JP3858163B2 - 高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法並びにこの方法を適用したランプユニット - Google Patents

高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法並びにこの方法を適用したランプユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のヘッドランプ等の内側に組み込まれ、高温且つ密閉された状態で使用されるエクステンション等を製造する技術として適切な、高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法並びにこの方法を適用したランプユニットに関するものである。
【0002】
【発明の背景】
自動車等のデザインの開発はあらゆる部位に及んでおり、最近ではヘッドランプ等の機能部品でさえも、そのランプユニット内部に装着されるエクステンションの細部にまで種々のデザイン処理が要求されている。このような要求に応えるにあたっては、その造型処理とともに、カラーリング処理も不可欠となるが、造型的に内部エクステンションが三次元立体形状の場合、そのカラーリング処理は比較的単調なものにとどまっていた。すなわちこのような三次元立体形状の場合には、スプレーコートによる塗色、真空蒸着によるメタルカラーの再現、素材そのものによる発色等に限られ、いわゆる模様構成はとられていない。しかしながらデザイン処理の要求が多岐にわたってくると、三次元立体形状に対しても複雑な模様構成をとることの要求が高まってきている。具体的には通常のヘッドランプとフォグランプ等とが一つのレンズで覆われるランプユニットにおいては、そのエクステンションにおけるヘッドランプ用の開口部とフォグランプ用の開口部との間に必然的に比較的広い面が形成されるため、付加価値や差別化を図る目的でこの面に模様を施したいという要求がある。
【0003】
ところでこのような三次元立体形状に形成された部材への曲面印刷方法として水圧転写法がある。この加工方法は水溶性フィルム上に転写インクを塗布して成る転写フィルムを水槽内の水面上に浮遊させ、その上方からエクステンション等の被転写体を押し付け、水圧によって被転写体表面に転写インクを転写するというものである。なお転写フィルムは着水前あるいは着水後の転写以前の段階で活性剤が塗布され、粘着性が与えられ転写可能の状態となる。
【0004】
一方、ヘッドランプ等を具えたランプユニットは内部でハロゲンバルブ等のバルブを点灯させて使用するため、点灯中ランプユニット内部は密閉され且つ高温になり、前記したようにランプユニット内部の部材に曲面印刷を施した場合には転写インクあるいは活性剤の一部が揮発し、ランプ内部に霞を発生させるいわゆるフォギングの発生という問題があった。もとよりランプは法令で決められた明るさいわゆる配光を有するように設計されているため、このようなフォギングの発生は配光性能を悪化させる原因でもあり、運転者の視界を狭くすることにもなる。
【0005】
このフォギングすなわち霞の度合いはISO−6452のガラス霞度試験に基づき、スガ試験機株式会社製直読ヘイズコンピュータを用いて判定値(ヘイズ値)を定めている。そしてこの試験の概略は密閉した器内で試験片を加熱し、その揮発分をガラス板に凝着させた後、概ねガラス板を透過する全光量に対し、ガラス板により散乱される光量の割合を霞度として測定するものである。そしてこの割合として前記直読ヘイズコンピュータの測定値10%以内を判定値としているため、本明細書でもこの割合を10%以内にすることをフォギングの発生を抑える意味として使っている。更にランプユニットの肉厚あるいは発光部空間の容積あるいは量産段階での個々の製品でのバラツキ等を考慮した場合には、5%以内とすることが望ましい。
【0006】
そしてこのようなフォギングの発生を抑える方法として例えばエクステンションを透明な材質で仕切板状に形成し、発光部をレンズ側とリフレクタ側の二つの空間部に分け、エクステンション表面への印刷は実質的に発光部以外の部分に施すことが考えられる。しかしながらこのような手法ではエクステンションを仕切板状に設けることにより発光部空間を小さくすることになり、ランプユニットの耐熱上、不利であり、実際にかなりの高温となるヘッドランプ等では非現実的である。このため表面に印刷が施されたエクステンションを内部に組み込んだランプユニットは実用化までに至っていないのが実情であり、模様構成が要求される場合は専らランプユニットの表面部のみの印刷にとどまっていた。
【0007】
【開発を試みた技術的課題】
本発明はこのような背景を認識してなされたものであり、ランプユニット内部のエクステンション等に種々の模様の曲面印刷がなされていてもフォギングの発生を抑えることができる高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した新規な曲面印刷方法とこの方法を適用したランプユニットの開発を試みたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1記載の高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法は、水溶性フィルム上に転写インクを塗布して成る転写フィルムを水槽内の水面上に浮遊させ、その上方から被転写体を押し付け、水圧によって被転写体表面に転写インクを印刷する方法において、前記転写フィルムに粘着性を与え、転写可能とする活性剤の可塑剤成分としてDMP(フタル酸ジメチル)またはDEP(フタル酸ジエチル)を使用し、転写後主にこれらの可塑剤成分を蒸発させる揮散促進乾燥を行うことを特徴として成るものである。
この発明によれば、活性剤の可塑剤成分としてDMP(フタル酸ジメチル)またはDEP(フタル酸ジエチル)を使用し、転写後揮散促進乾燥を行うため、例えばヘッドランプ内部等に装着される部材に印刷した際にはフォギングの発生を抑えることができ、このような高温密閉状態で使用される部材への印刷が可能となる。
【0009】
また請求項2記載の高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法を適用したランプユニットは、光源たるバルブと、バルブから照射された光の一部をカットするシェードと、バルブから発した光を反射させるリフレクタと、リフレクタの後方に配されるランプボディーと、ランプボディーの前全面を密閉状に覆うレンズと、レンズとランプボディーとの間に発光部の正面投影形状とほぼ同じ形状の開口部を有するエクステンションとを具えて成るランプユニットにおいて、
前記エクステンション、水圧転写による表面化粧が施されて成り、この水圧転写を行うにあたっては、水溶性フィルム上に転写インクを塗布して成る転写フィルムを水槽内の水面上に浮遊させ、その上方からエクステンションを押し付け、水圧によってエクステンションの開口部以外の面に転写インクを印刷するものであり、その際、前記転写フィルムに粘着性を与え、転写可能とする活性剤の可塑剤成分としては、DMP(フタル酸ジメチル)またはDEP(フタル酸ジエチル)を使用し、転写後主にこれらの可塑剤成分を蒸発させる揮散促進乾燥を行うものであり、
これにより表面化粧に起因するフォギングの状態をガラス霞度試験において10%以下に抑えるようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、点灯中ランプユニット内部は高温密閉状態となるが、フォギングの発生を抑えることができる。更にランプユニット内部に種々の模様の印刷が施されたエクステンション等を装着できるため、ランプユニットの種類もより豊富となり、付加価値や差別化が図れる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図示の実施の形態に基づき説明する。なお以下の説明にあたっては、まず高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷装置1について説明し、次いでこの装置の作動態様を説明しながら併せて本発明の曲面印刷方法について説明する。そしてその後、この方法により曲面印刷の施されたランプユニットL1について説明する。
【0011】
高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷装置1は実質的に水圧転写装置2により構成されるものであり、この水圧転写装置2は一例として図1に示すように水槽3と、転写フィルム供給装置4と、活性剤塗布装置5と被転写体搬送装置6と、水切乾燥装置7と、揮散促進乾燥装置8とを具えて成るものである。
【0012】
水槽3は処理槽3aとオーバーフロー槽3bとを具えて成り、この実施の形態では処理槽3a内に水Lが貯留されており、この処理槽3aからオーバーフローした水Lはオーバーフロー槽3bを経た後、循環管路31を通じてポンプ32により水面に波立ちのない状態で処理槽3aに緩やかに還流されるようになっている。なお転写フィルムFの担持シートを膨潤ないし、または溶解し得るものであれば水Lに代えてその他の液体を用いてもよい。
【0013】
更に水槽3の処理槽3a内には、処理槽3aの左右両側壁の近傍にスプロケッットに巻装された一対のチェーンを配設してチェーンコンベヤ33が構成されており、このチェーンコンベヤ33は上方の水面循環側において転写フィルムFがオーバーフロー槽3b側に向けて進行するのを補助するように同じ向きに駆動されるものである。
【0014】
転写フィルム供給装置4は、ロール巻きされた転写フィルムFから成るフィルムロール41と、このフィルムロール41から引き出された転写フィルムFを加熱するヒートロール42と、転写フィルムFに引出力を与える引出ロール43とを具えて成るものである。なお引出ロール43の上方側は活性剤塗布面を擦ることのないよう転写フィルムFの両端のみに接触するものである。
【0015】
また転写フィルムFは、例えばゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール樹脂等から成る水溶性フィルムを担持シートとするものであり、この担持シートの一方の表面には塗布された転写インクによって適宜の模様(転写パターン)があらかじめ乾燥状態に塗着されたインク面Pが形成されている。
【0016】
活性剤塗布装置5は、転写フィルム供給装置4のヒートロール42と引出ロール43との間に設置され、転写フィルムFに所要の活性剤Kを塗布するローラコータ51が設置されている。なおこの実施の形態では活性剤塗布装置5をヒートロール42と引出ロール43との間に設けたが、引出ロール43の周辺に設け、転写フィルムFが水槽3に供給される直前に上方から活性剤Kを塗布する形態や転写フィルムFが水槽3に供給され、着水した後、上方から活性剤Kを塗布する形態もとり得る。
【0017】
なお活性剤Kは、転写フィルムFのインク面Pに塗布された乾燥状態の転写インクに粘着性を付与して転写可能の状態とするものであり、樹脂成分、溶剤成分、可塑剤成分、体質顔料等の混合物である。ここで溶剤成分は転写終了時までの粘着性を回復させるインク溶解を行い、樹脂成分は初期密着性を確保するとともにインクの拡散を防止し、可塑剤成分は樹脂成分に可塑性を付与し、体質顔料はインク表面の見掛け乾燥化を計るとともに、インクズレを規制しつつ、伸展性を与えるなど、各成分がそれぞれ機能を分担ないし補完して一つの活性剤Kを構成している。
【0018】
被転写体搬送装置6は、コンベヤ61に被転写体Wを把持するホルダ62を有するもので、駆動モータ等によって転写フィルムFの移送速度と対応して連続的に駆動される。そしてコンベヤ61は側面から見て三角形状の搬送軌道を形成し、その下部において被転写体Wを一定時間水面に押し付け、模様が転写された後、再び引き上げるように構成されている。なおこの実施の形態では被転写体Wとして後述するランプユニットL1の内部に装着されるエクステンションL7が適用され、このものに転写されることになる。その後、被転写体Wはシャワーリングにより水溶性のフィルム成分が洗い落とされ、次いで圧空吹き付けにより大きな水滴が飛ばされた後、水切乾燥装置7に送られる。
【0019】
水切乾燥装置7は、まだ表面が濡れている状態の被転写体Wを水切り程度に乾燥させるものであり、80℃程度の温度下で15分程度の乾燥が行われる。
揮散促進乾燥装置8は、活性剤Kに含まれる可塑剤成分等を蒸発させるためのものであり、120℃程度の温度下で30〜60分程度の乾燥が行われる。
【0020】
なおこの実施の形態では、着水前に転写フィルムFに活性剤Kを塗布し、この転写フィルムFを水槽3に連続的に供給するとともに、被転写体Wを所定の入射角及び取出角をもって連続的に水中に浸漬させる三角コンベヤタイプの搬送手段を有する装置を示したが、着水後に活性剤Kを塗布するもの、転写フィルムFを枚葉状のシートとして流動させることなく一枚毎浮かべてバッチ式に処理するもの、被転写体Wを垂直に浸漬させるもの等、種々の装置が適用できる。
【0021】
次に装置の作動態様について説明しながら、併せて本発明の高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法について説明する。まず転写フィルムFがフィルムロール41から引き出され、ヒートロール42を経由した後、そのインク面Pにローラコータ51により所要の活性剤Kが塗布される。この際、活性剤の可塑剤成分として従来はDBP(フタル酸ジブチル)が使用されてきたが、本発明においてはDMP(フタル酸ジメチル)またDEP(フタル酸ジエチル)が使用される。これは転写加工後のテストプレートを水切乾燥したものと、更に可塑剤成分等を飛ばす揮散促進乾燥したものとの霞度を比較した結果、ランプユニットL1のフォギングの大きな要因の一つとしてDBP(フタル酸ジブチル)が高温密閉下で蒸発することが考えられるためである。
【0022】
そしてこのような可塑剤成分を含む活性剤Kがローラコータ51によりインク面Pに塗布された後、転写フィルムFは、引出ロール43を経由して、そのインク面Pを上向きとした状態で水槽3内の水面上に移送される。この水槽3の水面上に達した転写フィルムFは水面上で浮遊状態となり、水槽3の水Lによる膨潤を開始し、徐々に拡大する。また同時に転写フィルムFは水槽3の水面における水流と水槽3内に設置されたチェーンコンベヤ33により順次下流側に移送される。
【0023】
一方、水槽3の上方からは被転写体搬送装置6により被転写体Wが転写フィルムFの移送速度とほぼ同速で移送されながら上方から転写フィルムFに押し付けられ、転写が行われる。その後、被転写体Wは被転写体搬送装置6により水槽3から引き上げられ、被転写体搬送装置6から取り外された後、シャワーリングにより水溶性のフィルム成分が洗い落とされ圧空吹き付けにより大きな水滴が飛ばされた後、水切乾燥装置7へ送られる。そして被転写体Wの表面の濡れが乾いた後、活性剤Kの可塑剤成分等を主に蒸発させる揮散促進乾燥装置8に送られ、その後、必要に応じてクリア塗料等にてトップコートされて曲面印刷が完了する。なおこの揮散促進乾燥は可塑剤成分のみならず、フォギングの他の要因とも考えられる溶剤成分等も蒸発させる。そして前記したDMP(フタル酸ジメチル)またはDEP(フタル酸ジエチル)を可塑剤として使用し、併せて揮散促進乾燥を行い、霞度試験を行った結果、良好であったため、本発明においてこれらを併用し、曲面印刷を行うものである。
【0024】
すなわち従来常法の水圧転写を施したエクステンションを用いてランプユニットを組み立て、これを点灯試験してみたところ短時間でランプユニット内にフォギングが発生し、とても使用に耐えないことが判明した。そこでそのフォギングの原因としては、水圧転写により形成される転写インクを含んだ塗膜成分としか考えられないのであり、直観的には転写インクにまず疑いの目が向けられる。しかしながら種々の試験等を行い究明した結果、本出願人は転写インクではなく、一旦乾燥状態にあった転写インクを再び粘着化等する活性剤Kにその原因があるのではないかと予想し、また活性剤Kは単一成分品ではなく混合組成物であるため、活性剤K中に含まれる溶剤等の高沸点物質に疑いを抱き、ポリカーボネート製の試験片に対して本来必要とされるベースコートやトップコートをせずに水圧転写して、ガラス霞度試験を行ってみた。
【0025】
まず従来常法の水圧転写を行った試験片のガラス霞度を測定したところ、45%であった。次に活性剤Kに含まれているいずれかの高沸点物質を疑ったので、まず揮散促進乾燥(例えば120度×30〜60分程度)を行った後に、ガラス霞度を測定してみたところ、12.3%と大きく改善されるのを知った。しかしこれでもヘイズ値10%以下を達成することができなかったので、活性剤Kの組成成分に順次検討を加えてみたところ、溶剤に比べ可塑剤の方がはるかに高い沸点を有していることが判明した。このため次に可塑剤を従来のDBP(フタル酸ジブチル)でその添加量を1/2としたものと、DBPに代えて従来と同量だが、より沸点の低いDMP(フタル酸ジメチル)としたものについて同様に試験してみたところ、従来の可塑剤たるDBPを従来量の1/2としたもののガラス霞度が27%、DMPとしたものが32.1%となり、可塑剤Kだけの変更でもヘイズ値の10%以下をとても満足することができないことを知った。
【0026】
そこでこれらに対して更に揮散促進乾燥を加えてみて試験したところ、DBPを従来量の1/2としたもののガラス霞度が2%、DMPとしたものが1%と急激に改善することができた。ところでこれらの試験は、ベースコートやトップコートをせずに水圧転写したポリカーボネート製の試験片での試験結果であったので、次に実製品と同様に下地色と付着性を確保するためのベースコートを施した試験片に対して水圧転写を行い、揮散促進乾燥後、表面物性と適度な艶を確保するためのトップコートを施した試験片について再びガラス霞度試験を試みた。因みにこのときベースコートやトップコートは、それぞれ単独ではガラス霞度5%以内を満たすものである。
【0027】
すると今度はDBPを従来量の1/2としたもののガラス霞度が9%、DMPとしたものが4.4%となり、可塑剤をDMPに代え、なお且つ揮散促進乾燥した場合には更にガラス霞度5%以内に改善することができた。ここで従来のDBPを従来量の1/2としたものが9%であったのは、多分、DBPがベースコート層に移行、残存し、これが後に揮発してきたからだと思われる。またDMPに代えたものが4.4%に抑えられたのは、ベースコート層への移行がDBPほどではなかったからだと思われる。つまり可塑剤の変更と揮散促進乾燥の採用との両者が、ガラス霞度を5%以下まで改善する手法と結論された。またその後、DMPに代えて物性的に非常に似かよっているDEP(フタル酸ジエチル)でも同様に行ってみたところ、DEPでもガラス霞度5%以内にすることができることを確認した。
【0028】
なおこの実施の形態では水切乾燥と揮散促進乾燥の工程を分けているが、乾燥温度及び乾燥時間を調節することにより、一つの工程とすることも可能である。更にトップコートが施される場合には、このトップコート乾燥も含め、一つの乾燥工程とすることも可能である。
【0029】
次にこのような方法により曲面印刷の施されたランプユニットL1について説明する。ランプユニットL1は、図3に示すように光を発する光源たるバルブL2と、バルブL2から照射された光の一部をカットするシェードL3と、バルブL2より発した光を反射させるリフレクタL4と、リフレクタL4の後方に配されるランプボディーL5と、ランプボディーL5の前全面を密閉状に覆うレンズL6と、レンズL6とランプボディーL5との間に組み込まれるエクステンションL7とを具えて成るものである。
【0030】
バルブL2は、一例としてハロゲンバルブが用いられるが、白熱バルブ等が用いられても構わない。シェードL3はリフレクタL4とともに照射光を所定の配光パターンとするため適宜の形状に形成される。またリフレクタL4は一例としてポリカーボネート等の樹脂材料により成形されるが、鉄等の金属材料が使用されても構わない。またリフレクタL4は一例としてバルブL2から放射状に発せられた光を平行光線として反射するため断面形状が放物面となる回転放物面状に形成されており、内部表面にはこの反射をより効率良く行うためアルミニウム真空蒸着等、適宜の表面処理がなされている。
【0031】
ランプボディーL5はリフレクタL4の後方に配され、リフレクタL4を支持するとともに前全面をレンズL6によりシール性を保った状態で覆われるものである。このためランプボディーL5はレンズL6とほぼ同じ正面投影形状を有するとともに、その外周はレンズL6を受け入れるように全周にわたりコの字状に形成される。なおランプボディー5LとレンズL6とは接着剤やクリップ等により固定されシール性が維持される。
【0032】
レンズL6はランプユニットL1をフード状に覆うものであり、一例としてポリカーボネート等の樹脂材料により成形されるが、ガラス等の材料が使用されても構わない。またシェードL3及びリフレクタL4が照射光を所定の配光パターンに形成するため、レンズL6内面にレンズステップが形成されず、素通しレンズの形態をとっている。このためこの実施の形態では、レンズL6は専らランプユニットL1をカバーする作用を担うものであり、光を集光あるいは拡散させるものではないが、例えばレンズL6内面にレンズステップが形成され、光を拡散させるような形態であっても構わない。
【0033】
エクステンションL7はリフレクタL4とレンズL6との間に組み込まれるものであり、その外周形状はレンズL6を正面から見た投影形状とほぼ同一に形成され、ランプユニットL1が実質的に光る発光部すなわちリフレクタL4の回転放物面の部分に開口部L7aが形成されている。なお開口部L7aは発光部の正面投影形状に合わせ適宜丸型、角型等に形成されるものである。そして図2に示すように例えば通常のヘッドランプとフォグランプとが一つのレンズL6で覆われるランプユニットL1においては、そのエクステンションL7における開口部L7aがヘッドランプ用のものとフォグランプ用のものとの二つが形成され、二つの開口部L7aの間には必然的に比較的広い面が形成される。このためこの面に付加価値や差別化を図る目的で前記した高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法により適宜の模様が施される。またこのため点灯中のフォギングの発生を抑えながらもレンズL6を通して外部から見える際には車体との外観にマッチするように形成されるのである。
【0034】
なおエクステンションL7がこのように開口部L7aを二つ有する場合、二つとも上述した通常のヘッドランプの構成をとることも可能であるし、図2に併せて示すように通常のヘッドランプ用の大きな開口部L7aとフォグランプ用の小さな開口部L7aとの二つを有する場合には、フォグランプ用としてプロジェクタランプユニットL10を適用することも可能である。このプロジェクタランプユニットL10は、図4に示すようにバルブL2と、シェードL3と、楕円リフレクタL14と、集光レンズL16とを具え、これらを一体的に形成して成るものである。楕円リフレクタL14は楕円放物面で形成されており、照射光をほぼ一点(焦点)に集約させるものであり、集光レンズL16はシェードL3により適宜の配光パターンにされた集約光を拡散するものである。またこのような形態をとる場合には、図4に併せて示すようにエクステンションL7はプロジェクタランプユニットL10の外周に位置し、プロジェクタランプユニットL10を支持するように構成される。
【0035】
なお図3で図示したエクステンションL7が専らデザインを施すことを目的として設けられるのに対し、図4に図示するエクステンションL7はプロジェクタランプユニットL10の取付フレームとしての機能をも持ち合わせながら付加価値を付けるためデザインを施すものである。そしてこのようなプロジェクタランプユニットL10を二つ組み込んでランプユニットL1を構成する形態をも可能であるし、この種の他の汎用ユニットとしてリフレクタL4、レンズL6及びフィラメントまでを一体形成したシールドビーム型あるいはリフレクタL4とレンズL6とを一体としたセミシールドビーム型等、種々のタイプの汎用ユニットが適用可能である。更にまた図示したエクステンションL7は通常のヘッドランプ用の大きな開口部L7aとフォグランプ用の小さな開口部L7aとを有する四灯式のものであるが、一つのエクステンションL7に一つの開口部L7aを有する二灯式のものであっても構わない。またエクステンションL7はヘッドランプの機能を有するランプユニットL1に適用する形態だけでなく、クリアランスランプ等、種々の機能を有するランプユニットに適用されるものである。
【0036】
【発明の効果】
請求項1記載の高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法によれば、従来不可能であった高温且つ密閉状態で使用される部材への曲面印刷が可能となり、例えばランプユニットL1内部に装着されるエクステンションL7に印刷した際には、フォギングの発生を抑えることができる。
【0037】
また請求項2記載の高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法を適用したランプユニットによれば、内部に適宜の模様を施したエクステンションL7等を装着できるため、ランプユニットL1の種類がより豊富となり差別化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法を骨格的に示す説明図である。
【図2】 本発明のランプユニットを示す分解斜視図である。
【図3】 ヘッドランプ用の開口部を示す縦断側面図である。
【図4】 フォグランプ用の開口部を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 曲面印刷装置
2 水圧転写装置
3 水槽
3a 処理槽
3b オーバーフロー槽
4 転写フィルム供給装置
5 活性剤塗布装置
6 被転写体搬送装置
7 水切乾燥装置
8 揮散促進乾燥装置
31 循環管路
32 ポンプ
33 チェーンコンベヤ
41 フィルムロール
42 ヒートロール
43 引出ロール
51 ローラコータ
61 コンベヤ
62 ホルダ
F 転写フィルム
K 活性剤
L 水
L1 ランプユニット
L2 バルブ
L3 シェード
L4 リフレクタ
L5 ランプボディー
L6 レンズ
L7 エクステンション
L7a 開口部
L10 プロジェクタランプユニット
L14 楕円リフレクタ
L16 集光レンズ
P インク面
W 被転写体

Claims (2)

  1. 水溶性フィルム上に転写インクを塗布して成る転写フィルムを水槽内の水面上に浮遊させ、その上方から被転写体を押し付け、水圧によって被転写体表面に転写インクを印刷する方法において、前記転写フィルムに粘着性を与え、転写可能とする活性剤の可塑剤成分としてDMP(フタル酸ジメチル)またはDEP(フタル酸ジエチル)を使用し、転写後主にこれらの可塑剤成分を蒸発させる揮散促進乾燥を行うことを特徴とする高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法。
  2. 光源たるバルブと、バルブから照射された光の一部をカットするシェードと、バルブから発した光を反射させるリフレクタと、リフレクタの後方に配されるランプボディーと、ランプボディーの前全面を密閉状に覆うレンズと、レンズとランプボディーとの間に発光部の正面投影形状とほぼ同じ形状の開口部を有するエクステンションとを具えて成るランプユニットにおいて、
    前記エクステンション、水圧転写による表面化粧が施されて成り、この水圧転写を行うにあたっては、水溶性フィルム上に転写インクを塗布して成る転写フィルムを水槽内の水面上に浮遊させ、その上方からエクステンションを押し付け、水圧によってエクステンションの開口部以外の面に転写インクを印刷するものであり、その際、前記転写フィルムに粘着性を与え、転写可能とする活性剤の可塑剤成分としては、DMP(フタル酸ジメチル)またはDEP(フタル酸ジエチル)を使用し、転写後主にこれらの可塑剤成分を蒸発させる揮散促進乾燥を行うものであり、
    これにより表面化粧に起因するフォギングの状態をガラス霞度試験において10%以下に抑えるようにしたことを特徴とする高温密閉雰囲気下で使用される部材に適した曲面印刷方法を適用したランプユニット。
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