JP3860014B2 - Xy位置決め制御装置及び電子部品搭載装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送対象物をXY位置移動自在に位置決めするXY位置決め制御装置及び電子部品を搭載する電子部品搭載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子部品の搭載を行なうヘッドや、部材を切削加工等するための工具を、XY平面の所定位置に正確に位置決めするXY位置決め制御装置を備えた、電子部品を回路基板に搭載するための電子部品搭載装置や、各種工作機械等があった。
【0003】
ここで、図7を参照して、従来の電子部品搭載装置を説明する。電子部品搭載装置は、XY平面の所定位置に位置決め制御するガントリ型(門形移動型)のXY位置決め制御装置30と、電子部品を供給する図示しない部品供給体と、回路基板を搬送するための図示しない基板搬送装置とからなる。
【0004】
XY位置決め制御装置30は、基板搬送装置に対して直角に、かつ、基板搬送装置を跨ぐようにして設けられる二本の支持梁32A,32Bと、Y軸方向へ移動自在となるように二本の支持梁32A,32B間に架け渡されるビーム33と、ビーム33の長手方向に移動自在に取付けられるヘッド34と、ヘッド34に搭載され部品供給体から電子部品を吸着して回路基板上の所定位置に装着する吸着ノズル31と、ビーム33の各端で支持梁32A,32Bそれぞれの長手方向の移動の駆動力を供給するY軸回転モータ35A,35Bと、Y軸回転モータ35A,35Bから供給された駆動力をビーム33にそれぞれ伝えるY軸タイミングベルト36A,36Bと、ヘッド34に対してビーム33の長手方向の移動の駆動力を供給するX軸モータ37と、X軸モータ37から供給された駆動力をヘッド34に伝えるX軸タイミングベルト38とを有する。
【0005】
また、XY位置決め制御装置30は、ビーム33のY軸位置を検出するための位置検出手段であり、支持梁32A,32Bにそれぞれ設けられたY軸リニアエンコーダ39A,39Bと、ヘッド34のX軸位置を検出するための図示しない位置検出手段であるX軸リニアエンコーダと、CPU41(Central Processing Unit)を含みビーム33をY軸方向に位置決め制御するY軸位置決め制御部40a,40bを備えまたヘッド34をX軸方向に位置決め制御する制御手段とを有する。図7に示すように、ビーム33の長手方向をX軸方向、支持梁32A、32Bそれぞれの長手方向をY1軸方向、Y2軸方向とする。
【0006】
電子部品搭載装置は、CPU41が出力する位置指令(ビーム33及びヘッド34の位置、回路基板上への電子部品の搭載位置、部品供給体上の電子部品の吸着位置等に関する情報)に基づいて、Y軸位置決め制御部40a,40bを含める制御手段が、各駆動手段の駆動を制御することで、ヘッド34を部品供給体上の所定位置に移動させ、ヘッド34が備える吸着ノズル31により電子部品を吸着する。そして、ヘッド34を、回路基板搬送装置で搬送された回路基板上の所定位置に移動させ、電子部品を回路基板に装着する構造となっている。
【0007】
XY位置決め制御装置30の位置決め制御方式としては、X軸、Y1軸及びY2軸それぞれの軸にリニアエンコーダを配置し、位置決め制御を行う全軸式位置決め制御方式と、Y1軸、Y2軸の片方とX軸にリニアエンコーダを配置し、位置決め制御を行うマスタスレーブ式位置決め制御方式とがあった。
【0008】
ここで、各位置決め方式のY軸の位置決め動作を説明する。先ず、図8を参照して全軸式位置決め制御方式を説明する。全軸式位置決め制御方式は、Y1軸のY軸回転モータ35AとY2軸のY軸回転モータ35Bとにおいてそれぞれ位置検出及びトルク制御してビーム33を位置制御する。Y軸位置決め制御部40aは、CPU41、位置偏差比例増幅器42A,42B、速度リミッタ43A,43B、速度偏差PI演算部44A,44B、電流リミッタ45A,45B、低域フィルタ46A,46B、速度演算部47A,47Bとを設ける。
【0009】
先ず、CPU41から目標位置の信号である位置指令を出力し、位置偏差比例増幅器42Aで当該位置指令と、Y軸リニアエンコーダ39Aからの位置フィードバック信号との偏差を比例演算して、目標位置に対応する速度の信号である速度指令を出力し、速度リミッタ43Aで過度の速度にならないよう制限し、速度偏差PI演算部44Aで、速度リミッタ43Aからの速度指令と速度演算部47Aからの速度フィードバック信号との偏差を積分演算して、当該偏差と積分値との和を比例演算して、速度に対応する電流の信号であるトルク指令(電流指令)を出力し、電流リミッタ45Aで当該トルク指令が過度の電流とならないよう制限し、低域フィルタ46Aで当該トルク指令の低域ノイズを除去して出力し、当該トルク指令を電流アンプ48Aで増幅してY軸リニアモータ35Aに入力する。
【0010】
増幅したトルク指令をY軸回転モータ35Aに入力することにより、Y軸回転モータ35Aのトルクを制御し、ビーム33の位置を制御する。Y2軸側のY軸回転モータ35Bも同様に、CPU41からの位置指令を、Y軸リニアエンコーダ39Bからの位置フィードバック信号及び速度演算部47Bからの速度フィードバック信号を用いて、位置偏差比例増幅器42B、速度リミッタ43B、速度偏差PI演算部44B、電流リミッタ45B、低域フィルタ46B、電流アンプ48Bを介して、Y軸回転モータ35Bに増幅したトルク指令を入力して、Y軸回転モータ35Bのトルクを制御し、ビーム33の位置決め制御を行う。
【0011】
次に、図9を参照して、マスタスレーブ式位置決め制御方式を説明する。マスタスレーブ式位置決め制御方式は、マスタ側であるY1軸側のY軸回転モータ35Aにおいて位置検出してトルク制御し、スレーブ側であるY2軸側のY軸回転モータ35BにおいてY1側のトルク指令を用いてトルク制御し、ビーム33を位置制御する。Y軸位置決め制御部40bは、CPU41、位置偏差比例増幅器42A、速度リミッタ43A、速度偏差PI演算部44A、電流リミッタ45A、低域フィルタ46A、速度演算部47Aとを設ける。
【0012】
全軸式位置決め制御方式と同様に、Y1軸側では、CPU41から位置指令を出力し、Y軸リニアエンコーダ39Aからの位置フィードバック信号と、速度演算部47Aからの速度フィードバック信号を用いて、位置偏差比例増幅器42A、速度リミッタ43A、速度偏差PI演算部44A、電流リミッタ45A、低域フィルタ46Aを介してトルク指令を出力し、電流アンプ48Aで増幅してY軸回転モータ35Aに入力する。Y2軸側では、低域フィルタ46Aから出力されたトルク指令を電流アンプ48Bで増幅してY軸回転モータ35Bに入力し、ビーム33の位置決めの制御を行う。
【0013】
つまり、全軸式位置決め制御方式では、同一の位置指令を入力し、Y1軸、Y2軸それぞれに位置フィードバック信号及び速度フィードバック信号を用いて各軸のトルク指令を出力し、Y軸回転モータ35A,35Bそれぞれのビーム33位置のサーボ制御を行い、マスタスレーブ式位置決め制御方式では、位置指令を入力し、Y1軸に位置フィードバック信号及び速度フィードバック信号を用いてトルク指令を出力し、Y軸回転モータ35Aのビーム33位置のサーボ制御を行い、Y1軸と同一のトルク指令を用いてY軸回転モータ35Bで、ビーム33の位置決め制御を行う。
【0014】
また、ここでは、X軸回転モータ37、X軸タイミングベルト38、Y軸回転モータ35A,35B、タイミングベルト36A,36Bを駆動手段として用いたが、リニアモータ等の駆動手段も用いられている。また、マスタスレーブ式位置決め制御方式でY1軸側をスレーブ側、Y2軸側をマスタ側とする構成でもよい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の全軸式位置決め制御方式では、Y軸方向へのビーム33の位置決めは、Y1軸及びY2軸の両方でそれぞれに制御を行うため、Y1軸、Y2軸それぞれのリニアエンコーダが非常に高い精度で設置されていない限り互いに外力が働き干渉を生ずる。例えば、支持梁32A,32Bのピッチング方向、ヨーイング方向等のずれにより干渉を生ずる。
【0016】
これは、Y1軸、Y2軸に同じ位置決めの位置指令を与えると、各軸で自リニアエンコーダ上の目標位置に位置決めを行うが、各軸の目標位置は完全に一致しているわけではないため、一方の軸側が他方の軸側にそれぞれ干渉する外力をビーム33に与え合うこととなっていた。Y1軸、Y2軸のリニアエンコーダを十分に高い精度で揃えて設置するのは事実上困難であり、また、リニアエンコーダ自身の精度を高めるにも限界があった。
【0017】
通常、位置決め制御では、偏差を収束させるため速度偏差PI演算部44A,44Bで速度の偏差を積分演算させる制御を行っているが、Y1軸、Y2軸がそれぞれ他方からの干渉する外力を打ち消して目標位置に収束しようとすると、トルク指令(電流指令)は、どんどん増大してしまうこととなる。
【0018】
前記干渉は、ビーム33の剛性が高い程、お互いに強い外力が働くため、顕著な問題となって現れる。また、駆動手段としてタイミングベルト36A,36Bを使用した場合、ベルトのたるみによって外力がいくらか吸収されるが、ベルトのたるみによって位置決めの精度を上げることができない。リニアモータを使用した場合、高精度の位置決めの制御を行うことができるが、外力は吸収されない。
【0019】
しかし、ビーム33の剛性を低くすると、制御ゲインを上げることができず、位置決め目標への整定時間(目標位置へ位置決め終了するまでの時間)が遅くなる等の問題が生じていた。よって、全軸式位置決め制御方式の位置決め制御は、外力の干渉により、余分な電力の消費やモータの温度上昇、場合によってはビーム33の破損等の問題まで生じていた。
【0020】
また、マスタスレーブ式位置決め制御方式では、全軸式位置決め制御方式のような干渉の問題は生じないが、位置決めの精度を出すのは、ビーム33の剛性のみに頼ることとなる。例えば、剛性が低いとスレーブ側の位置決めの精度は低くなる。よって、マスタスレーブ式位置決め制御方式の位置決め制御は、スレーブ側の位置決めの精度は実質的に保証されず、正確な位置決めができないおそれがある。
【0021】
本発明の課題は、全軸式位置決め制御方式において移動体への外力の干渉を避けることである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、X軸方向に沿って延在し、X軸方向に直交するY軸方向に沿って移動自在にされると共に、搬送対象物(例えば、図1に示すヘッド4)をX軸方向に移動自在に支持する移動体(例えば、図1に示すビーム3)と、当該移動体の両端部をそれぞれ第1及び第2のY軸方向に沿って案内する第1及び第2のガイド部材(例えば、図1に示す支持梁2A,2B)と、前記移動体の各端部の第1及び第2のY軸方向それぞれの位置を検出する第1及び第2のリニアエンコーダ(例えば、図2に示すY軸リニアエンコーダ7A,7B)と、第1及び第2のY軸それぞれに沿って前記移動体を移動させる第1及び第2の駆動手段(例えば、図2に示すY軸リニアモータ5A,5B)と、前記第1及び第2のリニアエンコーダから出力された位置情報を用いて第1及び第2の駆動手段に前記移動体をY軸方向へ移動させ、前記搬送対象物をX軸方向に移動させて位置決め制御する制御手段(例えば、図3に示すY軸位置決め制御部10を含める制御手段)とを備えるXY位置決め制御装置であって、前記制御手段は、実駆動前に、前記第1の駆動手段のモータを励磁し前記移動体を停止した状態でスタンバイし、前記第2の駆動手段のモータを非励磁とし、前記移動体がフリーランとなる状態にし、前記第1の駆動手段に、前記移動体のモータを励磁したまま、移動可能な任意の位置としての少なくとも1つの第1のY軸の所定位置へ移動させ、前記移動体の前記第1のY軸の所定位置への移動後、前記第2のリニアエンコーダに、前記移動体の第2のY軸の所定位置情報を検出させ、前記第1及び第2の駆動手段のモータを励磁した実駆動時に、前記第1の駆動手段に、前記移動体を実駆動の位置である実駆動位置へ移動させ、前記第2の駆動手段に、前記移動体を、前記第1のY軸の所定位置に対する前記第2のY軸の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させるXY位置決め制御装置であることを特徴とする。
【0023】
請求項1記載の発明によれば、高精度な位置決めを行う全軸式位置決め制御方式において、第1のY軸側で移動体を少なくとも1つの任意の所定位置に位置移動した際の少なくとも1つの第2のY軸の所定位置情報を検出し、実駆動時に、第1のY軸側で移動体を実駆動位置へ移動させ、第2のY軸側で、移動体を、第1のY軸の所定位置に対する検出した第2のY軸の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させる。
【0024】
従って、請求項1記載の発明によれば、第1のY軸側と第2のY軸側から移動体に働く外力の干渉を避けることができ、これにより、移動体の剛性を高くでき、高速で制御ゲインの高い位置決め制御を行うことができ、また、外力の干渉による、移動体の破損、第1及び第2の駆動手段の温度の上昇、並びに、余分な電力の消費を避けることができる。
【0025】
請求項2記載の発明は、X軸方向に沿って延在し、X軸方向に直交するY軸方向に沿って移動自在にさせると共に、搬送対象物をX軸方向に移動自在に支持する移動体と、当該移動体の両端部をそれぞれ第1及び第2のY軸方向に沿って案内する第1及び第2のガイド部材と、前記移動体の各端部の第1及び第2のY軸方向それぞれの位置を検出する第1及び第2のリニアエンコーダと、第1及び第2のY軸それぞれに沿って前記移動体を移動させる第1及び第2の駆動手段と、前記第1及び第2のリニアエンコーダから出力された位置情報を用いて第1及び第2の駆動手段に前記移動体をY軸方向へ移動させ、前記搬送対象物をX軸方向に移動させて位置決め制御する制御手段とを備えるXY位置決め制御装置であって、前記制御手段は、実駆動前に、前記第2の駆動手段のモータを励磁し前記移動体を停止した状態でスタンバイし、前記第1の駆動手段のモータを非励磁とし、前記移動体がフリーランとなる状態にし、前記第2の駆動手段のモータを励磁したまま、前記移動体を、移動可能な任意の位置としての少なくとも1つの第1のY軸の所定位置へ移動させ、前記移動体の前記第1のY軸の所定位置への移動後、前記第2のリニアエンコーダに、前記移動体の第2のY軸の所定位置情報を検出させ、前記第1及び第2の駆動手段のモータを励磁した実駆動時に、前記第1の駆動手段に、前記移動体を実駆動の位置である実駆動位置へ移動させ、前記第2の駆動手段に、前記移動体を、前記第1のY軸の所定位置に対する前記第2のY軸の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させるXY位置決め制御装置であることを特徴とする。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、高精度な位置決めを行う全軸式位置決め制御方式において、第2のY軸側で、移動体を第1のY軸の少なくとも1つの任意の所定位置に位置移動した際の少なくとも1つの第2のY軸の所定位置情報を検出し、実駆動時に、第1のY軸側で移動体を実駆動位置へ移動させ、第2のY軸側で、移動体を、第1のY軸の所定位置に対する検出した第2のY軸の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させる。
【0027】
従って、請求項2記載の発明によれば、第1のY軸側と第2のY軸側から移動体に働く外力の干渉を避けることができ、これにより、移動体の剛性を高くでき、高速で制御ゲインの高い位置決め制御を行うことができ、外力の干渉による、移動体の破損、第1及び第2の駆動手段の温度の上昇、並びに、余分な電力の消費を避けることができる。
【0028】
請求項3記載の発明は、X軸方向に沿って延在し、X軸方向に直交するY軸方向に沿って移動自在にさせると共に、搬送対象物をX軸方向に移動自在に支持する移動体と、当該移動体の両端部をそれぞれ第1及び第2のY軸方向に沿って案内する第1及び第2のガイド部材と、前記移動体の各端部の第1及び第2のY軸方向それぞれの位置を検出する第1及び第2のリニアエンコーダと、第1及び第2のY軸それぞれに沿って前記移動体を移動させる第1及び第2の駆動手段と、前記第1及び第2のリニアエンコーダから出力された位置情報を用いて第1及び第2の駆動手段に前記移動体をY軸方向へ移動させ、前記搬送対象物をX軸方向に移動させて位置決め制御する制御手段とを備えるXY位置決め制御装置であって、前記制御手段は、実駆動前に、前記第1の駆動手段のモータを励磁し前記移動体を停止した状態でスタンバイし、前記第2の駆動手段のモータを非励磁とし、前記移動体がフリーランとなる状態にし、前記第1の駆動手段のモータを励磁したまま、前記移動体を、移動可能な任意の位置としての少なくとも1つの第1のY軸の第1の所定位置へ移動させ、前記移動体の前記第1のY軸の第1の所定位置への移動後、前記第2の位置検出手段に、前記移動体の第2のY軸の第1の所定位置情報を検出させ、前記第2の駆動手段のモータを励磁し前記移動体を停止した状態でスタンバイし、前記第1の駆動手段のモータを非励磁とし、前記移動体がフリーランとなる状態にし、前記第2の駆動手段のモータを励磁したまま、前記移動体を、移動可能な任意の位置としての少なくとも1つの第1のY軸の第2の所定位置へ移動させ、前記移動体の前記第1のY軸の第2の所定位置への移動後、前記第2のリニアエンコーダに、前記移動体の第2のY軸の第2の所定位置情報を検出させ、前記第1及び第2の駆動手段のモータを励磁した実駆動時に、前記第1の駆動手段に、前記移動体を実駆動の位置である実駆動位置へ移動させ、前記第2の駆動手段に、前記移動体を、前記第1のY軸の第1の所定位置に対する前記第2のY軸の第1の所定位置情報の誤差、及び、前記第1のY軸の第2の所定位置に対する前記第2のY軸の第2の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させるXY位置決め制御装置であることを特徴とする。
【0029】
請求項3記載の発明によれば、高精度な位置決めを行う全軸式位置決め制御方式において、移動体を第1のY軸の少なくとも1つの任意の第1の所定位置に位置移動した際の少なくとも1つの第2のY軸の第1の所定位置情報を検出し、第2のY軸側で、移動体を第1のY軸の少なくとも1つの任意の第2の所定位置に位置移動した際の少なくとも1つの第2のY軸の第2の所定位置情報を検出し、実駆動時に、第1のY軸側で移動体を実駆動位置へ移動させ、第2のY軸側で、移動体を、第1のY軸の第1の所定位置に対する検出した第2のY軸の第1の所定位置情報の誤差、及び、第1のY軸の第2の所定位置に対する検出した第2のY軸の第2の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させる。
【0030】
従って、請求項3記載の発明によれば、請求項1及び請求項2の両方の補正を用いた補正により、第1のY軸側と第2のY軸側から移動体に働く外力の干渉を更に効果的に避けることができる。
【0031】
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3の何れかの特徴の第1及び第2の駆動手段が、リニアモータである、XY位置決め制御装置であることを特徴とする。
【0032】
従って、請求項4記載の発明によれば、第1及び第2の駆動手段にリニアモータを用いるので、移動体の更に高精度な位置決め制御を行うことができる。
【0033】
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、3又は4の何れかの特徴のXY位置決め制御装置を具備する電子部品搭載装置であって、前記搬送対象物は、XY位置移動自在に電子部品を回路基板上に搭載する電子部品搭載ヘッドである、電子部品搭載装置であることを特徴とする。
【0034】
従って、請求項5の発明によれば、請求項1乃至4に記載の効果を得ると共に、電子部品を回路基板上の所定位置に高い精度で搭載することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の第1の実施の形態、第2の実施の形態、及び第3の実施の形態につき順に説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
本実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。先ず、装置的特長を図1〜図3を参照して説明する。なお、図面は発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎず、従って発明を図示例に限定するものではない。
【0037】
図1〜図3に示すように、電子部品搭載装置Cは、ヘッドをX軸及びY軸移動自在に位置決めするガントリ型のXY位置決め制御装置Dと、電子部品21を供給する部品供給体23と、電子部品21が搭載される回路基板22を搬送するための基板搬送装置24とからなる。
【0038】
XY位置決め制御装置Dは、基板搬送装置24に対して直角に、かつ、基板搬送装置24を跨ぐようにして設けられる二本の支持梁2A,2Bと、Y軸方向へ移動自在となるように二本の支持梁2A,2B間に架け渡されるビーム3と、ビーム3の長手方向に移動自在に取付けられるヘッド4と、ヘッド4に搭載され部品供給体23から電子部品21を吸着して回路基板22上の所定位置に装着する吸着ノズル1と、ビーム3の各端で支持梁2A,2Bそれぞれの長手方向の移動の駆動力を供給するY軸リニアモータ5A,5Bと、ヘッド4に対してビーム3の長手方向の移動の駆動力を供給するX軸リニアモータ6とを有する。
【0039】
また、XY位置決め制御装置Dは、ビーム3のY軸位置を検出するための位置検出手段であり、支持梁2A,2Bにそれぞれ設けられたY軸リニアエンコーダ7A,7Bと、ヘッド4のX軸位置を検出するための位置検出手段であるX軸リニアエンコーダ8と、CPU11を含みビーム3をY軸方向に位置決め制御するY軸位置決め制御部10を備えまたヘッド4をX軸方向に位置決め制御する制御手段とを有する。図1に示すように、ビーム3の長手方向をX軸方向、支持梁2A、2Bそれぞれの長手方向をY1軸方向、Y2軸方向とする。
【0040】
電子部品搭載装置Cは、CPU11から出力される位置指令(ビーム3及びヘッド4の位置、回路基板22上への電子部品21の搭載位置、部品供給体23上の電子部品21の吸着位置等に関する情報)に基づいて、Y軸位置決め制御部10を含む制御手段でX軸リニアモータ6及びY軸リニアモータ5A,5Bの駆動を制御することで、ヘッド4を部品供給体23上の所定位置に移動させ、ヘッド4が備える吸着ノズル1により電子部品21を吸着する。そして、ヘッド4を、基板搬送装置24で搬送された回路基板22上の所定位置に移動させ、電子部品21を回路基板22に装着する構造となっている。
【0041】
Y軸位置決め制御部10は、各部を中央制御するCPU11と、Y1軸側、Y2軸側それぞれに、位置偏差比例増幅器12A,12B、速度リミッタ13A,13B、速度偏差PI演算部14A,14B、電流リミッタ15A,15B、低域フィルタ16A,16B、速度演算部17A,17Bと、各種データを記憶する記憶部18とを設け、電流アンプ19A,19Bを介してY軸リニアモータ5A,5Bに接続され、また、Y軸リニアエンコーダ7A,7Bとも接続する。
【0042】
XY位置決め制御装置Dは、全軸式位置決め制御方式によりY軸方向の位置決め制御を行い、Y1軸のY軸リニアモータ5AとY2軸のY軸リニアモータ5Bとに対してそれぞれ、ビーム3の位置決めのサーボ制御を行う。本実施の形態では、Y1軸のY軸リニアモータ5A、Y2軸のY軸リニアモータ5Bそれぞれに異なる位置の位置決め制御を行うことができる構成である。
【0043】
ここで、Y1軸のY軸リニアモータ5Aについての位置決め制御を説明する。先ず、CPU11から目標位置の信号である位置指令を出力し、位置偏差比例増幅器12Aで当該位置指令と、Y軸リニアエンコーダ7Aから出力された位置フィードバック信号との偏差を比例演算して、目標位置に対応する速度の信号である速度指令を出力し、速度リミッタ13Aで過度の速度にならないよう制限し、速度偏差PI演算部14Aで、速度リミッタ13Aからの速度指令と速度演算部17Aから出力された速度フィードバック信号との偏差を積分演算して、当該偏差と積分値との和を比例演算して、速度に対応する電流の信号であるトルク指令(電流指令)を出力し、電流リミッタ15Aで当該トルク指令が過度の電流とならないよう制限し、低域フィルタ16Aで当該トルク指令の低域ノイズを除去して出力し、当該トルク指令を電流アンプ19Aで増幅してY軸リニアモータ5Aに入力する。
【0044】
なお、Y軸リニアエンコーダ7Aは、Y1軸側のビーム3の位置を検出し、検出した位置を位置フィードバック信号として出力し、速度演算部17Aは、Y軸リニアエンコーダ7Aからの位置フィードバック信号を微分演算して、速度フィードバック信号を出力する。よって、Y軸位置決め制御部10が、位置指令をトルク指令に変換して、電流アンプ19Aで増幅してY軸リニアモータ5Aに入力することにより、Y軸リニアモータ5Aをトルク指令に対応して駆動させ、ビーム3を位置指令に対応した位置へ移動させて、位置決め制御する。
【0045】
Y2軸側のY軸リニアモータ5Bも同様に、CPU41からの位置指令を、Y軸リニアエンコーダ7Bからの位置フィードバック信号及び速度演算部17Bからの速度フィードバック信号を用いて、位置偏差比例増幅器12B、速度リミッタ13B、速度偏差PI演算部14B、電流リミッタ15B、低域フィルタ16B、電流アンプ19Bを順に介して、Y軸リニアモータ5Bに増幅したトルク指令を入力し、Y軸リニアモータ5Bをトルク指令に対応して駆動させ、ビーム3を位置指令に対応した位置へ移動させて、位置決め制御する。
【0046】
つまり、Y1軸側のY軸リニアモータ5Aと、Y2軸側のY軸リニアモータ5Bに別々に異なる位置指令を入力し、別々に位置決め制御を行うことができる構成である。
【0047】
ここで、説明の簡略化のため、Y1軸側部とは、位置偏差比例増幅器12A、速度リミッタ13A、速度偏差PI演算部14A、電流リミッタ15A、低域フィルタ16A、速度演算部17A、電流アンプ19A、Y軸リニアモータ5A、Y軸リニアエンコーダ7AのY1軸側の一連の部品を指し、Y2軸側部とは、位置偏差比例増幅器12B、速度リミッタ13B、速度偏差PI演算部14B、電流リミッタ15B、低域フィルタ16B、速度演算部17B、電流アンプ19B、Y軸リニアモータ5B、Y軸リニアエンコーダ7BのY2軸側の一連の部品を指すものとする。
【0048】
図4を参照して、第1のY軸位置決め制御動作の説明を行う。第1のY軸位置決め制御動作は、実駆動前にY1軸側のY軸リニアモータ5Aでビーム3を所定位置に位置合せし、Y2軸側のY軸リニアエンコーダ7Bの位置情報から補正位置情報ΔMaを取得し、実駆動時に補正位置情報ΔMaを用いてY軸の位置決め制御を行う動作である。Y軸リニアモータ5Aの位置合せは、少なくとも1回の任意の個数の所定位置について行う。第1のY軸位置決め制御動作は、補正位置情報取得のステップと実駆動時のステップを有する。
【0049】
先ず、補正位置情報取得のステップの実行を開始する。Y軸位置決め制御部10において、Y1軸側部のサーボをONにし、Y2軸側部のサーボをOFFにする(ステップS1)。具体的には、Y1軸側部においては、CPU11からの位置指令、Y軸リニアエンコーダ7Aからの位置フィードバック信号、速度演算部17Aからの速度フィードバック信号を用いて、Y軸リニアモータ5A上のビーム3の位置決めのサーボ制御のスタンバイをし、Y2軸側部においては、Y軸リニアモータ5B上のビーム3を自由に移動できるフリーランの状態にする。
【0050】
そして、CPU11は、Y1軸側部の位置偏差比例増幅器12Aに、任意の位置である所定位置Lを目標とする位置指令を入力する(ステップS2)。所定位置Lは、L1,L2,…,LN(Nは1以上の整数)の各位置を代表しているものとする。そして、Y1軸側部での位置決めのサーボ制御によりY軸リニアモータ5Aをジョグ駆動させる(ステップS3)。ジョグ駆動とは低速駆動のことである。
【0051】
そして、CPU11は、Y軸リニアエンコーダ7Aから出力された位置フィードバック信号に対応する位置情報を読取り、当該位置情報がLであるかを判別する(ステップS4)。位置情報がLでない場合(ステップS4;NO)、ステップS3へ戻る。
【0052】
位置情報がLである場合(ステップS4;YES)、CPU11は、Y軸リニアエンコーダ7Bから出力された位置フィードバック信号に対応する位置情報を読取り、当該位置情報L+ΔLa(ΔLaはプラス又はマイナスの値)と、位置指令の所定位置Lとから、補正位置情報ΔLaを算出し、記憶部18に記憶する(ステップS5)。
【0053】
そして、CPU11は、全ての所定位置Lについて補正位置情報ΔLaの記憶を終了したかを判別する(ステップS6)。例えば、L=L1,L2,L3のとき、それぞれに対応するΔLa1,ΔLa2,ΔLa3を記憶したかを判別する。全ての所定位置Lについて補正位置情報ΔLaの記憶を終了していない場合(ステップS6;NO)、ステップS2に戻り、残りの所定位置Lについて、対応する補正位置情報ΔLaの記憶までの処理を実行する。
【0054】
全ての所定位置Lについて補正位置情報ΔLaの記憶を終了した場合(ステップS6;YES)、CPU11は、ステップS5で記憶した記憶部18上の補正位置情報ΔLaを用いて、補正位置情報ΔMaを算出し、記憶部18に記憶する(ステップS7)。具体的には、ΔLa=ΔLa1,ΔLa2,…,ΔLaN(Nは1以上の整数)で、ΔLaの平均値であるΔMa=(ΔLa1+ΔLa2+…+ΔLaN)/Nを算出する。
【0055】
次に、実駆動のステップの実行を開始する。Y軸位置決め制御部10において、Y1軸側部のサーボをONにし、Y2軸側のサーボもONにする(ステップS8)。具体的には、Y1軸側部においては、CPU11からの位置指令、Y軸リニアエンコーダ7Aからの位置フィードバック信号、速度演算部17Aからの速度フィードバック信号を用いて、Y軸リニアモータ5A上のビーム3の位置決めのサーボ制御のスタンバイをし、Y2軸側部においては、CPU11からの位置指令、Y軸リニアエンコーダ7Bからの位置フィードバック信号、速度演算部17Bからの速度フィードバック信号を用いて、Y軸リニアモータ5B上のビーム3の位置決めのサーボ制御のスタンバイをする。
【0056】
そして、CPU11は、Y1軸側部の位置偏差比例増幅器12Aに、任意の位置である実駆動位置Mを目標とする位置指令を入力し、ステップS7で記憶した記憶部18上の補正位置情報ΔMaを用いて、Y2軸側部の位置偏差比例増幅器12Bに、M+ΔMaを目標とする位置指令を入力する(ステップS9)。そして、Y1軸側部での位置決めのサーボ制御によりY軸リニアモータ5Aを駆動させて、Y1軸側で実駆動位置Mにビーム3を移動させ、Y2軸側部での位置決めのサーボ制御によりY軸リニアモータ5Bを駆動させて、Y2軸側で位置M+ΔMaにビーム3を移動させ(ステップS10)、ビーム3のY軸方向の位置決め制御し、第1のY軸位置決め制御動作を終了する。
【0057】
よって、本実施の形態によれば、高精度な位置決めを行う全軸式位置決め制御方式において、Y2軸側のリニアモータ5Bをビーム3のフリーランの状態にして、Y1軸側のリニアモータ5Aでビーム3を所定位置Lに位置合せをし、Y2軸側のリニアエンコーダ7Bで検出した位置情報L+ΔLaを用いて補正位置情報ΔMaを算出し、実駆動時に、Y1軸側部に実駆動位置Mへのビーム3の位置決め制御をし、Y2軸側部に補正した位置M+ΔMaへのビーム3の位置決め制御をするので、Y1軸側とY2軸側とからビーム3に働く外力の干渉を避けることができ、ビーム3の剛性を高くすることができ、位置決め整定時間を短くし、高速で制御ゲインの高い位置決め制御を行うことができる。
【0058】
また、外力の干渉による、ビーム3の破損、及びY軸リニアモータ5A,5Bの温度の上昇、並びに、余分な電力の消費を避けることができる。
【0059】
更に、Y1軸及びY2軸におけるビーム3の駆動手段として、ビーム3の剛性を低くすることなく、Y1軸及びY2軸それぞれでY軸リニアモータ5A,5Bを用いることができるので、ビーム3の更に高精度な位置決め制御を行うことができる。
【0060】
なお、本実施の形態のステップS7において、補正値を算出する方法の具体例として、補正位置情報ΔLaの平均値ΔMaを求める例について説明したが、変形例として、補正位置情報ΔLaの個々の値(ΔLa1,ΔLa2,…,ΔLaN)をそのまま補正値としてLの各値(L1,L2,…,LN)に対応させることも可能である。
【0061】
即ち、実駆動時に、Y1軸側部にはL1,L2,…,LNの各情報を使用して位置決め制御し、Y2軸側部では(L1+ΔLa1),(L2+ΔLa2),…,(LN+ΔLaN)の各情報を使用して位置決め制御する。この時、全ての位置で補正位置情報をサンプリングする事は出来ないので、補正位置情報をサンプリングするピッチをPとした場合、例えば、Li±P/2(iは1以上N以下の整数)の区間では、補正値として補正位置情報ΔLaiを採用し、L(i+1)±P/2の区間では、補正値として補正位置情報ΔLa(i+1)を採用することができる。また、ピッチPは、一定でない構成としてもよい。
【0062】
このようにすれば、ビーム3のY軸方向の位置によるリニアエンコーダ7A,7Bのばらつきを吸収することが出来て、補正がより正確になる。
【0063】
(第2の実施の形態)
本実施の形態を、図1〜図3と図5を参照して説明する。装置的特長は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0064】
XY位置決め制御装置D(電子部品搭載装置C)で実行する第2のY軸位置決め制御動作を説明する。第2のY軸位置決め制御動作は、実駆動前にY2軸側のY軸リニアモータ5Bでビーム3をY1軸側の所定位置へ位置合せし、Y2軸側のY軸リニアエンコーダBの位置情報から補正位置情報ΔMbを取得し、実駆動時に補正位置情報ΔMbを用いてY軸の位置決め制御を行う動作である。Y軸リニアモータ5Bの位置合せは、少なくとも1回の任意の個数の所定位置について行い、第2のY軸位置決め制御動作は、補正位置情報取得のステップと実駆動時のステップを有する。
【0065】
先ず、補正位置情報取得のステップの実行を開始する。Y軸位置決め制御部10において、Y1軸側部のサーボをOFFにし、Y2軸側部のサーボをONにする(ステップT1)。Y1軸側部のサーボをOFFし、ビーム3をY1側でフリーランの状態にするが、Y軸リニアエンコーダ7Aはビーム3の位置を位置フィードバック信号に対応する位置情報として出力する。そして、Y軸リニアエンコーダ7Aでビーム3が任意の位置である所定位置Lの位置情報を出力するよう、Y2軸側部でのサーボ制御によりY軸リニアモータ5Bをジョグ駆動させる(ステップT2)。
【0066】
そして、CPU11は、Y軸リニアエンコーダ7Aから出力された位置フィードバック信号に対応する位置情報を読取り、当該位置情報がLであるかを判別する(ステップT3)。位置情報がLでない場合(ステップT3;NO)、ステップT2へ戻る。位置情報がLである場合(ステップT3;YES)、CPU11は、Y軸リニアエンコーダ7Bから出力された位置フィードバック信号に対応する位置情報を読取り、当該位置情報L+ΔLb(ΔLbはプラス又はマイナスの値)と、位置指令の所定位置Lとから、補正位置情報ΔLbを算出し、記憶部18に記憶する(ステップT4)。
【0067】
そして、CPU11は、全ての所定位置Lについて補正位置情報ΔLbの記憶を終了したかを判別する(ステップT5)。全ての所定位置Lについて補正位置情報ΔLbの記憶を終了していない場合(ステップT5;NO)、ステップT2に戻り、残りの所定位置Lについて、対応する補正位置情報ΔLbの記憶までの処理を実行する。全ての所定位置Lについて補正位置情報ΔLbの記憶を終了した場合(ステップT5;YES)、CPU11は、ステップT4で記憶した記憶部18上の補正位置情報ΔLbを用いて、補正位置情報ΔMbを算出し、記憶部18に記憶する(ステップT6)。具体的には、ΔLb=ΔLb1,ΔLb2,…,ΔLbN(Nは1以上の整数)で、ΔLbの平均値であるΔMb=(ΔLb1+ΔLb2+…+ΔLbN)/Nを算出する。
【0068】
次に、実駆動のステップの実行を開始する。Y軸位置決め制御部10において、Y1軸側部のサーボをONにし、Y2軸側部のサーボもONにする(ステップT7)。そして、CPU11は、Y1軸側部の位置偏差比例増幅器12Aに、任意の位置である実駆動位置Mを目標とする位置指令を入力し、ステップT6で記憶した記憶部18上の補正位置情報ΔMbを用いて、Y2軸側部の位置偏差比例増幅器12Bに、M+ΔMbを目標とする位置指令を入力する(ステップT8)。そして、Y1軸側部での位置決めのサーボ制御によりY軸リニアモータ5Aを駆動させて、Y1軸側で実駆動位置Mにビーム3を移動させ、Y2軸側部での位置決めのサーボ制御によりY軸リニアモータ5Bを駆動させて、Y2軸側で位置M+ΔMbにビーム3を移動させ(ステップT9)、ビーム3のY軸方向の位置決め制御し、第2のY軸位置決め制御動作を終了する。
【0069】
よって、本実施の形態によれば、高精度な位置決めを行う全軸式位置決め制御方式において、Y1軸側のリニアモータ5Aをビーム3のフリーランの状態にして、Y2軸側のリニアモータ5BでY1軸側のビーム3を位置Lに位置合せをし、Y2軸側のリニアエンコーダ7Bで検出した位置情報L+ΔLbを用いて補正位置情報ΔMbを算出し、実駆動時に、Y1軸側部に実駆動位置Mへのビーム3の位置決め制御をし、Y2軸側部に補正した位置M+ΔMbへのビーム3の位置決め制御をするので、Y1軸側とY2軸側とからビーム3に働く外力の干渉を避けることができる。
【0070】
なお、本実施の形態の変形例として、第1の実施の形態の変形例と同様に、平均値ΔMbでなく、個々の補正値ΔLbをそのまま使用して補正する構成でもよい。即ち、実駆動時に、Y1軸側部にはL1,L2,…,LNの各情報を使用して位置決め制御し、Y2軸側部では(L1+ΔLb1),(L2+ΔLb2),…,(LN+ΔLbN)の各情報を使用して位置決め制御する構成でもよい。
【0071】
(第3の実施の形態)
本実施の形態を、図1〜図3と図6を参照して説明する。装置的特長は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0072】
XY位置決め制御装置D(電子部品搭載装置C)で実行する第3のY軸位置決め制御動作を説明する。第3のY軸位置決め制御動作は、実駆動前に、Y1軸側のY軸リニアモータ5Aで位置合せし、Y2軸側のY軸リニアエンコーダ7Bの位置情報から補正位置情報ΔLaを取得し、Y2軸側のY軸リニアモータ5Bで位置合せし、Y2軸側のY軸リニアエンコーダ7Bの位置情報から補正位置情報ΔLbを取得し、補正位置情報ΔLa,ΔLbから補正位置情報ΔMcを取得し、実駆動時に補正位置情報ΔMcを用いてY軸の位置決め制御を行う動作である。Y軸リニアモータ5A,5Bの位置合せは、それぞれ少なくとも1回の任意の個数の所定位置について行い、第2のY軸位置決め制御動作は、補正位置情報取得のステップと実駆動時のステップを有する。
【0073】
先ず、補正位置情報取得のステップの実行を開始する。本実施の形態のステップU1〜U5は、第1の実施の形態のステップS1〜S5と同様であり、ステップU6〜U9は、第2の実施の形態のステップT1〜S4と同様であるので、説明を省略する。そして、CPU11は、全ての所定位置Lについて補正位置情報ΔLbの記憶を終了したかを判別する(ステップU10)。全ての所定位置Lについて補正位置情報ΔLbの記憶を終了していない場合(ステップU10;NO)、ステップU1に戻り、残りの所定位置Lについて、対応する補正位置情報ΔLbの記憶までの処理を実行する。本実施の形態では、ΔLa、ΔLbの数は同数となる。
【0074】
全ての所定位置Lについて補正位置情報ΔLbの記憶を終了した場合(ステップU10;YES)、CPU11は、ステップU5で記憶した記憶部18上の補正位置情報ΔLaと、ステップU9で記憶した記憶部18上の補正位置情報ΔLbとを用いて、補正位置情報ΔMcを算出し、記憶部18に記憶する(ステップU11)。具体的には、先ず、ΔLbの平均値であるΔMaと、ΔLbの平均値であるΔMbとを算出し、ΔMc=(α×ΔMa+β×ΔMb)を算出する。但し、α+β=1である。α,βの値は、装置的な誤差の傾向等によりケースバイケースで決める値であり、例えば、一般的には、α=0.5,β=0.5として、ΔMcを、ΔMaとΔMbの平均値とする。
【0075】
次に、実駆動のステップの実行を開始する。Y軸位置決め制御部10において、Y1軸側部のサーボをONにし、Y2軸側部のサーボもONにする(ステップU12)。そして、CPU11は、Y1軸側部の位置偏差比例増幅器12Aに、任意の位置Mを目標とする位置指令を入力し、ステップU11で記憶した記憶部18上の補正位置情報ΔMcを用いて、Y2軸側部の位置偏差比例増幅器12Bに、M+ΔMcを目標とする位置指令を入力する(ステップU13)。そして、Y1軸側部での位置決めのサーボ制御によりY軸リニアモータ5Aを駆動させて、Y1軸側で実駆動位置Mにビーム3を移動させ、Y2軸側部での位置決めのサーボ制御によりY軸リニアモータ5Bを駆動させて、Y2軸側で位置M+ΔMcにビーム3を移動させ(ステップU14)、ビーム3のY軸方向の位置決め制御し、第3のY軸位置決め制御動作を終了する。
【0076】
よって、本実施の形態によれば、高精度な位置決めを行う全軸式位置決め制御方式において、Y2軸側のリニアモータ5Bをビーム3のフリーランの状態にして、Y1軸側のリニアモータ5Bでビーム3を所定位置Lに位置合せをし、Y2軸側のリニアエンコーダ7Bで位置情報L+ΔLbを検出し、Y1軸側のリニアモータ5Aをビーム3のフリーランの状態にして、Y2軸側のリニアモータ5BでY1軸側のビーム3を位置Lに位置合せをし、Y2軸側のリニアエンコーダ7Bで位置情報L+ΔLbを検出し、検出した位置情報から補正位置情報ΔMcを算出し、実駆動時に、Y1軸側部に実駆動位置Mへのビーム3の位置決め制御をし、Y2軸側部に補正した位置M+ΔMcへのビーム3の位置決め制御をするので、第1及び第2の実施の形態の補正の両方を用いた補正により、Y1軸側とY2軸側からビーム3に働く外力の干渉を更に効果的に避けることができる。
【0077】
また、補正位置情報ΔMcを算出する際、α,βの値をα+β=1の範囲で自由に設定できるので、各装置の誤差傾向を補正位置情報ΔMcに反映することができる。
【0078】
なお、本実施の形態の変形例として、第1の実施の形態の変形例と同様に、平均値ΔMcでなく、個々の補正位置情報ΔLa,ΔLbをそのまま使用して補正する構成でもよい。即ち、実駆動時に、Y1軸側部にはL1,L2,…,LNの各情報を使用して位置決め制御し、Y2軸側部では(L1+(α×ΔLa1+β×ΔLb1)),(L2+(α×ΔLa2+β×ΔLb2)),…,(LN+(α×ΔLaN+β×ΔLbN))の各情報を使用して位置決め制御する構成でもよい。
【0079】
なお、第3の実施の形態及びその変形例では、補正位置情報ΔLa,ΔLbは同じ所定位置から算出しているが、ステップU2〜U5での所定位置Lと、ステップU6〜U9での所定位置Lとは、その値、個数を異にする構成でもよい。
【0080】
なお、上記各実施の形態では、Y2軸側の補正位置情報を算出し、実駆動時に、Y1軸側で実駆動位置への位置決め制御をし、Y2軸側で補正位置情報を用いて補正した位置への位置決め制御をしているが、Y1軸側とY2軸側とを入れ替えて位置決め制御をしてもよい。
【0081】
また、上記各実施の形態では、駆動手段としてY軸リニアモータ5A,5Bを使用したが、駆動手段としてタイミングベルト及び回転モータ等の他の駆動手段を使用してもよく、その場合にも、ビーム3の剛性を高くすることができ、制御ゲインを高め、高速の位置決め制御を行うことができる。
【0082】
更に、上記各実施の形態では、XY位置決め制御装置Dを電子部品搭載装置に設けているが、X軸方向及びY軸方向移動自在に位置決め制御する他の一般的な装置に用いることもできる。例えば、各種工作機械、縫製機、プロッタプリンタ等である。
【0083】
以上、本発明の実施の形態につき説明したが、本発明は、必ずしも上述した手段及び手法にのみ限定されるものではなく、本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜に変更実施が可能なものである。
【0084】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、高精度な位置決めを行う全軸式位置決め制御方式において、第1のY軸側で移動体を所定位置に位置移動した際の第2のY軸の所定位置情報を検出し、実駆動時に、第1のY軸側で移動体を実駆動位置へ移動させ、第2のY軸側で、移動体を、第1のY軸の所定位置に対する検出した第2のY軸の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させるので、第1のY軸側と第2のY軸側から移動体に働く外力の干渉を避けることができ、これにより、移動体の剛性を高くでき、高速で制御ゲインの高い位置決め制御を行うことができ、また、外力の干渉による、移動体の破損、第1及び第2の駆動手段の温度の上昇、並びに、余分な電力の消費を避けることができる。
【0085】
請求項2記載の発明によれば、高精度な位置決めを行う全軸式位置決め制御方式において、第2のY軸側で、移動体を第1のY軸の所定位置に位置移動した際の第2のY軸の所定位置情報を検出し、実駆動時に、第1のY軸側で移動体を実駆動位置へ移動させ、第2のY軸側で、移動体を、第1のY軸の所定位置に対する検出した第2のY軸の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させるので、第1のY軸側と第2のY軸側から移動体に働く外力の干渉を避けることができ、これにより、移動体の剛性を高くでき、高速で制御ゲインの高い位置決め制御を行うことができ、外力の干渉による、移動体の破損、第1及び第2の駆動手段の温度の上昇、並びに、余分な電力の消費を避けることができる。
【0086】
請求項3記載の発明によれば、高精度な位置決めを行う全軸式位置決め制御方式において、請求項1及び請求項2の両方の補正を用いた補正により、第1のY軸側と第2のY軸側から移動体に働く外力の干渉を更に効果的に避けることができる。
【0087】
請求項4記載の発明によれば、第1及び第2の駆動手段にリニアモータを用いるので、移動体の更に高精度な位置決め制御を行うことができる。
【0088】
請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至4に記載の効果を得ると共に、電子部品を回路基板上の所定位置に高い精度で搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電子部品搭載装置Cの斜視図である。
【図2】XY位置決め制御装置Dの上面図である。
【図3】Y軸位置決め制御部10のブロック図である。
【図4】第1のY軸位置決め制御動作を示すフローチャートである。
【図5】第2のY軸位置決め制御動作を示すフローチャートである。
【図6】第3のY軸位置決め制御動作を示すフローチャートである。
【図7】従来の電子部品搭載装置のXY位置決め制御装置30の斜視図である。
【図8】全軸式位置決め制御方式を行う従来のY軸位置決め制御部40aのブロック構成図である。
【図9】マスタスレーブ式位置決め制御方式を行う従来のY軸位置決め制御部40bのブロック構成図である。
【符号の説明】
C …電子部品搭載装置
D,30 …XY位置決め制御装置
1,31 …吸着ノズル
2A,2B,32A,32B…支持梁
3,33 …ビーム
4,34 …ヘッド
5A,5B …Y軸リニアモータ
6 …X軸リニアモータ
7A,7B,39A,39B…Y軸リニアエンコーダ
8 …X軸リニアエンコーダ
10,40a,40b…Y軸位置決め制御部
11,41 …CPU
12A,12B,42A,42B…位置偏差比例増幅器
13A,13B,43A,43B…速度リミッタ
14A,14B,44A,44B…速度偏差PI演算部
15A,15B,45A,45B…電流リミッタ
16A,16B,46A,46B…低域フィルタ
17A,17B,47A,47B…速度演算部
18 …記憶部
19A,19B,48A,48B…電流アンプ
21 …電子部品
22 …回路基板
23 …部品供給体
24 …回路基板搬送装置
35A,35B…Y軸回転モータ
36A,36B…Y軸タイミングベルト
37 …X軸回転モータ
38 …X軸タイミングベルト

Claims (5)

  1. X軸方向に沿って延在し、X軸方向に直交するY軸方向に沿って移動自在にさせると共に、搬送対象物をX軸方向に移動自在に支持する移動体と、当該移動体の両端部をそれぞれ第1及び第2のY軸方向に沿って案内する第1及び第2のガイド部材と、前記移動体の各端部の第1及び第2のY軸方向それぞれの位置を検出する第1及び第2のリニアエンコーダと、第1及び第2のY軸それぞれに沿って前記移動体を移動させる第1及び第2の駆動手段と、前記第1及び第2のリニアエンコーダから出力された位置情報を用いて第1及び第2の駆動手段に前記移動体をY軸方向へ移動させ、前記搬送対象物をX軸方向に移動させて位置決め制御する制御手段とを備えるXY位置決め制御装置であって、
    前記制御手段は、
    実駆動前に、
    前記第1の駆動手段のモータを励磁し前記移動体を停止した状態でスタンバイし、
    前記第2の駆動手段のモータを非励磁とし、前記移動体がフリーランとなる状態にし、
    前記第1の駆動手段のモータを励磁したまま、前記移動体を、移動可能な任意の位置としての少なくとも1つの第1のY軸の所定位置へ移動させ、
    前記移動体の前記第1のY軸の所定位置への移動後、前記第2のリニアエンコーダに、前記移動体の第2のY軸の所定位置情報を検出させ、
    前記第1及び第2の駆動手段のモータを励磁した実駆動時に、
    前記第1の駆動手段に、前記移動体を実駆動の位置である実駆動位置へ移動させ、
    前記第2の駆動手段に、前記移動体を、前記第1のY軸の所定位置に対する前記第2のY軸の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させる、
    ことを特徴とするXY位置決め制御装置。
  2. X軸方向に沿って延在し、X軸方向に直交するY軸方向に沿って移動自在にさせると共に、搬送対象物をX軸方向に移動自在に支持する移動体と、当該移動体の両端部をそれぞれ第1及び第2のY軸方向に沿って案内する第1及び第2のガイド部材と、前記移動体の各端部の第1及び第2のY軸方向それぞれの位置を検出する第1及び第2のリニアエンコーダと、第1及び第2のY軸それぞれに沿って前記移動体を移動させる第1及び第2の駆動手段と、前記第1及び第2のリニアエンコーダから出力された位置情報を用いて第1及び第2の駆動手段に前記移動体をY軸方向へ移動させ、前記搬送対象物をX軸方向に移動させて位置決め制御する制御手段とを備えるXY位置決め制御装置であって、
    前記制御手段は、
    実駆動前に、
    前記第2の駆動手段のモータを励磁し前記移動体を停止した状態でスタンバイし、
    前記第1の駆動手段のモータを非励磁とし、前記移動体がフリーランとなる状態にし、
    前記第2の駆動手段のモータを励磁したまま、前記移動体を、移動可能な任意の位置としての少なくとも1つの第1のY軸の所定位置へ移動させ、
    前記移動体の前記第1のY軸の所定位置への移動後、前記第2のリニアエンコーダに、前記移動体の第2のY軸の所定位置情報を検出させ、
    前記第1及び第2の駆動手段のモータを励磁した実駆動時に、
    前記第1の駆動手段に、前記移動体を実駆動の位置である実駆動位置へ移動させ、
    前記第2の駆動手段に、前記移動体を、前記第1のY軸の所定位置に対する前記第2のY軸の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させる、
    ことを特徴とするXY位置決め制御装置。
  3. X軸方向に沿って延在し、X軸方向に直交するY軸方向に沿って移動自在にさせると共に、搬送対象物をX軸方向に移動自在に支持する移動体と、当該移動体の両端部をそれぞれ第1及び第2のY軸方向に沿って案内する第1及び第2のガイド部材と、前記移動体の各端部の第1及び第2のY軸方向それぞれの位置を検出する第1及び第2のリニアエンコーダと、第1及び第2のY軸それぞれに沿って前記移動体を移動させる第1及び第2の駆動手段と、前記第1及び第2のリニアエンコーダから出力された位置情報を用いて第1及び第2の駆動手段に前記移動体をY軸方向へ移動させ、前記搬送対象物をX軸方向に移動させて位置決め制御する制御手段とを備えるXY位置決め制御装置であって、
    前記制御手段は、
    実駆動前に、
    前記第1の駆動手段のモータを励磁し前記移動体を停止した状態でスタンバイし、
    前記第2の駆動手段のモータを非励磁とし、前記移動体がフリーランとなる状態にし、
    前記第1の駆動手段のモータを励磁したまま、前記移動体を、移動可能な任意の位置としての少なくとも1つの第1のY軸の第1の所定位置へ移動させ、
    前記移動体の前記第1のY軸の第1の所定位置への移動後、前記第2のリニアエンコーダに、前記移動体の第2のY軸の第1の所定位置情報を検出させ、
    前記第2の駆動手段のモータを励磁し前記移動体を停止した状態でスタンバイし、
    前記第1の駆動手段のモータを非励磁とし、前記移動体がフリーランとなる状態にし、
    前記第2の駆動手段のモータを励磁したまま、前記移動体を、移動可能な任意の位置としての少なくとも1つの第1のY軸の第2の所定位置へ移動させ、
    前記移動体の前記第1のY軸の第2の所定位置への移動後、前記第2のリニアエンコーダに、前記移動体の第2のY軸の第2の所定位置情報を検出させ、
    前記第1及び第2の駆動手段のモータを励磁した実駆動時に、
    前記第1の駆動手段に、前記移動体を実駆動の位置である実駆動位置へ移動させ、
    前記第2の駆動手段に、前記移動体を、前記第1のY軸の第1の所定位置に対する前記第2のY軸の第1の所定位置情報の誤差、及び、前記第1のY軸の第2の所定位置に対する前記第2のY軸の第2の所定位置情報の誤差を用いて補正をした実駆動位置へ移動させる、
    ことを特徴とするXY位置決め制御装置。
  4. 前記第1及び第2の駆動手段は、
    リニアモータである、ことを特徴とする請求項1、2又は3の何れか記載のXY位置決め制御装置。
  5. 請求項1、2、3又は4の何れか記載のXY位置決め制御装置を具備する電子部品搭載装置であって、
    前記搬送対象物は、XY位置移動自在に電子部品を回路基板上に搭載する電子部品搭載ヘッドである、
    ことを特徴とする電子部品搭載装置。
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