JP3860637B2 - 純水の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、純水の製造方法に関し、詳しくは、特定の強塩基性陰イオン交換樹脂を使用することによる経済的に有利な純水の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、純水を製造するに際し、品質管理の面から脱塩工程を導入する例が増加しており、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを使用した複床式または混床式の純水製造装置による製造方法は、溶解したイオン類の殆ど全てを除去することが出来るため、広く使用されている。
【0003】
ところで、従来より、各種の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂が使用され、また、例えば、特開平4−349941号公報、特開平7−289921号公報には、耐熱性樹脂として、次の一般式(I)で表わされる構成単位を有する強塩基性樹脂が知られている。
【0004】
【化2】
【0005】
一般式(I)中、Aは炭素数3〜6の直鎖状アルキレン基または炭素数5〜7のアルコキシメチレン基を表わし、Rは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表わし、Xはアンモニウム基に配位した対イオンを表わす。
【0006】
更に、特開平5−49949号、同5−49950号、同5−49951号、同7−289920号の各公報には、上記の強塩基性イオン交換樹脂を使用した、純水の製造方法、製薬および化粧品用水の製造方法ならびに糖液の脱色方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の提案は、何れも、上記の強塩基性イオン交換樹脂の耐熱性のみに注目した使用方法である。特に、特開平5−49950号公報には、上記の強塩基性イオン交換樹脂を使用することにより、アミン臭が残存しない脱塩水が得られることが開示されているが、得られる脱塩水の溶出成分の具体的濃度や具体的な製造条件については全く記載されていない。
【0008】
ところで、大部分の強塩基性陰イオン交換樹脂や特開平4−49950号公報などに記載のアニオン交換体は、純水製造装置の運転直後から無味無臭の純水を製造することが出来ない欠点がある。すなわち、味および臭いの原因としては、特に強塩基性樹脂から溶出するアミン類、アセトアルデヒド類などが考えられるが、無味無臭の飲料または食品用水として要求されるトリメチルアミン濃度が20ppb以下で且つ全有機炭素量が200ppb以下の水を製造するためには、予め、純水製造装置に強塩基性樹脂体積の数千倍程度の超純水を通液しなければならないと言う経済的な不利益を伴う。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、純水製造装置の運転直後から無味無臭の純水を経済的有利に製造することが出来る純水の製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明者等は、上記の目的を達成すべく種々検討を重ねた結果、従来公知の強塩基性陰イオン交換樹脂の中から選択された前述の耐熱性強塩基性樹脂を使用することにより、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得て本発明の完成に至った。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の発明は、下記一般式(I)で表わされる構成単位を有する強塩基性陰イオン交換体を使用した純水製造装置による純水の製造方法において、純水製造装置が、少なくとも、紫外線酸化装置、ポリッシャー装置および膜分離装置から成る二次純水製造装置であり、空間速度20以上100以下の条件下で通水を行い、純水製造装置の運転開始直後から全有機炭素量が200ppb以下である純水を製造することを特徴とする純水の製造方法である。
【0012】
【化3】
【0013】
一般式(I)中、Aは炭素数3〜6の直鎖状アルキレン基または炭素数5〜7のアルコキシメチレン基を表わし、Rは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表わし、Xはアンモニウム基に配位した対イオンを表わす。
【0014】
請求項2に記載の発明は、一般式(I)における、Aがn−ブチレン基、プロピレン基またはn−ブトキシメチレン基であり、Rがメチル基である陰イオン交換体を使用する請求項1に記載の製造方法である。
【0015】
請求項3記載の発明は、純水製造装置の運転開始直後から全有機炭素量が200ppb以下で且つトリメチルアミン濃度が20ppb以下である純水を製造する請求項1又は2に記載の製造方法である。
【0016】
請求項4記載の発明は、陰イオン交換体が、予め、極性有機溶媒またはアルカリ水溶液による処理を施した後に陰イオン交換体の20倍量以下の水で水洗した陰イオン交換体である請求項3に記載の製造方法である。
【0017】
請求項5記載の発明は、純水製造装置が、強酸性陽イオン交換体と請求項1に記載の強塩基性陰イオン交換体とを使用した複床式または混床式の純水製造装置である請求項3又は4に記載の製造方法である。
【0018】
請求項6記載の発明は、陰イオン交換体が、再生形で滅菌可能な陰イオン交換体である請求項3〜5の何れかに記載の製造方法である。
【0019】
請求項7記載の発明は、純水が、製薬用、化粧品用、飲料用または食品用である請求項3〜6の何れかに記載の製造方法である。
【0020】
請求項8記載の発明は、純水の全有機炭素量が10ppb以下である請求項1又は2に記載の製造方法である。
【0021】
請求項9記載の発明は、純水が半導体工業における洗浄用超純水である請求項8に記載の製造方法である。
【0023】
請求項10記載の発明は、陰イオン交換体が、予め、極性有機溶媒またはアルカリ水溶液による処理を施した後に陰イオン交換体の100倍量以下の水で水洗した陰イオン交換体である請求項8〜の何れかに記載の製造方法である。
【0024】
請求項11記載の発明は、純水の全有機炭素量が2ppb以下である請求項10に記載の製造方法である。
【0027】
請求項12記載の発明は、純水製造装置が単床式の純水製造装置である請求項8〜11の何れかに記載の製造方法である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明においては陰イオン交換体として前記一般式(I)で表わされる構成単位を有する陰イオン交換体(強塩基性樹脂)を使用することが重要である。斯かる強塩基性樹脂は、既に公知であり、特開平4−349941号、同7−289921号の各公報に記載の方法により容易に得ることが出来る。
【0029】
一般式(I)で表わされる構成単位含有量は、強塩基性樹脂中、通常20〜99重量%、好ましくは50〜98重量%である。また、ジビニルベンゼン等の架橋性単量体から誘導される構成単位含有率は、強塩基性樹脂中、通常0. 1〜50重量%、好ましくは0. 5〜30重量%である。
【0030】
一般式(I)中、Aは炭素数3〜6の直鎖状アルキレン基または炭素数5〜7のアルコキシメチレン基を表わす。例えば、直鎖状アルキレン基としては、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基などが挙げられ、アルコキシメチレン基としては、ブトキシメチレン基、ペントキシメチレン基などが挙げられる。Rは水酸基で置換されもよい炭素数1〜4のアルキル基を表わす。Xはアンモニウム塩に配位した対イオンを表わす。本発明においては、前記の一般式(I)における、Aがn−ブチレン基、プロピレン基またはn−ブトキシメチレン基であり、Rがメチル基である陰イオン交換体を使用するのが好ましい。
【0031】
一般式(I)で表わされる構成単位を有する強塩基性樹脂は、アニオン交換基の分解速度が小さため、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、アセトアルデヒド等の強塩基性樹脂からの溶出量は、非常に小さく抑えられる。その結果、本発明においては、純水製造装置の運転開始直後から全有機炭素(TOC)量が200ppb以下である純水を製造することが出来る。
【0032】
一般式(I)で表わされる構成単位を有する強塩基性樹脂以外の樹脂を使用した場合、すなわち、従来の汎用イオン交換樹脂を使用した場合は、後述の実施例で示す様に、イオン交換樹脂からの溶出物が処理液中に含まれる。従って、所望の純水を得るためには強塩基性樹脂堆積の数千倍程度の超純水を通液する方法、酸化剤を加えてTOCを加水分解する方法などの前処理が必要である。これに対し、本発明によれば、上記の前処理を行うことなく、純水製造装置の運転開始直後からTOC量が200ppb以下である純水を製造することが出来る。
【0033】
本発明においては、上記の様な純水を製造するための通水条件としては、空間速度(SV)20以上100以下を採用する。斯かる通水条件の採用により、経済的有利に上記の様な純水を製造することが出来る。ここに、空間速度とは、1時間に樹脂容積の何倍の容量の水を流すかを示すパラメータであり、例えば、100mlの樹脂に1時間で2000mlの水を流した場合は、SV20となる。なお、本発明におけるSV値は、室温再生した通常の樹脂に対して測定した値を表す。
【0034】
本発明においては、TOC量が200ppb以下である純水を製造することが出来るが、更に、純水中のトリメチルアミン濃度を20ppb以下とすることにより、製薬用、化粧品用、飲料用または食品用に好適な純水を製造することが出来る。このため、本発明においては、一般式(I)で表わされる構成単位を有する強塩基性樹脂として、予め、極性有機溶媒またはアルカリ水溶液による処理を施した後に強塩基性樹脂の20倍量以下の水で水洗した強塩基性樹脂を使用するのが好ましい。
【0035】
すなわち、上記の前処理により、効率良く、純水製造装置の運転開始直後から全有機炭素量が200ppb以下で且つトリメチルアミン濃度が20ppb以下である純水を製造することが出来る。
【0036】
極性有機溶媒処理(洗浄)において、使用する極性溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メチラール等が適切である。そして、これらの極性有機溶媒の水溶液も適切である。洗浄に際しては、洗浄効率の高いカラム方式が好ましい。使用する極性有機溶媒の量は、強塩基性樹脂体積量に対し、通常0.2倍量以上、好ましく0.5倍以上が必要であり、接触時間は少なくとも10分以上が必要である。本発明で使用する強塩基性樹脂のイオン形(対イオン)は、負荷形および再生形の何れであってもよいが、強塩基性樹脂が一層膨潤し易いOH形にて上述の洗浄処理を行うのが好ましい。
【0037】
アルカリ水溶液処理において、使用するアルカリ水溶液の種類は問わないが、苛性アルカリ、炭酸アルカリ等の水溶液を使用するのが好ましい。そして、上記の処理は、通常pH10以上、好ましくはpH12以上の条件下で少なくとも30分以上行うのが好ましく、必要に応じて、例えば温度80℃以上の加熱条件下に処理を行ってもよい。
【0038】
上記の様な極性有機溶媒またはアルカリ水溶液による前処理を施した強塩基性樹脂は、前述の通り、強塩基性樹脂の20倍量以下の水で水洗して使用される。すなわち、従来の汎用イオン交換樹脂を使用した方法においては、上記の様な前処理を施した場合、所望の純水を得るためには少なくとも更に多量の水(例えば、樹脂の100倍を超える多量の水)で水洗する必要があるが、本発明の様に特殊な強塩基性樹脂を使用した場合は、上記の様に、水洗時間を短縮すると共に水洗水量を低減することが出来る。
【0039】
通常、イオン交換樹脂処理水は、純水として使用する場合、無菌水であることが必要とされる。従って、イオン交換樹脂も殺菌処理を施す必要がある。殺菌方法には、アルコール洗浄、アルカリ洗浄、γ線滅菌、EOG滅菌など幾つかの方法が知られているが、高温殺菌が一般的である。通常、80〜140℃、30分程度の蒸気滅菌が行われる。本発明における強塩基性樹脂は、この様な高温滅菌を行った場合でも、樹脂からの溶出物が少ない。しかも、本発明における強塩基性樹脂は、再生形で滅菌操作に供することが可能である。
【0040】
本発明において、純水製造装置は、前記の強塩基性樹脂と強酸性陽イオン交換体(強酸性樹脂)とを使用した複床式または混床式の何れかであることが好ましい。ところで、混床式は、再生工程が複雑で時間を要し、さらに、原水中の炭酸成分が強塩基樹脂の負荷になることから多量の強塩基性樹脂および再生剤量を必要とする。従って、これらの不利益が少ない複床式が特に好ましい。本発明において、複床式としては、強酸性樹脂を充填したカチオン塔と強塩基性樹脂を充填したアニオン塔を直列に接続した2床2塔式、さらに、脱気塔を設けた2床3塔式を採用することが出来る。なお、上記の強酸性樹脂としては、特に制限なく、公知の各種の強酸性樹脂を使用することが出来る。
【0041】
純水製造装置に供給する原水は、天然水、水道水などの処理により飲料に適した水であれば特に制限されない。原水は、必要に応じ、脱塩素処理などの前処理を行った後、純水製造装置に供給される。
【0042】
本発明においては、半導体工業における集積回路の製造工程などにおいて洗浄水として使用される、TOC量が10ppb以下の超純水を製造することも出来る。斯かる超純水の代表的な製造装置は、凝集濾過装置と2床3塔式のイオン交換装置から成る前処理工程と、紫外線照射装置、脱気器および強酸性樹脂と強塩基性樹脂の混床から成る一次純水製造装置と、紫外線酸化装置、ポリッシャー装置および膜分離装置から成る二次純水装置から構成される。そして、原水は、前処理工程を経た後、一次純水製造装置と二次純水装置を経ることにより、超純水に変換される。
【0043】
本発明においては、二次純水装置のポリッシャー装置に前記の一般式(I)で表わされる構成単位を有する強塩基性樹脂を使用するのが好ましい。換言すれば、本発明において、純水製造装置は、上記の様に、少なくとも、紫外線酸化装置、ポリッシャー装置および膜分離装置から成る二次純水製造装置として構成することも出来る。なお、本発明において、上記のポリッシャー装置は、強酸性樹脂と強塩基性樹脂の混床であることが好ましい。この際の強酸性樹脂としては、公知の各種の強酸性樹脂を使用することが出来る。ただし、本発明においては、特定の強塩基性樹脂を使用したことにより、樹脂自体からのTOCの溶出が極端に抑えられるため、理論上は、単床式で使用することが出来る。
【0044】
なお、超純水を製造する際においても、前記の製薬用、化粧品用、飲料用または食品用の純水を製造する場合と同様に、極性有機溶媒またはアルカリ水溶液による前処理を施した強塩基性樹脂を使用することにより、更に、TOC濃度を低減させた超純水を製造することが出来る。すなわち、汎用アニオン交換樹脂ではSV100以上の条件で通水して場合であっても通水直後のTOC濃度は5ppbを達することが出来なかったが、本発明で使用する強塩基性樹脂ではTOC濃度が2ppb以下の純水を製造することが出来る。100以上のSV条件下においては、TOC濃度を0.5ppb以下にすることが出来る。なお、強塩基性樹脂の前処理後においては前記と同様の水洗処理を必要とするが、本発明においては、強塩基性樹脂の100倍量以下の水による水洗処理により、所望の超純水を製造することが出来る。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明における純水製造装置は、公知のものをそのまま使用することが出来るため、以下の実施実施例においては、本発明に従って前処理された強塩基性陰イオン交換樹脂の性能を示すことにより、実施例に代える。
【0046】
また、トリメチルアミンの濃度は、ガスクロマトグラフ(島津製作製「表面電離型検出器付きガスクロGC−14APSI」)を使用し、電気伝導度は、通常の装置を使用し、TOCの溶出量は、全有機炭素量測定装置(島津製作所製TOC計、「TOC−5000」と「アナテルA−100PSE」)を使用して測定した。ただし、「TOC−5000」は実施例1で使用し、「アナテルA−100PSE」は実施例2で使用した。
【0047】
製造例1
特開平4−349941号公報における製造例2の処方で4−ブロモブチルスチレン、ジビニルベンゼン及びトリメチルアミンを使用して、交換容量が1.26meq/mlであり、水分含有率が51. 2%の強塩基性樹脂Aを得た。
【0048】
製造例2
特開平7−289921号公報における製造例2の処方で4−ブロモブトキシメチルスチレン、ジビニルベンゼン及びトリメチルアミンを使用して、強塩基性樹脂Bを得た。
【0049】
比較用樹脂1
トリメチルアンモニウム基を有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体(市販の飲料水用樹脂:三菱化学(株)製、商品名「ダイヤイオンRDA02」)を使用した。
【0050】
比較用樹脂2
トリメチルアンモニウム基を有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体(三菱化学(株)製、商品名「ダイヤイオンSA11AL」)を使用した。
【0051】
実施例1(製薬用、化粧品用、飲料用または食品用の純水の製造)
(トリメチルアミンの測定方法)
製造例1の樹脂A、製造例2の樹脂B、比較用樹脂1の各I型強塩基性樹脂100mlを採取し、内径14mmのガラスカラムに充填した。強塩基性樹脂に対し、4%NaOH水溶液をSV5で1Hr.通液し、並流再生した後、超純水を同流速で通水した。ついで、この再生型樹脂に対して超純水をSV20で通水し、処理水をサンプリングした。各サンプルにつきトリメチルアミン濃度をガスクロマトグラフで測定した。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
(表中の数字は、溶出トリメチルアミン濃度(ppb)を示す。)
【0053】
表1より、特定の強塩基性樹脂を使用した本発明の製造方法によれば、トリメチルアミンの溶出量が少ないことが分かる。従って、本発明で使用する強塩基性樹脂は、純水、特に、薬用、化粧品用、飲料用または食品用の純水の製造に好適であることが明らかである。
【0054】
(強塩基性樹脂の水洗性試験)
各強塩基性樹脂80ml(Cl形)を内径15mmのガラスカラムに充填し、1N−NaOH400mlを使用し、温度25℃で再生した。その後、ベッドボリューム(BV)2の脱塩水でNaOHを流出し、次いで、脱塩水をSV20で通液した。樹脂体積に対して、脱塩水をBVで20、60又は100倍量通液して水を回収し、電気伝導度およびTOCを測定した。結果を表2又は表3に示す。
【0055】
【表2】
(表中の数字は、電気伝導度(μS/cm)を示す。)
【0056】
【表3】
(表中の数字は、溶出TOC(ppb)を示す。)
【0057】
表2及び表3より、本発明に従って処理された強塩基性樹脂は、純水製造装置の運転開始直後から溶出するTOC量が200ppb以下である純水を製造することが出来、樹脂からの溶出成分の量が少ないことが分かる。すなわち、本発明に従って処理された強塩基性樹脂は、純水の製造に好適であることが明らかである。
【0058】
実施例2(超純水の製造)
実施例1の樹脂A500ml(Cl形基準、再生樹脂)を30mm×76cmのガラス製カラムに充填し、室温で特級メタノールをSV1で3BV流した。この後、純水(TOC:1.18ppb、比抵抗:17.8MΩ.cm、水温:26.2℃、0.07μm以上の微粒子数:70個/ml)をSV30で50BV流し、メタノールを押し出した。その後、SV30で純水を流し、カラム出口の水質を測定した。なお、比較のため、実施例1の樹脂Aの代りに比較用樹脂2を使用して上記と同様に操作して超純水の製造を行い、カラム出口の水質を測定した。結果を図1に示す。図1中、(a)は製造例1の樹脂A、(b)は比較用樹脂2の結果である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、特定の強塩基性陰イオン交換樹脂を使用することにより、純水製造装置の運転直後から無味無臭の純水を製造することが出来るため、経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2で得られた通水時間と全有機炭素(TOC)量との関係を表すグラフであり、図中、(a)は製造例1の樹脂A、(b)は比較用樹脂2の結果である。また、図1中の数値は、通水開始1時間(30BV通水)及び17時間(510BV通水)経過した時のカラム出口のTOC値(ppb)を表す。

Claims (12)

  1. 下記一般式(I)で表わされる構成単位を有する強塩基性陰イオン交換体を使用した純水製造装置による純水の製造方法において、純水製造装置が、少なくとも、紫外線酸化装置、ポリッシャー装置および膜分離装置から成る二次純水製造装置であり、空間速度20以上100以下の条件下で通水を行い、純水製造装置の運転開始直後から全有機炭素量が200ppb以下である純水を製造することを特徴とする純水の製造方法。
    (一般式(I)中、Aは炭素数3〜6の直鎖状アルキレン基または炭素数5〜7のアルコキシメチレン基を表わし、Rは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表わし、Xはアンモニウム基に配位した対イオンを表わす。)
  2. 一般式(I)における、Aがn−ブチレン基、プロピレン基またはn−ブトキシメチレン基であり、Rがメチル基である陰イオン交換体を使用する請求項1に記載の製造方法。
  3. 純水製造装置の運転開始直後から全有機炭素量が200ppb以下で且つトリメチルアミン濃度が20ppb以下である純水を製造する請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 陰イオン交換体が、予め、極性有機溶媒またはアルカリ水溶液による処理を施した後に陰イオン交換体の20倍量以下の水で水洗した陰イオン交換体である請求項3に記載の製造方法。
  5. 純水製造装置が、強酸性陽イオン交換体と請求項1に記載の強塩基性陰イオン交換体とを使用した複床式または混床式の純水製造装置である請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 陰イオン交換体が、再生形で滅菌可能な陰イオン交換体である請求項3〜5の何れかに記載の製造方法。
  7. 純水が、製薬用、化粧品用、飲料用または食品用である請求項3〜6の何れかに記載の製造方法。
  8. 純水の全有機炭素量が10ppb以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
  9. 純水が半導体工業における洗浄用超純水である請求項8に記載の製造方法。
  10. 陰イオン交換体が、予め、極性有機溶媒またはアルカリ水溶液による処理を施した後に陰イオン交換体の100倍量以下の水で水洗した陰イオン交換体である請求項8〜の何れかに記載の製造方法。
  11. 純水の全有機炭素量が2ppb以下である請求項10に記載の製造方法。
  12. 純水製造装置が単床式の純水製造装置である請求項8〜11の何れかに記載の製造方法。
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