JP3861010B2 - 走行支援情報センタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行経路を走行する車両に対して、走行に有用な走行支援情報を提供する走行支援情報センタに関する。
【0002】
【従来の技術】
道路上を車両で荷物を運送する物流業者等では、事務所を出発してから集荷や配達を行う各地点を巡る走行スケジュールを作成することが行われている。この走行スケジュールは、配車計画に利用されると共に、各車両の乗務員に出発に際して走行支援情報として提供することができる。
【0003】
この走行スケジュールは、各地点間での移動所要時間(旅行時間)について蓄積された過去の実績データに基づいて作成される。旅行時間の過去の実績データは、例えば、その走行経路を実際に走行した車両から収集され、収集された旅行時間はその収集時の曜日、走行時間帯、天候等に基づいて走行経路ごとに分類されデータベース化される。そして、走行スケジュールを作成する走行条件に応じた実績データがデータベースから読み出され、当該走行スケジュールが作成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は、同一走行経路を同一走行条件下で走行すれば、同一或いは同程度の旅行時間となるということを前提としたものである。しかし、考慮される走行条件には限りがあり、走行スケジュールとして与えられた旅行時間と、実際の旅行時間との間に比較的大きな誤差が生じ得るという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、より精度が高く、車両の走行に有用な走行支援情報を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明は走行支援情報センタを設け、その走行支援情報センタは、過去の車両の走行によって得られた複数の過去走行実績情報を記憶した記憶部と、現走行車両の走行済み経路にて収集され、該現走行車両から送信される現走行実績情報を受信する受信部と、前記複数の過去走行実績情報のうち、前記走行済み経路に関する部分が前記現走行実績情報に適合するものを選択する過去情報選択手段と、前記選択される過去走行実績情報に基づいて前記走行済み経路以降の走行に有用な走行支援情報を生成する支援情報生成手段と、前記走行支援情報を前記現走行車両へ送信する送信部とを含む。
【0007】
上記構成によれば、走行支援情報センタは、走行支援情報の提供対象である現走行車両の実際の走行から現走行実績情報を得る。そして、走行済み経路において収集された現走行実績情報に適合する過去走行実績情報に基づいて形成された走行支援情報が、車両側に提供される。これにより、走行支援情報センタは、現走行車両の現走行実績情報に応じて走行支援情報を随時更新して、その更新された情報を車両へ提供することができる。ここで、記憶部は、過去走行実績情報を例えば、走行経路ごとに保持する。また記憶部は、過去走行実績情報を、走行経路上での位置の関数として保持してもよいし、走行経路を構成する所定区間ごとの情報をテーブルの形式で保持することもできる。過去情報選択手段は、所定の適合条件に基づいて、単一又は複数の過去走行実績情報を選択する。
【0008】
他の本発明に係る走行支援情報センタは、過去の車両の走行によって得られ、走行経路を構成する複数の区間ごとに分類条件に応じて分類された複数の過去走行実績情報を記憶する記憶部と、現走行車両の走行済み区間にて収集され、該現走行車両から送信される現走行実績情報を受信する受信部と、前記走行済み区間と同一の区間に関する前記過去走行実績情報のうち、前記現走行実績情報に適合するものを選択する過去情報選択手段と、前記走行済み区間以降の区間に関する前記過去走行実績情報のうち、前記選択された過去走行実績情報と同一の前記分類条件に対応するものに基づいて、前記走行済み区間以降の走行に有用な走行支援情報を生成する支援情報生成手段と、前記走行支援情報を前記現走行車両へ送信する送信部とを含む。
【0009】
上記構成によれば、記憶部は、区間ごとに過去走行実績情報を記憶し、またこの過去走行実績情報を分類条件に応じて分類して記憶している。走行支援情報センタは、現走行車両が区間を実際に走行して得た現走行実績情報を取得する。そして、走行済み区間と同一の区間に関し、現走行実績情報に適合する過去走行実績情報が一つ又は複数、選択される。そして、走行済み区間以降の過去走行実績情報のうち、過去情報選択手段により選択された過去走行実績情報と同一の分類条件を有するものに基づいて生成された走行支援情報が現走行車両へ提供される。
【0010】
本発明の好適な態様は、前記走行支援情報が、前記走行済み区間以降の走行経路上に設定される所定地点までの走行所要時間を含む走行支援情報センタである。
【0011】
また本発明の他の好適な態様は、前記支援情報生成手段が、前記過去情報選択手段が複数の過去走行実績情報を選択した場合、選択された過去走行実績情報ごとに得られる前記走行所要時間のうち、最短のものに対応した前記走行支援情報を提供する走行支援情報センタである。
【0012】
また本発明の別の好適な態様は、前記現走行実績情報に基づいて過去走行実績情報を生成する過去情報生成手段を含み、前記記憶部が、前記生成された過去走行実績情報を記憶する走行支援情報センタである。
【0013】
上記構成によれば、現走行車両から送信された現走行実績情報に基づいて新しく過去走行実績情報が生成される。これにより、現走行車両以降に当該区間を走行する車両に対する走行支援情報の精度が一層向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の走行支援情報センタ10を含む、現走行車両の走行に有用な走行支援情報を提供する走行支援システムの概略的な全体構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、物流業者の事務所から目的地まで走行する現走行車両としての物流車両(以下、単に車両と称する)が、この走行支援システムを利用する場合を例にとり説明する。
【0015】
走行支援情報センタ10は車両に走行支援情報を提供する。走行支援情報センタ10は、例えば当該事務所とは別の施設として設けることができる。走行支援情報には、走行開始に先立って生成される初期走行支援情報と、走行開始後に生成される更新走行支援情報がある。初期走行支援情報は、例えば、車両が事務所から目的地までの最適な走行経路や、この走行経路を使って目的地に到着するまでの総旅行時間を含み、更新走行支援情報は、例えば、現在走行中の地点からの最適な残りの走行経路(残り経路)や、残り経路によって目的地に到着するまでの残り旅行時間を含む。
【0016】
出発情報入力装置14は例えば事務所に配設され、初期走行支援情報の生成に必要な出発情報の入力等を行うことができる。なお、出発情報としては、目的地、出発予定日時等の走行条件があげられる。出発情報入力装置14は、操作者に対する入出力手段であるマンマシンインターフェイス部(以下、MMI部と記す)16を有する。操作者は、車両の走行開始に先立ってMMI部16に備わるキーボード等から上記出発情報を入力する。なお、MMI部16にモニタを備え、このモニタに地図データ記憶部20内に記憶されている地図情報を表示して、操作者による目的地入力等の作業を容易とすることができる。入力された出発情報はメモリ22に格納され、通信部24により走行支援情報センタ10へ送信される。なお、出発情報入力装置14を、走行支援情報センタ10から走行支援情報を受信し、MMI部16のモニタに表示するように構成することができる。これにより、例えば、事務所側でも目的地までの最適な走行経路や総旅行時間などが把握できる。
【0017】
車載器12は、車両に搭載される装置であり、車両の走行に伴う現走行実績情報を取得して、走行支援情報センタ10へ送信する。現走行実績情報は、車両の位置とその位置を通過した時刻等からなる。この現走行実績情報を取得するために、車載器12はGPS等を利用した位置計測部30を含む。位置計測部30は、走行開始後において、例えば10秒などの所定の時間間隔ごとに車両の位置を計測する。車載器12にて取得された現走行実績情報は、通信部28を介して走行支援情報センタ10へ送信される。
【0018】
また、車載器12は、走行支援情報センタ10から走行支援情報を受信して乗務員に提示する。通信部28にて受信された走行支援情報センタ10からの走行支援情報はメモリ32に格納され、MMI部26のモニタに表示される。例えば、地図データ記憶部34に格納されている地図情報を用いてモニタに地図を表示し、この地図上に、走行支援情報として提供された走行経路を表示することができる。
【0019】
次に、図2を用いて走行支援情報センタ10の構成について説明する。走行支援情報センタ10は、支援情報算出ユニット36、通信部38、地図データ記憶部40及び過去データ蓄積部42を含んで構成される。通信部38は、出発情報入力装置14からの出発情報や、車載器12からの現走行実績情報を受信し、これを支援情報算出ユニット36へ出力する。また、通信部38は、支援情報算出ユニット36から出力される初期走行支援情報や更新走行支援情報を車載器12及び、場合によっては出発情報入力装置14へ送信する。
【0020】
地図データ記憶部40は、車両が走行するエリア内の道路等のデータを格納する。例えば、本システムでは、エリア内の道路は、リンクと呼ばれる複数の区間に細分化して取り扱われる。例えば、車両に提供される走行経路は図3に示すように、L1〜L11で表記される複数のリンク44を組み合わせて構成させる。そのため、地図データ記憶部40においても、車両が走行し得る地域内の経路がリンク単位で記憶される。ちなみに、リンク44は、交差点や信号機の間隔と定義することができる他、例えば20mなどの一定距離ごとに道路を区分したものとすることもできる。
【0021】
過去データ蓄積部42は、地図データ記憶部40に記憶されているリンク44を車両が過去に走行して収集された情報(過去走行実績情報)を蓄積し保持している。例えば、過去走行実績情報は、過去の走行において、各リンク44を通過するのに要した時間(過去リンク旅行時間)である。過去データ蓄積部42は、この過去リンク旅行時間を各リンク44ごとに、後述する走行条件に応じて分類して記憶している。過去データ蓄積部42は、例えば、図4に示すルックアップテーブル(以下、テーブルと称する)の形式で、過去リンク旅行時間を分類して記憶する。なお、図4に示すテーブルは特定のリンク44(Ln)に関するものであり、同様な形式のテーブルが各リンク44ごとに用意される。
【0022】
図4(A)に示されるように、Lnのリンク44における過去リンク旅行時間は、平日、休日及び、特殊事情を有する特別日の別、天候、並びに出発時刻といった複数の走行条件の組み合わせに応じて分類されている。以下、この走行条件の組み合わせを条件パターンと称する。
【0023】
ちなみに、走行条件として出発時間が含まれている図4(A)のテーブルは、例えば、有料道路等を利用する場合等、車両の走行経路が予め決定している場合などでの利用に適している。予め決定している走行経路を走行する場合、各リンク44の並び順が固定され、この並び順通りに走行していくことになるので、各リンク44の過去リンク旅行時間を出発時間を基準として分類することができるからである。
【0024】
一方、図4(B)に示すテーブルは、一般的に走行経路が予め決定していない場合にて利用されるものであり、各リンク44が他のいずれのリンク44と組み合わされても対応でき、またいずれの並び順に当たっても対応できるように、大まかな時間の幅を有する走行時間帯が走行条件として採用されている。
【0025】
図4のテーブルは説明のため簡潔化されているが、実際には、走行条件としてさらに日付及び曜日が設定される。また、複数の走行条件の組み合わせである条件パターンに代えて、単一の走行条件のみで過去リンク旅行時間を分類してもよい。
【0026】
本システムでは、過去データ蓄積部42は、同一のリンク44に関して、過去に同一の条件パターンにて収集された過去リンク旅行時間が複数存在する場合、これら複数の過去リンク旅行時間を個別に蓄積する。しかし、例えば、同一の条件パターンに対応する複数の過去リンク旅行時間に平均等の統計処理を行い平滑化したものを保持するように構成することもできる。
【0027】
次に、図2に戻り、支援情報算出ユニット36について説明する。支援情報算出ユニット36は、リンク抽出部48、走行条件提供部50、過去データ抽出52、過去データ平滑部54及び支援情報決定部56を含み、さらにリンク旅行時間算出部58及び旅行時間比較部60を含む。先ず、これらの構成のうち、上述の初期走行支援情報の生成に関わるものについて説明する。
【0028】
リンク抽出部48には、通信部38にて受信された出発情報が入力される。リンク抽出部48は、その出発情報に含まれている目的地64(図3参照)の情報を利用し、事務所62から目的地64までの走行経路を構成し得る複数のリンク44を地図データ記憶部40から抽出する。また、リンク抽出部48は、これらの複数のリンク44に関する情報を過去データ抽出部52へ出力する。
【0029】
走行条件提供部50は、出発情報を入力され、出発情報に含まれる出発予定日時等の走行条件を過去データ抽出部52へ出力する。また、出発予定の日付に対応する曜日を求めて、これを走行条件として過去データ抽出部52へ出力する。さらに、走行条件提供部50は、車両が走行するエリアの天候情報を気象関連施設等(図示せず)から入手して走行条件として過去データ抽出部52へ出力する。
【0030】
過去データ抽出部52は、リンク抽出部48で抽出されたリンク44における過去リンク旅行時間を過去データ蓄積部42から抽出する。このとき、過去データ抽出部52は、走行条件提供部50から入力された日付、曜日、出発予定時刻、天候等からなる条件パターンと同一の条件パターンに対応する過去リンク旅行時間を抽出する。なお、過去データ蓄積部42から取り出された過去リンク旅行時間は、過去データ平滑部54を介して過去データ抽出部52に入力される。ちなみに、過去データ平滑部54は、同一リンクにおいて同一条件パターンを満たす過去リンク旅行時間が複数存在する場合に、それら複数の過去リンク旅行時間に対して平均処理等の統計処理を行って平滑化し、単一の過去リンク旅行時間を生成する。
【0031】
また、過去データ抽出部52は、入力された複数のリンク44の情報から、当該複数のリンク44を組み合わせて事務所から目的地までの走行経路を構築する。過去データ抽出部52は、走行経路を構成するリンク44の組み合わせ(以下、リンクパターンと称する)に関する情報と、リンクパターンを構成する複数のリンク44それぞれにおける過去リンク旅行時間とを支援情報決定部56へ出力する。
【0032】
支援情報決定部56は、条件パターン選択部66及び支援情報生成部68を含んでいる。初期走行支援情報の生成時には、主として支援情報生成部68が機能する。支援情報生成部68は、過去データ抽出部52から入力されたリンクパターンに関する情報を利用し、そのリンクパターンを構成するリンク44の過去リンク旅行時間を足し合わせて、総旅行時間を算出する。支援情報生成部68は、総旅行時間及びそのリンクパターンによる走行経路を初期走行支援情報として、通信部38へ出力する。これにより、車載器12に初期走行支援情報が提供される。
【0033】
なお、走行経路が予め決定されていない場合には、過去データ抽出部52において、複数の走行経路、すなわち複数のリンクパターンが生成され得る。その場合には、支援情報生成部68は例えば、複数のリンクパターンそれぞれに対応する走行経路と、それらの総旅行時間とを初期走行支援情報の候補として生成する。そして、それら候補のうち、最短の総旅行時間が得られるものを初期走行支援情報として選択して通信部38へ出力することができる。なお、それら候補の全部又はいくつかを初期走行支援情報として車載器12に提供してもよい。
【0034】
ちなみに、支援情報決定部56は、初期走行支援情報として提供される走行経路の最初の数リンクにおける過去リンク旅行時間を旅行時間比較部60へ出力する。ここで、旅行時間比較部60に出力されるリンク数は、予め定められた数量であり、以下、これを比較リンク数と称する。
【0035】
次に、支援情報算出ユニット36の中で、走行開始後に車両に提供される更新走行支援情報の生成に関わる部分について説明する。例えば、支援情報算出ユニット36は、走行中の途中地点から目的地までの残り旅行時間が最短となり得る残り経路を探索し、更新走行支援情報として残り経路と残り旅行時間とを車両70へ提供する。以下、現在走行中の走行経路を構成するリンクの組み合わせを走行下リンクパターンと称する。また、これから車両70に走行支援情報として提供される残り経路の候補(候補経路)を構成するリンクの組み合わせを未走行リンクパターンと称する。
【0036】
更新走行支援情報の生成時には、初期走行支援情報の生成時に用いられる構成要素に加えて、さらにリンク旅行時間算出部58、旅行時間比較部60及び条件パターン選択部66が用いられる。
【0037】
リンク旅行時間算出部58は、車載器12から送信されてくる現走行実績情報に基づいて車両70の位置を把握する。車両70の車載器12は走行開始後、例えば10秒間隔といった短周期で現走行実績情報を収集するように構成され、これにより、リンク旅行時間算出部58にて、各リンク44ごとに少なくとも1回、現走行実績情報が取得されるようにすることができる。尚、数測位データをまとめて送信することもある。リンク旅行時間算出部58は、図5に示されるように、現走行実績情報から得られる一定時間間隔ごとの車両位置を用い、走行下リンクパターンの走行済みの各リンク44を車両が通過するのに要した時間(現リンク旅行時間)trを算出する。例えば、現走行実績情報から得られる車両位置及び通過時刻を補間してリンク44の両端での通過時刻を求め、それら両端での時刻差から現リンク旅行時間trが算出される。リンク旅行時間算出部58は、リンク44が走行済みとなるとそのリンク44について現リンク旅行時間trを求め、旅行時間比較部60へ出力する。なお、補間処理等に必要となる経路情報には、地図データ記憶部40に記憶されている地図情報を必要に応じて利用することができる。
【0038】
旅行時間比較部60は、比較リンク数分のリンクを単位として、車両70の実際の走行と走行支援情報として提供された過去実績との比較を行い、適合度を表す比較評価値を生成する。例えば、旅行時間比較部60は、初期走行支援情報として提供された最初の比較リンク数分のリンクが走行済みとなると、その最初の比較リンク数分のリンクを比較対象区間として、その比較対象区間に対応する現リンク旅行時間と過去リンク旅行時間とを比較し、比較評価値を算出する。以降、車両が新たな比較対象区間を通過するごとに、旅行時間比較部60は、当該比較対象区間に対応する現リンク旅行時間と過去リンク旅行時間とを比較する。また、旅行時間比較部60は、最新の比較対象とされた比較対象区間を特定する情報をリンク抽出部48へ出力する。
【0039】
リンク抽出部48は、旅行時間比較部60からの情報に基づいて最新の比較対象区間を特定し、これに接続し目的地まで達する経路を構成し得るリンク44を地図データ記憶部40から抽出する。この抽出された経路が候補経路、すなわち、これから車両70に走行支援情報として提供される残り経路の候補である。リンク抽出部48は、候補経路を構成し得るリンク44の情報を過去データ抽出部52へ出力する。
【0040】
過去データ抽出部52は、走行経路の走行済みの部分(走行済み経路)の比較対象区間を構成する複数リンク(すなわち走行下リンクパターンを構成するリンクのうち走行済みとなった直近の比較リンク数分のリンク44)それぞれに対応する過去リンク旅行時間を過去データ蓄積部42から抽出する。ここで、条件パターンが、走行済み経路の比較対象区間に属する複数リンクについて互いに同一となるように抽出が行われる。
【0041】
また、過去データ抽出部52は、候補経路の比較対象区間を構成する複数リンク44それぞれに対応する過去リンク旅行時間を過去データ蓄積部42から抽出する。このときも、条件パターンが、経路候補の比較対象区間に属する複数リンクについて互いに同一となるように抽出が行われる。
【0042】
抽出された過去リンク旅行時間は、支援情報決定部56へ出力される。また未走行リンクパターンを表す情報が、それに対応して抽出された過去リンク旅行時間とともに支援情報決定部56へ出力される。なお、これら走行下リンクパターン及び未走行リンクパターンにおける過去リンク旅行時間の抽出の際、上述と同様に、過去データ平滑部54によって平滑化処理がなされる。
【0043】
支援情報決定部56における更新走行支援情報の生成に先立って、旅行時間比較部60は、走行下リンクパターンでの走行で実際に収集された現リンク旅行時間trと、現在車両に提供されている走行支援情報の生成に利用された走行下リンクパターンにおける過去リンク旅行時間とを比較する。なお、当該過去リンク旅行時間は、上述のように、すでに旅行時間比較部60に格納されている。
【0044】
条件パターン選択部66は、旅行時間比較部60にて生成された比較評価値に基づいて、走行下リンクパターンでの走行で実際に収集された現リンク旅行時間trと、現在車両に提供されている走行支援情報の生成に利用された走行下リンクパターンにおける過去リンク旅行時間とが互いに適合するか、すなわち一致又は互いに近い値であるか否かを判定する。ちなみに、ここで比較される過去リンク旅行時間及び現リンク旅行時間は、当該走行下リンクパターンにおける同一条件パターンの予測値及びそれに対する実測値の関係にあり、この適合判定により、実測値に対する予測値の整合性、或いは、予測値の生成時に採用された条件パターンの適合性が判断される。条件パターン選択部66が現在の条件パターンが適合していると判定した場合には、支援情報生成部68は現在の条件パターン、すなわち現割当条件パターンにおける未走行リンクパターンから成る残り経路を生成し、また当該未走行リンクパターンを成す各リンク44の過去リンク旅行時間を足し合わせて残り旅行時間を求め、これら残り経路と残り旅行時間を更新走行支援情報として通信部38に出力する。なお、このとき生成された更新走行支援情報は、現在車両70に提供されている走行支援情報と一致するため、例えば、残り経路の代わりに、当該残り経路が現在提供されている走行経路の未走行部分と同一である旨を報知するための情報を生成し、通信部38に出力してもよい。
【0045】
一方、比較評価値に基づく判定結果が不適合であった場合は、予測値の生成に当たって採用された条件パターンが現在の走行状況に適合していないことを意味する。この場合には、支援情報決定部56は、現割当条件パターンと異なる条件パターン、すなわち相違条件パターンにおける走行下リンクパターンの過去リンク旅行時間を旅行時間比較部60に出力する。これにより、旅行時間比較部60において、上述同様に、現走行済み旅行時間とこれらの相違条件パターンにおける過去走行済み旅行時間との適合判定が行われる。
【0046】
条件パターン選択部66は、相違条件パターンに対して得られた比較評価値に基づいて、現在の比較対象区間に対応した現リンク旅行時間群に適合する過去リンク旅行時間群の相違条件パターンを選択する。そして条件パターン選択部66は、選択した相違条件パターンを識別するための識別情報を支援情報生成部68へ出力する。
【0047】
当該識別情報に基づいて、支援情報生成部68は、選択された相違条件パターンを特定し、当該相違条件パターンに属する未走行リンクパターンを抽出する。支援情報生成部68は、抽出した未走行リンクパターンの過去リンク旅行時間を足し合わせて残り旅行時間を生成するとともに、この未走行リンクパターンから成るルートを残り経路として生成し、更新走行支援情報として通信部38へ出力する。これにより、更新走行支援情報は、最新の走行支援情報として車両70へ提供され、目的地まで最短時間で走行できる走行支援情報として利用される。
【0048】
なお、提供された更新走行支援情報における最初の比較リンク数分の過去リンク旅行時間のデータは、支援情報決定部56から旅行時間比較部60へ出力されて格納され、次の更新走行支援情報の生成に利用される。
【0049】
条件パターン選択部66は、適合する相違条件パターンを複数選択するように構成することもできる。この場合には、例えば、所定値以上の比較評価値を有する相違条件パターンを全部選択したり、また比較評価値が好適な上位所定数の相違条件パターンを選択するように構成することができる。そして、選択した相違条件パターンを識別するための識別情報が支援情報生成部68へ出力される。支援情報生成部68は、識別情報に基づいて複数の相違条件パターンを特定し、各相違条件パターンに属する未走行リンクパターンを抽出し、各未走行リンクパターンの過去リンク旅行時間を足し合わせ、残り旅行時間の候補となる候補残り時間を各未走行リンクパターンごとに生成する。そして支援情報生成部68は、この自ら生成した複数の候補残り時間のうち、最小の値の候補残り時間を残り旅行時間に決定し、また、この残り旅行時間が得られる未走行リンクパターンからなる残り経路を生成する。これらの残り旅行時間及び残り経路を更新走行支援情報として通信部38に出力する。
【0050】
また、比較対象区間以降にて目的地までの走行経路が複数存在する場合があり得る。この場合には、支援情報生成部68は、条件パターン選択部66にて選択された相違条件パターンごとに、複数の走行経路それぞれの未走行リンクパターンを抽出し、それぞれの候補残り時間を生成する。そして、上述と同様に残り旅行時間及び残り経路を生成する。
【0051】
ちなみに更新走行支援情報は、車載器12から比較リンク数分の現リンク旅行時間が得られるごとに生成される。
【0052】
以上述べたように、支援情報算出ユニット36は走行支援情報を生成する。また支援情報算出ユニット36は、さらに走行開始後の車両から送信されてくる現リンク旅行時間から過去リンク旅行時間を生成する。次にこの過去リンク旅行時間の生成について説明する。この過去リンク旅行時間の生成に当たっては、主としてリンク旅行時間算出部58と走行条件提供部50とが処理を担う。
【0053】
リンク旅行時間算出部58は、上述の更新走行支援情報の生成に当たって推定した現リンク旅行時間trを走行条件提供部50へ出力する。このとき、現リンク旅行時間trには、その現リンク旅行時間trが得られたリンク44を識別するリンク識別情報が付加される。走行条件提供部50は、入力された現リンク旅行時間trに、日付、曜日、天候などの走行条件を特定するための条件特定情報を付加し、これを過去データ蓄積部42へ出力する。過去データ蓄積部42は、入力された現リンク旅行時間trを過去リンク旅行時間としてリンク44ごとに走行条件に応じて分類し蓄積する。ここで、分類に当たっては、リンク識別情報と条件特定情報が参照される。
【0054】
次に、車両70が本発明に係る走行支援情報センタ10を含む走行支援システムを利用して走行支援情報の提供を受ける動作について説明する。ここで、車両70には、更新走行支援情報として残り旅行時間に加えて最適残り経路(代替経路を含む)が提供される場合を例にとって説明する。
【0055】
図6は、本走行支援システムにより走行支援情報センタ10から初期走行支援情報が提供されるまでの、車両70、事務所62及び走行支援情報センタ10の相互の処理の関連を示す模式図である。また図7は、図6に対応するフロー図である。
【0056】
まず、事務所62における出発情報入力装置14に日付、出発予定時刻、目的地、走行時間帯等の出発情報が入力され、事務所62からこの出発情報が送信される(S100)。なお、物流業者が複数の車両を所有している場合には、走行予定にある車両70の車両ID(例えば車両番号)も出発情報の一つとして入力され、送信される。なお、これらの出発情報を車載器12から入力し、送信することができる形態であってもよい(S102)。
【0057】
走行支援情報センタ10は、この出発情報を受信し(S104)、この出発情報における日付等から曜日、特別日の別等を算出し、また、事務所や目的地の所在地などの情報等を参照して走行エリアの天候に関する情報を入手する。なお、車両70の車両IDを目的地と関連付けさせておく。走行支援情報センタ10は、事務所62と目的地とが含まれるエリアにおける複数のリンク44を抽出する。また、走行支援情報センタ10は、抽出した当該複数のリンク44において、今回入手又は算出した日付、出発予定時刻、曜日、特別日の別、走行時間帯、天候等の条件パターンと一致する過去リンク旅行時間を過去データ蓄積部42から抽出する。なお、簡単のため、上記の条件パターンの代わりに、平日、休日及び特別日の別、天候並びに走行時間帯から条件パターンが構成され、当該車両70においては、この条件パターンが平日、晴れ、9時から10時の走行時間帯であり、図4(B)のテーブルにおける(P1)及び(T9)に該当するものとして以下の説明を行う。
【0058】
走行支援情報センタ10は、抽出された(P1・T9)の条件パターンにおける複数のリンク44を組み合わせ、目的地までのルートを形成するリンクパターンを構築する。次に、構築したリンクパターンの中から、それを構成する複数のリンク44における過去リンク旅行時間の総計が最も小さくなるもの、すなわち最短時間で目的地に到達できるものを選択し、その選択されたリンクパターンからなる走行経路を生成する(S106)。走行支援情報センタ10は、この走行経路とその総旅行時間を車両IDと共に初期走行支援情報として送信する(S108)。なお、このときの初期走行支援情報は、車両70の現在の条件パターン(P1・T9)に対応する走行支援情報である。ここで、この走行開始に先立って車両70に提供される走行経路は、図3におけるL1〜L8で示されるリンクパターンから構成されているものとする。
【0059】
事務所62において、この初期走行支援情報が受信される(S110)。これにより、車両70が走行することになる走行経路と、総旅行時間を事務所62において把握することができる。また、車載器12において、この初期走行支援情報が受信される(S112)。これにより、車両70の乗務員は、走行経路と総旅行時間を走行開始に先立って得ることができる。
【0060】
さらに、図8及び図9を用いて、当該走行経路を走行する車両70に更新走行支援情報を提供する流れを説明する。
【0061】
車両70は、走行を開始し、走行支援情報センタ10から得た走行経路に沿って走行する。車内の車載器12は、10秒おきに当該車両の位置及びその位置の計測時刻を車両IDと共に現走行実績情報として走行支援情報センタ10側に送信する(S200)。この現走行実績情報は、走行支援情報センタ10に受信され、その支援情報算出ユニット36(図2参照)内におけるリンク旅行時間算出部58に位置の情報が入力される(S202)。入力された現走行実績情報の車両IDから当該車両の目的地が特定される。
【0062】
リンク旅行時間算出部58は、一定間隔で入力される位置の情報から、図5に示されるように各リンク44ごとの現リンク旅行時間trを算出する。なお、現リンク旅行時間trに走行条件の情報を付加して過去リンク旅行時間に変換し、これをデータベース蓄積する(S204)。
【0063】
S204で算出された現リンク旅行時間trは、次々と図2の旅行時間比較部60に入力される。旅行時間比較部60は、比較リンク数分のリンク44を車両70が走行したかを判定する(S206)。これは、例えば、旅行時間比較部60に比較リンク数分の現リンク旅行時間trが入力されたかをカウントすることで判定することができる。なお、簡単のため、本説明中における比較リンク数を「2」とする。比較リンク数分(2リンク分)のリンク44、すなわちL1とL2とが走行されていない場合、S200に戻り、L1とL2のリンク旅行時間trが旅行時間比較部60に蓄積されるまで、上記ステップが繰り返される。車両70が比較リンク数分のリンク44を走行したと判定された場合、S208に進む。
【0064】
S208では、L1とL2における現リンク旅行時間trと過去リンク旅行時間とが比較される。ここで、この現リンク旅行時間trは、上述のように車両70が実際にL1及びL2の走行に要した時間(実績値)であり、また、過去リンク旅行時間は、車両70がLI及びL2の走行に先立って、車両70がおかれている現割当条件パターン(P1・T9)から推定したL1及びL2の走行に要する時間(予測値)である。
【0065】
比較の結果、L1及びL2における現リンク旅行時間trと過去リンク旅行時間とが適合していた場合、すなわち車両70が予測通りの走行時間でL1及びL2を走行していた場合には、S214に進み、すでに目的地に達したか否かが判定される。本説明中においては、目的地に達していないため、実績値と一致又はおよそ一致した上記(P1・T9)の現割当条件パターンにおける更新走行支援情報(残り旅行時間と残り経路等)を生成しこれを車両70側に提供する。以降、S202に戻り上述同様の情報処理を行う。
【0066】
一方、S208における比較の結果、現リンク旅行時間trと過去リンク旅行時間とが適合しない場合、すなわちL1、L2の走行に要した実際の所要時間が(P1・T9)の条件パターンに基づいて生成した走行支援情報と異なっていた場合はS210に進む。S210では、条件パターン選択の学習が行われる。これについては後に詳述する。
【0067】
走行支援情報センタ10は、まず(P1・T9)以外の条件パターン(相違条件パターン)の中からL1・L2の現リンク旅行時間と適合する同じ相違条件パターンに属するL1とL2の過去リンク旅行時間の組(過去リンク旅行時間群)を検索し、適合する過去リンク旅行時間群を選択する。この過去リンク旅行時間群の選択は、例えば以下の式で表される偏差Δtが最小となることに基づいて行われる。
【0068】
【数1】
Figure 0003861010
ここで、nは比較リンク数である。また、trkは、比較リンク数分の複数のリンク44(リンク群)のうち、k番目のリンク44における現リンク旅行時間を表わす。tdkは、当該リンク群のうち、k番目のリンク44における過去リンク旅行時間を表わす。また、Δtは、比較リンク数分のリンク群における実測値と予測値との偏差であり、このΔtが大きいほど実測値が予測値からずれていることを表わす。
【0069】
なお、以下、走行支援情報センタ10が、図4(B)における(P4・T9)の条件パターン(平日・雨・9時から10時の走行時間帯)を選択した場合を例に説明を行う。走行支援情報センタ10は、以下の工程に従ってL3以降における残り経路や残り旅行時間を生成する。
【0070】
S212では、走行支援情報センタ10が、当該選択された条件パターン(P4・T9)に基づいてL3以降のリンクパターン(未走行リンクパターン)を選択する。このとき、各リンク44において(P4・T9)に属する過去リンク旅行時間の総計が最小となる未走行リンクパターンを選択する(S212)。ちなみに、このときの最小の総計が残り旅行時間である。この未走行リンクパターンの選択により、L2より後、目的地まで最短時間で到達できる残り走行経路が生成される。この残り走行経路と残り旅行時間とが、車両IDと共に更新走行支援情報として車両70へ提供される(S216)。なお、上述の比較対象となったリンク44(本説明中ではL1及びL2)によって目的地に達したか否かが判定され(S214)、目的地に達していない場合には、S202に戻り、上述と同様の処理が行われる。
【0071】
なお、S202に戻った後、S206においてL3及びL4における現リンク旅行時間が得られた場合、上述と同様にS208において、L3及びL4における現リンク旅行時間(実測値)と過去リンク旅行時間(予測値)とが比較される。ここで、比較の結果、実測値と(P4・T9)の条件パターンで生成された予測値とがマッチングせず、S212においてL3及びL4における実測値が、例えば図4(B)における相違条件パターン(P3・T10)とマッチングしていた場合、この(P3・T10)(特別日・晴れ・10時から11時の走行時間帯)の過去リンク旅行時間からL5以降の残り経路や残り旅行時間を生成する。ここで、条件パターン(P3・T1)の過去リンク旅行時間を利用したL4より先の残り経路の生成に当たって、図3に示されるL5〜L8からなる未走行リンクパターンよりもL9〜L11からなる未走行リンクパターンの方が過去リンク旅行時間の総計が小さい場合には、当該L9〜L11からなるリンクパターンにて得られる残り走行経路(代替経路)がその残り旅行時間とともに車両70へ提供される。
【0072】
走行支援情報センタ10では、上述の工程の繰り返しによって、比較リンク数ごとのリンク44(リンク群)に対して最適な過去走行済み旅行時間が選択され、これによりリンク群ごとに条件パターンが選択される。例えば、条件パターン選択の学習S210では、このリンク群ごとに選択された条件パターン同士の組み合わせにおける関連付けが強くなるような学習が行われる。すなわち、上述の例であれば、L1及びL2のリンク群と、L3及びL4のリンク群の組み合わせにおいて、条件パターン(P1・T9)と条件パターン(P4・T9)における関連付けを強くする。これにより、今後の更新走行支援情報を提供する際に、リンクL1〜L4を含む走行経路(残り走行経路を含む)が生成され、なおかつL1及びL2の条件パターンが(P1・T9)であった場合に、L3及びL4の走行支援情報は、条件パターン(P4・T9)における過去リンク旅行時間を用いて生成する。或いは、他の条件パターンよりも条件パターン(P4・T9)がより優先されて選択されるように、残り走行経路の生成時に利用される過去リンク旅行時間の条件パターンの優先度を高くする。この条件パターンの学習の結果は、今回の走行支援情報の提供以降での条件パターンの選択に反映される。
【0073】
以上、本実施形態における走行支援システムによって走行支援情報を生成し、提供する際の処理の流れについて説明した。
【0074】
なお、条件パターン選択の学習においては、例えば、上記現リンク旅行時間群(実測値)と過去リンク旅行時間群(予測値)との比較の結果に基づく分析等により、条件パターンを構成する各走行条件のうち、予測値を推定する際に、より重要視するものを定める、すなわち走行条件に優先度を付与してもよい。このような学習によれば、例えば、各リンク44の距離が短く設定された場合等において、信号の待ち時間などの適合判定に際して誤差の原因となりやすい要因の影響を緩和することができる。
【0075】
また、走行支援情報を生成し提供した結果、予測値と実測値との不適合が連続する比較対象区間で発生することが考えられる。すなわち、特定の条件パターン(説明のため第1条件パターンとおく)に属する過去リンク旅行時間を用いて予測値を算出して特定のリンク群(第1リンク群とおく)を走行し、得られた現リンク旅行時間が第1条件パターン以外の条件パターン(第2条件パターンとおく)の過去リンク旅行時間と適合し、当該第2条件パターンの過去リンク旅行時間を用いて予測値を算出して当該第1リンク群の次の第2リンク群を走行した結果、第2リンク群での現リンク旅行時間群が第2条件パターン以外の条件パターン(第3条件パターンとおく)の過去リンク旅行時間と適合するという場合である。
【0076】
このような場合に対して、例えば、これら第1リンク群と第2リンク群との間で、第1条件パターン、第2条件パターン及び第3条件パターンを関連付けする形態を採用することができる。つまり、第1リンク群の走行時に第1条件パターンに基づく走行支援情報(予測値)を提供し、第1リンク群を実際に走行した際にその現リンク旅行時間が、第2条件パターンの過去リンク旅行時間と適合した場合において、当該第2条件パターンに属する過去リンク旅行時間を用いて残り経路等を生成せずに、関連付けられた第3条件パターンに属する過去リンク旅行時間を用いて残り経路等を生成する。これにより、より精度の高い残り走行経路等の提供が可能となる。
【0077】
以上、条件パターン選択の学習に関しての様々な形態を紹介したが、条件パターン選択の学習においては、これら上記の形態のいずれかを採用してもよく、またこれらの形態を組み合わせて利用してもよい。
【0078】
以上、本発明に係る走行支援情報センタ10を含む走行支援情報システムについて説明した。なお、上記実施形態では、車載器12は、10秒間隔など所定時間おきに現走行実績情報を走行支援情報センタ10に送信する形態であったが(図5参照)、例えば、各リンク44の節、すなわちリンクノード72に到達するごとに現走行実績情報を送信する形態であってもよい。この形態においては、車載器12は、図10に示されるように、リンク44を走行するに当たって、リンクノード72のそれぞれを通過した時の時間を計測し、この計測時刻(通過時刻)Tr1、Tr2、Tr3、Tr4、Tr5又はこれら計測時刻及び位置情報を走行支援情報センタ10へ送信する。走行支援情報センタ10では、前後する計測時刻の差分Trk+1−Trk、(k=1,2,3…)を計算することで、各リンク44における現リンク旅行時間を直接得ることができる。これらの現リンク旅行時間と過去リンク旅行時間とを比較し、現在車載器12に提供している走行支援情報と現状との適合性を判定することができる。
【0079】
ここで、以上の実施形態では、過去走行実績情報としての過去リンク旅行時間が図4に示されるテーブルによってそれぞれ過去データ蓄積部42(図2参照)に記憶されていたが、例えば、過去データ蓄積部42が過去走行実績情報を関数として有している形態でもよい。例えば、過去データ蓄積部42は、車両が過去に走行経路を走行することで得られた過去走行実績情報から最小二乗法等に基づいて、出発地からの距離と出発開始後の経過時間との関数等を条件パターンに応じて走行経路ごとに生成し記憶する。
【0080】
図11にこれら条件パターンごとに求められた関数の一例を示す。ここで、この曲線aは、例えば、図4(B)の(P1・T10)などの特定の条件パターンにおける過去走行実績情報を表わす過去実績関数Aである。ここで、横軸に事務所(出発地)からの距離、縦軸に事務所出発後の経過時刻をとっている。なお、実際には、各条件パターンごとに当該関数と同様の関数が複数備えられている。ここで、これらの関数には、図中において破線で示された許容時間帯Bが設定されている。この許容時間帯は、例えば、この曲線aを中心として時間軸方向(縦軸方向)に所定の幅を有する領域であり、当該過去実績関数Aと適合していると見なされる領域である。
【0081】
当該関数を用いて、上述した予測値と実績値との適合性の判定や、残り経路の生成に適した過去走行実績情報の選択する際の適合判定では、これら各条件パターンごとの複数の過去実績関数Aに対して、実績値としての現走行実績情報をプロットする。プロットした現走行実績情報が許容時間帯b内に収まっている、又は収まっている割合が高い関数(曲線a)を適合する過去走行実績情報と見なす。ちなみに、図中においては、L1、L2及びL3のリンク44を走破した際の現走行実績情報をプロットしている。この図に示された例においては、図に示された過去実績関数Aは、現在走行中の車両70における当該現走行実績情報と適合している。したがって、この曲線aを用いて更新走行支援情報が生成され、例えば、L8が目的地に接続するリンク44である場合には、提供される更新走行支援情報の残り旅行時間は、図中Cで示される時間となり、当該過去実績関数Aが属するルートが走行経路として決定される。
【0082】
なお、図11においては、各リンク44ごとの現リンク旅行時間が算出又は推定されるごとにプロットされている。しかし、例えば、10秒ごと等車載器12から現走行実績情報が送信されるごとに当該情報をプロットし、適合判定してもよい。
【0083】
また、この過去実績関数を例えばリンク群ごとに生成し、当該リンク群ごとの過去実績関数を組み合わせて走行経路、残り経路、総旅行時間又は残り旅行時間等の走行支援情報を生成してもよい。
【0084】
なお、上記実施形態では、出発地として事務所を例にとって説明したが、これに限らず、任意の地点を出発地として本走行支援システムを利用してもよい。この場合、出発地を出発情報の一つとして他の情報と共に走行支援情報センタ10に送信し、上述の目的地と同様に車両ID等に関連付けしておき、更新走行支援情報の生成のたびに出発地が認識することができるようにしておく。なお、上記構成では、目的地(場合によっては目的地と出発地)が車両IDと関連付けられており、車載器12から送信される現走行実績情報に目的地や出発地についての情報を含めることなくこれら目的地等を特定できる形態をとる。しかし、走行支援情報に当該目的地等の情報を含め、これにより目的地等が特定される形態でもよい。
【0085】
【発明の効果】
本発明の走行支援情報センタによれば、車両の走行により有用な走行支援情報を提供することができる。また本発明によれば、より信頼性の高い走行支援情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の走行支援情報センタを含む走行支援システムの概略的な全体構成を示すブロック図である。
【図2】 本実施形態における走行支援情報センタの概略のブロック図である。
【図3】 本実施形態における走行経路や代替経路を構成する複数のリンク及びリンクパターンの一例を示す模式図である。
【図4】 リンクごとに設けられた過去リンク旅行時間におけるルックアップテーブルの一例を示す模式図である。
【図5】 所定時間間隔で測定した車両の位置及びその測定時刻から現リンク旅行時間を推定する方法の一例を示す模式図である。
【図6】 走行支援情報センタ10から初期走行支援情報が提供されるまでの、車両70、事務所62及び走行支援情報センタ10相互の処理の関連を示す模式図である。
【図7】 図6に対応するフロー図である。
【図8】 走行する車両へ更新走行支援情報が提供されるまでの、車両70及び走行支援情報センタ10の相互の処理の関連を示す模式図である。
【図9】 車両の走行開始後の処理を示すフロー図である。
【図10】 他の実施形態における現リンク旅行時間の算出方法を説明する模式図である。
【図11】 他の実施形態における過去走行実績情報としての過去実績関数を説明する模式図である。
【符号の説明】
10 走行支援情報センタ、12 車載器、14 出発情報入力装置、20,34,40 地図データ記憶部、30 位置計測部、36 支援情報算出ユニット、42 過去データ蓄積部、48 リンク抽出部、50 走行条件提供部、52 過去データ抽出部、54 過去データ平滑部、56 支援情報決定部、58リンク旅行時間算出部、60 旅行時間比較部、66 条件パターン選択部、68 支援情報生成部。

Claims (4)

  1. 過去の車両の走行によって得られた複数の過去リンク旅行時間、走行条件を組み合わせた分類条件に応じて分類し記憶した記憶部と、
    現走行車両の走行済み経路にて収集され、該現走行車両から送信される現走行実績情報を受信して、現リンク旅行時間を得る手段と、
    前記複数の過去リンク旅行時間のうち、分類条件が適合し、かつ、前記走行済み経路に関する部分が前記現リンク旅行時間に適合するものを選択する過去情報選択手段と、
    前記選択される過去リンク旅行時間に基づいて前記走行済み経路以降の走行に有用な走行支援情報を生成する支援情報生成手段と、
    前記走行支援情報を前記現走行車両へ送信する送信部と、
    を含み、
    過去情報選択手段は、現リンク旅行時間と、支援情報生成手段が支援に利用した過去リンク旅行時間との適合を判定し、適合していない場合には、異なる分類条件における過去リンク時間情報を選択することを特徴とする走行支援情報センタ。
  2. 請求項記載の走行支援情報センタにおいて、
    前記走行支援情報は、前記走行済み区間以降の走行経路上に設定される所定地点までの走行所要時間を含むことを特徴とする走行支援情報センタ。
  3. 請求項記載の走行支援情報センタにおいて、
    前記支援情報生成手段は、
    前記過去情報選択手段が複数の過去リンク旅行時間を選択した場合、選択された過去リンク旅行時間ごとに得られる前記走行所要時間のうち、最短のものに対応した前記支援情報生成手段を提供することを特徴とする走行支援情報センタ。
  4. 請求項記載の走行支援情報センタにおいて、
    前記現走行実績情報に基づいて過去リンク旅行時間を生成する過去情報生成手段を含み、
    前記記憶部は、前記生成された過去リンク旅行時間を記憶することを特徴とする走行支援情報センタ。
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