JP3860987B2 - シート給送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コピー装置又は印字装置等の画像形成装置にシートを1枚毎に分離して給送するシート給送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機又はプリンタ等の画像形成装置の多くは、文字や図形等の画像を形成するためのシートを収納するためのシート収納部を有し、要求に応じて該シートを一枚づつ繰り出して画像形成部側に給送するためのシート給送装置を具備する。
【0003】
このようなシート給送装置におけるシート収納部は、種々のサイズのシートを収納可能に形成されている。また、シートは、シート収納部から画像形成装置内の画像形成部に至る給送経路においてジャム等することなくスムーズに搬送されなければならないために、シート収納部における適正位置から適正方向に給送されることが重要である。このために、シート給送装置におけるシート収納部には、種々のシートサイズに応じて、シートをシート収納部内の適正位置に確実にセットさせるため、シートの端を規制する規制手段が設けられている。
【0004】
シート給送装置の内シートの収納容量が多いタイプでは、このような規制手段をシートの一端に向けて積極的に付勢して、シートの給送方向に直行する端を適正な基準位置に揃えるように構成したものが従来から利用されてきた。
【0005】
ここで、従来のシート給送装置におけるこのような付勢力を持つ規制手段は、シートの一端に対して上下又は左右方向において一律の押圧力により押し付けるようにしていた。従って、シートを1枚づつ分離して給送するためのピックアップローラを有するシート給送手段の近傍位置にあるシート端とシート収納手段の底辺近傍のシート端は、一つの規制手段によって同じ付勢力で基準位置方向に押圧されていたのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来技術に係るシート収納手段内に設けられた規制手段による一律の押圧力を、シート収納手段の底辺近傍のシート端を適正に揃えるべく付勢力を強く設定した場合は、シートを1枚毎に分離して給送する給送手段近傍のシート端に対しても同様に強い付勢力で押圧されるため、シート給送手段が規制手段の強い押圧力に負けてしまい、シートを適正な給送方向に給送する妨げとなる事態が生じていた。
【0007】
一方、このような事態を避けるために、規制手段による押圧力を弱く設定した場合、シート収納手段内に集積されたシートの全重量を受けるために手揃え直しが困難なシート収納手段の底辺近傍のシート端に対しても同様に弱い付勢力で規制手段が押圧されているため、シート収納手段底辺近傍のシート端の整合が適正に行われないという不具合をしょうじさせていたのである。
【0008】
さらに、従来のシート給送装置においては、給送手段で実際に給送されるシートとそれ以外のシートの双方に対して、規制手段をシート給送方向において同じ位置、例えば給送方向におけるシート端の略中央位置に設けられた規制手段によって押圧規制されていたために、シート給送手段によって給送されるシートに対しては、給送途中でシート端が規制手段を通過してしまいことになるため、当該シートの給送方向が適正な給送方向に対してズレてしまい、曲がった角度の状態で給送されてしまうといった不具合を有していた。
【0009】
本発明は、収納容量が多いシート収納部を有する場合であっても、シート収納手段に集積されたシートの底辺近傍のシート端の適正な整合を可能にしつつ、シートを適切な給送角度にて1枚づつ繰り出して給送することが可能なシート給送装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、シート収納手段と、前記シート収納手段内に積載された状態で収納されるシートの少なくとも一端を規制する規制手段と、前記シート収納手段内の最上位シートを1枚づつ分離して繰り出すためのシート給送手段と、を具備し、前記規制手段は、前記シート給送手段によるシート給送方向において、前記シート給送手段近傍に位置する第1の規制手段と、当該第1の規制手段よりも上流側に配置された少なくとも一つの第2規制手段と、を含み、前記第1の規制手段は、前記シート収納手段内のシートの積載方向において前記第2の規制手段の上方に配置され、当該第1の規制手段による前記シートへの押圧力は、前記第2の規制手段による押圧力よりも弱く設定されていることを特徴とするシート給送装置を提供するものである。
【0011】
このように、本シート給送装置においては、第1の規制手段と第2の規制手段が、前記シート収納手段内のシート積載方向(上下方向)及びシート給送方向(上流下流方向)においてそれぞれ異なる位置に配置されて、この2つの規制手段が前記シートの給送方向と直交する一方の端側から他方の端側に押圧規制するので、前記シート収納手段内の積載シートの給送方向と直行する方向における整合性を高め、さらに、第1の規制手段が、シート給送手段によって給送されるシート端を給送直前まで規制することから、シートをスキューさせることなく給送方向への確実なシート給送を可能にするのである。
【0012】
ここで、前記第1の規制手段による前記シートへの押圧力は、前記第2の規制手段による押圧力よりも弱く設定される。これにより、第1の規制手段によるシートの整合力を維持しつつ、シート給送手段によるシートの給送を容易にしたのである
【0013】
さらに、前記第2の規制手段による前記シートへの押圧力は、前記シート収納手段内のシート積載方向において、下位のシートに対する押圧力よりも上位のシートに対する押圧力が弱くなるように設定される。これによりシート収納手段内に集積された下方のシートほど強い押圧力を与えるようにしたのである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るシート給送装置1の実施形態の例を、図の記載に基づいて詳しく説明する。
【0021】
図1は、コピー装置等の画像形成装置に接続され、シート給紙位置にあるシート給送装置1(a)、(b)の例を示す。図2は、シート給送装置1に収納されたシートをピックアップローラ8等のシート給送手段により1枚ずつ分離されてプリンタに給送する状態を示す図である。
【0022】
画像形成装置Hは、装置本体Hの上部に画像情報に応じてレーザー光を走査するレーザースキャナ、画像プロセスユニット、転写ローラ、定着器、(何れも図示しない。)及び搬送ローラ9等で構成されたプリンタが形成されている。そして、装置H本体の下方にはシート給送装置1が形成されている。シート給送装置内1、2に収納されたシートSは、図2に示すようにピックアップローラ8を含む搬送手段により上記プリンタに所定のタイミングで搬送されるように構成されている。
【0023】
図1(a)は、画像形成装置Hに複数のシート給送装置1、2a、2b、が設けられている構成を示している。各シート給送装置1、2a、2bは各々独立して機能するように構成されている。シート給送装置1は、様々なサイズのシートが積載可能なシートサイズ検知手段を有する給送装置である。シート給送装置2a、2bは固定サイズのシートSのシート給送装置2a、2bとして割り当てて使用するようにしてもよい。
【0024】
そして、図1(b)は、様々なサイズのシートが積載可能なシートサイズ検知手段を有するシート給送装置1のみが設けられている画像形成装置Hである。複数のサイズのシートが積載可能なシート給紙装置1だけで給送するため画像形成装置Hは図1(a)の装置に比べて小型化されている。
【0025】
ここで、実施の形態例におけるシート給送装置1の構成及び動作について説明する。
シート給送装置1はシート収納手段(シート収納カセット)19と、シート収納手段19内に設けられたシート支持台7と、シート収納手段19をシート補充位置とシート給送位置間の移動経路24において移動可能に支持する支持手段30と、支持手段30を固定するフレーム10と、シート給送位置にあるシート収納手段19内からシートを1枚づつ分離して繰り出すピックアップローラ8、給紙ローラ40、分離ローラ41、レジストローラ対42及び搬送ローラ9等のシート給送手段とで構成されている。
【0026】
シート給送装置1のフレーム10は箱型の骨組みになっており、このフレーム10にレールの外枠が全て支持されている。また、フレーム10内には、シート収納手段19が出し入れされる際の移動経路24が設けられている。
【0027】
そして、シート収納手段19内には、シートの一端を規制するシート規制手段が形成されている。シート規制手段はシート給送手段近傍に位置する第1の規制手段である押圧規制コロ3と、シート収納手段19内のシート積載方向において第1の規制手段より下位に位置する第2の規制手段である押圧規制板4とが形成されている。シート収納手段19内には後端支持ガイド5が設けられている。
【0028】
さらに、シート給送装置1は後端支持ガイド5と協働してシート収納手段19に収納されたシートSのサイズを検知するシートサイズ検知手段20とで構成されている。
【0029】
図3は、本シート給送装置1のシート給送手段の動作を説明するための図である。シート給送手段は、シート収納手段19に積載されたシートの最上位のシートSを給送するピックアップローラ8と、ピックアップローラ8から給送されたシートSをレジストローラ対42に給送する給紙ローラ40と、給紙ローラ40と対でシートを1枚づつに分離する分離ローラ41と、分離ローラ支持部材44と、分離ローラ41を給紙ローラ40から離間させるための偏芯カム43と、ピックアップローラ、給紙ローラ40及び分離ローラ41に回転駆動を伝達するワンウエイギヤ45a、45bと、モータM1の駆動力をギヤに伝達するベルト46a、46bで構成されている。
【0030】
図3(a)は、シート収納手段19に積載されているシートをピックアップローラ8が給紙ローラ40に送り、給紙ローラ40と分離ローラ42が接合してシートを1枚ずつに分離しつつ給送している状態を示している。この時、偏芯カム43は分離ローラ支持部材44から離間しセンサ47はONに状態にある。
【0031】
図3(b)では、シートが給紙ローラからレジストローラに向けて所定の距離を給送されると、回転した偏芯カム43が分離ローラ支持部材44を押して給紙ローラ40と分離ローラ42を離間させる。給紙ローラ40と分離ローラ42を離間させることで1枚目のシートが完全に給紙ローラを離れるまで2枚目のシートを給送しないようにする。この時センサ47はOFFとなる。
【0032】
図4は、本発明に係るシート給送装置の例を示し、フレーム10内からシート補充位置へと引き出される途中の状態を示す斜視図である。
【0033】
フレーム10に収納されているシート収納手段19のフロントカバー18に設けられた取っ手17を持ち、手前に引き出すことでシート補充位置にシート収納手段19(カセット)を移動することが出来る。その移動において、シート収納手段19を支持している支持手段30である支持レールは伸縮可能に構成されている。支持手段30はフレームに固定されている。
【0034】
シート収納手段19は支持手段30の支持レールに案内されてシート補充位置に引き出されるのである。そして、シート収納手段19がフレーム10から引き出された状態でシートSをシート収納手段19に収納する。この時、本体フレームに設けられたシート検知手段20及びリフトアップ駆動手段のカップリング12はシート収納手段19から離間している。
【0035】
シート収納手段19がシート補充位置に引き出された時の本体フレーム10とシート収納手段19との間に出来る空間がシート収納手段19の移動経路となる。
【0036】
図5は、シート収納手段19がシート給送装置1のシート給紙位置に位置している状態を示す斜視図である。
【0037】
シート収納手段19のシート給送位置への移動は、上記説明したシート補充位置にあるシート収納手段19のフロントカバー18を押してフレーム10に押し込む。
シート収納手段19のフロントカバー18を押してフレーム10に押し込むと、シート収納手段19を支持している支持手段30の支持レールが縮んでシート収納手段19をシート給送位置に移動する。
【0038】
シートサイズ検知手段20は、フレーム10内の移動経路に入り込む位置に設けられている。そのため、シート収納手段19が押し込まれてシート給送位置に位置した時、シートサイズ検知手段20はシートの積載方向から見てシート収納手段19及び移動経路24と重なり合う位置に配置されている。
【0039】
その時、シート後端規制ガイド5の一端に設けられたレバー押当部25はシートサイズ検知手段20の1又は複数のサイズ検知レバー22に形成されている1又は複数の検知レバー当接部23に当接するように構成されている。さらに、シート支持台7を昇降する駆動伝達手段としてのカップリング12がシート収納手段19に設けられたカップリング用ピン14と嵌合して結合している。
【0040】
図6は、図4に示した本シート収納手段19がフレーム10内からシート補充位置へと引き出される途中の状態を示す立面図である。ここでは、フレーム手段に設けられた第1の駆動伝達手段とシート収納手段19に設けられた第2の駆動手段が離間している。
【0041】
シート支持台7の昇降は本体フレーム側に設けられた駆動手段としてのリフトアップモータ11と、リフトアップモータ11の駆動力を伝達するための第1の駆動伝達手段としてのカップリング12で構成された駆動機構と、シート収納手段19側にはカップリング12に形成された凹部に嵌合するように形成されたカップリング用ピン14と、シート収納手段19を押し込んだ時の衝撃及びカップリング12の駆動回転時の衝撃を吸収するための補助バネ13と、第2の駆動伝達手段である小ギヤ17、大ギヤ15、カム16及び駆動ベルト6で構成されている。
【0042】
ベルト6に接続されたシート支持台7は、ギヤを介して伝達された正逆の回転駆動力がベルトに伝達され昇降する。シート補充位置に位置している状態ではフレームに設けられた検知手段20とシート収納手段19に設けられた後端規制ガイド5のレバー押当部25も離間している。
【0043】
図7は、図5に示した本シート収納手段19がフレーム10内のシート給紙位置に位置している状態の立面図を示す。ここでは、シート収納手段19内のシートサイズが検出され、且つフレーム10に設けられた第1の駆動伝達手段とシート収納手段19に設けられた第2の駆動伝達手段が結合している。
【0044】
図7においてカップリング12の凹部とカップリング用ピン14が嵌合している状態を示している。この嵌合によりリフトアップモータ11の駆動力をロスすることなくシート支持台7の昇降力として伝達することが出来るのである。
【0045】
駆動手段としてのリフトアップモータ11の駆動力はリフトアップモータ11と接続されたカップリング12と嵌合したシート収納手段19側のカップリング用ピンを介して大小ギヤ15、17に伝えられ、ベルト6を介してシート支持台7を昇降する。
【0046】
シート収納手段19に設けられた後端規制ガイド5のレバー押当部25はフレーム10内に設けられた検知手段20のサイズ検知レバー22に当接している。当接して回転したサイズ検知レバー22はサイズ検知センサ21でシートサイズを検知する。
【0047】
シートサイズ検知手段20はシート収納手段19が押し込まれてシート給送位置に位置した時、シートの積載方向から見て第1の駆動伝達手段及び第2の駆動伝達手段の少なくとも一方と重なり合う位置に配置されている。
【0048】
図8は、シート給送装置1におけるシート収納手段19の例を示し、(a)部は、シート収納手段19内に収納されている最上位のシートが、シート給送手段のピックアップローラ8に押し当てられている状態を示し、(b)部は、シートが収納されていないシート収納手段であって、シートの一端を規制する規制手段が、2つの規制手段によって構成された例を示す。
【0049】
シート収納手段19内のシートSはシート支持台7に積載され、シート支持台7は給送位置まで上昇し、最上位のシートがシート給送手段のピックアップローラ8に押し当てられる。また、シート補給時にはシート支持台7は降下するように構成されている。シート収納手段19はシート収納手段19のフロントカバー18に形成された取っ手17を引き出してシートを補充するように構成されている。図4に示すように、シート収納手段19はシートを収納するシート支持台7と、シートの後端を規制する後端支持ガイド5と、シート給送方向下流でシートSの一端を規制する第1の規制手段としての押圧規制コロ3と、シート積載方向から見て第1の規制手段より下位の位置でシート給送方向上流にシートの一端を規制する第2の規制手段としての押圧規制板4とを有している。
【0050】
さらに、シート支持台7はシート給送時には(図(a)の状態の時)シート給送手段のピックアップローラ8に押し当てる位置まで上昇し、シート補給時には(図(b)の状態の時)はシート支持台(底面プレート)が最下位に下降する。
【0051】
このシート支持台7の上昇及び下降は、リフトアップモータ12の正回転又は逆回転駆動がリフトアップモータ11に接続されたカップリング12を介して駆動ベルトに伝えられ駆動ベルトに接続されたシート支持台7が上昇下降するのである。
【0052】
図9は、本発明の第1の実施形態を示し、第1の規制手段3と第2の規制手段4により構成された規制手段のシート収納手段19内における配置の例を示す。シート収納手段19内には、積載されたシートSを規制するための第1の規制手段である押圧規制コロ3がシート給送手段のピックアップローラ8近傍でシート給送方向の1端側に形成されている。
【0053】
さらに、シート収納手段19内の一端側の略中央位置には第2の規制手段である押圧規制板4が形成されている。押圧規制板4はシート収納手段内の1端側の側壁に添ってシート積載方向の下部から上部位置に至る長さで所定の幅を有して形成されている。矢印Aは、シート給送方向を示す。
【0054】
これにより、シート給送手段近傍の第1の規制手段である押圧規制コロ3はシート給送手段に近い位置でシート端を規制する。シート給送手段によって給送されるシートSは給送手段から離間する直前まで第1の規制手段の押圧規制コロ3によってその端を規制されることになり、シートを適切な姿勢で確実に給送することができる。
【0055】
さらに、第1の規制手段による押圧力は、第2の規制手段による押圧力よりも弱くしたり、実質的にゼロにすることにより、シートを負荷なく1枚づつに分離してシートの給送方向を適正にすることができる。
【0056】
さらに、第2の規制手段による押圧力は、シート収納手段内のシート積載方向において、下位のシートに対する第1の規制手段による押圧力よりも上位のシートに対する押圧力が弱くなるように付勢手段の押圧力が設定されるように構成されている。
【0057】
図10は、本発明の第2の実施形態であって、押圧規制板4に押圧を与える板ばね51を押圧規制板4の上下部に個別に設けることによって本発明の作用効果を実現する例を示す。
【0058】
押圧規制板4に対する押圧力は板ばね51に押圧を与え、板ばね51が押圧規制板4を付勢して、板ばね51を介して押圧力P1、P2を押圧規制板4に与えている。
【0059】
図10(a)は、シート収納手段内のシート積載方向において、上部に設置された板ばね51aは下部に設置された板ばね51bより反発力が弱くなるように構成されている。上部に設置された板ばね51aより下部に設置された板ばね51bは反発力が強いものが使用されている。そして板ばね51a、51bと押圧規制板4との間隔Xは上部と下部とも同じ間隔Xである。押圧規制板4を付勢する押圧力P1、P2は、下位のシートに対する押圧力P2よりも上位のシートに対する押圧力P1が小さくなるよう設定されている。
【0060】
図10(b)は、押圧規制板4のシート積載方向において、上部に設置された板ばね51cと下部に設置された板ばね51cは同等の反発力のものが設置されている。そして板ばね51cと押圧規制板4との間隔は上部の間隔Xより下部の間隔Yが大きい間隔で構成されている。(X<Yの関係に設定されている。)押圧規制板4の下部はシート積載側に傾斜して構成されている。
【0061】
従って、シートが積載されて、各板バネ51cと押圧規制板4との間隔X、Yが等しくなった場合には、上下の板ばね51cの縮む量が異なることになり、最終的にはより縮んだ下側の板バネ51cの方が、シートに対する押圧規制板4の押圧力を高めるように構成されている。
【0062】
これにより、シート収納手段19内のシートの積載方向において上下の位置で異なる押圧力で押圧規制板4がシートを押圧することを可能にする。そして、ピックアップローラ8の近傍位置では、押圧規制板4がシートを押圧する押圧力を小さくしてシートに必要以上の押圧をかけず1枚毎に分離して給送することができる。
【0063】
ピックアップローラ8の近傍位置より離れた下方の位置では、シート収納手段内でシートが重なりあいシート同士の自重のためにシートの整合が困難であるにもかかわらず、押圧規制板4のシートを押圧する押圧力が大きいことからシートを確実に揃えることを可能にするのである。
【0064】
図11は、第1の規制手段3と第2の規制手段4によって構成された規制手段において、第2の規制手段4が2つの規制手段によって構成された例を示す。
【0065】
第1の規制手段3と第2の規制手段4の2つの規制手段は各々押圧力が異なるように構成されている。まず、シート積載方向上方の第1の規制手段3の押圧力は小さくし、第2の規制手段4の上位に位置する規制手段の押圧力を第1の規制手段3の押圧力より大きくする。そして、第2の規制手段4の下位に位置する規制手段の押圧力を上位に位置する規制手段よりさらに大きくする。
【0066】
この第1、第2の規制手段の配設構成により下方の規制手段の押圧力を徐々に上方の規制手段で開放していくことが出来るのでシートSの撓みやピックアップミスを防ぐことが出来る。
【0067】
図12は、一つの規制手段によってシートの二端を押圧するように構成した例を示す。シート収納手段19内において、第2の規制手段52は第1の規制手段3の他端側の角に二端を規制するようにL字形状に形成されている。この一つの第2の規制手段52によりシートSの二端を規制することができる。第2の規制手段52による押圧力は対向する角に向かって働く。この実施例では一つの規制手段52で強い整合力を得る事が出来る。
【0068】
尚、第1の規制手段3と第2の規制手段52とが異なる押圧力をシートに付与する点及び第1の規制手段自体がシートの積載方向において異なる位置で異なる押圧力をシートに付与する点は、図9乃至図11の例と同様である。
【0069】
以上詳しく説明したように、本発明に係るシート給送装置においては、シート収納手段と、前記シート収納手段内に積載された状態で収納されるシートの少なくとも一端を規制する規制手段と、前記規制手段を前記シートの前記少なくとも一端に対して押圧させる付勢手段と、前記シート収納手段内の最上位シートを1枚づつ分離して繰り出すためのシート給送手段と、を具備し、前記押圧力を、前記シート収納手段内のシート積載方向の異なる位置において異なるように構成した。
【0070】
そして、この押圧力は、前記シート収納手段内のシート積載方向において、下位のシートに対する押圧力よりも上位のシートに対する押圧力がより弱い押圧力になるように設定される。これにより、シート収納手段内のシートの積載方向においてシート給送手段近傍位置では、規制手段がシートを押圧する押圧力が小さく、シートを負荷なく1枚毎に分離して給送することを実現し、一方、シート給送手段近傍位置以外の位置では、シート収納手段内でシートが重なりあいシート同士の自重のためにシートの揃え直しが困難であるにもかかわらず、規制手段がシートを押圧する押圧力が大きいことから、適切にシートを確実に揃えることを実現したのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コピー装置等の画像形成装置内に収納され、シート給紙位置にあるシート給送装置を示す。
【図2】 本シート給送装置のシート給送手段により、収納されていたシートが一枚づつ分離されて給紙される状態を示す。
【図3】 本シート給送装置のシート給送手段の動作を説明するための図である。
【図4】 本発明に係るシート給送装置の例を示し、本シート給送装置が画像形成装置の本体フレーム内から引き出されて、シート補充位置に位置している状態を示す斜視図である。
【図5】 図5は、シート収納手段がシート給送装置1のシート給紙位置に位置している状態を示す斜視図である。
【図6】 図4に示した本シート収納手段がフレーム内からシート補充位置へと引き出される途中の状態を示す立面図である。
【図7】 図5に示した本シート収納手段19がフレーム10内のシート給紙位置に位置している状態を示す立面図である。
【図8】 シート給送装置におけるシート収納手段の例を示し、
(a)部は、シート収納手段内に収納されている最上位のシートが、シート給送手段のピックアップローラに押し当てられている状態を示し、
(b)部は、シートが収納されていないシート収納手段であって、シートの一端を規制する規制手段が、2つの規制手段によって構成された例を示す。
【図9】 本発明の第1の実施形態を示し、第1の規制手段と第2の規制手段により構成された規制手段のシート収納手段内における配置の例を示す。
【図10】 本発明の第2の実施形態であって、押圧規制板に押圧を与える板ばねを押圧規制板の上下部に個別に設けることを示す図である。
【図11】 第1の規制手段と第2の規制手段によって構成された規制手段において、第2の規制手段が2つの規制手段によって構成された例を示す。
【図12】 一つの規制手段によってシートの二端を押圧するように構成した例を示す。
【符号の説明】
1 シート給送装置
3 押圧規制コロ(第1の規制手段)
4 押圧規制板(第2の規制手段)
5 後端規制ガイド
7 シート支持台
8 ピックアップローラ
10 フレーム
11 リフトアップモータ
12 カップリング
14 カップリングピン
19 シート収納手段
51 板ばね
52 第2の規制手段
30 支持手段
40 給紙ローラ
41 分離ローラ
H 画像形成装置
Claims (2)
- シート収納手段と、
前記シート収納手段内に積載された状態で収納されるシートの少なくとも一端を規制する規制手段と、
前記シート収納手段内の最上位シートを1枚づつ分離して繰り出すためのシート給送手段と、を具備し、
前記規制手段は、前記シート給送手段によるシート給送方向において、前記シート給送手段近傍に位置する第1の規制手段と、当該第1の規制手段よりも上流側に配置された少なくとも一つの第2規制手段と、を含み、
前記第1の規制手段は、前記シート収納手段内のシートの積載方向において前記第2の規制手段の上方に配置され、当該第1の規制手段による前記シートへの押圧力は、前記第2の規制手段による押圧力よりも弱く設定されていることを特徴とするシート給送装置。 - 前記第2の規制手段による前記シートへの押圧力は、前記シート収納手段内のシート積載方向において、下位のシートに対する押圧力よりも上位のシートに対する押圧力が弱くなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
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