24で構成される空室部5内を流れる冷却用空気Abとこれに接する吸着用素子1側との間の伝熱効率を高めたこと、
の相乗効果として、上記除湿素子Z9の除湿能力の更なる向上が期待できるものである。
【0141】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第4,第6及び第8の実施形態にかかる除湿素子Z4,Z6,Z8の場合と同様であるので、該第4,第6及び第8の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0142】
X:第10の実施形態
図21及び図22には、本願発明の第10の実施形態にかかる除湿素子Z10を示している。この除湿素子Z10は、本願請求項1及び請求項2に係る発明が適用されたものであって、その基本構成は上記第1の実施形態にかかる除湿素子Z1と同様であり、これと異なる点は上記冷却用素子2の構成にある。
【0143】
即ち、上記第1の実施形態の除湿素子Z1においては上記冷却用素子2を屈曲板材でなる通風路形成材21と平板体でなる平板材22とで片面段ボール状に形成していたのに対して、この実施形態の除湿素子Z10においては上記冷却用素子2を次述の通路構成体25のみで構成している。
【0144】
即ち、上記通路構成体25は、矩形の断面形状をもつ第2通風路4,4,・・を横方向に多数列設してなる厚板状の一体成形体の平面方向中央部に矩形の開口部24を打ち抜き等によって形成した厚板枠状形態を有している。そして、この通路構成体25においては、上記開口部24の形成によって上記各第2通風路4,4,・・のうち、該第2通風路4の列設方向の両端にそれぞれ位置する第2通風路4はその全長に亙って連続する一連の通路とされるが、これら以外の列設方向内側に位置する第2通風路4,4,・・は、上記開口部24の形成によってその一端側に位置する入口部4a,4a,・・と他端側に位置する出口部4bのみが残存した形態とされ、これら入口部4a,4a,・・と出口部4b,4b,・・は共に上記開口部24に臨んでいる。
【0145】
かかる構成の冷却用素子2と上記吸着用素子1とを交互に積層して構成される上記除湿素子Z10においては、
(a)上記冷却用素子2の上記各第2通風路4,4,・・が流通抵抗の少ない矩形の断面形状とされているので、該第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abの圧力損失が小さくなり、それだけ冷却用空気Abの流量を増加させて吸着熱の放熱効率の向上を図ることができる、
(b)上記冷却用素子2に上記開口部24を設けたことで該開口部24が対応する部分だけ上記第2通風路4,4,・・の長さが短くなっていることから、例えば該第2通風路4が冷却用素子2の全長に亙って連続している場合に比して、該第2通風路4の流通抵抗が小さくここを流れる冷却用空気Abの圧力損失が低減され、その分だけ冷却用空気Abの流量を増加させて上記吸着用素子1側の吸着熱に対する放熱効率の向上を図ることができる、
(c)上記冷却用素子2に上記開口部24が設けられていることで、該開口部24で構成される空室部5内を流れる冷却用空気Abとこれに接する上記吸着用素子1側との間の伝熱効率を高めることができる、
等の相乗効果として、上記除湿素子Z10の除湿能力の更なる向上が期待できるものである。
【0146】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第1の実施形態にかかる除湿素子Z1の場合と同様であるので、該第1の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0147】
XI:第11の実施形態
図23には、本願発明の第11の実施形態にかかる除湿素子Z11を示している。この除湿素子Z11は、本願請求項1,請求項2及び請求項4に係る発明が適用されたものであって、その基本構成は上記第10の実施形態にかかる除湿素子Z10と同様であり、これと異なる点は上記冷却用素子2の構成の一部にある。
【0148】
即ち、上記第10の実施形態の除湿素子Z10においては上記冷却用素子2を多数の第2通風路4,4,・・を列設するとともにその平面方向の中央部に開口部24を設けた厚板枠状の通路構成体25で構成していたのに対して、この実施形態の除湿素子Z11では、上記通路構成体25の上記開口部24内の通路方向略中央部に該開口部24を前後に二分するようにして中間通路体29(特許請求の範囲中の「偏流抑制手段X」に該当する)を設けるとともに、該中間通路体29には上記各第2通風路4,4,・・の各入口部4a,4a,・・及び出口部4b,4b,・・に対応する中間通路4c,4c,・・を設け、この通路構成体25によって上記冷却用素子2を構成したものである。
【0149】
かかる構成の冷却用素子2を備えた除湿素子Z11においては、例えば冷却用空気Abが上記第2通風路4,4,・・の各入口部4a,4a,・・を通って上記開口部24内に流入する場合、該開口部24が単一の容積部であると、該開口部24内での冷却用空気Abの流れが自由であることからここに偏流が生じ該開口部24部分における冷却用空気Abの吸熱作用に悪影響を与えることも考えられるが、上記開口部24内に上記中間通路体29を設けることで該開口部24内に流入した冷却用空気Abはその流れ方向の中間部において該中間通路体29により整流作用を受け、その偏流が可及的に抑制される。この結果、冷却用素子2による吸着熱の放熱効率が向上し、延いては上記除湿素子Z11の除湿能力の更なる向上が図れることになる。
【0150】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第1及び第10の実施形態にかかる除湿素子Z1,Z10の場合と同様であるので、該第1及び第10の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0151】
XII:第12の実施形態
図24には、本願発明の第12の実施形態にかかる除湿素子Z12を示している。この除湿素子Z12は、本願請求項1,請求項2及び請求項4に係る発明が適用されたものであって、上記第11の実施形態にかかる除湿素子Z11が上記開口部24の通路方向の中間部にこれを横切るようにして上記中間通路体29を設け、上記開口部24内を流れる冷却用空気Abを該中間通路体29によってその流れ方向の途中で整流して該開口部24内での偏流を抑制するようにしていたのに対して、この実施形態の除湿素子Z12では上記開口部24内に該開口部24を左右方向に二分するようにして仕切壁30(特許請求の範囲の「偏流抑制手段X」に該当する)を設け、該開口部24内に流入する冷却用空気Abを左右方向に分流させて、該開口部24部分における冷却用空気Abによる吸着熱の放熱効率の向上を図り、延いては上記除湿素子Z12の除湿能力の更なる向上を図るものである。
【0152】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第1,第10及び第11の実施形態にかかる除湿素子Z1,Z10,Z11の場合と同様であるので、該第1,第10及び第11の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0153】
XIII:第13の実施形態
図25には、本願発明の第13の実施形態にかかる除湿素子Z13を示している。この除湿素子Z13は、本願請求項1,請求項2及び請求項4に係る発明が適用されたものであって、上記第11の実施形態にかかる除湿素子Z11と上記第12の実施形態にかかる除湿素子Z12とを組み合わせた構成をもつものである。
【0154】
即ち、上記第11の実施形態の除湿素子Z11では上記開口部24内に中間通路体29を設け、また上記第12の実施形態の除湿素子Z12では上記開口部24内に上記仕切壁30を設け、それぞれ開口部24内における冷却用空気Abの偏流を抑制するようにしていたのに対して、この実施形態の除湿素子Z13では、上記開口部24内に上記中間通路体29と上記仕切壁30とを同時に設けたものである。
【0155】
かかる構成の冷却用素子2を備えることで、上記開口部24内に流入する冷却用空気Abは該開口部24内において上記中間通路体29による整流作用と上記仕切壁30による分流作用とを受け、該開口部24内での偏流がより確実に抑制され、その結果、上記除湿素子Z13はより一層高水準の除湿能力を発揮することになる。
【0156】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第1,第10,第11及び第12の実施形態にかかる除湿素子Z1,Z10,Z11及びZ12の場合と同様であるので、該第1,第10,第11及び第12の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0157】
XIV:第14の実施形態
図26には、本願発明の第14の実施形態にかかる除湿素子Z14を示している。この除湿素子Z14は、本願請求項1,請求項2,請求項5及び請求項6に係る発明が適用されたものであって、上記第10の実施形態にかかる除湿素子Z10の発展例として位置付けられるものである。
【0158】
即ち、上記第1の実施形態にかかる除湿素子Z10においては、上記冷却用素子2の平面方向中央部に形成される上記開口部24をその外形に対応した矩形形状に形成していた(換言すれば、該開口部24の一端側に位置する上記入口部4a,4a,・・の長さが全て同一とされている)のに対して、この実施形態の除湿素子Z14では該開口部24の形状を矩形ではなく、上記入口部4a,4a,・・側の一辺が上記吸着用素子1の第1通風路3の通路方向の上流側から下流側に向けて外側へ偏位するように傾斜した略台形状に形成している。即ち、この開口部24の形状設定によって、該開口部24の一端側に位置する上記入口部4a,4a,・・の通路長さは、上記第1通風路3の上流側から下流側に近づくに伴って次第に減少するように設定されている(換言すれば、上記第1通風路3の下流端に近いものほど通路長さが短くなっている)。尚、この実施形態では、通路長さが異なる上記各入口部4a,4a,・・によって特許請求の範囲中の「流量調整手段Y」が構成される。
【0159】
このように上記入口部4a,4a,・・の通路長さが設定されると、該各入口部4a,4a,・・相互間においては、上記第1通風路3の下流端に近いものほどその通路抵抗が小さくなることから、上記各第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abの流量は、通路抵抗の小さいもの、即ち、上記第1通風路3の下流端に近いものほど多くなり、従って上記開口部24内における冷却用空気Abの流量分布も上記第1通風路3の下流端寄りほど多くなる。即ち、この実施形態の除湿素子Z14では、上記各入口部4a,4a,・・の通路長さを上記第1通風路3の通路方向において異ならせることで、敢えて上記開口部24内に冷却用空気Abの偏流を生じさせたものである。かかる冷却用空気Abの偏流によって以下のような効果が得られるものである。
【0160】
即ち、上記吸着用素子1側における吸着熱の温度分布をみると、この吸着熱は水分吸着作用の度合いに対応して、該吸着用素子1への被処理空気Aaの流入側である上記第1通風路3,3,・・の上流側において高く、下流側において低くなる。従って、該第1通風路3,3,・・に直交する方向に延びる上記冷却用素子2側の第2通風路4,4,・・から冷却用空気Abが均等に流入し、これが上記開口部24内を何ら規制作用を受けることなく自由に流れると、必然的に温度差の大きい部位、即ち、上記第1通風路3,3,・・の上流側に対応する部位において熱交換が集中的に行われ、下流側に対応する部位においては殆ど熱交換が行われず、この結果、該開口部24における有効熱交換領域が減少しそれだけ熱交換効率が低下する、即ち、吸着熱の放熱効率が低下することになる。
【0161】
かかる場合において、この実施形態の除湿素子Z14のように、上記入口部4a,4a,・・の通路長さを調節して上記吸着用素子1の第1通風路3,3,・・の下流端に近いものほど冷却用空気Abの流量が多くなるように設定すると、該開口部24の可及的全域において熱交換が行われ、該開口部24における有効熱交換領域が拡大し、それだけ熱交換効率が向上し、延いては吸着熱の放熱効率の向上によって上記除湿素子Z14の除湿能力の更なる向上が期待できるものである。
【0162】
尚、上記以外の構成及びそれに基づく作用効果は上記第1,第10の実施形態にかかる除湿素子Z1,Z10の場合と同様であるので、該第1及び第10の実施形態の該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0163】
XV:第15の実施形態
図27には、本願発明の第15の実施形態にかかる除湿素子Z15を示している。この除湿素子Z15は、本願請求項7,請求項8,請求項9及び請求項16に係る発明が適用されたものであって、上記各実施形態の除湿素子Z1〜除湿素子Z14と同様に、多数の第1通風路3,3,・・を備えた複数個の吸着用素子1,1,・・と、多数の第2通風路4,4,・・を備えた複数個の冷却用素子2,2,・・とを、該第1通風路3と第2通風路4とが平面視において相互に直交するように、90°の平面位相をもって順次交互に積層し且つこれらを一体化して構成されるものである。
【0164】
そして、この第15の実施形態にかかる除湿素子Z15における上記吸着用素子1は上記各実施形態におけるそれと同様構成であって、当該除湿素子Z15がその特徴とする点は、上記冷却用素子2の構成及びこの構成に基づく作用効果にある。従って、以下においては、この冷却用素子2の構成等についてのみ詳述し、上記吸着用素子1の構成及び該吸着用素子1と冷却用素子2とを組み合わせてなる除湿素子Z15の基本的な作用効果については上記各実施形態の該当説明を援用し、ここでの説明は省略する。
【0165】
上記冷却用素子2は、矩形の断面形状をもつ第2通風路4,4,・・を横方向に多数列設してなる厚板状の一体成形品でなる通路構成体25によって構成されている。そして、この実施形態においては、上記冷却用素子2の通風路方向に適宜離間した二位置に、例えば打ち抜き成形によって該冷却用素子2の表裏両面に亙って貫通する上流側開口部24Aと下流側開口部24Bとを形成している。この各開口部24A,24Bの形成によって、上記冷却用素子2は、通路方向最上流部2aに位置する上流側通路部2Aと中間部に位置する中間通路部2Bと最下流部2bに位置する下流側通路部2Cの通路方向に前後する三つの通路部をもつことになる。従って、上記第2通風路4,4,・・は、上記各開口部24A,24Bをそれぞれ挟んで対向する不連続な三つの流路、即ち、上記上流側通路部2Aに設けられた第1流路4A,4A,・・と上記中間通路部2Bに設けられた第2流路4B,4B,・・と上記下流側通路部2Cに設けられた第3流路4C,4C,・・を備えることになる。
【0166】
また、この実施形態のものにおいては、上記中間通路部2Bと下流側通路部2Cを、広狭二段の平面形状をもつように形成している。即ち、上記中間通路部2Bと下流側通路部2Cは、共に、その後端縁を通路方向に略直交する直線状とする一方、その前端縁はこれを直線状に延びる二段の階段形状としている。そして、この場合、この中間通路部2Bと下流側通路部2Cの幅寸法、即ち、通路方向寸法は、上記冷却用素子2を上記吸着用素子1と積層した状態において該吸着用素子1側の第1通風路3の上流側に対応する一側端2c寄りに位置する部位が大きく、該第1通風路3の下流側に対応する他側端2d寄りに位置する部位が小さくなるように設定している。
【0167】
従って、上記中間通路部2Bと下流側通路部2Cにおいては、それぞれその第2流路4B,4B,・・と第3流路4C,4C,・・の通路長さは、上記冷却用素子2の一側端2c寄りのものが長く、上記他側端2d寄りのものが短くなっている。かかる通路長さの相違に対応して、上記中間通路部2Bと下流側通路部2Cにおいては、冷却用空気Abに対する通路抵抗は、上記一側端2c寄りが大きく、他側端2d寄りが小さくなっている。
【0168】
以上のような構成をもつ上記冷却用素子2を上記吸着用素子1と組み合わせて上記除湿素子Z15を構成した場合における作用効果は次の通りである。尚、この除湿素子Z15においては、上記開口部24A,24Bはその両開口面がそれぞれこれに隣設する吸着用素子1によって閉塞されることで、それぞれ上流側空室部5A及び下流側空室部5Bとなり、上記上流側通路部2Aの第1流路4A,4A,・・と上記中間通路部2Bの第2流路4B,4B,・・はそれぞれ上記上流側空室部5Aに臨み、また上記中間通路部2Bの第2流路4B,4B,・・と上記下流側通路部2Cの第3流路4C,4C,・・はそれぞれ上記下流側空室部5Bに臨むことになる。
【0169】
この実施形態の除湿素子Z15においては、上記冷却用素子2の第2通風路4,4,・・にその第1流路4A,4A,・・側から冷却用空気Abが導入され、これが上記上流側空室部5A→上記第2流路4B,4B,・・→下流側空室部5B→上記第3流路4C,4C,・・と順次流れることで、該冷却用素子2の両面にそれぞれ隣設する上記吸着用素子1,1を冷却して該吸着用素子1から発生する吸着熱を放熱させる。
【0170】
この場合、この実施形態の上記冷却用素子2においては、上記各開口部24A,24Bが設けられていることで、例えば該各開口部24A,24Bを設けずに上記第2通風路4,4,・・を上記冷却用素子2の全長に跨がった一連の通路に形成する場合に比して、該各開口部24A,24Bの占有範囲だけ上記第2通風路4,4,・・の通路長さが短くなり、それだけ該第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abの圧力損失が低減される。この結果、この圧力損失の低下分だけ、上記冷却用素子2側を流れる冷却用空気Abの流量の増加が図れ、該冷却用空気Abによる吸着熱の放熱作用が促進され、除湿素子全体としての除湿能力が向上するものである。
【0171】
また、上記吸着用素子1の第1通風路3,3,・・内に被処理空気Aaが流れる場合、該吸着用素子1に担持された吸着剤による被処理空気Aaの水分の吸着除去作用は、上記第1通風路3,3,・・の上流側において集中的に行われ、従って該吸着用素子1の吸着熱も上記第1通風路3,3,・・の上流側に対応する部位が局部的に高くなる。このことは、上記冷却用素子2側からみれば、その全域のうち、上記吸着用素子1の第1通風路3,3,・・の上流側に対応する部分において集中的に熱交換が行われ、該冷却用素子2の全熱交換領域に占める有効熱交換領域の割合が少なくなり、結果として、その熱交換能力の低劣化に結び付くことになる。
【0172】
かかる場合において、この実施形態のように、上記中間通路部2Bの第1流路4A,4A,・・及び上記下流側通路部2Cの第3流路4C,4C,・・の通路長さを、該冷却用素子2の一側端2c寄り側が長く、他側端2d寄り側が短くなるように設定し、これら両部位間で通路抵抗に差を持たせると、冷却用空気Abは通路抵抗の少ない他側端2d側に偏って流れ、通路抵抗の大きい一側端2c側においてはその流量が減少する。この結果、上記吸着用素子1側においては、その第1通風路3,3,・・の上流側での集中的な除湿作用が上記冷却用素子2側の冷却用空気Abによる冷却作用の低下によって抑制され、除湿作用が該第1通風路3,3,・・の下流側まで拡大される。従って、上記冷却用素子2においては、その他側端2d側部位も上記吸着用素子1の冷却作用、即ち、吸着熱の放熱作用に有効に寄与することとなり、それだけ該冷却用素子2における有効熱交換領域が拡大され、除湿素子Z15全体としてより高い除湿能力を発揮することになる。
【0173】
さらに、上記冷却用素子2の第2通風路4,4,・・にその第1流路4A,4A,・・側から冷却用空気Abが導入される場合、上述のように、上記吸着用素子1側の吸着熱には上記第1通風路3の通路方向において温度勾配があることから、上記冷却用素子2の第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Ab相互間には温度差が生じる。ところが、この実施形態のものにおいては、上記第2通風路4,4,・・の通路途中に上記上流側空室部5A及び下流側空室部5Bを設けているので、上記第1流路4A,4A,・・の通過によって温度差を生じた冷却用空気Abは上記上流側空室部5Aに流入することで混合され略均等温度の冷却用空気Abとして上記第2流路4B,4B,・・側に流れ、また該第2流路4B,4B,・・側の通過によって温度差を生じた冷却用空気Abは上記下流側空室部5Bに流入することで混合され略均等温度の冷却用空気Abとして上記第3流路4C,4C,・・側に流れ、上記冷却用素子2全体としてみた場合、上記冷却用空気Abの流れ方向に直交する方向(即ち、上記吸着用素子1側の被処理空気Aaの流れ方向)における温度勾配が可及的に解消され、該冷却用素子2の全域が有効に熱交換作用を為すこととなり、延いては上記除湿素子Z15としての除湿能力の向上が期待できるものである。
【0174】
また一方、上記冷却用素子2に上記各空室部5A,5Bが設けられていることで、該各空室部5A,5B内を流れる冷却用空気Abは、直接上記吸着用素子1側に接触することとなり、例えば上記各空室部5A,5B(即ち、上記開口部24A,24B)が設けられず上記各第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abが常に上記吸着用素子1との間に通路壁を介在させた状態で接触するような構成の場合に比して、該吸着用素子1と冷却用素子2との間の伝熱効率が向上しそれだけ冷却用空気Abによる吸着熱の放熱作用が促進されることになる。
【0175】
尚、上記実施形態においては、上記冷却用素子2を通路構成体25で構成しているが、本願発明はかかる構成に限定されるものではなく、例えば、該冷却用素子2を上記各実施形態のように、これを片面段ボール状、波板状等に構成することもできるものであり、以下、各実施形態においても同様である。
【0176】
XVI:第16の実施形態
図28には、本願発明の第16の実施形態にかかる除湿素子Z16を示している。この除湿素子Z16は、本願請求項7,請求項8,請求項10及び請求項16に係る発明が適用されたものであって、上記第15の実施形態にかかる除湿素子Z15の変形例として位置付けられるものである。
【0177】
即ち、この実施形態の除湿素子Z16は、上記第15の実施形態にかかる除湿素子Z15と同様に、上記冷却用素子2の構成に特徴をもつものであって、これと異なる点は、該第15の実施形態の除湿素子Z15においては上記冷却用素子2に設けられる上記中間通路部2B及び下流側通路部2Cの上流端縁を二段の階段形状に設定していたのに対して、上記冷却用素子2の上記中間通路部2B及び下流側通路部2Cの上流端縁の略中央部を直線状に傾斜形成した点である。
【0178】
従って、この実施形態の冷却用素子2においては、上記中間通路部2Bの第1流路4A,4A,・・及び下流側通路部2Cの第3流路4C,4C,・・の通路抵抗が、上記冷却用素子2の一側端2c寄りの大通路抵抗から上記他側端2d寄りの小通路抵抗に滑らかに変化し、上記第15の実施形態の冷却用素子2のように通路抵抗が不連続に変化するということがなく、上記冷却用素子2の冷却性能という点において有利である。
【0179】
尚、この実施形態においては、上記冷却用素子2の上記中間通路部2B及び下流側通路部2Cの上流端縁の略中央部の所定範囲のみを直線状に傾斜させているが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば該上流端縁をその一端側から他端側までその全域に亙って直線状に傾斜させることもできるものである。
【0180】
また、上記以外の構成及び作用効果は上記第15の実施形態の場合と同様であるので、その該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0181】
XVII:第17の実施形態
図29には、本願発明の第17の実施形態にかかる除湿素子Z17を示している。この除湿素子Z17は、本願請求項7,請求項8,請求項11及び請求項16に係る発明が適用されたものであって、上記第16の実施形態にかかる除湿素子Z16の変形例として位置付けられるものである。
【0182】
即ち、この実施形態の除湿素子Z17は、上記第16の実施形態にかかる除湿素子Z16においては上記冷却用素子2に設けられる上記中間通路部2B及び下流側通路部2Cの上流端縁の略中央部を直線状に傾斜させていたのに対して、上記冷却用素子2の上記中間通路部2B及び下流側通路部2Cの上流端縁の略中央部を外側に突出する曲線形状に形成した点である。
【0183】
従って、この実施形態の冷却用素子2においても、上記第16の実施形態の冷却用素子2と同様に、上記中間通路部2Bの第1流路4A,4A,・・及び下流側通路部2Cの第3流路4C,4C,・・の通路抵抗が、上記冷却用素子2の一側端2c寄りの大通路抵抗から上記他側端2d寄りの小通路抵抗に滑らかに変化し、上記冷却用素子2の冷却性能という点において有利となるものである。
【0184】
尚、上記以外の構成及び作用効果は上記第15の実施形態の場合と同様であるので、その該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0185】
XVIII:第18の実施形態
図30には、本願発明の第18の実施形態にかかる除湿素子Z18を示している。この除湿素子Z18は、本願請求項7,請求項8,請求項11及び請求項16に係る発明が適用されたものであって、上記第17の実施形態にかかる除湿素子Z17と同様に、上記第16の実施形態にかかる除湿素子Z16の変形例として位置付けられるものである。
【0186】
即ち、この実施形態の除湿素子Z18は、上記第16の実施形態にかかる除湿素子Z16においては上記冷却用素子2に設けられる上記中間通路部2B及び下流側通路部2Cの上流端縁の略中央部を直線状に傾斜させていたのに対して、上記冷却用素子2の上記中間通路部2B及び下流側通路部2Cの上流端縁の略中央部を内側に突出する曲線形状に形成した点である。
【0187】
従って、この実施形態の冷却用素子2においても、上記第16の実施形態の冷却用素子2と同様に、上記中間通路部2Bの第1流路4A,4A,・・及び下流側通路部2Cの第3流路4C,4C,・・の通路抵抗が、上記冷却用素子2の一側端2c寄りの大通路抵抗から上記他側端2d寄りの小通路抵抗に滑らかに変化し、上記冷却用素子2の冷却性能という点において有利となるものである。
【0188】
尚、上記以外の構成及び作用効果は上記第15の実施形態の場合と同様であるので、その該当説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0189】
XIX:第19の実施形態
図31には、本願発明の第19の実施形態にかかる除湿素子Z19を示している。この除湿素子Z19は、本願請求項14及び請求項16に係る発明が適用されたものであって、上記第15〜第18の各実施形態の除湿素子Z15〜Z18と同様に、上記冷却用素子2の構成に特徴をもつものである。
【0190】
即ち、この実施形態の除湿素子Z19の冷却用素子2は、上記第2通風路4,4,・・の通路方向に前後二つの開口部24A,24Bを形成し、これによって上記第2通風路4,4,・・を、上流側通路部2Aに設けられた第1流路4A,4A,・・と中間通路部2Bに設けられた第2流路4B,4B,・・と下流側通路部2Cに設けられた第3流路4C,4C,・・とで構成したものであり、かかる構成は上記第15〜第18の各実施形態の除湿素子Z15〜Z18における冷却用素子2と同様であるが、この実施形態では上記中間通路部2Bを上記冷却用素子2の一側端2c側から他側端2d側まで略同一幅に形成する(即ち、上記第2流路4B,4B,・・の通路長さを略同一とする)とともに、該各第2流路4B,4B,・・の通路方向を、その下流側に向かうに従って上記冷却用素子2の他側端2d側へ接近するように傾斜させており、この点が上記第15〜第18の各実施形態の除湿素子Z15〜Z18と異なっている。
【0191】
尚、このように上記中間通路部2Bの第2流路4B,4B,・・の通路方向を傾斜させたことで、該中間通路部2Bはこれを上記上流側通路部2A及び下流側通路部2Cと一体的に形成すること(例えば、打ち抜きによって形成すること)はできず、従って、該中間通路部2Bは上記冷却用素子2を構成する上記通路構成体25とは別体に形成し、事後的にこれを通路構成体25に組付ることになる。
【0192】
このように、上記中間通路部2Bの第2流路4B,4B,・・の通路方向を上記冷却用素子2の他側端2d側(即ち、上記吸着用素子1の第1通風路3,3,・・の下流側)へ傾斜させたことで、冷却用空気Abが上記上流側空室部5Aから上記中間通路部2Bの第2流路4B,4B,・・を通って上記下流側空室部5B側へ流れる場合、該第2流路4B,4B,・・において強制的に上記他側端2d側へ偏流され、該他側端2d側の流量は一側端2c側の流量よりも多くなる。即ち、上記第15〜第18の各実施形態の冷却用素子2においては上記第2通風路4,4,・・の通路抵抗を異ならせることで冷却用空気Abの偏流を実現していたのに対して、この実施形態の冷却用素子2ではかかる冷却用空気Abの偏流を上記中間通路部2Bの第2流路4B,4B,・・の通路方向を傾斜させることで実現したものである。
【0193】
従って、上記冷却用素子2を備えたこの実施形態の除湿素子Z19においても、上記第15〜第18の実施形態の除湿素子Z15〜Z18と同様の作用効果が得られるものである。
【0194】
XX:第20の実施形態
図32には、本願発明の第20の実施形態にかかる除湿素子Z20を示している。この除湿素子Z20は、本願請求項7,請求項12及び請求項16に係る発明が適用されたものであって、上記第19の実施形態にかかる除湿素子Z19の変形例である。
【0195】
即ち、上記第19の実施形態にかかる除湿素子Z19においては、その冷却用素子2の中間通路部2Bに設けられる第2流路4B,4B,・・の通路断面積を同一とし、且つ該第2流路4B,4B,・・の通路方向を上記冷却用素子2の他側端2d側へ傾斜設定することで冷却用空気Abの偏流を実現するようにしていたのに対して、この実施形態の除湿素子Z20においては、上記冷却用素子2の中間通路部2Bの第2流路4B,4B,・・の通路断面積を、上記冷却用素子2の一側端2c側から他側端2d側に向けて次第に増大させることで該第2流路4B,4B,・・相互間の通路抵抗に差をもたせ、これによって冷却用空気Abの偏流を実現するようにしたものである。
【0196】
尚、この冷却用素子2においては、上記中間通路部2Bの第2流路4B,4B,・・の通路断面積を変化させたことで、該中間通路部2Bはこれを上記上流側通路部2A及び下流側通路部2Cと一体的に形成すること(例えば、打ち抜きによって形成すること)はできず、従って、該中間通路部2Bは上記冷却用素子2を構成する上記通路構成体25とは別体に形成し、事後的にこれを通路構成体25に組付ることになる。
【0197】
この実施形態の除湿素子Z20においても、上記第15〜第18の実施形態の除湿素子Z15〜Z18と同様の作用効果が得られるものである。
【0198】
XXI:第21の実施形態
図33には、本願発明の第21の実施形態にかかる除湿素子Z21を示している。この除湿素子Z21は、本願請求項7,請求項8,請求項9,請求項15及び請求項16に係る発明が適用されたものであって、上記第15の実施形態にかかる除湿素子Z15における冷却用素子2の構成と上記第19の実施形態にかかる除湿素子Z19における冷却用素子2の構成とを組み合わせた構成をもち、これら両者の特徴を併せ持つものである。
【0199】
即ち、この実施形態の冷却用素子2においては、上記中間通路部2Bと下流側通路部2Cの平面形状を二段の階段形状にしてその第2流路4B,4B,・・及び第3流路4C,4C,・・の通路長さを、上記冷却用素子2の一側端2c寄り側で長く、他側端2d寄り側で短くなるように設定するとともに、さらにこの第2流路4B,4B,・・及び第3流路4C,4C,・・の通路方向を通路下流側に向かって次第に上記他側端2d側に接近するように傾斜させたものである。
【0200】
かかる構成の冷却用素子2を備えることで、該冷却用素子2の第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abは、上記第2流路4B,4B,・・及び第3流路4C,4C,・・の通路方向を傾斜させたことによる強制的な偏流作用と、上記第2流路4B,4B,・・及び第3流路4C,4C,・・とにおいてその通路長さを異ならせて通路抵抗を変化させたことによる偏流作用とを、上記中間通路部2B側と上記下流側通路部2C側の双方において二段階に受けることから、該冷却用空気Abを上記冷却用素子2の他側端2d側へ偏流させることによる有効熱交換領域の拡大効果がより一層確実となり、上記除湿素子Z21全体としてより高い除湿能力を発揮することになる。
【0201】
上記以外の構成及び作用効果は上記第15の実施形態にかかる除湿素子Z15の場合と同様であるので、当該説明を援用することでここでの説明を省略する。
【0202】
XXII:第22の実施形態
図34には、本願発明の第22の実施形態にかかる除湿素子Z22を示している。この除湿素子Z22は、本願請求項7,請求項8,請求項9,請求項13及び請求項16に係る発明が適用されたものであって、上記第15の実施形態にかかる除湿素子Z15における冷却用素子2の構成と上記第20の実施形態にかかる除湿素子Z20における冷却用素子2の構成とを組み合わせた構成をもち、これら両者の特徴を併せ持つものである。
【0203】
即ち、この実施形態の冷却用素子2においては、上記中間通路部2Bと下流側通路部2Cの平面形状を二段の階段形状にしてその第2流路4B,4B,・・及び第3流路4C,4C,・・の通路長さを、上記冷却用素子2の一側端2c寄り側で長く、他側端2d寄り側で短くなるように設定するとともに、さらにこの第2流路4B,4B,・・及び第3流路4C,4C,・・の通路断面積を、上記冷却用素子2の一側端2c寄り側で小さく、他側端2d寄り側で大きくなるように設定したものである。
【0204】
かかる構成の冷却用素子2を備えることで、該冷却用素子2の第2通風路4,4,・・を流れる冷却用空気Abは、上記第2流路4B,4B,・・及び第3流路4C,4C,・・とにおいてその通路長さを異ならせて通路抵抗を変化させたことによる偏流作用と、上記第2流路4B,4B,・・及び第3流路4C,4C,・・の通路断面積を異ならせて通路抵抗を変化させたことによる偏流作用とを、上記中間通路部2B側と上記下流側通路部2C側の双方において二段階に受けることから、該冷却用空気Abを上記冷却用素子2の他側端2d側へ偏流させることによる有効熱交換領域の拡大効果がより一層確実となり、上記除湿素子Z22全体としてより高い除湿能力を発揮することになる。
【0205】
上記以外の構成及び作用効果は上記第15の実施形態にかかる除湿素子Z15の場合と同様であるので、当該説明を援用することでここでの説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図2】 図1に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図3】 図1に示した除湿素子の外観斜視図である。
【図4】 本願発明の第2の実施形態にかかる除湿素子の要部分解斜視図である。
【図5】 図4に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図6】 本願発明の第3の実施形態にかかる除湿素子の要部分解斜視図である。
【図7】 本願発明の第4の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図8】 図7に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図9】 図7に示した除湿素子の外観斜視図である。
【図10】 本願発明の第5の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図11】 図10に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図12】 本願発明の第6の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図13】 図12に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図14】 本願発明の第7の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図15】 図14に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図16】 本願発明の第8の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図17】 図16に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図18】 図16に示した除湿素子の外観斜視図である。
【図19】 本願発明の第9の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図20】 図19に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図21】 本願発明の第10の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図22】 図21に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【図23】 本願発明の第11の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図24】 本願発明の第12の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図25】 本願発明の第13の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図26】 本願発明の第14の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図27】 本願発明の第15の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図28】 本願発明の第16の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図29】 本願発明の第17の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図30】 本願発明の第18の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図31】 本願発明の第19の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図32】 本願発明の第20の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図33】 本願発明の第21の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図34】 本願発明の第22の実施形態にかかる除湿素子の分解斜視図である。
【図35】 従来の除湿素子の要部分解斜視図である。
【図36】 図35に示した除湿素子の要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1は吸着用素子、2は冷却用素子、2A〜2Cは通路部、3は第1通風路、4は第2通風路、4A〜4Cは流路、5,5A及び5Bは空室部、9は端板、10は枠材、11は通風路形成材、12は平板材、14は分離シート層、16は平板材、18は吸着剤層、21は通風路形成材、22は平板材、23は隔壁材、24,24A及び24Bは開口部、25は通路構成体、29は中間通路体、30は仕切壁、Aaは被処理空気、Abは冷却用空気、Xは空気流調整手段、Yは流量調整手段、Z1〜Z14は除湿素子である。

Claims (16)

  1. 吸着剤が担持され且つ被処理空気(Aa)が流通する平行に延びる複数の第1通風路(3),(3),・・を備えた吸着用素子(1)と、冷却用空気(Ab)が流通する平行に延びる複数の第2通風路(4),(4),・・が形成された冷却用素子(2)とを交互に積層して構成される除湿素子であって、
    上記冷却用素子(2)がその平面方向中央部に矩形の開口部(24)を形成し、該開口部(24)によって上記各第2通風路(4),(4),・・がそれぞれその通路方向一端側に位置する入口部(4a)と他端側に位置する出口部(4b)とに分断されていることを特徴とする除湿素子。
  2. 請求項1において、
    上記冷却用素子(2)の上記各第2通風路(4),(4),・・が略矩形の断面形状を備えていることを特徴とする除湿素子。
  3. 請求項1において、
    上記冷却用素子(2)の上記各第2通風路(4),(4),・・が略三角形の断面形状を備えていることを特徴とする除湿素子。
  4. 請求項1,2又は3において、
    上記冷却用素子(2)の上記開口部(24)内に、該開口部(24)内における冷却用空気(Ab)の偏流を抑制する空気流調整手段(X)が設けられていることを特徴とする除湿素子。
  5. 請求項1,2又は3において、
    上記冷却用素子(2)の上記各第2通風路(4),(4),・・の入口部(4a)側に、該入口部(4a)を通って上記開口部(24)内に流入する冷却用空気(Ab)の流量を、上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の下流側に近いものほど多くなるように調整する流量調整手段(Y)が設けられていることを特徴とする除湿素子。
  6. 請求項5において、
    上記流量調整手段(Y)が、上記各第2通風路(4),(4),・・の各入口部(4a),(4a),・・の通路長さが上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の下流端に近いものほど短くなるように設定した構成であることを特徴とする除湿素子。
  7. 吸着剤が担持され且つ被処理空気(Aa)が流通する平行に延びる複数の第1通風路(3),(3),・・を備えた吸着用素子(1)と、冷却用空気(Ab)が流通する平行に延びる複数の第2通風路(4),(4),・・が形成された冷却用素子(2)とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層して構成される除湿素子であって、
    上記冷却用素子(2)が、上記第2通風路(4),(4),・・をその通路方向においてこれを分断するように該第2通風路(4),(4),・・に臨む開口部(24A,24B)を備えるとともに、上記開口部(24A,24B)の下流側における上記第2通風路(4),(4),・・の通路抵抗を、上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の上流側に対応する部位(2c)寄りの方が、下流側に対応する部位(2d)寄りよりも大きくなるように設定したことを特徴とする除湿素子。
  8. 請求項7において、
    上記開口部(24A,24B)の下流側における上記第2通風路(4),(4),・・の通路長さを、上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の上流側に対応する部位(2c)寄りの方が、下流側に対応する部位(2d)寄りよりも長くなるように設定したことを特徴とする除湿素子。
  9. 請求項8において、
    上記第2通風路(4),(4),・・の通路長さが、上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の上流側に対応する部位(2c)寄り側から下流側に対応する部位(2d)寄り側にかけて段階的に減少するように設定したことを特徴とする除湿素子。
  10. 請求項9において、
    上記第2通風路(4),(4),・・の通路長さが、上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の上流側に対応する部位(2c)寄り側から下流側に対応する部位(2d)寄り側にかけて直線的に減少するように設定したことを特徴とする除湿素子。
  11. 請求項8において、
    上記第2通風路(4),(4),・・の通路長さが、上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の上流側に対応する部位(2c)寄り側から下流側に対応する部位(2d)寄り側にかけて曲線的に減少するように設定したことを特徴とする除湿素子。
  12. 請求項7において、
    上記開口部(24A,24B)の下流側における上記第2通風路(4),(4),・・の通路断面積を、上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の上流側に対応する部位(2c)寄りの方が、下流側に対応する部位(2d)寄りよりも小さくなるように設定したことを特徴とする除湿素子。
  13. 請求項8,9,10又は11において、
    上記開口部(24A,24B)の下流側における上記第2通風路(4),(4),・・の通路断面積を、上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の上流側に対応する部位(2c)寄りの方が、下流側に対応する部位(2d)寄りよりも小さくなるように設定したことを特徴とする除湿素子。
  14. 吸着剤が担持され且つ被処理空気(Aa)が流通する平行に延びる複数の第1通風路(3),(3),・・を備えた吸着用素子(1)と、冷却用空気(Ab)が流通する平行に延びる複数の第2通風路(4),(4),・・が形成された冷却用素子(2)とを、90°の平面位相をもって順次交互に積層して構成される除湿素子であって、
    上記冷却用素子(2)が、上記第2通風路(4),(4),・・をその通路方向においてこれを分断するように該第2通風路(4),(4),・・に臨む開口部(24A,24B)を備えるとともに、上記開口部(24A,24B)の下流側における上記第2通風路(4),(4),・・の平面視における通路方向を、下流側に向かうに伴って上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の下流側に対応する部位(2d)側へ接近するように傾斜させたことを特徴とする除湿素子。
  15. 請求項7,8,9,10,11,12又は13において、
    上記開口部(24A,24B)の下流側における上記第2通風路(4),(4),・・の平面視における通路方向を、下流側に向かうに伴って上記吸着用素子(1)の上記第1通風路(3)の下流側に対応する部位(2d)側へ接近するように傾斜させたことを特徴とする除湿素子。
  16. 請求項7,8,9,10,11,12又は13において、
    上記開口部(24A,24B)とその下流側の上記第2通風路(4),(4),・・とが、上記冷却用素子(2)における冷却用空気(Ab)の流れ方向に前後して複数組設けられていることを特徴とする除湿素子。
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