JP3860246B2 - 陽イオン性ビタミンe誘導体及びその製造方法、並びにこれを用いて形成した両親媒性高分子 - Google Patents

陽イオン性ビタミンe誘導体及びその製造方法、並びにこれを用いて形成した両親媒性高分子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両親媒性高分子を形成することができる陽イオン性ビタミンE誘導体及びその製造方法に係り、より詳細には、熱力学的安定性が向上し、生体内への適合性に優れ、しかも抗酸化作用を有すると共にベシクルを形成し得る両親媒性高分子(以下、「両親媒性高分子ベシクル (polymeric vesicle) 」ということがある。)を形成し得る陽イオン性ビタミンE誘導体又はポリエトキシ化ビタミンE誘導体及びその製造方法、並びにこれから得られる両親媒性高分子に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧品や皮膚外用軟膏等には皮膚の水分蒸発を防止するため、油性物質、例えばトリグリセライド油、エステル油、パラフィン油等がエモリエント(emollient) として多量に使用されている。しかしながら、これらの油性物質等は、その構造的特性上、化粧品や皮膚軟膏等の主要基剤である水及び水溶性成分とは親和性がなく、このために油化製品の安定性及び長期保存性のために、界面活性剤等の使用が不可欠である。
【0003】
界面活性剤は、一つの分子内に化学的に溶媒と親和される部分〔親液性原子団(lyophilic group) 〕と親和されない部分〔疎液性原子団(lyophobic group) 〕とを同時に有して両親媒性分子(amphiphilic又はamphiphatic molecule) と呼ばれ、通常一列の長いアルキル鎖に種々の極性基が連結されている。これらの分子は、溶液において界面活性力を有し、臨界ミセル濃度(critical micelle concentration)以上では分子等が集まって球状、棒状又は層状のミセルを形成し、これらのミセルは非水溶性物質を可溶化させる等の性質を示す。
【0004】
一方、天然の生体成分中には両親媒性構造を有するものが多く知られているが、例えば、界面活性を示す各種の糖脂質、蛋白質、燐脂質、サポニン及び胆汁酸等が挙げられる。これらは生体から由来するものということから、“生体界面活性剤(biosurfactant) ”と呼ばれ、水に対する溶解性に優れており、生体内において生理活性機能を効果的に発揮することができ、しかも他の物質の吸収を容易にする役割をする。特に、燐脂質は、膜脂質(membrane lipid)の成分であり、二つの脂肪質鎖で構成された疎水性部分を有しているので、容易にリポソームを形成することができ、かつ、それ自体が生体成分の構成成分であるので、安全性及び保湿性に優れた成分である。しかしながら、この燐脂質は、2重結合を有する鎖で構成されているので、過酸化物で酸化され易く、細胞損傷を引き起こし、老化を促進する。
【0005】
燐脂質によるリポソームのようなベシクルは、分子水準の微細な膜小胞であって界面活性を示し、内部に水を維持することができるので、薬物運搬体系(drug delivery system)、光化学太陽熱エネルギー体系(photo-chemical solar energy system)、反応調節体系(reactivity control system) への応用が試みられてきた。
【0006】
これにより、界面活性剤に対する研究は、燐脂質のように、ベシクル形成能のある合成の両親媒性物質の開発に集中されている。このような合成の両親媒性分子によるベシクルとして、1975年J. M. Gebichi とM. Hicksにより、最初に2重層膜構造が提案された。これは、オレイン酸とリノレン酸の薄膜を水溶液緩衝液において振盪することによって形成された。しかし、閉鎖2重層の膜構造は、pH6〜8の範囲外では不安定で、遠心分離による濃縮が不可能であるという問題を有している。
【0007】
その後、Kunitake等により、ジアルキルジメチルアンモニウム(Dialkyl dimethyl ammonium) 塩とジヘキサデシルホスフェート(dihexadecyl phosphate) とを超音波分散させることによって形成されるベシクルが提案され、これは、全範囲のpHにおいて安定に形成された。しかし、これらの合成の界面活性剤ベシクルは、熱力学的に不安定であるため、長期保存時に互いに融合し、沈澱するので、その応用において難しい点がある。
【0008】
最近、合成のベシクルの安定性を向上させるため、“ベシクルの高分子化”が提案され、既にベシクルという概念以前に、一列のアルキル鎖よりなる両親媒性分子の高分子化された形態として“ポリソープ(polysoap)”というものが知られているが、この高分子化されたベシクルの概念と共に活発に研究されている。
【0009】
そこで、本発明者等は、高分子化された両親媒性ベシクルの開発に研究を重ねた結果、ビタミンE又はポリエトキシ化ビタミンEは、ベシクルの疎水性基として用いられるに充分な疎水性性質及び配向特性を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、ビタミンEは二つの構造的特徴を有し、その第一は、フェノール性ヒドロキシ基(−OH)を有するクロマン環(chromane ring) システムであり、その第二はフィトール(phytol)から誘導された分枝側鎖である。生理活性は、主にクロマン環でのメチル化の有様と、三つの非対称中心の立体配列に依存する。ビタミンEは、フェノール性ヒドロキシ基により優れた抗酸化作用を示し、ある程度の極性を示す。また、フィトールから誘導される分枝側鎖により、ビタミンEは親油性(lipophilic)を呈し、生体膜に挿入し易くなる。このように、ビタミンEは、疎水性性質と配向特性を有するため、ベクシルの疎水性基として導入することができ、特に生体内への適合性に優れているだけでなく、それ自体が界面活性を示し、皮膚や毛髪の酸化保護作用、紫外線からの皮膚保護作用、抗炎症作用等の優れた抗酸化作用を有しているので、生体内への適合性に優れつつ、抗酸化生理活性機能を有する高分子両親媒性ベシクルを提供する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、優れた熱力学的安定性を有して生体内への適合性に優れていると共に、抗酸化生理活性機能及びベシクル形成能を有する両親媒性高分子を形成することができる陽イオン性ビタミンE誘導体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記陽イオン性ビタミンE誘導体を重合させることにより得られ、優れた熱力学的安定性を有して生体内への適合性に優れていると共に、抗酸化生理活性機能及びベシクル形成能を有する両親媒性高分子を提供することにある。更に、本発明の他の目的及び適用は、下記発明の詳細な説明等から当業者に明らかであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)
【0013】
【化6】
Figure 0003860246
【0014】
〔但し、式中、nは0〜50の整数であり、Aは−CH2 −CH(CH3 )−又は−CH=C(CH3 )−であり、Bは5−位、7−位又は8−位のうちの少なくとも一つの位置に結合された−CH3 であり、mは1〜3の整数であり、Rは下記一般式(II)
【0015】
【化7】
Figure 0003860246
【0016】
(但し、式中、R1 は−H又は−CH3 であり、XはF、Cl、Br又はIを示す)で表されるアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体である〕で表される陽イオン性ビタミンE誘導体である。
【0017】
また、本発明は、上記一般式(I)で表される陽イオン性ビタミンE誘導体を高分子化させて得られた下記一般式(III)
【0018】
【化8】
Figure 0003860246
【0019】
(但し、式中、n、A、B、及びmは上記一般式(I)で定義した通りであり、また、Pは高分子の重合度を示すものであって10〜200,000の整数である)で表される両親媒性高分子ベシクルである。
【0020】
更に、本発明は、上記一般式(I)で表される陽イオン性ビタミンE誘導体の製造方法であり、
工程1:下記一般式(IV)で表されるビタミンE又はポリエトキシ化ビタミンEをハロアセト酸又はハロアセト酸無水物と反応させ、下記一般式(V)で表されるビタミンEハロアセテート又はポリエトキシ化ビタミンEハロアセテートを合成し、
【0021】
【化9】
Figure 0003860246
【0022】
(但し、式中、n、A、B及びmは上記一般式(I)で定義した通りであり、XはF、Cl、Br又はIを示す)
工程2:上記工程1で得られた一般式(V)の化合物と、下記一般式(VI)
【0023】
【化10】
Figure 0003860246
【0024】
(但し、式中、R1 は上記一般式(II)で定義した通りである)で表されるアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体とを反応させる、陽イオン性ビタミンE誘導体の製造方法である。
【0025】
本発明の製造方法で用いれるビタミンEは合成ビタミンE又は天然ビタミンEであり、合成ビタミンEとしては、dl−αトコフェロール、dl−βトコフェロール、dl−γトコフェロール及びdl−δトコフェロールから選ばれる。
【0026】
また、本発明の製造方法に使用されるポリエトキシ化ビタミンE中のエチレンオキサイドの付加モル数は、得られる両親媒性高分子ベシクルの水溶解性と、規則的な配列に必要な流動性及び結晶性のため、1〜50モルの範囲が好ましい。
【0027】
また、上記製造方法における工程2の反応は、40〜100℃の温度範囲、好ましくは70〜80℃の温度範囲で実施するのがよい。また、反応は、有機溶媒中で実施され、例えばジオキサン、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン等を反応溶媒として使用することができる。
【0028】
また、本発明による一般式(III)の両親媒性高分子ベシクルは、上記した製造方法により製造される一般式(I)の陽イオン性ビタミンE誘導体を超音波分散させた後、高分子化させることによって得ることができる。この際、適当な流動性及び配列安定性のため、重合度は10〜200,000の範囲が好ましい。
【0029】
上記した製造方法により得られる一般式(I)の化合物は、ビタミンE又はポリエトキシ化ビタミンEで構成された疎水性基に四級窒素の陽イオン性基を結合させたものであり、超音波分散、シリンダ噴射等によりベシクルを形成することができ、分子内に2重結合を有することから、ラジカル又は紫外線照射(UV radiation)により容易に高分子とすることができる。
【0030】
本発明により得られた両親媒性高分子ベシクルは、医薬品及び化粧品等に使用する場合、分子内の陽イオン性基により基剤内の有効水溶性及び油溶性物質との相溶性がよく、また、これらの有効物質の皮膚との親和性を向上させてその効果を改善することができる。また、ビタミンEに比べて向上された保湿性及び酸化安定性を有し、しかもそれ自体が抗酸化力を有しているので、酸化し易い生理活性物質を安定に保存して生体に伝達することができると同時に、生体膜の酸化を防いで生体の老化を遅延させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を単に例示するものにすぎないし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0032】
(1)ビタミンEハロゲン化アセテートの合成
実施例1:ビタミンEクロロアセテートの合成
合成ビタミンE(10g、23.2mM)とトリエチルアミン(3.5g、34.6mM)とをクロロホルム50mlに溶かした後、氷上で攪拌しながら、クロロアセト酸無水物(4.76g、27.8mM)を滴下し、滴下終了後、室温で3時間反応させた。
【0033】
得られた反応溶液を水50mlと5%炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )溶液50mlとで洗浄し、更に水で洗浄した。洗浄後、硫酸ナトリウム(Na2 SO4 )で脱水し、減圧蒸留してトコフェリルクロロアセテート(tocopheryl chloroacetate)(10.5g、収率93%)を得た。
【0034】
実施例2:ビタミンEブロモアセテートの合成
ビタミンE(10g、23.2mM)とトリエチルアミン(2.8g、27.7mM)とをクロロホルム50mlに溶かした後、氷上で攪拌しながら、ブロモアセチルクロライド(4.0g、25.5mM)を滴下し、滴下終了後、室温で3時間反応させた。
【0035】
得られた反応溶液を水50mlと5%炭酸水素ナトリウム溶液50mlとで洗浄し、更に水で洗浄した。洗浄後、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧蒸留してトコフェリルブロモアセテート(tocopheryl bromoacetate) (11.4g、収率89%)を得た。
【0036】
実施例3:ビタミンEブロモアセテートの合成
ブロモアセテート(3.7g、26.7mM)をメチレンクロライドに溶かした後、−10℃以下でジシクロヘキシルカルボジイミド(4.8g、23.2mM)を徐々に加えた後、室温で3時間攪拌した。
天然ビタミンE(10g、23.2mM)とトリエチルアミン(2.8g、27.7mM)とをクロロホルム50mlに溶かした後、氷上で攪拌させながら、上で得られた溶液を滴下し、滴下終了後、室温で24時間反応させた。
【0037】
得られた反応溶液を水50mlと5%炭酸水素ナトリウム溶液50mlとで洗浄し、更に水で洗浄した。洗浄後、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧蒸留してビタミンEブロモアセテート(11.5g、収率90%)を得た。
【0038】
実施例4:ポリエトキシ化ビタミンEクロロアセテートの合成
ポリエトキシ化ビタミンE(n=20、23.2mM)と、トリエチルアミン(34.6mM)とをクロロホルム50mlに溶かした後、氷上で攪拌しながら、クロロアセト酸無水物(4.76g、27.8mM)を滴下し、滴下終了後、室温で3時間反応させた。
【0039】
得られた反応溶液を水50mlと5%炭酸水素ナトリウム溶液50mlとで洗浄し、更に水で洗浄した。洗浄後、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧蒸留してポリエトキシ化ビタミンEクロロアセテート(収率90%)を得た。
【0040】
(2)陽イオン性ビタミンE誘導体の合成
実施例5
ビタミンEクロロアセテート(10g、19.6mM)と2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(6.2g、39.2mM)とを無水1,4−ジオキサンに溶かした後、48時間加熱下に還流させた。得られた懸濁溶液を濾過した後、1,4−ジオキサンで洗浄し、精製して一般式(I)の化合物である陽イオン性ビタミンE誘導体(5g、収率38.3%)を得た。
得られた化合物の構造を、 1H−NMR(図1)及びIR(図2)により確認した。
【0041】
実施例6
ビタミンEクロロアセテートに代えてビタミンEブロモアセテートを使用した以外は、上記実施例5と同様の方法で実施し、一般式(I)の化合物(収率45%)を得た。
【0042】
実施例7
ビタミンEクロロアセテートに代えてポリエトキシ化ビタミンE(n=20)クロロアセテートを使用した以外は、上記実施例5と同様の方法で実施し、一般式(I)の化合物(収率42%)を得た。
【0043】
実施例8
ビタミンEクロロアセテート(10g、19.6mM)と2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(6.2g、39.2mM)とをテトラヒドロフランに溶かした後、上記実施例5と同様の方法で実施し、一般式(I)の化合物(収率48%)を得た。
【0044】
実施例9
ビタミンEクロロアセテートに代えてビタミンEブロモアセテートを使用した以外は、上記実施例8と同様の方法で実施し、一般式(I)の化合物(収率50%)を得た。
【0045】
(3)両親媒性高分子ベシクルの合成
実施例10:水中で重合された両親媒性高分子ベシクルの合成
実施例5で得られた化合物1.33gをイオン交換水50mlに超音波分散させた後、過硫酸カリウム(potassium persulfate:K2 2 8 )4mgを自由ラジカル開始剤として用いて35℃で攪拌しながら重合し、トロフェロールを含有する高分子ベシクルを得た。反応中においての酸化を防ぐため、重合反応は空気を窒素で置換して窒素雰囲気下で実施した。
【0046】
この重合反応は非常に遅く進行するが、これは、実施例5の化合物の疎水性基がかなり大きくて親水性が弱いためであろうと推定される。得られた両親媒性高分子ベシクルの構造は、光学顕微鏡とTEM(JEOL. TEM-100cx )により観察でき、多少不規則的な直径400〜1200Åの球形状の閉鎖型ベシクルが確認された。
【0047】
実施例11
実施例5で得られた化合物に代えて実施例7で得られた化合物を使用した以外は、上記実施例10と同様の方法で実施し、両親媒性高分子ベシクルを得た。
【0048】
実施例12:エタノール中で重合された両親媒性高分子ベシクルの合成
実施例5で得られた化合物1.5gをエタノール溶液50mlに超音波分散させた後、アゾイソブチロニトリル(Azoisobutyronitrile:AIBN)2mgを自由ラジカル開始剤として用いて攪拌しながら重合した。重合反応は、重合反応前にドライアイス及び真空パンプを用いて反応機内の空気を脱気させて実施し、また、70℃まで徐々に加熱しつつ進行させた。
【0049】
得られた重合体を、更に60℃のイオン交換水に0.5%溶液で超音波分散させてベシクルを形成した。形成された高分子ベシクルの化学的構造は、 1H−NMR(図3)及びIR(図4)により確認した。また、光学顕微鏡とTEM(JEOL. TEM-100cx )により直径500〜1300Åの閉鎖型ベシクルを確認することができた。
【0050】
実施例13
実施例5で得られた化合物に代えて実施例7で得られた化合物を使用した以外は、上記実施例12と同様の方法で実施し、両親媒性高分子ベシクルを得た。
【0051】
試験例1:熱安定度試験
実施例10〜13で得られた両親媒性高分子ベシクルを37℃の恒温槽内に5か月間放置し、融合又は沈殿現象の発生の有無を調べた。
また、実施例10〜13で得られた両親媒性高分子ベシクルを90℃で1時間加熱し、次いで室温まで冷却させた後に常温で3か月間放置し、融合又は沈殿現象の発生の有無を調べた。
結果は、実施例10〜13の両親媒性高分子ベシクルは、その何れも融合又は沈殿現象を生ずることなく、安定していた。
【0052】
試験例2:酸化安定度試験
メチレンブルーの退色により還元力を判断する試験法により、ビタミンE、ビタミンEアセテート、実施例5で得られた陽イオン性ビタミンE誘導体、実施例10で得られた両親媒性高分子ベシクル、実施例7で得られた陽イオン性ビタミンE誘導体、及び実施例11で得られた両親媒性高分子ベシクルについて、その酸化安定度を確認した。
【0053】
各々の試料100mgを試験官に入れ、精製水100mlずつを加えた後、水酸化ナトリウムを加え、溶液のpHを弱アルカリ性になるようにした後、60℃まで加温し、0.1%のメチレンブルー水溶液10mlを各々加えた。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0003860246
【0055】
上記表1の結果から、本発明の陽イオン性ビタミンE誘導体及び両親媒性高分子ベシクルは、ビタミンEアセテートと同じ程度の酸化安定性を示すことが判明した。
【0056】
試験例3:抗酸化力試験
本発明の実施例5と実施例7で得られた陽イオン性ビタミンE誘導体、及び実施例7と実施例11で得られた両親媒性高分子ベシクルの抗酸化力を、次の二つの方法により測定した。また、効果の比較のため、ビタミンE、ビタミンEアセテート、天然の不飽和レシチン(Soybean Lecithin)、合成飽和燐脂質であるジパルミトイル ホスファチジルコリン(dipalmitoyl phosphatidylcoline)、α,α’−ジヘキシサデシルオキシグリセリル−オキシカルボニルメチル−2−(メタクリルオキシ)エチルジメチルアンモニウムクロライド(DHMEA)、及びこのDHMEAを重合させて得られた両親媒性高分子ベシクルの抗酸化力を測定した。結果を表2に示す。
【0057】
試験法3−1:DPPHを用いた抗酸化力試験
DPPH(diphenylpicrylhydrazyl:ジフェニルピクリルヒドラジル)は、ラジカルと反応して安定した化合物となる強力なラジカル反応禁止剤であって、抗酸化力のある物質と反応して発色される性質を有している。本試験は、かかる性質を利用したものである。
すなわち、試験官にDPPHを約50mlほど入れ、測定物質を滴加し、水層内で約30分間37℃で維持した。この際、色相変化がない試料は、抗酸化性がないことを意味し、目視による測定が困難である場合は、UVで測定した。
【0058】
試験法3−2:リノール酸(linoleic acid)を用いた抗酸化試験
リノール酸は、二重結合を二つ有する化合物であり、たやすく酸化され、過酸化物で変わる性質を有している。本試験は、かかる性質を利用したものである。すなわち、エタノール120mlに、2.5%のリノール酸のエタノール溶液2.88mlと40mMの燐酸塩緩衝液(pH7.0)9mlとを混合した対照試料液を40℃の暗室に保管した。一定時間間隔でサンプルを採取して、試料が変化しない時間を“抗酸化力の持続時間”とした。
上で得られた化合物0.1mlに、75%のエタノール9.7mlと30%のアンモニウムチオシアネート0.1mlとを加えた。この際、各試料0.1mlずつを滴加し、3分経過後、UV吸光度を測定した。吸光度が低いほど抗酸化性が良好なものである。
【0059】
【表2】
Figure 0003860246
【0060】
上記表2の結果から、本発明の陽イオン性ビタミンE誘導体及び両親媒性高分子ベシクルは、ビタミンEと同じ程度の抗酸化力を示すことが判明した。
【0061】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明による一般式(I)の化合物は、ビタミンE又はポリエトキシ化ビタミンEで構成された疎水性基に四級窒素の陽イオン性基を結合させたものであり、超音波分散、シリンダ噴射等によりベシクルを形成することができ、分子内に2重結合を有することにより、ラジカル又は紫外線照射(UV radiation)により容易に高分子化されることができる。
【0062】
また、本発明による両親媒性高分子ベシクルは、分子内の陽イオン性基により、医薬品及び化粧品等に使用する場合、基剤内の有効水溶性及び油溶性物質との相溶性がよく、また、これらの有効物質の皮膚との親和性を向上させてその効果を改善することができる。また、ビタミンEに比べて向上された保湿性及び酸化安定性を有し、しかもその自体が抗酸化力を有しているので、酸化しやすい生理活性物質を安定に保存して生体に伝達することができると同時に、生体膜の酸化を防いで生体の老化を遅延させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例5の一般式(I)化合物の 1H−NMRスペクトルを示すチャート図である。
【図2】 図2は、実施例5の一般式(I)化合物のIRスペクトルを示すチャート図である。
【図3】 図3は、水中で重合された実施例11の両親媒性高分子ベシクルの 1H−NMRスペクトルを示すチャート図である。
【図4】 図4は、エタノール中で重合された実施例11の両親媒性高分子ベシクルのIRスペクトルを示すチャート図である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0003860246
    〔但し、式中、nは0〜50の整数であり、Aは−CH2 −CH(CH3 )−又は−CH=C(CH3 )−であり、Bは5−位、7−位又は8−位のうちの少なくとも一つの位置に結合された−CH3 であり、mは1〜3の整数であり、Rは下記一般式(II)
    Figure 0003860246
    (但し、式中、R1 は−H又は−CH3 であり、XはF、Cl、Br又はIを示す)で表されるアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体である〕で表される陽イオン性ビタミンE誘導体。
  2. 請求項1の一般式(I)で表される陽イオン性ビタミンE誘導体を高分子化させて得られた下記一般式(III)
    Figure 0003860246
    (但し、式中、n、A、B、及びmは上記一般式(I)で定義した通りであり、また、Pは高分子の重合度を示すものであって10〜200,000の整数である)で表されるベシクルを形成し得る両親媒性高分子
  3. 請求項1の一般式(I)で表される陽イオン性ビタミンE誘導体の製造方法であり、工程1:下記一般式(IV)で表されるビタミンE又はポリエトキシ化ビタミンEをハロアセト酸又はハロアセト酸無水物と反応させ、下記一般式(V)で表されるビタミンEハロアセテート又はポリエトキシ化ビタミンEハロアセテートを合成し、
    Figure 0003860246
    (但し、式中、n、A、B及びmは上記一般式(I)で定義した通りであり、XはF、Cl、Br又はIを示す)
    工程2:上記工程1で得られた一般式(V)の化合物と、下記一般式(VI)
    Figure 0003860246
    (但し、式中、R1 は上記一般式(II)で定義した通りである)で表されるアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体とを反応させることを特徴とする陽イオン性ビタミンE誘導体の製造方法。
  4. ビタミンEは、合成ビタミンE又は天然ビタミンEであることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 合成ビタミンEは、dl−αトコフェロール、dl−βトコフェロール、dl−γトコフェロール又はdl−δトコフェロールから選ばれることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
  6. 工程2の反応温度が40〜100℃の範囲であり、溶媒がジオキサン、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)又はテトラヒドロフランであることを特徴とする請求項3記載の製造方法。
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