JP3859151B2 - 分離膜モジュール、分離膜装置及び分離膜装置の運転方法 - Google Patents

分離膜モジュール、分離膜装置及び分離膜装置の運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパイラル型膜エレメントに巻回されている原水スペーサーに蓄積した濁質を効率よく除去できる分離膜モジュール、分離膜装置及び該分離膜装置の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、海水の淡水化や、純水、超純水、各種製造プロセス用水を得るために、逆浸透膜(RO膜)やナノ濾過膜(NF膜)を透過膜とするスパイラル型膜エレメントを用いて、原水中からイオン成分や低分子成分を分離する方法が知られている。また低分子ないし高分子成分を分離したり、高分子成分のみを分離する限外濾過や、微粒子を分離する精密濾過においてもスパイラル型膜エレメントが用いられている。図3を用いて、従来から使用されているスパイラル型膜エレメントの一例を説明する。透過水スペーサー42の両面に逆浸透膜41を重ね合わせて3辺を接着することにより袋状膜43を形成し、該袋状膜43の開口部を透過水集水管44に取り付け、網状の原水スペーサー45と共に、透過水集水管44の外周面にスパイラル状に巻回することにより構成されている。そして、原水46はスパイラル型膜エレメント40の一方の端面側4aから供給され、原水スペーサー45に沿って流れ、スパイラル型膜エレメント40の他方の端面側4bから濃縮水48として排出される。原水46は原水スペーサー45に沿って流れる過程で、逆浸透膜41を透過して透過水47となり、この透過水47は透過水スペーサー42に沿って透過水集水管44の内部に流れ込み、透過水集水管44の端部から排出される。このように、巻回された袋状膜43間に配設される原水スペーサー45により原水流路が形成されることになる。
【0003】
前記スパイラル型膜エレメント40は、複数を直列に連結させ一本の筒状のベッセル内に配置することにより、透過水量を増加させることが可能であり、工業的には複数のスパイラル型膜エレメントを連結させた分離膜モジュールが多く用いられている。複数のスパイラル型膜エレメントを連結させた分離膜モジュールを設置した方が、原水の利用効率が高く、設置場所も少ないという点で、1つのスパイラル型膜エレメントを備えた分離膜モジュールを複数設置するよりも有利であるという理由からである。
【0004】
このようなスパイラル型膜エレメントを用いて海水の淡水化や、超純水、各種製造プロセス用水を得る場合、通常、原水の濁質などを除去する目的で前処理が行われている。この前処理を行うのは、スパイラル型膜エレメントの原水スペーサーの厚みは、原水流路を確保しつつできる限り原水と分離膜との接触面積を大きくとるため通常1mm以下と薄く、濁質が原水流路にある原水スペーサーに蓄積され、原水流路を閉塞し易い構造となっており、このため、予め原水中の濁質を除去して濁質蓄積による通水差圧の上昇や透過水量、透過水質の低下を回避し、長期間に亘り安定な運転を行うためである。このような除濁を除去する目的で用いられる前処理装置は、例えば、凝集沈殿処理、濾過処理及び膜処理などの各装置を含むものであり、これらの設置は、設置コストや運転コストを上昇させると共に、大きな設置面積を必要とするなどの問題を有していた。
【0005】
ところで、スパイラル型膜エレメントを装着する分離膜モジュールに対する前処理装置が省略できれば、工業用水や水道水が前処理なしで逆浸透膜モジュールに供給でき、システムの簡略化、設置面積の低減、低コスト化が可能となり、産業上の利用価値は極めて高いものとなる。従って、濁質が蓄積し難い構造を有する原水スペーサーが開発されるか、あるいは原水スペーサーに濁質が蓄積したとしても、運転方法の変更やフラッシングなどで濁質が除去できれば、極めて有用な技術となる。特に運転方法の変更やフラッシング等で濁質を除去する方法は、従来のスパイラル型膜エレメントをそのまま使用可能な場合がある点で好ましいものである。
【0006】
特許文献1の特開平11−104636号公報には、加圧した気液二層流を通常の原水の流れに対して逆方向の流れで供給して逆浸透膜モジュールを逆洗フラッシングする方法が開示されている。また、特許文献2の特開平10−113542号公報には、筒状の膜エレメントの両端の封止部材に配管が接続された流体分離装置が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11―104636号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平10−113542号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平11―104636号公報における逆洗フラッシングは、中空糸型逆浸透膜モジュールの該中空糸膜面に付着した濁質の除去であり、スパイラル型逆浸透膜モジュールの原水スペーサーに付着した濁質の除去ではない。また、特開平10−113542号公報記載の流体分離装置は、膜エレメントの外側とそれを備える圧力容器との間の隙間をなくすことにより、該隙間でのスライムの発生を防止しようとするものであり、膜エレメントの原水流路に詰まった濁質を除去するための装置ではない。
【0009】
従って、本発明の目的は、複数のスパイラル型膜エレメントを連結させた分離膜モジュールのスパイラル型膜エレメントの原水流路に詰まった濁質を十分かつ速やかに除去することができる分離膜モジュール、分離膜装置及び該分離膜装置の運転方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、(1)複数のスパイラル型膜エレメントを連結させた分離膜モジュールの場合、スパイラル型膜エレメントの原水流路に詰まった濁質を除去するためフラッシングを行っても十分に濁質の除去が行えないか、あるいはフラッシングに長時間を要すること、(2)その理由は、該スパイラル型膜エレメントの連結部周りの空間に上流側のスパイラル型膜エレメントで剥離された濁質が滞留してしまうこと、及び該濁質が下流のスパイラル型膜エレメントを汚染することによるものであること、(3)従って、濁質が滞留する空間部に位置する筒状ベッセルの周面部に濁質排出孔を設け、該濁質排出孔からフラッシング水を抜き出せば、該濁質の滞留及び該濁質による下流のスパイラル型膜エレメントの汚染を防止できるため、十分かつ速やかな濁質の除去が可能となること、等を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントの複数個と、隣接するスパイラル型膜エレメントを直列に連結する連結部と、該複数のスパイラル型膜エレメントを装填する筒状ベッセルと、該筒状ベッセルの周面部であって該連結部の周辺部に形成される一箇所の連結部当たり2〜4個の濁質排出孔と、該濁質排出孔に接続される分岐配管と、該分岐配管に接続すると共に配管弁を有する集合配管とからなる濁質除去配管、を備える分離膜モジュールを提供するものである。原水処理工程においては濁質除去配管は配管弁を閉じた状態で運転し、フラッシング工程においては配管弁を開け濁質除去配管から連結部周辺に滞留している濁質を直ちに除去するため、下流のスパイラル型膜エレメントを汚染することもなく、フラッシング時間を大幅に短縮することができる。
【0012】
また、本発明は、原水ポンプと第1弁を接続する原水供給第1配管と、第1弁と前記分離膜モジュールを接続する原水供給第2配管と、該分離膜モジュールの透過水側に接続される透過水流出管と、第2弁を有し原水供給第1配管から分岐し該分離膜モジュールの濃縮水流出側に接続される流れ方向転換配管と、第3弁を有し流れ方向転換配管から分岐し濃縮水が流出する濃縮水流出第1分岐配管と、第4弁を有し原水供給第2配管から分岐し原水の流れ方向を逆方向とした場合の濃縮水が流出する濃縮水流出第2分岐配管と、を備える分離膜装置を提供するものである。また、本発明は、前記分離膜装置において、分離膜モジュールが、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントの複数個と、隣接するスパイラル型膜エレメントを直列に連結する連結部と、該複数のスパイラル型膜エレメントを装填する筒状ベッセルと、該筒状ベッセルの周面部であって該連結部の周辺部に形成される濁質排出孔と、該濁質排出孔に接続される濁質除去配管を備える分離膜装置を提供するものである。かかる構成を採ることにより、順方向の原水処理、逆方向の原水処理、順方向のフラッシング及び逆方向のフラッシングを適宜組み合わせた最適な運転が簡易に行なうことができる。また、本発明は、前記分離膜装置の運転方法であって、フラッシング水の全部又は一部を前記濁質除去配管から排出するフラッシング工程を行う分離膜装置の運転方法を提供するものである。本発明によれば、前記分離膜装置を使用して前記分離膜モジュールの特徴を生かした運転を行うことができる。このため、前処理システムを省略しても、通水差圧を大きく上昇させることなく長期間に亘る連続運転が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態における分離膜モジュールを図1を参照に説明する。図1は、本実施の形態例の分離膜モジュールを透視して見た模式図である。分離膜モジュール20Aは、透過水集水管24の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなる3つのスパイラル型膜エレメント201a、201b、201cと、隣接するスパイラル型膜エレメントを直列に連結する連結部11a、11bと、該複数のスパイラル型膜エレメントを装填する筒状ベッセル18と、筒状ベッセル18の周面部であって連結部11a、11bの周辺部に形成される濁質排出孔16a、17a、16b、17bと、濁質排出孔16a、17a、16b、17bに接続される濁質除去配管26a、26bを備えるものである。また、スパイラル型膜エレメント201a、201b、201cの外周と筒状ベッセル18の内周の間の隙間を閉塞するブラインシール19a、19b、19cを有する。連結部11aの周辺には、スパイラル型膜モジュール201aと201bによりデッドスペース15aが形成され、連結部11bの周辺には、スパイラル型膜モジュール201bと201cによりデッドスペース15bが形成されている。
【0014】
また、濁質除去配管26aは、濁質排出孔16a、17aに接続される分岐配管12a、13aと、分岐配管12a、13aに接続すると共に配管弁f1を有する集合配管14aとからなり、濁質除去配管26bは、濁質排出孔16b、17bに接続される分岐配管12b、13bと、分岐配管12b、13bに接続すると共に配管弁f2を有する集合配管14bとからなる。また、筒状ベッセル18の一端には原水を筒状ベッセル内部に流入するための原水流入管23、また他端には透過水集水管24に連結する透過水流出配管28及び濃縮水又は濁質排水を系外に排出する非透過水管29が付設されている。
【0015】
本発明の分離膜モジュールにおいて、筒状ベッセルの周面部であって連結部の周辺部とは、例えば濁質排出孔16a、17aの場合、一方のスパイラル型エレメント201aの巻回された袋状の分離膜の後端部と、他方のスパイラル型エレメント201bの巻回された袋状の分離膜の前端部の間にある空間部に相当する筒状ベッセルの周面部を言う。また、濁質排出孔及び該濁質排出孔に接続する濁質除去配管の設置する位置は、全ての連結部の当該周辺部に当たる位置であっても、その一部である特定の連結部に係る当該周辺部に当たる位置であってもよい。例えば、4つのスパイラル型膜モジュールを配置する分離膜モジュールの場合、濁質排出孔及び該濁質排出孔に接続する濁質除去配管の設置は、3箇所の連結部の全てであってもよいし、両端の2箇所、あるいは一端の1箇所であってもよい。このうち、全ての箇所に設置することが、剥離した濁質による下流側のスパイラル型膜エレメントの汚染を防止できる点で特に好ましい。
【0016】
本発明の分離膜モジュールは上記実施の形態例に限定されず、直列に連結するスパイラル型膜エレメントの個数は、2個又は4個以上であってもよい。また、前記濁質排出孔の数としては、特に制限されず、筒状ベッセルの内径、耐圧性、原水流量等から適宜決定されるが、一箇所の連結部当たり2〜4個とすることが、当該筒状ベッセルの適切な耐圧性を確保でき、且つ濁質の除去が速やかに行えるという点で好適である。また、濁質除去配管の内径は、特に制限されず、筒状ベッセルの内径、濁質排出孔の数、フラッシングを実施する際の差圧等の運転条件により適切な径とすることができる。
【0017】
スパイラル型膜エレメントとしては、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなるものであれば特に制限されず、当該原水スペーサーは、(i)原水の流入側から流出側に向かって緩やかな曲線で蛇行する形状で延在する第1線材及び第2線材からなるものであって、該第1線材は分離膜のうちの対向する一方の膜面に沿って延在すると共に、隣接する第1線材同士間で一方の原水流路を形成し、該第2線材は分離膜のうち対向する他方の膜面に沿って延在すると共に、隣接する第2線材同士間で他方の原水流路を形成し、該第1線材と該第2線材とは一部が重なり、該重なり箇所で結合されてなるもの、( ii)分離膜の原水流入側端部、又は原水流入側端部と濃縮水流出側端部に原水スペーサーを固設してなるもの、(iii)前記(ii)において、分離膜の原水流入側端部、又は原水流入側端部と濃縮水流出側端部への原水スペーサーの固設方法が、二つ折された原水スペーサーを当該端部に対して両側から挟持するように固定したもの、(iv)原水スペーサーを構成する線材の平均交点数が、スペーサー1m当たり500以上、10000未満であるもの、(v)原水スペーサーを構成する線材の交点数密度が、原水の流れ方向に沿って、漸次減少するか、または断続的に減少するもの、(vi)原水スペーサーを構成する線材の交点数密度が、原水の流れ方向に沿って、漸次増加するか、または断続的に増加するもの等が使用できる。上記(i)においては、更に前記緩やかな曲線で蛇行する形状が、屈曲点のない規則性を有する形状であって、振幅Hと波長Lの比(H/L)が0.02〜2であり、且つ1本の線材1m当たり1〜100波長のものが、交点数が好適な範囲であると共に、原水は原水流路内を緩やかに蛇行しながらほぼ直線状に流入側から流出側に向かって流れ、原水流路内への濁質の堆積が一層防止される点で好ましい。上記(ii)及び(iii)において、該分離膜の原水流入側端部、又は濃縮水流出側端部の前記透過水集水管に対する長手方向における長さは、それぞれ該分離膜の原水流入側端、又は濃縮水流出側端から内側へ、該分離膜の透過水集水管に対する長手方向長さの1〜10%であるものが好ましい。
【0018】
上記(ii)〜(iv)の原水スペーサーは、例えば複数の第1線材および複数の第2線材から構成される網目状のスペーサーが挙げられる。この場合、網目の形状としては、特に制限されないが、ひし形、四角形及び波形などが挙げられ、その線材同士の交差形態としては、特に制限されず、線材同士を織らずに接合した形態、平織りによる交差形態およびあや織りによる交差形態などが挙げられる。また、交点とは、第1線材及び第2線材とが交わる点をいうが、例えば第1線材及び第2線材が波形の場合における交点のように、第1線材と第2線材が少し重なる部分を有するものであってもよい。また、第1線材及び第2線材の断面形状としては、特に制限されないが、例えば円形、三角形、四角形などが挙げられる。また、第1線材及び第2線材は同一寸法、同一断面形状のものが使用される。原水スペーサーの厚さは、第1線材の径と第2線材の径を合わせたもの、若しくはそれより若干薄いものであり、例えば0.4〜3.0mmの範囲である。また、原水スペーサーの材質としては、特に制限されないが、ポリプロピレンやポリエチレンが、成形性やコスト面から好ましい。また、原水スペーサーの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を適用できるが、押出成形法が、コスト面及び精度面からも好ましい。
【0019】
当該スパイラル型膜エレメントは、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を前記原水スペーサーと共に、1枚の袋状の分離膜を巻回したものであるか、又は複数の袋状の分離膜を巻回したものである。分離膜としては、精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜などが挙げられる。このうち、逆浸透膜が、原水中からイオン成分や低分子成分を分離する目的で使用され、従来から前処理が必須のものとなっているという点でその効果をより発揮する。逆浸透膜としては、食塩水中の塩化ナトリウムに対する90%以上の高い除去率を有する通常の逆浸透膜、及び低脱塩率のナノ濾過膜やルーズ逆浸透膜が挙げられる。ナノ濾過膜やルーズ逆浸透膜は脱塩性能を有するものの、通常の逆浸透膜よりも脱塩性能が低いもので、特にCa、Mg等の硬度成分の分離機能を有するものである。なお、ナノ濾過膜とルーズ逆浸透膜はNF膜と称されることがある。
【0020】
次に、本発明の実施の形態における分離膜装置を図2を参照して説明する。図2は本発明の実施の形態例の分離膜装置のフロー図である。図2中、図1と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、主に異なる点について説明する。図2中、分離膜装置20は、原水ポンプ21と第1弁aを接続する原水供給第1配管22と、第1弁aと該分離膜モジュール20Aを接続する原水供給第2配管23と、スパイラル型膜エレメント201a、201b及び201cを備えた分離膜モジュール20Aと、該分離膜モジュール20Aの透過水側に接続され弁eを有する透過水流出管24と、第2弁bを有し原水供給第1配管22から分岐し該分離膜モジュールの濃縮水流出側に接続する流れ方向転換配管25と、第3弁cを有し流れ方向転換配管から分岐し濃縮水が流出する濃縮水流出第1分岐配管251と、第4弁dを有し原水供給第2配管23から分岐し原水の流れ方向を逆方向とした場合の濃縮水が流出する濃縮水流出第2分岐配管231とを備える。なお、図2中、流れ方向転換配管25から濃縮水流出第1分岐配管251に至る濃縮水流出ラインは図1の非透過水管29に相当する。本例の分離膜装置20によれば、分離膜モジュール20Aの特徴を生かした運転を行うことがでできる。このため、前処理システムを省略しても、通水差圧を大きく上昇させることなく長期間に亘る連続運転が可能となる。
【0021】
本発明の分離膜装置の運転方法は、フラッシング水の全部又は一部を濁質除去配管から排出するフラッシング工程を行うものである。例えばフラッシングを実施する際、濁質除去配管26aに付設された濁質除去配管弁f1を開き、ポンプを用いて筒状ベッセル18の一端である原水供給第2配管23からフラッシング水を圧入する。フラッシング水がスパイラル型膜エレメント201aの原水流路を通過する際に、原水流路に堆積した濁質を剥離し、剥離された該濁質はスパイラル型膜エレメント201aからデッドスペース15aに押し出される。該濁質は、濁質除去配管26aを通って、フラッシング水と共に系外へ排出される。濁質除去配管26aを設置することによって、スパイラル型膜エレメント201aから剥離した濁質が、デッドスペース15aに滞留することを防ぐことができ、且つ下流のスパイラル型膜エレメント201bを汚染することを防ぐことができるので、十分且つ速やかに濁質を除去することができる。濁質除去配管26aを設置しない場合は、フラッシング水により、スパイラル型膜エレメント201aから剥離した濁質が、デッドスペース15aに滞留し分離膜モジュールから排出されず、あるいは下流のスパイラル型膜エレメント201bの原水流路に再び詰まり、該濁質がスライムの温床となるため、通水差圧の急激な上昇を招く。また、フラッシングを長時間実施することにより、ある程度濁質の除去ができる場合もあるが、水利用率の低下及び分離膜装置の実質稼動時間の低下を招くこととなり、実用的ではない。
【0022】
本発明の分離膜装置の運転方法としては、順方向の原水処理及び逆方向の原水処理の2方向の原水処理と、順方向のフラッシング及び逆方向のフラッシングの2方向のフラッシングを適宜組み合わせて行うことができ、前記原水処理及びフラッシングの組み合わせの中、順方向の原水処理→逆方向のフラッシング→順方向のフラッシング→逆方向のフラッシング→逆方向の原水処理→順方向のフラッシング→逆方向のフラッシング→順方向のフラッシングを繰り返す方法が、濁質の除去効率が高く、速やかに濁質の除去が行える点で特に好ましい。
【0023】
本例の運転方法において、順方向の原水処理とは、次のように操作することをいう。すなわち図2中、分離膜装置20において、第1弁a及び弁eは開、第2弁b、第4弁d、濁質除去配管弁f1及びf2は閉とし、分離膜モジュール内を所定の圧力となるように第3弁cを開く。ポンプ21から圧送される原水は、原水供給第1配管22、原水供給第2配管23を経て、分離膜モジュール20Aで処理され、濃縮水は流れ方向転換配管25を経て、濃縮水流出第1分岐配管251から得ると共に、透過水は透過水流出配管28から得る。
【0024】
また、逆方向の原水処理とは、次のように操作することをいう。分離膜装置20において、第2弁b及び弁eは開、第1弁a、第3弁c、濁質除去配管弁f1及びf2は閉とし、分離膜モジュール内を所定の圧力となるように第4弁dを開く。具体的にはポンプ21から圧送される原水は、原水供給第1配管22、流れ方向転換配管25を経て、分離膜モジュール20Aで処理され、濃縮水は原水供給第2配管23を経て、濃縮水流出第2分岐配管231から得ると共に、透過水は透過水流出配管28から得る。
【0025】
また、順方向のフラッシングとは、次のように操作することをいう。分離膜装置20において、第1弁aは開、第2弁b、第4弁dは閉とし、濁質除去配管弁f1、f2及び第3弁cは運転方法により適宜開又は閉とするが、少なくとも1つの弁は開とする。すなわち濁質除去配管弁f1、f2又は第3弁cを開くことにより圧力を開放し、原水を処理する際の原水の流量の約3倍程度の流量にする。この場合、弁eは開又は閉のいずれでもよい。具体的にはポンプ21から原水をフラッシング水として供給し、フラッシング水は、原水供給第1配管22、原水供給第2配管23を経て、分離膜モジュール20Aに入り、スパイラル型膜エレメント201a、201b又は201cを通過する際に原水流路に堆積した濁質を剥離する。濁質を含んだフラッシング水は、濁質除去配管26a、26b又は濃縮水流出第1分岐配管251から全量又は一部が排出される。
【0026】
また、逆方向のフラッシングとは、次のように操作することをいう。分離膜装置20において、第2弁bは開、第1弁a、第3弁cは閉とし、濁質除去配管弁f1、f2及び第4弁dは、運転方法により適宜開又は閉とするが、少なくとも1つの弁は開とする。すなわち濁質除去配管弁f1、f2又は第3弁cを開くことにより圧力を開放し、原水を処理する際の原水の流量の約3倍程度の流量にする。この場合、弁eは開又は閉のいずれでもよい。具体的にはポンプ21から原水をフラッシング水として供給し、フラッシング水は、原水供給第1配管22、流れ方向転換配管25経て、分離膜モジュール20Aに入り、スパイラル型膜エレメント201c、201b又は201aを通過する際に原水流路に堆積した濁質を剥離する。濁質を含んだフラッシング水は、濁質除去配管26b、26a又は濃縮水流出第2分岐配管231から全量又は一部が排出される。
【0027】
前記フラッシング工程は、直前の原水処理工程が順方向の原水処理である場合には逆方向のフラッシングを最初に行い、直前の原水処理工程が逆方向の原水処理である場合には順方向のフラッシングを最初に行うことが、最初のフラッシングで原水流路に堆積した濁質を効果的に剥離することができる点で好ましい。
【0028】
前記フラッシング工程は、原水処理工程を1〜24時間、好ましくは1〜12時間実施した後に行う。1時間未満であると原水の流れを切り替える回数が多くなり切替弁の寿命を極端に低下させるとともに、フラッシング時間が増えるので、水の回収率の低下につながり、24時間を超えると堆積した濁質が除去しにくくなる。また、原水処理工程を実施している際に、所定の通水差圧となった時点で、フラッシング工程を実施することとしてもよい。特に、原水の組成が変化する場合は、通水差圧で判断することが好ましい。濁質の原水流路への堆積が一定せず、フラッシング工程が必要になる時間が一定しないためである。
【0029】
前記フラッシング工程は、前記順方向のフラッシング又は前記逆方向のフラッシングをいずれか一方を1回、又は交互に複数回行う方法が好適である。順方向のフラッシングと逆方向のフラッシングの合計回数は、1〜5回程度が好ましく、2〜4回が特に好ましい。フラッシングを2〜4回行うと、必ずフラッシング水を異なる方向から流すこととなるので、濁質を効率的に剥離できる。また、5回を越えて行うと水の回収率の低下につながる。1回の順方向のフラッシング又は逆方向のフラッシングにおいて、1スパイラル型膜エレメント当たりのフラッシング水の通水時間は、例えば30〜120秒であり、30秒未満だと濁質の除去が十分に行えず、120秒を超えると水の回収率の低下につながる。
【0030】
前記フラッシング工程において、濁質除去配管から排出される濁質を含んだフラッシング水は濁質除去配管弁の開閉度合いにより、その排出量を調整することができる。この場合、各濁質除去配管から排出するフラッシング水の量は、全量であっても一部であってもよく、また、フラッシング中に各濁質除去配管ごとに変化させてもよい。
【0031】
また、本発明の分離膜装置の運転方法としては、前記分離膜装置に複数の濁質除去配管が付設される場合、フラッシング工程が、フラッシング水の全部又は一部の排出を、一の濁質除去配管毎に順次行なう個別フラッシングであることが、速やかに濁質の除去が行える点で好ましい。図2を参照に個別フラッシングの操作手順を説明する。先ず順方向のフラッシングを行う場合、分離膜装置20において、第1弁a、第3弁c、濁質除去配管弁f1は開、第2弁b、第4弁d、濁質除去配管弁f2は閉とする。弁eは開又は閉のいずれでもよい。ポンプ11から原水をフラッシング水として供給し、該フラッシング水は、原水供給第1配管22、原水供給第2配管23を経て、分離膜モジュール20Aに入り、最も上流のスパイラル型膜エレメント201aを通過する際に原水流路に堆積した濁質を剥離する。スパイラル型膜エレメント201aから出た濁質を含んだフラッシング水は、濁質除去配管26aから全量又は一部が排出される。一定時間、濁質除去配管26aからフラッシング水の排出を行った後、濁質除去配管弁f1を閉じ、濁質除去配管弁f2を開き、フラッシング水を濁質除去配管26bから排出する。スパイラル型膜エレメント201bに堆積した濁質は、フラッシング水が、スパイラル型膜エレメント201bを通過するときに、剥離し、濁質除去配管26bから排出される。一定時間、濁質除去配管26bからフラッシング水の排出を行った後、濁質除去配管弁f2を閉じる。その後、フラッシング水は、濃縮水流出第1分岐配管251から排出され、スパイラル型膜エレメント201cを通過するときに、スパイラル型膜エレメント201cに堆積した濁質を剥離する。その際、第3弁cを更に大きく開いてもよい。また、第3弁cは濁質除去配管26aや濁質除去配管26bから濁質を除去する間、閉じた状態であってもよい。この場合、濁質除去配管26bから濁質を除去し濁質除去配管弁f2を閉じた後、第3弁cを開とする。
【0032】
逆方向のフラッシングの際には、先ず、第2弁b、第4弁d、濁質除去配管弁f2は開、第1弁a、第3弁c、濁質除去配管弁f1は閉とする。弁eは開又は閉のいずれでもよい。一定時間後、濁質除去配管26bからフラッシング水の排出を行った後、濁質除去配管弁f2を閉じ、濁質除去配管f1を開き、一定時間、濁質除去配管26aからフラッシング水の排出を行った後、濁質除去配管弁f1を閉じる。その後、フラッシング水は、濃縮水流出第1分岐配管251から排出される。その際、第4弁dを更に大きく開いてもよい。また、第4弁dは濁質除去配管26bや濁質除去配管26aから濁質を除去する間、閉じた状態であってもよい。この場合、濁質除去配管26aから濁質を除去し濁質除去配管弁f1を閉じた後、第4弁dを開とする。
【0033】
濁質除去配管弁f1、f2、第3弁c及び第4弁dを開いてから閉じるまでの時間は、10〜60秒が好ましい。10秒未満だと濁質の除去が不十分となり、60秒を超えると水の回収率の低下を招く。また、各フラッシングにおいて、濁質除去配管から排出されるフラッシング水は初期のものほど、多くの濁質を含んでおり、後になるほど濁質は少なくなるので、初期のフラッシング水を排出した後の濁質の少ないフラッシング水を再利用することもできる。また、フラッシング水は濁質除去配管から供給して、個別フラッシングを行うこともできる。このようにフラッシング工程として、個別フラッシングを行えば、上流のスパイラル型膜エレメントから剥離した濁質が、下流のスパイラル型膜エレメントを汚染することを防ぐことができるので、濁質の除去効率が向上する。
【0034】
本発明の分離膜運転方法において、フラッシング水は気体が混入されたフラッシング水を用いることが、気体の作用で濁質が剥離しやすくなり濁質の除去効率を向上させることができる点で好適である。気体の種類としては、分離膜を劣化させないものであれば特に制限されず、例えば空気、窒素などが挙げられる。該気体の混入箇所は、分離膜モジュールの上流であれば、特に制限されないが、分離膜装置にフラッシング水を圧送するポンプの手前で混合させることが、複数の混入箇所を設ける必要がない点で好ましい。
【0035】
また、フラッシングを行う際、透過水流水管24に設置されている弁eを全閉にすることが好ましい。透過水流出管24に設置されている弁eが開いていると、高圧用の分離膜モジュールの場合では、フラッシング時の圧力程度ではフラッシング水が透過することはないが、低圧又は超低圧用の分離膜モジュールでは透過してしまい、フラッシング水の流量が低減し、且つ水質の低下した水が透過するという問題がある。また、透過水流出管に設置されている弁を閉じた直後に発生する背圧により膜面に堆積した汚染物質を浮遊させる効果もあり、フラッシングの効果を一層高めることができる。
【0036】
また、フラッシングを行う直前に、フラッシング水供給側の圧力を抜くことで、それまで膜面を押さえつけていた圧力が抜け、膜が若干浮くことになるので、フラッシング水供給側の圧力を抜くことは原水流路に堆積している濁質を浮遊させることができる点で好ましい。原水ポンプ21の吐出側の原水供給第1配管22にブロー配管(図示せず)を設け、該フロー配管に弁(図示せず)を設け、この弁を開ける方法、あるいは、順方向の原水処理又は順方向のフラッシングを行っている場合には、第4弁dを開け、逆方向の原水処理又は逆方向のフラッシングを行っていある場合には、第3弁cを開ける方法が挙げられる。弁の開放速度としては、特に制限されないが、瞬間的に、好ましくは1秒以内に弁が全開になることが好ましい。瞬間的に圧抜きする方が、膜を浮かせやすく、また水撃作用による濁質排除効果も期待できる。また、この場合、透過水側の弁eを開とすることが好ましい。弁eが閉では膜間差圧がなくなり、膜を押さえつけている力がなくなるため、例え原水供給側の圧力を抜いても、膜が浮くことがないからである。
【0037】
本例の分離膜装置20に直接供給される原水としては、工業用水、水道水及び回収水が挙げられる。原水の濁度としては、特に制限されないが、濁度2度程度であっても、本発明の分離膜装置の運転方法を実施すれば、長期間運転においても通水差圧が上昇することはない。また、原水は40〜60℃に加温してから供給することが、膜面に発生するスライムを防止、除去することが可能となる点で好ましい。原水の温度が40℃未満ではスライム除去効果がほとんどなく、60℃を超えるとスライム除去効果はあるものの、水処理装置の耐熱温度を超えてしまう。また、40〜60℃に加温した原水は、連続的供給でも、断続的供給でもよい。断続的供給としては、1時間以上1週間以内の間隔で断続的に供給することが、膜面に発生するスライムを無駄なエネルギーを消費することなく効率的に除去できる点で好ましい。供給間隔が1時間未満では不要な加温を行うことになりエネルギーが無駄になる。一方、1週間を超えるとスライムの発生が起こりやすくなり、効果が低減してしまう。また、原水はpH2.0以上7.0未満の酸性状態にして供給することが、酸性水には大きな殺菌効果があり、スライムの発生を抑制すると共に膜面への濁質の堆積を低減することができる点で好ましい。pHが2.0未満ではシステムの耐薬品性の問題が生じてしまい、7.0以上であるとスライム発生を抑制する効果が期待できない。また、原水には原水中に砂粒などの粗大粒子を含む場合、予め目の粗いフィルターを通した処理水やスケールやファウリングを防止するための分散剤を添加したものも含まれる。分散剤としては、例えば市販品の「hypersperse MSI300」、「hypersperse MDC200」(共に、ARGO SCIENTIFIC社製)が挙げられる。
【0038】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
実施例1
濁度2度、導電率20.0mS/mの工業用水を図2に示すフローの分離膜装置で、下記運転方法及び運転条件下において、2000時間の運転を行った。分離膜装置は内径が20cmの筒状ベッセルに、網目状の原水スペーサーを巻回した8インチエレメントES−10(日東電工社製)3個を装着し、1つの連結部当たり、濁質排出孔は4個、これに接続する内径2cmの濁質除去分岐配管を4本及び濁質除去分岐配管と接続する濁質除去集合配管1本を設置した分離膜モジュールを用いた。分離膜モジュールの性能評価は運転初期及び2000時間における通水差圧(MPa)、透過水量(l/分)及び透過水の導電率(mS/m)を測定することで行った。結果を表1に示す。
【0039】
(運転方法)
(1)順方向の原水処理を8時間行う。
(2)順方向のフラッシングを、第1弁aは開、第2弁b、第4弁d、弁eは閉として、濁質除去配管弁f1を全開、第3弁c及び濁質除去配管弁f2を閉にして20秒保持し、その後濁質除去配管f1を閉じ、濁質除去配管弁f2を全開にして30秒保持し、その後濁質除去配管弁f2を閉じ、第3弁cを全開にして40秒保持する。
(3)逆方向の原水処理を8時間行う。
(4)逆方向のフラッシングを、第2弁bは開、第1弁a、第3弁c、弁eは閉として、濁質除去配管弁f2を全開、第4弁d及び濁質除去配管弁f1を閉にして20秒保持し、その後濁質除去配管弁f2を閉じ、濁質除去配管弁f1を全開にして30秒保持し、その後濁質除去配管弁f1を閉じ、第4弁dを全開にして40秒保持する。
上記操作(1)→(4)→(2)→(4)→(3)→(2)→(4)→(2)→を1サイクルとして繰り返し行う。
【0040】
(運転条件)
透過処理条件;操作圧力が0.75MPa、濃縮水流量が2.7m/時間、水温が25℃、原水pH7.0。
フラッシング条件;フラッシング水流量が8.1m/時間、水温が25℃。
【0041】
比較例1
下記の運転方法とする以外は、実施例1と同様の条件で行った。通水開始後1200時間経過した時点で、通水差圧が極端に上昇し、透過水が得られなくなったため、その時点で運転を停止した。
【0042】
(運転方法)
(1)順方向の原水処理を8時間行う。
(2)順方向のフラッシングを、第1弁aは開、第2弁b、第4弁d、弁eは閉として、濁質除去配管弁f1、f2を閉、第3弁cを全開にして60秒行う。
(3)逆方向の原水処理を8時間行う。
(4)逆方向のフラッシングを、第2弁bは開、第1弁a、第3弁c、弁eは閉として、濁質除去配管弁f1、f2を閉、第4弁dを全開にして60秒行う。
上記操作(1)→(4)→(2)→(4)→(3)→(2)→(4)→(2)→を1サイクルとして繰り返し行う。
【0043】
比較例2
比較例1の順方向のフラッシング60秒を300秒とすること、及び逆方向のフラッシング60秒を300秒とすること以外は、比較例1と同様の条件で実施した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003859151
【0045】
実施例1では、通水差圧が大きく上昇することなく2000時間の運転をすることができた。このことは、濁質の除去が十分であったことを表している。それに対し、比較例1では、通水差圧が極端に上昇してしまい、2000時間の運転を行うことができなかった。このことは、フラッシング水を濁質除去配管f1及びf2から排出させない場合は、濁質の除去を十分に行うことができないということを表している。比較例2から、フラッシング水を濁質除去配管から排出させない場合は、2000時間の運転を行うためには、フラッシングに長い時間が必要であることを表している。実施例1のフラッシング時間が1サイクル当たり540秒であるのに対し、比較例2のフラッシング時間は1800秒であることから、濁質除去配管からフラッシング水を排出させない場合は、多量の水が必要である。これは水の回収率の低下を招く。また、比較例2は実施例1に比べ、2000時間運転後の通水差圧の上昇が大きいことから、実施例1より濁質の除去効率が低いこともわかる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の分離膜モジュールによれば、濁質除去配管を設置することにより、濁質除去配管から濁質を含んだフラッシング水を排出して、連結部の周辺のデッドスペースに濁質が滞留すること及び上流のスパイラル型膜エレメントから剥離した濁質が下流のスパイラル型膜エレメントを汚染することを防ぐことができるので、複数のスパイラル型膜エレメントを連結させた分離膜モジュールの該スパイラル型膜エレメントの原水流路に堆積した濁質を十分かつ速やかに除去することができる。また、本発明の分離膜装置及び該分離膜装置の運転方法によれば、当該分離膜モジュールの機能を十分に発揮させることができる。従って、本発明の分離膜モジュール、分離膜装置及び分離膜装置の運転方法によれば、前処理システムを省略することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例の分離膜モジュールである。
【図2】本発明の実施の形態例の分離膜装置のフロー図である。
【図3】従来から使用されているスパイラル型膜エレメントの一例である。
【符号の説明】
11a、11b 連結部
12a、13a、12b、13b 分岐管
14a、14b 集合管
15a、15b デッドスペース
16a、16b、17a、17b 濁質排出孔
18 筒状ベッセル
19a〜19c ブラインシール
20 分離膜装置
20A 分離膜モジュール
21 原水ポンプ
22 原水供給第1配管
23 原水供給第2配管
24、44 透過水集水管
25 流れ方向転換配管
26a、26b 濁質除去配管
28 透過水流出配管
a 第1弁
b 第2弁
c 第3弁
d 第4弁
e 透過水流出配管弁
f1、f2 濁質除去配管弁
40 スパイラル型膜エレメント
41 逆浸透膜
42 透過水スペーサー
43 袋状膜
45 原水スペーサー
46 原水
47 透過水
48 濃縮水
4a スパイラル型膜エレメントの一方の端面側
4b スパイラル型膜エレメントの他方の端面側
201a〜201c、40 スパイラル型膜エレメント
231 濃縮水流出第2分岐配管
251 濃縮水流出第1分岐配管

Claims (9)

  1. 透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントの複数個と、隣接するスパイラル型膜エレメントを直列に連結する連結部と、該複数のスパイラル型膜エレメントを装填する筒状ベッセルと、該筒状ベッセルの周面部であって該連結部の周辺部に形成される一箇所の連結部当たり2〜4個の濁質排出孔と、該濁質排出孔に接続される分岐配管と、該分岐配管に接続すると共に配管弁を有する集合配管とからなる濁質除去配管、を備えることを特徴とする分離膜モジュール。
  2. 原水ポンプと第1弁を接続する原水供給第1配管と、第1弁と分離膜モジュールを接続する原水供給第2配管と、該分離膜モジュールの透過水側に接続される透過水流出配管と、第2弁を有し原水供給第1配管から分岐し該分離膜モジュールの濃縮水流出側に接続される流れ方向転換配管と、第3弁を有し流れ方向転換配管から分岐し濃縮水が流出する濃縮水流出第1分岐配管と、第4弁を有し原水供給第2配管から分岐し原水の流れ方向を逆方向とした場合の濃縮水が流出する濃縮水流出第2分岐配管と、を備える装置であって、該分離膜モジュールは、透過水集水管の外周面に袋状の分離膜を原水スペーサーと共に巻回してなるスパイラル型膜エレメントの複数個と、隣接するスパイラル型膜エレメントを直列に連結する連結部と、該複数のスパイラル型膜エレメントを装填する筒状ベッセルと、該筒状ベッセルの周面部であって該連結部の周辺部に形成される濁質排出孔と、該濁質排出孔に接続される濁質除去配管を備えることを特徴とする分離膜装置。
  3. 原水ポンプと第1弁を接続する原水供給第1配管と、第1弁と請求項1記載の分離膜モジュールを接続する原水供給第2配管と、該分離膜モジュールの透過水側に接続される透過水流出配管と、第2弁を有し原水供給第1配管から分岐し該分離膜モジュールの濃縮水流出側に接続される流れ方向転換配管と、第3弁を有し流れ方向転換配管から分岐し濃縮水が流出する濃縮水流出第1分岐配管と、第4弁を有し原水供給第2配管から分岐し原水の流れ方向を逆方向とした場合の濃縮水が流出する濃縮水流出第2分岐配管と、を備えることを特徴とする分離膜装置。
  4. 請求項2又は3記載の分離膜装置の運転方法であって、フラッシング水の全部又は一部を前記濁質除去配管から排出するフラッシング工程を行うことを特徴とする分離膜装置の運転方法。
  5. 前記分離膜装置に複数の濁質除去配管が付設される場合、前記フラッシング工程が、フラッシング水の全部又は一部の排出を、一の濁質除去配管毎に順次行なう個別フラッシングであることを特徴とする請求項4記載の分離膜装置の運転方法。
  6. 前記フラッシング工程は、直前の原水処理工程が順方向の原水処理である場合には逆方向のフラッシングを最初に行い、直前の原水処理工程が逆方向の原水処理である場合には順方向のフラッシングを最初に行うことを特徴とする請求項4又は5記載の分離膜装置の運転方法。
  7. 前記フラッシング水は、気体が混入されたフラッシング水であることを特徴とする請求項4〜6いずれか1項記載の分離膜装置の運転方法。
  8. フラッシングを行う際、透過水側の弁を全閉として行うことを特徴とする請求項4〜7いずれか1項記載の分離膜装置の運転方法。
  9. フラッシングを行う前に、原水供給側の圧抜きを行うことを特徴とする請求項4〜8いずれか1項記載の分離膜装置の運転方法。
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