JP3859280B2 - アルミニウム−セラミックス複合基板の製造方法 - Google Patents
アルミニウム−セラミックス複合基板の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、アルミニウム−セラミックス複合基板の製造方法に関し、更に詳しくはアルミニウム板を簡易な手法でセラミックス基板に接合させる事に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
セラミックスの化学安定性、高融点、絶縁性、高硬度などの特性と、金属の高強度、高靭性、易加工性、導電性などの特性を生かした金属−セラミックス複合部材は自動車、電子装置などに広く用いられ、その代表的な例として、大電力電子素子実装用の基板およびパッケージが挙げられる。
【0003】
上記、金属−セラミックス複合部材の主な製造方法としては、接着、めっき、メタライズ、鋳ぐるみ、ろう接や直接接合法等がよく知られている。
【0004】
本出願人も、金属としてのアルミニウムや銅を用いる接合法として、特開平7−193358号公報「セラミックス電子回路基板の製造方法」に開示する方法、すなわち金属溶湯の中を直接セラミックス基板を通過させることによって、該基板表面にこれらの金属を凝固接合する製造法を提供し、相当な効果を上げることができた。
【0005】
他の接合法としては、実開平2−68448号公報「半導体装置用軽量基板」に開示されるように、セラミックス基板とアルミニウム基板を、両者の間にAl−Si系ろう材を介して加熱接合する接合法も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来の金属溶湯中を通過させて接合する方法は、連続製造に適しているものの、装置にコストがかかり、一方、Al−Si系ろう材を用いる方法はろう材調整や接合条件が難しいとの欠点を有していた。
【0007】
そのため簡易な手段でアルミニウムとセラミックス基板を接合できる方法の開発が望まれており、本発明法はこれを解決することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は斯かる課題を解決するために鋭意研究したところ、アルミニウムの溶解域を利用することによって簡易な手法で接合が可能であることを見い出し、本発明を提供することができた。
【0009】
すなわち本発明は、セラミックス基板を予め660℃以上に加熱せしめる第一工程と、次いで不活性ガス雰囲気中で加熱されたセラミックス基板の少なくとも一面にアルミニウム板を接触させて該接触面の一部を溶解させた後、アルミニウムの酸化被膜を破るために加圧接合する第二工程とから成ることを特徴とするアルミニウム−セラミックス複合基板の製造方法である。
【0010】
また本発明の第二は、セラミックス基板を予め660℃以上に加熱せしめる第一工程と、次いで不活性ガス雰囲気中で加熱されたセラミックス基板の少なくとも一面にアルミニウム板を接触させてアルミニウム面を溶解させた後、アルミニウムの酸化被膜を破るために加圧接合する第二工程と、得られた接合体上面のアルミニウム材表面に電子回路パターン状にレジスト膜を塗布した後、エッチング処理を行って所望の電子回路を形成する第三工程とから成ることを特徴とするアルミニウム−セラミックス複合基板の製造方法である。
【0011】
本発明の第三は、セラミックス基板を予め660℃以上に加熱せしめる第一工程と、次いで不活性ガス雰囲気中で加熱されたセラミックス基板の上面に回路状に形成したアルミニウム板を、下面にアルミニウム平板をそれぞれ接触させてこれらの接触面を溶解させた後、アルミニウムの酸化被膜を破るために加圧接合させる第二工程とから成ることを特徴とするアルミニウム−セラミックス複合基板の製造方法である。
【0012】
【作用】
本発明において使用するセラミックス基板としては、Al2O3基板のような酸化物基板や、AlN基板のような窒化物基板が好ましいが、基板自体を660℃以上に加熱することから、この温度以上に耐える素材であれば上記以外の基板でも構わない。
【0013】
上記基板を660℃以上の温度に加熱するのは、接合する金属板としてのアルミニウム板の接触面を溶解させるためであり、これはアルミニウムの融点が660℃であることによる(第一工程)。
【0014】
加熱されたセラミックス基板へのアルミニウム材の接触は、セラミックス基板が加熱炉から出たら直ぐに行うが、これは基板上の温度の低下を防止しながら接触させるためである。この場合、接触させるときの雰囲気は、N2 ガスやArガスのような不活性ガス雰囲気で行う必要がある。これはアルミニウム材の接触面の酸化の進行を防ぐためである。
【0015】
接触したアルミニウム材の接触面は、セラミックス基板の熱を受け、徐々に溶解し始めるが、この場合、アルミニウムに圧力をかけてこの酸化膜を破って純アルミニウムの部分で接触させるようにする(第二工程)。
【0016】
この場合、基板接合に要する圧力は、通常のプレスにて数g/mm2 の圧力でよいが、好ましい接合を得るために本実施例では10g/mm2 の圧力をかけた。
【0017】
上記、アルミニウム板の形状としては、平板形状のものか、あるいは予め電子回路形状に製造したものを用いる。平板形状の場合には、接合後に電子回路パターン状にレジスト膜を塗布して、エッチング液によりアルミニウムの不用部分を除去して所望の電子回路を形成し、電子回路基板を得る(第三工程)。
【0018】
得られた電子回路基板の反対面にはヒートシンクの作用を果たすアルミニウム平板を接合するが、この接合方法は上述のような接合法でもよいし、あるいは公知の、ろう材を用いて接合する方法でも構わない。
【0019】
以下、実施例を参照して本発明法を詳細に説明するが、本発明法の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0020】
【実施例1】
セラミックス基板1として62mm×112mm×0.635mm厚のアルミナ基板を加熱炉中にて850℃の一定温度に30分間保持したものに、52mm×102mm×1mm厚のアルミニウム板をN2 ガス雰囲気下で接触させて5分間保持し、アルミニウム接触面を溶解させた。
【0021】
次いでこれらのアルミニウム−セラミックス基板にプレスで10g/mm2 の圧力をかけ、接触面に生じたアルミニウムの酸化膜を破って純アルミニウム溶体を拡散させ、これによってアルミニウム板とアルミナ基板との接合強度の大きい接合体を得た。
【0022】
次いで得られた接合体上面のアルミニウム板に、図1に示した回路形状のレジスト膜2を塗布した後、エッチング処理を施し、不用部分のアルミニウムを除去して目的とする電子回路を形成した。
【0023】
得られた電子回路付き複合基板の底面には、Al−Si系ろう材を介してアルミニウム平板をヒートシンク体として接合した。得られた複合基板のピール強度を調べたところ5kg/cmであった。
【0024】
【実施例2】
セラミックス基板1として62mm×112mm×0.635mm厚のAlN基板を加熱炉中にて850℃の一定温度に40分間保持した後、AlN基板の底面にアルミニウム平板(52mm×102mm×1.0mm厚)を配置し、一方、AlN基板の上面には予め図1の形状に成形してある回路状アルミニウム板2を4組配置してN2 ガス雰囲気下で5分間接触させた。
【0025】
次いでこれらの接触体をプレスに平行移動させ、10g/mm2 の圧力をかけて、接触面の酸化膜を破り、純アルミニウム溶体を接触面に沿って拡散させ、接合体を得た。得られた複合基板のピール強度を調べたところ5kg/cmであった。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、上述のように簡易な手法による接合方法であるが、接合後の強度も市販の基板と同等であり、従来法に比較すると生産コストダウンに大幅に寄与し得る効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって得られたアルミニウム−セラミックス複合基板の平面図である。
【符号の説明】
1 セラミックス基板
2 回路状アルミニウム板またはレジスト膜
Claims (3)
- セラミックス基板を予め660℃以上に加熱せしめる第一工程と、次いで不活性ガス雰囲気中で加熱されたセラミックス基板の少なくとも一面にアルミニウム板を接触させて、該接触面の一部を溶解させた後、アルミニウムの酸化被膜を破るために加圧接合させる第二工程とから成ることを特徴とするアルミニウム−セラミックス複合基板の製造方法。
- セラミックス基板を予め660℃以上に加熱せしめる第一工程と、次いで不活性ガス雰囲気中で加熱されたセラミックス基板の少なくとも一面にアルミニウム板を接触させて、該接触面の一部を溶解させた後、アルミニウムの酸化被膜を破るために加圧接合させる第二工程と、得られた接合体上面のアルミニウム材表面に電子回路パターン状にレジスト膜を塗布した後、エッチング処理して所望の電子回路を形成する第三工程とから成ることを特徴とするアルミニウム−セラミックス複合基板の製造方法。
- セラミックス基板を予め660℃以上に加熱せしめる第一工程と、次いで不活性ガス雰囲気中で加熱されたセラミックス基板の上面に回路状に形成したアルミニウム板を、下面にアルミニウム平板をそれぞれ接触させてこれらの接触面を溶解させた後、アルミニウムの酸化被膜を破るために加圧接合させる第二工程とから成ることを特徴とするアルミニウム−セラミックス複合基板の製造方法。
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1996
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