JP3858862B2 - 液体カートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体カートリッジに関する。特に本発明は、液体噴射装置へ装着されることにより液体噴射装置へ液体を供給する液体カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置において、インクを収容したインクカートリッジが、インクジェット式記録装置のキャリッジに装着されることにより、記録ヘッドへインクが供給される。ここで、インク、インクジェット式記録装置およびインクカートリッジは、それぞれ液体、液体噴射装置および液体カートリッジの一例である。
【0003】
インクカートリッジにおいて、例えば、インクを収容したインク収容部と、キャリッジのインク供給針が挿入されてインク収容部のインクを記録ヘッド側に供給するインク供給部と、インク収容部側と記録ヘッド側との間の圧力差に基づいてインク収容部とインク供給部とを連通する弁部材と、インク収容室を大気と連通するための大気弁とが設けられる(例えば、特許文献1参照)。大気弁は、インクカートリッジがキャリッジに装着される方向に直交する方向に移動可能に配される。例えばインクカートリッジがキャリッジへ上から下に押し込まれて装着される場合において、大気弁は、水平方向に移動可能に配される。このインクカートリッジがキャリッジに装着されるのに伴い、キャリッジの一部である当接部材が大気弁と当接して大気弁を水平方向に動かし、インク収容部を大気に連通する。この状態において、記録ヘッドがインクを消費すると、インク供給制御手段がインク収容部から記録ヘッドへインクを供給する。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−103643号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記インクカートリッジにおいて、キャリッジの当接部材は、インクカートリッジがキャリッジに装着される方向と直交する方向に大気弁を動かすので、大気弁のがた、または、キャリッジの当接部材のがた等により、インクカートリッジがキャリッジへ装着された場合に、当接部材が大気弁と当接せず大気弁が開放されないことがあった。また、上記インクカートリッジにおいて、大気弁が連通孔を開放した状態において、インク収容部に収容されたインクが連通孔を通じてインクカートリッジの外に漏れ出すおそれがあった。
【0006】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる液体カートリッジを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、液体噴射装置に装着されて前記液体噴射装置へ液体を供給する液体カートリッジであって、前記液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部と連通すると共に、前記液体噴射装置に形成された液体供給針が挿入される液体供給部と、前記液体収容部を大気に連通させる連通孔と、前記連通孔の周囲を封止する封止部、および、前記封止部から突起して前記連通孔に挿通されて前記連通孔の内面に対して隙間を形成しつつ複数箇所で接する軸部を有する大気弁とを備え、前記液体カートリッジが前記液体噴射装置に装着された場合に、前記軸部が前記液体噴射装置に形成された当接部材に当接し、前記封止部が前記液体供給部対する前記液体供給針の挿入方向とほぼ平行な方向に移動して、前記液体収容部を前記連通孔に対して開放する液体カートリッジが提供される。
この構成により、大気弁の移動方向が、液体供給部への液体噴射装置の液体供給針の挿入方向と平行なので、液体カートリッジの装着に伴って、液体噴射装置の当接部材により大気弁が確実に押し上げられる。さらに、液体カートリッジの外形が液体カートリッジの装着方向に縦長である場合には、液体カートリッジの横方向の幅を広くすることなく、大気弁が移動するストロークを大きくすることができる。また、大気弁は連通孔に対して複数の個所で正確に位置決めされる。更に、接触箇所間には隙間が形成されているので、連通孔を流れる大気の流路抵抗が増加することを防ぐことができる。
【0008】
上記液体カートリッジは、当該液体カートリッジが液体噴射装置から外された状態において連通孔を封止すべく大気弁を連通孔へ付勢するコイルバネをさらに備えてもよい。これにより、コイルバネが伸縮するストロークを大きくすることができ、板バネを用いた場合と比較して、大気弁を、連通孔を封止する方向へ付勢する付勢力を大きくすることができる。
【0009】
上記液体カートリッジにおいて、大気弁は、コイルバネに挿入される略円筒形状を有するガイド部と、コイルバネにより連通孔の周囲を封止すべく付勢される、ガイド部よりも大きい直径を有する円板部とを有し、ガイド部には、コイルバネに挿入される側から切り込まれた切込部が設けられてもよい。これにより、大気弁のガイド部がコイルバネに挿入された状態で、組み立て冶具を切込部に嵌合させて大気弁とコイルバネと仮止めすることができるので、大気弁およびコイルバネを液体カートリッジに容易に組み込むことができる。
【0010】
上記液体カートリッジにおいて、前記連通孔が矩形の断面形状を有し、前記軸部が、前記連通孔の内側に内接する円形の断面形状を有することができる。これにより、大気弁は、連通孔に対しがたをなくした状態で正確に位置決めされる。また、連通孔と軸部とは接触箇所間に空気の流路を有するので、封止部が連通孔を開放した場合に、連通孔を流れる大気の流路抵抗を減少させることができる。
【0011】
上記液体カートリッジは、前記液体噴射装置の前記当接部材に対向する面に前記面から陥没して形成され、前記液体収容室に連通した連通路の一端でんある連通孔および大気に連通する連通路の一端である連通孔が内部に開口する凹部と、前記凹部を前記当接部材の側から封止するフィルムとを備え、前記大気弁は撓みを有する前記フィルムを介して前記当接部材により押圧されて移動されるよう構成されていてもよい。
これにより、液体噴射装置の当接部材がフィルムを介して大気弁を押し上げる場合に、フィルムが引き伸ばされて破れることを防ぐことができる。また、フィルムを押圧するための抵抗を下げることができる。
【0012】
上記液体カートリッジは、大気弁および連通孔より下方であって、連通孔よりも大気に近い側に設けられ、連通孔から流出した液体を溜める液体溜部をさらに備えてもよい。これにより、液体が連通孔および大気弁よりも大気に近い側へ流出することがあっても、この液体は液体溜室に溜められる。よって、この液体が液体カートリッジから外部へ漏れ出すことを防ぐことができる。
【0013】
上記液体カートリッジにおいて、液体溜部の上部には、大気と液体収容部の連通孔とを連通する連通孔が配される。これにより、液体が連通孔および大気弁の方へ流出することがあっても、この液体を連通孔から液体溜部に逃がして、連通孔を流れる大気の流路抵抗を減少させることができる。
【0014】
上記液体カートリッジは、液体溜部は、底面が開放された中空部およびこの中空部の底面を封止するフィルムを有し、液体溜部の中空部に収容され、液体噴射装置に形成された当接部材によりフィルムを介して押し上げられることにより、大気弁を押し上げる大気弁押圧部材をさらに備えてもよい。これにより、大気弁を液体カートリッジにおける上部に配し、液体溜部の容量を大きくすることができる。
【0015】
上記液体カートリッジは、大気弁が連通孔を開放するまで、液体噴射装置の部材がフィルムを介して大気弁押圧部材を押し上げるべく、フィルムが撓を有してもよい。これにより、液体噴射装置の当接部材がフィルムを介して大気弁押圧部材を押し上げる場合に、フィルムが引き伸ばされて破れることを防ぐことができる。
【0016】
上記液体カートリッジは、液体収容部と連通孔との間を遮断するシールフィルムをさらに備え、カートリッジ装着時に前記シールフィルムを破断するための破断手段を備えてもよい。これにより、未使用時に液体が連通孔より大気側へ流出するのを防ぐことができる。
また、上記液体カートリッジが、液体カートリッジの外面に隆起して形成され、液体カートリッジに装着される記憶手段を支持すると共に、液体カートリッジが前記液体噴射装置に装着される場合に液体噴射装置に接して液体カートリッジを位置決めする取付部を更に備え、大気弁が取付部の近傍に配置されていてもよい。これにより、大気弁と当接部材との位置を正確に位置合わせすることができ、確実に大気開放を行うことができる。
【0017】
本発明の第2の形態によると、液体噴射装置の一部に当接して液体噴射装置に対して回動しながら装着される液体カートリッジであって、液体を収容する液体収容部と、液体収容部と連通すると共に、液体噴射装置の液体供給針が挿入された場合に、液体供給針により押し上げられる供給弁を有する液体供給部と、液体収容部を大気に連通させる連通孔と、連通孔の周囲を封止する封止部、および、封止部から突起して連通孔に挿通されて連通孔の内面に対して隙間を形成しつつ複数箇所で接する軸部を有する大気弁とを備え、当該液体カートリッジが液体噴射装置に対して回動される支点を中心として、大気弁が液体噴射装置の当接部材に当接すべく当該液体カートリッジが液体噴射装置に対して回動される角度は、支点を中心として液体供給部の供給弁が液体供給針に当接すべく当該液体カートリッジが液体噴射装置に対して回動される角度よりも小さい液体カートリッジが提供される。
これにより、液体カートリッジが液体噴射装置へ装着される場合に、液体供給針が液体供給部へ挿入される前に大気弁を開放することができ、液体カートリッジ内部の圧力が液体噴射装置の圧力よりも小さい場合に生じる液体噴射装置から液体カートリッジへの液体の引き込みを防止することができる。詳細には、液体カートリッジが装着された場合に、液体噴射ヘッドのノズルに形成されたメニスカスを液体カートリッジ内部の負圧(大気圧よりも低い圧力)によりヘッド内部に引き込むと共に、ノズルから気泡もヘッド内部に浸入させてヘッドの吐出不良を発生させる可能性があるが、上記構成によればこれを防止することができる。
【0018】
本発明の第3の形態によると、液体噴射装置の一部に当接して前記液体噴射装置に対して回動しながら装着される液体カートリッジであって、液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部と連通すると共に前記液体噴射装置に形成された液体供給針が挿入される液体供給部と、前記液体収容部を大気に連通させる連通孔と、前記連通孔の周囲を封止する封止部、および、前記封止部から突起して前記連通孔に挿通されて前記連通孔の内面に対して隙間を形成しつつ複数箇所で接する軸部を有する大気弁とを備え、前記大気弁の前記当接部材との当接部は、前記液体供給部よりも、当該液体カートリッジが前記液体噴射装置に対して回動される支点の近傍に配される液体カートリッジが提供される。
これにより、液体カートリッジが液体噴射装置へ装着される場合に、液体供給針が液体供給部へ挿入される前に大気弁を開放することができ、液体カートリッジ内部の圧力が液体噴射装置の圧力よりも小さい場合に生じる液体噴射装置から液体カートリッジへの液体の引き込みを防止することができる。詳細には、液体カートリッジが装着された場合に、液体噴射ヘッドのノズルに形成されたメニスカスを液体カートリッジ内部の負圧(大気圧よりも低い圧力)によりヘッド内部に引き込むと共に、ノズルから気泡もヘッド内部に浸入させてヘッドの吐出不良を発生させる可能性があるが、上記構成によればこれを防止することができる。
【0019】
上記液体カートリッジにおいて、液体収容部と連通孔との間に、連通孔側から液体収容部側へ大気が移動することを許容し、液体収容部側から連通孔側へ液体が移動することを禁止する逆止弁をさらに備えてもよい。
これにより、液体供給針が液体供給部に挿入される前に大気弁が開放されても、大気弁側に液体が流出するのを確実に防止することができる。
【0020】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、液体噴射装置の液体噴射ヘッドに液体を供給するのに適した液体カートリッジの一例を、インクジェット式記録装置用のインクカートリッジ100に例を採り、その構造を斜め上方からみた状態で示す正面斜視図である。
【0023】
なお、本発明でいう液体噴射装置とは、インクジェット式記録装置の液体噴射ヘッドだけではなく、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置の色剤噴射ヘッドや、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、さらにはバイオチップを製造するバイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッド及び精密ピペットしての試料噴射ヘッドなどを含む。
【0024】
図2及び図3は、図1のインクカートリッジ100を斜め下方からみた背面斜視図で、図2は、インクカートリッジ100の表面にフィルム110が貼り付けられる前の状態を示す図であり、図3は、インクカートリッジ100にフィルム110が貼り付けられた状態を示す図である。さらに図4、図5は、インクカートリッジ100を構成する部材を分解して示す組み立て斜視図である。図6及び図7は、図1のインクカートリッジ100の正面図であり、図6は、インクカートリッジ100の開口部122にフィルム130が貼り付けられる前の状態を示す図であり、図7は、インクカートリッジ100の開口部122にフィルム130が貼り付けられた状態を示す図である。なお、図7において、ハッチングで示された領域にフィルム130が貼り付けられる。
【0025】
図4に示すように、インクカートリッジ100は、開口部122を有する有底の略筐体形状のカートリッジ本体120、この開口部122のほぼ全面を覆うフィルム130、および、このフィルム130の外側を覆う蓋体140を備える。カートリッジ本体120の内部は、後述のようにリブや壁により区画される。フィルム130は、カートリッジ本体120の開口部122のほぼ全面を、その内部が密閉状態となるように封止する。蓋体140は、さらにフィルム130の外側を非密閉状態で被覆するようにカートリッジ本体120に固定される。
【0026】
カートリッジ本体120は、インクを収容するインク収容部111と、インク収容部111からインク供給部160までのインク流路部と、インク収容部111を大気に連通させるインク側通路、大気弁収容部及び大気側通路からなる大気連通部とを備え、例えばプロピレン(PP)により一体成形されている。
【0027】
インクカートリッジ100はさらに、インク供給制御手段150と、インク供給部160と、記憶手段170と、係合レバー180とを有する。インク供給部160は、カートリッジ本体120の下面に配され、インクカートリッジ100が装着されるキャリッジ42に形成されたインク供給針が挿入されて、インク収容部111に収容されたインクをインクジェット式記録装置の記録ヘッドへ供給する。記憶手段170は、取付部190にかしめられ、この取付部190は、カートリッジ本体120の側面の下方にかしめられて取り付けられる。記憶手段170は、インクカートリッジ100の種類の情報、インクカートリッジ100が保持するインクの色の情報、および、インクの現存量等の情報を記憶し、表面に露出した複数の端子171により装置本体との間でこれらの情報を受け渡す。係合レバー180は、カートリッジ本体120における取付部190と対向する側面の上部に成形され、インクジェット式記録装置のキャリッジ42と係合する。取付部190の側面は、キャリッジに形成された図示しないリブにより規制されて、上記端子171とキャリッジ側の弾性接点とが確実に当接するように構成されている。
【0028】
インク供給制御手段150は、インクの消費に伴って発生するインク収容部111とインク供給部160との圧力差により、インク収容部111のインクをインク供給部160へ供給する差圧弁から構成されている。インク供給制御手段150は、弾性変形可能であって、カートリッジ本体120の凹部495に挿入される弁部材の一例である膜弁900と、凹部495を覆う弁蓋151と、膜弁900および弁蓋151の間に配される付勢部材の一例としてのコイルバネ907とを有する。
【0029】
インク収容部111は、図6、7に示したように水平方向に延びる壁272により、上部と下部とに大きく分割され、下部には連通孔242により大気と連通可能な大気側収容部270が、また上部には大気から遮断された2つの第1インク収容部292及び第2インク収容部294からなる供給側収容部290が形成されている。供給側収容部290は、壁272の近傍(下部領域)に連通部276を有する斜めの壁271により、第1、及び第2インク収容部292、294の2つに分割され、また第2インク収容部294に周りを囲まれるように配された流路部296が形成されている。流路部296は下部の連通部278を介して、第2インク収容部294と接続されるとともに、通路298、300及び通孔918を介してインク供給制御手段150に接続されている。
また、インク供給制御手段150の下流側は、インク供給制御手段150と連通する通孔910、通孔910と連通する連通部302および流路321、流路321の一端に形成され、表面側に向けて形成された通孔323、および、通孔323と一端が連通した連通部304を介して、インク供給部160と連通するよう構成されている。
【0030】
大気側収容部270と第1インク収容部292とは垂直に延びる連通路295により連通されていて、インク供給部160からのインクの消費に対応して大気側収容部270のインクを第1インク収容部292に吸い上げ、ここから第2インク収容部294、流路部296等を介してインク供給制御手段150に流れ込ませるように構成されている。インク収容部111の大気側収容部270からインク供給制御手段150へは、連通部274、第2のインク注入口162、連通路295、連通部276、278、流路部296、通路298、300、通孔918をこの順に通ってインクが流れ込む。
【0031】
一方、大気弁部250は、大気弁254が収容される中空の大気弁収納室232を有し、大気弁収納室232の下方の壁面には、大気弁254の軸部264の径より若干径が大きく大気の連通流路をも兼ねる連通孔239を有し、ここに大気弁254の軸部264がコイルバネ255により常時、インクカートリッジ100の底面に向かって付勢されて摺動自在に挿入されて、インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置のキャリッジ42に装着されていない場合に大気弁254によって連通孔239を封止している。これにより、大気弁254は、インクカートリッジ100がキャリッジ42へ装着される鉛直方向に移動可能に配され、キャリッジ42に装着される場合に、キャリッジに形成された当接部材の一例としての当接部材60により押し上げられ、連通孔239を開放する。
【0032】
図8は、図1のインクカートリッジ100においてフィルム110が貼り付けられる前の状態を示す背面図である。上述した連通孔239を境として大気と連通する側である大気側通路は、開口212、蛇行した通路214、フィルタ収容部216、連通孔218および連通部222、連通部222の底面に形成された連通孔253、連通部224により構成されている。
詳細には、図8に示すように、カートリッジ本体120の表側に形成された迷路状に蛇行した1本の通路214の一端は開口212として大気に開放され、他端は撥インク性と通気性の機能を備えたフィルタ215(図4、図5)が収容されたフィルタ収容部216に接続されている。フィルタ収容部216は、カートリッジ本体120の表側から裏側に貫通する連通孔218と連通する。連通孔218は、カートリッジ本体120の裏側において連通部222、連通部222を区画する部屋の底部に形成された連通孔253を介して連通部224と接続している。通路214の途中には、凹部からなるチャンバ930が設けられている。
【0033】
図2に示すように、連通部224は、カートリッジ本体120の底面に凹部257として形成され、大気弁254の作動棹である軸部264を露出させ、かつ大気弁254を収容する大気弁収納室232との連通が可能な連通孔239と、連通部222に連通する連通孔253が凹部257内に形成され、凹部257の外面を第1のインク注入口161、第2のインク注入口162を封止するフィルム132により封止して形成されている。このフィルム132は、キャリッジ42に設けられた操作部材の押圧力により弾性変形可能なものが選択されている。
【0034】
一方、図6に示すように上述した連通孔239を境として大気側収容部270と連通するインク側通路は、大気弁収納室232、通孔234a、連通室234b、連通部234c、連通室234d、連通部236、連通室237および連通孔238、連通溝240、連通孔242とで形成されている。詳細には、大気弁収納室232の上部の壁には通孔232aが形成されており、この通孔232aを介して連通室234b、連通室234bの上部の壁の切り欠きによって形成された連通部234c、連通部234cの上部に設けられた連通室234d、連通室234dの上部の壁の切り欠きによって形成された連通部236、下方に連通孔238が形成された連通室237と順に連通する大気通路が形成されている。カートリッジ本体120の裏側から表側に貫通する連通孔238は、連通孔238と連通する連通溝240、連通溝240と連通すると共にカートリッジ本体120の表側から裏側に貫通する連通孔242を介して大気側収容部270と連通する。
これら、大気側収容部270、供給側収容部290、大気弁部250、及び大気側通路、インク側通路は、それぞれを区画する壁にフィルム130、110を熱溶着などの方法で貼着することにより大気と隔離された領域となる。
【0035】
インク供給部160は、キャリッジ42に設けられたインク供給針が挿入される挿入口26を有するエラストマ等から形成されたシール部材12と、シール部材12の挿入口26を塞ぐ供給弁13と、供給弁13をシール部材12に向けて付勢するコイルスプリング等からなる付勢部材14とを有する。なお、シール部材12の挿入口26には、工場出荷時において、フィルム604が貼り付けられている。
インクカートリッジ100がインクジェット式記録装置のキャリッジ42に装着されると、キャリッジ42に設けられた凸部がフィルム132を介して大気弁254の軸部264を上方に押し上げるとともに、キャリッジ42のインク供給針がインク供給部160の供給弁13を上方に押し上げる。これにより、連通孔239は、大気弁収納室232から連通孔242までの大気流路を大気と連通する。また、インク供給部160における供給弁13より上流は、インク供給針と連通する。
【0036】
連通孔242が大気と連通している状態において、インクジェット式記録装置が記録を始めると、インク供給部160からインク供給針を通して記録ヘッドへインクが供給される。インク供給部160からインクが供給されると、インク収容部111において図6に示す矢印a、通孔918の順に流れたインクが、インク供給制御手段150を経由して、図6に示す矢印b、c、dの順に流れて、インク供給部160に流れ込み、インク供給部160に挿入されたインク供給針にインクが供給される。
【0037】
このインクの流れにあわせてインク収容部111においては、大気側収容部270のインクが供給側収容部290に供給される。大気側収容部270のインクの消費に伴って空気が、図6における矢印f、底面の連連通部224、および矢印gの経路を順に通って、連通孔242から大気側収容部270へ流入する。インク供給部160から記録ヘッドへインクが供給されて大気側収容部270の液面が下がるが、大気側収容部270と供給側収容部290とを接続する流路は、大気側収容部270の最も下部に連通口があるので、大気側収容部270の全てのインクが供給側収容部290へ移動するまで、供給側収容部290には空気が流入しない。
【0038】
大気側収容部270のインクがすべて消費された後に、供給側収容部290の第1インク収容部292および第2インク収容部294のインクがこの順に消費される。この間、供給側収容部290と大気側収容部270とを連通する第2のインク注入口162に形成されるインクのメニスカスによる表面張力により、供給側収容部290のインクが大気側収容部270に逆流することが防止される。
【0039】
第1インク収容部292のインクが消費され始めると、第1インク収容部292に空気が流入する。これにより、第1インク収容部292の液面が下がるが、第1インク収容部292と第2インク収容部294とは、下部のみが連通部276により連通しているので、まず、第1インク収容部292のインクが消費される。第1インク収容部292のインクが消費されて、液面が連通部276に到達すると、第2インク収容部294のインクが消費されるのにあわせて、空気は第2インク収容部294にも流入する。第2インク収容部のインクが消費される間、連通部276にインクのメニスカスによる表面張力が生じるため、第2インク収容部294のインクが第1インク収容部292に逆流することが防止される。
【0040】
上述のように大気側収容部270、第1インク収容部292および第2インク収容部294のインクはこの順に消費されるが、インクの液面がいずれの収容部にあっても、インクは、インク収容部111を上下に略二分する壁272の近傍に配された連通部278から通路300を経由して通孔918を通ってインク供給部160へ供給される。
【0041】
図6に示すように、連通孔242には、連通孔242から大気側収容部270へ大気が移動することを許容し、大気側収容部270から連通孔242へインクが移動することを禁止する逆止弁90が設けられてもよい。逆止弁90の一例は、フィルム弁である。この場合、大気側収容部270側から連通孔242を覆うように矩形のフィルムの一辺が貼り付けられ、その他の3辺部分を運動自在とする。これにより、インク収容部111から連通孔242へインクが流出することを防ぐことができる。
【0042】
図9は、大気弁254およびカートリッジ本体120の連通孔239の周囲を示す分解斜視図である。大気弁254は、略円筒形状を有しコイルバネ255が挿入されるガイド部258と、ガイド部258の一方の先端に設けられた円板部260と、円板部260においてガイド部258と反対側に環状に突出するシール部262と、円板部260の中心からガイド部258と反対側に延出する軸部264とを有する。ガイド部258には、コイルバネ255に挿入される側から切り込まれた切込部266が設けられる。円板部260は、ガイド部258よりも大きい直径の円板形状を有し、コイルバネ255により連通孔239の周囲を封止すべく付勢される。シール部262は、本発明における封止部の一例であり、矩形の連通孔239の外側を囲むように環状に突出する。本実施形態において、シール部262の環状の先端は内外の2重に突出(断面M型)し、これによりシール力が高められる。軸部264は、矩形の連通孔239に略内接する径を有する円柱形状を有し、シール部262よりも延出する。シール部262を除く大気弁254は、例えばポリプロピレンにより成形され、シール部262は例えばエラストマにより成形される。これらは2色成形により一体成形される。しかしながら、シール部262の構成はこれに限られず、シール部262は大気弁254とは別体のOリングとして形成されてもよい。
【0043】
大気弁254を、カートリッジ本体120の大気弁収納室232に収納する方法を以下に説明する。まず、大気弁254のガイド部258をコイルバネ255中に挿入し、コイルバネ255の一端を円板部260に当接させる。コイルバネ255の他端を冶具により押下してガイド部258よりも短くなるまでコイルバネ255が縮められる。この状態において、切込部266に組み立て冶具が挿入されて、冶具にコイルバネ255および大気弁254が仮止めされる。冶具により仮止めされた大気弁254およびコイルバネ255を、大気弁254の軸部264を連通孔239に挿入し、大気弁収納室232に収納される。大気弁254の軸部264が連通孔239に挿入された状態で、組み立て冶具を切込部266から取り外す。これにより、コイルバネ255が開放され、大気弁254の円板部260および大気弁収納室232の壁部269との間に挟まれる。よって、コイルバネ255は、連通孔239を封止すべく大気弁254を連通孔239へ付勢する。大気弁254がコイルバネ255に付勢されることにより、シール部262が、連通孔239を覆うように封止して、インク収容部111を大気から遮断する。
【0044】
以上のように、大気弁254のガイド部258がコイルバネ255に挿入された状態で、組み立て冶具を切込部266に挿入させることができるので、大気弁254およびコイルバネ255をインクカートリッジ100に容易に組み込むことができる。また、コイルバネ255が伸縮するストロークを大きくすることができ、板バネを用いた場合と比較して、連通孔239を封止する方向へ、大気弁254を大きな付勢力で付勢することができる。
【0045】
また、図9に示すように、軸部264は円形断面を有し、連通孔239は略正方形なので、大気弁254の軸部264は、連通孔239と4点で内接する。これにより、大気弁254は、連通孔239に対しがたをなくした状態で正確に位置決めされる。さらに、連通孔239と軸部264とは接触箇所間に空気の流路を有するので、シール部262が連通孔239を開放した場合に、連通孔239を流れる大気の流路抵抗を減少させることができる。
【0046】
図10は、インクジェット式記録装置のキャリッジ42およびこのキャリッジ42に装着されるインクカートリッジ100を示す斜視図である。図11および図12は、インクカートリッジ100がキャリッジ42に装着される方法を示す概略断面図である。図11および図12は、インクカートリッジ100およびキャリッジ42を簡略化して示す。
【0047】
図10に示すように、キャリッジ42は、上面が開放された略箱形状を有し、上面から装着される複数のインクカートリッジ100を保持する。図10に示す実施形態において、キャリッジ42の内側には、3つのリブ33が設けられる。これらリブ33の間およびリブ33とキャリッジ42の側面の間に、互いに同型のカラーインクカートリッジ3個と、これらと厚みだけが異なるブラックインクカートリッジ1個が装着される。
【0048】
キャリッジ42の内側の底面には、インクカートリッジ100が装着された場合におけるインク供給部160の位置に、インク供給部160に挿入されるインク供給針50がそれぞれ設けられる。インク供給針50は、先端に円錐形状を有する中空の針形状であり、インク供給部160から供給されるインクを記録ヘッドに供給する。さらにキャリッジ42の内側の底面には、インクカートリッジ100が装着された場合におけるインクカートリッジ100の大気弁254と対向する位置に、大気弁254を押し上げる当接部材60がそれぞれ設けられる。
【0049】
キャリッジ42において係合レバー180と対向する側面には、係合レバー180の突起20と係合する溝部37および爪部19に係合する係合凹部38が設けられる。溝部37には、上部がインクカートリッジ100側に向けて広がる溝部37aが設けられる。この溝部37は、インクカートリッジ100が装着される途中において、係合レバー180の両側面に形成された突起20を案内するとともに、インクカートリッジ100が装着された状態において係合レバー180をインクカートリッジ100の外側に広げて保持する。
【0050】
キャリッジ42における溝部37の下方には、ガイド溝部39が設けられる。ガイド溝部39は、インクカートリッジ100がキャリッジ42に深く挿入された場合に、インクカートリッジ100のガイド凸部11を収容し、インクカートリッジ100の装着が完了した状態において、インクカートリッジ100の幅方向のがたつきを防ぐ。
【0051】
図11に示すように、キャリッジ42においてインクカートリッジ100の記憶手段170と対向する側面には、キャリッジ42の側面と連結する上端40aおよびインクカートリッジ100の取付部190の取付面190aに当接する下端40bを有する位置決め片40が配される。この位置決め片40より下方には、取付部190に取り付けられた記憶手段170の端子171に電気的に接触する弾性接点41が配される。
【0052】
図11に示すようにインクカートリッジ100をキャリッジ42の上方で位置合わせすると、取付部190が位置決め片40に接触する。この状態でさらにインクカートリッジ100を下方に垂直に押し込むと、位置決め片40が取付部190に押されて変形し、取付部190が位置決め片40を通過してさらに降下する。この過程でインクカートリッジ100の係合レバー180における両側の突起20が溝部37aに案内されるとともに、ガイド凸部11がガイド溝部39に進入する。
さらに、インクカートリッジ100が押し込まれると、インク供給針50がインク供給部160内に進入して、付勢部材14の付勢力に抗して供給弁13を押し上げると共に、当接部材60が、フィルム132を介して大気弁254を押し上げ、大気弁254が連通孔239を開放する。
大気弁254の移動方向が、インクジェット式記録装置のキャリッジ42へインクカートリッジ100が装着される方向と平行であるので、インクカートリッジ100の装着に伴って、大気弁254が確実に押し上げられる。さらに、インクカートリッジ100の外形がインクカートリッジ100の装着方向について縦長であるので、インクカートリッジ100の横方向を長くすることなく、大気弁254が移動するストロークを大きくすることができる。また、記憶手段170を保持する取付部190の近傍に大気弁254が配置されているので、キャリッジ42に対して記憶手段170を位置決めすることより大気弁254と当接部材60との位置を正確に位置決めすることができ、確実に大気開放を行うことができる。
【0053】
図12に示すように、インクカートリッジ100がキャリッジ42の下面まで押し込まれると、係合レバー180は、爪部19が係合凹部38の上面を乗り越えた後に回動して、強い弾性力により係合凹部38に落ち込み、強い1回のクリック音を発する。これにより、ユーザはインクカートリッジ100がキャリッジ42に確実に装着されたことが確認できる。
【0054】
図13は、インクカートリッジ100がキャリッジ42に装着される他の例を示す概略断面図である。図13も、図11および図12と同様に、インクカートリッジ100およびキャリッジ42を簡略化し、さらに説明を簡略にするため、キャリッジ42におけるインクカートリッジ100の係合レバー180側を破断して省略した。図13に示すキャリッジ42において、図11に示すキャリッジ42と同一の構成には同一の参照番号を付し、説明を省略する。
【0055】
図13に示すキャリッジ42には、インクカートリッジ100が回動されながら装着される。インクカートリッジ100がキャリッジ42に装着される場合、まず、インクカートリッジ100の記憶手段170が取り付けられた取付部190の上面がキャリッジ42の当接部70の下面に当接される。次に、この取付部190の上面と当接部70との当接点を支点Oとして図中矢印Aの方向へインクカートリッジ100をキャリッジ42に対して回動することにより、インクカートリッジ100がキャリッジ42に装着される。
【0056】
インクカートリッジ100において、大気弁254の軸部264は、支点Oに対してインク供給部160の供給弁13よりも近傍に配される。また、インクカートリッジ100において、支点Oを中心として大気弁254の軸部264の下端およびキャリッジ42の当接部材60の上面がなす角度θ1は、支点Oを中心としてインク供給部160の供給弁13の下面およびインク供給針50の上端がなす角度θ2よりも小さい。よって、大気弁254が当接部材60に当接すべくインクカートリッジ100が回動される角度(θ1)は、供給弁13がインク供給針50に当接すべくインクカートリッジ100が回動される角度(θ2)よりも小さい。これにより、インクカートリッジ100をキャリッジ42へ支点Oを中心として回動しながら装着する場合に、インク供給針50が供給弁13と当接する前に、当接部材60が軸部264に当接して、大気弁254を押し上げる。よって、インク供給針50がインク収容部111と連結するより前に、大気弁254を押し上げ、インク収容部111を大気に連通させることができる。
【0057】
次に本発明の大気弁の他の実施の形態について説明する。
図14,15は本発明の他の実施例に係わる大気弁及びそれを収容した大気弁収容室の構造について説明するための図であり、図14(a)および図14(b)は、針部267を有する大気弁254の斜視図である。これらの大気弁254において、図9と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。図14(a)および図14(b)に示した大気弁254の針部267は、軸部264と反対側においてガイド部258よりも突出し、先端が鋭角な形状を有する。本実施形態の針部267は、本発明における破断手段の一例である。
図15は、図14(a)に示す大気弁254が収納されたインクカートリッジ100の大気弁収納室232の一例を示す拡大断面図である。図15に示す大気弁収納室232において、図6に示す大気弁部250と同一の構成には同一の参照番号を付し、説明を省略する。
【0058】
図15に示す大気弁収納室232は、大気弁254の円板部260の外径と略同一径の内径を有する中空の円筒形状を有する。大気弁収納室232は、さらに円筒形状の側面に、図中の上下方向に沿って流路252aを有する。
【0059】
大気弁254は、針部267が大気弁収納室232の壁部269側を向くように配される。壁部269には、針部267と対向するように、シールフィルム263が貼り付けられる。このシールフィルム263は、大気弁収納室232と連通室234bとの間を遮断する。シールフィルム263を備えることにより、未使用時にインク収容部111に収納されたインクが連通室234bよりも大気側へ流出するのを防ぐことができる。
【0060】
大気弁収納室232における壁部269と反対側には、中央に孔部261aを有する弾性部材からなるシール部材261が取り付けられる。シール部材261の孔部261aからは、孔部261aよりも小径の大気弁254の軸部264が突出する。コイルバネ255は、円板部260をシール部材261へ向けて付勢する。これにより、円板部260がシール部材261に当接し、この状態において大気弁254が大気弁収納室232と連通部224との間を遮断する。
更に軸部264の外側は前述の実施例と同様に連通部224を大気と遮断した空間を形成するようにフィルム132により封止されている。この空間は連通孔253を介して大気と連通している。フィルム132は、連通部224に貼り付けられた後に、加熱した冶具が当てられ、キャリッジ42の当接部材60が大気弁254を押し上げて大気弁収納室232と連通部224とを連通する位置まで、冶具がフィルム132を介して大気弁254を押し上げ、フィルム132が引き伸ばされる。これにより、フィルム132には、大気弁650が大気弁収納室232と連通部224とを連通するまで、当接部材60がフィルム132を介して大気弁254を押し上げることを可能にする撓みが設けられる。よって、キャリッジ42の当接部材60がフィルム132を介して大気弁254を押し上げる場合に、フィルム132が破れることが防止される。また、フィルム132を押圧するための抵抗を下げることができる。
【0061】
インクカートリッジ100がキャリッジ42に装着される場合に、キャリッジ42の当接部材60が、大気弁254の軸部264に当接して、大気弁254をコイルバネ255の付勢力に抗して押し上げる。これにより、大気弁254の円板部260がシール部材261から離間し、流路252aを通じて、大気弁収納室232と連通部224とが連通する。
【0062】
インクカートリッジ100には、工場出荷後の状態において、シールフィルム263が壁部269に貼り付けられている。工場出荷後に初めてインクカートリッジ100がキャリッジ42に装着されるときに、上述のように大気弁254が押し上げられるので、大気弁254の針部267の先端が、シールフィルム263を突き破る。これにより、大気弁収納室232と連通室234bとが連通する。針部267により、インクカートリッジ100がキャリッジ42へ初回に装着される場合に、シールフィルム263が確実に破られる。
【0063】
図16は、本発明における他の実施形態のインクカートリッジ500の正面図である。図17は、図16を断面A−Aで切断して下部を拡大して示す拡大断面図である。図16に示すインクカートリッジ500において、図1から図8に示すインクカートリッジ100と同一の構成には同一の参照番号を付し、説明を省略する。
【0064】
図16に示すインクカートリッジ500は、大気弁650が収容される大気弁室669の下方に、大気弁650を押し上げる大気弁押圧部材654を収容する押圧部材収容室652を配した点が、図1から図8に示すインクカートリッジ100と異なる。
【0065】
図17に示すように、インクカートリッジ500の大気弁室669は、フィルム130とカートリッジ本体120で形成されている。フィルム130は大気弁室669を封止し、その外側には蓋体140が取り付けられていて、フィルム130が破れることのないよう保護している。大気弁室669の底面には大気弁連通部624が形成されている。この大気弁室669の内部には大気弁650が、コイルバネ656とともに挿入されている。大気弁650は、ポリプロピレン等比較的硬い材料からなるコアとその周囲に配設された、例えばエラストマ等の比較的柔らかい材料からなる弾性体とからなり、一体的に形成されている。コイルバネ656は、弾性力により大気弁650を大気弁連通部624の周囲に押圧し、大気弁650が大気弁連通部624を封止する。この大気弁連通部624からは、大気弁650の下端に設けられた小径部の軸部が、大気弁室669の下部に配された押圧部材収容室652へ突出している。
【0066】
押圧部材収容室652は、上面および4つの側面がカートリッジ本体120で形成され、底面が開放された角柱状の中空部を有し、この中空部に大気弁押圧部材654を収容する。押圧部材収容室652における4つの側面が硬い樹脂からなるカートリッジ本体120から形成されるので、大気弁押圧部材654のがたを少なくすることができる。押圧部材収容室652の中空部の底面には、中空部に大気弁押圧部材654が収容された状態で、フィルム480が貼り付けられて封止される。フィルム480が押圧部材収容室652の底面に貼り付けられた後に、フィルム480に加熱した冶具が当てられ、大気弁押圧部材654が大気弁650を押し上げて大気弁連通部624を開放する位置まで、冶具がフィルム480を介して大気弁押圧部材654を押し上げ、フィルム480が引き伸ばされる。これにより、フィルム480には、大気弁650が大気弁連通部624を開放するまで、当接部材60がフィルム480を介して大気弁押圧部材654を押し上げることを可能にする撓みが設けられる。よって、キャリッジ42の当接部材60がフィルム480を介して大気弁押圧部材654を押し上げる場合に、フィルム480が破れることが防止される。また、フィルム480を押圧するための抵抗を下げることができる。
【0067】
図18は、図16の押圧部材収容室652付近の部分斜視図である。なお、図18において、説明のため、壁面222aを破断して示した。押圧部材収容室652における連通部222側の側面の上部には溜部連通孔の一例として通孔652bが設けられ、押圧部材収容室652の中空部と連通部222とを連通する。これにより、大気弁押圧部材654が大気弁650を押し上げた状態において、大気と連通する連通孔218、連通部222、通孔652b、押圧部材収容室652、大気弁連通部624、連通孔238、連通孔242の順に通って、空気が大気側収容部270に流入する。
【0068】
押圧部材収容室652における側面652aの外側には、上述のフィルム130が貼り付けられ、部屋652cが形成される。部屋652cの上部は、切り欠き652dにより連通部222と常に連通している。これにより、部屋652c内の空気が膨張した場合にフィルム130がカートリッジ本体120から剥離することを防止することができる。
【0069】
図19は、大気弁押圧部材654の斜視図である。大気弁押圧部材654は、上下に延伸して断面が十字の本体部654cと、本体部654cの上下に配された円盤状の上面部654aおよび底面部654bを有し、例えば、樹脂等により射出成形される。本体部654cの断面を十字にすることにより、上面部654aと同一径の円柱の場合と比べて、上面部654aの射出成形のひけを小さくすることができる。なお、図19に示す本体部654cの切り欠きは、大気弁押圧部材654を射出成形する場合のゲートである。
大気弁押圧部材654の上面部654aはその上面において、上面部654aの中心からずれた位置で大気弁650の端部と当接する。これにより、大気弁押圧部材654の射出成形のひけにより凹部が形成されるおそれのある中心を避けて、大気弁押圧部材654の上面部654aが大気弁650の端部と確実に当接することができる。
【0070】
以上の構成において、押圧部材収容室652は、大気弁254および大気弁連通部624より下方にあって、大気弁連通部624よりも大気側に設けられているので、大気弁254の周囲にインクが流れ込むことがあっても、このインクは、大気弁連通部624を通って押圧部材収容室652へ流れ落ちる。よって、押圧部材収容室652は、本発明の液体溜部としても機能し、大気弁連通部624の周囲にインクが溜まる場合に比べて、大気弁連通部624を流れる大気の流路抵抗を減少させることができる。また、通孔652bが押圧部材収容室652の側面上方に設けられるので、押圧部材収容室652に溜まったインクが押圧部材収容室652の外に漏れ出すことを防ぐことができる。
【0071】
以上、本実施形態によれば、インクカートリッジ100、500に収容されたインクがインクカートリッジ100、500の外に漏れ出すことを防止するとともに、インクカートリッジ100、500がインクジェット式記録装置のキャリッジ42へ装着される場合に、確実に大気弁254、654を押し上げて、インクカートリッジ100のインク収容部111を大気と連通することができる。
【0072】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態によるインクカートリッジ100の正面斜視図である。
【図2】 フィルム110が貼り付けられる前のインクカートリッジ100の背面斜視図である。
【図3】 フィルム110が貼り付けられた後のインクカートリッジ100の背面斜視図である。
【図4】 インクカートリッジ100の分解斜視図である。
【図5】 インクカートリッジ100の分解斜視図である。
【図6】 フィルム130が貼り付けられる前のインクカートリッジ100の正面図である。
【図7】 フィルム130が貼り付けられた後のインクカートリッジ100の正面図である。
【図8】 フィルム110が貼り付けられる前のインクカートリッジ100の背面図である。
【図9】 大気弁254および連通孔239周辺の分解斜視図である。
【図10】 キャリッジ42の斜視図である。
【図11】 インクカートリッジ100とキャリッジ42との関係を示す概略断面図である。
【図12】 インクカートリッジ100とキャリッジ42との関係を示す概略断面図である。
【図13】 インクカートリッジ100と他の例のキャリッジ42との関係を示す概略断面図である。
【図14】 (a)および(b)は他の例の大気弁254の斜視図である。
【図15】 大気弁254が収納された大気弁収納室232の拡大断面図である。
【図16】 第2の実施形態のインクカートリッジ500を示す平面図である。
【図17】 図16の断面A−Aの下部を示す拡大断面図である。
【図18】 押圧部材収容室652付近の部分拡大図である。
【図19】 大気弁押圧部材654の斜視図である。
【符号の説明】
42…キャリッジ、50…インク供給針、60…当接部材、100…インクカートリッジ、110…フィルム、111…インク収容部、120…カートリッジ本体、122…開口部、130…フィルム、132…フィルム、140…蓋体、150…インク供給制御手段、232…大気弁収納室、250…大気弁部、254…大気弁、255…コイルバネ、257…凹部、258…ガイド部、261a…孔部、260…円板部、261…シール部材、263…シールフィルム、264…軸部、267…針部、269…壁部、480、フィルム、500…インクカートリッジ、624…大気弁連通部、650…大気弁、652…押圧部材収容室、654…大気弁押圧部材、654a…上面部、654b…底面部、654c…本体部
Claims (7)
- 液体噴射装置に装着されて前記液体噴射装置へ液体を供給する液体カートリッジであって、
前記液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部と連通すると共に、前記液体噴射装置に形成された液体供給針が挿入される液体供給部と、
前記液体収容部を大気に連通させる連通孔と、
前記連通孔の周囲を封止する封止部、および、前記封止部から突起して前記連通孔に挿通されて前記連通孔の内面に対して隙間を形成しつつ複数箇所で接する軸部を有する大気弁と、
前記液体噴射装置に装着される姿勢において前記大気弁および前記連通孔より下方であって、前記連通孔よりも大気に近い側に設けられ、前記連通孔から流出した液体を溜める液体溜部と
を備え、
前記液体噴射装置に装着される姿勢において前記液体溜部の上部には、大気と前記液体収容部の前記連通孔とを連通する溜部連通孔が配され、
前記液体溜部は、前記液体噴射装置に装着される姿勢における底面が開放された中空部および前記中空部の前記底面を封止するフィルムを有し、
前記液体溜部の前記中空部に収容され、前記液体噴射装置に形成された当接部材により前記フィルムを介して押し上げられることにより、前記大気弁を押し上げる大気弁押圧部材をさらに備え、
前記液体カートリッジが前記液体噴射装置に装着された場合に、前記大気弁押圧部材が前記液体噴射装置に形成された当接部材に押し上げられて大気弁を押し上げることにより、前記封止部が前記液体供給部に対する前記液体供給針の挿入方向とほぼ平行な方向に移動して、前記液体収容部を前記連通孔に対して開放する液体カートリッジ。 - 前記連通孔が矩形の断面形状を有し、前記軸部が、前記連通孔の内側に内接する円形の断面形状を有する請求項1に記載の液体カートリッジ。
- 前記液体カートリッジが、前記液体噴射装置から外された状態において、前記連通孔を封止すべく前記大気弁を前記連通孔へ付勢するコイルバネをさらに備える請求項1に記載の液体カートリッジ。
- 前記大気弁が、
前記コイルバネに挿入される略円筒形状を有するガイド部と、
前記コイルバネにより前記連通孔の周囲を封止すべく付勢される、前記ガイド部よりも大きい直径を有する円板部とを有し、
前記ガイド部には、前記コイルバネに挿入される側から切り込まれた切込部が設けられている請求項3に記載の液体カートリッジ。 - 前記大気弁が前記連通孔を開放するまで、前記液体噴射装置の前記当接部材が前記フィルムを介して前記大気弁押圧部材を押し上げることを可能にするべく、前記フィルムに撓みを有する請求項1に記載の液体カートリッジ。
- 前記液体カートリッジの側面に取り付けられ、前記液体カートリッジに装着される記憶手段を支持すると共に、前記液体カートリッジが前記液体噴射装置に装着される場合に前記液体噴射装置に接して前記液体カートリッジを位置決めする取付部を更に備え、
前記大気弁が前記取付部の近傍に配置されている請求項1に記載の液体カートリッジ。 - 前記液体収容部と前記連通孔との間に、前記連通孔側から前記液体収容部側へ大気が移動することを許容し、前記液体収容部側から前記連通孔側へ液体が移動することを禁止する逆止弁をさらに備える請求項1記載の液体カートリッジ。
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